JPH08236678A - ダムバー加工方法及びダムバー加工装置 - Google Patents

ダムバー加工方法及びダムバー加工装置

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JPH08236678A
JPH08236678A JP3856995A JP3856995A JPH08236678A JP H08236678 A JPH08236678 A JP H08236678A JP 3856995 A JP3856995 A JP 3856995A JP 3856995 A JP3856995 A JP 3856995A JP H08236678 A JPH08236678 A JP H08236678A
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dam bar
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laser light
processing
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JP3856995A
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Nobuhiko Tada
信彦 多田
Naoki Mitsuyanagi
直毅 三柳
Yoshiya Nagano
義也 長野
Yasushi Minomoto
泰 美野本
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Hitachi Construction Machinery Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Construction Machinery Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】リードの配列状態の検出結果を基にダムバーの
所望の加工位置にパルスレーザ光を照射して加工を行う
に際して、外乱光の影響を受けることなくリードの配列
状態の検出を確実かつ正確に行うことができるようにす
る。 【構成】検出光44A(検出光41A)の光軸をレーザ
光軸13Cより2ピッチ分先行させ、反射した検出光4
1Aによってリードの配列状態(材料の有無)を検出す
る。そして、検出値と基準値メモリ39dからの基準値
とを比較して異常な検出データを排除し、また検出値と
その検出位置の前後1ピッチ分の検出値の平均値とを比
較して異常な検出データを排除する。さらに、信号処理
してパルスレーザ光10Aの発振を制御し、そのタイミ
ングに基づいてパルスレーザ光13Aを発振させながら
レーザ光軸13Cを所定の速度で移動させていく。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、リードフレームに半導
体チップを搭載し樹脂モールドで一体的に封止した半導
体装置のダムバーをパルスレーザ光によって切断するダ
ムバー切断に係わり、特に、所望の加工位置を高速で加
工することが可能なダムバー加工装置及びダムバー加工
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】リードフレームに半導体チップを搭載し
樹脂モールドでそれらリードフレーム及び半導体チップ
を一体に封止した半導体装置において、ダムバーはリー
ドフレームのリード間を連結するものであり、樹脂モー
ルドでリードフレームと半導体チップを一体に封止する
時に樹脂モールドがリードの間に流れ出てくるのを堰止
める役割を果たすものである。また、このダムバーは各
リードを補強する役割も有する。樹脂モールドによる封
止が終了すると、このダムバーは切断除去され、リード
フレームの各リード(アウターリード)が個々に切り離
される。尚、以下の説明では、上記のような樹脂モール
ドでリードフレーム及び半導体チップを一体に封止した
樹脂モールド型半導体装置のことを単に半導体装置とい
う。
【0003】従来では、このダムバーをパンチプレスに
より切断することが多かったが、最近では半導体装置の
高集積化や高性能化に伴ってリードフレームがさらに多
ピンかつ狭ピッチになってきており、その寸法精度が厳
しく要求されるため、従来のパンチプレスでは技術的に
対応できなくなってきた。
【0004】これに対し、最近ではレーザ光を使用した
ダムバーの切断方法が開発されている。レーザ光は極め
て小さく絞ることができるため微細な加工が可能であ
り、これをダムバーに照射するだけで非接触でダムバー
を切断することができるため寸法精度の良い加工が可能
である。このようなレーザ光による加工(以下、適宜、
レーザ加工またはレーザ切断という)をダムバーの切断
等に応用する従来技術としては、例えば特開平6−14
2968号公報に記載のものがある。
【0005】この従来技術は、加工光学系とほぼ同軸上
に配置した検出光学系(光検出手段)において被加工物
のリードの配列状態(材料の有無)を光学的に検出し、
その検出信号を矩形化し、さらにその矩形化した信号に
一定の遅延時間を与え、遅延時間を与えた信号に基づい
てパルスレーザ光の発振を制御するものである。つま
り、リードの配列状態を直接視覚的に検出し、そのデー
タを利用してパルスレーザ光の照射を行うものであり、
これによって所望の加工位置、即ち切断すべきダムバー
に確実にパルスレーザ光を照射してそのダムバーを高速
に切断することが可能である。しかも、検出の方法が非
接触な方法であるため、被加工物へは機械的な影響を何
ら与えない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】レーザ加工は、切断す
べき加工位置に小さく集光したパルスレーザ光を照射
し、被加工物を局部的かつ瞬間的に加熱及び溶融した
後、アシストガスでその溶融物を吹き飛ばして切断部
(切断溝)を形成するものである。それ故、レーザ加工
時には、上記溶融物の微粒子がスパッタとして飛散した
り、レーザプラズマやプルーム(ヒュームともいう)な
どが同時に発生したりする。このプルームは、レーザプ
ラズマと高温加熱による酸化反応とによって非常に明る
く発光する現象である。さらに、照射されたレーザ光は
その一部が反射または散乱される。
【0007】従って、特開平6−142968号公報に
記載のように加工光学系とほぼ同軸上に検出光学系(光
検出手段)を配置する場合、このようなスパッタの飛
散、レーザプラズマやプルームの発光、及び反射または
散乱されたレーザ光等(以下、適宜、外乱光または外乱
要素という)に邪魔されて、上記光検出手段によるリー
ドの配列状態の検出を確実かつ正確に行うことが困難に
なる。
【0008】本発明の目的は、リードの配列状態の検出
結果を基にダムバーの所望の加工位置にパルスレーザ光
を照射して加工を行うダムバー加工方法及びダムバー加
工装置において、外乱光の影響を受けることなくリード
の配列状態の検出を確実かつ正確に行うことができるダ
ムバー加工装置及びダムバー加工方法を提供することで
ある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明によれば、樹脂モールドで半導体チップをリ
ードフレーム上に封止した半導体装置のダムバーにパル
スレーザ光を照射しながらそのパルスレーザ光の光軸を
前記半導体装置に対して所定の速度で相対的に移動させ
ることにより、前記ダムバーを順次切断するダムバー加
工方法において、ダムバーに照射されるパルスレーザ光
の光軸よりも少なくとも各リードの2ピッチ分以上先行
したリードフレーム上の位置に検出光を照射し、前記リ
ードフレーム上で反射した検出光を入射させてその検出
値に対応する検出信号を発生し、その検出信号に基づい
て前記パルスレーザ光を照射するタイミングを決定し、
そのタイミングで前記ダムバーの所定位置にパルスレー
ザ光が照射されるようそのパルスレーザ光の発振を制御
することを特徴とするダムバー加工方法が提供される。
【0010】上記ダムバー加工方法において、好ましく
は、上記検出光に対応する検出値と、予め入力しておい
た設計値に基づく基準値とを比較し、前記検出値と前記
基準値との差が大きい場合には、基準値に基づいてパル
スレーザ光を照射するタイミングを決定する。
【0011】また、好ましくは、検出値と前記基準値と
の差が所定の範囲にある場合には、前記検出値とその検
出位置の前後1ピッチ分の検出値の平均値とをさらに比
較し、その検出値と平均値との差が大きい場合には基準
値に基づいて前記パルスレーザ光を照射するタイミング
を決定し、上記検出値と基準値との差が所定の範囲にあ
る場合には前記検出値に基づいてパルスレーザ光を照射
するタイミングを決定する。
【0012】さらに、好ましくは、パルスレーザ光を細
長い断面形状に変換すると共にそのレーザ光の照射位置
におけるスポットの長手方向の寸法を前記ダムバーの幅
よりも十分長くなるようにし、かつ前記スポットの幅を
前記ダムバーの長さよりも短くなるようにし、そのスポ
ットの長手方向をリードフレームのリードの長手方向と
ほぼ一致させてダムバーを幅方向に差し渡すようにその
パルスレーザ光を照射する。
【0013】また、前述の目的を達成するため、本発明
によれば、パルスレーザ光を発振するレーザ発振器と、
上記パルスレーザ光を被加工物の加工位置まで誘導する
加工光学系と、その加工光学系により誘導されたパルス
レーザ光を出射すると共にアシストガスを噴射させる開
口部を先端に備える加工ノズルと、上記パルスレーザ光
の光軸を被加工物に対して所定の速度で相対的に移動さ
せる搬送手段とを有し、樹脂モールドで半導体チップを
リードフレーム上に封止した半導体装置を前記搬送手段
に載せ、前記リードフレームのダムバーに前記パルスレ
ーザ光を照射して前記ダムバーを順次切断するダムバー
加工装置において、ダムバーに照射されるパルスレーザ
光の光軸よりも少なくとも各リードの2ピッチ分以上先
行した前記リードフレーム上の位置に検出光を照射する
検出光発生手段と、リードフレーム上で反射した検出光
を入射させてその検出値に対応する検出信号を発生する
光検出手段と、前記検出値と予め入力しておいた設計値
に基づく基準値とを比較すると共に、その検出値と基準
値との差が大きい場合には、検出値の代わりに基準値に
基づく信号を出力する第1の比較手段と、その第1の比
較手段からの信号に対応する検出値とその検出位置の前
後1ピッチ分の検出値の平均値とを比較すると共に、そ
の検出値と平均値との差が大きい場合には検出値の代わ
りに基準値に基づく信号を出力する第2の比較手段と、
第1の比較手段および第2の比較手段からの信号を記憶
する記憶手段と、その記憶手段からの信号に基づいて前
記パルスレーザ光を照射するタイミングを決定し前記ダ
ムバーの所定の位置にパルスレーザ光が照射されるよう
前記レーザ発振器を制御する制御手段とを有することを
特徴とするダムバー加工装置が提供される。
【0014】
【作用】上記のように構成した本発明においては、ダム
バーに照射されるパルスレーザ光の光軸(以下、レーザ
光軸という)よりも先行した位置に検出光を照射し、反
射した検出光によってリードの配列状態(材料の有無)
を検出する。この時、上記照射すべき検出光のレーザ光
軸に対する先行距離を少なくとも各リードの2ピッチ分
以上とすることにより、スパッタや、レーザプラズマ、
プルーム、加工用のパルスレーザ光の反射光等の強烈な
外乱光が検出光の検出器の方向に直接入射することを防
止でき、その影響を排除してリードの配列状態の検出を
確実かつ正確に行うことが可能となる。もし、上記先行
距離が、例えば1ピッチ分のような短い距離の場合に
は、上記検出器に外乱要素の影響がある程度及ぶことに
なるため、少なくとも2ピッチ分の先行距離が必要とな
る。
【0015】そして、上記のように検出光を照射しなが
らその検出光の照射位置を移動させつつ、そのリードフ
レーム上で反射した検出光をもとに対応する検出信号を
順次発生し、その検出信号に基づいて上記ダムバーの所
定の位置にパルスレーザ光が照射されるようそのパルス
レーザ光の発振を制御し、そのタイミングに基づいてパ
ルスレーザ光を発振させながらレーザ光軸を所定の速度
で移動させていく。
【0016】これにより、リードの配列状態に基づいて
ダムバーの所定の位置にそのパルスレーザ光が照射され
る。この時、レーザ光軸を被加工物に対し所定の速度で
相対的に移動させるが、パルスレーザ光の照射時間(以
下、パルス幅という)は極めて短時間であり、その時間
の移動距離は極わずかであるから、レーザ光軸を被加工
物に対して移動させるとそのパルスレーザ光の発振時刻
によってその照射位置が一義的に決定され、順次ダムバ
ーが切断され、確実かつ高速に加工が行える。
【0017】ところで、半導体装置においては、前述の
ような樹脂モールドの収縮変形等により、多数のリード
について見ると累積誤差が問題となるが、個々のリード
について見れば誤差は極わずかであり、ある程度の寸法
精度は維持されているとみなされる。本発明ではこのこ
とを利用してある程度の寸法精度が維持されている個々
のリードの配列状況を検出し、その検出信号を基にして
個々のダムバーに対する加工位置を決定し、加工を行
う。
【0018】また、上記検出光に対応する検出値と、予
め入力しておいた設計値に基づく基準値とを比較するこ
とにより、基準値から大きくかけ離れている検出データ
を異常であると判断することが可能となる。また、検出
値と基準値の差が大きい場合に、基準値の方を採用する
ことにより、基準値から大きくかけ離れている検出デー
タを排除することが可能となる。そして、採用されたデ
ータに基づいて上記パルスレーザ光を照射するタイミン
グが決定される。この異常な検出データは、飛散したス
パッタ、ゴミ、ホコリ及び汚れなどに起因する場合が多
いが、これらの異常原因は本来のリードフレームの寸法
とは無関係なものであり、その異常な検出データ(検出
誤差)を修正することにより良好なダムバー切断が可能
となる。
【0019】通常、リードフレームにおいては、樹脂モ
ールドで封止する際に樹脂の収縮変形の影響等により、
そのリードの寸法やピッチが設計値からずれることがあ
るが、上記リードの寸法やピッチが急激に変わることは
なく、緩やかに変化する。従って、ある位置の寸法やピ
ッチが前後の寸法やピッチに対して飛び抜けて異なる場
合は、さらに異常があることになる。
【0020】そこで、本発明では、上記検出値と基準値
との差(誤差)が許容される所定の範囲にある場合にお
いて、上記検出値とその検出位置の前後1ピッチ分の検
出値の平均値とをさらに比較し、それらの差が大きい場
合には基準値の方に基づいて上記パルスレーザ光を照射
するタイミングを決定する。また、検出値と基準値との
差が所定の範囲にある場合には、その検出値の方に基づ
いて上記パルスレーザ光を照射するタイミングを決定す
る。これにより、検出位置の前後のデータに対して飛び
抜けて異なる異常な検出データを排除することができ
る。
【0021】また、パルスレーザ光を細長い断面形状の
レーザ光に変換し、そのレーザ光の照射位置におけるス
ポットの長手方向の寸法がダムバーの幅よりも十分長く
なるようにし、かつ前記スポットの幅をダムバーの長さ
よりも短くなるようにし、そのレーザ光断面、従ってス
ポットを光軸まわりに適宜回転変位させてその長手方向
をリードの長手方向とほぼ一致させる。そして、上記ス
ポットがダムバーを幅方向に差し渡すようにする。これ
により、一回のレーザ光の照射によりダムバーを確実に
切断することができる。
【0022】また、本発明のダムバー加工装置において
は、検出光発生手段によりレーザ光軸よりも少なくとも
2ピッチ以上先行した位置に検出光が照射され、反射し
た検出光が光検出手段に入射して検出値に対応する検出
信号が発せられる。この検出信号は記憶手段で一旦記憶
される。第1の比較手段では、この検出値と基準値とを
比較し、その差が大きい場合に検出値の代わりに基準値
に基づく信号を出力する。第2の比較手段では、第1の
比較手段からの信号に対応する検出値とその検出位置の
前後1ピッチ分の検出値の平均値とを比較し、その差が
大きい場合には検出値の代わりに基準値に基づく信号を
出力する。
【0023】上述の記憶手段、前記第1の比較手段およ
び前記第2の比較手段のいずれかからの信号は、制御手
段に送られ、その検出信号に基づいてダムバーの所定の
位置にパルスレーザ光が照射されるようレーザ発振器の
発振のタイミングを決定する処理を行い、処理された信
号に基づいてレーザ発振器でパルスレーザ光が発振され
る。
【0024】そして、上記検出およびパルスレーザ光の
発振を行いながら、搬送手段によってレーザ光軸を半導
体装置に対して所定の速度で相対的に移動させることに
より、ダムバーが順次切断され、上述の本発明のダムバ
ー加工方法を実施することができる。
【0025】
【実施例】本発明によるダムバー加工方法及びダムバー
加工装置の第1の実施例について、図1から図12を参
照しながら説明する。
【0026】図1は、本実施例で使用するダムバー加工
装置の概略構成を模式的に示す図、図2は図1の一部を
拡大して示す図である。図1に示すレーザ切断装置は、
パルスレーザ光(以下、単にレーザ光ともいう)を発生
させるレーザ発振器10、ビーム変換器11a、ビーム
回転器11b、加工ヘッド12、加工ノズル13、加工
テーブル21、制御部30、及び検出ユニット40を備
える。
【0027】加工ヘッド12には、ダイクロイックミラ
ー14、カメラ用ハーフミラー18dが備えられ、さら
にテレビカメラ18、カメラ用結像レンズ18a、カメ
ラ用光源18bが取り付けられ、テレビカメラ18には
モニターテレビ18cが接続されている。加工ノズル1
3内には、集光レンズ16、アシストガス供給口17が
備えられている。
【0028】また、検出ユニット40は加工ノズル13
の側方の近接位置に設置されており、検出ユニットから
出力される検出光(後述する)の光軸は、加工ノズル1
3のレーザ光軸13Cよりもアウターリード3の2ピッ
チ分だけ光軸の進行方向に先行した位置に設けられる。
この検出ユニット40には、必要とする波長の光のみを
選択的に透過させるバンドパスフィルタ40a及び検出
用結像レンズ40bが取り付けられている。
【0029】また、図2に示すように、制御部30は、
微分回路31、第1比較回路39a、第2比較回路39
b、メモリ39c、基準値メモリ39d、ホールド回路
32、ディレイ回路33、レーザ電源回路34、検出位
置設定回路35、ビーム制御部36、テーブル制御部3
7、及び制御回路38、エラー処理回路50を備える。
また、検出ユニット40は、光電式検出器41、検出信
号増幅器42、比較手段であるコンパレータ43、検出
用LDレーザ発生器44、検出位置調節器45を備え
る。
【0030】ビーム変換器11aは、図3に示すよう
に、凸型シリンドリカルレンズ11s及び凹型シリンド
リカルレンズ11tを有し、レーザ発振器10からのパ
ルスレーザ光10Aの断面形状を細長い楕円形に変換す
る。そして、凹型シリンドリカルレンズ11tが図中矢
印のように光軸に沿って移動することにより、凸型シリ
ンドリカルレンズ11s及び凹型シリンドリカルレンズ
11tの間隔が調整され、楕円形の断面形状の偏平率が
変更できるようになっている。
【0031】また、ビーム回転器11bは、図3に示す
ように、像回転プリズム11z(ドーブプリズムとも呼
ばれる)を有しており、ビーム変換器11aによって断
面形状が細長い楕円形に変換されたパルスレーザ光を図
中矢印のようにその光軸まわりに所定の角度回転させ
る。但し、上記像回転プリズム11zは、図示しない回
転機構によってある角度光軸まわりに回転することによ
り入射する光が光軸まわりにその2倍の角度回転する光
学部材である。ビーム変換器11a及びビーム回転器1
1bの調整はビーム制御回路36によって行われる。
【0032】また、加工ノズル13はその中心軸が被加
工物であるワーク(半導体装置)1に対して垂直になる
ように取り付けられている。ワーク1は固定治具25上
に載置されると共に押さえ治具26でアウターリード部
分が押さえられており、さらに加工テーブル21に搭載
されている。
【0033】加工テーブル21はテーブル制御部37か
らの指令によってワーク1を水平面内(これをXY平面
内とする)に移動させるものであり、図4に示すように
Xテーブル22、Yテーブル23、θテーブル24より
構成されており、通常のダムバー加工時にはXテーブル
22及びYテーブル23によってワーク1をレーザ光軸
13Cに対して移動させる。θテーブル24は、ワーク
1を加工テーブル21に搭載した後に、ワーク1の取り
付け位置の誤差の中でXY面内における回転角度誤差を
補正するために用いる。即ち、ダムバー5の長手方向の
中心線とX軸またはY軸がほぼ一致するようにし、これ
により、ダムバー5の切断時の制御すべき軸数を削減す
ることができ、一軸方向即ち送り方向のみの制御によっ
て高い寸法精度で加工することができる。
【0034】図1及び図2に戻り、上記のような構成に
おいて、レーザ電源回路34(図2参照)の制御のもと
にレーザ発振器10よりパルスレーザ光10Aが発せら
れる。そして、ビーム変換器11a及びビーム回転器1
1bを経て加工ヘッド12に入射したパルスレーザ光1
1Aは、ダイクロイックミラー14で方向が変えられ、
集光レンズ16で集光されパルスレーザ光13Aとなっ
て加工ノズル13先端の開口部13aを通過し、ワーク
1上に照射される。
【0035】また、検出ユニット40の検出用LDレー
ザ発生器44から発せられた検出光44Aは加工ノズル
13の側方の近接位置よりワーク1上に照射され、その
表面の検出位置で反射し、検出光41Aとなって光電式
検出器41に入射する。但し、検出光41Aは光電式検
出器41に入射する直前にバンドパスフィルタ40aで
不必要な波長部分が除かれ、検出用結像レンズ40bで
集光される。検出光として上記のような検出用レーザ光
を用いることにより、検出信号(図12参照)の立ち上
がり(応答)がシャープになり、高い分解能で高精度な
検出が行える。
【0036】光電式検出器41では入射した検出光41
Aの変化が半導体装置におけるダムバー近傍のリードの
配列状態、即ちダムバーの位置の情報を含んだ電気的な
検出信号に変換されて出力され、検出信号増幅器42に
送られて増幅され、コンパレータ43に送られて二値化
されて制御部30に入力される。その後さらに信号処理
されパルスレーザ光が発振されるが、これ以後の信号処
理については後述する。
【0037】また、ワーク1上の検出位置の調節は、光
電式検出器41及び検出用LDレーザ発生器44を検出
位置調節器45で調節することにより行う。さらに、検
出位置調節器45は制御部30の検出位置設定回路35
によって制御される。上記光電式検出器41と検出用L
Dレーザ発生器44の実際の設置状況は図2では詳細に
示していないが、検出用LDレーザ発生器44の近傍に
光電式検出器41を設置すればよく、これによってコン
パクトにできる。
【0038】また、アシストガス供給口17より供給さ
れたアシストガス17Aは加工ノズル13の開口部13
aより噴射される。このアシストガス17Aは、本実施
例に限らず溶断加工であるレーザ加工を行う際に、一般
的に用いられるものであり、溶融物の大部分を吹き飛ば
して良好な加工を行うためのものである。
【0039】以上の構成において、制御部30の制御回
路38には外部より加工対象とする半導体装置(ワー
ク)1のデータ、例えば半導体装置やダムバーの設計
値、ダムバー切断を行う軌跡、加工テーブル21の加減
速運動のパターン、パルスレーザ光の発振条件やエネル
ギ条件等が入力される。また、微分回路31、ホールド
回路32、ディレイ回路33、レーザ電源回路34、検
出位置設定回路35、ビーム制御部36、及びテーブル
制御部37は制御回路30によって制御される。さら
に、基準値メモリ39dには、予めリードフレーム寸法
の設計値に基づく基準値が入力される。
【0040】次に、以上のようなダムバー加工装置によ
って半導体装置の一辺にあるダムバーを切断する動作を
説明する。まず、ワーク1即ち半導体装置の構造を図5
(a)により説明する。図5(a)において、この半導
体装置1はリードフレーム2に半導体チップ(図示せ
ず)を搭載し、対応する端子間を金線等で電気的に接続
した後に樹脂モールド4で一体的に封止したものであ
り、四方向にリード(アウターリード)3が突出してい
るQFPと呼ばれるものである。ダムバー5はリードフ
レーム2の各アウターリード3間に設けられ、樹脂モー
ルド4の封止時に樹脂がリード間から流れ出るのを防止
し、かつ各アウターリード3を補強している。本実施例
では、このダムバー5を上記ダムバー加工装置によって
切断除去する。但し、図5(a)ではダムバー5が切断
されていないものが示されており、この半導体装置1は
厳密に言えば製造途中の段階にあるが、本発明では簡単
のためこのような製造途中の段階にあるものも半導体装
置と称することとする。
【0041】図5(b)は、ダムバー5近傍のリードの
配列状態、即ちダムバー5の位置を検出している状況の
説明図であって、図5(a)のB部拡大図である。ダム
バー5の位置の検出に際しては、ワーク1を加工テーブ
ル21によって移動させ、加工ノズル13のワーク1に
対する位置を例えばX軸の正方向に一定速度v0まで加
速してから相対的に移動させる。但し、X軸及びY軸を
図のように定める。また、半導体装置ではスリット部6
の幅がアウターリード3の幅とほぼ等しいことが多いた
め、図5(b)においてもそのように表した。
【0042】この時の検出光44Aの照射範囲44B
は、図に示すようにダムバー5の幅dよりも長く、かつ
ダムバー5の幅dを差し渡すようにする。このように照
射範囲44Bを設定することにより、ダムバー5付近に
おける特定の検出位置の情報を光電式検出器41によっ
て容易に検出することができる。
【0043】図6は、光電式検出器41の感光面の配列
を示した図である。図6に示すように、複数個(1,
2,3,…,j-1,j)の検出要素41aを直線上に配列
することによって光電式検出器41を構成する。また、
検出要素41aはダムバー5を含みかつダムバー5の幅
dよりも十分長い寸法の範囲を検出可能なように配置さ
れている。但し、図において二点鎖線はダムバー5の形
状に対応している。例えば、1,2,3,4及びj-3,j
-2,j-1,jを付した検出要素41a(図中斜線を付した
もの)はダムバー5表面からの反射光がないためローレ
ベル(暗い状態)となり、それ以外の検出要素41a
(図中斜線を付していないもの)はダムバー5表面から
の反射光があるためハイベル(明るい状態)となり、こ
れによりダムバー5の近傍のリードの配列状況、即ちリ
ードの有無が検出される。
【0044】図5(b)のうち、ダムバー5が未加工の
状態ではダムバー5の長手方向の中心線A1−A2上に形
状変化は全くないため、この線上ではリードの配列状
態、即ちダムバー5の位置を検出することが不可能であ
る。これに対し、中心線A1−A2から少し離れた軌跡B
1−B2または軌跡C1−C2に沿って検出光44Aの照射
範囲44B、従って光電式検出器41による検出位置を
移動させればリード3の配列状況を検出することができ
る。
【0045】そのため、図6の検出要素41aのうち、
例えば1や2またはj-1やjを付したものにおける検出結
果(検出信号)を利用することとする。また、これによ
り、光電式検出器41による検出位置の軌跡がB1−B2
または軌跡C1−C2からはずれた場合には、各々の検出
要素41aからの検出信号レベルの変化状況から、速や
かにはずれた状況を検出することが可能であり、リード
の配列状況の誤検出を避けることができる。このよう
に、光電式検出器41を多数の検出要素41aで構成す
ることにより、検出動作の信頼性を向上することができ
る。但し、通常は、ダムバー5付近のリード3の端面に
は曲率が付いていることが多く、検出時の誤差の原因と
なることも考えられるので、検出位置の軌跡B1−B2
たはC1−C2はこの曲率のついた部分を避けて少なくと
もリード3の平行部を横切るように設定するのが望まし
い。さらに、ダムバー5の樹脂モールド4側にはレジン
ばりが存在し、検出精度に影響する可能性もあるため、
検出位置の軌跡としては、B1−B2を選ぶ方がより望ま
しい。
【0046】また、例えば個々の検出要素41aの信号
を互いに比較すれば、検出動作状況の妥当性の評価、検
出位置のねらいずれ寸法の測定、検出位置における検出
光の光量の制御、各検出要素41aの故障検出等が行え
る。
【0047】上記のようなダムバー加工装置を用いたダ
ムバー加工の手順を説明する。まず、ここで説明するリ
ードフレーム2における各々の寸法を図7のように定義
する。各アウターリード3の幅をa1〜an、リード間隙
の幅をb1〜bn-1、リードピッチをc1〜cn-1、レーザ
切断する位置をd1〜dnとする。また、1番目から(n
−1)番目までの全リードピッチを足した累積リードピ
ッチをそれぞれp1〜pn-1とする。ここでnは一辺当た
りの総リード本数であり、iは図7中左側から数えたリ
ードの本数である。ダムバー5近傍のリードの配列状態
を光電式検出器41によって検出する際には、アウター
リード3の幅a1〜an、リード間隙の幅b1〜bn-1、リ
ードピッチc1〜cn-1の3種類データが測定データとし
て取り込まれる。
【0048】図8から図10は本実施例のダムバー加工
方法を説明するためのフローチャートであり、図8か
ら、図9、図10へと順次ステップが進んでいく。ま
ず、図8のステップS100におけるワーク(半導体装
置)1の加工テーブル21への取り付け作業において、
ワーク1を取り付けたホルダーを加工テーブル21の所
定の位置に固定し(ステップS110)、加工テーブル
21を駆動させながら予めリードフレーム2に設けてお
いた基準位置を検出する(ステップS111)。そし
て、ステップS112でリードフレーム2と加工テーブ
ル21の位置ずれ量(ΔX,ΔY,Δθ)を求め、ステ
ップS113で位置ずれ(ΔX,ΔY,Δθ)を補正す
る。
【0049】次のステップS200におけるダムバー切
断準備処理作業において、ダムバー加工開始位置へ加工
テーブル21を移動開始し(ステップS210)、レー
ザ加工装置を準備し(ステップS211)、アシストガ
ス17Aを流す(ステップS211a)。
【0050】上記に続いて、ステップS300における
ダムバー切断を実施する。各辺のダムバー加工開始位置
へ移動させ(ステップS310)た後、ダムバー開始端
の加工を行う(ステップS320)。まず、ステップS
311で加工テーブル21の駆動を開始し、ステップS
311aで設定速度に到達したかどうかを判断し、到達
していれば次のステップに進み、そうでなければ設定速
度まで増速する(ステップS311b)。そして、ステ
ップS322でリードフレーム検出の開始点を通過した
かどうかを判断し、通過したならば次のステップに進
み、そうでなければ開始点を通過するまで移動させる
(ステップS322a)。
【0051】その後、ステップS323でa1,b1,c
1が検出される(検出信号S1)。この検出は検出ユニッ
ト40(図2参照)にて行われ、検出信号S1がコンパ
レータ43で所定の敷居値E0(図11および図12参
照)により二値化され信号S2となる。信号S2は第1比
較回路39aに入力され、a1,b1,c1が良好なデー
タかが判断される(ステップS324)。この時、第1
比較回路39aでは、基準値メモリ39dにおける基準
値と上記検出値の差が演算され、その差が許容される所
定の範囲(誤差範囲)にある時にはその検出値a1
1,c1がそのままメモリ39cに記憶され(ステップ
S324a)、上記差が許容される所定の範囲を超えて
基準値から離れている時にはエラーと判断し、ステップ
S324bに進む。ステップS324bでは検出値が基
準値に変換されてからメモリ39cに記憶され、さらに
ステップS324bに続いてステップS324cでエラ
ーを起こした位置のデータがエラー処理回路50に出力
される。
【0052】元々、リードフレーム2の形状はかなり高
精度に加工されているため、上記異常な検出データの現
出は、リードフレーム2の形状自体の寸法誤差に起因す
ることはほとんどなく、図11(a)に断面図で示した
ように、ゴミ、ホコリ、汚れ、飛散したスパッタ、およ
びはみ出した樹脂などの異物に起因する場合が多い。リ
ードの配列状態の検出後、検出信号増幅器42で増幅さ
れた光電式検出器41からの検出信号S1の変化は、図
11に示すようにリード(ウエブ部)3で高い出力とな
り、スリット部6で低い出力となる。この時、異物が付
着したままの状態で検出を行った場合には、検出信号S
1は異物も含めたものとなり、従って、コンパレータ4
3によって二値化されたS2も異物も含めたものとな
る。
【0053】図11に示した異物は、本来のリードフレ
ームの寸法とは無関係なものであり、その異常な検出デ
ータ(検出誤差)を含む信号S2を、上記ステップS3
24からステップS324cで説明したように基準値メ
モリ39dの基準値を示す信号S21と比較および変換を
行い、得られた信号S22を利用することにより前述のよ
うに異物の影響を排除することが可能となる。具体的に
図11中では、ずれe1およびe4は前述の許容される所
定の範囲(誤差範囲)内にないと判定され、ずれe2
よびe3は上記範囲内にあると判定されている。
【0054】また、異物によるエラーが頻繁におこる場
合には、ゴミ、ホコリ、汚れ、スパッタ、はみ出した樹
脂等が多いと考えられるため、それらの異物を排除した
り、コンパレータ43における敷居値E0を変更した
り、検出光44Aの質を工夫する等の対策を要する。
【0055】次のステップS325においては、上記検
出値a1,b1,c1をもとに信号処理によりd1の位置が
求められる。
【0056】ここで、検出光44A(検出光41A)の
光軸がレーザ光軸13Cより2ピッチ分先行しているた
め、上記のようにa1,b1,c1を検出した時には、ま
だレーザ光軸13Cがd0の位置、即ち最初のアウター
リード3よりもコーナー寄りのダムバー切断位置には来
ていない。その後の移動によりレーザ光軸13Cがd0
の位置に来るまでの間に、a1,b1,c1の検出データ
をもとにd0の適当な位置が決定され(ステップS32
6)、レーザ光軸13Cがd0の位置に来た時にd0のダ
ムバー5が切断される(ステップS326a)。
【0057】次に、図9に移り、一辺のダムバー5のう
ちi=n−2番目までのダムバー5の検出、およびi=
n−3番目までのダムバー5の切断を繰り返し行う(ス
テップS330)。まず、ステップS331でai
i,ciが検出され(検出信号S1)、コンパレータ4
3の二値化により信号S2となる。但し、厳密に言う
と、aiの検出は、di-2(i=1の場合は前述のd0
のダムバーの切断の前に完了しているはずであるが、簡
単のため、フローチャート上ではこのステップS331
で表すこととする(後述するステップS341における
n-1の検出、およびステップS349におけるanにつ
いても同様)。
【0058】また、このai,bi,ciの検出時には、
i-1,bi-1,ci-1が同時に検出されるのではなく、
厳密に言うとステップS338のdi-1のダムバー切断
後に検出されるのであるが、図8のステップS331で
は、簡単のためにai-1,bi-1,ci-1検出を同時に示し
た。
【0059】信号S2は第1比較回路39aに入力さ
れ、ai,bi,ciが良好なデータかが判断される(ス
テップS332)。この時、第1比較回路39aでは、
前述のステップS324と同様に基準値メモリ39dに
おける基準値と上記検出値の差が演算され、その差が許
容される所定の範囲(誤差範囲)にある時にはその検出
値ai,bi,ciがそのままメモリ39cに記憶され
(ステップS332a)、ステップS333以下に進
み、上記差が許容される所定の範囲を超えて基準値から
離れている時にはエラーと判断し、ステップS332b
に進む。ステップS332bでは検出値が基準値に変換
されてからメモリ39cに記憶され、さらにエラーを起
こした位置のデータがエラー処理回路50に出力され
(ステップS332c)、ステップS337dの前のS
500にジャンプする。
【0060】次に、ステップS333で、検出値ai
メモリ39cから読み出し、その値とその前後の値の平
均値、即ち(ai-1+ai+1)/2とが比較され、その差
が許容される所定の範囲(誤差範囲)にある時にはその
検出値aiがそのままメモリ39cに記憶され、上記差
が許容される所定の範囲を超えて平均値から離れている
時にはエラーと判断し、ステップS333aに進む。ス
テップS333aでは検出値が基準値に変換されてから
メモリ39cに記憶され、さらにエラーを起こした位置
のデータがエラー処理回路50に出力される(ステップ
S333b)。但し、上記平均値を演算する際には、第
1比較回路39aで処理された値が用いられる。
【0061】次に、ステップS334で、検出値bi
メモリ39cから読み出し、その値とその前後の値の平
均値、即ち(bi-1+bi+1)/2とが比較され、その差
が許容される所定の範囲(誤差範囲)にある時にはその
検出値biがそのままメモリ39cに記憶され、上記差
が許容される所定の範囲を超えて平均値から離れている
時にはエラーと判断し、ステップS334aに進む。ス
テップS334aでは検出値が基準値に変換されてから
メモリ39cに記憶され、さらにエラーを起こした位置
のデータがエラー処理回路50に出力される(ステップ
S334b)。
【0062】次に、ステップS335で、検出値ci
メモリ39cから読み出し、その値とその前後の値の平
均値、即ち(ci-1+ci+1)/2とが比較され、その差
が許容される所定の範囲(誤差範囲)にある時にはその
検出値ciがそのままメモリ39cに記憶され、上記差
が許容される所定の範囲を超えて平均値から離れている
時にはエラーと判断し、ステップS335aに進む。ス
テップS335aでは検出値が基準値に変換されてから
メモリ39cに記憶され、さらにエラーを起こした位置
のデータがエラー処理回路50に出力される(ステップ
S335b)。
【0063】次に、ステップS336で累積リードピッ
チpiを求め、ステップS337でpiが許容値に収まっ
ているかを判断し、収まっていればdiの位置が信号処
理により求められ(ステップS337a)、収まってい
なければステップS337bに進む。ステップS337
bでは検出値が基準値に変換されてからメモリ39cに
記憶され、エラーを起こした位置のデータがエラー処理
回路50に出力され(ステップS337c)、diの位
置が信号処理により求められる(ステップS337
d)。リードフレームにおいては、個々のリードについ
て見れば誤差が極わずかであっても、多数のリードにつ
いて見ると累積誤差が問題となる場合が生じる。従っ
て、上記のように累積リードピッチの評価をすること
は、非常に厳しい寸法精度を実現するために重要なこと
である。
【0064】上記ステップS333,S334,S33
5,S337における比較処理はいずれも第2比較回路
39bで行われる。
【0065】ここで、検出光44A(検出光41A)の
光軸がレーザ光軸13Cより2ピッチ分先行しているた
め、ステップS331でai,bi,ciを検出した時に
は、まだレーザ光軸13Cが信号処理により既に求めて
おいたdi-1の位置には来ていないが、その後の移動に
よりレーザ光軸13Cがdi-1の位置に達し、その時に
i-1のダムバー5が切断される(ステップS33
8)。
【0066】上記ステップS331からステップS33
8までの処理は、一辺のダムバーのうち(n−2)個目
のダムバー5の検出、および(n−3)番目のダムバー
5のダムバー5の切断が完了するまで繰り返される。
【0067】次に、図10に移り、ダムバー終了端の加
工、即ちi=n−1およびi=nに相当する部分の加工
を行う(ステップS340)。まず、ステップS341
でan-1,bn-1,cn-1が検出され(検出信号S1)、コ
ンパレータ43の二値化により信号S2となる。信号S2
は第1比較回路39aに入力され、an-1,bn-1,c
n-1が良好なデータかが判断される(ステップS34
2)。この時、第1比較回路39aでは、前述のステッ
プS332と同様に基準値メモリ39dにおける基準値
と上記検出値の差が演算され、その差が許容される所定
の範囲(誤差範囲)にある時にはその検出値an-1,b
n-1,cn-1がそのままメモリ39cに記憶され(ステッ
プS342a)、ステップS343以下に進み、上記差
が許容される所定の範囲を超えて基準値から離れている
時にはエラーと判断し、ステップS342bに進む。ス
テップS342bでは検出値が基準値に変換されてから
メモリ39cに記憶され、さらにエラーを起こした位置
のデータがエラー処理回路50に出力され(ステップS
342c)、ステップS347dの前のS600にジャ
ンプする。
【0068】次に、ステップS343で、検出値an-1
をメモリ39cから読み出し、その値とその前2個分の
値の平均値、即ち(an-2+an-3)/2とが比較され、
その差が許容される所定の範囲(誤差範囲)にある時に
はその検出値an-1がそのままメモリ39cに記憶さ
れ、上記差が許容される所定の範囲を超えて平均値から
離れている時にはエラーと判断し、ステップS343a
に進む。ステップS343aでは検出値が基準値に変換
されてからメモリ39cに記憶され、さらにエラーを起
こした位置のデータがエラー処理回路50に出力される
(ステップS343b)。
【0069】次に、ステップS344で、検出値bi
メモリ39cから読み出し、その値とその前後の値の平
均値、即ち(bn-2+bn-3)/2とが比較され、その差
が許容される所定の範囲(誤差範囲)にある時にはその
検出値bn-1がそのままメモリ39cに記憶され、上記
差が許容される所定の範囲を超えて平均値から離れてい
る時にはエラーと判断し、ステップS344aに進む。
ステップS344aでは検出値が基準値に変換されてか
らメモリ39cに記憶され、さらにエラーを起こした位
置のデータがエラー処理回路50に出力される(ステッ
プS344b)。
【0070】次に、ステップS345で、検出値ci
メモリ39cから読み出し、その値とその前後の値の平
均値、即ち(cn-2+cn-3)/2とが比較され、その差
が許容される所定の範囲(誤差範囲)にある時にはその
検出値cn-1がそのままメモリ39cに記憶され、上記
差が許容される所定の範囲を超えて平均値から離れてい
る時にはエラーと判断し、ステップS345aに進む。
ステップS345aでは検出値が基準値に変換されてか
らメモリ39cに記憶され、さらにエラーを起こした位
置のデータがエラー処理回路50に出力される(ステッ
プS345b)。
【0071】上記のように、an-1,bn-1,cn-1の評
価にその一つ前の値および二つ前の値(即ち、an-2
n-3,bn-2,bn-3,cn-2,cn-3)を用いるのは、
n,cnの値が存在しないためであり、上記方法は便宜
上採用した方法である。
【0072】次に、ステップS346で累積リードピッ
チpn-1を求め、ステップS347でpn-1が許容値に収
まっているかを判断し、収まっていればdn-1の位置が
信号処理により求められ(ステップS347a)、収ま
っていなければステップS347bに進む。ステップS
347bでは検出値が基準値に変換されてからメモリ3
9cに記憶され、エラーを起こした位置のデータがエラ
ー処理回路50に出力され(ステップS347c)、d
n-1の位置が信号処理により求められる(ステップS3
47d)。
【0073】上記ステップS343,S344,S34
5,S347における比較処理はいずれも第2比較回路
39bで行われる。
【0074】ここで、ステップS338で述べたのと同
様に、検出光44A(検出光41A)の光軸がレーザ光
軸13Cより2ピッチ分先行しているため、ステップS
341でan-1,bn-1,cn-1を検出した時には、まだ
レーザ光軸13Cが信号処理により既に求めておいたd
n-2の位置には来ていないが、その後の移動によりレー
ザ光軸13Cがdn-2の位置に達し、その時にdn-2のダ
ムバー5が切断される(ステップS348)。
【0075】また、ステップS349でanが検出され
(検出信号S1)、コンパレータ43で二値化されて信
号S2となり、第1比較回路39aでanが良好なデータ
かが判断される(ステップS350)。ステップS35
0からステップS350cでは、ステップS342から
ステップS342cと同様に、基準値メモリ39dにお
ける基準値と上記検出値の差が評価された後、良好なデ
ータであればその検出値anがそのままメモリ39cに
記憶され(ステップS350a)、エラーと判断されれ
ば、検出値が基準値に変換されてからの記憶(ステップ
S350b)およびエラーを起こした位置のデータの出
力(ステップS350c)が行われる。
【0076】また、ステップS351ではan-1
n-1,cn-1の検出データ、またはdn-1の値をもとに
nの適当な位置が決定される(ステップS351)。
また、レーザ光軸13Cがdn-1の位置に来た時にdn-1
のダムバー5が切断される(ステップS352)。さら
に、レーザ光軸13Cがdnの位置に来た時にdnのダム
バー5が切断され(ステップS353)、その後、加工
テーブル21の駆動が停止される(ステップS353
a)。
【0077】上記ステップS310からステップS35
3aまでの動作は、ステップS301に示すように4辺
のダムバー5(k=1〜4、但しkは辺の数を示す)に
ついての切断が全て終了するまで繰り返される。
【0078】ステップS300のダムバー切断が完了す
ると、ステップS400においてダムバー切断終了処理
を行う。即ち、アシストガス17Aを止め(ステップS
410)、レーザ加工装置を停止し(ステップS41
1)、エラー処理回路50にあるエラー位置のデータが
外部のエラー処理手段51やエラー表示手段52に出力
される(ステップS412)。
【0079】そして、エラー表示手段52ではそのエラ
ーが発生した位置およびその状況を表示すると共に、エ
ラー処理手段51では種々の処理を行ってそのエラーに
対処することになる。本実施例ではエラー処理手段51
の具体的構成について説明しないが、例えば、リードフ
レームの加工条件の評価および見直し、樹脂モールド封
止時の条件や収縮変形の評価および見直し、ダムバー加
工装置の取付治具や取付状態の評価および確認、ダムバ
ー加工装置の故障や事故の確認およびその予防保全や故
障修理、加工ヘッド12や加工ノズル13の光学系や動
作の確認、検出ユニット40の光学系や動作の確認、制
御部30の各部における動作の評価および確認、等々を
自動的または非自動的に行う構成が必要となる。
【0080】さらに、エラーの要因をオンラインで解析
し、そのための対策をエラー処理手段51で自動的に行
うことができるようにすれば、欠陥品の発生の低減に一
層寄与することができる。
【0081】また、大きなエラーが度重なる場合は、そ
の半導体装置は欠陥品である可能性が大きい。そのよう
な欠陥品には、マーキングして正常な製品との判別が可
能なようにすることが必要で、また、その原因について
も再検討することが必要である。特に半導体装置を大量
生産する場合には、欠陥品発生率を低減し、製品歩留り
を向上することが重要である。それ故、可能性のあるエ
ラーの原因に対する手段を講じた後、該当する原因が発
見できなければ、切断作業を速やかに中断し保守整備作
業等を実施する必要がある。
【0082】その後、ステップS500における取り外
し動作、即ちワーク1を取り付けたホルダーの加工テー
ブル21から外す動作(ステップS510)が行われ、
ダムバー加工の手順が終了する。
【0083】次に、図8から図10におけるステップS
325,S337a,S337d,S347a,S34
7dにおいて行われる信号処理、つまりレーザ切断する
位置(d1〜dn-1の位置)を求めるための信号処理につ
いて、図1、図2、図5および図12により説明する。
但し、図12では、ダムバー5付近の状態、および光電
式検出器41からの検出信号S1の変化を参考までに示
した。なお、簡単のため、図12では図11のようなエ
ラーのもととなる要因を省略した。
【0084】第1比較回路39aおよび第2比較回路3
9bで処理されメモリ39cに記憶されたデータ(信号
10)は微分回路31に入力される。この微分回路31
では、メモリ39cからの信号S10の立ち上がり及び立
ち下がりに対応する信号S3が作成され、その信号S3
ホールド回路32に入力される。ここで、図12のt1
はスリット部6の幅W2を速度v0で移動する時間であ
り、 t1=W2/v0 である。
【0085】ホールド回路32では微分回路31からの
信号S3に対応してホールド信号S4が作成される。この
ホールド回路32では、信号S3が正のパルス出力(ス
リット部6の始まりに対応する)を発した時刻T0にパ
ルスを立ち上げ、制御回路38から指定された所定時間
2の間その値が保持されたのちパルスを立ち下げる。
ここで制御回路38から指定される所定時間t2として
は、t1よりも大きく、かつリードピッチpの間をv0
移動する時間p/v0よりも短くなるように、つまり、 t1<t2<(p/v0) となるように設定される。このホールド信号S4は、信
号S3の正のパルス出力(スリット部6の始まりに対応
する信号)以外の信号を除外するためのものである。
【0086】上記ホールド信号S4はディレイ回路33
に入力され、ホールド信号S4の立ち上がりの時刻T0
ら遅延時間t3だけ経過した時刻T1にパルスを発生させ
てレーザ用トリガ信号S5を作成する。即ち、ディレイ
回路33では微分回路31からの信号S3の正のパルス
に遅延時間t3を与えて出力することになる。上記レー
ザ用トリガ信号S5はレーザ用トリガ信号発生回路34
に入力され、それをもとにレーザ発振器10からパルス
レーザ光10Aが発振する。この時のパルスレーザ光1
0Aのパルス幅t4は、それ以外のパルスレーザ光のエ
ネルギその他の諸条件とともに制御回路38より指定さ
れる。以上の信号処理により、ダムバー5の所定の位置
にパルスレーザ光13Aが照射されるようにすることが
できる。
【0087】ここで、パルスレーザ光13Aがダムバー
5の中央に照射されるようにするためのディレイ回路3
3で与える遅延時間t3について説明する。各回路での
応答のための遅れやパルスレーザ光発振までの遅れを総
合した遅延時間をδtとすると、レーザ光軸13Cがス
リット部6の始まりから中央まで移動する時間tAは、 tA=t1/2=W2/2v0 … (1) となる。また、レーザ光軸13Cがスリット部6に入っ
てからパルスレーザ光がダムバー5に照射されるまでの
時間tBは、ディレイ回路33で与えられる遅延時間t3
を用いて、 tB=δt+t3 … (2) と表される。
【0088】パルスレーザ光がダムバー5の中央に照射
されるべき条件は、 tA=tB … (3) であるから、式(1)〜(3)より遅延時間t3は、 t3=W2/2v0−δt … (4) となり、式(4)の通りに遅延時間t3を設定すればパ
ルスレーザ光13Aがダムバー5の概ね中央に照射され
ることになる。
【0089】また、前述のビーム形状変更器11を適宜
操作することにより、パルスレーザ光13Aの照射位置
におけるスポット13Bを図5(b)のように長手方向
の寸法がダムバー5の幅dよりも十分長くなるように
し、かつそのスポット13Bの長手方向をリード3の長
手方向とほぼ一致させる。そして、スポット13Bがダ
ムバー5の幅dを差し渡すようにする。これによって、
一回のパルスレーザ光13Aの照射によりダムバーを幅
方向に切断することができる。
【0090】上記のようなダムバー5の切断中または切
断準備段階には、加工ノズル13先端の開口部13aを
通してテレビカメラ18によりダムバー5近傍の画像が
撮像され、モニターテレビ18cに表示される。但し、
カメラ用光源18bからの照明光がカメラ用ハーフミラ
ー18dを介してダムバー5近傍に照射され、ダムバー
5近傍で反射した光がカメラ用結像レンズ18aを介し
てテレビカメラ18に取り込まれる。
【0091】以上のような本実施例によれば、検出光4
4A(検出光41A)の光軸をレーザ光軸13Cより2
ピッチ分先行させ、反射した検出光41Aによってリー
ドの配列状態(材料の有無)を検出するので、スパッタ
や、レーザプラズマ、プルーム、加工用のパルスレーザ
光の反射光等の強烈な外乱要素が検出ユニット40の方
向に直接入射することを防止でき、その影響を排除して
リードの配列状態の検出を確実かつ正確に行うことがで
きる。従って、安定かつ確実にダムバー5の切断を行う
ことが可能となり、また装置の故障や事故への速やかな
対応も可能となり、製品品質の向上や欠陥率の低減も図
ることができる。
【0092】また、上記検出光41Aをもとに発生させ
た検出信号を信号処理してパルスレーザ光10Aの発振
を制御し、そのタイミングに基づいてパルスレーザ光1
3Aを発振させながらレーザ光軸13Cを所定の速度で
移動させていくので、確実かつ高速にダムバー5の切断
を行うことができる。
【0093】また、上記検出光41Aに対応する検出値
と基準値メモリ39dからの基準値とを比較するので、
異常な検出データを排除することができる。
【0094】さらに、上記検出光41Aに対応する検出
値とその検出位置の前後1ピッチ分の検出値の平均値と
を比較するので、検出位置の前後のデータに対して飛び
抜けて異なる異常な検出データを排除することができ、
一層正確な検出および切断を行うことができる。
【0095】さらに、ビーム変換器11a、ビーム回転
器11bを適宜操作して、パルスレーザ光13Aのスポ
ット13Bの長手方向の寸法をダムバー5の幅よりも十
分長くなるようにし、かつスポット13Bの幅をダムバ
ー5の長さよりも短くなるようにし、そのスポット13
Bの長手方向をアウターリード3の長手方向とほぼ一致
させ、スポット13Bがダムバー5の幅を差し渡すよう
にするので、一回のレーザ光13Aの照射によりダムバ
ー5を幅方向に切断することができ、加工能率を向上す
ることができる。
【0096】次に、本発明によるダムバー加工方法及び
ダムバー加工装置の第2の実施例について、図13およ
び図14を参照しながら説明する。
【0097】第1の実施例においては、ほぼダムバー5
の中央にパルスレーザ光13Aが照射されるように制御
していたが、スリット部6の幅つまりダムバー5の長さ
が全て同じ場合には、これで十分である。しかし、パル
スレーザ光13Aの発振を制御する信号に与えるべき遅
延時間t3は一定値であり、アウターリード3の側面か
ら常に一定の距離の位置にパルスレーザ光13Aが照射
されるため、もし樹脂モールドで封止する際に樹脂モー
ルドの収縮変形するなどしてリードピッチが一定値から
ずれた場合には、パルスレーザ光13Aの照射位置がダ
ムバー5の中央(スリット部6の中央)よりもリード側
に偏って、アウターリード3に切欠き部分が形成された
りアウターリード3自体が溶断される心配もある。その
結果、後工程において実施されるアウターリード3の折
り曲げ成形時にリードの折り曲げ精度を確保できなかっ
たり破断が生じる原因となる。本実施例は、リードピッ
チが一定値からずれた場合を想定し、上記のような不具
合をなくすためのものであって、ダムバー5の中央にパ
ルスレーザ光13Aが照射されるようにしてその照射位
置の偏りをなくすためにのものである。
【0098】本実施例においては、パルスレーザ光の発
振を制御するタイミング決定のための信号処理が、第1
の実施例の図12と異なる。それ以外のダムバー加工装
置の構成やその加工方法は第1の実施例と同様である。
以下では、その信号処理を中心に説明する。
【0099】図13に示すように、第1比較回路39a
および第2比較回路39bで処理されメモリ39cに記
憶されたデータ(信号S10)は微分回路31に入力され
る。微分回路31ではコンパレータ43からの信号S2
の立ち上がり及び立ち下がりに対応する信号S3が作成
される。ここで、図13のtmはm番目のスリット部6
の幅Wmを速度v0で移動する時間であり、tm=Wm/v
0である。この段階でスリット部6の幅、即ちダムバー
5の長さWmが測定されたことになる。
【0100】また、図14に示すように、本実施例の制
御部30aでは、図2に示したホールド回路32がな
く、上記微分回路31からの信号S3がディレイ回路3
3eに入力されることになる。ディレイ回路33eはマ
イコンで構成されており、第1積算カウンタ33a、第
2積算カウンタ33b、ホールド回路33c、及びトリ
ガ信号発生回路33dを備える。但し、ホールド回路3
3cは図12のホールド回路32とは異なるものであ
る。
【0101】ディレイ回路33eでは、まず微分回路3
1からの信号S3に対応して第1積算カウンタ33aで
信号S11が作成される。この第1積算カウンタ33aで
は、信号S3が正のパルス出力(スリット部6の始まり
に対応する)を発した時刻Tm0から負のパルス出力を発
するまでの間(tmの間)に積算が行われ、その後次の
正のパルス出力までの間にその積算した値が保持され、
次の正のパルス出力を発した時点で積算された値がリセ
ットされて再び積算が行われる。この時、ディレイ回路
33eのマイコンのクロックタイム(処理を行うための
単位発振周期)をΔtとすると、tmの間のクロックタ
イムΔtの個数はtm/Δtであるが、信号S11におけ
る積算値hmは、上記tm/Δtの1/2、即ち次式
(4)を満たすように決められる。
【0102】
【数1】
【0103】上記hmの値はWmの間を移動する間
(tm)に刻まれるクロックタイムΔtの数の半分の値
である。従って、第1積算カウンタ33aでhmの値ま
で積算することは、m番目のダムバー5(長さWm)の
中央(Wm/2)を求めること、従ってスリット部6の
始まりを検出した時刻Tm0からダムバー5の中央までの
移動時間(tm/2)を求めることと同等である。
【0104】次に、この信号S11に対応して第2積算カ
ウンタ33bで信号S12が作成される。この第2積算カ
ウンタ33bでは、信号S3が正のパルス出力を発した
時刻Tm0から積算値hmまで積算が行われ、保持された
後、次の正のパルス出力を発した時点で積算された値が
リセットされて再び積算が行われる。この時の積算値h
mは第1積算カウンタ33aより与えられる。
【0105】続いて、この信号S12に基づきホールド回
路33cでホールド信号S13が作成される。このホール
ド回路33cでは、第2積算カウンタ33bにおいて積
算が行われている間はパルスを発生させず、第2積算カ
ウンタ33bにおいて積算値hmが保持されている間の
みパルスを発生させる。ホールド信号S13において、積
算値hmまでの積算が完了した時刻Tm1は、光電式検出
器41でスリット部6の始まりを検出した時刻Tm0に、
m番目のダムバー5の中央まで移動する遅延時間tm
2を加えた時刻となる。
【0106】上記ホールド回路33cからのホールド信
号S13はトリガ信号発生回路33dに入力される。トリ
ガ信号発生回路33dでは、ホールド信号S13の立ち上
がり(時刻Tm1)をもとにレーザ用トリガ信号S14が発
生し、これがレーザ用トリガ信号発生回路34に入力さ
れ、それをもとにレーザ発振器10からパルスレーザ光
10Aが発振する。以上の信号処理により、ダムバー5
の中央に正確にパルスレーザ光13Aが照射されるよう
にパルスレーザ光の発振タイミングを決定することがで
きる。
【0107】以上のような本実施例によれば、第1の実
施例と同様の効果が得られるだけでなく、信号処理によ
ってダムバー5の中央にパルスレーザ光13Aを照射し
てそのダムバー5の中央を正確に切断するので、照射位
置の偏りがなくなり、ダムバー5の切り残し幅を品質管
理上の許容値内に収めて高精度かつ良好な形状を得るこ
とが可能となる。さらに、リード3自体に切欠き部分が
形成されたりリード3自体が溶断されるような事故を防
ぐこともできる。
【0108】
【発明の効果】本発明によれば、検出光の光軸をレーザ
光軸より少なくとも2ピッチ分先行させるので、強烈な
外乱光の影響を排除してリードの配列状態の検出を確実
かつ正確に行うことができる。そして、検出光に対応す
る検出信号を信号処理してパルスレーザ光の発振を制御
しつつ、レーザ光軸を所定の速度で移動させていくの
で、確実かつ高速にダムバーの切断を行うことができ
る。
【0109】また、検出値と基準値とを比較するので、
異常な検出データを排除することができ、さらに、検出
値とその前後1ピッチ分の検出値の平均値とを比較する
ので、検出位置の前後のデータに対して飛び抜けて異な
る異常な検出データを排除して一層正確な検出および切
断を行うことができる。
【0110】また、レーザ光のスポットの長手方向の寸
法をダムバーの幅よりも十分長くし、かつそのスポット
の幅をダムバーの長さよりも短くし、さらにスポットの
長手方向をリードの長手方向とほぼ一致させて、スポッ
トがダムバーの幅を差し渡すようにするので、一回のレ
ーザ光照射によりダムバーを幅方向に切断することがで
き、加工能率を向上することができる。
【0111】従って、本発明によれば、安定かつ確実に
ダムバーの切断を行うことが可能となり、また装置の故
障や事故への速やかな対応も可能となり、製品品質の向
上や欠陥率の低減も図ることができる。さらに、多ピン
かつ狭ピッチの高性能な半導体装置を、低コストでかつ
歩留り良く製造できるとともに、大量生産することも可
能となる。その結果、欠陥がなく信頼性の高い電子機器
を、大量かつ安定に供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例で使用するダムバー加工
装置の概略構成を模式的に示す図である。
【図2】図1のダムバー加工装置における制御部及び検
出ユニットの構成を示す図である。
【図3】図1のビーム変換器11a及びビーム回転器1
1bの構成を示す図である。
【図4】図1の加工テーブルの構成を示す図である。
【図5】(a)はワーク即ち半導体装置の平面図であ
り、(b)はダムバーの切断状況の説明図であって
(a)のB部拡大図である。
【図6】図2の光電式検出器41の感光面の配列を示し
た図である。
【図7】リードフレームにおける各々の寸法の定義を説
明する図である。
【図8】図1のダムバー加工装置を用いたダムバー加工
の手順を説明するフローチャートである。
【図9】図1のダムバー加工装置を用いたダムバー加工
の手順を説明するフローチャートであって、図8に続く
図である。
【図10】図1のダムバー加工装置を用いたダムバー加
工の手順を説明するフローチャートであって、図9に続
く図である。
【図11】ダムバーの位置の検出から第1比較回路から
の信号出力までの処理を示すタイムチャートである。
【図12】ダムバーの位置の検出からパルスレーザ光の
発振タイミングの決定までの信号処理、及びパルスレー
ザ光の発振を示すタイムチャートである。
【図13】本発明の第2の実施例を説明する図であっ
て、ダムバーの位置の検出からパルスレーザ光の発振タ
イミングの決定までの信号処理、及びパルスレーザ光の
発振を示すタイムチャートである。
【図14】図13の信号処理を行うためのディレイ回路
の構成を示す図である。
【符号の説明】
1 半導体装置(ワーク) 2 リードフレーム 3 リード(ウエブ部) 4 樹脂モールド 5 ダムバー 6 スリット部 10 レーザ発振器 11a ビーム変換器 11b ビーム回転器 11A パルスレーザ光 12 加工ヘッド 13 加工ノズル 13a (加工ノズル13の)開口部 13A パルスレーザ光 13B (パルスレーザ光13Aの)スポット 13C レーザ光軸 16 集光レンズ 17 アシストガス供給口 17A アシストガス 18 テレビカメラ 18a カメラ用結像レンズ 18b カメラ用光源 18c モニターテレビ 18d カメラ用ハーフミラー 21 加工テーブル 22 Xテーブル 23 Yテーブル 24 θテーブル 30 制御部 30a 制御部 31 微分回路 32 ホールド回路 33 ディレイ回路 33a 第1積算カウンタ 33b 第2積算カウンタ 33c ホールド回路 33d トリガ信号発生回路 33e ディレイ回路 34 レーザ電源回路 35 検出位置設定回路 36 ビーム制御部 37 テーブル制御部 38 制御回路 39a 第1比較回路 39b 第2比較回路 39c メモリ 39d 基準値メモリ 40 検出ユニット 41 光電式検出器 41a (光電式検出器41の)検出要素 41A 検出光 42 検出信号増幅器 43 コンパレータ 44 検出用LDレーザ発生器 44A 検出光 44B (検出光44Aの)照射範囲 45 検出位置調節器 50 エラー処理回路 51 エラー処理手段 52 エラー表示手段 a1〜an アウターリード3の幅 b1〜bn-1 リード間隙の幅 c1〜cn-1 リードピッチ d0〜dn レーザ切断する位置 p1〜pn-1 累積リードピッチ n 一辺当たりの総リード本数 i 左側から数えたリードの本数
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 美野本 泰 茨城県土浦市神立町650番地 日立建機エ ンジニアリング株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 樹脂モールドで半導体チップをリードフ
    レーム上に封止した半導体装置のダムバーにパルスレー
    ザ光を照射しながらそのパルスレーザ光の光軸を前記半
    導体装置に対して所定の速度で相対的に移動させること
    により、前記ダムバーを順次切断するダムバー加工方法
    において、 前記ダムバーに照射されるパルスレーザ光の光軸よりも
    少なくとも各リードの2ピッチ分以上先行した前記リー
    ドフレーム上の位置に検出光を照射し、前記リードフレ
    ーム上で反射した検出光を入射させてその検出値に対応
    する検出信号を発生し、その検出信号に基づいて前記パ
    ルスレーザ光を照射するタイミングを決定し、そのタイ
    ミングで前記ダムバーの所定位置に前記パルスレーザ光
    が照射されるようそのパルスレーザ光の発振を制御する
    ことを特徴とするダムバー加工方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のダムバー加工方法におい
    て、前記検出光に対応する検出値と、予め入力しておい
    た設計値に基づく基準値とを比較し、前記検出値と前記
    基準値との差が大きい場合には、前記基準値に基づいて
    前記パルスレーザ光を照射するタイミングを決定するこ
    とを特徴とするダムバー加工方法。
  3. 【請求項3】 請求項2記載のダムバー加工方法におい
    て、前記検出値と前記基準値との差が所定の範囲にある
    場合には、前記検出値とその検出位置の前後1ピッチ分
    の検出値の平均値とをさらに比較し、前記検出値と前記
    平均値との差が大きい場合には前記基準値に基づいて前
    記パルスレーザ光を照射するタイミングを決定し、前記
    検出値と前記基準値との差が所定の範囲にある場合には
    前記検出値に基づいて前記パルスレーザ光を照射するタ
    イミングを決定することを特徴とするダムバー加工方
    法。
  4. 【請求項4】 請求項1から3のうちいずれか1項記載
    の半導体装置の製造方法において、前記パルスレーザ光
    を細長い断面形状に変換すると共にそのレーザ光の照射
    位置におけるスポットの長手方向の寸法を前記ダムバー
    の幅よりも十分長くなるようにし、かつ前記スポットの
    幅を前記ダムバーの長さよりも短くなるようにし、前記
    スポットの長手方向を前記リードフレームのリードの長
    手方向とほぼ一致させて前記ダムバーを幅方向に差し渡
    すようにそのパルスレーザ光を照射することを特徴とす
    るダムバー加工方法。
  5. 【請求項5】 パルスレーザ光を発振するレーザ発振器
    と、前記パルスレーザ光を被加工物の加工位置まで誘導
    する加工光学系と、前記加工光学系により誘導された前
    記パルスレーザ光を出射すると共にアシストガスを噴射
    させる開口部を先端に備える加工ノズルと、前記パルス
    レーザ光の光軸を前記被加工物に対して所定の速度で相
    対的に移動させる搬送手段とを有し、樹脂モールドで半
    導体チップをリードフレーム上に封止した半導体装置を
    前記搬送手段に載せ、前記リードフレームのダムバーに
    前記パルスレーザ光を照射して前記ダムバーを順次切断
    するダムバー加工装置において、 前記ダムバーに照射されるパルスレーザ光の光軸よりも
    少なくとも各リードの2ピッチ分以上先行した前記リー
    ドフレーム上の位置に検出光を照射する検出光発生手段
    と、 前記リードフレーム上で反射した検出光を入射させてそ
    の検出値に対応する検出信号を発生する光検出手段と、 前記検出値と予め入力しておいた設計値に基づく基準値
    とを比較すると共に、前記検出値と前記基準値との差が
    大きい場合には、前記検出値の代わりに前記基準値に基
    づく信号を出力する第1の比較手段と、 前記第1の比較手段からの信号に対応する検出値とその
    検出位置の前後1ピッチ分の検出値の平均値とを比較す
    ると共に、前記検出値と前記平均値との差が大きい場合
    には前記検出値の代わりに前記基準値に基づく信号を出
    力する第2の比較手段と、 前記第1の比較手段および前記第2の比較手段からの信
    号を記憶する記憶手段と、 前記記憶手段からの信号に基づいて前記パルスレーザ光
    を照射するタイミングを決定し前記ダムバーの所定の位
    置にパルスレーザ光が照射されるよう前記レーザ発振器
    を制御する制御手段とを有することを特徴とするダムバ
    ー加工装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105786024A (zh) * 2016-03-02 2016-07-20 北京航空航天大学 一种基于模型误差补偿的机载光电平台高精度跟踪控制器及其跟踪控制方法

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105786024A (zh) * 2016-03-02 2016-07-20 北京航空航天大学 一种基于模型误差补偿的机载光电平台高精度跟踪控制器及其跟踪控制方法
CN105786024B (zh) * 2016-03-02 2018-08-24 北京航空航天大学 一种基于模型误差补偿的机载光电平台高精度跟踪控制器及其跟踪控制方法

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