JPH0823974A - 生体触媒固定化ゲルの製造方法 - Google Patents

生体触媒固定化ゲルの製造方法

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JPH0823974A
JPH0823974A JP16444494A JP16444494A JPH0823974A JP H0823974 A JPH0823974 A JP H0823974A JP 16444494 A JP16444494 A JP 16444494A JP 16444494 A JP16444494 A JP 16444494A JP H0823974 A JPH0823974 A JP H0823974A
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JP
Japan
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gel
biocatalyst
pva
aqueous solution
temperature
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JP16444494A
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Yoshiharu Fukunishi
義晴 福西
Toshiaki Sato
寿昭 佐藤
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Kuraray Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 シンジオタクチシチーが50%以上のポリビ
ニルアルコール(A)と生体触媒(B)を含有する水溶
液を、該水溶液のゲル化温度以下の疎水性溶剤と接触し
てゲル化させることを特徴とする生体触媒固定化ゲルの
製造方法。 【効果】 本発明の製造方法により得られた生体触媒固
定化ゲルは、耐水性が高く、かつゲルの強度が高いこと
から、バイオリアクターなどに好適に使用される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、バイオリアクターなど
に用いられる酵素および微生物などの生体触媒が固定化
されたゲルの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
【0003】近年、酵素・微生物などの生体触媒を適当
な担体に固定化して、その機能を効率よく利用する研究
が行なわれている。生体触媒を固定化する方法の一つ
に、高分子素材を用いて生体触媒をそのまま包み込む包
括固定化法があり、この方法によく用いられる高分子素
材として、寒天、アルギン酸塩、カラギーナン、ポリア
クリルアミド、ポリビニルアルコール、光硬化性樹脂等
がある。
【0004】このうち、ポリビニルアルコール(以下P
VAと略記することがある)はPVA水溶液を−5℃に
凍結後、常温で解凍することによって、優れた耐水溶
性、弾性および柔軟性を有する高含水性のゲルが得られ
(特公昭47−12854号公報)、これに酵素、微生
物などを包括させることによって、優れた固定化担体と
して利用できる。このPVAゲルは凍結・解凍を繰り返
すことによって、あるいは凍結後、真空脱水を行なうこ
とによって、従来の高分子素材には見られない、高強度
のゲルが得られる(特開昭58−47492号公報)。
【0005】また、生体触媒の固定化に用いられる高分
子素材は、それ自身、毒性がなく、生体触媒の活性に悪
影響を与えないものでなければならないが、PVA凍結
ゲルはゲル成形に於いて、全く化学薬品を使用しないた
め、生体に対する安定性が高く、しかも高含水性で多孔
質構造のため、微生物の培養、増殖に対して優れた包括
固定化担体である。
【0006】これらPVAゲルの製法としては、鋳型に
流し込み、低温でゲル化する方法(鋳型法)、成形助剤
(たとえばアルギン酸ナトリウム)を混合し、凝固液
(たとえば塩化カルシウム水溶液)と接触させることに
より、任意の形状に成形した後、PVAをゲル化させる
方法(助剤法)が考えられている。しかし、鋳型法は細
かいゲルの作製には不利であり、助剤法は機械的特性あ
るいは耐久性の低下の懸念があり、いずれの方法も一長
一短がある。工業上の実用面において、高強度の固定化
担体が容易に、かつ安価に製造可能なことが重要であ
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】かかる状況下、本発明
の目的は、簡便な設備でPVA水溶液を効率的にゲル化
させることにより、経済性および耐久性に優れたPVA
系生体触媒固定化ゲルを製造することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意検討した結果、以下(1)〜
(3)の発明、該発明は簡便に機械的特性および耐久性
に優れる生体触媒固定化ゲルを製造できることを見出
し、本発明を完成させるに至った。 (1)シンジオタクチシチーが50%以上のポリビニル
アルコール(A)と生体触媒(B)を含有する水溶液
を、該水溶液のゲル化温度以下の疎水性溶剤と接触して
ゲル化させることを特徴とする生体触媒固定化ゲルの製
造方法。 (2)シンジオタクチシチーが55%以上のポリビニル
アルコール(A)と生体触媒(B)を含有する水溶液
を、該水溶液のゲル化温度以下の疎水性溶剤と接触して
ゲル化させた後、凍結させることを特徴とする生体触媒
固定化ゲルの製造方法。 (3)シンジオタクチシチーが55%以上のポリビニル
アルコール(A)と生体触媒(B)を含有する水溶液
を、−5℃以下の疎水性溶剤と接触して凍結とゲル化を
行なうことを特徴とする生体触媒固定化ゲルの製造方
法。
【0009】以下本発明をさらに詳しく説明する。本発
明のゲルの製造方法は、生体触媒を含有するPVA水溶
液と疎水性溶剤との液−液相分離を利用して成形および
ゲル化を行うものであり、従来の鋳型法や助剤法とは基
本的に異なり、煩雑な操作を必要とせず、簡易な設備で
生体触媒固定ゲルを大量に作製するのに適した方法であ
る。
【0010】本発明で用いられるPVA(A)の分子量
は、ゲルの機械的特性、耐久性および成形加工性に影響
を与えることから重要であり、PVAを完全にけん化し
た後、酢化して得られたポリ酢酸ビニルのアセトン中3
0℃で測定した極限粘度で表して0.3〜7.0dl/
gが好ましく、0.4〜6.0dl/gがより好まし
く、0.5〜5.0dl/gがさらにより好ましい。極
限粘度が0.3dl/g未満の場合にはゲルの機械的特
性、耐久性に劣り、極限粘度が7.0dl/gより大の
場合には成形加工性に劣る。
【0011】本発明のPVA(A)のけん化度は特に制
限はないが、機械的特性の向上のためには、95モル%
以上が好ましく、99モル%以上がより好ましく、9
9.9モル%以上がさらにより好ましい。
【0012】本発明に使用するPVA(A)の立体規則
性は、ゲルの生産性、機械的特性および耐久性を向上す
る上で重要であり、シンジオタクチシチーの高い方がよ
り好ましい。具体的には、ダイアッド表示によるシンジ
オタクチシチーで50%以上が好ましく、55%以上が
より好ましく、60%以上がさらにより好ましい。な
お、ここでいうシンジオタクチシチーは、PVAを重水
素化ジメチルスルホキシドに溶解し、プロトンNMR測
定における水酸基のピーク(T.Moritani e
t al.,Macromolecules,5,57
7,(1972).)より求めたダイアッド表示による
シンジオタクチシチーである。
【0013】本発明のPVA(A)は、本発明の効果を
損なわない範囲であれば、ビニルアルコール単位および
ビニルエステル単位以外の単位を含有していても良い。
このような単位としては、エチレン、プロピレン、1−
ブテン、イソブテン等のオレフィン類;アクリル酸およ
びその塩;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アク
リル酸n−プロピル、アクリル酸i−プロピル等のアク
リル酸エステル類;メタクリル酸およびその塩;メタク
リル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−
プロピル、メタクリル酸i−プロピル等のメタクリル酸
エステル類;アクリルアミド;N−メチルアクリルアミ
ド、N−エチルアクリルアミド等のアクリルアミド誘導
体;メタクリルアミド;N−メチルメタクリルアミド、
N−エチルメタクリルアミド等のメタクリルアミド誘導
体;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n
−プロピルビニルエーテル、i−プロピルビニルエーテ
ル等のビニルエーテル類;アクリロニトリル、メタクリ
ロニトリル等のニトリル類;塩化ビニル、塩化ビニリデ
ン、フツ化ビニル、フツ化ビニリデン等のハロゲン化ビ
ニル類;酢酸アリル、塩化アリル等のアリル化合物;マ
レイン酸、その塩またはそのエステル;イタコン酸、そ
の塩またはそのエステル;ビニルトリメトキシシラン等
のビニルシリル化合物;酢酸イソプロペニル等が挙げら
れる。これらの単位の含有量としては、10モル%以下
が好ましく、5モル%以下がさらに好ましく、3モル%
以下がさらにより好ましい。
【0014】本発明のPVA(A)の製法は特に限定さ
れないが、たとえば酢酸ビニルを原料とした従来公知の
方法、あるいは特開平3−121102号公報に記載さ
れた方法(ビニルエステルを重合した後、酸素不存在下
でアルカリ触媒下にけん化する方法)により製造され
る。
【0015】本発明において使用される生体触媒(B)
は、特に制限なく、いかなる微生物および酵素も本発明
により固定され得る。微生物の代表例を挙げるならば、
アスペルギルス(Aspergillus)属、リゾプ
ス(Rhizopus)属等のかび類;シュードモナス
(Pseudomonas)属、アセトバクター(As
etobactor)属、ストレプトマイセス(Str
eptomyces)属、エシエリシア(Escher
ichia)属等の細菌;サッカロマイセス(Sacc
haromyces)属、キャンディダ(Chandi
da)属等の酵母を挙げることができる。また、酵素の
代表例を挙げるならば、ラクテートヒドロゲナーゼ
(1.1.2.3)、ラクテートオキシダーゼ(1.
1.3.2)、グルコースオキシダーゼ(1.1.3.
4)、ホルメートデヒドロゲナーゼ(1.2.1.
2)、アルデヒドデヒドロゲナーゼ(1.2.1.
3)、アルデヒドオキシダーゼ(1.2.3.1)、キ
サンチンオキシダーゼ(1.2.3.2)、ピルビン酸
オキシダーゼ(1.2.3.3)、ピルビン酸リダクタ
ーゼ(1.2.4.1)、コルチゾン−α−リダクター
ゼ(1.3.1.4)、アシルCoA−デヒドロゲナー
ゼ(13.99.3)、3−ケトステロイド△↑1−デ
ヒドロゲナーゼ(1.3.99.4)、3−ケトステロ
イド△↑4−デヒドロゲナーゼ(1.3.99.5)、
L−アラニンデヒドロゲナーゼ(1.4.1.1)、L
−グルタミン酸デヒドロゲナーゼ(1.4.1.3)、
L−アミノ酸オキシダーゼ(1.4.3.2)、D−ア
ミノ酸オキシダーゼ(1.4.3.3)、ピリドキサル
リン酸オキシダーゼ(1.4.3.5)、カタラーゼ
(1.11.1.6)、カテコールメチルトランスフェ
ラーゼ(2.1.1.6)、カルニチンアセチルトラン
スフェラーゼ(2.3.1.7)、アセチルCoAアセ
チルトランスフェラーゼ(2.3.1.9)、アスペル
テートアミノトランスフェラーゼ(2.6.1.1)、
アラニンアミノトランスフェラーゼ(2.6.1.
2)、ピリドキサミンピルベートトランスフェラーゼ
(2.6.1)、ヘキソキナーゼ(2.7.11)、グ
ルコキナーゼ(2.7.1.2)、フルクトキナーゼ
(2.7.1.4)、ホスホグルコキナーゼ(2.7.
1.10)、ホスホフルクトキナーゼ(2.7.1.1
1)、ピルベートキナーゼ(2.7.1.40)、カル
ボキシエステラーゼ(3.1.1.1)、アリールエス
テラーゼ(3.1.1.2)、リパーゼ(3.1.1.
3)、ホスホリパーゼA(3.1.1.4)、アセチル
エステラーゼ(3.1.1.6)、コレステロールエス
テラーゼ(3.1.1.13)、グルコアミラーゼ
(3.2.1.3)、セルラーゼ(3.2.1.4)、
イヌラーゼ(3.2.1.7)、α−グルコシダーゼ
(3.2.1.20)、β−グルコシダーゼ(3.2.
1.21)、α−ガラクトシダーゼ(3.2.1.2
2)、β−ガラクトシダーゼ(3.2.1.23)、イ
ンベルターゼ(3.2.1.26)、ペプシン(3.
4.4.1)、トリプシン(3.4.4.4)、キモト
リプシンA(3.4.4.5)、カラプシンA(3.
4)、パパイン(3.4.4.40)、トロンビン
(3.4.4.13)、アミダーゼ(3.5.1.
4)、ウレアーゼ(3.5.1.5)、ペニシリンアシ
ダーゼ(3.5.1.11)、アミノアシラーゼ(3.
5.1.14)、アデニンデアミナーゼ(3.5.4.
2),A.T.P.アーゼ(3.6.1.3)、ピルベ
ートデカルボキシラーゼ(4.1.1.1)、オキザレ
ートデカルボキシラーゼ(4.1.1.2)、トリプト
ファンデカルボキシラーゼ(4.1.1.27)、アル
ドラーゼ(4.1.2.13)、マレトトシュダーゼ
(4.1.3.2)、トリプトファンシンターゼ(4.
2.1.20)、アスベルターゼ(4.3.1.1)、
リジンラセマーゼ(5.1.1.5)、グルコース−6
−リン酸イソメラーゼ(5.3.1.9)、ステロイド
△−イソメラーゼ(5.3.3.1)、マクシニルCo
Aシンセターゼ(6.2.1.5)、:(註)カッコ内
の数字は酵素番号を表す;などが挙げられる。
【0016】本発明のPVA(A)と生体触媒(B)の
配合割合は、ゲルの機械的特性、耐久性および生体触媒
の活性の観点から重要であり、通常(A)/(B)の重
量比で1/10〜100/1であり、好ましくは1/1
〜10/1である。この重量比が1/10より小さい時
にはゲルの機械的特性、耐久性が低下し、100/1よ
り大きい時にはゲルの活性が低下する。また、PVA
(A)の濃度は用いるPVAの分子量に応じて適宜選択
される。
【0017】本発明で使用する疎水性溶剤は、実質的に
上記のPVA(A)と生体触媒(B)を含有する水溶液
と混ざり合わないものであり、PVA水溶液のゲル化温
度においても充分な流動性を有するものである。このよ
うな溶剤としては有機溶剤、無機溶剤ともに使用可能で
あり、例えば、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタ
ン、オクタン、ノナン、デカン、シクロペンタン、シク
ロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、デカヒ
ドロナフタレン等の飽和脂肪族炭化水素;ブテン、ブタ
ジエン、ペンテン、ペンタジエン、ヘキセン、ヘキサジ
エン、ヘプテン、ヘプタジエン、オクテン、オクタジエ
ン、シクロペンテン、シクロペンタジエン、シクロヘキ
セン、シクロヘキサジエン、シクロヘプテン、シクロオ
クタテトラエン等の不飽和脂肪族炭化水素;ベンゼン、
トルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレ
ン、メシチレン、クメン、o−シメン、m−シメン,p
−シメン、スチレン等の芳香族炭化水素;フタル酸ジメ
チル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジイソブチル、フタ
ル酸ジブチル、フタル酸ジヘプチル、フタル酸ジ(2−
エチルヘキシル)、フタル酸ジイソオクチル、フタル酸
ジオクチル、フタル酸ジノニル、フタル酸ジイソデシ
ル、フタル酸ジウンデシル、フタル酸ジトリデシル、フ
タル酸ジシクロヘキシル、フタル酸ブチルベンジル、フ
タル酸ブチルラウリル等のフタル酸エステル;コハク酸
ジオクチル、コハク酸ジイソデシル、アジピン酸ジイソ
オクチル、アジピン酸ジイソデシル、アゼライン酸ジオ
クチル、セバシン酸ジブチル、セバシン酸ジオクチル、
テトラヒドロフタル酸ジオクチル等の脂肪族二塩基酸エ
ステル;トリメリット酸トリオクチル、ジエチレングリ
コールジベンゾエート、オキシ安息香酸オクチル等の芳
香族カルボン酸エステル;リン酸トリブチル、リン酸ト
リオクチル、リン酸トリクレジル、リン酸トリフェニ
ル、リン酸トリクロルエチル、リン酸クレジルジフェニ
ル等のリン酸エステル;エチルエーテル、エチルフェニ
ルエーテル、ジフェニルエーテル等のエーテル;流動パ
ラフィン;シリコーン油等を挙げることができる。これ
らの疎水性溶剤は単独あるいは複数を混合して用いられ
る。
【0018】本発明の疎水性溶剤の温度は、通常、該溶
剤の融点以上でかつ上記のPVA(A)と生体触媒
(B)を含有する水溶液のゲル化温度以下で用いられ
る。このようにして製造されたゲルは、さらに凍結処
理、ほう酸処理等の不溶化処理を行うことが好ましい。
そのなかでも、疎水性溶剤中でゲル化と同時あるいはゲ
ル化に引き続いて水溶液を凍結することが工程上好まし
い。このためには、疎水性溶剤の温度は−5℃以下が好
ましく、−10℃以下がより好ましい。
【0019】本発明において、PVA(A)と生体触媒
(B)を含有する水溶液を、該水溶液のゲル化温度以下
の疎水性溶剤と接触させる方法については特に制限はな
いが、具体例としては、該水溶液を疎水性溶剤上部から
疎水性溶剤に滴下する方法、該水溶液を疎水性溶剤中に
吐出する方法が挙げられる。この時、該水溶液が効率よ
くゲル化できるように疎水性溶剤を撹拌することも差し
支えない。
【0020】本発明において、上記疏水性溶剤に必要に
応じて成形助剤を添加することは差し支えない。成形助
剤としてはホウ酸、硫酸ナトリウム、塩化カルシウム等
の各種無機物および無機塩、あるいはアルギン酸ナトリ
ウム等の有機物等が挙げられる。
【0021】本発明で得られたゲルは、必要に応じて水
洗等の疎水性溶剤の除去操作を施して用いられる。
【0022】本発明の生体触媒固定化ゲルの形状は球
状、円盤状、シート状、管状、繊維状、サイコロ状など
任意の形状でよいが、特に球状のゲルを容易に作成でき
ることが本発明の特徴である。
【0023】本発明の生体触媒固定化用ゲルは、各種の
形式の反応槽において、長期間にわたって変形・損壊し
ない強度を有し、水や各種薬液に対しても侵されること
なく、連続運転が可能となり、生体触媒固定化成形物と
しての実用性が発現する。
【0024】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに具体的に
説明するが、本発明はこれらの実施例により、なんら限
定されるものではない。
【0025】実施例1 ポリピバリン酸ビニルをけん化してシンジオタクチシチ
ー61%、けん化度99.9モル%、極限粘度(完全け
ん化後アセチル化して得たポリ酢酸ビニルのアセトン中
30℃での値)0.79dl/gであるPVAを得た。
このPVAを40℃の温水で約1時間洗浄後、PVA濃
度6wt%になるようにPVAに水を加え全量を400
gにしてpH7に調整した。これをオートクレーブで1
20℃で90分処理して、PVAを溶解した後、40℃
まで冷却し、株式会社クラレ岡山工場(岡山県岡山市海
岸通り1丁目2番1号)の排水処理槽より採取し、濃縮
操作を施して得られた活性汚泥菌(濃度MLSS 80
000mg/l)を200g加え、40℃で十分に撹拌
した。これらの混合液を先端に内径0.8mmの注射針
を取り付けた内径2mmφのビニル管1本を使用したロ
ーラーポンプで1ml/分で送液し、スターラーで撹拌
した−20℃のデカヒドロナフタレンに液表面5cmの
高さより滴下した。滴下した液滴は、球状に凍結した。
凍結球状ゲルをそのまま−20℃で24時間凍結保持
し、室温で解凍した後に蒸留水で軽く洗浄して不透明な
褐色の柔軟性に富んだゲルを得た。このゲルは球状で、
粒子径3〜3.5mmφで、粘着性のない弾力性のある
ゲルであった。ゲルの耐久性をみるために水中へのPV
Aの溶出量を測定した。ゲル30gに対して水300g
を加え、30℃にて7日間撹拌した。このときのPVA
の溶出量はゲル1kgあたり0.5gであった。さら
に、このゲルを取り出して軽く水洗後、液切りをして、
あらたに水300gを加えて、30℃にて7日間撹拌し
た。このときのPVAの溶出量はゲル1kgあたり0.
0gであり、PVAの溶出量は非常に少なかった。
【0026】実施例2 実施例1において混合水溶液を−20℃のデカヒドロナ
フタレンに滴下して球状に凍結したことに代えて、5℃
のヘキサンに滴下してゲル化させた後、−20℃で24
時間凍結したこと以外は実施例1と同様にしてゲルを得
た。得られたゲルは球状で、粒子径3〜3.5mmφ
で、粘着性のない弾力性のあるゲルであった。また、実
施例1と同様にして、水300gを加えて、30℃にて
7日間撹拌した。このときの最初の7日間、次の7日間
のPVAの溶出量はゲル1kgあたりそれぞれ2.0
g、0.1gと少なかった。
【0027】比較例1 ポリ酢酸ビニルをけん化して得られたシンジオタクチシ
チー53%、けん化度99.9モル%、極限粘度(完全
けん化後アセチル化して得たポリ酢酸ビニルのアセトン
中30℃での値)0.79dl/gであるPVAを40
℃の温水で約1時間洗浄後、PVA濃度15wt%にな
るようにPVAに水を加え全量を400gにしてpH7
に調整した。これをオートクレーブで120℃で90分
処理して、PVAを溶解した後、40℃まで冷却し、株
式会社クラレ岡山工場(岡山県岡山市海岸通り1丁目2
番1号)の排水処理槽より採取し、濃縮操作を施して得
られた活性汚泥菌(濃度MLSS 80000mg/
l)を200g加え、40℃で十分に撹拌した。これら
の混合液を先端に内径0.8mmの注射針を取り付けた
内径2mmφのビニル管1本を使用したローラーポンプ
で1ml/分で送液し、スターラーで撹拌した20℃の
飽和ホウ酸水溶液に液表面5cmの高さより滴下した。
滴下した液滴は、滴下後直ちに楕円状にゲル化し、弾力
性は低かった。また、実施例1と同様にして、水300
gを加えて、30℃にて7日間撹拌した。このときの最
初の7日間、次の7日間のPVAの溶出量はゲル1kg
あたりそれぞれ15.0g、5.0gと多かった。
【0028】
【発明の効果】本発明の製造方法により得られた生体触
媒固定化ゲルは、耐水性が高く、かつゲルの強度が高い
ことから、バイオリアクターなどに好適に使用される。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シンジオタクチシチーが50%以上のポ
    リビニルアルコール(A)と生体触媒(B)を含有する
    水溶液を、該水溶液のゲル化温度以下の疎水性溶剤と接
    触してゲル化させることを特徴とする生体触媒固定化ゲ
    ルの製造方法。
  2. 【請求項2】 シンジオタクチシチーが55%以上のポ
    リビニルアルコール(A)と生体触媒(B)を含有する
    水溶液を、該水溶液のゲル化温度以下の疎水性溶剤と接
    触してゲル化させた後、凍結させることを特徴とする生
    体触媒固定化ゲルの製造方法。
  3. 【請求項3】 シンジオタクチシチーが55%以上のポ
    リビニルアルコール(A)と生体触媒(B)を含有する
    水溶液を、−5℃以下の疎水性溶剤と接触して凍結とゲ
    ル化を行なうことを特徴とする生体触媒固定化ゲルの製
    造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004058423A1 (ja) * 2002-12-26 2004-07-15 Kowa Co., Ltd. 焼却灰中の重金属除去方法
JP2005289931A (ja) * 2004-04-02 2005-10-20 Tokai Univ 中空状物品
CN100340663C (zh) * 2004-08-06 2007-10-03 天津大学 固定化纤维素酶的聚乙烯醇纳米超细纤维膜及其制备方法

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