JP2005289931A - 中空状物品 - Google Patents

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Abstract

【課題】 生体利用に用いることのできるアクチュエータとして使用可能な中空状物品を提供すること。
【解決手段】 本発明の中空状物品は、中空体の内面に特定の物質と反応して気体を発生する感応膜が形成され、発生した気体を排出するための排出口が設けられてなる。また、本発明の中空状物品は、先端部が閉じた中空形状をなし、その中空部の内面に、特定の物質と反応して気体を発生する感応膜が形成されてなる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、特定の物質と反応して運動体として機能する中空状物品に関する。更に詳細には、生体内の特定物質濃度に応じて駆動することにより、ドラッグデリバリーシステム(DDS)等の医療用途に用いることができるアクチュエータとして使用することのできる中空状物品に関する。
近年、半導体加工技術を利用した微小の機械電気システムであるマイクロマシンや、Micro Electro Mechanical System(MEMS)の研究が活発に進められている(例えば、非特許文献1)。特に、運動機能を有するマイクロマシンの開発が進められており、医学の分野や超空間(真空、高圧、高温、抗放射線、宇宙、深海等の環境)を対象とした分野への応用が検討されている。マイクロマシンには自由に回転、移動、変形することのできるマイクロメカニズム(微小機構)が搭載されており、マイクロメカニズムは、マイクロメカニズムを動かすためのマイクロアクチュエータ(微小駆動源)を有している。
マイクロアクチュエータに用いられる駆動原理には静電引力、圧電素子、形状記憶合金の相変態、熱膨張率の差を利用したものが知られている(例えば、特許文献1及び特許文献2等)。
一方、生体には、ナノ分子であるタンパク質がエネルギーの供給や変換機構に直接働いていることが知られている(非特許文献2等)。例えば、筋肉はアクチン及びミオチンという2種類のタンパク質が相互作用して動作し、体内に存在するATPをエネルギー物質とすることが知られている。また、生体触媒には、常温、常圧環境下で基質との触媒反応に伴い、体積変化を伴うものが存在しており、この反応機構を利用することにより化学エネルギーから機械的駆動力を直接産生すると考えられている(非特許文献3及び4)。
従来より知られているアクチュエータは、電気や熱エネルギーを機械的駆動力に変換して利用することから、エネルギー供給や運動制御、低いエネルギー効率等の問題がある。
従って、ドラッグデリバリーシステム(DDS)や人工臓器、人工筋肉等の生体利用に用いる場合には、生体適合性やエネルギーの供給の点において問題がある。
特開平11−169393号公報 特開平11−169394号公報 マイクロマシン開発ノートブック、株式会社秀潤社1991年3月1日発行、7〜26頁 ポンプとトランスポーター、共立出版株式会社2000年6月20日発行、1〜17頁 アクチュエータ革命、株式会社工業調査会1987年6月15日発行 Theodore T. Sand et al., Biosencors and Bioelectronics 18 (2003) 797-804
従って、本発明の目的は、生体利用に用いることのできるアクチュエータとして使用可能な中空状物品を提供することにある。
本発明者らは鋭意検討した結果、特定の物質と反応して気体を発生し、体積変化を伴う触媒反応を利用することにより、特定物質の濃度に応じて気体を発生する中空状物品が得られ、この中空状物品が液体中で移動可能なものであることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、中空体の内面に特定の物質と反応して気体を発生する感応膜が形成され、発生した気体を排出するための排出口が設けられてなる中空状物品を提供するものである。
また、本発明は、先端部が閉じた中空形状をなし、その中空部の内面に、特定の物質と反応して気体を発生する感応膜が形成されてなる中空状物品を提供するものである。
上記感応膜は、透析膜上に、1種以上の触媒を含有する樹脂層を積層させてなる触媒固定化膜であることが好ましい。
また、上記触媒固定化膜は、1種以上の触媒を含有する水溶性感光性樹脂を硬化させて形成されたものであってもよい。
上記触媒は生体触媒であることが好ましく、生体触媒としては、例えば酵素、微生物等が挙げられる。酵素としては、カタラーゼ、カタラーゼとグルコースオキシダーゼとの混合物、カルボニックアンヒドラーゼが挙げられる。
また、本発明は、上記中空状物品をアクチュエータ素子として用いた、ドラッグデリバリーシステム、人工筋肉、人工臓器又は有機系ヒューマノイド・ロボットの駆動装置を提供するものである。
本発明の中空状物品は、液体中で、特定の物質を電気や熱などに変換することなく直接運動エネルギーに変換することができるので、電気を供給できない場合や熱の発生が問題となる場合にも問題がなく動力源として利用できる。従って、本発明の中空状物品は、アクチュエータ素子として用いることができ、ドラッグデリバリーシステム、人工筋肉、人工臓器又は有機系ヒューマノイド・ロボットの駆動装置として用いることができる。
以下、本発明の中空状物品について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1に、本発明の一実施の形態に係る中空状物品の構成の断面図を示す。
図1に示すように、本実施形態に係る中空状物品10は、中空体である第1の管状体12の先端部がストップ栓14で閉じられ、中空形状をなしている。また、第1の管状体12の内部には、第2の管状体16が配置されている。第2の管状体16は、ストップ栓18が配置されている先端部と反対側の先端部が収縮され、その断面積は先端部においては小さくなるように形成され、排出口22となっている。
中空状物品10の先端部は、ストップ栓14が挿入され、このストップ栓14が挿入された部分がリング18で固定され、閉じられた構成となっている。すなわち、一端解放の形状となされている。また、ストップ栓14が挿入された側と反対側の先端部においては、第1の管状体12と第2の管状体16とが密着するように、リング20で固定されている。
図1に示す中空状物品においては、第1の管状体は透析チューブであり、その内面に、特定の物質と反応して気体を発生する感応膜が形成されている。図1に示す中空状物品においては、第1の管状体は透析チューブで形成されているが、第1の管状体の材料としては、透析チューブに限定されず、後述するものであってもよい。
本発明の中空状物品に用いられる感応膜としては、1種以上の触媒を含有する樹脂層が積層されてなる触媒固定化膜が挙げられる。触媒反応には体積変化を伴うものがあり、特に、触媒反応によって反応後に気体を発生させる触媒を用いることができる。
触媒としては生体触媒が好ましく用いられる。生体触媒は、立体選択性等の高選択性を有する、反応条件が常温・常圧・中性であるため特別な環境を必要とせず周りに負荷をかけない、生体反応なので水や空気に強いこと等の利点があり、特に本発明の中空状物品を生体内で用いる場合には好適である。具体的には、酵素、微生物が挙げられる。
本発明において用いられる酵素としては、具体的には、カタラーゼ(EC1.11.1.6)が挙げられる。下記式に示すようにカタラーゼは、過酸化水素が存在すると触媒反応により過酸化水素を水及び酸素に分解する。
2H → 2HO + O
カタラーゼ
上記反応で発生する酸素によって、図1に示す中空状物品10の内部に酸素が発生し、この酸素が排出口22から排出される。図1に示す中空状物品を、例えば、過酸化水素を含む液体中に入れると、第1の管状体の内面に形成された感応膜中のカタラーゼが過酸化水素と反応し、排出口22から酸素が排出され、この噴出力により液体中で中空状物品10が移動することになる。
なお、本発明において用いられるカタラーゼとしては、上記触媒反応によって過酸化水素を水及び酸素に分解することのできるものであればいずれでもよく、例えば天然物(人やその他の動植物の生体試料等)から抽出、分離、生成したもの、遺伝子組換えによって得られた、カタラーゼをコードする遺伝子を組み込んだDNAによって、大腸菌、酵母、動物細胞等の宿主を形質転換して得た形質転換体から産生せしめ単離精製したものであってもよい。
本発明の中空状物品における、感応膜の作製方法としては、例えば、触媒と光架橋性樹脂との混合液を透析膜上に塗布した後、光照射を行って光架橋性樹脂を硬化させることにより2層構成の感応膜を作製する方法が挙げられる。光架橋性樹脂としては、スチルバゾリウム化ポリビニルアルコール(PVA−SbQ)、ポリケイ皮酸ビニル、キトサンゲル等の水溶性感光性樹脂が好ましい。
本発明においては、用いられる触媒の種類は1種であっても複数であってもよい。例えば、2種類の触媒を用いる場合は、触媒を混合して1つの層内に固定してもよく、あるいはそれぞれの触媒を固定した層を積層して2層構成にしてもよい。例えば、触媒としてカタラーゼ及びグルコースオキシダーゼの混合物を用いる場合、第1の管状体12の内面に、カタラーゼを含有する樹脂層と、グルコースオキシダーゼを含有する樹脂層とを積層させて構成してもよい。また、カタラーゼとグルコースオキシダーゼとの混合物を含有する樹脂層を第1の管状体12の内面に積層させて構成してもよい。
本発明の中空状物品における、第1の管状体12の形状としては、特に限定されるものではなく、図1に示すような筒状形状であってもよく、箱型、円錐型等、用途に合わせて変更することができる。ただし、中空状物品の移動力を考慮した場合、細長い形状のものが好ましい。
また、第1の管状体12の材質については、有機材料、無機材料、あるいは複合材料であってもよく、特に限定されない。例えば、ガラス、金属、プラスチック、セラミックス等用途に合わせて選択することが好ましい。ただし、温度等による容積の変化率が少ない材質であることが好ましい。
次に、第2の管状体16について説明する。第2の管状体16は、例えば、第1の管状体12を透析チューブで形成した場合に、中空状物品10の形態を維持するために用いることが好ましい。図1に示す中空状物品10においては、第2の管状体16の先端部が収縮され、その断面積が先端部において小さくなるようになっている。このように、第2の管状体16の先端部の断面積が小さくなっているため、上述したように、感応膜から気体が発生し、中空状物品10が移動する時の、移動効率、すなわち運動速度を向上させることができる。
第2の管状体16の材質については、有機材料、無機材料、あるいは複合材料であってもよく、特に限定されない。例えば、ガラス、金属、プラスチック、セラミックス等用途に合わせて選択することが好ましい。ただし、温度等による容積の変化率が少ない材質であることが好ましい。
図1に示す中空状物品10においては、第1の管状体の先端部がストップ栓14で閉じられ、閉じられている部分はリング18で固定されている。このリング18は、中空状物品10の閉じられた側(すなわち、排出口22が設けられている側と反対側)から、感応膜で発生した気体が排出されないようにするために使用されている。リング18の形状、材質は特に限定されない。例えば、ビニールチューブ、バネを使った止め具、シリコーン製のリング、ゴムリング等が挙げられる。また、止め輪の替わりに、接着剤等を用いて、第1の管状体12とストップ栓14とを固定してもよい。
本発明の中空状物品は、用いられる感応膜及び第1及び第2の管状体を適宜設計することにより、特定物質の濃度に応じた移動速度を得ることができる。
触媒として、カタラーゼを用いた場合の具体例について説明する。感応膜の作製は、第1の管状体としての透析膜上にカタラーゼと光架橋性樹脂との混合液を塗布して乾燥させた後、光照射を行い光架橋性樹脂を硬化させる方法を用いることができる。透析膜の膜厚は特に限定されないが、強度等を考慮して10〜30μmの範囲内が好ましい。また、透析膜のポアサイズについても特に限定されないが、2×10−3〜5×10−3μmの範囲が好ましい。カタラーゼと光架橋性樹脂との混合割合については、用いられるカタラーゼの比活性や光架橋性樹脂の種類によって適宜変更されるが、例えば、光架橋性樹脂としてPVA−SbQを用いる場合には、カタラーゼとPVA−SbQとの混合割合は、質量比で1:50〜1:1000の範囲内であることが好ましい。カタラーゼの量が少ないと感応膜の過酸化水素に対する反応性が低くすぎて、充分な移動速度が得られない場合がある。逆に、カタラーゼの量が多すぎると、透析膜の表面上から酵素と光架橋性樹脂との混合物が剥離しやすくなる場合がある。
上記の中空状物品は、過酸化水素の存在下で、過酸化水素と感応膜中に固定化されているカタラーゼとの反応により排出口22から気体(酸素)を排出する。排出口22から排出される気体の噴射により、中空状物品が液体中で移動することが可能となる。
また、液体中の過酸化水素濃度を変化させることにより、過酸化水素の濃度に応じた運動速度を得ることができる。また、液体中の過酸化水素濃度に濃度交配を形成させることによって、運動方向を制御することも可能となる。
また、本発明において、2種類の触媒を用いる例としては、カタラーゼとグルコースオキシダーゼ(EC1.1.3.4)を用いる中空状物品が挙げられる。
この場合、中空体である第1の管状体の内面に形成される感応膜として、カタラーゼとグルコースオキシダーゼとを含有する感応膜を用いることができる。具体的には、第一の触媒としてグルコースオキシダーゼと光架橋性樹脂とリン酸緩衝液とを混合した液を透析膜上に塗布し、乾燥させた後、光照射を行うことで第一の触媒固定化層を形成させ、次に、第二の触媒としてカタラーゼと光架橋性樹脂とリン酸緩衝液等の緩衝液(この緩衝液のpHはカタラーゼ及びグルコースオキシダーゼの至適pHに近いものを用いることが好ましい)とを混合した液を、先に形成した第一の触媒固定化層の上に塗布し、乾燥させた後、光照射を行うことで第二の触媒固定化層を形成させ、透析膜/第一触媒固定化層/第二触媒固定化層の構成を有する感応膜が挙げられる。また、上述したように、第一の触媒固定化層を形成させた後に第二の触媒層を形成することは必ずしも必要ではなく、カタラーゼ及びグルコースオキシダーゼを混合して触媒固定化層を形成させてもよい。
この感応膜を用いた場合は、下記式に示すような2段階の反応により、グルコース存在下で圧力エネルギーを得ることができる。
グルコース + O → H + グルクロン酸
グルコースオキシダーゼ
2H → HO + O
カタラーゼ
このように、カタラーゼとグルコースオキシダーゼとを組み合わせて用いることにより、生体のエネルギー源であるグルコースをエネルギー源とする、液体中で移動可能な中空状物品を得ることができる。
本発明の中空状物品を製造する際に用いられる生体触媒としては、上述した酵素の他に、微生物を用いることができる。このような微生物としては、例えば酵母(Saccharomyces cerevisiae)等の酵母、ブドウ球菌、緑膿菌、大腸菌、エンテロバクター、プロテウス等の細菌等が挙げられる。
生体触媒として微生物を用いる中空状物品の製造方法についても、上述した、酵素を用いて中空状物品を製造する場合と同様に実施することができる。
なお、酵素としてカルボニックアンヒドラーゼを用いた場合、上述したような過酸化水素に代えて炭酸水素イオンを用いることにより、二酸化炭素を生成させることが可能となり、この二酸化炭素が排出口から排出され、これによって中空状物品が液体中で移動可能となる。
また、本発明の中空状物品は、液体中で、特定の物質を電気や熱などに変換することなく直接運動エネルギーに変換することができるので、電気を供給できない場合や熱の発生が問題となる場合にも問題がなく動力源として利用できる。また運動エネルギーを発生する機構が極めて簡単であることから、医療用運動体(ドラッグデリバリーシステム)や人工臓器、人工筋肉への応用が可能である。例えば、生体内の化学物質であるグルコース等をエネルギー源として直接駆動したり、疾病患部(例えば、腫瘍)に形成される物質を認識して運動する医療用運動体に利用できる。
その他、クロマトグラフィー用微量ポンプ、マイクロダイヤリシス用微量ポンプ等に利用可能である。また、化学物質を認識し、その濃度に応じて機械スイッチを押すことのできる化学スイッチ;金魚飼育用水槽への酸素供給装置、登山、運動時等に酸素ガスを供給する酸素供給装置;燃料電池の高出力化を図るための高濃度の酸素を供給するための燃料電池用酸素供給装置;液柱等のエアーレーションによる美術効果ディスプレイのガス供給源に使用する体積増加による形状変形するエアーディスプレー、例えば、人工ハンドによる把持、樹脂性の中空レンズにおける曲率変化、エアーリフト、プレス機器、エアーバック;ランタンやフィゴに用いる、エネルギーとしての酸素供給;飲料中の外部からのガス注入等に用いることができる。
また、本発明の中空状物品は、アクチュエータ素子として用いることができ、ドラッグデリバリーシステム、人工筋肉、人工臓器又は有機系ヒューマノイド・ロボットの駆動装置として用いることができる。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明する。なお、本発明の範囲は、かかる実施例に限定されないことはいうまでもない。
実施例1
図1に示す中空状物品を作成した。図1に示す中空状物品は、直径が4.0mmであり、長さが48mmの大きさである。
透析チューブ(Spectra/Pormolecular porous membrane tubling:φ3.8, molecular weight:15000/Spectram)の一端にプラスチック製のストップ栓を挿入し、シリコンリングで固定し、透析チューブの先端部を閉じるように形成した。
これとは別に、ポリオレフィン製の熱収縮管(内径:2.1mm)を4.2cmの長さに切断し、この熱収縮管の一端を収縮し、排出口とした。排出口が形成された熱収縮管を上述の透析チューブの中に、排出口と反対側の方向から挿入した。
次に、透析チューブの内面に感応膜を形成した。触媒としてカタラーゼ(EC1.11.1.6、比活性:65000U/mg)を用い、このカタラーゼと光架橋性樹脂であるスチルバゾリウム化ポリビニルアルコール(PVA−SbQ)とを質量比1:1で混合した液を上記透析チューブの内面に塗布し、暗室で1時間乾燥させた。その後、2時間の蛍光照射を行うことで触媒固定化層を形成させ、透析膜と触媒固定化層とからなる感応膜を作製した。触媒固定化層の膜厚は3.0μmであった。次いで、透析チューブと熱収縮管とを、排出口側にリングをかけることにより固定し、中空状物品を得た。
角型シャーレ内に、種々の濃度の過酸化水素(80ml)を入れ、上述のようにして得られた中空状物品を浸した。中空状物品は、過酸化水素水の中で、固定化膜中のカタラーゼが過酸化水素を酸素に分解し、排出口から連続的に酸素を排出し、浮泳運動をした。過酸化水素その反応動作をビデオカメラにて撮影した。次いで、ビデオカメラで撮影した画像をコンピュータにて取り込み、映像をi−movie(Apple社製、マッキントッシュ用付属ソフト)で画像解析を行い、運動速度の評価を行った。
評価結果を図2に示す。図2は、過酸化水素濃度と運動速度との関係を表すグラフである。図2において、横軸は過酸化水素濃度であり、縦軸は運動速度である。図2から明らかなように、過酸化水素の濃度と中空状物品の運動速度との関係は下記式で表され、運動速度が過酸化水素の濃度に比例することがわかった。
運動速度=−0.332+0.003
R=0.91
なお、中空状物品を、蒸留水、緩衝液等の、過酸化水素を含まない液体に浸した場合には、上述したような浮泳運動はおこさなかった。
本発明の一実施の形態に係る中空状物品の構成の断面図である。 過酸化水素濃度と運動速度との関係を表すグラフである。
符号の説明
10 中空状物品
12 第1の管状体
14 ストップ栓
16 第2の管状体
18 ストップ栓
22 排出口

Claims (12)

  1. 中空体の内面に特定の物質と反応して気体を発生する感応膜が形成され、発生した気体を排出するための排出口が設けられてなる中空状物品。
  2. 先端部が閉じた中空形状をなし、その中空部の内面に、特定の物質と反応して気体を発生する感応膜が形成されてなる中空状物品。
  3. 前記感応膜が、透析膜上に、1種以上の触媒を含有する樹脂層を積層させてなる触媒固定化膜である、請求項1又は2に記載の中空状物品。
  4. 前記触媒固定化膜が、1種以上の触媒を含有する水溶性感光性樹脂を硬化させて形成されたものである、請求項3に記載の中空状物品。
  5. 前記触媒が生体触媒である、請求項3又は4に記載の中空状物品。
  6. 前記触媒が酵素である、請求項3又は4に記載の中空状物品。
  7. 前記触媒がカタラーゼである、請求3又は4記載の中空状物品。
  8. 前記触媒がカタラーゼとグルコースオキシダーゼとの混合物である、請求項3又は4記載の中空状物品。
  9. 前記感応膜が、透析膜上に、カタラーゼを含有する樹脂層と、グルコースオキシダーゼを含有する樹脂層とを積層させてなる触媒固定化膜である、請求項1又は2に記載の中空状物品。
  10. 前記触媒が微生物を含む、請求項3又は4に記載の中空状物品。
  11. 前記微生物が酵母である、請求項10に記載の中空状物品。
  12. 請求項1〜11のいずれか1項に記載の中空状物品をアクチュエータ素子として用いた、ドラッグデリバリーシステム、人工筋肉、人工臓器又は有機系ヒューマノイド・ロボットの駆動装置。
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