JPH0823809A - 動物檻 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 前壁部材３と、後壁部材４と、左壁部材５
と、右壁部材６と、天壁部材７と、底壁部材８とが分解
可能に組み立てられ、底壁部材８の四隅に下方に突出す
る支持脚部９が設けられた動物檻１において、２以上の
動物檻１を上下に安定して積み重ねることができるよう
にする。 【構成】 天壁部材７の四隅上面に、別の動物檻１の支
持脚部９が嵌脱自在に嵌合する嵌合支持凹部１６を形成
し、前壁部材３と左壁部材５との接合部分、前壁部材３
と右壁部材６との接合部分、後壁部材４と左壁部材５と
の接合部分及び後壁部材４と右壁部材６との接合部分
を、鉛直方向荷重を軸力として伝達する支柱４０として
構成し、これら各支柱４０を、対応する嵌合支持凹部１
６と支持脚部９との間に介在する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、動物例えば犬などに使
用されるものであって、組立て、分解可能な動物檻に関
するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種の動物檻には種々のものが
あり、合成樹脂製のパーツにより直方又は立方体形に組
立てられたものが知られている。この動物檻は、少なく
とも前部及び左右両側部が格子又は網状とされており、
外部から檻内の動物を見ることができる。また、檻内の
動物の糞尿等の排泄物を受けるために、檻の底部にはト
レーが引出自在に設けられていて、そのための下方空間
を確保する等のために、通常、支持脚部が下方に突設さ
れている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところで、従来の合成
樹脂製動物檻は、左右方向に並べて置くように構成され
ており、上下に積み重ねることは考慮されていないた
め、これを上下に積み重ねると、上側の動物檻の安定性
が悪く、檻内の動物が動くと檻が滑って落下するという
問題がある。特に、動物檻では上記したようにトレーを
設けなければならないため、必然的に支持脚部は底壁部
材の四隅に設けられることとなり、したがって、少しの
位置ずれでも上側の動物檻が落下してしまう。

【０００４】本発明は、上述のような実状に鑑みてなさ
れたもので、その目的とするところは、檻を上下に積み
重ねても、上側の檻の安定性が良好で滑って落下するこ
とがなく、上側の檻の荷重を安定的に支持し得る動物檻
を提供するにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明では、次の技術的手段を講じた。すなわち、
本発明は、前壁部材と、後壁部材と、左壁部材と、右壁
部材と、天壁部材と、底壁部材とが分解可能に組み立て
られ、底壁部材の四隅に下方に突出する支持脚部が設け
られた動物檻において、天壁部材の四隅上面に、別の動
物檻の支持脚部が嵌脱自在に嵌合する嵌合支持凹部が形
成されており、前壁部材と左壁部材との接合部分、前壁
部材と右壁部材との接合部分、後壁部材と左壁部材との
接合部分及び後壁部材と右壁部材との接合部分は、鉛直
方向荷重を軸力として伝達する支柱部として構成され、
これら各支柱部は、対応する嵌合支持凹部と支持脚部と
の間に介在されていることを特徴としている。

【０００６】さらに、支柱部を、円筒状乃至半円筒状に
構成し、該支柱部に嵌合支持凹部を上方から嵌合し、天
壁部材に支柱部の上端部外周面に係合する鍔を設けるこ
とができる。

【０００７】

【作用】本発明によれば、檻を上下複数段に積み重ねる
際、下側の檻の天壁部材の四隅に設けた嵌合支持凹部
に、上側の檻の支持脚部を嵌合させて積み重ねることに
より、上側の檻が下側の檻上に安定的に支持される。そ
して、上側の檻に人が触れたり、檻内の動物が動いて
も、上側の檻の支持脚部が前記支持凹部に係合している
ので、上側の檻が滑ることはなく、したがって落ちるこ
ともない。

【０００８】また、上側の檻の荷重は、下側の檻の支柱
部を介して支持脚部に伝達されるので、支持状態が安定
である。

【０００９】

【実施例】以下、本発明の実施例を、図面に基づいて説
明する。図１乃至図９に示す本発明の実施例に係る動物
檻１は、犬などの動物用であって、合成樹脂製であっ
て、左右両開き状の開閉扉２を有する前壁部材３と、後
壁部材４と、左壁部材５と、右壁部材６と、天壁部材７
と、底壁部材８とにより分解可能に組み立てられてお
り、前記底壁部材８は、四隅下側に支持脚部９を突設し
た底枠体８Ａと、着脱自在な内底８Ｂ及び嵌脱自在なト
レー８Ｃとを備えて構成される。

【００１０】各開閉扉２は、前壁部材３の開口部に夫々
上下においてヒンジ１０により観音開き状に取付けられ
ており、両扉２の上下に夫々ロック部材１１が取付けら
れ、夫々単独にロックできるようになっている。そし
て、各扉２は、縦格子２Ａと横格子２Ｂにより格子戸状
に成形されている。また、前壁部材３の左右両端部（左
右壁部材５，６との接合部分）には、鉛直方向荷重を軸
力として伝達する支柱４０の一部を形成する水平断面が
略半円状の支柱部１２が一体的に形成され、該支柱部１
２の境界に縦リブ１３が内側に突出状に形成されて、積
み重ね荷重に十分耐える強度が確保されている。さら
に、支柱部１２の上下方向中間内側には、連結横片１４
が突設されると共にピン孔（図示省略）が設けられてお
り、上下端部には天壁部材７及び底壁部材８の底枠体８
Ａとの嵌合段差部３Ａ，３Ｂが形成され、該段差部３
Ａ，３Ｂに天壁部材７及び底枠体８Ａの外周端縁が当接
し支持されるようになっている（図５，図６参照）。

【００１１】前記天壁部材７は、図６，図７に示すよう
に下向き鍔７Ａを有すると共に四周縁部を除いて網目７
Ｃが形成され、通気可能で上側からも内部を見ることが
できるようになっており、四隅の鍔７Ｂが水平断面半円
形で、前記支柱部１２の上端が嵌合するようになってい
て、リブ１５が内向きに突設されて支持強度の増大が図
られている。そして、四隅の鍔７Ｂと同心円形で有底筒
状の支持脚部嵌合支持凹部１６が設けられており、該凹
部１６に別の動物檻１の支持脚部９が嵌合されるように
なっている。

【００１２】また、天壁部材７の左右両側の鍔７Ａの内
側には、図７に示すように、前後に夫々位置決め片１７
が、該鍔７Ａと平行でかつ左壁部材５及び右壁部材６の
それぞれの上端段差部５Ａ，６Ａを嵌合可能に突設され
ており、前記左右両側の鍔７Ａの前後部には、接続ピン
孔１８が設けられている（図６参照）。前記左右両壁部
材５，６は、図３に示すように、四周を除いて網目５
Ａ，６Ａが形成され、通気可能でかつ側部からも内部を
見ることができるようになっており、上下端部に天壁部
材７及び底枠体８Ａへの嵌合段差部５Ｂ，６Ｂが形成さ
れ、前後両端部（前後壁部材３，４との接合部分）には
支柱４０の一部を形成する水平断面円弧状の支柱部１９
が形成されると共に内向き突出状の補強縦リブ２０が夫
々形成されている。

【００１３】また、左壁部材５及び右壁部材６の支柱部
１９内側には、図５に示すように、前記前壁部材３の支
柱部１２に設けた連結横片１４に対応して、該横片１４
の上又は下側に接する連結横片２１が突設されると共に
ピン孔（図示省略）が上下方向に貫通状に設けられてお
り、両連結横片１４，２１が、連結ピン２２（図９参
照）により連結されている。さらに、左壁部材５及び右
壁部材６の下端内側には、前後部に夫々支持連結横片２
３が設けられると共に該片２３にピン孔（図示省略）が
設けられており、底枠体８Ａに連結ピン２２により連結
されている。

【００１４】前記後壁部材４は、図４に示すように、後
枠体４Ａと、１枚の後側板４Ｂとからなり、後枠体４Ａ
に後側板４Ｂがヒンジ２４により着脱可能に取付けられ
ている。そして、後枠体４Ａの左右両端部（左右壁部材
５，６との接合部分）には、支柱４０の一部を形成する
水平断面が略半円状の支柱部２５（前壁部材３の支柱部
１２の同形・同寸）が形成されると共に補強用の縦リブ
２６（図８参照）が設けられており、上下端部には、天
壁部材７及び底枠体８Ａとの嵌合段差部２７が形成さ
れ、支柱部２５の中間部内側には、左壁部材５及び右壁
部材６の連結横片２１に対応して連結横片（図示省略）
が、前壁部材１４と同様に設けられている。また、後側
板４Ｂには、通気用スリット２８が設けられている。

【００１５】前壁部材３の支柱部１２と左壁部材５の支
柱部１９、前壁部材３の支柱部１２と右壁部材６の支柱
部１９、後壁部材４の支柱部２５と左壁部材５の支柱部
１９、及び、後壁部材４の支柱部２５と右壁部材６の支
柱部１９が、それぞれ組み合わされて、鉛直方向荷重を
軸力として伝達する支柱４０として構成され、これら各
支柱４０が、対応する嵌合支持凹部１６と支持脚部９と
の間に介在されている。

【００１６】前記底壁部材８を構成する底枠体８Ａは、
四周に上向鍔２９を有し、前壁部材３、後枠体４Ａ及び
左右両壁部材５，６の各下端段差部３Ｂ，２７，５Ｂ，
６Ｂが、該鍔２９の内側に嵌合されかつ該鍔２９により
支持されるようになっている。なお、前記上向鍔２９
は、天壁部材７の下向鍔７Ａと対称形状とされている。
また、底枠体８Ａには、内底８Ｂが着脱可能に装着され
ており、下面左右両端部にトレー受レール３０が設けら
れている。

【００１７】上記実施例において、動物檻１を組み立て
る場合、まず、底枠体８Ａに内底８Ｂ及びトレー８Ｃを
嵌装して底壁部材８を組み立て、底枠体８Ａの上向き鍔
２９の内側に前壁部材３、後枠体４Ａ、左右両壁部材
５，６の下部段差部３Ｂ，２７，５Ｂ，６Ｂを嵌入して
前記鍔２９に支持させると共に各支柱部１２，１９，２
５の対向側端を接当させ、連結横片１４，２１を連結ピ
ン２２により相互連結し、続いて、左壁部材５及び右壁
部材６の支持連結横片２３を底枠体８Ａに連結ピン２２
により連結固定する。

【００１８】次いで、天壁部材７を前後枠体３，４Ａ及
び左右両壁部材５，６の上端段差部３Ａ，５Ａ，６Ａ，
２７に外嵌する。このとき、支柱４０が半円筒状に構成
されて、支柱４０に嵌合支持凹部１６が上方から嵌合さ
れるようになるので、これにより位置決めを容易に行え
るとともに、天壁部材７には支柱４０の上端部外周面に
係合する鍔７Ｂが設けられているので、組立て状態が非
常に安定的となる。

【００１９】さらに、左右両壁部材５，６の上端部と天
壁部材７の下向き鍔７Ａとを連結ピン２２により相互連
結した後、扉２を前壁部材３にヒンジ１０により開閉可
能に取付け、後側板４Ｂを後枠体４Ａにヒンジ２４によ
り着脱可能に取付ける。なお、後側板４Ｂは、左又は右
側のみのヒンジ２４を外すことにより、片開き状観音扉
として利用できる。また、扉２はロック部材１１により
係脱可能にロックする。以上の作業により簡単に組み立
てることができ、また、逆の順序で分解することができ
る。

【００２０】そして、２つ以上の檻１を上下に積み重ね
て使用する場合は、下側となる檻１の天壁部材７に設け
た前記支持凹部１６に、上側になる檻１の底壁部材８の
支持脚部９を嵌入させて檻１を載置する。このように積
み重ねると、上側の檻に人が触れたり、内部の動物が動
いても、檻１が前後左右に動かないので安定状態を保持
することができる。

【００２１】また、上記実施例によれば、組立て、分解
が容易であり、保管又は運搬時には分解することによ
り、保管又は運搬スペースを小さくでき、さらに各支柱
部１２，１９，２５に縦リブ１３，２０，２６を形成し
てあるので、十分な強度を確保でき、動物を檻１に入れ
て積み重ねてもぐらつくことなく安定性を確保できる。
本発明は、上記実施例に限定されるものではなく、適宜
設計変更することができる。

【００２２】

【発明の効果】以上説明したように、本発明は、天壁部
材の四隅上面に、別の動物檻の支持脚部が嵌脱自在に嵌
合する嵌合支持凹部が形成されており、前壁部材と左壁
部材との接合部分、前壁部材と右壁部材との接合部分、
後壁部材と左壁部材との接合部分及び後壁部材と右壁部
材との接合部分は、鉛直方向荷重を軸力として伝達する
支柱部として構成され、これら各支柱部は、対応する嵌
合支持凹部と支持脚部との間に介在されているので、檻
を上下に積み重ねても、上側の檻が前後左右に動かず、
安定性が良好であり滑って落ちることはなく安全であ
り、スペースを有効利用できるとともに、各壁部材によ
って構成される支柱により上側に載置された別の動物檻
の荷重を安定して支持でき、部品点数の削減を図りかつ
構造の簡素化を図りつつも、安定かつ丈夫な構造とする
ことができる。

【００２３】また、支柱部を、円筒状乃至半円筒状に構
成し、該支柱部に嵌合支持凹部を上方から嵌合し、天壁
部材に支柱部の上端部外周面に係合する鍔を設けている
ので、天壁部材を組み付ける際の位置決め嵌合を容易に
行うことができるとともに、組み付け後の強度向上を簡
単な構造で達成でき、さらに、嵌合支持凹部に作用する
別の動物檻の荷重を直接的に支柱に作用させることがで
き、各壁部材を外部から動物を見ることができるように
網状等に構成していても、十分な強度を確保することが
できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例を示す正面図である。

【図２】図１の上平面図である。

【図３】図１に右側面図である。

【図４】図１の背面図である。

【図５】同実施例における天壁部材を取除いた状態の一
部省略平面図である。

【図６】図２のＡ−Ａ線断面拡大図である。

【図７】図６のＢ−Ｂ線矢視図である。

【図８】図２のＣ−Ｃ線断面拡大図である。

【図９】連結ピンの一例を示すもので、（ａ）は中央断
面図、（ｂ）は（ａ）の右側面図である。

【符号の説明】

１ 動物檻 ３ 前壁部材 ４ 後壁部材 ５ 左壁部材 ６ 右壁部材 ７ 天壁部材 ７Ｂ 鍔 ８ 底壁部材 ９ 支持脚部 １６ 嵌合支持凹部 ４０ 支柱

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 前壁部材（３）と、後壁部材（４）と、
   左壁部材（５）と、右壁部材（６）と、天壁部材（７）
   と、底壁部材（８）とが分解可能に組み立てられ、底壁
   部材（８）の四隅に下方に突出する支持脚部（９）が設
   けられた動物檻において、 天壁部材（７）の四隅上面に、別の動物檻（１）の支持
   脚部（９）が嵌脱自在に嵌合する嵌合支持凹部（１６）
   が形成されており、前壁部材（３）と左壁部材（５）と
   の接合部分、前壁部材（３）と右壁部材（６）との接合
   部分、後壁部材（４）と左壁部材（５）との接合部分及
   び後壁部材（４）と右壁部材（６）との接合部分は、鉛
   直方向荷重を軸力として伝達する支柱（４０）として構
   成され、これら各支柱（４０）は、対応する嵌合支持凹
   部（１６）と支持脚部（９）との間に介在されているこ
   とを特徴とする動物檻。
2. 【請求項２】 支柱（４０）は、円筒状乃至半円筒状に
   構成され、該支柱（４０）に嵌合支持凹部（１６）が上
   方から嵌合されており、天壁部材（７）には支柱（４
   ０）の上端部外周面に係合する鍔（７Ｂ）が設けられて
   いることを特徴とする請求項１に記載の動物檻。