JPH0824117A - 調理用鍋及びその製造方法 - Google Patents
調理用鍋及びその製造方法Info
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- JPH0824117A JPH0824117A JP16796994A JP16796994A JPH0824117A JP H0824117 A JPH0824117 A JP H0824117A JP 16796994 A JP16796994 A JP 16796994A JP 16796994 A JP16796994 A JP 16796994A JP H0824117 A JPH0824117 A JP H0824117A
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- Japan
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- pan
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 高圧鋳造法で成形された鍋の離型性を向上す
ると共に、鍋の製造時の作業環境を向上する。 【構成】 鍋3は、受型15で受けられた溶融アルミニ
ウムを押型16により高圧で加圧する高圧鋳造法により
成形されている。ここで、鍋3の周壁面部3aは、底面
部3bに近づくに従って型抜き用の勾配が大きくなるよ
うに設けられている。従って、高圧鋳造時に鍋3の底面
部3bが収縮力により押型16に大きな力で密着するに
しても、鍋3を押型16から容易に離型することができ
る。
ると共に、鍋の製造時の作業環境を向上する。 【構成】 鍋3は、受型15で受けられた溶融アルミニ
ウムを押型16により高圧で加圧する高圧鋳造法により
成形されている。ここで、鍋3の周壁面部3aは、底面
部3bに近づくに従って型抜き用の勾配が大きくなるよ
うに設けられている。従って、高圧鋳造時に鍋3の底面
部3bが収縮力により押型16に大きな力で密着するに
しても、鍋3を押型16から容易に離型することができ
る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高圧鋳造法により成形
された調理用鍋及びその製造方法に関する。
された調理用鍋及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、鉄或いはアルミニウムの材料
をプレス絞り成形により調理用鍋を製造するようにして
いる。ところが、この種の鍋では、全体にわたって略一
定の薄肉であるので、熱容量が低い。このため、加熱調
理時に鍋の底面部の温度が過度に上昇して、鍋に収納さ
れた被調理物が焦げついたり、過熱状態になりやすいと
いう欠点がある。また、プレス絞り成形では、成形後の
寸法精度も極めて低いという問題もある。
をプレス絞り成形により調理用鍋を製造するようにして
いる。ところが、この種の鍋では、全体にわたって略一
定の薄肉であるので、熱容量が低い。このため、加熱調
理時に鍋の底面部の温度が過度に上昇して、鍋に収納さ
れた被調理物が焦げついたり、過熱状態になりやすいと
いう欠点がある。また、プレス絞り成形では、成形後の
寸法精度も極めて低いという問題もある。
【0003】一方、金属の製造方法として重力鋳造(所
謂鋳物)及びダイカスト成形がある。この重力製造で
は、プレス成形と違って、鍋の底面部を厚肉に成形する
ことにより熱容量を高めて加熱調理を適切に行うことが
できるものの、成形品の表面が粗く、成形後に内面全体
を切削加工する必要がある。また、寸法精度も低いと共
に、外観も劣ることから、鉄鍋では、表面に凹凸形状を
付加して見映えを向上するようにしており、総じてコス
トが高い。
謂鋳物)及びダイカスト成形がある。この重力製造で
は、プレス成形と違って、鍋の底面部を厚肉に成形する
ことにより熱容量を高めて加熱調理を適切に行うことが
できるものの、成形品の表面が粗く、成形後に内面全体
を切削加工する必要がある。また、寸法精度も低いと共
に、外観も劣ることから、鉄鍋では、表面に凹凸形状を
付加して見映えを向上するようにしており、総じてコス
トが高い。
【0004】また、ダイカスト成形では、加圧成形であ
ることから、重力製造よりも寸法精度を高めることがで
きると共に作業工数を低減することができるものの、溶
融金属を成形型に充填する際に湯口が金属の凝固により
短時間で閉鎖されてしまうので、溶融金属に十分に加圧
することができずに収縮巣を生じやすい。
ることから、重力製造よりも寸法精度を高めることがで
きると共に作業工数を低減することができるものの、溶
融金属を成形型に充填する際に湯口が金属の凝固により
短時間で閉鎖されてしまうので、溶融金属に十分に加圧
することができずに収縮巣を生じやすい。
【0005】そこで、上記問題に対処するために、高圧
鋳造法により鍋を成形することが考えられている。この
高圧鋳造法は例えばエンジンのピストンを成形するため
に開発されたもので、受型で受けられた溶融金属を押型
により押圧する際に、溶融金属の凝固中も300〜10
00Kg/平方cmという高い圧力で加圧することを特徴と
する。従って、高圧鋳造法により成形された成形品は、
緻密で強度が高いと共に極めて寸法精度が高く、さらに
は収縮巣もほとんど発生しないという優れた特性を有す
る。
鋳造法により鍋を成形することが考えられている。この
高圧鋳造法は例えばエンジンのピストンを成形するため
に開発されたもので、受型で受けられた溶融金属を押型
により押圧する際に、溶融金属の凝固中も300〜10
00Kg/平方cmという高い圧力で加圧することを特徴と
する。従って、高圧鋳造法により成形された成形品は、
緻密で強度が高いと共に極めて寸法精度が高く、さらに
は収縮巣もほとんど発生しないという優れた特性を有す
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、高圧鋳
造法では、溶融金属が熱収縮を伴って凝固する際にも押
型により高圧で加圧するので、成形品が押型に食いつい
てしまう。特に型抜き用の勾配が一定の深鍋、或いは底
面部が肉厚の鍋を成形する場合には、斯様な傾向が顕著
となって鍋が押型に大きな力で密着してしまう。このた
め、成形された鍋をバーナーで加熱して膨脹させること
により押型から離型させる必要があり、作業が極めて面
倒となる。
造法では、溶融金属が熱収縮を伴って凝固する際にも押
型により高圧で加圧するので、成形品が押型に食いつい
てしまう。特に型抜き用の勾配が一定の深鍋、或いは底
面部が肉厚の鍋を成形する場合には、斯様な傾向が顕著
となって鍋が押型に大きな力で密着してしまう。このた
め、成形された鍋をバーナーで加熱して膨脹させること
により押型から離型させる必要があり、作業が極めて面
倒となる。
【0007】一方、高圧鋳造法では、上述のように成形
品の離型が困難であることから、離型剤を使用するよう
にしている。この場合、離型剤としては、黒鉛を主成分
とするものとシリカ系のものがあるが、黒鉛を主成分と
するものの方が潤滑性が高く離型性が優れていることか
ら、高圧鋳造法により鍋を成形する際には、離型剤とし
て黒鉛を主成分としたものを使用する必要がある。
品の離型が困難であることから、離型剤を使用するよう
にしている。この場合、離型剤としては、黒鉛を主成分
とするものとシリカ系のものがあるが、黒鉛を主成分と
するものの方が潤滑性が高く離型性が優れていることか
ら、高圧鋳造法により鍋を成形する際には、離型剤とし
て黒鉛を主成分としたものを使用する必要がある。
【0008】ところが、離型剤を金型に噴霧する際には
周囲に飛散してしまうので、離型剤として黒鉛を主成分
とするものを用いた場合には、離型剤の飛散により設備
或いは作業員が真黒に汚れてしまって作業環境が劣悪と
なる。
周囲に飛散してしまうので、離型剤として黒鉛を主成分
とするものを用いた場合には、離型剤の飛散により設備
或いは作業員が真黒に汚れてしまって作業環境が劣悪と
なる。
【0009】本発明は上記事情に鑑みてなされたもの
で、その目的は、高圧鋳造法による成形でありながら離
型が容易である調理用鍋を提供すると共に、作業環境を
改善することができる調理用鍋の製造方法を提供するこ
とにある。
で、その目的は、高圧鋳造法による成形でありながら離
型が容易である調理用鍋を提供すると共に、作業環境を
改善することができる調理用鍋の製造方法を提供するこ
とにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の調理用鍋は、高
圧鋳造法により底面部及びこの底面部の周縁から立上る
周壁面部を有するように成形したときに、前記周壁面部
の内周面を前記底面部に近づくに従って型抜き用の勾配
が大きくなるように設けたものである。上記構成におい
て、底面部を周壁面部よりも厚肉に設けるようにしても
よい。また、本発明の調理用鍋の製造方法は、高圧鋳造
時の離型剤としてシリカ系の白色離型剤を用いたもので
ある。
圧鋳造法により底面部及びこの底面部の周縁から立上る
周壁面部を有するように成形したときに、前記周壁面部
の内周面を前記底面部に近づくに従って型抜き用の勾配
が大きくなるように設けたものである。上記構成におい
て、底面部を周壁面部よりも厚肉に設けるようにしても
よい。また、本発明の調理用鍋の製造方法は、高圧鋳造
時の離型剤としてシリカ系の白色離型剤を用いたもので
ある。
【0011】
【作用】請求項1記載の調理用鍋の場合、高圧鋳造法に
より鍋を成形すると、鍋の周壁面部は底面部に近づくに
従って成形時の熱収縮が大きくなるので、金型への食い
つき力が大きくなる。この場合、鍋の周壁面部の内壁面
は底面部に近づくに従って型抜き用の勾配が大きくなっ
ているので、鍋を容易に離型することができると共に、
鍋の内容積を確保することができる。
より鍋を成形すると、鍋の周壁面部は底面部に近づくに
従って成形時の熱収縮が大きくなるので、金型への食い
つき力が大きくなる。この場合、鍋の周壁面部の内壁面
は底面部に近づくに従って型抜き用の勾配が大きくなっ
ているので、鍋を容易に離型することができると共に、
鍋の内容積を確保することができる。
【0012】請求項2記載の調理用鍋の場合、鍋の底面
部を周壁面部よりも厚肉に設定することにより鍋の熱容
量を高めることができるので、加熱調理を効率良く行う
ことができる。この場合、鍋の底面部が厚肉であって
も、請求項1記載の鍋の形状を採用することにより容易
に離型することができる。
部を周壁面部よりも厚肉に設定することにより鍋の熱容
量を高めることができるので、加熱調理を効率良く行う
ことができる。この場合、鍋の底面部が厚肉であって
も、請求項1記載の鍋の形状を採用することにより容易
に離型することができる。
【0013】請求項3記載の調理用鍋の場合、シリカ系
の白色離型剤を用いることにより黒鉛を主成分とする離
型剤よりも作業環境を向上することができる。この場
合、シリカ系の白色離型剤の離型性能は黒鉛を主成分と
する離型剤よりも劣るものの、請求項1または2記載の
鍋の形状を採用することにより容易に離型することがで
きるので、シリカ系の白色離型剤を用いることができ
る。
の白色離型剤を用いることにより黒鉛を主成分とする離
型剤よりも作業環境を向上することができる。この場
合、シリカ系の白色離型剤の離型性能は黒鉛を主成分と
する離型剤よりも劣るものの、請求項1または2記載の
鍋の形状を採用することにより容易に離型することがで
きるので、シリカ系の白色離型剤を用いることができ
る。
【0014】
【実施例】以下、本発明を誘導加熱式炊飯器の鍋に適用
した一実施例を図1乃至図3を参照して説明する。炊飯
器の全体縦断面を示す図2において、炊飯器本体1には
内ケース2が設けられており、その内ケース2の内部に
鍋3が着脱可能に配置されている。内ケース2の中央部
には鍋3と接触する温度センサ4が設けられていると共
に、この温度センサ4を囲繞するように第1の誘導加熱
コイル5及び第2の誘導加熱コイル6が配設されてい
る。炊飯器本体1内において内ケース2の下方には冷却
ファン7及びそのモータ8が配設されていると共に、外
周側には表示・入力キー基板9及び制御基板10が配設
されている。また、炊飯器本体1の上端部には蓋11が
枢支されており、その蓋11の下面に装着された内蓋1
2により鍋3の上部開口面が閉鎖されている。
した一実施例を図1乃至図3を参照して説明する。炊飯
器の全体縦断面を示す図2において、炊飯器本体1には
内ケース2が設けられており、その内ケース2の内部に
鍋3が着脱可能に配置されている。内ケース2の中央部
には鍋3と接触する温度センサ4が設けられていると共
に、この温度センサ4を囲繞するように第1の誘導加熱
コイル5及び第2の誘導加熱コイル6が配設されてい
る。炊飯器本体1内において内ケース2の下方には冷却
ファン7及びそのモータ8が配設されていると共に、外
周側には表示・入力キー基板9及び制御基板10が配設
されている。また、炊飯器本体1の上端部には蓋11が
枢支されており、その蓋11の下面に装着された内蓋1
2により鍋3の上部開口面が閉鎖されている。
【0015】図1は、上記鍋3を示している。この図1
において、鍋3は、この鍋3の主体を成す熱良導体たる
アルミニウム(アルミニウム合金)13の底面外面に誘
導発熱体たる磁性ステンレス板(或いは鉄板等)14を
一体化して形成されている。ここで、ステンレス板14
は溶融亜鉛メッキ或いは溶融アルミニウムメッキされて
おり、アルミニウム13と一体化された状態でアルミニ
ウム13と合金化して強固な結合状態となる。
において、鍋3は、この鍋3の主体を成す熱良導体たる
アルミニウム(アルミニウム合金)13の底面外面に誘
導発熱体たる磁性ステンレス板(或いは鉄板等)14を
一体化して形成されている。ここで、ステンレス板14
は溶融亜鉛メッキ或いは溶融アルミニウムメッキされて
おり、アルミニウム13と一体化された状態でアルミニ
ウム13と合金化して強固な結合状態となる。
【0016】さて、上記鍋3の周壁面部3aは、底面部
3bに近づくに従って内周面の抜き勾配が大きくなるよ
うに設けられている。つまり、鍋3の開口部の型抜き用
の勾配は0〜5°程度であるが、底面部3bに近づくに
従って徐々に大きくなっている。
3bに近づくに従って内周面の抜き勾配が大きくなるよ
うに設けられている。つまり、鍋3の開口部の型抜き用
の勾配は0〜5°程度であるが、底面部3bに近づくに
従って徐々に大きくなっている。
【0017】また、鍋3の底面部3bは、周壁面部3a
よりも厚肉に形成されている。これは、鍋3においては
誘導加熱コイル5,6による誘導加熱によりりステンレ
ス板14が発熱するので、鍋3の底面部3bの熱容量を
高めることによりステンレス板14の熱を鍋3全体に素
早く伝達させて加熱むらを防止するためである。
よりも厚肉に形成されている。これは、鍋3においては
誘導加熱コイル5,6による誘導加熱によりりステンレ
ス板14が発熱するので、鍋3の底面部3bの熱容量を
高めることによりステンレス板14の熱を鍋3全体に素
早く伝達させて加熱むらを防止するためである。
【0018】図3は、上記鍋3の製造方法を示してい
る。即ち、鍋3は高圧鋳造法の直接押込法(溶湯鍛造)
により成形されており、以下の手順で完成されている。
まず、受型15及び押型16にシリカ系の白色離型剤を
噴霧により塗布する。このシリカ系の白色離型剤は、黒
鉛を主成分とする離型剤に比較して、離型性能は劣るも
のの、周囲に飛散しても設備及び作業員が真黒に汚れる
ことはないので、作業環境の向上を図ることができる。
次に、受型15の内底面に溶融亜鉛メッキ或いは溶融ア
ルミニウムメッキされたステンレス板14を位置決めす
る。
る。即ち、鍋3は高圧鋳造法の直接押込法(溶湯鍛造)
により成形されており、以下の手順で完成されている。
まず、受型15及び押型16にシリカ系の白色離型剤を
噴霧により塗布する。このシリカ系の白色離型剤は、黒
鉛を主成分とする離型剤に比較して、離型性能は劣るも
のの、周囲に飛散しても設備及び作業員が真黒に汚れる
ことはないので、作業環境の向上を図ることができる。
次に、受型15の内底面に溶融亜鉛メッキ或いは溶融ア
ルミニウムメッキされたステンレス板14を位置決めす
る。
【0019】続いて、受型15で所定量の溶融アルミニ
ウムを受けた状態で押型16を所定位置まで降下させ
る。これにより、受型15で受けられている溶融アルミ
ニウムが高圧で加圧されるので、溶融アルミニウムは受
型15と押型16とにより形成された空間部に拡散する
ことによりステンレス板13と一体化された鍋3が成形
される。このとき、押型16を所定位置まで降下した後
は、溶融アルミニウムが凝固して一定の温度まで低下す
るまで高圧の加圧状態を維持する。これにより、緻密で
強度が高いと共に寸法精度が高く、さらに収縮巣がほと
んど発生しない鍋3を得ることができる。
ウムを受けた状態で押型16を所定位置まで降下させ
る。これにより、受型15で受けられている溶融アルミ
ニウムが高圧で加圧されるので、溶融アルミニウムは受
型15と押型16とにより形成された空間部に拡散する
ことによりステンレス板13と一体化された鍋3が成形
される。このとき、押型16を所定位置まで降下した後
は、溶融アルミニウムが凝固して一定の温度まで低下す
るまで高圧の加圧状態を維持する。これにより、緻密で
強度が高いと共に寸法精度が高く、さらに収縮巣がほと
んど発生しない鍋3を得ることができる。
【0020】そして、斯様にして鍋3の成形が終了した
ときは、押型16を上方に移動することにより鍋3を取
出す。続いて、鍋3の外面に例えばフッ素樹脂により耐
熱塗装を施すことにより完成することができる。
ときは、押型16を上方に移動することにより鍋3を取
出す。続いて、鍋3の外面に例えばフッ素樹脂により耐
熱塗装を施すことにより完成することができる。
【0021】ところで、上述した高圧鋳造法では、溶融
アルミニウムが熱収縮を伴って凝固する際にも押型16
により高圧で加圧することから、成形された鍋3が押型
16に大きな力で食いついてしまう。このため、押型1
6からの鍋3の離型が困難となり、特に型抜き用の勾配
が一定の深鍋、或いは本実施例のように底面部3bが肉
厚の場合には、その傾向が顕著となる。
アルミニウムが熱収縮を伴って凝固する際にも押型16
により高圧で加圧することから、成形された鍋3が押型
16に大きな力で食いついてしまう。このため、押型1
6からの鍋3の離型が困難となり、特に型抜き用の勾配
が一定の深鍋、或いは本実施例のように底面部3bが肉
厚の場合には、その傾向が顕著となる。
【0022】しかしながら、本実施例の鍋3では、底面
部3bから立上がる周壁面部3aの内周面は底面部3b
に近づくに従って型抜き用の勾配が大きくなるように設
けられているので、鍋3の底面部3bが熱収縮を伴って
凝固するときは押型16に対してずれようとする力が作
用する。従って、高圧鋳造法により深鍋、或いは底面部
が肉厚な鍋を成形した場合であっても、型抜き用の勾配
が一定の鍋を成形する場合と違って、鍋の離型作業を容
易に行うことができる。
部3bから立上がる周壁面部3aの内周面は底面部3b
に近づくに従って型抜き用の勾配が大きくなるように設
けられているので、鍋3の底面部3bが熱収縮を伴って
凝固するときは押型16に対してずれようとする力が作
用する。従って、高圧鋳造法により深鍋、或いは底面部
が肉厚な鍋を成形した場合であっても、型抜き用の勾配
が一定の鍋を成形する場合と違って、鍋の離型作業を容
易に行うことができる。
【0023】また、上述のように鍋3の離型を容易に行
うために鍋3の周壁面部3aの内周面における型抜き用
の勾配を大きくするといっても、型抜き用の勾配は底面
部3bに近づくに従って大きくなるように設けられてい
るので、鍋3の内容積が型抜き勾配が一定の鍋の内容積
よりも大きく低下してしまうことはない。
うために鍋3の周壁面部3aの内周面における型抜き用
の勾配を大きくするといっても、型抜き用の勾配は底面
部3bに近づくに従って大きくなるように設けられてい
るので、鍋3の内容積が型抜き勾配が一定の鍋の内容積
よりも大きく低下してしまうことはない。
【0024】また、高圧鋳造法により成形した鍋3は、
収縮巣の発生がなく表面が極めて円滑であるので、加熱
調理時に鍋3の表面に塗布されている耐熱塗装が加熱さ
れるにしても、収縮巣の空気の膨脹に伴って、耐熱塗装
が浮いてしまったり剥離してしまうことを防止すること
ができる。
収縮巣の発生がなく表面が極めて円滑であるので、加熱
調理時に鍋3の表面に塗布されている耐熱塗装が加熱さ
れるにしても、収縮巣の空気の膨脹に伴って、耐熱塗装
が浮いてしまったり剥離してしまうことを防止すること
ができる。
【0025】本発明は上記実施例にのみ限定されるもの
ではなく、次のように変形または拡張できる。図4に示
すように鍋3の周壁面部3aの内周面に段部3cを設け
るようにしてもよい。鍋3としては、誘導加熱調理用で
はなく、鉄鍋或いはアルミニウム鍋或いはステンレス鍋
に適用するようにしてもよい。高圧鋳造法としては、間
接押込法、さらにはスクイズ併用ダイカスト法を用いる
ようにしてもよい。成形機は、立形或いは横形の何れを
用いてもよい。
ではなく、次のように変形または拡張できる。図4に示
すように鍋3の周壁面部3aの内周面に段部3cを設け
るようにしてもよい。鍋3としては、誘導加熱調理用で
はなく、鉄鍋或いはアルミニウム鍋或いはステンレス鍋
に適用するようにしてもよい。高圧鋳造法としては、間
接押込法、さらにはスクイズ併用ダイカスト法を用いる
ようにしてもよい。成形機は、立形或いは横形の何れを
用いてもよい。
【0026】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、以下の効果を奏する。請求項1記載の調理用
鍋によれば、鍋の周壁面部の内周面を底面部に近づくに
従って型抜き用の勾配が大きくなるように設けたので、
鍋を容易に離型することができると共に、鍋の内容積を
確保することができる。請求項2記載の調理用鍋によれ
ば、底面部を周壁面部よりも厚肉に設けたので、鍋の熱
容量を高めて加熱調理を効率良く行うことができる。請
求項3記載の調理用鍋の製造方法によれば、高圧鋳造時
の離型剤としてシリカ系の白色離型剤を用いたので、黒
鉛を主成分とする離型剤よりも作業環境を向上すること
ができる。
によれば、以下の効果を奏する。請求項1記載の調理用
鍋によれば、鍋の周壁面部の内周面を底面部に近づくに
従って型抜き用の勾配が大きくなるように設けたので、
鍋を容易に離型することができると共に、鍋の内容積を
確保することができる。請求項2記載の調理用鍋によれ
ば、底面部を周壁面部よりも厚肉に設けたので、鍋の熱
容量を高めて加熱調理を効率良く行うことができる。請
求項3記載の調理用鍋の製造方法によれば、高圧鋳造時
の離型剤としてシリカ系の白色離型剤を用いたので、黒
鉛を主成分とする離型剤よりも作業環境を向上すること
ができる。
【図1】本発明の一実施例における鍋の縦断面図
【図2】調理器全体の縦断面図
【図3】高圧鋳造時を示す金型の縦断面図
【図4】本発明のその他の実施例を示す図1相当図
3は鍋、3aは周壁面部、3bは底面部、15は受型、
16は押型である。
16は押型である。
Claims (3)
- 【請求項1】 高圧鋳造法により底面部及びこの底面部
の周縁から立上る周壁面部を有するように成形され、前
記周壁面部の内周面は前記底面部に近づくに従って型抜
き用の勾配が大きくなるように設けられていることを特
徴とする調理用鍋。 - 【請求項2】 底面部は周壁面部よりも厚肉に設けられ
ていることを特徴とする請求項1記載の調理用鍋。 - 【請求項3】 高圧鋳造時の離型剤としてシリカ系の白
色離型剤を用いたことを特徴とする請求項1または2記
載の調理用鍋の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16796994A JP2916375B2 (ja) | 1994-07-20 | 1994-07-20 | 調理用鍋及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16796994A JP2916375B2 (ja) | 1994-07-20 | 1994-07-20 | 調理用鍋及びその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0824117A true JPH0824117A (ja) | 1996-01-30 |
JP2916375B2 JP2916375B2 (ja) | 1999-07-05 |
Family
ID=15859396
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP16796994A Expired - Fee Related JP2916375B2 (ja) | 1994-07-20 | 1994-07-20 | 調理用鍋及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2916375B2 (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102091770A (zh) * | 2011-01-18 | 2011-06-15 | 河南华邦电器炊具有限公司 | 锅身与锅柄一体一次压铸成型的铁质铸锅模具 |
JP2013247972A (ja) * | 2012-05-30 | 2013-12-12 | Toshiba Home Technology Corp | 調理用容器および炊飯器 |
CN105458232A (zh) * | 2015-12-25 | 2016-04-06 | 重庆唐森机械制造有限公司 | 一种节能锅制造用脱模装置 |
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