JPH08242784A - 澱粉質食品並びにその老化防止方法及び老化防止剤 - Google Patents

澱粉質食品並びにその老化防止方法及び老化防止剤

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JPH08242784A
JPH08242784A JP7078243A JP7824395A JPH08242784A JP H08242784 A JPH08242784 A JP H08242784A JP 7078243 A JP7078243 A JP 7078243A JP 7824395 A JP7824395 A JP 7824395A JP H08242784 A JPH08242784 A JP H08242784A
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JP
Japan
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aging
parts
food
starchy
trehalose
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JP7078243A
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English (en)
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Mitsuyasu Kawasaki
満康 川崎
Hideyuki Ito
秀行 伊藤
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Riken Vitamin Co Ltd
Original Assignee
Riken Vitamin Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、澱粉質食品に関し、その製造工程に
制限されることなく使用が可能で、風味、物性を損なう
ことがない老化防止方法や老化防止剤に関する。 【構成】本発明は、澱粉質食品の原料にトレハロースを
添加することを特徴とする老化防止方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は澱粉質食品、特に餅類、
米飯類、団子類、饅頭類、等の老化防止方法及び老化防
止剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】餅、
米飯、団子、饅頭等に代表される澱粉質食品は、日常の
食生活に欠かせないものである。しかしながら、澱粉を
含有する食品は、澱粉の老化による硬化現象等を起こす
ため経時的に品質が劣化し、商品価値が低下する。その
ため、冷凍保存、冷蔵保存、長期保存や遠隔地への輸送
も困難となってしまう。
【0003】このような食品中の澱粉の老化による劣化
を防止する目的で多くの試みがなされてきた。例えば、
α−、β−、グルコアミラーゼ等の酵素剤の使用が試み
られているが、α−アミラーゼは、老化の遅延効果はあ
るものの澱粉分子そのものを分解し食品を溶解させた
り、グルコアミラーゼでは、生成したグルコースによっ
て加熱時に着色を生じたりするため実用性に乏しい。β
−アミラーゼはこれらの欠点を示さないため澱粉質食品
の老化防止に使用されることは多い。しかし、β−アミ
ラーゼを多量に使用しても限られた老化防止効果しか得
られないうえに、製造工程の温度管理を厳密に行う必要
がある他、白玉団子のように原料の加熱後に成形加工の
工程がない食品の場合、添加自体が行えないという制約
がある。
【0004】また、ソルビトール、グルコース、蔗糖、
マルトース等の糖類、糖アルコール類を添加する方法も
試みられているが、これらは澱粉質食品の風味、物性を
大きく変えてしまう。
【0005】更に、これらの他に、小麦グルテンを添加
する方法、デキストリンを添加する方法、増粘多糖類を
添加する方法、界面活性剤を添加する方法等があるが、
いずれも老化防止効果が不十分であり、澱粉質食品が保
存中に硬くなることがあった。
【0006】従って、澱粉質食品に関し、その製造工程
に制限されることなく使用が可能で、風味、物性を損な
うことがない老化防止方法や老化防止剤の開発が強く要
望されていた。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
め種々の検討を重ねた結果、トレハロースが顕著な澱粉
老化防止作用を有することを見出し、本発明を完成し
た。
【0008】すなわち本発明は、澱粉質食品を製造する
に際し、トレハロースを主成分とする老化防止剤を添加
することを特徴とする澱粉質食品の老化防止方法であ
る。
【0009】また、トレハロースを主成分とすることを
特徴とする澱粉質食品用老化防止剤である。
【0010】更に、トレハロースを含有することを特徴
とする澱粉質食品である。
【0011】以下に本発明の内容を詳細に説明する。
【0012】本発明によるトレハロースとは、グルコー
ス2分子からなる非還元性二糖で、結合様式からα,α
−型、α,β−型、β,β−型の3種があり、天然のも
のはα,α−型である。天然には酵母、キノコ類、昆虫
に存在する。工業的には培養法による方法の他、澱粉を
原料として酵素処理を行い生成される。この時は主とし
てα,β−型またはβ,β−型のものが得られる。本発
明で用いるトレハロースはα,α−型、α,β−型、
β,β−型のいずれを用いることも可能である。
【0013】トレハロースの添加量は、添加の対象とな
る食品の種類、性質等に応じて適宜定めればよいが、通
常食品重量に対し0.05〜50重量%が適当である。
【0014】尚、トレハロースは単独で食品に添加して
十分老化防止効果があるが、対象とする食品の性状、工
程に合せて、粉末、顆粒、ペースト、液体等最も効果が
期待できる形態へ加工することができる。その際、粉末
化の基剤、液剤化の溶剤等は、食品に用いることが可能
なものであれば特に制限はない。
【0015】本発明の適用される澱粉質食品としては餅
類、餅菓子類、団子類、饅頭類、米飯等の他にパンケー
キ、麺類等にも効果的である。本発明に係る老化防止剤
は、本発明の効果を損なわない範囲で他の成分を含有し
てもよい。また、本発明に係る老化防止剤は、澱粉質食
品の原料に添加されて効果を発揮できる。
【0016】
【実施例】以下に本発明を実施例により詳しく説明す
る。尚、「部」は特に断わりのない限り「重量部」を表
す。 実施例1 糯粉100部に対して、トレハロースを20部添加す
る。これをよく混合した後、水80部を加え捏ね合せた
ものを30分間蒸し上げる。その後ケーキミキサーで捏
ね上げて切り餅を調整した。
【0017】別に対照品、比較品を調整し、硬化状況の
比較を行った。
【0018】 対照例(1):糯粉 100部、水 80部 比較例(1):糯粉 100部、水 80部、砂糖 2
0部 比較例(2):糯粉 100部、水 80部、マルトー
ス 20部 比較例(3):糯粉 100部、水 80部、グルコー
ス 20部 これにつき調整直後の着色、餅の甘味、5℃保存時の経
時変化を調べた。尚、経時変化はレオメータを測定し、
数値の大きい方が軟らかいことを示す。
【0019】
【表1】 以上の結果から本発明品は、対照品や比較例に比べ非常
に効果的に老化が防止されており、且つ製品の食感、風
味、外観も良好であった。 実施例2 白玉粉100部に対しトレハロース10部を添加する。
これをよく混合した後水85部を加え、捏ね合せたもの
を約10gに分割、成型し、約5分間ボイルし、白玉団
子を調整した。
【0020】別に対照品、比較品を調整し、硬化状況の
比較を行った。
【0021】 対照例(2):白玉粉 100部、水 85部 比較例(4):白玉粉 100部、水 85部、β−ア
ミラーゼ 0.1部 これらにつき5℃保存時の経時変化を調べた。測定はレ
オメータを用いた。
【0022】
【表2】 以上の結果から本発明品は、対照品や比較品に比べ非常
に効果的に老化が防止されており、良好であった。 実施例3 葛粉100部に対しトレハロース50部、砂糖200
部、水400部を加え混合する。これをかきまぜながら
透明になるまで加熱した後、包餡を行い葛桜を調整し
た。
【0023】別に対照品を調整し透明感の比較を行っ
た。
【0024】対照例(3):葛粉 100部、砂糖 2
50部、水 400部 これらにつき5℃保存時の経時変化を調べた。透明感は
目視により判断した。(◎…透明、○…やや透明、△…
若干白濁、×…白濁)
【0025】
【表3】 以上の結果から本発明品は対照品に比べ非常に効果的に
老化が防止されており良好であった。
【0026】
【発明の効果】本発明によると澱粉質食品の製造工程に
おいて、トレハロースを予め原料に添加するだけで蒸煮
や練成による影響を受けず、また食品の風味、物性、外
観を損なうことなく、老化防止効果が得られる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】澱粉質食品の原料にトレハロースを添加す
    ることを特徴とする老化防止方法。
  2. 【請求項2】トレハロースを主成分とすることを特徴と
    する澱粉質食品用老化防止剤。
  3. 【請求項3】トレハロースを含有することを特徴とする
    澱粉質食品。
JP7078243A 1995-03-09 1995-03-09 澱粉質食品並びにその老化防止方法及び老化防止剤 Withdrawn JPH08242784A (ja)

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