JPH0137412Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 この考案は動物飼育用又は動物輸送用の組立式
動物収容篭に関するものである。

「従来の技術」 従来公知となつているこの種のもので、例えば
実開昭59−22870号公報に紹介されている動物輸
送かごにおいては、同公報の第１図によると、六
面篭体を構成する各面の金網部材を互に接合連結
する手段として、隣接する両横棧間には連結環を
巻き付けてあり、又隣接する両縦棧間では一方側
に備えた鉤状連結具を他方側に係合させて両接合
部を一体に連結固定してあるので、各面の接合部
において夫夫別体数種の連結部材を準備してお
り、之等の連結部材を備えるために余分な工作と
煩雑な組立操作とを必要とする。

「考案が解決しようとする問題点」 ところで、本考案においては、上述のような金
網状六面篭体を組立て構成するに際して数種の連
結部材を用意することなく、各面金網体の接合部
において一方側に一体形成した引掛鉤を他方側に
引掛けるだけの簡単な操作により各面板を確実堅
固に連結できるようにして組立作業の簡易化と工
作上の簡素化とを計ることを目的とする。

「問題点を解決するための手段」 上記問題点解決の手段として、四辺形の枠杆内
で縦横方向に線材を交差させて架着した網板でな
る左右両側面板の前後両端において上下部に配す
る両横線材の両端部を枠杆から前後へ延長させて
架着し、該延長部を夫夫下方へＬ形に折曲げて引
掛鉤を突設し、同様な網板でなる正面板と背面板
との各左右両側端部に前記引掛鉤が挿入できる程
度の細幅の縦条溝を形成し、この縦条溝に引掛鉤
を挿入して縦条溝内に横架した横線材に係合させ
て正面板と背面板との間に左右両側板を連結し、
又この連結された四周面板上端間に嵌合する頂面
板の左右両側端で左右方向線材の延長上に下向引
掛鉤を適数突設すると共に、同板前後両端の左右
部に上向係止鉤とその中央線材の延長上に下向引
掛鉤とを夫夫曲成突設し、左右両側の下向引掛鉤
を両側面板の上端枠杆外側に掛合し、前後両端の
引掛鉤と係止鉤とを正面板と背面板との各上端枠
杆に上下両方から枠杆を挾むように係合すること
により頂面板を連結固定し、尚、四周面板の下端
を皿状に形成した底板の立上り周縁内に嵌入し、
底板両側部において外側から締付ねじを挿入し内
側で之を締付板に螺入して四周面板を底板に締付
け固定することにより、六面体をなす動物収容篭
を構成するものである。

「作用」 左右両側面板の各前後両端上下部に突設した引
掛鉤を、正背面両板の各左右両側部に設けた縦条
溝内に挿入して各溝内横線に係合するようにした
から、係合連結された左右両側面板は各縦条溝内
に各引掛鉤が固定されるので、左右方向に移動し
ない。

又、頂面板を四周面板の上端間に嵌合して頂面
板の左右両側端に突設した下向引掛鉤を左右両側
面板の上端枠杆外側に掛合し、且つ前後両端左右
の係止鉤と中央の引掛鉤とを正面板と背面板との
各上端枠杆に上下両方から係合するようにしたか
ら、四周面板上に嵌合連結された頂面板は左右前
後に移動することなく且つ上下方向に離脱するこ
ともなく確実に固定する。

尚又、上述の五面篭体を皿状の底板上に嵌入し
て底板両側部で締付ねじと締付板とにより篭体下
端部を締付けるようにしたから篭体の下部が底板
に固定し、かくして組立てられた六面篭体は各係
合連結部の相乗作用により左右前後にぐらつくこ
となく確実に連結固定されると共に、六面板が互
に係合連結して六面体を構成することにより篭の
強度を保持し堅固な動物収容篭が組立てられる。

「実施例」 本考案の一実施例として図示した添付図面の第
１図は、組立てした動物収容篭の斜視図であり、
第２図にその分解図を示しているように、本篭体
を構成する正面板１、背面板２、左側面板３、右
側面板４及び頂面板５は、いずれも皆四辺形の枠
杆内に多数本の縦線材を等間隔に並列架着した内
面側に更に数本の横線材を等間隔平行状に直交架
着して夫夫格子状の網板に形成したものであつ
て、その中で正面板１と、背面板２とは夫夫左右
両側端に配する縦線材１ａ，２ａを側部枠杆に接
近させて平行状に架着し、その縦線材と枠杆との
間に細幅の縦条溝１ｂ，２ｂを形成したものであ
る。尚、正面板１は更に下方中央部を切欠開口し
た開口部１ｃに開き戸６を開閉自在に枢着するた
め、開き戸の右側端上下部に対設した横向Ｌ形の
両鉤軸６ａ，６ａを開口１ｃ右側の両縦線材１
ｄ，１ｄに横架対設した上下両係止環７，７に夫
夫回動自在に挿入軸支してあり、尚、同開き戸６
の左端部縦棧には錠杆８を上下両係合環８ａ，８
ａを介して上下摺動自在に装着してあり、尚該錠
杆８はその上下両端部を夫夫一旦後方へ横向Ｌ字
状に折曲げ更にその折曲げ後端部をＵ形に曲成し
て両引掛鉤８ｂ，８ｂを形成し、この両引掛鉤を
開口左側端上下部に対設した直角形の両係合片１
ｅ，１ｅの後側に上方から落しこんで係合するこ
とにより開き戸６の旋錠を行うよう構成してあ
り、尚更に同開き戸の中央下部を切欠して設けた
小開口に上下摺動自在の落し戸９をその上下端に
横設した両摺動杆９ａ，９ａにより装着してあ
り、この落し戸を上方へ上げて小開口より動物の
餌箱を出入れするようにしている。

又、左側面板３と右側面板４とは夫夫上下部に
配した両横線材３ａ，４ａの両端を側枠杆から前
後へ延長突出させて設け、その各延長部を夫夫下
方へＬ形に折曲げて引掛鉤３ｂ，４ｂを突設して
ある。

尚又、頂面板５は左右方向に架着した線材群中
の前後部に配された線材５ａの左右両端を側枠杆
から延長突出させ、該延長部を夫夫下向きＬ形に
折曲げて下向引掛鉤５ｂを形成すると共に、前後
方向に架着した線材群中の中央部線材５ｃの前後
両端に逆Ｕ形の下向引掛鉤５ｄを形成し、尚引掛
鉤５ｄの左右両側部において夫夫平面Ｕ形でその
前端曲部を上向きに折曲げてなる係止鉤５ｅをそ
の前端上向折曲部を枠杆から突出させて付設して
ある。

そして、前記正面板１と背面板２との各両側端
枠杆間に左側面板３及び右側面板４を挾入し、左
右両側面板の前後に突設した各引掛鉤３ｂ，４ｂ
を夫夫正面板と背面板との左右両側端の縦条溝１
ｂ，２ｂ内に挿入し各縦条溝内に横架せる横線材
１ｆ，２ｆに係合することにより前記四周面板の
各接合部を連結するものであり、尚、連結された
前記四周面板の各上端枠杆内側に頂面板５を嵌合
し、頂面板の左右両側に突設した各引掛鉤５ｂを
左右両側面板の上端枠杆外側に係合すると共に、
頂面板の前後端部において突出する中央部引掛鉤
５ｄを上方から、左右両係止鉤５ｅを下方から夫
夫正面板及び背面板の上端枠杆を挾むように係合
することにより頂面板を四周面板上に連結固定す
るものである。

尚、図中の１０は皿状に形成した底板であり、
その周縁に立上縁１０ａを立設し、その四隅角部
下面に移動用の車輪１１を夫夫取付けてあり、左
右両立上縁の中央部に透孔１０ｂを設けてあり、
該透孔の外方から締付ねじ１２を挿通し内側で締
付板１３に螺入するようにしてあり、前述した正
背両面板、左右両側面板及び頂面板で構成した五
面篭体を前記底板内に嵌入し両側部において前記
締付ねじと締付板とにより締付けて五面篭体下端
部を挾着固定するものである。

尚図中１４は床板であり前記篭体内で底板上に
敷設するものであり、１５，１６，１７は囲い板
で篭体下方部内側で左右両側面板及び背面板に重
合し引掛具１８によりその上端を応対位置の横線
材に係止するものであり、１９は柵板でその両端
部に夫夫二個づつ対設した掛け鉤２０により正背
面板の適宜高さの横線材に係止して柵を架設する
ものである。

「考案の効果」 本考案においては、左右両側面板の各前後両端
に突設した引掛鉤を正背面板の各左右側端に形成
した縦条溝内の横線材に係合することにより四周
面板が互に係合連結し、係合された該四周面板の
上端間に頂面板を嵌合してその左右両側に突設し
た引掛鉤及び前後両端の左右部係止鉤と中央部引
掛鉤とにより四周面板に係合連結して五面篭体を
形成し、更にこの五面篭体の下端を底板上に嵌入
し左右両側部で締付ねじと締付板とを介して締付
け固定することによりぐらつかない六面篭体を構
成することができるので、各面板の連結手段が簡
単であつて、別に連結具等を要せずして之を組立
てられるから、工作上において有利であり且つ組
立作業が迅速であり、組立、分解が自在であつ
て、所期の目的を達成する堅牢なる組立式動物収
容篭を構成することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案一実施例を示す斜視図、第２図
はその分解斜視図、第３図は第１図の部分拡大
図、第４図は第１図中の錠杆８を分離して示した
拡大斜視図、第５図は同じく落し戸９を分離して
示した拡大斜視図である。 １……正面板、１ｂ……縦条溝、１ｆ……縦条
溝内横線材、２……背面板、２ｂ……縦条溝、２
ｆ……縦条溝内横線材、３……左側面板、３ｂ…
…引掛鉤、４……右側面板、４ｂ……引掛鉤、５
……頂面板、５ｂ……下向引掛鉤、５ｄ……下向
引掛鉤、５ｅ……上向係止鉤、６……開き戸、７
……係止環、８……錠杆、９……落し戸、１０…
…底板、１２……締付ねじ、１３……締付板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 夫夫が線材製の金網部材でなる正面板、背面
   板、左右両側面板及び頂面板と、皿状の底板とを
   互に連結して六面篭体を構成した動物収容篭にお
   いて、左右両側面板の各前後両端外側に適数の下
   向引掛鉤を突設して之等各引掛鉤を相対応する正
   面板及び背面板の各側端に形成した縦条溝内の横
   線に係合し、頂面板の左右両端外側に適数の下向
   引掛鉤を突設すると共に同板の前後両端左右部に
   夫夫上向係止鉤とその中間部に下向引掛鉤とを突
   設し、前記頂面板左右両端の下向引掛鉤を相対応
   する左右両側面板の上端枠杆に上方から係合し、
   前後両端の上向係止鉤を正面板及び背面板の各上
   端枠杆に下方から係合すると共に中間引掛鉤を上
   方から係合することにより前記各板の連接部を夫
   夫互に係合連結してなる五面篭体の下端部を皿状
   の底板に内嵌挿着し、同底板の両側方部で締付け
   ねじと締付板とにより螺着固定した組立式動物収
   容篭。