JPH08240932A - 静電荷像現像用トナー - Google Patents

静電荷像現像用トナー

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JPH08240932A
JPH08240932A JP7068884A JP6888495A JPH08240932A JP H08240932 A JPH08240932 A JP H08240932A JP 7068884 A JP7068884 A JP 7068884A JP 6888495 A JP6888495 A JP 6888495A JP H08240932 A JPH08240932 A JP H08240932A
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polymer component
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貴重 粕谷
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寛 遊佐
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尚邦 小堀
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 鮮鋭な画像が得られ、低温定着性と耐オフセ
ット性を向上し、尚且つ、長期の耐久においてもカブリ
がなく安定した帯電性能を有する静電荷像現像用トナー
を提供するものである。 【構成】 少なくとも重合体成分及び着色剤を有してい
る組成物で形成されている静電荷像現像用トナーにおい
て、該組成物の重合体成分の分子量に対する酸価Av
(a),Av(b),Av(c)及びAv(d)が下記
条件 Av(a)>Av(b)>Av(c)>Av(d) [式中、Av(a)は分子量1.5×103未満の領域
の成分の酸価を示し、Av(b)は分子量1.5×10
3〜5.0×104未満の領域の成分の酸価を示し、Av
(c)は分子量5.0×104〜5.0×105未満の領
域の成分の酸価を示し、Av(d)は分子量5.0×1
5以上の領域の成分の酸価を示す。]を満足している
ことを特徴とする静電荷像現像用トナーに関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真,静電印刷,
磁気記録の如き画像形成方法において、静電荷潜像を顕
像化する為のトナーに関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真法としては米国特許第2,29
7,691号明細書、特公昭42−23910号公報お
よび特公昭43−24748号公報等に記載されている
ように多数の方法が知られているが、一般には光導電性
物質を利用し、種々の手段により感光体上に電気的潜像
を形成し、次いで該潜像をトナーを用いて現像し、必要
に応じて紙等の転写材にトナー画像を転写した後、加
熱、圧力、加熱加圧あるいは溶剤蒸気等により定着し複
写物を得るものであり、さらに感光体上に転写されず残
ったトナーは種々の方法でクリーニングされ、上述の工
程が繰り返される。
【0003】近年、このような複写装置は、より小型
化、より軽量化そしてより高速化、より高信頼性が厳し
く追求されてきており、その結果トナーに要求される性
能もより高度になってきている。例えばトナー像を紙等
のシート上に定着する工程に関して種々の方法や装置が
開発されているが、現在最も一般的な方法は熱ローラー
による加熱圧着方式である。熱ローラーによる加熱圧着
方式はトナーに対し離型性を有する材料で表面を形成し
た熱ローラーの表面に被定着シートのトナー像面を加圧
下で接触しながら通過せしめることにより定着を行うも
のである。この方法は熱ローラーの表面と被定着シート
のトナー像とが加圧下で接触するため、トナー像を被定
着シート上に定着する際の熱効率が極めて良好であり迅
速に定着を行うことができ、高速電子写真複写機におい
て非常に有効である。
【0004】しかしながら、上述の従来多用されてきた
熱ローラー定着では、 (1)熱ローラーが所定温度に達するまでの画像形成作
動禁止の時間、所謂ウエイト時間がある。
【0005】(2)記録材の通過あるいは他の外的要因
で加熱ローラーの温度が変動することによる定着不良お
よび加熱ローラーへのトナーの転移所謂オフセット現象
を防止するために加熱ローラーを最適な温度に維持する
必要があり、このためには加熱ローラーあるいは加熱体
の熱容量を大きくしなければならず、これには大きな電
力を要すると共に、画像形成装置内の機内昇温の原因と
もなる。
【0006】(3)ローラーが低温度であるため、記録
材が加熱ローラーを通過排出される際は、記録材および
記録材上のトナーが緩慢に冷却されるため、トナーの粘
着性が高い状態となり、ローラーの曲率とも相まってオ
フセットあるいは記録材を巻き込むことによる紙づまり
を生ずることがある。等の問題が根本的に解決していな
い。
【0007】しかしながら、優れたトナー顕画像の記録
材への定着性、オフセットの防止等を達成しつつ、ウエ
イト時間が短く低消費電力である定着方法を実現するた
めには、上述の如き定着装置に加えて、トナーの特性に
負うところが非常に大きい。
【0008】従来、定着ローラー表面にトナーを付着さ
せない目的で、トナーとして離型性を増すために加熱時
に充分溶融するような低分子量ポリエチレン、ポリプロ
ピレン等のワックスを添加する方法も行われているが、
オフセット防止には有効である反面、トナーの凝集性が
増し、帯電特性が不安定となり、耐久性の低下を招き易
い。そこで他の方法としてバインダー樹脂に改良を加え
る工夫がいろいろと試みられている。
【0009】例えば、トナー中のバインダー樹脂のガラ
ス転移温度(Tg)や分子量を高めトナーの溶融粘弾性
を向上させる方法も知られている。しかしながら、この
ような方法は、オフセット現象を改善した場合、定着性
が不十分となり、高速現像化や省エネルギー化において
要求される低温度下での定着性、即ち低温定着性が劣る
という問題が生じる。
【0010】一般に、トナーの低温定着性を改良するに
は、溶融時におけるトナーの粘度を低下させ定着基材と
の接着面積を大きくする必要があり、このために使用す
るバインダー樹脂のTgや分子量を低くすることが要求
される。
【0011】即ち、低温定着性とオフセット防止性とは
相反する一面を有することから、これらの機能を同時に
満足するトナーの開発は非常に困難なことである。
【0012】この問題を解消するために、例えば、特公
昭51−23354号公報には、架橋剤と分子量調整剤
を加え、適度に架橋されたビニル系重合体からなるトナ
ーが、特公昭55−6805号公報には、α,β不飽和
エチレン系単量体を構成単位とした重量平均分子量と数
平均分子量との比が3.5〜4.0となるように分子量
分布を広くしたトナーが、さらにはビニル系重合体にお
いて、Tg、分子量、ゲルコンテントなどを組み合わせ
たブレンド系のトナー等が提案されている。
【0013】確かに、これらの提案によるトナーは、分
子量分布の狭い単一の樹脂からなるトナーに比べて、定
着下限温度(定着可能な最も低い温度)とオフセット温
度(オフセットが発生しはじめる温度)の間の定着可能
温度範囲は広がるものの、十分なオフセット防止性能を
付与した場合には、その定着温度を十分低くすることが
できず、反対に低温定着性を重視するとオフセット防止
性能が不十分となるという問題が存在した。
【0014】またこれらビニル系の樹脂に代え、低温定
着性という点で本質的にビニル系樹脂よりも優れている
とされているポリエステル樹脂に架橋を施し、更にオフ
セット防止剤を加えたトナーも特開昭57−20855
9号公報で提案されている。このものは低温定着性及び
オフセット防止性ともに優れたものであるがトナーとし
ての生産性(粉砕性)という点で問題がある。
【0015】更に特開昭56−116043号公報では
反応性ポリエステル樹脂の存在下でビニル系単量体を重
合し、重合の過程で架橋反応、付加反応、グラフト化反
応を介して高分子化させた樹脂を用いたトナーが提案さ
れており、粉砕性の点では改善されているが、低温定着
性、オフセット防止性の点で互いの樹脂の機能を充分に
生かすことができない。
【0016】また単純にポリエステル樹脂とゲルコンテ
ントが異なる2種類(ゲル化度80%以上とゲル化度1
0%未満)のビニル系樹脂をブレンドした樹脂を用いた
トナーが特公平1−15063号公報で提案されてお
り、このものは低温定着性については良いが、オフセッ
ト防止性、粉砕性の点でまだ充分ではない。耐オフセッ
ト性を改善する目的でゲル化度80%以上のビニル系樹
脂の割合を多くしても、オフセット防止性は良くなる
が、逆に低温定着性が著しく低下する。またゲル化度1
0%未満のビニル系樹脂を含有させただけでは充分な粉
砕性は満足できない。
【0017】一方、上記に示したようなトナーに要求さ
れる物性的な特性に対して、バインダー樹脂においてカ
ルボン酸を有する重合体と金属化合物とを反応させて架
橋を施す(特開昭57−178249号、同57−17
8250号各公報)、或いはビニル系樹脂単量体と更に
特異なモノエステル化合物とを必須構成単位とするバイ
ンダーと多価金属化合物とを反応させ、金属を介して架
橋する(特開昭61−110155号、同61−110
156号公報)ということが紹介されている。さらに、
特開昭63−214760号、同63−217362
号、同63−217363号、同63−217364号
公報では、低分子量と高分子量の2群に分かれる分子量
分布を有し、低分子量側に含有せしめられたカルボン酸
基と多価金属イオンを反応させ架橋せしめる(溶液重合
して得られた溶液に金属化合物の分散液を加え、加温し
て反応せしめる)ということが開示されているが、いず
れの方法でもバインダーと金属化合物との反応或いはバ
インダー中への該金属化合物の分散が十分ではなく、ト
ナーに要求されている物性、特に定着性や耐オフセット
性を満足するには至っていない。そのうえ、該金属化合
物を多量にバインダー樹脂と配合させる必要があるた
め、配合した金属化合物が条件によってはバインダー樹
脂に対して触媒作用を示し、バインダー樹脂がゲル化し
易くなり、その結果金属化合物を配合して所望のトナー
を得るための製造条件を決定することが困難であり、例
え製造条件を決定できたとしても、再現性が得られ難い
等の問題点を有する。
【0018】また、これらの提案における酸量の調整で
は、トナーの帯電特性(立ち上がり),環境特性(高湿
下放置特性),画像特性(カブリ,濃度特性)が未だ不
充分である。
【0019】更に、特開平2−168264号公報,同
2−235069号公報,同5−173363号公報,
同5−173366号公報,同5−241371号公報
では、結着樹脂中の低分子量成分と高分子量成分の分子
量,混合比,酸価およびその比率をコントロールし、定
着性,非オフセット性,画像特性および耐ブロッキング
性,帯電の立ち上がり特性等を改良したトナー用バイン
ダー組成物及びトナーが提案されているが、未だ完成度
として低いものである。
【0020】特に上記した公報の酸価の調整では、磁性
酸化鉄等の着色剤,電荷制御剤(帯電制御剤),その他
の添加剤の分散性不良が生じ、キャリアやスリーブ等の
現像剤担持体表面への汚染によるカブリ,濃度低下等の
画像劣化を生じる。
【0021】また、更なる低温定着化においても不十分
である。
【0022】また、特開昭62−9256号公報では、
分子量と樹脂酸価が異なる2種類のビニル系樹脂をブレ
ンドしたトナー用バインダー組成物について開示されて
いる。しかし、この様なバインダー樹脂を用いた場合、
トナー構成成分の相溶性、分散性を改善する為に混練条
件を強化しなければならず、該バインダーの樹脂は、分
子の切断等の影響を受け、特に耐オフセット性等の所望
の性能を発揮することが困難となる。また、分子切断が
発生しない程度の混練を行うならば、すぐさま他の添加
剤の分散不良を生じ、キャリアやスリーブ等の現像剤担
持体表面への汚染を促進させ、現像性に関してカブリや
飛び散り等の重大な問題を生じてしまう。特に重量平均
分子量が100万以上の重合体を用いた場合、これらの
現象が顕在化してくる。
【0023】ところで、特開平3−72505号公報で
は、多官能開始剤を用いた分子量30万以上のビニル系
トナーバインダーについて開示されているが、この様な
樹脂を用いた場合、定着性はある程度満足できるもの
の、前述の問題に加え、現像剤の高温放置下での性能の
低下が発生してしまう。この現象の原因は、明確ではな
いが、我々の検討したところでは、トナー化に際し、バ
インダー樹脂の分子切断のみが促進された為、トナー組
成物中に充分な分子量をもった樹脂成分の割合が低くな
り、熱衝撃に弱くなったのだと推察している。
【0024】更に、上記に挙げたようなトナーに対して
要求される種々の性能は互いに相反的であることが多
く、しかもそれらを共に高性能に満足することが近年ま
すます望まれ、更に現像特性をも包括した総括的対応に
ついての研究が行われてきてはいるが、未だ十分なもの
はない。
【0025】また、近年求められている装置の高速化で
は、更なる低温定着性を有し且つ高速現像に耐えられる
トナーの強靱性、長期の耐久に耐えられる帯電安定性が
トナーに求められている。
【0026】しかしながら、ここに挙げた低温定着性に
トナーの強靱性の相方を両立するのは難しく、前述した
従来技術において未だ満足いく構成のものはないのが現
状である。
【0027】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、かか
る従来技術の欠点を大幅に改良し、低温定着性と耐オフ
セット性を向上し、尚且つ長期の耐久においても帯電特
性が安定し、高品質な画像を実現し高耐久性を有した静
電荷像現像用トナーを提供することにある。
【0028】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明は、少な
くとも重合体成分及び着色剤を有している組成物で形成
されている静電荷像現像用トナーにおいて、該組成物の
重合体成分の分子量に対する酸価Av(a),Av
(b),Av(c)及びAv(d)が下記条件 Av(a)>Av(b)>Av(c)>Av(d) [式中、Av(a)は分子量1.5×103未満の領域
の成分の酸価を示し、Av(b)は分子量1.5×10
3〜5.0×104未満の領域の成分の酸価を示し、Av
(c)は分子量5.0×104〜5.0×105未満の領
域の成分の酸価を示し、Av(d)は分子量5.0×1
5以上の領域の成分の酸価を示す。]を満足している
ことを特徴とする静電荷像現像用トナーに関する。
【0029】更に本発明は、該トナー組成物の重合体成
分が (i)実質的にTHF不溶分を含まず、(ii)重合体
成分のTHF可溶分は、GPCクロマトグラムにおい
て、少なくとも分子量3.0×103〜3.0×104
領域にピークを有し、且つ分子量1.0×105〜3.
0×106の領域にピーク又はショルダーを有すること
を特徴とする静電荷像現像用トナーに関する。
【0030】更に本発明は、該トナー組成物の重合体成
分全体の酸価が、11mgKOH/g以上30mgKO
H/g以下であることを特徴とする静電荷像現像用トナ
ーに関する。
【0031】更に本発明は、該トナー組成物の重合体成
分のTHF可溶分のGPCクロマトグラムにおいて、分
子量3.0×104以上1.0×105未満の領域に極小
値を有することを特徴とする静電荷像現像用トナーに関
する。
【0032】更に本発明は、該トナー組成物の重合体成
分の各分子量領域における酸価が、下記の条件 35≧Av(a)≧21 30≧Av(b)≧15 15>Av(c)≧5.0 11≧Av(d)≧0.5 を満足することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか
に記載の静電荷像現像用トナーに関する。
【0033】本発明者は、鋭意検討の結果、トナー組成
物の重合体成分の分子量に対する酸価Av(a),Av
(b),Av(c)及びAv(d)が下記条件 Av(a)>Av(b)>Av(c)>Av(d) [式中、Av(a)は分子量1.5×103未満の領域
の成分の酸価を示し、Av(b)は分子量1.5×10
3〜5.0×104未満の領域の成分の酸価を示し、Av
(c)は分子量5.0×104〜5.0×105未満の領
域の成分の酸価を示し、Av(d)は分子量5.0×1
5以上の領域の成分の酸価を示す。]を満足すると
き、トナー帯電特性に優れ、最も高耐久性に優れた性能
を有することが明らかになった。
【0034】効果の要因は明らかではないが、低分子量
重合体成分から高分子量重合体成分と徐々に酸価を下げ
ることは低分子量成分と高分子量成分の分子鎖の絡み合
いの度合を制御(抑制)し、更にはトナー樹脂成分中へ
の他の添加物の混合性を良化し、重合体成分としての帯
電特性,耐久特性が向上するものと思われる。
【0035】本発明の重合体成分における酸価は、11
mgKOH/g以上30mgKOH/g以下が好まし
い。11未満の場合は帯電の立上がり特性が悪化し、一
方30を超えると高湿下の現像性が低下する。
【0036】更には、重合体成分の各分子量域における
酸価が 35≧Av(a)≧21 , 30≧Av(b)≧1
5であり、かつ15>Av(c)≧5 , 11≧
Av(d)≧0.5であることが好ましい。
【0037】低分子量成分の酸価が各々Av(a)が3
5,Av(b)が30を超えると、環境特性、特に高湿
下の現像性が損なわれる。また、Av(a)が21,A
v(b)が15未満の場合では、トナーの帯電における
立上がり特性が不充分となる。
【0038】一方、高分子量成分の酸価が各々Av
(c)が15以上,Av(d)が11を超えると、低分
子量成分との混和性が生じ、耐久性が損なわれる。ま
た、Av(c)が5,Av(d)が0.5未満の場合で
は、低分子量成分との混和性が不十分となり、現像性、
特にカブリが悪化する。
【0039】本発明のトナー組成物は、実質的にTHF
不溶分を含まない。具体的には、樹脂組成物基準で5重
量%以下、好ましくは3重量%以下である。
【0040】本発明でのTHF不溶分とは、トナー中の
樹脂組成物中のTHF溶媒に対して不溶性となったポリ
マー成分(実質的に架橋ポリマー)の重量割合を示し、
架橋成分を含む樹脂組成物の架橋の程度を示すパラメー
ターとして使うことができる。THF不溶分とは、以下
のように測定された値をもって定義する。
【0041】即ち、トナーサンプル0.5〜1.0gを
秤量し(w1g)、円筒濾紙(例えば東洋濾紙製No.
86R)に入れてソックスレー抽出器にかけ、溶媒とし
てTHF100〜200mlを用いて6時間抽出し、溶
媒によって抽出された可溶成分をエバポレートした後、
100℃で数時間真空乾燥し、THF可溶樹脂成分量を
秤量する(w2g)。トナー中の磁性体あるいは顔料の
如き樹脂成分以外の成分の重量を(w3g)とする。T
HF不溶分は、下記式から求められる。
【0042】THF不溶分(%)=〔{w1−(w3+w
2)}/(w1−w3)〕×100
【0043】THF不溶分を5重量%を超えて含有する
と、定着性を悪化させるだけでなく、本発明の実施例で
用いられる加熱定着装置とのマッチングに問題を生じ
る。
【0044】本発明のトナー組成物中の重合体成分のT
HF可溶分により測定されるGPCのクロマトグラムが
少なくとも分子量3×103〜3×104(より好ましく
は、5×103〜2×104)の領域にメインピークを有
し、且つ、分子量1×105〜3×106(より好ましく
は、5×105〜1×106)の領域にサブピークもしく
はショルダーを有する。
【0045】また、上記GPCのクロマトグラムにおい
て分子量100万以上を示す重合体成分の面積比が3〜
10%を示すことが好ましい。分子量が100万以上で
THFに可溶な成分が3〜10%存在することで、低温
定着を阻害することなく耐オフセット性を向上させると
同時に、現像剤の高温放置下での保存安定性をも高める
ことが出来る。
【0046】本発明において、トナー組成物の重合体成
分の分子量分布は、GPC(ゲルパーミェーションクロ
マトグラフィ)によって次の条件で測定される。
【0047】〈トナー組成物及び樹脂のGPC測定条
件〉 装置 :GPC−150C(ウォーターズ社製) カラム:KF801〜7(ショウデックス社製)の7連 温度 :40℃ 溶媒 :THF(テトラヒドロフラン) 流速 :1.0ml/min. 試料 :濃度0.05〜0.6重量%の試料を0.1m
l注入
【0048】また、本発明のトナー組成物の重合体成分
のTHF可溶分のGPCクロマトグラムにおいて分子量
3.0×104以上1.0×105未満の領域に極小値を
有することが好ましい。低温定着性と耐高温オフセット
性を両立するために、低分子量重合体成分及び高分子量
重合体成分がそれぞれ独立した分子量分布を形成してい
ることが好ましい。
【0049】本発明においてトナー重合体成分の低分子
重合体成分及び高分子重合体成分の酸価(JIS酸価)
は以下の方法により求める。
【0050】〈各成分の分取〉 [装置構成] LC−908(日本分析工業株式会社製) JRS−86(同社;リピートインジェクタ) JAR−2(同社;オートサンプラー) FC−201(ギルソン社;フラクッションコレクタ)
【0051】[カラム構成]JAIGEL−1H〜5H
(20φ×600mm:分取カラム)
【0052】[測定条件] 温度:40℃ 溶媒:THF 流量:5ml/min. 検出器:RI
【0053】試料は、予め重合体成分以外の添加剤を分
離しておく。分取方法としては、分子量が5×104
なる溶出時間を予め測定し、その前後で低分子重合体成
分及び高分子重合体成分を分取する。分取したサンプル
から溶剤を除去し酸価測定用試料とする。
【0054】〈酸価(JIS酸価)の測定〉 1)試料の粉砕品0.1〜0.2gを精秤し、その重さ
をW(g)とする。
【0055】2)20cc三角フラスコに試料を入れ、
トルエン/エタノール(2:1)の混合溶液10ccを
加え溶解する。
【0056】3)指示薬としてフェノールフタレインの
アルコール溶液数滴を加える。
【0057】4)0.1規定のKOHのアルコール溶液
を用いてフラスコ内の溶液をビュレットを用いて滴定す
る。この時のKOH溶液の量をS(ml)とする。同時
にブランクテストをし、この時のKOH溶液の量をB
(ml)とする。
【0058】5)次式により酸価を計算する。
【0059】
【数1】
【0060】本発明の重合体成分の酸価を調整するモノ
マーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、α
−エチルアクリル酸、クロトン酸などのアクリル酸及び
そのα−或いはβ−アルキル誘導体、フマル酸、マレイ
ン酸、シトラコン酸などの不飽和ジカルボン酸及びその
モノエステル誘導体又は無水マレイン酸などがあり、こ
のようなモノマーを単独、或いは混合して、他のモノマ
ーと共重合させることにより所望の重合体を作ることが
できる。
【0061】より具体的には、例えば、マレイン酸モノ
メチル、マレイン酸モノエチル、マレイン酸モノブチ
ル、マレイン酸モノオクチル、マレイン酸モノアリル、
マレイン酸モノフェニル、フマル酸モノメチル、フマル
酸モノエチル、フマル酸モノブチル、フマル酸モノフェ
ニルなどのようなα,β−不飽和ジカルボン酸のモノエ
ステル類;n−ブテニルコハク酸モノブチル、n−オク
テニルコハク酸モノメチル、n−ブテニルマロン酸モノ
エチル、n−ドデセニルグルタル酸モノメチル、n−ブ
テニルアジピン酸モノブチルなどのようなアルケニルジ
カルボン酸のモノエステル類;フタル酸モノメチルエス
テル、フタル酸モノエチルエステル、フタル酸モノブチ
ルエステルなどのような芳香族ジカルボン酸のモノエス
テル類;などが挙げられる。
【0062】以上のようなカルボキシル基含有モノマー
は、結着樹脂の高分子側を構成している全モノマーに対
し1〜20重量%、好ましくは3〜15重量%添加すれ
ばよい。
【0063】上記のようなジカルボン酸のモノエステル
モノマーが選択される理由としては、該懸濁重合では水
系の懸濁液に対して、溶解度の高い酸モノマーの形で使
用するのは適切でなく、溶解度の低いエステルの形で用
いるのが好ましいからである。
【0064】このアルカリ処理は、バインダー樹脂製造
後、重合時に使用した溶媒中に水溶液として投入し、撹
拌しながら行なえばよい。本発明に用いることのできる
アルカリとしては、Na,K,Ca,Li,Mg,Ba
などのアルカリ金属及びアルカリ土類金属の水酸化物;
Zn,Ag,Pb,Niなどの遷移金属の水酸化物;ア
ンモニウム塩、アルキルアンモニウム塩、ピリジウム塩
などの4級アンモニウム塩の水酸化物などがあり、特に
好ましい例として、NaOHやKOHが挙げられる。
【0065】本発明において上記ケン化反応は、共重合
体中のカルボン酸基及びカルボン酸エステル部位の全て
に渡って行われる必要はなく、部分的にケン化反応が進
行し、極性官能基に変わっていればよい。
【0066】また、ケン化反応に用いるアルカリの量
は、バインダー樹脂中の極性基の種類、分散方法、構成
モノマーの種類などにより一概に決定し難いのである
が、バインダー樹脂の酸価の0.02〜5倍当量であれ
ばよい。0.02倍当量より少ない場合はケン化反応が
十分でなく、反応によって生じる極性官能基の数が少な
くなり、結果として後の架橋反応が不十分となる。逆に
5倍当量を超える場合は、カルボン酸エステル部位など
の官能基に対し、エステルの加水分解、ケン化反応によ
る塩の生成などによって官能基に悪影響を及ぼす。
【0067】尚、酸価の0.02〜5倍当量のアルカリ
処理を施した時は、処理後の残存カチオン濃度が5〜1
000ppmの間に含まれ、アルカリの量を規定するの
に好ましく用いることができる。
【0068】本発明に係る樹脂組成物は、保存性の観点
から、ガラス転移温度(Tg)が50〜70℃、好まし
くは55〜65℃であり、Tgが50℃より低いと高温
雰囲気下でのトナーの劣化や定着時でのオフセットの原
因となる。また、Tgが70℃を超えると、定着性が低
下する傾向にある。
【0069】本発明に係る樹脂組成物の低分子量重合体
成分のTgLと高分子量重合体成分のTgHの関係は、 TgL≧TgH−5(℃) の範囲にあることが好ましく、TgLがTgH−5未満で
ある場合、現像性が低下する傾向がある。より好ましく
はTgL≧TgHがよい。
【0070】本発明に係る結着樹脂組成物を製造する方
法として、溶液重合法により高分子量重合体と低分子量
重合体を別々に合成した後にこれらを溶液状態で混合
し、次いで脱溶剤する溶液ブレンド法、また、押出機等
により溶融混練するドライブレンド法、さらに溶液重合
法等により得られた低分子量重合体を溶解した高分子量
重合体を構成するモノマーに溶解し、懸濁重合を行い、
水洗・乾燥し、樹脂組成物を得る2段階重合法等が挙げ
られる。しかし、ドライブレンド法では、均一な分散、
相溶の点で問題があり、また、2段階重合法だと均一な
分散性等に利点が多いものの、低分子量重合体成分を高
分子量重合体成分以上に増量することが困難であり、低
分子量重合体成分の存在下では、分子量の大きい高分子
量重合体成分の合成が困難であるだけでなく、不必要な
低分子量重合体成分が副生成する等の欠点が有ることか
ら、本発明に適用するには、該溶液ブレンド法が最も好
適である。また、低分子量重合体成分に所定の酸価を導
入する方法としては、水系の重合法に比べ酸価の設定が
容易である溶液重合が好ましい。
【0071】本発明に係る樹脂組成物の高分子量成分の
合成方法として本発明に用いることの出来る重合法とし
て、溶液重合法、乳化重合法や懸濁重合法が挙げられ
る。
【0072】このうち、乳化重合法は、水にほとんど不
溶の単量体(モノマー)を乳化剤で小さい粒子として水
相中に分散させ、水溶性の重合開始剤を用いて重合を行
う方法である。この方法では反応熱の調節が容易であ
り、重合の行われる相(重合体と単量体からなる油相)
と水相とが別であるから停止反応速度が小さく、その結
果重合速度が大きく、高重合度のものが得られる。更
に、重合プロセスが比較的簡単であること、及び重合生
成物が微細粒子であるために、トナーの製造において、
着色剤及び荷電制御剤その他の添加物との混合が容易で
あること等の理由から、トナー用バインダー樹脂の製造
方法として有利な点がある。
【0073】しかし、添加した乳化剤のため生成重合体
が不純になり易く、重合体を取り出すには塩析などの操
作が必要で、この不便を避けるためには懸濁重合が好都
合である。
【0074】懸濁重合においては、水系溶媒100重量
部に対して、モノマー100重量部以下(好ましくは1
0〜90重量部)で行うのが良い。使用可能な分散剤と
しては、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール
部分ケン化物、リン酸カルシウム等が用いられ、一般に
水系溶媒100重量部に対して0.05〜1重量部で用
いられる。重合温度は50〜95℃が適当であるが、使
用する開始剤、目的とするポリマーによって適宜選択さ
れる。
【0075】本発明に用いられる樹脂組成物の高分子量
成分は、本発明の目的を達成する為に以下に例示する様
な多官能性重合開始剤単独あるいは単官能性重合開始剤
を併用して生成することが好ましい。
【0076】多官能構造を有する多官能性重合開始剤の
具体例としては、1,1−ジ−t−ブチルパーオキシ−
3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,3−ビス
−(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、
2,5−ジメチル−2,5−(t−ブチルパーオキシ)
ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(t−ブチ
ルパーオキシ)ヘキシン−3、トリス−(t−ブチルパ
ーオキシ)トリアジン、1,1−ジ−t−ブチルパーオ
キシシクロヘキサン、2,2−ジ−t−ブチルパーオキ
シブタン、4,4−ジ−t−ブチルパーオキシバレリッ
クアシッド−n−ブチルエステル、ジ−t−ブチルパー
オキシヘキサハイドロテレフタレート、ジ−t−ブチル
パーオキシアゼレート、ジ−t−ブチルパーオキシトリ
メチルアジペート、2,2−ビス−(4,4−ジ−t−
ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、2,2−
t−ブチルパーオキシオクタン及び各種ポリマーオキサ
イド等の1分子内に2つ以上のパーオキサイド基などの
重合開始機能を有する官能基を有する多官能性重合開始
剤、及びジアリルパーオキシジカーボネート、t−ブチ
ルパーオキシマレイン酸、t−ブチルパーオキシアリル
カーボネート及びt−ブチルパーオキシイソプロピルフ
マレート等の1分子内に、パーオキサイド基などの重合
開始機能を有する官能基と重合性不飽和基の両方を有す
る多官能性重合開始剤から選択される。
【0077】これらの内、より好ましいものは、1,1
−ジ−t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチル
シクロヘキサン、1,1−ジ−t−ブチルパーオキシシ
クロヘキサン、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサハイド
ロテレフタレート、ジ−t−ブチルパーオキシアゼレー
ト及び2,2−ビス−(4,4−ジ−t−ブチルパーオ
キシシクロヘキシル)プロパン、及びt−ブチルパーオ
キシアリルカーボネートである。
【0078】これらの多官能性重合開始剤は、トナー用
バインダーとして要求される種々の性能を満足する為に
は、単官能性重合開始剤と併用されることが好ましい。
特に該多官能性重合開始剤の半減期10時間を得る為の
分解温度よりも低いそれを有する重合開始剤と併用する
ことが好ましい。
【0079】具体的には、ベンゾイルパーオキシド、
1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−ト
リメチルシクロヘキサン、n−ブチル−4,4−ジ(t
−ブチルパーオキシ)バレレート、ジクミルパーオキシ
ド、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシジイソプロ
ピル)ベンゼン、t−ブチルパーオキシクメン、ジ−t
−ブチルパーオキシド等の有機過酸化物、アゾビスイソ
ブチロニトリル、ジアゾアミノアゾベンゼン等のアゾお
よびジアゾ化合物等が利用出来る。
【0080】これらの単官能性重合開始剤は、前記多官
能性重合開始剤と同時にモノマー中に添加しても良い
が、該多官能性重合開始剤の開始剤効率を適正に保つ為
には、任意の重合条件下で、重合時間が該多官能性重合
開始剤の示す半減期を経過した後に添加するのが好まし
い。
【0081】これらの開始剤は、効率の点からモノマー
100重量部に対し0.05〜2重量部で用いるのが好
ましい。
【0082】本発明に用いられる樹脂組成物の高分子量
成分は、本発明の目的を達成する為に以下に例示する様
な架橋性モノマーで架橋されていることが好ましい。
【0083】架橋性モノマーとしては主として2個以上
の重合可能な二重結合を有するモノマーが用いられ、具
体例としては、芳香族ジビニル化合物、例えば、ジビニ
ルベンゼン、ジビニルナフタレン等;アルキル鎖で結ば
れたジアクリレート化合物類、例えば、エチレングリコ
ールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジア
クリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、
1,5−ペンタンジオールジアクリレート、1,6−ヘ
キサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコー
ルジアクリレート、及び以上の化合物のアクリレートを
メタクリレートに代えたもの;エーテル結合を含むアル
キル鎖で結ばれたジアクリレート化合物類、例えば、ジ
エチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリ
コールジアクリレート、テトラエチレングリコールジア
クリレート、ポリエチレングリコール#400ジアクリ
レート、ポリエチレングリコール#600ジアクリレー
ト、ジプロピレングリコールジアクリレート、及び以上
の化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたも
の;芳香族基及びエーテル結合を含む鎖で結ばれたジア
クリレート化合物類、例えば、ポリオキシエチレン
(2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロ
パンジアクリレート、ポリオキシエチレン(4)−2,
2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンジアクリ
レート、及び、以上の化合物のアクリレートをメタクリ
レートに代えたもの;更には、ポリエステル型ジアクリ
レート化合物類、例えば、商品名MANDA(日本化
薬)が挙げられる。多官能の架橋剤としては、ペンタエ
リスリトールアクリレート、トリメチロールエタントリ
アクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレー
ト、テトラメチロールプロパントリアクリレート、テト
ラメチロールメタンテトラアクリレート、オリゴエステ
ルアクリレート、及び以上の化合物のアクリレートをメ
タアクリレートに代えたもの;トリアリルシアヌレー
ト、トリアリルトリメリテート;等が挙げられる。
【0084】これらの架橋剤は、他のモノマー成分10
0重量%に対して、1重量%以下、好ましくは0.00
1〜0.05重量%の範囲で用いることが好ましい。
【0085】これらの架橋性モノマーのうち、トナーの
定着性,耐オフセット性の点から好適に用いられるもの
として、芳香族ジビニル化合物(特にジビニルベンゼ
ン)、芳香族基及びエーテル結合を含む鎖で結ばれたジ
アクリレート化合物類が挙げられる。
【0086】一方、本発明に係る結着樹脂の低分子量成
分の合成方法としては、公知の方法を用いることが出来
る。しかし、塊状重合法では、高温で重合させて停止反
応速度を速めることで、低分子量の重合体を得ることが
できるが、反応をコントロールしにくい問題点がある。
その点、溶液重合法では、溶媒によるラジカルの連鎖移
動の差を利用して、また、開始剤量や反応温度を調整す
ることで低分子量重合体を温和な条件で容易に得ること
ができ、本発明で用いる樹脂組成物中の低分子量体を得
るには好ましい。特に、開始剤使用量を最小限に抑え、
開始剤残渣の影響を極力抑えるという点で、加圧条件下
での溶液重合法も好ましい。
【0087】高分子量重合体成分を得る為のモノマー及
び、低分子量重合体成分を得る為のモノマーとしては、
次のようなものが挙げられる。
【0088】例えばスチレン;o−メチルスチレン、m
−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシ
スチレン、p−フェニルスチレン、p−クロルスチレ
ン、3,4−ジクロルスチレン、p−エチルスチレン、
2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、
p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチ
レン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチ
レン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチ
レン、等のスチレン及びその誘導体;エチレン、プロピ
レン、ブチレン、イソブチレンなどのエチレン不飽和モ
ノオレフィン類;ブタジエン等の不飽和ポリエン類;塩
化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、沸化ビニルな
どのハロゲン化ビニル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビ
ニル、ベンゾエ酸ビニルなどのビニルエステル類;メタ
クリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プ
ロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブ
チル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシ
ル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸
ステアリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジメ
チルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル
などのα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類;
アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−
ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸プロピル、
アクリル酸n−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリ
ル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アク
リル酸2−クロルエチル、アクリル酸フェニルなどのア
クリル酸エステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエ
チルエーテル、ビニルイソブチルエーテルなどのビニル
エーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケト
ン、メチルイソプロペニルケトンなどのビニルケトン
類;N−ビニルピロール、N−ビニルカルバゾール、N
−ビニルインドール、N−ビニルピロリドンなどのN−
ビニル化合物;ビニルナフタリン類;アクリロニトリ
ル、メタクリロニトリル、アクリルアミドなどのアクリ
ル酸もしくはメタクリル酸誘導体;のビニル系モノマー
が単独もしくは2つ以上で用いられる。
【0089】これらの中でもスチレン系共重合体、スチ
レンアクリル系共重合体となるようなモノマーの組み合
わせが好ましい。
【0090】また、低分子量及び高分子量成分の双方
が、少なくともスチレン系重合体成分又は共重合体成分
を65重量部以上含有することが混合性の点で好まし
い。
【0091】本発明に係る樹脂組成物を構成する高分子
量重合体は予め低分子量ワックスと混合しておくこと
で、ミクロ領域での相分離が緩和され、高分子量成分の
再凝集が抑制され、低分子重合体との良好な分散状態が
得られるので好ましい。
【0092】本発明に適用し得る低分子量ワックスとし
ては、ポリプロピレンワックス、ポリエチレンワック
ス、マイクロクリスタリンワックス、カルナバワック
ス、サゾールワックス、パラフィンワックス、高級アル
コール系ワックス、エステルワックス等の化合物、及び
これらの酸化物やグラフト変性物等が挙げられる。
【0093】これらの低分子量ワックスの重量平均分子
量は3万以下、好ましくは1万以下のものが好ましく、
添加量としてはバインダー重合体成分100重量部に対
し、約1〜20重量部が好ましい。
【0094】これらの低分子量ワックスは、トナー製造
に際し、予めバインダー重合体成分中に添加、混合して
おくことが好ましい。特に、重合体成分の調製時に、低
分子量ワックスと高分子量重合体とを溶剤に予備溶解し
た後、低分子量重合体溶液と混合する方法が好ましい。
【0095】係る重合体溶液の固体濃度は、分散効率、
撹拌時の樹脂の変質防止、操作性等を考慮し、5〜70
重量%以下であることが好ましく、高分子量重合体成分
とポリオレフィン重合体の予備溶液は5〜60重量%以
下、低分子量重合体溶液は5〜70重量%以下の固体濃
度であることが好ましい。
【0096】高分子重合体成分と低分子量ワックスを溶
解又は分散させる方法は、撹拌混合により行われ、撹拌
は回分式又は連続式でおこなうのが好ましい。
【0097】ついで、低分子量重合体溶液を混合する方
法は、該予備溶液の固形分量100重量部に対して、該
低分子量重合体溶液を10〜1000重量部添加し撹拌
混合を行うことが好ましい。この場合、回分式でも連続
式でも良い。
【0098】本発明に係る樹脂組成物の溶液混合時に用
いる有機溶剤としては、例えばベンゼン、トルオール、
キシロール、ソルベントナフサ1号、ソルベントナフサ
2号、ソルベントナフサ3号、シクロヘキサン、エチル
ベンゼン、ソルベッソ100、ソルベッソ150、ミネ
ラルスピリット等の炭化水素系溶剤;メタノール、エタ
ノール、iso−プロピルアルコール、n−ブチルアル
コール、sec−ブチルアルコール、iso−ブチルア
ルコール、アミルアルコール、シクロヘキサノール等の
アルコール系溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メ
チルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系
溶剤;酢酸エチル、n−酢酸ブチル、セロソルブアセテ
ート等のエステル系溶剤;メチルセロソルブ、エチルセ
ロソルブ、ブチルセロソルブ、メチルカルビトール等の
エーテル系溶剤等が挙げられる。これらの中で芳香族、
ケトン系、エステル系の溶剤が好ましい。また、これら
を混合して用いても差し支えない。
【0099】有機溶剤を除去する方法は、重合体の有機
溶剤溶液を加熱後、常圧下で有機溶剤の10〜80重量
%を除去した後、減圧下で、残存溶剤を除去する方法が
好ましい。この時、有機溶剤溶液は、用いた有機溶剤の
沸点以上、200℃以下に保持することが好ましい。有
機溶剤の沸点を下回ると溶剤留去時の効率が悪いだけで
なく、有機溶剤中の重合体に不必要な剪断力がかかった
り、各構成重合体の再分散が促進され、ミクロな状態で
の相分離を起こす場合がある。また、200℃を超える
と重合体が解重合し、分子切断によるオリゴマーが生成
し、樹脂組成物内への不純物の混入を招くので好ましく
ない。
【0100】本発明は、磁性酸化鉄粒子を含有させ、磁
性トナーとしても良い。
【0101】磁性トナーに用いる磁性酸化鉄粒子は、結
着樹脂100重量部に対して、20重量部乃至200重
量部を用いることが好ましい。さらに好ましくは30〜
150重量部を用いることが良い。
【0102】また、場合により、磁性酸化鉄粒子は、シ
ランカップリング剤、チタンカップリング剤、チタネー
ト、アミノシラン、有機ケイ素化合物等で処理しても良
い。
【0103】磁性酸化鉄粒子の表面処理に使用されるシ
ランカップリング剤としては、例えばヘキサメチルジシ
ラザン、トリメチルシラン、トリメチルクロルシラン、
トリメチルエトキシシラン、ジメチルジクロルシラン、
メチルトリクロルシラン、アリルジメチルクロルシラ
ン、アリルフェニルジクロルシラン、ベンジルジメチル
クロルシラン、ブロムメチルジメチルクロルシラン、α
−クロルエチルトリクロルシラン、β−クロルエチルト
リクロルシラン、クロルメチルジメチルクロルシラン、
トリオルガノシランメルカプタン、トリメチルシリルメ
ルカプタン、トリオルガノシリルアクリレート、ビニル
ジメチルアセトキシシラン、ジメチルエトキシシラン、
ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラ
ン、ヘキサメチルジシロキサン、1,3−ジビニルテト
ラメチルジシロキサン、1,3−ジフェニルテトラメチ
ルジシロキサン等が挙げられる。
【0104】チタンカップリング剤としては、例えばイ
ソプロポキシチタン・トリイソステアレート、イソプロ
ポキシチタン・ジメタクリレート・イソステアレート、
イソプロポキシチタン・トリドデシルベンゼンスルホネ
ート、イソプロポキシチタン・トリスジオクチルホスフ
ェート、イソプロポキシチタントリN−エチルアミノエ
チルアミナト、チタニウムビスジオクチルピロホスフェ
ートオキシアセテート、ビスジオクチルホスフェートエ
チレンジオクチルホスファイト、ジn−ブトキシ・ビス
トリエタノールアミナトチタン等が挙げられる。
【0105】有機ケイ素化合物としては、シリコーンオ
イルが挙げられる。好ましいシリコーンオイルとして
は、25℃における粘度がおよそ30〜1,000セン
チストークスのものが用いられ、例えばジメチルシリコ
ーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、α−メ
チルスチレン変性シリコーンオイル、クロルフェニルシ
リコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル等が好ま
しい。
【0106】また、本発明の静電荷像現像用トナーに
は、添加し得る着色材料として、従来公知のカーボンブ
ラック、銅フタロシアニンの如き顔料または染料などが
使用できる。
【0107】また、本発明の静電荷像現像用トナーは帯
電制御剤を含有することを特徴の一つとし、負帯電性ト
ナーの場合、モノアゾ染料の金属錯塩、サリチル酸、ア
ルキルサリチル酸、ジアルキルサリチル酸またはナフト
エ酸の金属錯塩等の負帯電制御剤が用いられる。
【0108】例えば、負帯電制御剤としては、
【0109】
【化1】
【0110】
【化2】
【0111】
【化3】
【0112】等が挙げられる。前記磁性酸化鉄と組み合
せる負帯電制御剤としてより効果的なものとして次の3
種が挙げられる。
【0113】
【化4】 で示されるモノアゾ系鉄錯塩
【0114】
【化5】
【0115】上記一般式を有する芳香族ヒドロキシカル
ボン酸,芳香族ジオール又は芳香族ジカルボン酸誘導体
と鉄原子との化合物
【0116】
【化6】
【0117】[式中、Y1 及びY2 はフェニル基,ナフチ
ル基又はアントリル基を示し、R1及びR2はハロゲン原
子,ニトロ基,スルホン酸基,カルボキシル基,カルボ
ン酸エステル基,シアノ基,カルボニル基、アルキル
基,アルコキシ基又はアミノ基を示し、R3及びR4は水
素原子,アルキル基,アルコキシ基,置換基を有しても
よいフェニル基、置換基を有しても良いアラルキル基又
はアミノ基を示し、R5及びR6は水素原子又は炭素数1
〜8の炭化水素基を示し、k及びjは0〜3の整数(同
時に0ではない)を示し、m及びnは1又は2を示す。
【0118】(上記のY1 ,Y2 ,R1とR2,R3とR4
5とR6,kとj,mとnは同一でも異なっていても良
い。)]
【0119】上記一般式を有するN−N’−ビスアリー
ル尿素誘導体中でも、下記式
【0120】
【化7】 で表わされるモノアゾ系鉄錯体が好ましい。
【0121】上記の負帯電性制御剤と酸価を調整した重
合体成分とを用いることにより画質特性、特にカブリを
防止又は抑制することが確認されている。
【0122】これらの帯電制御剤の使用量は、トナーの
帯電量の点から結着樹脂100重量部あたり0.1〜
5.0重量部が好ましい。
【0123】また、本発明の静電荷像現像用トナーに
は、無機微粉体または疎水性無機微粉体が混合されるこ
とが好ましい。例えば、シリカ微粉末、酸化チタン微粉
末又はそれらの疎水化物が挙げられる。それらは、単独
あるいは併用して用いることが好ましい。
【0124】シリカ微粉体はケイ素ハロゲン化合物の蒸
気相酸化により生成されたいわゆる乾式法またはヒュー
ムドシリカと称される乾式シリカ及び水ガラス等から製
造されるいわゆる湿式シリカの両方が使用可能である
が、表面及び内部にあるシラノール基が少なく、製造残
渣のない乾式シリカの方が好ましい。
【0125】さらにシリカ微粉体は疎水化処理されてい
るものが好ましい。疎水化処理するには、シリカ微粉体
と反応あるいは物理吸着する有機ケイ素化合物などで化
学的に処理することによって付与される。好ましい方法
としては、ケイ素ハロゲン化合物の蒸気相酸化により生
成された乾式シリカ微粉体をシランカップリング剤で処
理した後、あるいはシランカップリング剤で処理すると
同時にシリコーンオイルの如き有機ケイ素化合物で処理
する方法が挙げられる。
【0126】疎水化処理に使用されるシランカップリン
グ剤としては、例えばヘキサメチルジシラザン、トリメ
チルシラン、トリメチルクロルシラン、トリメチルエト
キシシラン、ジメチルジクロルシラン、メチルトリクロ
ルシラン、アリルジメチルクロルシラン、アリルフェニ
ルジクロルシラン、ベンジルジメチルクロルシラン、ブ
ロムメチルジメチルクロルシラン、α−クロルエチルト
リクロルシラン、β−クロルエチルトリクロルシラン、
クロルメチルジメチルクロルシラン、トリオルガノシラ
ンメルカプタン、トリメチルシリルメルカプタン、トリ
オルガノシリルアクリレート、ビニルジメチルアセトキ
シシラン、ジメチルエトキシシラン、ジメチルジメトキ
シシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ヘキサメチル
ジシロキサン、1,3−ジビニルテトラメチルジシロキ
サン、1,3−ジフェニルテトラメチルジシロキサンが
挙げられる。
【0127】有機ケイ素化合物としては、シリコーンオ
イルが挙げられる。好ましいシリコーンオイルとして
は、25℃における粘度がおよそ30〜1,000セン
チストークスのものが用いられ、例えばジメチルシリコ
ーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、α−メ
チルスチレン変性シリコーンオイル、クロルフェニルシ
リコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル等が好ま
しい。
【0128】シリコーンオイル処理の方法は例えばシラ
ンカップリング剤で処理されたシリカ微粉体とシリコー
ンオイルとをヘンシェルミキサー等の混合機を用いて直
接混合しても良いし、ベースとなるシリカへシリコーン
オイルを噴射する方法によっても良い。あるいは適当な
溶剤にシリコーンオイルを溶解あるいは分散せしめた
後、ベースのシリカ微粉体とを混合し、溶剤を除去して
作製しても良い。
【0129】さらに本発明に用いられるシリカ微粉体の
好ましい疎水化処理として、ジメチルジクロロシランで
処理し、次いでヘキサメチルジシラザンで処理し、次い
でシリコーンオイルで処理することにより調製する方法
が挙げられる。
【0130】上記のようにシリカ微粉体を2種以上のシ
ランカップリング剤で処理し、後にオイル処理すること
が疎水化度を効果的に上げることができ、好ましい。
【0131】上記シリカ微粉体における疎水化処理、更
には、オイル処理を酸化チタン微粉体に施したものも、
シリカ系同様に好ましい。
【0132】本発明の静電荷像現像用トナーには、必要
に応じてシリカ微粉体又は酸化チタン微粉体以外の外部
添加剤を添加してもよい。
【0133】例えば帯電補助剤、導電性付与剤、流動性
付与剤、ケーキング防止剤、熱ロール定着時の離型剤、
滑剤、研磨剤等の働きをする樹脂微粒子や無機微粒子で
ある。
【0134】樹脂微粒子としては、その平均粒径が0.
03〜1.0μmのものが好ましく、その樹脂を構成す
る重合性単量体としては、スチレン・o−メチルスチレ
ン・m−メチルスチレン・p−メチルスチレン・p−メ
トキシスチレン・p−エチルスチレン等のスチレン系単
量体、アクリル酸・メタクリル酸等のメタクリル酸類、
アクリル酸メチル・アクリル酸エチル・アクリル酸n−
ブチル・アクリル酸イソブチル・アクリル酸n−プロピ
ル・アクリル酸n−オクチル・アクリル酸ドデシル・ア
クリル酸2−エチルヘキシル・アクリル酸ステアリル・
アクリル酸2−クロルエチル・アクリル酸フェニル等の
アクリル酸エステル類、メタクリル酸メチル・メタクリ
ル酸エチル・メタクリル酸n−プロピル・メタクリル酸
n−ブチル・メタクリル酸イソブチル・メタクリル酸n
−オクチル・メタクリル酸ドデシル・メタクリル酸2−
エチルヘキシル・メタクリル酸ステアリル・メタクリル
酸フェニル・メタクリル酸ジメチルアミノエチル・メタ
クリル酸ジエチルアミノエチル等のメタクリル酸エステ
ル類その他のアクリロニトリル・メタクリロニトリル・
アクリルアミド等の単量体が挙げられる。
【0135】重合方法としては、懸濁重合、乳化重合、
ソープフリー重合等、が使用可能であるが、より好まし
くは、ソープフリー重合によって得られる粒子が良い。
【0136】特に、上記樹脂微粒子は、一次帯電装置と
してローラ、ブラシあるいは、ブレード等の接触帯電系
において、トナーのドラム融着防止に多大な効果をもた
らすことが確認されている。
【0137】その他の微粒子としては、例えばテフロ
ン、ステアリン酸亜鉛、ポリ弗化ビニリデンの如き滑
剤、中でもポリ弗化ビニリデンが好ましい。或いは酸化
セリウム、炭化ケイ素、チタン酸ストロンチウム等の研
磨剤、中でもチタン酸ストロンチウムが好ましい。或い
は例えば酸化チタン、酸化アルミニウム等の流動性付与
剤、中でも特に疎水性のものが好ましい。ケーキング防
止剤、或いは例えばカーボンブラック、酸化亜鉛、酸化
アンチモン、酸化スズ等の導電性付与剤、また逆極性の
白色微粒子及び黒色微粒子を現像性向上剤として少量用
いることもできる。
【0138】トナーと混合される樹脂微粒子または無機
微粉体または疎水性無機微粉体等は、磁性トナー100
重量部に対して0.1〜5重量部(好ましくは、0.1
〜3重量部)使用するのが良い。
【0139】本発明の静電荷像現像用トナーは、重合体
成分及び着色剤としての顔料、染料又は磁性体、帯電制
御剤、その他の添加剤等をボールミルの如き混合機によ
り充分混合してから加熱ロール、ニーダー、エクストル
ーダーの如き熱混練機を用いて溶融、捏和及び練肉し、
冷却固化後粉砕及び厳密な分級をおこなうことにより生
成することができる。
【0140】また、本発明の静電荷像現像用トナーを得
るための他の方法として、重合法によってトナーを製造
することが可能である。この重合法トナーは重合性単量
体及び本発明の帯電制御剤、顔料又は染料、磁性酸化
鉄、重合開始剤(更に必要に応じて架橋剤及びその他の
添加剤)を均一に溶解または分散せしめて単量体組成物
とした後、この単量体組成物あるいは、この単量体組成
物をあらかじめ重合したものを分散安定剤を含有する連
続相(例えば水)中に適当な攪拌機を用いて分散し、同
時に重合反応を行わせ、所望の粒径を有するトナー粒子
としたものである。なお、重合法では磁性酸化鉄を使用
する場合、あらかじめ疎水化処理することが好ましい。
【0141】さらに図4を参照しながら、本発明が使用
される画像形成方法の一例を説明する。
【0142】一次帯電器702で感光ドラム(静電荷像
保持体)1表面を負極性に帯電し、レーザ光による露光
705によりイメージスキャニングによりデジタル潜像
を形成し、磁性ブレード711および磁石714を内包
している現像スリーブ704を具備する現像器709の
一成分系磁性現像剤710で該潜像を反転現像する。現
像部において感光ドラム1の導電性基体は接地され、現
像スリーブ704にはバイアス印加手段712により交
互バイアス、パルスバイアス及び/又は直流バイアスが
印加されている。転写紙Pが搬送されて、転写部にくる
とローラ転写手段2により転写紙Pの背面(感光ドラム
側と反対面)から電圧印加手段8で帯電をすることによ
り、感光ドラム表面上の現像画像(トナー像)が接触転
写手段2によって転写紙P上へ転写される。感光ドラム
1から分離された転写紙Pは、加熱加圧ローラ定着器7
07により転写紙P上のトナー画像を定着するために定
着処理される。
【0143】転写工程後の感光ドラムに残留する一成分
系現像剤は、クリーニングブレードを有するクリーニン
グ器708で除去される。クリーニング後の感光ドラム
1は、イレース露光706により徐電され、再度、一次
帯電器702による帯電工程から始まる工程が繰り返さ
れる。
【0144】感光ドラムは感光層及び導電性基体を有
し、矢印方向に動く。トナー担持体である非磁性円筒の
現像スリーブ704は、現像部において静電像保持体表
面と同方向に進むように回転する。非磁性円筒スリーブ
704の内部には、磁界発生手段である多極永久磁石
(マグネットロール)が回転しないように配されてい
る。現像器709内の一成分系絶縁性磁性トナー710
は非磁性円筒面上に塗布され、かつ現像スリーブ704
の表面と磁性トナー粒子との摩擦によって、磁性トナー
粒子は、例えばマイナスのトリボ電荷が与えられる。さ
らに弾性ドクターブレード711を円筒表面を押圧する
ように設け、磁性トナー層の厚さを薄く(30μm〜3
00μm)且つ均一に規制して、現像部における感光ド
ラム1と現像スリーブ704の間隙よりも薄い磁性トナ
ー層を形成する。この現像スリーブ704の回転速度を
調整することにより、スリーブ表面速度が感光ドラム表
面の速度と実質的に当速、もしくはそれに近い速度とな
るようにする。現像部において現像スリーブ704に交
流バイアスまたはパルスバイアスをバイアス手段712
により印加しても良い。この交流バイアスはfが200
〜4,000Hz、Vppが500〜3,000Vであ
れば良い。
【0145】現像部における磁性トナー粒子の移転に際
し、静電像保持面の静電的力及び交流バイアスまたはパ
ルスバイアスの作用によってトナー粒子は静電像側に移
転する。
【0146】弾性ブレード711のかわりに、鉄の如き
磁性ドクターブレードでも良い。
【0147】図1は接触型の転写装置の一例を示し、2
は転写ローラーであり、中心の芯金2aとその外周を形
成した導電性弾性層2bとを基本構成とするものであ
る。転写ローラー2は、感光ドラム1の表面に押圧力を
もって転写材を圧接し、感光ドラム1の周速度と等速度
或いは周速度に差をつけて回転させる。転写材はガイド
4を通って感光ドラム1と転写ローラー2との間に搬送
され、転写ローラー2にトナーと逆極性のバイアスを転
写バイアス印加手段3から印加することによって感光ド
ラム1上のトナー画像が転写材の表面側に転写される。
次いで、転写材はガイド5上に送られる。
【0148】導電性弾性層2bはカーボン等の導電材を
分散させたポリウレタン、エチレン−プロピレン−ジエ
ン系三元共重合体(EPDM)等の体積抵抗106〜1
10Ωcmの弾性体でつくられている。
【0149】好ましい転写プロセス条件としては、ロー
ラーの当接圧が5〜500g/cmで、直流電圧が±
0.2〜±10kVである。
【0150】図2は帯電手段の一例を示し、感光ドラム
1はアルミニウム等の導電性基層1aと、その外面に形
成した光導電層1bとを基本構成層とするものであり、
図面上時計方向に所定の周速度(プロセススピード)で
回転される。
【0151】42は帯電ローラーであり、中心の芯金4
2aとその外周を形成した導電性弾性層42bと表面層
42cとを基本構成とするものである。帯電ローラー4
2は、感光ドラム1の表面に押圧力をもって圧接され、
感光ドラム1の回転に伴い従動回転する。帯電ローラー
42は、バイアス印加手段Eにより電圧が印加され、帯
電ローラー42にバイアスが印加されることで感光ドラ
ム1の表面が所定の極性・電位に帯電される。次いで画
像露光によって静電荷像が形成され、現像手段により静
電荷像はトナー画像として順次可視化されていく。
【0152】帯電ローラーを用いた時の好ましいプロセ
ス条件としては、ローラーの当接が5〜500g/cm
で、直流電圧に重畳したものを用いた時には、交流電圧
=0.5〜5kVpp、交流周波数=50〜5kHz、
直流電圧=±0.2〜±1.5kVであり、直流電圧を
用いた時には、直流電圧=±0.2〜±5kVである。
【0153】帯電ローラーの材質としては、導電性ゴム
が好ましく、その表面に離型性被膜を設けても良い。離
型性被膜としては、ナイロン系樹脂、PVDF(ポリフ
ッ化ビニリデン)、PVDC(ポリ塩化ビニリデン)な
どが適用可能である。
【0154】帯電ローラーは、帯電ブレード,帯電ブラ
シの如き接触帯電手段でも良い。
【0155】図5にプロセスカートリッジの一具体例を
示す。プロセスカートリッジは、現像手段と静電荷像保
持体とを少なくとも一体的にカートリッジ化し、プロセ
スカートリッジは、画像形成装置本体(例えば、複写
機,レーザービームプリンター等)に着脱可能なように
形成される。
【0156】この例では、現像手段709、ドラム状の
静電荷像保持体(感光体ドラム)1、クリーニングブレ
ード708aを有するクリーナ708、一次帯電器(帯
電ローラー)742を一体としたプロセスカートリッジ
750が例示される。
【0157】また、現像手段709は弾性ブレード71
1とトナー容器760内に磁性トナー710を有し、該
磁性トナー710を用い、現像時には、バイアス印加手
段からのバイアスにより感光ドラム1と現像スリーブ7
04との間に所定の電界が形成され、現像工程が好適に
実施されるためには、感光ドラム1と現像スリーブ70
4との間の距離は非常に大切である。
【0158】本発明のトナーは、帯電が迅速であり、帯
電性が安定し、均一帯電しているため、現像器内のトナ
ーの搬送性に優れ、摩擦帯電付与部材の表面積が小さく
ても帯電の立ち上がりが早く、迅速に帯電量が均一化さ
れる。したがって、静電潜像保持体上の潜像を、一成分
トナーを担持する現像スリーブ上の一成分トナーで現像
する画像形成方法において、現像スリーブ上の一成分ト
ナーの層厚を薄層に規制する規制部材を有する現像方法
を用いる画像形成方法に好ましく用いられるトナーであ
る。とくに磁気力が期待できず、現像スリーブ上へのト
ナー供給が困難であり、摩擦帯電付与能力の小さい非磁
性一成分現像方法においてもその効果は大である。
【0159】次に本発明のトナーを使用して非磁性一成
分現像を行なう場合の現像方法の一例を説明するが、必
ずしもこれに限定されるものではない。図6に、潜像保
持体上に形成された静電像を現像する装置を示す。80
8は潜像保持体であり、潜像形成は図示しない電子写真
プロセス手段又は静電記録手段により成される。809
は現像スリーブであり、アルミニウムあるいはステンレ
ス等からなる非磁性スリーブからなる。
【0160】現像スリーブはアルミニウム、ステンレス
の粗管をそのまま用いてもよいが、好ましくはその表面
をガラスビーズ等を吹きつけて均一に荒したものや、鏡
面処理したもの、あるいは樹脂等でコートしたものがよ
く、磁性一成分現像方法に使用されるものに準ずる。
【0161】トナー800はホッパー801に貯蔵され
ており、供給ローラー802によって現像剤担持体上へ
供給される。供給ローラーはポリウレタンフォーム等の
発泡材より成っており、トナー担持体に対して、順また
は逆方向に0でない相対速度をもって回転し、トナー供
給とともに、トナー担持体上の現像後のトナー(未現像
トナー)のはぎ取りも行っている。トナー担持体上に供
給されたトナーはトナー塗布ブレード803によって均
一かつ薄層に塗布される。
【0162】トナー塗布ブレードとトナー担持体との当
接圧力は、スリーブ母線方向の線圧として、0.3〜2
5kg/m、好ましくは0.5〜12kg/mが有効で
ある。当接圧力が0.3kg/mより小さい場合、トナ
ーの均一塗布が困難となり、トナーの帯電量分布がブロ
ードになりカブリや飛散の原因となる。また当接圧力が
25kg/mを超えると、トナーに大きな圧力がかか
り、トナーが劣化するため、トナーの凝集が発生するな
ど好ましくない。またトナー担持体を駆動させるために
大きなトルクを要するため好ましくない。即ち、当接圧
力を0.3〜25kg/mに調整することで、本発明の
トナーの凝集を効果的にほぐすことが可能になり、また
トナーの帯電量を瞬時に立ち上げることが可能になる。
【0163】トナー薄層化規制部材は、磁性一成分現像
方法に使用されるものに準ずる。弾性ブレード,弾性ロ
ーラーは、所望の極性にトナーを帯電するのに適した摩
擦帯電系列の材質のものを用いることが好ましく、磁性
一成分現像方法に使用されるものに準ずる。本発明にお
いては、シリコーンゴム、ウレタンゴム、スチレン−ブ
タジエンゴムなどが好適である。さらに、ポリアミド、
ポリイミド、ナイロン、メラミン、メラミン架橋ナイロ
ン、フェノール樹脂、フッ素系樹脂、シリコーン樹脂、
ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、スチレン系樹脂等の
有機樹脂層を設けても良い。また導電性ゴム、導電性樹
脂等を使用、また磁性一成分現像法に使用されるものに
準じて金属酸化物、カーボンブラック、無機ウイスカ
ー、無機繊維等のフィラーや荷電制御剤をブレードのゴ
ム中,樹脂中に分散するなど適度の導電性、帯電付与性
を与え、トナーを適度に帯電させることができて好まし
い。
【0164】なお、ブレードにより現像スリーブ上にト
ナーを薄層コートする系においては、十分な画像濃度を
得るために、現像スリーブ上のトナー層の厚さを現像ス
リーブと潜像保持体との対抗空隙長よりも小さくし、こ
の空隙に交番電場を印加することが好ましい。すなわち
図6に示すバイアス電源804により、現像スリーブ8
09と潜像保持体808との間に交番電場または交番電
場に直流電場を重畳した現像バイアスを印加することに
より、現像スリーブ上から潜像保持体上へのトナーの移
動を容易にし、更に良質の画像を得ることができる。こ
れらの条件も磁性一成分現像方法に準ずる。
【0165】
【実施例】以下、具体的実施例によって本発明を説明す
るが、本発明は何らこれらに限定されるものではない。
【0166】[樹脂製造例](高分子量重合体の合成例) 高分子量重合体(H−1)の合成 (高分子量重合体(H−1−1)の合成)4つ口フラス
コ内に脱気水180重量部とポリビニルアルコールの2
重量%水溶液20重量部を投入した後、スチレン72重
量部、アクリル酸−n−ブチル25重量部、マレイン酸
モノブチル3重量部、ジビニルベンゼン0.001重量
部及び、2,2−ビス(4,4−ジ−tert−ブチル
パーオキシシクロヘキシル)プロパン(半減期10時間
温度92℃)0.1重量部の溶液の混合液を加え、撹拌
し懸濁液とした。
【0167】フラスコ内を充分に窒素で置換した後、8
5℃まで昇温して、重合を開始した。同温度に24時間
保持した後、ベンゾイルパーオキサイド(半減期10時
間温度92℃)0.1重量部を追加添加した。さらに、
12時間保持して重合を完了した。これを濾別し、水
洗,乾燥し、高分子量重合体(H−1−1)を得た。
【0168】(高分子量重合体(H−1−2)の合成)
スチレン71重量部、アクリル酸−n−ブチル24重量
部、マレイン酸モノブチル5重量部、2,2−ビス
(4,4−ジ−tert−ブチルパーオキシシクロヘキ
シル)プロパン0.2重量部以外は高分子量重合体(H
−1−1)と同様にして高分子量重合体(H−1−2)
を得た。
【0169】上記高分子量重合体(H−1−1)と等量
の高分子量重合体(H−1−2)をキシレン100重量
部に投入し、昇温して還流下で撹拌し、3時間保持した
後、有機溶剤を留去し、高分子量重合体(H−1)を得
た。
【0170】高分子量重合体(H−2)の合成 (高分子量重合体(H−2−1)の合成)スチレン67
重量部、アクリル酸−n−ブチル24重量部、マレイン
酸モノブチル7重量部、2,2−ビス(4,4−ジ−t
ert−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン
0.13重量部以外は高分子量重合体(H−1−1)と
同様にして高分子量重合体(H−2−1)を得た。
【0171】(高分子量重合体(H−2−2)の合成)
スチレン67重量部、アクリル酸−n−ブチル24重量
部、マレイン酸モノブチル9重量部、2,2−ビス
(4,4−ジ−tert−ブチルパーオキシシクロヘキ
シル)プロパン0.2重量部以外は高分子量重合体(H
−1−1)と同様にして高分子量重合体(H−2−2)
を得た。
【0172】上記高分子量重合体(H−2−1)と等量
の高分子量重合体(H−2−2)をキシレン100重量
部に投入し、昇温して還流下で撹拌し、3時間保持した
後、有機溶剤を留去し、高分子量重合体(H−2)を得
た。
【0173】高分子量重合体(H−3)の合成 (高分子量重合体(H−3−1)の合成)スチレン80
重量部、アクリル酸−n−ブチル20重量部、2,2−
ビス(4,4−ジ−tert−ブチルパーオキシシクロ
ヘキシル)プロパン0.11重量部以外は高分子量重合
体(H−1−1)と同様にして高分子量重合体(H−3
−1)を得た。
【0174】(高分子量重合体(H−3−2)の合成)
スチレン72重量部、アクリル酸−n−ブチル25重量
部、マレイン酸モノブチル3重量部、2,2−ビス
(4,4−ジ−tert−ブチルパーオキシシクロヘキ
シル)プロパン0.2重量部以外は高分子量重合体(H
−1−1)と同様にして高分子量重合体(H−3−2)
を得た。
【0175】上記高分子量重合体(H−3−1)と等量
の高分子量重合体(H−3−2)をキシレン100重量
部に投入し、昇温して還流下で撹拌し、3時間保持した
後、有機溶剤を留去し、高分子量重合体(H−3)を得
た。
【0176】(高分子量重合体の比較合成例) 高分子量重合体(H−4)の合成 高分子量重合体(H−2−1)溶液と等量の高分子量重
合体(H−3−2)溶液を混合し、高分子量重合体(H
−1)同様に高分子量重合体(H−4)を得た。
【0177】(低分子量重合体の合成例) 低分子量重合体(L−1)の合成 (低分子量重合体(L−1−1)の合成)4つ口フラス
コ内にキシレン300重量部を投入し、撹拌しながら容
器内を十分に窒素で置換した後、昇温して還流させる。
【0178】この還流下で、スチレン70重量部、アク
リル酸−n−ブチル21重量部、マレイン酸モノブチル
7重量部及び、ジ−tert−ブチルパーオキサイド3
重量部の混合液を4時間かけて滴下後、2時間保持し重
合を完了し、低分子量重合体(L−1−1)溶液を得
た。
【0179】(低分子量重合体(L−1−2)の合成)
スチレン71重量部、アクリル酸−n−ブチル21重量
部、マレイン酸モノブチル7重量部及び、ジ−tert
−ブチルパーオキサイド2重量部とし、低分子量重合体
(L−1−1)と同様に重合を行い、低分子量重合体
(L−1−2)溶液を得た。
【0180】上記低分子量重合体(L−1−1)溶液9
0重量部と低分子量重合体(L−1−2)溶液10重量
部を混合し、昇温して還流下で撹拌し、3時間保持した
後、有機溶剤を留去し、低分子量重合体(L−1)溶液
を得た。
【0181】低分子量重合体(L−2)の合成 (低分子量重合体(L−2−1)の合成)スチレン69
重量部、アクリル酸−n−ブチル20重量部、マレイン
酸モノブチル11重量部及び、ジ−tert−ブチルパ
ーオキサイド1.8重量部とした以外は、低分子量重合
体(L−1−1)と同様に重合を行い、低分子量重合体
(L−2−1)溶液を得た。
【0182】(低分子量重合体(L−2−2)の合成)
スチレン70重量部、アクリル酸−n−ブチル20重量
部、マレイン酸モノブチル10重量部及び、ジ−ter
t−ブチルパーオキサイド1.5重量部とし、低分子量
重合体(L−1−1)と同様に重合を行い、低分子量重
合体(L−2−2)溶液を得た。
【0183】上記低分子量重合体(L−2−1)溶液6
0重量部と低分子量重合体(L−2−2)溶液40重量
部を混合し、昇温して還流下で撹拌し、3時間保持した
後、有機溶剤を留去し、低分子量重合体(L−2)溶液
を得た。
【0184】低分子量重合体(L−3)の合成 (低分子量重合体(L−3−1)の合成)スチレン77
重量部、アクリル酸−n−ブチル18重量部、マレイン
酸モノブチル6.5重量部及び、ジ−tert−ブチル
パーオキサイド2重量部とした以外は、低分子量重合体
(L−1−1)と同様に重合を行い、低分子量重合体
(L−3−1)溶液を得た。
【0185】(低分子量重合体(L−3−2)の合成)
スチレン77重量部、アクリル酸−n−ブチル18重量
部、マレイン酸モノブチル4重量部及び、ジ−tert
−ブチルパーオキサイド1.8重量部とし、低分子量重
合体(L−1−1)と同様に重合を行い、低分子量重合
体(L−3−2)溶液を得た。
【0186】上記低分子量重合体(L−3−1)溶液と
等量の低分子量重合体(L−3−2)溶液を混合し、昇
温して還流下で撹拌し、3時間保持した後、有機溶剤を
留去し、低分子量重合体(L−3)溶液を得た。
【0187】(低分子量重合体の比較合成例) 低分子量重合体(L−4)の合成 低分子量重合体(L−3−3)溶液と等量の低分子量重
合体(L−2−2)溶液を混合し、低分子量重合体(L
−1)同様に低分子量重合体(L−4)を得た。
【0188】次に表1に示すような割合で高分子量重合
体と低分子量重合体を混合した。方法は、キシレン10
0重量部に、高分子量重合体と低分子量重合体の合計が
100重量部となるようにして投入し、昇温して還流下
で撹拌し、12時間保持した後、有機溶剤を留去し、得
られた樹脂を冷却,固化後、粉砕してトナー用樹脂組成
物A〜Eを得た。このようにして得られたトナー用樹脂
組成物を分析した結果を表1にまとめて記す。
【0189】<実施例1> 樹脂組成物(A) 100重量部 カーボンブラック 8重量部 モノアゾ系鉄錯体 2重量部
【0190】上記混合物を125℃に加熱された二軸エ
クストルーダーで溶融混練し、冷却した混練物をハンマ
ーミルで粗粉砕し、粗粉砕物をジェットミルで微粉砕
し、得られた微粉砕粉を固定壁型風力分級機で分級して
分級粉を生成した。
【0191】さらに、得られた微粉砕粉をコアンダ効果
を利用して多分割分級装置(日鉄鉱業社製エルボジェッ
ト分級機)で超微粉及び粗粉を同時に厳密に分級除去し
て重量平均径(D4)7.1μmの負帯電性非磁性トナ
ー(t−1)を得た。
【0192】得られたトナーの物性(分子量分布(GP
C),トナーより重合体成分を分収した際の酸価)を表
1に、GPCクロマトグラムのチャートを図4に示す。
【0193】この非磁性トナー(t−1)100重量部
と、ジメチルジクロロシラン処理した後ヘキサメチルジ
シラザン処理し、次いでジメチルシリコーンオイル処理
を行った疎水性シリカ微粉体1.8重量部とを、ヘンシ
ェルミキサーで混合して外添剤を有する非磁性トナー
(T−1)を調製した。
【0194】<実施例2〜5>実施例1の樹脂組成物
(A)をそれぞれ樹脂組成物(B),(C),(D),
(E)に変え実施例1と同様にして、外添剤を有する非
磁性トナーT−2〜T−5を得た。得られたトナーの物
性を表1に示す。
【0195】<比較例1〜2>実施例1の樹脂組成物
(A)をそれぞれ樹脂組成物(F),(G)に変え実施
例1と同様にして、外添剤を有する非磁性トナーT−
6,T−7を得た。得られたトナーの物性を表1に示
す。
【0196】
【表1】
【0197】〔評価〕トナーT−1〜T−7を用い、キ
ヤノン製レーザービームプリンターLBP−A309G
IIを以下の設定になるように改造して画出し評価を行
った。
【0198】カートリッジ現像器部を図6に示す非磁性
一成分現像器に改造した。
【0199】感光ドラムはVD=−700Vに一次帯電
され、その表面を画像パターンに応じて微少スポットの
レーザー光を走査することによりVL=−130Vの静
電潜像を形成し、交流バイアスf=2000Hz、Vp
p=1500V及び直流バイアスVDC=−450Vを、
トナーを担持した現像スリーブとの間に印加しながら、
OPC表面の静電潜像を現像して非磁性トナー像を形成
した。
【0200】形成された非磁性トナー像は導電性弾性層
を有する転写ローラーを当接圧50g/cmでOPCド
ラムに当接させた転写装置により、転写紙の裏からプラ
ス電荷をかけて転写し、さらに加熱加圧ローラー定着器
を通過させることで定着画像を得た。
【0201】尚、定着温度設定は、145℃とした。
【0202】以上の設定条件で、低温低湿(15℃/1
0%RH)環境下、及び高温高湿(32.5℃/85%
RH)環境下において、15000枚連続で耐久画出し
試験を行った。尚、トナー容器は容量を倍に改造し本体
側もカートリッジが収まるよう改造した。
【0203】この耐久試験の中で以下のように評価を行
った。結果を表2にまとめて示す。
【0204】尚、定着性は、いずれも良好であったが、
高分子量成分が多官能性重合開始剤を使用したものが耐
高温オフセット性に優れていた。
【0205】(1)画像濃度立ち上がり 各環境の耐久において、初期と100枚時にベタ黒画像
をプリントしてその画像濃度の差を以下の基準で評価し
た。
【0206】◎(優):濃度差が0.03以下 ○(良):濃度差が0.05以下 △(可):濃度差が0.1以下 ×(不可):濃度差が△のレベルに満たない
【0207】(2)耐久安定性(画像濃度,カブリ) 各環境の耐久において、1000枚毎に5mm角のベタ
黒が9個(3列3段)、全面ベタ黒、全面白の画像をプ
リントして画像濃度、カブリを測定し、以下のように評
価した。画像濃度は、“マクベス反射濃度計”(マクベ
ス社製)を用いて、原稿濃度が0.00の白地部分のプ
リント画像に対する相対濃度を測定し、下に示した基準
で評価した。カブリは“リフレクメーター”(東京電色
(株)製)を用い、あらかじめプリント前の転写紙の白
色度を測定し、白画像との白色度との差が最大となる1
点の値を測定し、耐久を通して最大の値を記録した。
【0208】画像濃度耐久安定性の基準; ◎(優):5mm角、全面ベタ黒の濃度が耐久を通して
1.4以上 ○(良):5mm角、全面ベタ黒の濃度が耐久を通して
1.35以上 △(可):耐久を通しての画像濃度が、5mm角1.3
5、全面ベタ黒1.3以上 ×(不可):画像濃度が△のレベルに満たない
【0209】(3)画質 各環境の耐久において、初期と1万枚時に文字ラインに
おける飛び散りよりもより飛び散りやすい100μm
(潜像)ラインでの格子パターン(1cm間隔)をプリ
ントし、その飛び散りとラインのシャープさを光学顕微
鏡で拡大し目視で評価した。
【0210】◎(優):ラインが非常にシャープで飛び
散りはほとんどない ○(良):わずかに飛び散っている程度でラインは比較
的シャープ △(可):飛び散りがやや多くラインがぼんやりとした
感じになる ×(不可):△のレベルに満たない
【0211】
【表2】
【0212】
【発明の効果】以上説明した様に本発明は、微粒子トナ
ー組成物中の重合体成分の分子量分布並びに低分子量成
分と高分子量成分の酸価を調整することにより、流動
性,帯電安定性の改善が可能になり、また、粉砕性が良
好で粉砕粒度がシャープとなる。更には、従来よりもよ
り低温定着化を可能とし、耐オフセット性に優れ、且つ
カブリの低減,長期耐久性を可能にする。更には、装置
の高速化に適用しても長期の帯電安定性を可能とするも
のである。
【図面の簡単な説明】
【図1】転写装置の概略を示した図である。
【図2】帯電ローラーの概略を示した図である。
【図3】実施例1に係る樹脂のGPCのクロマトグラム
のチャート図である。
【図4】本発明が使用される画像形成方法の一例を示す
概略図である。
【図5】プロセスカートリッジの一具体例を示す図であ
る。
【図6】本発明が使用される画像形成方法の一例を示す
概略図である。
【符号の説明】 1 潜像担持体(感光体) 2 転写ローラー 2a 芯金 2b 導電性弾性層 3 定電圧電源 42 帯電ローラー 704 現像スリーブ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 片田 雅一郎 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも重合体成分及び着色剤を有し
    ている組成物で形成されている静電荷像現像用トナーに
    おいて、 該組成物の重合体成分の分子量に対する酸価Av
    (a),Av(b),Av(c)及びAv(d)が下記
    条件 Av(a)>Av(b)>Av(c)>Av(d) [式中、Av(a)は分子量1.5×103未満の領域
    の成分の酸価を示し、Av(b)は分子量1.5×10
    3〜5.0×104未満の領域の成分の酸価を示し、Av
    (c)は分子量5.0×104〜5.0×105未満の領
    域の成分の酸価を示し、Av(d)は分子量5.0×1
    5以上の領域の成分の酸価を示す。]を満足している
    ことを特徴とする静電荷像現像用トナー。
  2. 【請求項2】 該トナー組成物の重合体成分が (i)実質的にTHF不溶分を含まず、 (ii)重合体成分のTHF可溶分は、GPCクロマト
    グラムにおいて、少なくとも分子量3.0×103
    3.0×104の領域にピークを有し、且つ分子量1.
    0×105〜3.0×106の領域にピーク又はショルダ
    ーを有することを特徴とする請求項1に記載の静電荷像
    現像用トナー。
  3. 【請求項3】 該トナー組成物の重合体成分全体の酸価
    が、11mgKOH/g以上30mgKOH/g以下で
    あることを特徴とする請求項1又は2に記載の静電荷像
    現像用トナー。
  4. 【請求項4】 該トナー組成物の重合体成分のTHF可
    溶分のGPCクロマトグラムにおいて、分子量3.0×
    104以上1.0×105未満の領域に極小値を有するこ
    とを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の静電
    荷像現像用トナー。
  5. 【請求項5】 該トナー組成物の重合体成分の各分子量
    領域における酸価が、下記の条件 35≧Av(a)≧21 30≧Av(b)≧15 15>Av(c)≧5.0 11≧Av(d)≧0.5 を満足することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか
    に記載の静電荷像現像用トナー。
  6. 【請求項6】 該組成物のガラス転移点(Tg)が50
    〜70℃であり、かつ該組成物の低分子量重合体のTg
    Lと高分子量重合体のTgHの関係が TgL≧TgH−5 の範囲にあることを特徴とする請求項1乃至5のいずれ
    かに記載の静電荷像現像用トナー。
  7. 【請求項7】 該組成物のTgが55〜65℃であり、
    かつ該組成物の低分子量重合体成分のTgLと高分子量
    重合体成分のTgHの関係が TgL≧TgH の範囲にあることを特徴とする請求項1乃至6のいずれ
    かに記載の静電荷像現像用トナー。
  8. 【請求項8】 該組成物の低分子量重合体成分及び高分
    子量重合体成分の双方が、少なくともスチレン系単量体
    成分ユニットを65重量%以上含有していることを特徴
    とする請求項1乃至7のいずれかに記載の静電荷像現像
    用トナー。
  9. 【請求項9】 該組成物の高分子量重合体成分が多官能
    性重合開始剤で重合された重合体を有することを特徴と
    する請求項1乃至8のいずれかに記載の静電荷像現像用
    トナー。
  10. 【請求項10】 該組成物の高分子量重合体成分が、多
    官能性重合開始剤と単官能性重合開始剤を少なくとも併
    用して重合された重合体を有することを特徴とする請求
    項1乃至9のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
  11. 【請求項11】 該トナー重合体成分のGPCクロマト
    グラムにおいて分子量100万以上を示す重合体成分の
    面積比が10%以下であることを特徴とする請求項1乃
    至10のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
  12. 【請求項12】 該帯電制御剤が、下記一般式 【化1】 で表わされることを特徴とする請求項1乃至11のいず
    れかに記載の静電荷像現像用トナー。
  13. 【請求項13】 該帯電制御剤が、下記一般式 【化2】 で表わされることを特徴とする請求項12に記載の静電
    荷像現像用トナー。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2008081587A1 (ja) * 2006-12-29 2008-07-10 Sanyo Chemical Industries, Ltd. 電子写真用トナーバインダーおよびトナー
JP2009271415A (ja) * 2008-05-09 2009-11-19 Konica Minolta Business Technologies Inc トナー供給ローラ、現像装置及び画像形成装置

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