JPH08242880A - ガンマーポリグルタミン酸の生産法 - Google Patents
ガンマーポリグルタミン酸の生産法Info
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- JPH08242880A JPH08242880A JP8091695A JP8091695A JPH08242880A JP H08242880 A JPH08242880 A JP H08242880A JP 8091695 A JP8091695 A JP 8091695A JP 8091695 A JP8091695 A JP 8091695A JP H08242880 A JPH08242880 A JP H08242880A
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- polyglutamic acid
- soy
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- extract
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Abstract
(57)【要約】
【目的】微生物を用いるガンマーポリグルタミン酸生産
において、ガンマーポリグルタミン酸の収量を増加させ
る方法の提供。 【構成】醤油麹もしくはその抽出物、醤油醸造物または
それらの混合物の含有培地で、ガンマーポリグルタミン
酸生産性を有する微生物を培養する。
において、ガンマーポリグルタミン酸の収量を増加させ
る方法の提供。 【構成】醤油麹もしくはその抽出物、醤油醸造物または
それらの混合物の含有培地で、ガンマーポリグルタミン
酸生産性を有する微生物を培養する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はガンマーポリグルタミン
酸の生産法、特に微生物によるガンマーポリグルタミン
酸の生産法に関する。
酸の生産法、特に微生物によるガンマーポリグルタミン
酸の生産法に関する。
【0002】
【従来の技術】ガンマーポリグルタミン酸は食品、化粧
品、医薬品などの分野で、各種用途があるものと期待さ
れている。現在、ガンマーポリグルタミン酸は主に該物
質生産性を有する微生物、例えば、バチルス・ズブチリ
ス(Bacillus subtilis)を培養する
ことによって製造されている(月刊組織培養、16巻、
No.10、369〜372頁、1990年)。
品、医薬品などの分野で、各種用途があるものと期待さ
れている。現在、ガンマーポリグルタミン酸は主に該物
質生産性を有する微生物、例えば、バチルス・ズブチリ
ス(Bacillus subtilis)を培養する
ことによって製造されている(月刊組織培養、16巻、
No.10、369〜372頁、1990年)。
【0003】しかしながら、本物質を各種用途に幅広く
用いるためには、更に生産収量を増大させてより安価に
供給することが必要であると認識されている。
用いるためには、更に生産収量を増大させてより安価に
供給することが必要であると認識されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、前記
問題を解決するためになされたもので、微生物によるガ
ンマーポリグルタミン酸の生産法において、その生産収
量を増大させる方法を提供することである。
問題を解決するためになされたもので、微生物によるガ
ンマーポリグルタミン酸の生産法において、その生産収
量を増大させる方法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決するために鋭意研究した結果、醤油麹もしくはそ
の抽出物、醤油醸造物またはそれらの混合物の含有培地
で、ガンマーポリグルタミン酸生産性を有する微生物を
培養することによりガンマーポリグルタミン酸の生産収
量が格段に増大するとの知見を得た。本発明はその知見
に基づいて完成されたものである。
を解決するために鋭意研究した結果、醤油麹もしくはそ
の抽出物、醤油醸造物またはそれらの混合物の含有培地
で、ガンマーポリグルタミン酸生産性を有する微生物を
培養することによりガンマーポリグルタミン酸の生産収
量が格段に増大するとの知見を得た。本発明はその知見
に基づいて完成されたものである。
【0006】すなわち、本発明は、ガンマーポリグルタ
ミン酸生産性を有する微生物を、醤油麹もしくはその抽
出物、醤油醸造物またはそれらの混合物の含有培地で培
養することを特徴とするガンマーポリグルタミン酸の生
産法に関するものである。そして醤油醸造物が、醤油麹
仕込液、醤油諸味、醤油、醤油おりまたは醤油粕もしく
はその抽出物であり、また、微生物がバチルス・ズブチ
リスであることを特徴とするものである。更に、バチル
ス・ズブチリスが新規変異株バチルス・ズブチリス(B
acillus subtilis)MR141(工業
技術院生命工学工業技術研究所寄託FERM P−14
692)であることを特徴とするものでもある。
ミン酸生産性を有する微生物を、醤油麹もしくはその抽
出物、醤油醸造物またはそれらの混合物の含有培地で培
養することを特徴とするガンマーポリグルタミン酸の生
産法に関するものである。そして醤油醸造物が、醤油麹
仕込液、醤油諸味、醤油、醤油おりまたは醤油粕もしく
はその抽出物であり、また、微生物がバチルス・ズブチ
リスであることを特徴とするものである。更に、バチル
ス・ズブチリスが新規変異株バチルス・ズブチリス(B
acillus subtilis)MR141(工業
技術院生命工学工業技術研究所寄託FERM P−14
692)であることを特徴とするものでもある。
【0007】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
特徴は、ガンマーポリグルタミン酸生産性を有する微生
物を培養して、ガンマーポリグルタミン酸を培地中に生
産させるにあたり、醤油麹もしくはその抽出物、醤油醸
造物またはそれらの混合物を培地に含有させて、培養す
ることにある。
特徴は、ガンマーポリグルタミン酸生産性を有する微生
物を培養して、ガンマーポリグルタミン酸を培地中に生
産させるにあたり、醤油麹もしくはその抽出物、醤油醸
造物またはそれらの混合物を培地に含有させて、培養す
ることにある。
【0008】本発明に用いる醤油麹とは、醤油醸造に使
用される麹であり、通常の公知の醤油麹製造法で製造さ
れるものである。例えば、蛋白質原料(例えば、大豆、
脱脂大豆、脱脂加工大豆など)と炭水化物原料(例え
ば、小麦、大麦など)を、各々変性処理(例えば、蛋白
質原料では蒸煮、高圧高温短時間処理など、炭水化物原
料では、炒ごうなどによるα化処理など、またその後の
割砕処理など)を施した後、通常の割合(例えば、原料
処理前の重量比で、蛋白質原料:炭水化物原料=40〜
60:60〜40)で配合し、醤油麹菌{例えば、アス
ペルギルス・ソーヤ1−112(FERM−P No.
504),1−190(RERM−P No.50
5)、アスペルギルス・オリーゼ ATCC2038
6、IAM2616など}を用いて常法により製麹して
得られるものである。なお、上記の蛋白質原料、炭水化
物原料において、各種穀類から得られるふすまを使用す
るふすま麹も本発明においては、好適に用いることがで
きる。
用される麹であり、通常の公知の醤油麹製造法で製造さ
れるものである。例えば、蛋白質原料(例えば、大豆、
脱脂大豆、脱脂加工大豆など)と炭水化物原料(例え
ば、小麦、大麦など)を、各々変性処理(例えば、蛋白
質原料では蒸煮、高圧高温短時間処理など、炭水化物原
料では、炒ごうなどによるα化処理など、またその後の
割砕処理など)を施した後、通常の割合(例えば、原料
処理前の重量比で、蛋白質原料:炭水化物原料=40〜
60:60〜40)で配合し、醤油麹菌{例えば、アス
ペルギルス・ソーヤ1−112(FERM−P No.
504),1−190(RERM−P No.50
5)、アスペルギルス・オリーゼ ATCC2038
6、IAM2616など}を用いて常法により製麹して
得られるものである。なお、上記の蛋白質原料、炭水化
物原料において、各種穀類から得られるふすまを使用す
るふすま麹も本発明においては、好適に用いることがで
きる。
【0009】醤油麹の抽出物とは、上記のように製造さ
れた麹を1〜5倍量の水、または緩衝液(例えば、10
〜100mMのリン酸、トリス塩酸、酢酸など、pH5
〜9など)などを加え、30〜80℃、30分〜24時
間抽出したものである。そして、残渣を除いたものも好
適に用いられる。
れた麹を1〜5倍量の水、または緩衝液(例えば、10
〜100mMのリン酸、トリス塩酸、酢酸など、pH5
〜9など)などを加え、30〜80℃、30分〜24時
間抽出したものである。そして、残渣を除いたものも好
適に用いられる。
【0010】また、本発明においては、醤油醸造物と
は、前記のようにして製造された醤油麹を、公知の各種
醤油醸造法で仕込んで得られる全てのもの、またはそれ
らからの派生物と定義される。各種醤油醸造法とは、例
えば、濃口醤油、淡口醤油、たまり醤油、減塩醤油、各
種蛋白質分解物などの各種調味料の製造に関するもので
ある。そして、醤油醸造物の例示として、各種醸造法に
おける、醤油麹を常法に従って仕込んだ仕込液、また仕
込液を常法に従って、発酵した諸味、また熟成させた諸
味である。これらの工程のいずれかの段階で蛋白質原料
を添加した仕込液、諸味も本発明に当然含まれる。また
それらから圧搾、慮過、遠心分離などの処理で得た上澄
液(生醤油)もしくはその上澄液を静置したときに沈降
してくる物質を各種方法(例えば、慮過操作、遠心操
作)で採取して得られるおり(例えば一次おり、二次お
りなど)などである。また、諸味から上澄液を分離して
得られる粕もしくはその抽出物などを本発明の醤油醸造
物として挙げることができる。更に、それらのものを公
知の条件で火入れ(例えば、121℃、30分間)を行
なったもの、またそれらのものを適当な割合で混合した
ものも本発明の醤油醸造物である。なお、醤油粕の抽出
物とは、前記醤油麹の抽出物と同様にして、醤油粕から
抽出して得られるものである。
は、前記のようにして製造された醤油麹を、公知の各種
醤油醸造法で仕込んで得られる全てのもの、またはそれ
らからの派生物と定義される。各種醤油醸造法とは、例
えば、濃口醤油、淡口醤油、たまり醤油、減塩醤油、各
種蛋白質分解物などの各種調味料の製造に関するもので
ある。そして、醤油醸造物の例示として、各種醸造法に
おける、醤油麹を常法に従って仕込んだ仕込液、また仕
込液を常法に従って、発酵した諸味、また熟成させた諸
味である。これらの工程のいずれかの段階で蛋白質原料
を添加した仕込液、諸味も本発明に当然含まれる。また
それらから圧搾、慮過、遠心分離などの処理で得た上澄
液(生醤油)もしくはその上澄液を静置したときに沈降
してくる物質を各種方法(例えば、慮過操作、遠心操
作)で採取して得られるおり(例えば一次おり、二次お
りなど)などである。また、諸味から上澄液を分離して
得られる粕もしくはその抽出物などを本発明の醤油醸造
物として挙げることができる。更に、それらのものを公
知の条件で火入れ(例えば、121℃、30分間)を行
なったもの、またそれらのものを適当な割合で混合した
ものも本発明の醤油醸造物である。なお、醤油粕の抽出
物とは、前記醤油麹の抽出物と同様にして、醤油粕から
抽出して得られるものである。
【0011】前記醤油醸造法おいて、前記仕込および発
酵は、通常、例えば、次のように行なわれる。すなわ
ち、麹1〜2kgを2〜6klの20%(w/v)以下
の水または食塩水で仕込む。その後、ペドオコッカス・
ハロヒラス(Pediococuss harophi
lus)などの乳酸菌類、チゴサッカロミセス(Zyg
osaccharomyces)属、サッカロミセス
(Saccharomyces)属、カンディダ(Ca
ndida)属などの酵母類を常法通りに添加するか、
せずして 、10〜40℃で、10〜90日間常法通り
に発酵させる。さらに、10〜50℃で30〜90日間
熟成させる。勿論、本発明においては、発酵、熟成の中
途のものも好適に用いることができる。なお、麹の仕込
後、50〜60℃で3〜100時間、蛋白質原料を分解
し、それから食塩を追加してもよい(特開昭64−25
50号公報、特開平1−252269号公報)。この仕
込操作において、変性処理した蛋白質原料を添加しても
よい。本発明においては、醤油麹もしくはその抽出物と
醤油醸造物の適当な割合の混合物も好適に用いることが
できる。なお、前記に挙げたもの中で、特に最も好適に
用いることができるのは、醤油おり、または生醤油であ
る。
酵は、通常、例えば、次のように行なわれる。すなわ
ち、麹1〜2kgを2〜6klの20%(w/v)以下
の水または食塩水で仕込む。その後、ペドオコッカス・
ハロヒラス(Pediococuss harophi
lus)などの乳酸菌類、チゴサッカロミセス(Zyg
osaccharomyces)属、サッカロミセス
(Saccharomyces)属、カンディダ(Ca
ndida)属などの酵母類を常法通りに添加するか、
せずして 、10〜40℃で、10〜90日間常法通り
に発酵させる。さらに、10〜50℃で30〜90日間
熟成させる。勿論、本発明においては、発酵、熟成の中
途のものも好適に用いることができる。なお、麹の仕込
後、50〜60℃で3〜100時間、蛋白質原料を分解
し、それから食塩を追加してもよい(特開昭64−25
50号公報、特開平1−252269号公報)。この仕
込操作において、変性処理した蛋白質原料を添加しても
よい。本発明においては、醤油麹もしくはその抽出物と
醤油醸造物の適当な割合の混合物も好適に用いることが
できる。なお、前記に挙げたもの中で、特に最も好適に
用いることができるのは、醤油おり、または生醤油であ
る。
【0012】本発明において、ガンマーポリグルタミン
酸生産性を有する微生物を培養するにあたり、その培地
に前記の醤油麹もしくはその抽出物、醤油醸造物または
それらの混合物(以下、これらのものを総称して、単に
醤油麹または醤油醸造物という)の含有培地を用いるの
であるが、それらの含有量は、通常、全窒素(TN)と
して、0.001〜5.0%(w/v)、好ましくは
0.01〜2%(w/v)、特に好ましくは0.1〜1
%(w/v)である。なお、0.001%(w/v)未
満の場合は、ガンマーポリグルタミン酸の生産量の増大
は期待できない。5.0%(w/v)を越える場合は、
ガンマーポリグルタミン酸の生産が阻害されるようにな
る。
酸生産性を有する微生物を培養するにあたり、その培地
に前記の醤油麹もしくはその抽出物、醤油醸造物または
それらの混合物(以下、これらのものを総称して、単に
醤油麹または醤油醸造物という)の含有培地を用いるの
であるが、それらの含有量は、通常、全窒素(TN)と
して、0.001〜5.0%(w/v)、好ましくは
0.01〜2%(w/v)、特に好ましくは0.1〜1
%(w/v)である。なお、0.001%(w/v)未
満の場合は、ガンマーポリグルタミン酸の生産量の増大
は期待できない。5.0%(w/v)を越える場合は、
ガンマーポリグルタミン酸の生産が阻害されるようにな
る。
【0013】また醤油麹または醤油醸造物を培地に含有
させるには、培地調製時に培地に添加してもよいが、培
養開始時またその途中で培養液中に添加してもよい。そ
の培養液中へ添加の場合、それらのものをオートクレー
ブなどの通常の殺菌処理を施してから添加するのが好適
である。またこの場合、培養液のpHが変化しないよう
に、必要に応じて醤油麹または醤油醸造物のpHを予め
調整しておく方がよい。なお、醤油麹または醤油醸造物
を添加する場合、溶液の場合は溶液の状態で、固体の場
合は固体の固体の状態で、懸だく状態の場合は懸だくの
状態で添加してよい。
させるには、培地調製時に培地に添加してもよいが、培
養開始時またその途中で培養液中に添加してもよい。そ
の培養液中へ添加の場合、それらのものをオートクレー
ブなどの通常の殺菌処理を施してから添加するのが好適
である。またこの場合、培養液のpHが変化しないよう
に、必要に応じて醤油麹または醤油醸造物のpHを予め
調整しておく方がよい。なお、醤油麹または醤油醸造物
を添加する場合、溶液の場合は溶液の状態で、固体の場
合は固体の固体の状態で、懸だく状態の場合は懸だくの
状態で添加してよい。
【0014】本発明に用いる培地およびその成分は、通
常のガンマーポリグルタミン酸の生産に使用されるもの
でよい。例えば、液体培地の場合、成分としては、次の
ようなものを用いられる。 (1)炭素源:ブドウ糖、果糖、庶糖、マルトース、粗
糖類、糖密類(例えば、甜菜糖密、甘藷糖密)、各種澱
粉類(例えば、タピオカ、サゴヤシ、甘藷、馬鈴薯、ト
ウモロコシ)またはその酸糖化液類、酵素糖化液類。 (2)窒素源:ペプトン、大豆粉、コーンスティープリ
カー、酵母エキス、肉エキス、大豆そのものまたは脱脂
大豆またはそれらの粉体または粒体またはそれらの抽出
液、尿素などの有機窒素源類、また硫酸、硝酸、塩酸、
炭酸などのアンモニウム塩類、アンモニヤガス、アンモ
ニヤ水などの無機窒素源類。 (3)その他:本発明のガンマーポリグルタミン酸生産
性を有する菌の生育に必要な各種無機塩類、例えば、カ
ルシウム、カリウム、ナトリウム、マグネシウム、マン
ガン、鉄、銅、亜鉛などの硫酸塩類、塩酸塩類、リン酸
塩類、酢酸塩類。また、アミノ酸類、ビタミン類。アミ
ノ酸類としては、グルタミン酸、アスパラギン酸、アラ
ニン、ロイシン、フェニルアラニン、ヒスチジンなど、
ビタミン類としてはビオチン、サイアミンなどを挙げる
ことができる。固体培地の場合は、培地素材として、蒸
煮した大豆、大麦、小麦、そば、トウモロコシまたはそ
れらの混合物が好適なものとして用いられる。
常のガンマーポリグルタミン酸の生産に使用されるもの
でよい。例えば、液体培地の場合、成分としては、次の
ようなものを用いられる。 (1)炭素源:ブドウ糖、果糖、庶糖、マルトース、粗
糖類、糖密類(例えば、甜菜糖密、甘藷糖密)、各種澱
粉類(例えば、タピオカ、サゴヤシ、甘藷、馬鈴薯、ト
ウモロコシ)またはその酸糖化液類、酵素糖化液類。 (2)窒素源:ペプトン、大豆粉、コーンスティープリ
カー、酵母エキス、肉エキス、大豆そのものまたは脱脂
大豆またはそれらの粉体または粒体またはそれらの抽出
液、尿素などの有機窒素源類、また硫酸、硝酸、塩酸、
炭酸などのアンモニウム塩類、アンモニヤガス、アンモ
ニヤ水などの無機窒素源類。 (3)その他:本発明のガンマーポリグルタミン酸生産
性を有する菌の生育に必要な各種無機塩類、例えば、カ
ルシウム、カリウム、ナトリウム、マグネシウム、マン
ガン、鉄、銅、亜鉛などの硫酸塩類、塩酸塩類、リン酸
塩類、酢酸塩類。また、アミノ酸類、ビタミン類。アミ
ノ酸類としては、グルタミン酸、アスパラギン酸、アラ
ニン、ロイシン、フェニルアラニン、ヒスチジンなど、
ビタミン類としてはビオチン、サイアミンなどを挙げる
ことができる。固体培地の場合は、培地素材として、蒸
煮した大豆、大麦、小麦、そば、トウモロコシまたはそ
れらの混合物が好適なものとして用いられる。
【0015】これらの成分もしくは素材または本発明の
醤油麹もしくは醤油醸造物が適当に選択され、単独また
は組合せて、かつ醤油麹または醤油醸造物のTNが前記
範囲になるように含有せしめて、無機もしくは有機合成
培地または天然培地の液体培地もしくは固体培地が製造
される。その際、培地のpHは、5〜9、好ましくは6
〜8に苛性ソーダ、苛性カリ、アンモニヤなどで調整さ
れる。培地の殺菌は、通常の方法、110〜140℃、
8〜15分で行なえばよい。なお、本発明の醤油麹また
は醤油醸造物単独で培地を製造しても本発明において
は、好適に用いられる。
醤油麹もしくは醤油醸造物が適当に選択され、単独また
は組合せて、かつ醤油麹または醤油醸造物のTNが前記
範囲になるように含有せしめて、無機もしくは有機合成
培地または天然培地の液体培地もしくは固体培地が製造
される。その際、培地のpHは、5〜9、好ましくは6
〜8に苛性ソーダ、苛性カリ、アンモニヤなどで調整さ
れる。培地の殺菌は、通常の方法、110〜140℃、
8〜15分で行なえばよい。なお、本発明の醤油麹また
は醤油醸造物単独で培地を製造しても本発明において
は、好適に用いられる。
【0016】培養は、液体培養の場合、振とう培養、通
気攪拌培養などの好気的条件下で行なう。培養温度は2
5〜45℃、好ましくは30〜40℃が適当である。培
養時のpHは5〜9、好ましくは6〜8が適当である。
pHの調節は水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アン
モニヤ、またはそれらの水溶液によって行なう。培養期
間は通常2〜3日間である。固体培養の場合、培養温度
は25〜45℃、好ましくは30〜40℃が適当であ
る。培養時のpHは5〜9、好ましくは6〜8が適当で
ある。
気攪拌培養などの好気的条件下で行なう。培養温度は2
5〜45℃、好ましくは30〜40℃が適当である。培
養時のpHは5〜9、好ましくは6〜8が適当である。
pHの調節は水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アン
モニヤ、またはそれらの水溶液によって行なう。培養期
間は通常2〜3日間である。固体培養の場合、培養温度
は25〜45℃、好ましくは30〜40℃が適当であ
る。培養時のpHは5〜9、好ましくは6〜8が適当で
ある。
【0017】本発明の製造法に用いられる微生物は、ガ
ンマーポリグルタミン酸生産性を有するものであればよ
く、その分類上の位置は問われないが、特にバチルス属
に属する細菌が好適に用いることができる。このような
バチルス属細菌としては、バチルス・ズブチリス(Ba
cillus subtilis)、バチルス・リケニ
ホルミス(Bacillus licheniform
is)、バチルス・アンスラシス(Bacillus
anthracis)、バチルス・メガテリウム(Ba
cillus megaterium)などの細菌をあ
げることがことができる。その他に、キサントバクター
(Xanthobacter)、マイコバクテリウム・
チュバクロセス(Mycobaterium tube
rculosis)、コリネバクテリウム・グルタミカ
ム(Corynebacterium glutami
cum)などをもあげることができる。
ンマーポリグルタミン酸生産性を有するものであればよ
く、その分類上の位置は問われないが、特にバチルス属
に属する細菌が好適に用いることができる。このような
バチルス属細菌としては、バチルス・ズブチリス(Ba
cillus subtilis)、バチルス・リケニ
ホルミス(Bacillus licheniform
is)、バチルス・アンスラシス(Bacillus
anthracis)、バチルス・メガテリウム(Ba
cillus megaterium)などの細菌をあ
げることがことができる。その他に、キサントバクター
(Xanthobacter)、マイコバクテリウム・
チュバクロセス(Mycobaterium tube
rculosis)、コリネバクテリウム・グルタミカ
ム(Corynebacterium glutami
cum)などをもあげることができる。
【0018】それらの細菌の中で、具体的には、例え
ば、バチルス・ズブチリス MR141(FERM P
−14692、特願平6−330885号)、バチルス
・ズブチリスS−2(IFO14898、FERM B
P−2528、特開平3−130090号公報)、バチ
ルス・ズブチリス IFO14187(特開昭59−4
2895号公報)、バチルス・ズブチリスTTCC16
2(微工研寄託第11052号、特開平4−17306
9号公報)、バチルス・ズブチリス K−2(微工研寄
託第9768号、特公平5−60335号公報)、バチ
ルス・ズブチリスF−2−01{微工研寄託第9082
号(FERM P−9082)、特開平1−17439
7号公報}など、その他納豆製造に使用されている宮城
野納豆菌、高橋菌、旭川菌、松村菌、成瀬菌などの市販
のものを挙げることができる。
ば、バチルス・ズブチリス MR141(FERM P
−14692、特願平6−330885号)、バチルス
・ズブチリスS−2(IFO14898、FERM B
P−2528、特開平3−130090号公報)、バチ
ルス・ズブチリス IFO14187(特開昭59−4
2895号公報)、バチルス・ズブチリスTTCC16
2(微工研寄託第11052号、特開平4−17306
9号公報)、バチルス・ズブチリス K−2(微工研寄
託第9768号、特公平5−60335号公報)、バチ
ルス・ズブチリスF−2−01{微工研寄託第9082
号(FERM P−9082)、特開平1−17439
7号公報}など、その他納豆製造に使用されている宮城
野納豆菌、高橋菌、旭川菌、松村菌、成瀬菌などの市販
のものを挙げることができる。
【0019】また、前記の菌から各種変異処理法を用い
て得られる変異株も、好適に用いることができる。変異
処理法としては、通常公知の方法、例えば、遺伝子操作
による法、細胞または胞子に、変異源性のある薬剤を接
触させる法、またX線、紫外線、放射線、光などを照射
する法、を挙げることができる。本発明においては、変
異源性のある薬剤を用いる方法が好適に採用できる。該
薬剤としては、公知のもの、例えば、N−メチル−N’
−ニトロ−N−ニトロソグアニジン(NTG)、メチル
エチル硫酸を挙げることができる。そして、これらの薬
剤を納豆菌の細胞または胞子に接触させる際、通常、そ
の薬剤濃度は、細胞108〜109個/mlの細胞懸濁液
において、10〜1000γ/mlである。また接触
は、通常、0〜50℃で、10〜1400分である。
て得られる変異株も、好適に用いることができる。変異
処理法としては、通常公知の方法、例えば、遺伝子操作
による法、細胞または胞子に、変異源性のある薬剤を接
触させる法、またX線、紫外線、放射線、光などを照射
する法、を挙げることができる。本発明においては、変
異源性のある薬剤を用いる方法が好適に採用できる。該
薬剤としては、公知のもの、例えば、N−メチル−N’
−ニトロ−N−ニトロソグアニジン(NTG)、メチル
エチル硫酸を挙げることができる。そして、これらの薬
剤を納豆菌の細胞または胞子に接触させる際、通常、そ
の薬剤濃度は、細胞108〜109個/mlの細胞懸濁液
において、10〜1000γ/mlである。また接触
は、通常、0〜50℃で、10〜1400分である。
【0020】変異処理された細胞または胞子は、通常の
公知の栄養培地、例えば、肉汁、ペプトン、大豆粉、酵
母エキス、カザミノ酸、アミノ酸類またはそれらの混合
物などが含有する培地、または必要な栄養素類を含有す
る無機合成培地などの液体培地で3〜24時間培養す
る。そして、培養物中のガンマーポリグルタミン酸の量
を下記の方法で測定し、ガンマーポリグルタミン酸の生
産性の高い菌株を選択することにより目的の変異株が得
られる。
公知の栄養培地、例えば、肉汁、ペプトン、大豆粉、酵
母エキス、カザミノ酸、アミノ酸類またはそれらの混合
物などが含有する培地、または必要な栄養素類を含有す
る無機合成培地などの液体培地で3〜24時間培養す
る。そして、培養物中のガンマーポリグルタミン酸の量
を下記の方法で測定し、ガンマーポリグルタミン酸の生
産性の高い菌株を選択することにより目的の変異株が得
られる。
【0021】(ガンマーポリグルタミン酸の測定法)液
体培養物から菌体を遠心分離などの操作で除き、清澄化
した試料液をSDS−ポリアクリルアミド板上に乗せ、
電気泳動を行なった後、該板をアルシアンブルーで染色
し、染色されたPGAのバンドの色度をデンシトメトリ
ーで測定する。
体培養物から菌体を遠心分離などの操作で除き、清澄化
した試料液をSDS−ポリアクリルアミド板上に乗せ、
電気泳動を行なった後、該板をアルシアンブルーで染色
し、染色されたPGAのバンドの色度をデンシトメトリ
ーで測定する。
【0022】前記の方法で得られた新規変異株の一例と
して、MR141(以下、この株を単にMR141とい
う)を挙げることができる。MR141は、親株として
宮城野納豆菌株(Bacillus subtili
s)(以下、単にMR−1いう)を用いて、得られたも
のである。
して、MR141(以下、この株を単にMR141とい
う)を挙げることができる。MR141は、親株として
宮城野納豆菌株(Bacillus subtili
s)(以下、単にMR−1いう)を用いて、得られたも
のである。
【0023】MR141の菌学的性質をMR−1のもの
と比較した結果を表1に示す。なお、菌学的性質を調べ
る実験は、「微生物の同定法」(衛生技術会刊行、19
83年)に記載されている方法に従った。
と比較した結果を表1に示す。なお、菌学的性質を調べ
る実験は、「微生物の同定法」(衛生技術会刊行、19
83年)に記載されている方法に従った。
【0024】 表1 MR141とMR−1の菌学的性質の比較 ────────────────────────────── 性質 MR−1 MR141 ────────────────────────────── 1)栄養細胞の形態 桿菌 桿菌 2)胞子の形成 陽性 陽性 3)グラム染色 陽性 陽性 4)酸素要求性 偏性好気 偏性好気 5)澱粉分解性 陽性 陽性 6)グルコースからの 酸生成 陽性 陽性 7)硝酸塩の還元 陽性 陽性 8)カタラーゼ 陽性 陽性 9)アセトインの生成 陽性 陽性 10)7%食塩含有培地 での生育 陽性 陽性 ──────────────────────────────
【0025】上記以外の性質、例えば、ビオチン要求
性、細胞の大きさ(1×2〜3μm)、胞子の大きさ
(0.8×1.6〜1.8μm)、肉汁寒天培地での生
育状態(25℃で25時間培養)、ゼラチン穿刺培養の
生育状態、リトマスミルクでの生育状態およびリトマス
還元性、各種糖類からの酸の生成、生育適温範囲、DN
AのGC含量、などの性質についても実験を行なった
が、それらの性質はMR−1と一致した。よって、MR
141はBacillus subtilisに属する
ことは明らかである。
性、細胞の大きさ(1×2〜3μm)、胞子の大きさ
(0.8×1.6〜1.8μm)、肉汁寒天培地での生
育状態(25℃で25時間培養)、ゼラチン穿刺培養の
生育状態、リトマスミルクでの生育状態およびリトマス
還元性、各種糖類からの酸の生成、生育適温範囲、DN
AのGC含量、などの性質についても実験を行なった
が、それらの性質はMR−1と一致した。よって、MR
141はBacillus subtilisに属する
ことは明らかである。
【0026】しかし、MR141を液体培地で培養した
とき、PGA含有量は2〜3%(w/v)で、MR−1
のものより、1.8〜3.5倍も高い。またMR141
の培養物のプロテアーゼ活性は、MR−1に較べて2〜
3倍強い。また、この菌株を用いて常法通りに納豆を製
造すると納豆のアンモニヤ含有量が65mg%(w/
w)以下になる。この点がMR141と親株であるMR
−1との明確な相違点である。
とき、PGA含有量は2〜3%(w/v)で、MR−1
のものより、1.8〜3.5倍も高い。またMR141
の培養物のプロテアーゼ活性は、MR−1に較べて2〜
3倍強い。また、この菌株を用いて常法通りに納豆を製
造すると納豆のアンモニヤ含有量が65mg%(w/
w)以下になる。この点がMR141と親株であるMR
−1との明確な相違点である。
【0027】このような特質を有する納豆菌または納豆
菌変異株は現在まで、全く知られていない。よってBa
cillus subtilis MR141を新規変
異株と認定し、工業技術院生命工学工業技術研究所にF
ERM P−14692なる受託番号で寄託している
(特願平6−330885)。
菌変異株は現在まで、全く知られていない。よってBa
cillus subtilis MR141を新規変
異株と認定し、工業技術院生命工学工業技術研究所にF
ERM P−14692なる受託番号で寄託している
(特願平6−330885)。
【0028】前記培養において、ガンマーポリグルタミ
ン酸は主として菌体外に蓄積される。培養物からのガン
マーポリグルタミン酸の単離は、従来から行なわれてい
る公知の分離採取法によって行なう。すなわち、(1)
固体培養物からの20%以下の食塩水による抽出分離法
(特開平3−30648)、(2)■硫酸銅による沈殿
法(Throne.B.C., C.C.Gomez,
N.E.Noues and R.D.Housevr
ight:J.Bacteriol.,68巻、307
ページ、1954年)、(3)アルコール沈殿法(R.
M.Vard,R.F.Anderson and
F.K.Dean:Biotechnology an
d Bioengineering, 5巻、41ペー
ジ、1963年;沢純彦、村川武雄、村尾沢夫、大亦正
次郎:農化、47巻、159〜165ページ、1973
年;藤井久雄:農化、37巻、407〜412ページ、
1963年)、(4)架橋化キトサン成形物を吸着剤と
するクロマトグラフィー法(特開平3−244392号
公報)、(5)分子限外濾過膜を使用する分子限外濾過
法、(6)(1)〜(5)の方法の適当な組合せなであ
る。その結果、ナトリウム、カリウム、カルシウムなど
の塩として分離される。そして、濃縮、熱風乾燥、凍結
乾燥などの操作を施して、含有液、または粉末として製
品とされる。そして、これらの製品は、各種食品の増粘
剤として用いられる。
ン酸は主として菌体外に蓄積される。培養物からのガン
マーポリグルタミン酸の単離は、従来から行なわれてい
る公知の分離採取法によって行なう。すなわち、(1)
固体培養物からの20%以下の食塩水による抽出分離法
(特開平3−30648)、(2)■硫酸銅による沈殿
法(Throne.B.C., C.C.Gomez,
N.E.Noues and R.D.Housevr
ight:J.Bacteriol.,68巻、307
ページ、1954年)、(3)アルコール沈殿法(R.
M.Vard,R.F.Anderson and
F.K.Dean:Biotechnology an
d Bioengineering, 5巻、41ペー
ジ、1963年;沢純彦、村川武雄、村尾沢夫、大亦正
次郎:農化、47巻、159〜165ページ、1973
年;藤井久雄:農化、37巻、407〜412ページ、
1963年)、(4)架橋化キトサン成形物を吸着剤と
するクロマトグラフィー法(特開平3−244392号
公報)、(5)分子限外濾過膜を使用する分子限外濾過
法、(6)(1)〜(5)の方法の適当な組合せなであ
る。その結果、ナトリウム、カリウム、カルシウムなど
の塩として分離される。そして、濃縮、熱風乾燥、凍結
乾燥などの操作を施して、含有液、または粉末として製
品とされる。そして、これらの製品は、各種食品の増粘
剤として用いられる。
【0029】
【発明の効果】本発明法は、ガンマーポリグルタミン酸
の生産収量を格段に増加させることができる。ガンマー
ポリグルタミン酸の生産価格が高くて、食品製造におい
ては増粘剤などとして各種用途があってもそれらに使用
できなかったが、本発明はその障害を取除いたものであ
る。
の生産収量を格段に増加させることができる。ガンマー
ポリグルタミン酸の生産価格が高くて、食品製造におい
ては増粘剤などとして各種用途があってもそれらに使用
できなかったが、本発明はその障害を取除いたものであ
る。
【0030】
【実施例】以下本発明を実施例をもって説明する。な
お、本実施例においてガンマーポリグルタミン酸の測定
法は前記記載と同様とした。 実施例1 3%(w/v)マルトース、3%(w/v)グルタミン
酸ナトリウム、0.25%(w/v)K2HPO4、0.
05%(w/v)MgSO4・7H2O、3%(w/v)
NaCl、表2に示す醤油醸造物(生醤油、醤油おり)
または対照としての酵母エキス(各々の含有量は表2に
示した)、pH8.0(3N苛性カリ)なる組成の培地
20lを30lジャーに加えて、121℃、15分間殺
菌した。ガンマーポリグルタミン酸生産性を有するバチ
ルス・ズブチリス MR141(FREM P−146
92)を、前培養培地(前記と同じ組成、100ml/
500ml容坂口フラスコ)で37℃、24時間培養
し、前記調製ジャー培地に接種量1%(v/v)の割合
で添加した。ジャーを400rpm、1vvm、40℃
なる条件で72時間培養した。遠心分離操作で培養液か
ら菌体を除いた上澄液について、ガンマーポリグルタミ
ン酸を測定した。その結果を表2に示した。なお、対照
として、醤油醸造物の代りに、酵母エキスを添加した培
地を用いた。また、醤油醸造物、酵母エキスの添加量は
全窒素(total nitrogen)として、0.
25%(w/v)となるようにした。
お、本実施例においてガンマーポリグルタミン酸の測定
法は前記記載と同様とした。 実施例1 3%(w/v)マルトース、3%(w/v)グルタミン
酸ナトリウム、0.25%(w/v)K2HPO4、0.
05%(w/v)MgSO4・7H2O、3%(w/v)
NaCl、表2に示す醤油醸造物(生醤油、醤油おり)
または対照としての酵母エキス(各々の含有量は表2に
示した)、pH8.0(3N苛性カリ)なる組成の培地
20lを30lジャーに加えて、121℃、15分間殺
菌した。ガンマーポリグルタミン酸生産性を有するバチ
ルス・ズブチリス MR141(FREM P−146
92)を、前培養培地(前記と同じ組成、100ml/
500ml容坂口フラスコ)で37℃、24時間培養
し、前記調製ジャー培地に接種量1%(v/v)の割合
で添加した。ジャーを400rpm、1vvm、40℃
なる条件で72時間培養した。遠心分離操作で培養液か
ら菌体を除いた上澄液について、ガンマーポリグルタミ
ン酸を測定した。その結果を表2に示した。なお、対照
として、醤油醸造物の代りに、酵母エキスを添加した培
地を用いた。また、醤油醸造物、酵母エキスの添加量は
全窒素(total nitrogen)として、0.
25%(w/v)となるようにした。
【0031】なお、本実施例における醤油醸造物、すな
わち、生醤油、醤油おりは次のようにして調製された。
脱脂加工大豆を常法により蒸煮変性処理したものと、小
麦を常法により炒ごう割砕処理したものを処理前の重量
として5:5の割合で混合し、更に麹菌アスペルギルス
・ソーヤ1−112(FERM−P No.504)の
胞子を接種し、通常の条件で製麹を行なって醤油麹を得
た。該醤油麹に46℃に加温した24%(w/v)の食
塩水を1.2倍容加え、混合し、麹を仕込んだ。この仕
込と同時にチゴサッカロミセス・ルーキシIFO049
5培養細胞を添加した(仕込後の細胞数1×106個/
仕込物1g)。適宜通気、攪拌を行ないながら30〜3
7℃で120日間発酵させた。さらに30日間20〜3
0℃で熟成させた。この諸味をナイロン製濾布で包み、
油圧圧搾機で圧搾して液汁を得た。液汁を静置し、分離
してくる油を除去し、生醤油を得た。該生醤油を115
℃で5秒の条件で火入れ処理して、静置した。凝固沈殿
物区分を採取した。該区分を更に静置して上澄区分を除
いて、本実施例の醤油おりとした。なお、本実施例の生
醤油と醤油おりのTNは各々1.72%(w/v)、
1.75%(w/v)、食塩は15.82%(w/
v)、15.78%(w/v)であた。
わち、生醤油、醤油おりは次のようにして調製された。
脱脂加工大豆を常法により蒸煮変性処理したものと、小
麦を常法により炒ごう割砕処理したものを処理前の重量
として5:5の割合で混合し、更に麹菌アスペルギルス
・ソーヤ1−112(FERM−P No.504)の
胞子を接種し、通常の条件で製麹を行なって醤油麹を得
た。該醤油麹に46℃に加温した24%(w/v)の食
塩水を1.2倍容加え、混合し、麹を仕込んだ。この仕
込と同時にチゴサッカロミセス・ルーキシIFO049
5培養細胞を添加した(仕込後の細胞数1×106個/
仕込物1g)。適宜通気、攪拌を行ないながら30〜3
7℃で120日間発酵させた。さらに30日間20〜3
0℃で熟成させた。この諸味をナイロン製濾布で包み、
油圧圧搾機で圧搾して液汁を得た。液汁を静置し、分離
してくる油を除去し、生醤油を得た。該生醤油を115
℃で5秒の条件で火入れ処理して、静置した。凝固沈殿
物区分を採取した。該区分を更に静置して上澄区分を除
いて、本実施例の醤油おりとした。なお、本実施例の生
醤油と醤油おりのTNは各々1.72%(w/v)、
1.75%(w/v)、食塩は15.82%(w/
v)、15.78%(w/v)であた。
【0032】 表2 ──────────────────────────────────── 醤油醸造物 濃度% PGA生産 対比 (v/v) (g/l) (%) ──────────────────────────────────── 生醤油 14.0 24 133 醤油おり 14.0 22 122 酵母エキス 2.5 18 100 (対照) ──────────────────────────────────── PGA:ガンマーポリグルタミン酸
【0033】表2から分るように、培地に醤油醸造物、
すなわち生醤油、醤油オリを含有せしめて、バチルス・
ズブチリス MR141を培養した培養液中のガンマー
ポリグルタミン酸の量は、対照のものに較べて、22〜
33%も多かった。
すなわち生醤油、醤油オリを含有せしめて、バチルス・
ズブチリス MR141を培養した培養液中のガンマー
ポリグルタミン酸の量は、対照のものに較べて、22〜
33%も多かった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山崎 恵美子 千葉県野田市野田339番地 キッコーマン 株式会社内 (72)発明者 須賀 繁夫 千葉県野田市野田339番地 キッコーマン 株式会社内
Claims (4)
- 【請求項1】 醤油麹もしくはその抽出物、醤油醸造物
またはそれらの混合物の含有培地で、ガンマーポリグル
タミン酸生産性を有する微生物を培養することを特徴と
するガンマーポリグルタミン酸の生産法。 - 【請求項2】 醤油醸造物が、醤油麹仕込液、醤油諸
味、醤油、醤油おりまたは醤油粕もしくはその抽出物で
あることを特徴とする請求項1記載のガンマーポリグル
タミン酸の生産法。 - 【請求項3】 微生物がバチルス・ズブチリスであるこ
とを特徴とする請求項1記載のガンマーポリグルタミン
酸の生産法。 - 【請求項4】 バチルス・ズブチリスが新規変異株バチ
ルス・ズブチリス(Bacillus subtili
s)MR141(工業技術院生命工学工業技術研究所寄
託FERM P−14692)であることを特徴とする
請求項3記載のガンマーポリグルタミン酸の生産法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8091695A JP3547839B2 (ja) | 1995-03-14 | 1995-03-14 | ガンマーポリグルタミン酸の生産法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8091695A JP3547839B2 (ja) | 1995-03-14 | 1995-03-14 | ガンマーポリグルタミン酸の生産法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08242880A true JPH08242880A (ja) | 1996-09-24 |
JP3547839B2 JP3547839B2 (ja) | 2004-07-28 |
Family
ID=13731734
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8091695A Expired - Fee Related JP3547839B2 (ja) | 1995-03-14 | 1995-03-14 | ガンマーポリグルタミン酸の生産法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3547839B2 (ja) |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006061039A (ja) * | 2004-08-25 | 2006-03-09 | Chisso Corp | ジピコリン酸の製造法 |
WO2007088903A1 (ja) * | 2006-02-03 | 2007-08-09 | Kochi University | 光学純度の高いポリ-γ-グルタミン酸の製造方法 |
CN105274181A (zh) * | 2015-10-28 | 2016-01-27 | 新疆阜丰生物科技有限公司 | 一种从发酵液中提取γ-聚谷氨酸的方法 |
CN109234328A (zh) * | 2017-07-10 | 2019-01-18 | 北京化工大学 | 一种生产γ-聚谷氨酸的方法 |
CN109477123A (zh) * | 2016-08-25 | 2019-03-15 | 花王株式会社 | 聚-γ-谷氨酸的生产方法 |
CN111777472A (zh) * | 2020-08-13 | 2020-10-16 | 四川轻化工大学 | 白酒丢糟半固态发酵生产的富含γ-PGA有机肥及其生产方法 |
CN116640706A (zh) * | 2023-07-22 | 2023-08-25 | 山东土秀才生物科技有限公司 | 一种γ-聚谷氨酸的发酵工艺及其用培养基 |
-
1995
- 1995-03-14 JP JP8091695A patent/JP3547839B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006061039A (ja) * | 2004-08-25 | 2006-03-09 | Chisso Corp | ジピコリン酸の製造法 |
WO2007088903A1 (ja) * | 2006-02-03 | 2007-08-09 | Kochi University | 光学純度の高いポリ-γ-グルタミン酸の製造方法 |
US8927236B2 (en) | 2006-02-03 | 2015-01-06 | Kochi University | Process for producing poly-γ-glutamic acid having high optical purity |
CN105274181A (zh) * | 2015-10-28 | 2016-01-27 | 新疆阜丰生物科技有限公司 | 一种从发酵液中提取γ-聚谷氨酸的方法 |
CN109477123A (zh) * | 2016-08-25 | 2019-03-15 | 花王株式会社 | 聚-γ-谷氨酸的生产方法 |
CN109234328A (zh) * | 2017-07-10 | 2019-01-18 | 北京化工大学 | 一种生产γ-聚谷氨酸的方法 |
CN109234328B (zh) * | 2017-07-10 | 2022-10-21 | 北京化工大学 | 一种生产γ-聚谷氨酸的方法 |
CN111777472A (zh) * | 2020-08-13 | 2020-10-16 | 四川轻化工大学 | 白酒丢糟半固态发酵生产的富含γ-PGA有机肥及其生产方法 |
CN116640706A (zh) * | 2023-07-22 | 2023-08-25 | 山东土秀才生物科技有限公司 | 一种γ-聚谷氨酸的发酵工艺及其用培养基 |
CN116640706B (zh) * | 2023-07-22 | 2023-10-13 | 山东土秀才生物科技有限公司 | 一种γ-聚谷氨酸的发酵工艺及其用培养基 |
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