JPH08237919A - 誘導電動機の籠形回転子 - Google Patents
誘導電動機の籠形回転子Info
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- JPH08237919A JPH08237919A JP3715495A JP3715495A JPH08237919A JP H08237919 A JPH08237919 A JP H08237919A JP 3715495 A JP3715495 A JP 3715495A JP 3715495 A JP3715495 A JP 3715495A JP H08237919 A JPH08237919 A JP H08237919A
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- JP
- Japan
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- secondary conductor
- slot
- laminated core
- rotor
- induction motor
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- Induction Machinery (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 積層コアのスロット内での二次導体の移動を
防止して、高速回転においても動釣合いを悪化させるこ
とがない誘導電動機の籠形回転子を提供する。 【構成】 籠形回転子10は、多数の磁性薄板の積層体
からなり回転軸に固定される積層コア14と、積層コア
14の外周面16に沿って軸方向へ貫通形成された複数
のスロット18のそれぞれに配置される複数の二次導体
20とを備える。スロット18の壁面と二次導体20の
周面との間には、鋳造成形により微小隙間24が形成さ
れる。この微小隙間24の略全体に、樹脂材料からなる
充填部材26が配置される。充填部材26は、液状の含
浸材を微小隙間24に浸入させ、固化させることにより
形成される。充填部材26は、スロット18内で二次導
体20を固定的に保持し、遠心力による二次導体20の
移動を防止するので、籠形回転子10の動釣合いを正確
に得ることを可能にする。
防止して、高速回転においても動釣合いを悪化させるこ
とがない誘導電動機の籠形回転子を提供する。 【構成】 籠形回転子10は、多数の磁性薄板の積層体
からなり回転軸に固定される積層コア14と、積層コア
14の外周面16に沿って軸方向へ貫通形成された複数
のスロット18のそれぞれに配置される複数の二次導体
20とを備える。スロット18の壁面と二次導体20の
周面との間には、鋳造成形により微小隙間24が形成さ
れる。この微小隙間24の略全体に、樹脂材料からなる
充填部材26が配置される。充填部材26は、液状の含
浸材を微小隙間24に浸入させ、固化させることにより
形成される。充填部材26は、スロット18内で二次導
体20を固定的に保持し、遠心力による二次導体20の
移動を防止するので、籠形回転子10の動釣合いを正確
に得ることを可能にする。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、誘導電動機の籠形回転
子に関し、特に、15000rpmを超えるような高速
回転の用途に使用される誘導電動機の籠形回転子に関す
る。
子に関し、特に、15000rpmを超えるような高速
回転の用途に使用される誘導電動機の籠形回転子に関す
る。
【0002】
【従来の技術】誘導電動機の籠形回転子では、珪素鋼板
等の磁性薄板の積層体からなる積層コアに、二次導体を
配置するための複数のスロットが形成される。二次導体
は、銅やアルミニウム等の金属材料から形成された棒状
導体をスロットに挿入するか、又は積層コアを鋳型内に
配置して銅やアルミニウム等の溶湯をスロットに注入
し、二次導体及び端絡環を一体に鋳造成形することによ
り、各スロット内に配置される。特に、工作機械の主軸
駆動源等に使用される小形の誘導電動機では、製造工程
を簡略化して低コストでの大量生産を可能にするため
に、鋳造工程により回転子に導体部分を一体成形する方
法が多用されている。
等の磁性薄板の積層体からなる積層コアに、二次導体を
配置するための複数のスロットが形成される。二次導体
は、銅やアルミニウム等の金属材料から形成された棒状
導体をスロットに挿入するか、又は積層コアを鋳型内に
配置して銅やアルミニウム等の溶湯をスロットに注入
し、二次導体及び端絡環を一体に鋳造成形することによ
り、各スロット内に配置される。特に、工作機械の主軸
駆動源等に使用される小形の誘導電動機では、製造工程
を簡略化して低コストでの大量生産を可能にするため
に、鋳造工程により回転子に導体部分を一体成形する方
法が多用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】積層コアのスロット内
に鋳造工程により二次導体を形成する場合、一般に積層
コアの材料の線膨張率が二次導体の材料の線膨張率より
も小さいので、溶湯が固化して二次導体が成形されたと
きに、積層コアと二次導体との熱収縮の差によりスロッ
ト壁面と二次導体周面との間に必然的に微小隙間が形成
される。また、棒状導体をスロットに挿入する場合は、
円滑な挿入を可能にするために、スロット壁面と二次導
体周面との間に微小隙間が形成されるようにスロット及
び二次導体の径寸法が設定される。
に鋳造工程により二次導体を形成する場合、一般に積層
コアの材料の線膨張率が二次導体の材料の線膨張率より
も小さいので、溶湯が固化して二次導体が成形されたと
きに、積層コアと二次導体との熱収縮の差によりスロッ
ト壁面と二次導体周面との間に必然的に微小隙間が形成
される。また、棒状導体をスロットに挿入する場合は、
円滑な挿入を可能にするために、スロット壁面と二次導
体周面との間に微小隙間が形成されるようにスロット及
び二次導体の径寸法が設定される。
【0004】このように従来の籠形回転子では、製造上
の必然から二次導体が複数のスロット内でスロット壁面
に密着されず、例えば遠心力によって僅かに移動してし
まうので、回転子の正確な動釣合いを得ることは困難で
あった。このような問題は特に、籠形回転子を例えば1
5000rpmを超えるような高回転数で回転させたと
きに、振動や騒音の増加となって顕現する。近年、特に
工作機械の分野では、主軸に直結されるビルトイン式電
動機により高速かつ高精度の加工を実施することが要求
されている。したがって、特に高速回転の用途に使用さ
れる誘導電動機の籠形回転子の動釣合いをさらに正確に
取れるようにすることが課題となっている。
の必然から二次導体が複数のスロット内でスロット壁面
に密着されず、例えば遠心力によって僅かに移動してし
まうので、回転子の正確な動釣合いを得ることは困難で
あった。このような問題は特に、籠形回転子を例えば1
5000rpmを超えるような高回転数で回転させたと
きに、振動や騒音の増加となって顕現する。近年、特に
工作機械の分野では、主軸に直結されるビルトイン式電
動機により高速かつ高精度の加工を実施することが要求
されている。したがって、特に高速回転の用途に使用さ
れる誘導電動機の籠形回転子の動釣合いをさらに正確に
取れるようにすることが課題となっている。
【0005】したがって本発明の目的は、積層コアの複
数のスロット内での二次導体の移動を防止して、高速回
転においても動釣合いを悪化させることがない高性能の
誘導電動機の籠形回転子を提供することにある。
数のスロット内での二次導体の移動を防止して、高速回
転においても動釣合いを悪化させることがない高性能の
誘導電動機の籠形回転子を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、多数の磁性薄板の積層体からなり、略軸
方向へ延びる複数のスロットを外周面沿いに備えて軸に
固定される積層コアと、積層コアのスロットに配置され
る複数の二次導体と、積層コアの軸方向両端で二次導体
を相互に短絡する一対の端絡環とを具備した誘導電動機
の籠形回転子において、スロットの壁面と二次導体の周
面との間の微小隙間に樹脂材料からなる充填部材を配置
したことを特徴とする誘導電動機の籠形回転子を提供す
る。
に、本発明は、多数の磁性薄板の積層体からなり、略軸
方向へ延びる複数のスロットを外周面沿いに備えて軸に
固定される積層コアと、積層コアのスロットに配置され
る複数の二次導体と、積層コアの軸方向両端で二次導体
を相互に短絡する一対の端絡環とを具備した誘導電動機
の籠形回転子において、スロットの壁面と二次導体の周
面との間の微小隙間に樹脂材料からなる充填部材を配置
したことを特徴とする誘導電動機の籠形回転子を提供す
る。
【0007】
【作用】充填部材は、スロットの壁面と二次導体の周面
との間の微小隙間を埋め、スロット内で二次導体を固定
的に支持する。したがって、高速回転時の大きな遠心力
によっても、二次導体がスロット内で移動することが防
止される。その結果、籠形回転子の正確な動釣合いが容
易に得られる。
との間の微小隙間を埋め、スロット内で二次導体を固定
的に支持する。したがって、高速回転時の大きな遠心力
によっても、二次導体がスロット内で移動することが防
止される。その結果、籠形回転子の正確な動釣合いが容
易に得られる。
【0008】
【実施例】以下、添付図面に示した好適な実施例に基づ
き、本発明をさらに詳細に説明する。図1及び図2は、
本発明の実施例による誘導電動機の籠形回転子10を示
す。籠形回転子10は、回転軸12と、珪素鋼板等の多
数の磁性薄板の積層体からなり、回転軸12に固定され
る積層コア14と、積層コア14の外周面16に沿って
軸方向へ貫通形成された複数のスロット18のそれぞれ
に配置される複数の二次導体20と、積層コア14の軸
方向両端に配置され、複数の二次導体20を相互に短絡
する一対の端絡環22とを備える。複数のスロット18
は、積層コア14の外周面16に開口する開放スロット
として形成される。また複数の二次導体20及び一対の
端絡環22は、アルミニウムや銅等の良導性金属材料か
らなり、鋳型(図示せず)内に配置した積層コア14の
各スロット18に溶湯を注入し、固化させることによっ
て一体成形される。この場合、鋳造はダイカストによる
ことが好ましい。
き、本発明をさらに詳細に説明する。図1及び図2は、
本発明の実施例による誘導電動機の籠形回転子10を示
す。籠形回転子10は、回転軸12と、珪素鋼板等の多
数の磁性薄板の積層体からなり、回転軸12に固定され
る積層コア14と、積層コア14の外周面16に沿って
軸方向へ貫通形成された複数のスロット18のそれぞれ
に配置される複数の二次導体20と、積層コア14の軸
方向両端に配置され、複数の二次導体20を相互に短絡
する一対の端絡環22とを備える。複数のスロット18
は、積層コア14の外周面16に開口する開放スロット
として形成される。また複数の二次導体20及び一対の
端絡環22は、アルミニウムや銅等の良導性金属材料か
らなり、鋳型(図示せず)内に配置した積層コア14の
各スロット18に溶湯を注入し、固化させることによっ
て一体成形される。この場合、鋳造はダイカストによる
ことが好ましい。
【0009】図3(a)及び(b)に拡大図示するよう
に、籠形回転子10では、積層コア14の材料の線膨張
率が二次導体20の材料の線膨張率よりも小さいので、
溶湯が固化して二次導体20が成形されたときに、積層
コア14と二次導体20との熱収縮の差によりスロット
18の壁面と二次導体20の周面との間に微小隙間24
が形成される。ここで珪素鋼板の線膨張率は15×10
-6/℃、アルミニウムの線膨張率は29×10-6/℃、
銅の線膨張率は20×10-6/℃である。したがって積
層コア14の材料が珪素鋼板であり、二次導体20の材
料をアルミニウムであり、スロット18が周方向最大寸
法A=5mm及び半径方向最大寸法B=12mmを有する場
合、積層コア14がダイカスト初期の温度(約200
℃)から室温(約25℃)まで冷却されて熱収縮し、二
次導体20がダイカスト初期の温度(約700℃)から
室温(約25℃)まで冷却されて固化すると、例えば周
方向に約40μm の隙間Cが形成され、半径方向に約1
00μm の隙間Dが形成される。
に、籠形回転子10では、積層コア14の材料の線膨張
率が二次導体20の材料の線膨張率よりも小さいので、
溶湯が固化して二次導体20が成形されたときに、積層
コア14と二次導体20との熱収縮の差によりスロット
18の壁面と二次導体20の周面との間に微小隙間24
が形成される。ここで珪素鋼板の線膨張率は15×10
-6/℃、アルミニウムの線膨張率は29×10-6/℃、
銅の線膨張率は20×10-6/℃である。したがって積
層コア14の材料が珪素鋼板であり、二次導体20の材
料をアルミニウムであり、スロット18が周方向最大寸
法A=5mm及び半径方向最大寸法B=12mmを有する場
合、積層コア14がダイカスト初期の温度(約200
℃)から室温(約25℃)まで冷却されて熱収縮し、二
次導体20がダイカスト初期の温度(約700℃)から
室温(約25℃)まで冷却されて固化すると、例えば周
方向に約40μm の隙間Cが形成され、半径方向に約1
00μm の隙間Dが形成される。
【0010】図4に示すように、籠形回転子10では、
上記のようなスロット壁面と二次導体周面との間の微小
隙間24の略全体に、樹脂材料からなる充填部材26が
配置される。充填部材26は、例えば液状の含浸材を周
知の含浸工程により微小隙間24に浸入させ、固化させ
ることにより形成される。それにより充填部材26は、
スロット18内で二次導体20を固定的に保持し、遠心
力による二次導体20の撓みや移動を防止するので、籠
形回転子10の動釣合いを正確に得ることを容易にす
る。しかも含浸材は、含浸工程において積層コア14の
多数の磁性薄板の間にも浸入するので、固化により多数
の磁性薄板を相互に固着し、以て積層コア14の剛性を
向上させる作用も果たす。
上記のようなスロット壁面と二次導体周面との間の微小
隙間24の略全体に、樹脂材料からなる充填部材26が
配置される。充填部材26は、例えば液状の含浸材を周
知の含浸工程により微小隙間24に浸入させ、固化させ
ることにより形成される。それにより充填部材26は、
スロット18内で二次導体20を固定的に保持し、遠心
力による二次導体20の撓みや移動を防止するので、籠
形回転子10の動釣合いを正確に得ることを容易にす
る。しかも含浸材は、含浸工程において積層コア14の
多数の磁性薄板の間にも浸入するので、固化により多数
の磁性薄板を相互に固着し、以て積層コア14の剛性を
向上させる作用も果たす。
【0011】充填部材26は、メタクリル樹脂、エポキ
シ樹脂、シリカ、珪酸ソーダ等の、電動機の分野で好適
に使用される周知の含浸材から形成できる。特にメタク
リル樹脂は、室温での粘度が比較的低いので作業性に優
れ、金属に対するシール性及び接着強度が良好で、しか
も水洗が可能であることから、充填部材26の材料とし
て最も好ましい。含浸工程は、二次導体20及び端絡環
22を一体成形した積層コア14を、槽内の含浸材に浸
漬したり、含浸材を積層コア14に滴下したりして行わ
れる。スロット18内の微小隙間24や磁性薄板間に含
浸材を充分かつ確実に浸入させるためには、真空槽内で
含浸材に浸漬する真空含浸を行うことが有利である。
シ樹脂、シリカ、珪酸ソーダ等の、電動機の分野で好適
に使用される周知の含浸材から形成できる。特にメタク
リル樹脂は、室温での粘度が比較的低いので作業性に優
れ、金属に対するシール性及び接着強度が良好で、しか
も水洗が可能であることから、充填部材26の材料とし
て最も好ましい。含浸工程は、二次導体20及び端絡環
22を一体成形した積層コア14を、槽内の含浸材に浸
漬したり、含浸材を積層コア14に滴下したりして行わ
れる。スロット18内の微小隙間24や磁性薄板間に含
浸材を充分かつ確実に浸入させるためには、真空槽内で
含浸材に浸漬する真空含浸を行うことが有利である。
【0012】上記の含浸工程は、二次導体20及び端絡
環22を一体成形した積層コア14に回転軸12を固定
する前に行えば、積層コア14の内周側からも磁性薄板
間の隙間を通して含浸材が浸入するので有利である。な
お図4では、充填部材26は二次導体20の周囲を一様
に包囲するように配置されているが、実際は微小隙間2
4は一様ではなく、積層コア14及び二次導体20の熱
収縮の方向に応じて様々な形状に形成される。その場合
でも、微小隙間24を充填部材26が満たすことにより
二次導体20の移動が防止され、その後の釣り合わせ作
業により正確な動釣合いを得ることができる。
環22を一体成形した積層コア14に回転軸12を固定
する前に行えば、積層コア14の内周側からも磁性薄板
間の隙間を通して含浸材が浸入するので有利である。な
お図4では、充填部材26は二次導体20の周囲を一様
に包囲するように配置されているが、実際は微小隙間2
4は一様ではなく、積層コア14及び二次導体20の熱
収縮の方向に応じて様々な形状に形成される。その場合
でも、微小隙間24を充填部材26が満たすことにより
二次導体20の移動が防止され、その後の釣り合わせ作
業により正確な動釣合いを得ることができる。
【0013】一般に籠形回転子の動釣合いは、二次導体
及び端絡環を組み込んだ積層コアを回転軸に固定し、回
転軸を中心に所望回転数で回転させた状態で測定され
る。釣合いを得るためには、例えば図1に示すように、
端絡環22に隣接配置されたバランスリング28に穿孔
等の機械加工を施す方法が一般的である。そこで上記の
含浸工程を、二次導体20及び端絡環22を一体成形し
た積層コア14に回転軸12を固定した後に行うと、回
転軸12を中心に積層コア14を所望回転数で回転させ
て図5(a)に示すようにスロット18内で予め二次導
体20を最外方位置に移動させ、その状態で図5(b)
に示すように充填部材26を形成することができる。こ
の場合、複数の二次導体20が予め一様に最外方位置へ
移動した状態で充填部材26により固定支持されるの
で、その後の釣り合わせ作業が比較的容易になる利点が
ある。
及び端絡環を組み込んだ積層コアを回転軸に固定し、回
転軸を中心に所望回転数で回転させた状態で測定され
る。釣合いを得るためには、例えば図1に示すように、
端絡環22に隣接配置されたバランスリング28に穿孔
等の機械加工を施す方法が一般的である。そこで上記の
含浸工程を、二次導体20及び端絡環22を一体成形し
た積層コア14に回転軸12を固定した後に行うと、回
転軸12を中心に積層コア14を所望回転数で回転させ
て図5(a)に示すようにスロット18内で予め二次導
体20を最外方位置に移動させ、その状態で図5(b)
に示すように充填部材26を形成することができる。こ
の場合、複数の二次導体20が予め一様に最外方位置へ
移動した状態で充填部材26により固定支持されるの
で、その後の釣り合わせ作業が比較的容易になる利点が
ある。
【0014】図6は、本発明の他の実施例による籠形回
転子の一部分を示す。この籠形回転子では、積層コア3
0の外周面32に沿って、外周面32に開口しない閉鎖
スロットである複数のスロット34が形成され、それら
スロット34内に二次導体36が配置される。この場合
も、スロット34内で二次導体36を鋳造成形すること
により、スロット34の壁面と二次導体36の周面との
間に微小隙間38が形成される。そしてこの微小隙間3
8の略全体に、樹脂材料からなる充填部材40が配置さ
れる。充填部材40は、図4に示す充填部材24と同様
に、周知の含浸材から形成できる。この場合、スロット
34が閉鎖スロットであるので、微小隙間38に含浸材
を充分に浸入させるためには真空含浸を行うことが有利
である。このような構成においても、充填部材40は、
スロット34内で二次導体36を固定的に保持し、遠心
力による二次導体36の撓みや移動を防止する。
転子の一部分を示す。この籠形回転子では、積層コア3
0の外周面32に沿って、外周面32に開口しない閉鎖
スロットである複数のスロット34が形成され、それら
スロット34内に二次導体36が配置される。この場合
も、スロット34内で二次導体36を鋳造成形すること
により、スロット34の壁面と二次導体36の周面との
間に微小隙間38が形成される。そしてこの微小隙間3
8の略全体に、樹脂材料からなる充填部材40が配置さ
れる。充填部材40は、図4に示す充填部材24と同様
に、周知の含浸材から形成できる。この場合、スロット
34が閉鎖スロットであるので、微小隙間38に含浸材
を充分に浸入させるためには真空含浸を行うことが有利
である。このような構成においても、充填部材40は、
スロット34内で二次導体36を固定的に保持し、遠心
力による二次導体36の撓みや移動を防止する。
【0015】上記各実施例は、積層コアのスロット内に
二次導体を鋳造工程により成形した籠形回転子に関する
ものである。しかしながら本発明は、別工程で形成した
棒状の二次導体を積層コアのスロットに挿入して構成さ
れる籠形回転子にも適用できる。
二次導体を鋳造工程により成形した籠形回転子に関する
ものである。しかしながら本発明は、別工程で形成した
棒状の二次導体を積層コアのスロットに挿入して構成さ
れる籠形回転子にも適用できる。
【0016】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、充填部材の作用により積層コアの複数のスロ
ット内での二次導体の移動が確実に防止され、高速回転
においても籠形回転子の動釣合いを悪化させることが無
い。したがって本発明によれば、籠形回転子の回転時の
振動や騒音が排除され、特に高速回転用の高精度の駆動
源として使用可能な誘導電動機が提供される。
によれば、充填部材の作用により積層コアの複数のスロ
ット内での二次導体の移動が確実に防止され、高速回転
においても籠形回転子の動釣合いを悪化させることが無
い。したがって本発明によれば、籠形回転子の回転時の
振動や騒音が排除され、特に高速回転用の高精度の駆動
源として使用可能な誘導電動機が提供される。
【図1】本発明の実施例による誘導電動機の籠形回転子
の、図2の線I−Iに沿った断面図である。
の、図2の線I−Iに沿った断面図である。
【図2】図1の線II−IIに沿った断面図である。
【図3】図1の籠形回転子の積層コアに形成されるスロ
ットとスロット内に配置される二次導体との熱収縮の差
を説明する図で、(a)鋳造初期状態、及び(b)鋳造
完了状態、の各状態を示す。
ットとスロット内に配置される二次導体との熱収縮の差
を説明する図で、(a)鋳造初期状態、及び(b)鋳造
完了状態、の各状態を示す。
【図4】図1の籠形回転子のスロット部分を示す部分拡
大断面図である。
大断面図である。
【図5】図1の籠形回転子のスロット部分の変形例の部
分拡大断面図で、(a)鋳造前の状態、及び(b)鋳造
後の状態、の各状態を示す図である。
分拡大断面図で、(a)鋳造前の状態、及び(b)鋳造
後の状態、の各状態を示す図である。
【図6】本発明の他の実施例による誘導電動機の籠形回
転子の、図4に対応する部分拡大断面図である。
転子の、図4に対応する部分拡大断面図である。
10…籠形回転子 12…回転軸 14、30…積層コア 18、34…スロット 20、36…二次導体 22…端絡環 24、38…微小隙間 26、40…充填部材
Claims (1)
- 【請求項1】 多数の磁性薄板の積層体からなり、略軸
方向へ延びる複数のスロットを外周面沿いに備えて軸に
固定される積層コアと、該積層コアの該スロットに配置
される複数の二次導体と、該積層コアの軸方向両端で該
二次導体を相互に短絡する一対の端絡環とを具備した誘
導電動機の籠形回転子において、 前記スロットの壁面と前記二次導体の周面との間の微小
隙間に樹脂材料からなる充填部材を配置したことを特徴
とする誘導電動機の籠形回転子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3715495A JPH08237919A (ja) | 1995-02-24 | 1995-02-24 | 誘導電動機の籠形回転子 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3715495A JPH08237919A (ja) | 1995-02-24 | 1995-02-24 | 誘導電動機の籠形回転子 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08237919A true JPH08237919A (ja) | 1996-09-13 |
Family
ID=12489692
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3715495A Pending JPH08237919A (ja) | 1995-02-24 | 1995-02-24 | 誘導電動機の籠形回転子 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08237919A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US20140049134A1 (en) * | 2011-05-13 | 2014-02-20 | Hitachi Automotive Systems,Ltd. | Induction electrical rotating machine |
CN104348276A (zh) * | 2013-08-02 | 2015-02-11 | 株式会社安川电机 | 旋转电机 |
JP2016220419A (ja) * | 2015-05-21 | 2016-12-22 | 東芝産業機器システム株式会社 | かご形回転子の製造方法 |
CN114598067A (zh) * | 2022-03-21 | 2022-06-07 | 珠海格力电器股份有限公司 | 鼠笼型转子组件、鼠笼型转子和电机 |
-
1995
- 1995-02-24 JP JP3715495A patent/JPH08237919A/ja active Pending
Cited By (4)
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