JPH08237020A

JPH08237020A - アンテナ、およびその製法

Info

Publication number: JPH08237020A
Application number: JP5992395A
Authority: JP
Inventors: Kazuo Minegishi; 一夫嶺岸
Original assignee: Tokin Corp
Current assignee: Tokin Corp
Priority date: 1995-02-22
Filing date: 1995-02-22
Publication date: 1996-09-13

Abstract

(57)【要約】【目的】超弾性合金の芯線の柔軟性を生かした効率の
よいアンテナと、容易に作製する製法を供する。【構成】アンテナエレメントをシェル５に装着してな
るアンテナで、アンテナエレメントとして、予め成形さ
れた導電性の良い金属細線からなる巻線ばね３を、超弾
性合金からなる芯線１の外周に装着し、複合型アンテナ
エレメントを構成したアンテナと、前記芯線１の一端を
ソケットコンタクト４状に加工し、この芯線１の残りの
部分の外周に、導電性の良い金属細線を巻線ばね３とし
て予め加工したものを装着し、半田溶接や、かしめによ
って芯線に接続した複合型アンテナエレメントを構成
し、該複合型アンテナエレメントのソケットコンタクト
４状に加工された先端を、別に組み立てられたソケット
付きのシェル５部分に挿入して構成することを特徴とす
るアンテナの製法。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、携帯電話機等のいわゆ
る移動体通信機器装置に使用する可撓性を持たせた棒状
アンテナとその製法に関する。

【０００２】

【従来の技術】最近の移動体通信装置の発展と普及に
は、めざましいものがあり、その中でも、特に、携帯電
話機等の普及は急激なものである。その急激な普及に
は、携帯電話機の性能、即ち、感度の向上と、小型化
と、軽量化とが進んだことに大きく寄与している。

【０００３】現在、一般に使用されている携帯電話機の
電波の使用周波数は、０.７ＧＨｚから１.６ＧＨｚであ
り、そのアンテナには、構造が単純な、長さ１０ｃｍ程
度、太さφ１.０ｍｍ程度の棒材が、アンテナエレメン
トとして、一般に使用されている。

【０００４】この棒材のアンテナエレメントは、携帯及
び操作の容易性のために、可撓性を有することが望まし
い。特に、棒状（ホイップ）アンテナにおいては、この
ような理由で超弾性特性を有する超弾性合金の外径約φ
１.０ｍｍ程のより線、又は単線が使用されており、そ
の表面は腐食防止、及び美観を保つため、熱収縮チュー
ブやウレタンチューブを主とする各種チューブで覆われ
ている。高周波帯域でのアンテナの性能を高めるために
は、アンテナの棒状部分（ホイップ部分）に表面部分の
抵抗を下げ、輻射効率を高める必要があり、比較的抵抗
値の高い超弾性合金の場合、その表面にＣｕ等の導電率
の高い金属のメッキ膜を施したものを用いる試みはなさ
れている。又、形状記憶合金のチューブを用いた伸縮機
能を持つアンテナ等では、その内部にヘリカルに巻線さ
れた導電性の良い線材を挿入して、導電性を改善する試
みがなされている。又、アンテナエレメントを機器に固
定する場合、機器に直接固定するか、誘電体等が予め組
み込まれたアンテナ用のシェルに固定して用いている
が、ねじで固定するか、半田性が悪いため、アンテナエ
レメントの超弾性合金線の一部を焼き鈍し、つぶして圧
入して固定していた。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかし、上述した従来
の棒状の超弾性合金を使用したアンテナは、前述のよう
に、優れた柔軟な可撓性を持つ反面、ＧＨｚ帯におい
て、その表面抵抗は数千Ωないし数万Ωと、非常に高
く、アンテナに電波を受送波する時の高周波電流が流れ
にくい、つまり、アンテナの放射効率が悪いという問題
を有している。その対策として、超弾性合金の表面に高
い導電性を持たせるように、Ｃｕ等の導電性の高い金属
皮膜を形成したり、内部に導電性の高い線材を挿入する
等の対策もとられるが、加工工程が煩雑となり、特に、
前者はメッキ浴の管理等、環境問題があり、後者は内部
に挿入固定するため、輻射特性の改善が不十分で、大型
になる傾向があり、又、固定作業は複雑となり、高価と
なる欠点がある。更に、超弾性合金は、半田溶接が困難
なため、機器や取り付け用シェル等の各部との接合に
は、超弾性材の一部を焼きなまし、つぶして圧入する等
の煩雑な工法を取らざるを得ず、作業工程数が増加し、
作業効率も悪い。

【０００６】本発明の技術的課題は、上述した問題点を
解決して、アンテナ効率に優れ、かつ製造の容易なアン
テナおよびその製法を提供することである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明は、上述した技術
的な問題点を解決するために、超弾性合金からなる芯線
の外周上の少なくとも一部に、芯線を螺旋状に取り囲む
ように、予め巻線ばねに成形しておいた導電性の良好な
線材を巻装して構成するアンテナであり、その製法であ
る。又、アンテナを機器に固定するシェル部分への接続
を、ソケットコンタクトタイプにして、組立を簡単にし
たアンテナである。本発明のアンテナの製法は、超弾性
合金の可撓性を生かし、アンテナとしての送受波効率の
向上も図れると同時に、製作工程上、超弾性合金と他部
材との接合が、これまでの焼きなまし、つぶし圧入とい
う方法から、単純な半田溶接や、かしめ作業のみでも可
能になり、コネクタ等による固定式（コネクタ式）アン
テナから収納（伸縮）式アンテナまで、広く展開できる
ことを特徴とするアンテナと、その製法である。即ち、
本発明は、アンテナエレメントをこれを機器に固定接
続するシェルに装着してなるアンテナにおいて、アンテ
ナエレメントとして、導電性の良い金属細線からなる巻
線ばねを、超弾性合金からなる芯線の外周に装着し、複
合型アンテナエレメントを構成したことを特徴とするア
ンテナであり、上記のアンテナにおいて、複合型アン
テナエレメントの芯線の端部がソケットコンタクト状に
整形され、これに勘合するソケットが加工されたシェル
に挿入接続された構造を特徴とするアンテナであり、
上記のアンテナの製法において、超弾性合金からなる芯
線の一端をソケットコンタクト状に加工し、この芯線の
残りの部分の外周に、導電性の良い金属細線を予め巻線
ばねとして加工したものを装着し、半田溶接や、かしめ
によって芯線に接続した複合型アンテナエレメントを構
成し、該複合型アンテナエレメントのソケットコンタク
トに加工された一端を、別に組み立てられたソケット付
きシェル部分に挿入して構成することを特徴とするアン
テナの製法である。

【０００８】

【作用】導電性のよい線材の細線を、従来、アンテナの
エレメントとして使用していた導電性の悪い超弾性合金
からなるアンテナの表面に巻装することにより、アンテ
ナとしての可撓性を損なうことなく、電波の放射効率の
よいアンテナとすることができる。又、アンテナを携帯
電話機の本体への取り付けが容易なコネクタ式アンテ
ナ、伸縮可能な収納式アンテナへと現状の取り付け方式
にも十分、対応がとれる。又、この製法によれば、超弾
性合金の芯線に巻き付ける導電性巻線は、予め所定の径
に巻線したものを装着して組み立て、又、シェルへの接
続もソケットコンタクトタイプなので、組立作業が簡単
にできる。

【０００９】

【実施例】図１は、本発明に係るアンテナの外観図であ
る。即ち、本発明は、超弾性合金の芯線１に導電率の値
が、従来の超弾性合金に比べて３０倍以上の値を有する
導電性線材２として、銅線、りん青銅、黄銅線、ステン
レス線等の細線を巻装し、アンテナとするものであり、
導電性線材２を巻装するピッチは密着［図２（ａ）参
照］でも、若干の隙間を持っていてもよい［図２（ｂ）
参照］。

【００１０】超弾性合金の芯線１の材質は、Ｎｉの組成
が約５０.４〜５１％（原子％）のＮｉ−Ｔｉ合金であ
り、線径はφ０.５〜φ１.０ｍｍの細線が適当である。
ここで、超弾性特性とは、応力負荷時に応力誘起マルテ
ンサイト変態により、数％から１０数％に及ぶ見かけ上
の塑性変形を起こし、応力の除荷時に逆変態によって元
の寸法、及び形状に戻る特性をいう。

【００１１】この柔軟な可撓性を持つ超弾性の性質を損
なわないようにして、アンテナの導電性を向上させるた
めに、導電性のよい、予め巻線ばねとして作製しておい
た導電性線材２を芯線１の表面を螺旋状に囲むように装
着し、導電性線材のアンテナ下端をソケットコンタクト
部分（図３参照）で芯線と密着して送受波回路に接続す
る。導電性線材（以下、線材と称す）２としては、直径
φ０.２〜φ０.３ｍｍ程度の細線が適当である。

【００１２】図２は、超弾性材に巻装する線材２の構造
外観斜視図である。線材２の材質は、前記した通り、銅
線、りん青銅等であるため、巻線ばね３として個別に製
作することができる。この巻線ばね３に超弾性材芯線１
を挿入し、アンテナエレメントを構成し、更に、その表
面に腐食防止、及び美観を保つ目的で各種のチューブ８
をかぶせる（図３参照）。

【００１３】図３及び図４は、本発明のアンテナと電話
機本体との連結の一例として、コネクタ式（図３）、及
び伸縮式（図４）のエレメント接続箇所の一例を示した
ものである。コネクタ式の場合、図３に示すように、超
弾性芯線１と線材２から構成されたアンテナエレメント
（以下、エレメントと称す）を、コネクタ芯線部である
ソケットコンタクト４に挿入し、半田、又はかしめにて
連結接続する。更に、既組立のシェル５（インシュレー
タを含む）に、これを組み込み、コネクタタイプのアン
テナを形成する。伸縮タイプの場合には、図４（ｂ）に
示すように、ストッパ７にばねの内径に合わせた溝９を
設け、巻線ばねをはめ込む。アンテナの完成品とする段
階で、コネクタ側と反対側のエレメントの先端からキャ
ップ等をかぶせるか、更に、外観を良くするために、エ
レメント全体をチューブの代わりに樹脂材料により成形
することもある。

【００１４】

【発明の効果】以上、述べたように、本発明のアンテナ
の製法は、アンテナの芯線の超弾性合金の細線に銅線等
の導電率の高い導電性線材を予め巻線ばね状に形成して
おき、巻装することにより、芯線である超弾性合金の特
徴である高屈曲耐性で、柔軟な可撓性を生かし、なおか
つ、芯線の周囲に巻装された導電性のよい線材により、
高周波電流を流れ易くすることで、超弾性合金をエレメ
ントとして使用した場合の欠点である低いアンテナ効率
の改善と向上が図れ、かつ、接合に半田溶接や、かしめ
が可能となるので、アンテナの製造工法が容易になり、
作業性のよいアンテナの製法を提供することが可能とな
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の製法により作製されたアンテナの外観
斜視図。

【図２】本発明で使用するばねの外観斜視図。図２
（ａ）は密巻の場合を示す図、図２（ｂ）は粗巻の場合
を示す図。

【図３】本発明のアンテナと電話機本体とのコネクタ式
の連結の例を示す説明図。

【図４】本発明のアンテナと電話機本体との連結の例を
示す説明図。図４（ａ）は伸縮式の場合を示す図、図４
（ｂ）は図４（ａ）のストッパーの部分を拡大して説明
図。

【符号の説明】

１芯線２（導電性）線材３巻線ばね４ソケットコンタクト５シェル（インシュレータ含む）７ストッパ８チューブ９溝

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】アンテナエレメントをこれを機器に固定
接続するシェルに装着してなるアンテナにおいて、アン
テナエレメントとして、導電性の良い金属細線からなる
巻線ばねを、超弾性合金からなる芯線の外周に装着し、
複合型アンテナエレメントを構成したことを特徴とする
アンテナ。
【請求項２】請求項１記載のアンテナにおいて、複合
型アンテナエレメントの芯線の端部がソケットコンタク
ト状に整形され、これに勘合するソケットが加工された
シェルに挿入接続された構造を特徴とするアンテナ。
【請求項３】請求項２記載のアンテナの製法におい
て、超弾性合金からなる芯線の一端をソケットコンタク
ト状に加工し、この芯線の残りの部分の外周に、導電性
の良い金属細線を予め巻線ばねとして加工したものを装
着し、半田溶接や、かしめによって芯線に接続した複合
型アンテナエレメントを構成し、該複合型アンテナエレ
メントのソケットコンタクトに加工された一端を、別に
組み立てられたソケット付きシェル部分に挿入して構成
することを特徴とするアンテナの製法。