JPH08242714A - 藻場造成具及びこれを用いた藻場造成方法 - Google Patents

藻場造成具及びこれを用いた藻場造成方法

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JPH08242714A
JPH08242714A JP7453795A JP7453795A JPH08242714A JP H08242714 A JPH08242714 A JP H08242714A JP 7453795 A JP7453795 A JP 7453795A JP 7453795 A JP7453795 A JP 7453795A JP H08242714 A JPH08242714 A JP H08242714A
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JP
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algae
seaweed bed
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rope
alga
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JP7453795A
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Mitsuhiro Negami
光弘 根上
Yuuri Nishimori
有里 西森
Tomomi Okamoto
智美 岡本
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Original Assignee
Suzuki Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 藻場の造成に要する労力を軽減するととも
に、有用藻類の定着率を向上させる。 【構成】 本発明に係る藻場造成具10は、有用藻類の
付着基盤としての分解性樹脂からなる藻類付着部12
1,122,…,12nと、藻類付着部121,12
2,…,12nを所定の間隔dで連結する分解性樹脂か
らなるロープ部14とを備えている。間隔dは、有用藻
類の成長に最も適した密度にするためのものであって、
有用藻類の種類によって異なる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、有用藻類の藻場を造成
するために用いられる、藻場造成具及びこれを用いた藻
場造成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、藻場の造成には、コンクリートや
自然石を海底に設置することが広く行われている。海底
に設置されたコンクリートや自然石は、コンブ類,ホン
ダワラ類等の有用藻類の付着基盤となる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、かかる
従来技術では、次のような問題があった。
【0004】コンクリートや自然石は大きくかつ重い
物であるため、これらを海底に設置する作業は大きな労
力を要する。
【0005】コンクリートや自然石を海底に設置して
も、石灰藻類等の雑藻類が先に繁茂してしまう場合があ
り、必ずしも有用藻類が繁茂するとは限らない。
【0006】
【発明の目的】そこで、本発明の目的は、藻場の造成に
要する労力を軽減できるとともに、有用藻類の定着率を
向上できる、藻場造成具を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係る藻場造成具
は、有用藻類の付着基盤としての分解性樹脂からなる複
数の藻類付着部と、これらの藻類付着部を連結する分解
性樹脂からなるロープ部とを備えたものである。また、
前記ロープ部が前記藻類付着部を所定の間隔で連結する
ものとしてもよい。さらに、前記藻類付着部の分解性樹
脂に,有用藻類の付着性の良いものを用い、前記ロープ
部の分解性樹脂に,水流に耐え得る強度を有するものを
用いてもよい。本発明に係る藻場造成方法は、本発明に
係る藻場造成具の藻類付着部又はロープ部に有用藻類の
胞子又は幼芽を付着した後、この藻場造成具を岩礁等に
被装するものである。
【0008】ここでいう「有用藻類」には、ワカメ,コ
ンブ,ホンダワラ等の隠花植物の他に、アマモ,コアマ
モ等の顕花植物も含むものとする。顕花植物の場合は、
「胞子」を「種子」と言い換えるものとする。また、こ
こでいう「分解性樹脂」とは、自然環境の中で分解・消
滅する樹脂をいい、具体的には生分解性,水溶性等を呈
する樹脂をいう。生分解性樹脂としては、ポリ(ヒド
ロキシブチレート/ヒドロキシバリレート)コポリマー
等の微生物生産型、ポリエチレンサクシネート,ポリ
ブチレンサクシネート,ポリカプロラクトン等の石油合
成型、ポリ−L乳酸等の植物合成型、澱粉+ポリビ
ニルアルコール等の天然高分子型、等がある。水溶性樹
脂としては、ポリビニルアルコール,セルロース系ポリ
マー,紙,粘土等がある。
【0009】
【作用】藻場造成具は、全体が樹脂からなるとともに平
面的な構造であるので、コンクリートや自然石に比べ
て、非常に軽量かつ小体積である。
【0010】藻場造成具の藻類付着部又はロープ部に、
有用藻類の胞子又は幼芽を予め付着させておく。藻場造
成具を例えば岩礁に被装すると、胞子又は幼芽が成長し
て有用藻類の成体になる。また、岩礁の表面は、ロープ
部によって覆われているだけであるので、十分に露出し
ており、有用藻類が根を張る。その後、有用藻類が胞子
を放出して枯死するが、放出された胞子が岩礁に多数付
着する。したがって、これらの胞子が発芽して成長する
ことにより、藻場造成具を被装した岩礁が藻場となる。
一方、藻場造成具は、分解性樹脂の作用によって崩壊又
は消滅するので、有用藻類の成長を妨げることがなく、
しかも自然環境を汚染することもない。
【0011】
【実施例】図1は本発明に係る藻場造成具の第一実施例
を示す斜視図である。以下、この図面に基づき説明す
る。
【0012】藻場造成具10は、有用藻類の付着基盤と
しての分解性樹脂からなる藻類付着部121,122,
…,12nと、藻類付着部121,122,…,12n
を所定の間隔dで連結する分解性樹脂からなるロープ部
14とを備えている。間隔dは、有用藻類の成長に最も
適した密度にするためのものであって、有用藻類の種類
によって異なる。例えばワカメの場合の間隔dは、好ま
しくは30〜200cm 、より好ましくは50〜90cmである。ま
た、間隔dをおおよそ50cm以上とすると、魚や貝を引っ
掛けるおそれがないため、最も好ましい。
【0013】藻類付着部121,…の分解性樹脂として
は、胞子又は根の付着性の良い、澱粉+変性ポリビニル
アルコール(商品名「マタービー」:日本合成化学株式
会社),ポリ(ヒドロキシブチレート/ヒドロキシバリ
レート)コポリマー(商品名「バイオポール」:株式会
社ゼネカ),澱粉系ポリマー(商品名「ノボン」:Warn
er-Lambbert 社)等が好ましい。ロープ部14の分解性
樹脂としては、水流に対して十分な強度を有する、ポリ
カプロラクトン(商品名「トーン」:日本ユニカー株式
会社),脂肪族ポリエステル(商品名「ビオノーレ」:
昭和高分子株式会社),ポリ−L乳酸(商品名「ラクテ
ィ」:島津製作所株式会社)等が好ましい。このよう
に、胞子又は根の付着性の良い分解性樹脂を藻類付着部
121,…に用いることにより、藻類付着部121,…
に付着する有用藻類のみで十分な量となるので、ロープ
部14に有用藻類を付着させる表面積が不要となり、そ
れだけロープ部14の直径を小さくできる。そして、水
流に対して十分な強度を有する分解性樹脂をロープ部1
4に用いることにより、ロープ部14の直径を10mm以下
にできる。その結果、ロープ部14の直径を細くなるこ
とにより、ロープ部14での雑藻類の繁殖を低減でき
る。
【0014】図2は、藻場造成具10を用いた藻場造成
方法を示す説明図であり、図2〔イ〕〜〔ニ〕の順に時
間が経過することを示している。以下、図1及び図2に
基づき説明する。
【0015】藻場造成具10の藻類付着部121,…
に、胞子S0 を予め付着させておく。藻類付着部12
1,…に胞子S0 を付着させるには、例えば、図示しな
い種糸を藻類付着部121,…に固定すればよい。続い
て、ロープ部14を例えば釘16で岩礁18に打ち付け
ることにより、藻場造成具10を岩礁18に被装する
(図2〔イ〕)。藻場造成具10は、構造上及び素材上
の理由により、従来のコンクリートや自然石よりも小型
かつ軽量である。そのため、運搬及び設置に要する労力
を、従来よりも軽減できる。
【0016】しばらくすると、胞子S0 が成長して幼芽
1 となり(図2〔ロ〕)、さらに成長して成体S2
なる(図2〔ハ〕)。このとき、藻類付着部121,…
がロープ部14によって間隔dで互いに離間しているの
で、成体S2 は成長に最も適した密度に保たれる。ま
た、岩礁18の表面18sは、ロープ部14によって覆
われているだけであるので、十分に露出しており、成体
2 が根S3 を張る。その後、成体S2 が胞子S0 を放
出して枯死するが、放出された胞子S0 が岩礁18に多
数付着する。したがって、これらの胞子S0 が発芽して
成長することにより、岩礁18が藻場となる。一方、藻
場造成具10は、分解性樹脂の作用によって崩壊又は消
滅するので、有用藻類の成長を妨害しないばかりか、自
然環境を汚染することもない。
【0017】なお、藻場造成具10は、全体として網状
を呈しているが、必ずしも網状とする必要はなく、例え
ば線状(単線又は撚り線)としてもよい。藻類付着部1
21,…には、人工採苗によって胞子S0 を付着させる
ことが、確実性の点から好ましい。しかし、天然採苗に
より、藻類付着部121,…に胞子S0 を付着させるよ
うにしてもよい。藻場造成具10を海底に固定するに
は、釘16に限らず、重り,接着剤,紐等を用いてもよ
い。また、藻場造成具10は、柱,縄等に縛りつけても
よいし、海水中に垂下してもよい。さらに、藻場造成具
10は、増養殖にも用いられるし、また、池,川,湖等
の淡水中でも用いられるものである。
【0018】図3は、本発明に係る藻場造成具の第二実
施例における藻類付着部を示す斜視図である。図4は、
図3の藻場造成具の使用方法の一部を示す斜視図であ
り、図4〔イ〕〜〔ハ〕の順に藻類付着部をロープ部に
固定する。以下、これらの図面に基づき説明する。
【0019】本実施例では、藻類付着部20が平板状を
呈しており、種糸22を係止するための係止溝24a,
24b及びロープ部14に固定するための透孔26,窪
み28a,28b等が形成されている。好ましい大きさ
は、縦8〜100mm より好ましくは10〜50mm,横50〜200m
m より好ましくは80〜150mm ,厚さ0.5 〜3mmより好ま
しくは1〜2mmである。
【0020】まず、種糸22を係止溝24a,24bに
挿通して藻類付着部20に固定する(図4〔イ〕)。続
いて、ロープ部14を透孔26へ挿入する(図4
〔ロ〕)。挿入したロープ部14をひねって輪14aを
作り、輪14aを係止溝24a,24baに引っかけ
る。最後に、ロープ部14を窪み28a,28bに嵌め
る(図4〔ハ〕)。
【0021】図5は、本発明に係る藻場造成具の第三実
施例における藻類付着部を示す斜視図である。図6は、
図5の藻場造成具の使用方法の一部を示す斜視図であ
り、図6〔イ〕,〔ロ〕の順に藻類付着部をロープ部に
固定する。以下、これらの図面に基づき説明する。
【0022】本実施例では、藻類付着部30が平板状を
呈しており、種糸22及びロープ部14を係止するため
の係止溝32a,32b,34a,34bが形成されて
いる。好ましい大きさは、第二実施例と同じである。
【0023】まず、種糸22を係止溝32a,32b,
34a,34bに挿通して藻類付着部30に固定する
(図6〔イ〕)。続いて、ロープ部14を係止溝32
a,32b,34a,34bに挿通して藻類付着部20
に固定する(図6〔ロ〕)。このとき、第二実施例のよ
うにロープ部14をひねって輪を作り、この輪を係止溝
32a,32b又は係止溝34a,34bに引っかける
ようにしてもよい。
【0024】図7は、本発明に係る藻場造成具の第四実
施例における藻類付着部を示す正面図である。図8は、
図7の藻場造成具の使用方法の一部を示す正面図であ
り、図8〔イ〕,〔ロ〕の順に藻類付着部をロープ部に
固定する。以下、これらの図面に基づき説明する。
【0025】本実施例の藻類付着部40は、有用藻類の
根の付着性を良くするために網状を呈しており、円筒状
とするための係合網部42と係合突部44とを備えてい
る。好ましい大きさは、縦16〜100mm より好ましくは20
〜70mm,横50〜200mm より好ましくは80〜150mm ,編み
目0.3 〜2mmである。
【0026】まず、種糸22をロープ部14に沿わせた
状態で、これらに係合突部44を当てがう(図8
〔イ〕)。続いて、藻類付着部40を丸めて係合網部4
2を係合突部44に絡ませて、全体として円筒状とす
る。
【0027】図9は、本発明に係る藻場造成具の第五実
施例における藻類付着部を示す斜視図である。図10
は、図9の藻場造成具の使用方法の一部を示す斜視図で
あり、図10〔イ〕,〔ロ〕の順に藻類付着部をロープ
部に固定する。以下、これらの図面に基づき説明する。
【0028】本実施例の藻類付着部50は、有用藻類の
根の付着性を良くするためにコイル状を呈している。藻
類付着部50を構成する各輪の間隔Dは、両端52a,
52bで短く、中央52cで長くなっている。これは、
両端52a,52bで、種糸22及びロープ部14を挟
持するためである。好ましい大きさは、直径8〜100mm
,長さ50〜200mm ,線径0.3 〜3mmである。
【0029】まず、種糸22を両端52a,52bで挟
持するとともに、ロープ部14を種糸22から離して両
端52a,52bで挟持する(図10〔イ〕)。さら
に、必要に応じて、両端52a,52bを絡ませて、扇
状にしてもよい(図10〔ロ〕)。
【0030】図11は、本発明に係る藻場造成具の第六
実施例における藻類付着部を示す正面図である。図12
は、図11の藻場造成具の使用方法の一部を示す正面図
であり、図12〔イ〕,〔ロ〕の順に藻類付着部をロー
プ部に固定する。以下、これらの図面に基づき説明す
る。
【0031】本実施例の藻類付着部60は、有用藻類の
根の付着性を良くするための平板状の網62と、棒状の
固定部材64a,64bとを備えている。好ましい大き
さは、縦8〜100mm より好ましくは10〜50mm,横50〜20
0mm より好ましくは80〜150mm である。
【0032】まず、種糸22をロープ部14に沿わせ、
これらを網62上に載置する(図12〔イ〕)。続い
て、固定部材64a,64bを網62の編み目の裏側か
ら表側へ通し、種糸22及びロープ部14上を通って、
再び編み目の裏側へ通す。これによって、種糸22及び
ロープ部14が固定部材64a,64bと網62との間
に挟持される(図12〔ロ〕)。
【0033】図13は本発明に係る藻場造成具の第七実
施例における藻類付着部を示し、図13〔イ〕が正面
図、図13〔ロ〕が平面図である。
【0034】本実施例の藻類付着部70は、有用藻類の
根の付着性を良くするための平板72と、平板部72を
ロープ部14に固定する棒状の固定部材74a,74b
とを備えている。好ましい大きさは、縦10mm程度,横50
〜100mm 程度である。
【0035】まず、種糸22を平板72に巻き付け、こ
れらとロープ部14とを固定部材74a,74bで突き
刺す。これにより、種糸22及び平板72が、ロープ部
14に固定される。
【0036】図14は、本発明に係る藻場造成具の第八
実施例における藻類付着部を示す斜視図である。
【0037】本実施例の藻類付着部80は、有用藻類の
根の付着性を良くするための格子枠80a及び平板80
bと、これらを連結する支持棒84a,84b,84c
とから構成されている。支持棒84a,84b,84c
は、一端が平板80bに固設されており、他端は格子枠
80aに抜き差し自在となっている。好ましい大きさ
は、縦8〜100mm より好ましくは10〜50mm,横50〜200m
m より好ましくは80〜150mm ,高さ8〜30mm程度であ
る。
【0038】まず、種糸22をロープ部14を構成する
撚り線の間に差し込み、ロープ部14を支持棒84a,
…で突き刺した後、支持棒84a,…を格子枠80aに
差し込む。これにより、藻類付着部80が種糸22とと
もにロープ部14に固定される。格子枠80a又は平板
80bは、例えば断面半円状としてもよい。固定部材7
4a,74bは結束バンドや糸等でもよい。
【0039】図15は、本発明に係る藻場造成具の第九
実施例における藻類付着部を示す斜視図である。
【0040】本実施例の藻類付着部90は、有用藻類の
根の付着性を良くするための平板92と、平板92をロ
ープ部(図示せず)に固定する棒状の固定部材94a,
94bと、固定部材94a,94bと嵌合する止め輪9
6a,96bとを備えている。まず、種糸(図示せず)
を平板92に巻き付け、ロープ部を固定部材94a,9
4bで突き刺し、固定部材94a,94bに止め輪96
a,96bを嵌合させる。これにより、種糸及び平板9
2が、ロープ部に固定される。
【0041】図16は、本発明に係る藻場造成具の第十
実施例における藻類付着部を示す斜視図である。
【0042】本実施例の藻類付着部100は、互いの内
側を向かい合わせることにより中空円筒状となる二個の
半円筒102a,102bにより構成されている。半円
筒102a,102bは、有用藻類の根の付着性を良く
するためのものであり、内径がロープ部(図示せず)と
ほぼ等しく、かつ、内周面104a,104bに高吸水
性物質を付着させている。まず、ロープ部を半円筒10
2a,102bで挟持すると、高吸水性物質の作用によ
りロープ部と半円筒102a,102bとが密着する。
続いて、種糸(図示せず)を半円筒102a,102b
に巻き付ける。
【0043】図17は、本発明に係る藻場造成具の第十
一実施例における藻類付着部を示す斜視図である。
【0044】本実施例の藻類付着部110は、有用藻類
の根の付着性を良くするための平板112と、平板11
2の端部に設けられた差込み片114a,114bと、
差込み片114a,114bの近傍に設けられた切り込
み116a,116b,118a,118bとから構成
されている。種糸(図示せず)を平板112に巻き付
け、ロープ部(図示せず)の撚り線の間に差込み片11
4a,114bを差し込み、切り込み116a,116
b,118a,118bでロープ部を挟持する。
【0045】図18は、本発明に係る藻場造成具の第十
二実施例における藻類付着部を示す斜視図である。
【0046】本実施例の藻類付着部120は、有用藻類
の根の付着性を良くするための平板122と、平板12
2の端部に設けられた挿通孔124a,124bとから
構成されている。挿通孔124a,124bの内径は、
ロープ部(図示せず)の外径よりもやや小さくなってい
る。種糸(図示せず)を平板122に巻き付け、ロープ
部を挿通孔124a,124bへ挿通する。
【0047】図19は、本発明に係る藻場造成具の第十
三実施例における藻類付着部を示す斜視図である。
【0048】本実施例の藻類付着部130は、有用藻類
の根の付着性を良くするための半円柱132と、半円柱
132内を軸線方向に貫通する挿通孔134とから構成
されている。挿通孔134の内径は、ロープ部(図示せ
ず)の外径よりもやや小さくなっている。また、半円柱
132は、中実でも中空でもよいが、中空とした場合は
空気穴が必要である。ロープ部を挿通孔134へ挿通
し、種糸(図示せず)を半円柱132に巻き付ける。
【0049】次に、上記第二乃至第十三実施例に共通す
る事項について説明する。
【0050】種糸22に付着している胞子は、乾燥に弱
い。藻類付着部20,30,40,50,60,70,
80,90,100,110,120,130(以下、
「藻類付着部20,…」と略す。)によれば、前述のよ
うに簡単かつ短時間にロープ部14に固定できるので、
種糸22の乾燥を防止できるという効果がある。
【0051】有用藻類の根の付着性を良くするために、
藻類付着部20,…に透孔や切り込みを形成してもよ
い。また、藻類付着部20,…には、有用藻類の栄養分
となる、硝酸塩,アンモニア塩,硫酸塩等の水産肥料を
含ませてもよい。この場合は、有用藻類の成長をより促
進できる。
【0052】藻類付着部20,…の大きさについて数値
を限定した主な根拠は、あまりに大きいと必要以上の強
度・形状となるために使用後の分解が遅くなるからであ
り、あまりに小さいと有用藻類の根が成体を支持できな
いからである。
【0053】なお、本発明は、いうまでもないが、上記
第一乃至第十三実施例に限定されるものではない。例え
ば、本発明に係る藻場造成具は、種糸を入れた網袋を藻
類付着部とし、この藻類付着部をロープ部に結び付けた
ものとしてもよい。
【0054】
【発明の効果】本発明に係る藻場造成具によれば、有用
藻類の付着基盤となる複数の分解性樹脂からなる藻類付
着部を、分解性樹脂からなるロープ部によって連結した
ものとしたので、軽量かつ小体積にでき、これにより運
搬及び設置を簡易化できる。しかも、設置後は自然に消
滅するので、回収等の手間も不要であり、藻場の造成に
要する労力を著しく軽減できる。さらに、自然に消滅す
るという特徴は、有用藻類の成長を妨害しないことによ
り有用藻類の定着率を向上できるとともに、従来の流失
漁網のような海洋汚染の発生を防止できる。
【0055】また、複数の藻類付着部をロープ部によっ
て所定の間隔で連結していれば、有用藻類が過密を避け
た状態で順調に成長できるので、有用藻類の定着率をさ
らに向上できる。
【0056】本発明に係る藻場造成方法によれば、本発
明に係る藻場造成具に予め有用藻類の胞子又は幼芽を付
着させて、これを岩礁等に被装するようにしたので、藻
類付着部に確実に有用藻類を付着でき、これにより岩礁
等に対する有用藻類の定着率を向上できる。したがっ
て、雑藻類の繁殖を抑えて確実に藻場を造成できるの
で、磯焼け地帯を藻場に変える場合に好適に用いること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る藻場造成具の第一実施例を示す斜
視図である。
【図2】図1の藻場造成具を用いた藻場造成方法を示す
説明図であり、図2〔イ〕〜〔ニ〕の順に時間が経過す
ることを示している。
【図3】本発明に係る藻場造成具の第二実施例における
藻類付着部を示す斜視図である。
【図4】図3の藻場造成具の使用方法の一部を示す斜視
図であり、図4〔イ〕〜〔ハ〕の順に藻類付着部をロー
プ部に固定する。
【図5】本発明に係る藻場造成具の第三実施例における
藻類付着部を示す斜視図である。
【図6】図5の藻場造成具の使用方法の一部を示す斜視
図であり、図6〔イ〕,〔ロ〕の順に藻類付着部をロー
プ部に固定する。
【図7】本発明に係る藻場造成具の第四実施例における
藻類付着部を示す正面図である。
【図8】図7の藻場造成具の使用方法の一部を示す正面
図であり、図8〔イ〕,〔ロ〕の順に藻類付着部をロー
プ部に固定する。
【図9】本発明に係る藻場造成具の第五実施例における
藻類付着部を示す斜視図である。
【図10】図9の藻場造成具の使用方法の一部を示す斜
視図であり、図10〔イ〕,〔ロ〕の順に藻類付着部を
ロープ部に固定する。
【図11】本発明に係る藻場造成具の第六実施例におけ
る藻類付着部を示す正面図である。
【図12】図11の藻場造成具の使用方法の一部を示す
正面図であり、図12〔イ〕,〔ロ〕の順に藻類付着部
をロープ部に固定する。
【図13】本発明に係る藻場造成具の第七実施例におけ
る藻類付着部を示し、図13〔イ〕が正面図、図13
〔ロ〕が平面図である。
【図14】本発明に係る藻場造成具の第八実施例におけ
る藻類付着部を示す斜視図である。
【図15】本発明に係る藻場造成具の第九実施例におけ
る藻類付着部を示す斜視図である。
【図16】本発明に係る藻場造成具の第十実施例におけ
る藻類付着部を示す斜視図である。
【図17】本発明に係る藻場造成具の第十一実施例にお
ける藻類付着部を示す斜視図である。
【図18】本発明に係る藻場造成具の第十二実施例にお
ける藻類付着部を示す斜視図である。
【図19】本発明に係る藻場造成具の第十三実施例にお
ける藻類付着部を示す斜視図である。
【符号の説明】
10 藻場造成具121,122,…,12n,20,
30,40,50,60,70,80,90,100,
110,120,130 藻類付着部 14 ロープ部 S0 有用藻類の胞子 S1 有用藻類の幼芽 S2 有用藻類の成体 S3 有用藻類の根

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有用藻類の付着基盤としての分解性樹脂
    からなる複数の藻類付着部と、これらの藻類付着部を連
    結する分解性樹脂からなるロープ部とを備えた藻場造成
    具。
  2. 【請求項2】 前記ロープ部が前記藻類付着部を所定の
    間隔で連結する請求項1記載の藻場造成具。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の藻場造成具の前記藻類付
    着部又はロープ部に,有用藻類の胞子又は幼芽を付着し
    た後、この藻場造成具を岩礁等に被装する藻場造成方
    法。
JP7453795A 1995-03-07 1995-03-07 藻場造成具及びこれを用いた藻場造成方法 Withdrawn JPH08242714A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013146193A (ja) * 2012-01-17 2013-08-01 Sumitomo Osaka Cement Co Ltd 藻類の育成方法
KR101347302B1 (ko) * 2012-11-12 2014-01-10 한국수산자원관리공단 해조류 양식장의 연승줄 고정장치
KR102432553B1 (ko) * 2021-12-10 2022-08-18 주식회사 마레이엔씨 네트 고정형 잘피이식 수중 구조물 장치

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