JPH08243692A

JPH08243692A - ベルト式連続鋳造装置

Info

Publication number: JPH08243692A
Application number: JP7842595A
Authority: JP
Inventors: Hiroshi Nakajima; 宏中嶋; Masahiro Sugihara; 正浩杉原; Junkichi Yoneda; 順吉米田; Koichi Hirata; 耕一平田
Original assignee: Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Current assignee: Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority date: 1995-03-10
Filing date: 1995-03-10
Publication date: 1996-09-24

Abstract

(57)【要約】【目的】スリットノズル及びロールからなるコーティ
ング装置を有するベルト式薄スラブ連続鋳造装置に関す
るもので、ベルトの幅方向への均一なコーティングを可
能としコーティング剤の歩留りを高くすると共に、コー
ティング厚さの調整、塗布面の幅の調整、高粘度コーテ
ィング剤のひき伸ばし等を良好とすることを目的として
いる。【構成】１対の無端ベルト１が対向配置され、互いに反
対方向に走行する。タンディッシュよりの溶湯はノズル
２０よりベルト間の鋳造空間に供給され、図示していな
い短辺鋳型と共に形成する鋳造空間内で溶鋼を冷却・凝
固して鋳片Ａを形成する。２はコーティング剤吐出スリ
ットノズルで、これと微少間隙を有して配設し、ベルト
と接触回転するアプリケーターロール３とでベルト１へ
コーティング剤をコーティングする。スリットノズル２
のスリット間隔調整のためのボルト１３と、図示してい
ない塗布幅調整機構をスリットノズル２に具備してい
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、スリットノズル、及び
ロールから成るコーティング装置を有するベルト式薄ス
ラブ連続鋳造装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】一般的なベルト式薄スラブ連続鋳造装置
の概略を図４に示す。図４において、タンディッシュ３
０内の溶湯は、その下部に設けた溶湯出口ノズル２０，
２０より、対向して配置され互いに反対方向に回転する
１対の無端ベルト１，１と、該ベルトの幅方向両側端部
に挟持されながら回動する複数個の接続された銅ブロッ
ク群よりなる短辺鋳型１６とにより画成された矩形の鋳
型空間内に注湯される。

【０００３】そして無端ベルト１，１及び銅ブロック群
よりなる短辺鋳型１６が同速度で移動して鋳片Ａを鋳造
する。

【０００４】従来この種ベルト式薄スラブ連続鋳造装置
における移動するベルトの表面へのコーティング剤の供
給及びコーティング手段の一例を図５に示す。

【０００５】図５において、１は互いに反対方向に走行
する１対の無端ベルトで、その上端、下端及びその中間
位置に配設したプーリー１０により懸架され、同プーリ
ー１０の回動につれて矢印Ｃ方向に移動する。

【０００６】移動するベルト１の表面にコーティングを
行なうためのコーティング剤６は、貯留槽よりポンプ５
の作動によりスプレーノズル１５に供給され、移動する
ベルト１表面に気体と共にスプレー噴射される。

【０００７】そしてベルト表面に塗布されたコーティン
グ剤６はベルトヒーター１２により短時間にベルトが誘
導加熱されることにより乾燥される。

【０００８】このようにして乾燥したコーティング剤が
表面に塗布されたベルト１はプーリー１０により移動す
る。

【０００９】ベルト１の両端部ではさまれた１対の短辺
鋳型１６より構成された空間にタンディッシュ３０下部
に設けたノズル２０より溶鋼を注入しつつ、１対のベル
ト１，１及び短辺対の鋳型１６を移動させつつ、かつベ
ルト背面より冷却水を図示矢印Ｂ方向に送って溶鋼を冷
却・凝固させ鋳片Ａとして下方に移動させ鋳片を鋳造し
ていた。

【００１０】

【発明が解決しようとする課題】ところで前述のような
従来装置では、ベルト面にコーティング剤をスプレーノ
ズルにより気体と混合してスプレーし塗布していたた
め、次のような不具合点があった。

【００１１】（１）スプレーノズル１５によりコーティ
ング剤６がベルト面以外にも飛散し、コーティング剤の
歩留りが低い。

【００１２】（２）コーティング厚さをベルト１の幅方
向で所定範囲内（±２０μｍ）とするために、スプレー
ノズル１５へのコーティング剤の供給量及び気体量の調
節が必要であるが、その制御が極めてむずかしい。

【００１３】（３）スプレー噴射のため周囲の雰囲気
（風）の影響を受けやすい。

【００１４】（４）スプレーノズル１５が長時間使用時
コーティング剤により目詰まりを起し性能が低下する。

【００１５】（５）スプレーノズル１５先端からコーテ
ィング剤が落下（ボタ落ち）し、ベルト１面にコーティ
ングの厚い部分を生じて鋳片に不均一凝固が生じる原因
となる。

【００１６】本発明は上記各不具合点を解消した新たな
ベルト式連続鋳造装置を提供することを目的としてい
る。

【００１７】

【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
の構成として本発明のベルト式連続鋳造装置は、対向配
置され、互いに反対方向に回転する１対の無端ベルト
と、該ベルトの幅方向両側端部に挟持されながら搬送さ
れる連続的に接続された複数個の短辺鋳型とにより鋳造
空間を画成し、該空間に溶融金属を注湯して薄鋳片を製
造するベルト式連続鋳造装置における前記ベルト近傍
に、ベルト幅方向のコーティング剤吐出スリットを備え
たノズルと、該スリットノズルと微少間隙を有しかつ前
記ベルトに接触して回転しコーティング剤をベルトに塗
布するアプリケーターロールと、該ロールと共にベルト
を挟持するバックアップ部材からなるベルトコーティン
グ装置を配設すると共に、該コーティング装置の後流側
にコーティング剤乾燥手段を設けたことを特徴としてい
る。

【００１８】また、上記コーティング剤吐出スリットを
備えたノズルが、スリット間隙調節手段を具備すること
も効果的である。

【００１９】また、上記コーティング剤吐出スリットを
備えたノズルが、スリット幅調節手段を具備することも
好ましい。

【００２０】さらに、上記コーティング剤乾燥手段とし
て高周波誘導加熱装置を用いることも効果的である。

【００２１】

【作用】前記構成よりなる本発明においては、容器に貯
留されたコーティング剤がポンプを介しコーティング剤
吐出スリットノズルに送られ、ボルト等のスリット間隙
調節手段によりスリット間隙を調節され、さらにベルト
と直交する方向に配置されたシリンダ等の塗布幅調節手
段の移動により塗布幅を調節されたのち、スリットノズ
ルよりアプリケーターロール上に塗布されたのち、バッ
クアップ部材上を走行するベルトに塗布される。

【００２２】そしてベルト表面上に塗布されたコーティ
ング剤は例えば高周波誘導加熱装置などのコーティング
剤乾燥手段により乾燥された後、タンディッシュよりの
溶鋼と接し、その後ブラシ等によりかき落とされる。

【００２３】乾燥されたコーティング剤を表面に塗布さ
れたベルトは移動し、ベルトの幅方向両側端部に挟持さ
れて搬送される短辺鋳型（サイドダム）と共に矩形断面
の空間を形成し、この矩形断面の鋳造空間内に溶鋼を注
入し、冷却水をベルト面に沿って送りながら溶鋼を冷却
・凝固させ鋳片を形成して行き、ベルトと同速度でベル
ト直下方向に移動排出させて鋳片を鋳造する。

【００２４】

【実施例】以下図面により本発明の実施例について説明
する。図１は本発明の一実施例に係る連続鋳造装置の概
略説明図、図２は同装置におけるコーティング装置の拡
大説明図で、（ａ）はコーティング面の幅を変化させる
機構図、（ｂ）は（ａ）のＡ−Ａ′断面図、（ｃ）は
（ａ）のＢ−Ｂ′断面図、（ｄ）は（ａ）のＣ−Ｃ′断
面図を示す。

【００２５】図１、図２において１は１対の無端ベルト
で対向配置され、互いに反対方向に回転走行される。

【００２６】２はコーティング剤吐出スリットノズル
で、該スリットノズル２はこれと微少間隙を有して配設
され、かつベルト１と接触して回転し、コーティング剤
をベルトに塗布するアプリケーターロール３に近接して
配設されている。

【００２７】そして、容器９に貯留されたコーティング
剤６はポンプ５を介して該スリットノズル２に供給され
る。

【００２８】１３はボルトで、スリットノズル２に設け
られ、図２（ｂ），（ｃ），（ｄ）に示すように該ボル
ト１３によりスリット間隙を調節可能としている。

【００２９】またスリットノズル２の塗布幅を調節する
手段として図２（ａ）に示すようにベルト１の走行方向
と直交するシリンダー１４，１４を両サイドに矢印方向
に往復動自在にスリットノズル２に設けている。

【００３０】スリットノズル２を経たコーティング剤６
はアプリケーターロール３上に塗布されバックアッププ
レート４上を走行するベルト１に塗布される。

【００３１】アプリケーターロール３上に残存したコー
ティング剤はスクレーパー７によりトレイ８にかき落と
され、容器９に逆送される。

【００３２】ベルト１面上に塗布されたコーティング剤
６は、矢印Ｃ方向にベルトと共に移送され、ベルトヒー
ター１２（例えば高周波誘導加熱装置）により乾燥され
た後、溶鋼と接し、その後ブラシ１１によりかき落とさ
れる。

【００３３】使用したコーティング剤は、固形分：５４
ｗｔ％、水：４１．５ｗｔ％、水ガラス：４ｗｔ％、Ｃ
ＭＣ（カルボキシルメチルセルロース）：０．５ｗｔ％
の混合液で、固形分は、ＳｉＯ₂，Ｎａ₂Ｏ，Ａｌ₂Ｏ
₃の混合体（ガラス）で軟化点が約８００℃で、５〜２
０μｍの粒径であった。

【００３４】また、ベルト速度は５ｍ／ｍｉｎで、ベル
トヒーター出力は７５ｋｗである。

【００３５】さらに、コーティング剤の供給量は１１４
ｇ／ｍｉｎで、図２に示すようにスリットノズル内を充
満させている。

【００３６】また、スリットノズル２のスリット間隔は
０．５ｍｍ、アプリケーターロール３とスリットノズル
２の間隔は０．３ｍｍ、シリンダー１４，１４間は５０
０ｍｍ、アプリケーターロール３は１９０φｍｍ、硬質
ゴム製で周速３．５０ｍ／ｍｉｎである。

【００３７】このような条件下でコーティング（２００
ｍｍ^w）を行なった場合、コーティング剤のボタ落ちは
生じず乾燥後の厚さ分布は図３に示す様に、従来方式の
スプレーノズル式に比べ幅方向で均一であり、歩留りは
９０％以上であった（スプレーノズル式の歩留りは５０
％以下）。

【００３８】なお、従来のスプレーノズル式のコーティ
ング条件は、スプレーノズルは１個、コーティング剤供
給量は２５０ｇ／ｍｉｎ（圧力５ｋｇｆ／ｃｍ²）、気
体（空気）量は１５０リットル／ｍｉｎ（圧力５ｋｇｆ
／ｃｍ²）で、スプレーノズルとベルト間の距離は、７
００ｍｍであった。

【００３９】本実施例においては、上記説明のようにし
て乾燥されたコーティング剤を表面に塗布されたベルト
１は、プーリー１０により５ｍ／ｍｉｎの速度で移動
し、短辺鋳型（サイドダム）とともに、矩形（７５ｍｍ
^t×４５０ｍｍ^w）断面の空間を形成する。（図１、図
４参照）

【００４０】上記の矩形断面の鋳造空間の上部より、ア
ルミナ−グラファイト、あるいは溶融シリカ製のノズル
２０を挿入し、これを介して溶鋼（１５５０℃以上）を
注入し、ベルト１に沿い冷却水を矢印Ｂ方向に流して冷
却・凝固し鋳片とし、ベルトと同速度で鋳片をベルト直
下方向に移動・排出することによって鋳片を鋳造する。

【００４１】以上本発明の一実施例につき縷々説明した
が、本発明は上記実施例に限定されるものでなく本発明
技術思想の範囲内において種々設計変更が可能であり、
それらは何れも本発明の技術的範囲に属する。

【００４２】

【発明の効果】以上述べたように本発明のベルト式連続
鋳造装置によれば、次に示す効果を奏する。（１）従来のスプレーノズルによるコーティング方式に
かえ、スリットノズルとアプリケーターロールをくみ合
わせたカーテンフローによるコーティング方式を採用し
たため、ベルトの幅方向への均一コーティングが可能
で、コーティング剤のボタ落ちがなく、コーティング剤
の飛散も無いため歩留りを高くすることができる。

【００４３】（２）スリットノズルを用いるため、コー
ティング剤の供給ポンプが、ノズル１基に対して１台で
良くなった（従来方式は１ノズル１ポンプのため広幅で
はポンプが多数必要であった）。

【００４４】（３）アプリケーターロールを介してベル
ト面にコーティングすることによって、高粘度（≧２０
００ｃｐ）のコーティング剤も、アプリケーターロール
〜ベルト間で速度調整して引き伸ばせる。

【００４５】（４）スリットノズル内にコーティング液
の供給幅を制御できるシリンダーを設置することにより
短時間で、かつ確実に塗布面の幅変更が可能である。

【００４６】（５）コーティング厚制御因子を多くとれ
る（ポンプ供給量、スリットノズルのスリット間隔、ア
プリケーターロール周速、アプリケーターロールとスリ
ットノズル間の距離、アプリケーターロールのベルトに
対する押付力等）ため、異なる物性のコーティング剤も
所定の厚さ分布でコーティングすることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例に係る連続鋳造装置の説明図
である。

【図２】同装置におけるコーティング装置のスリットノ
ズルの拡大説明図で、（ａ）はコーティング面の幅を変
化させる機構図、（ｂ）は（ａ）のＡ−Ａ′断面図、
（ｃ）は（ａ）のＢ−Ｂ′断面図、（ｄ）は（ａ）のＣ
−Ｃ′断面図を示す。

【図３】本発明装置で得られたコーティング厚と、従来
方式で得られたコーティング厚を比較して示す説明図で
ある。

【図４】一般的なベルト式薄スラブ連続鋳造装置の要部
拡大説明図である。

【図５】従来のコーティング装置を示す説明図である。

【符号の説明】

１ベルト２スリットノズル３アプリケーターロール４バックプレート５ポンプ６コーティング剤７スクレーパー８トレイ９容器１０プーリー１１ブラシ１２ベルトヒーター１３間隔調整ボルト１４シリンダー１６銅ブロック群短辺鋳型２０ノズル３０タンディッシュＡ鋳片Ｂ冷却水水流方向Ｃベルト走行方向

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者平田耕一広島市西区観音新町四丁目６番22号三菱重工業株式会社広島製作所内

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】対向配置され、互いに反対方向に回転す
る１対の無端ベルトと、該ベルトの幅方向両側端部に挟
持されながら搬送される連続的に接続された複数個の短
辺鋳型とにより鋳造空間を画成し、該空間に溶融金属を
注湯して薄鋳片を製造するベルト式連続鋳造装置におけ
る前記ベルト近傍に、ベルト幅方向のコーティング剤吐
出スリットを備えたノズルと、該スリットノズルと微少
間隙を有しかつ前記ベルトに接触して回転しコーティン
グ剤をベルトに塗布するアプリケーターロールと、該ロ
ールと共にベルトを挟持するバックアップ部材からなる
ベルトコーティング装置を配設すると共に、該コーティ
ング装置の後流側にコーティング剤乾燥手段を設けたこ
とを特徴とするベルト式連続鋳造装置。
【請求項２】走行する１対の無端ベルトの近傍に配設
したベルト幅方向のコーティング剤吐出スリットを備え
たノズルが、スリット間隙調節手段を具備することを特
徴とする請求項１記載のベルト式連続鋳造装置。
【請求項３】走行する１対の無端ベルトの近傍に配設
したベルト幅方向のコーティング剤吐出スリットを備え
たノズルがスリット幅調節手段を具備することを特徴と
する請求項１記載のベルト式連続鋳造装置。
【請求項４】コーティング剤乾燥手段が、高周波誘導
加熱装置であることを特徴とする請求項１記載のベルト
式連続鋳造装置。