JPH08235936A - 転位電線 - Google Patents

転位電線

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JPH08235936A
JPH08235936A JP7041072A JP4107295A JPH08235936A JP H08235936 A JPH08235936 A JP H08235936A JP 7041072 A JP7041072 A JP 7041072A JP 4107295 A JP4107295 A JP 4107295A JP H08235936 A JPH08235936 A JP H08235936A
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JP
Japan
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dislocation
electric wire
insulation
wire
common
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Application number
JP7041072A
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English (en)
Inventor
Akinobu Ono
朗伸 小野
Shuichi Sugiyama
秀一 杉山
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Fujikura Ltd
Original Assignee
Fujikura Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐熱性ならびに耐加工性が優れるという特性
と、共通絶縁への異物の付着を防止できるという特性の
うち少なくとも一方の特性を備えた転位電線の提供。 【構成】 素線絶縁12が施された素線13が複数本転
位撚り合せられ、これらが共通絶縁14により一体化さ
れてなる転位電線において、上記素線絶縁12上にオー
バーコート層25が設けられ、また共通絶縁14上に帯
電防止層31が設けられた転位電線50。 【効果】 本発明の転位電線をガス絶縁トランスに使用
すると、絶縁ワレに起因するレイヤーショートの発生の
防止できるので、ガス絶縁トランスの安全性が向上する
という利点と、転位電線によってガス絶縁トランス内に
異物が持ち込まれることがないので、ガス絶縁トランス
の電気的特性が優れるという利点のうちの少なくとも一
方の利点がある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、トランス等に用いられ
る転位電線に係わり、特に巻線部が高温になり易いガス
絶縁トランスに用いられる転位電線に関する。
【0002】
【従来の技術】図9は、従来の転位電線の例を示す断面
図で、図9中符号10は従来の転位電線である。この転
位電線10は、平角状の導体11に素線絶縁12を施し
て平角素線13とし、この平角素線13を11本転位撚
り合せし、これらを共通絶縁14により一体化したもの
である。そして、このような転位電線10は、トランス
等の静止機器や中、大型モータなどの回転機器に用いら
れている。
【0003】ところで、これらトランスやモータなどに
おいては、高い耐熱性が要求されており、転位電線の耐
熱クラスも130℃程度のものが必要となってきてい
る。このため、上述の素線絶縁12には、ポリビニルホ
ルマール(PVF)が用いられ、共通絶縁14にはポリ
エチレンテレフタレート(PET)などからなる一軸又
は二軸延伸フィルムもしくは無延伸フィルムのテープ巻
きしたものが用いられている。さらに高度の耐熱性が要
求される場合には、素線絶縁12にポリエステル、ポリ
エステルイミド、ポリエステルイミドヒダントインなど
を用いる転位電線が考えられている。ところが、この種
の転位電線にあっては、転位撚り合わせ時に素線絶縁1
2に絶縁ワレが生じ易く、また、コイル成形の圧縮時に
転位部分に絶縁ワレが生ずるなどの耐加工性が劣るとい
う問題があり、製品化するには至らなかった。そのた
め、素線絶縁12に従来のPVFを変性した変性PVF
を用いることによって、耐熱クラスを140℃程度にし
た転位電線を使用していた。しかしながら、近年、トラ
ンス等の使用温度は、小型化、ガス絶縁化(乾燥式)、
大容量化などに伴い上昇する傾向にあり、素線絶縁12
に変性PVFを用いた転位電線では耐熱性が不十分であ
った。
【0004】また、ガス絶縁トランスにおいては、トラ
ンス内に異物が混入すると、油浸トランスよりも、大き
く電気的特性に悪影響を受ける恐れがあるため、その製
造に際しては異物が混入しないように注意が払われてい
る。ところが、従来の転位電線10にあっては、その製
造時に表面の共通絶縁14が帯電し易く、空気中の塵、
繊維、金属異物、体毛などの異物を吸着してしまう場合
があり、そのような場合にこの転位電線10によってガ
ス絶縁トランス内に異物が持ち込まれる恐れがあった。
そこで、このような問題を解決するため、転位電線の製
造をクリーンルーム内で行う方法が考えられているが、
この方法でも共通電線14をなすPETフィルムの帯電
により異物を吸着してしまう場合があり、また、帯電し
たまま出荷された場合、輸送時に異物が付着してしまう
恐れがあった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記事情に
鑑みてなされたもので、耐熱性ならびに耐加工性が優れ
るという特性と、共通絶縁への異物の付着を防止できる
という特性のうちの少なくとも一方の特性を備えた転位
電線を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1記載の
転位電線にあっては、素線絶縁が施された素線が複数本
転位撚り合せられ、これらが共通絶縁により一体化され
てなる転位電線において、上記素線絶縁上にオーバーコ
ート層が設けられたことを特徴とする。また、請求項2
記載の転位電線にあっては、素線絶縁が施された素線が
複数本転位撚り合せられ、これらが共通絶縁により一体
化されてなる転位電線において、上記転位電線の最外層
に帯電防止層が設けられたことを特徴とする。また、請
求項3記載の転位電線にあっては、素線絶縁が施された
素線が複数本転位撚り合せられ、これらの周囲に共通絶
縁用樹脂フィルムがテープ巻きされ一体化されてなる転
位電線において、上記共通絶縁用樹脂フィルムの両面に
帯電防止層が設けられたことを特徴とする。
【0007】また、請求項4記載の転位電線にあって
は、素線絶縁が施された素線が複数本転位撚り合せら
れ、これらが共通絶縁により一体化されてなる転位電線
において、上記素線絶縁上にオーバーコート層が設けら
れ、かつ上記転位電線の最外層に帯電防止層が設けられ
たことを特徴とする。また、請求項5記載の転位電線に
あっては、素線絶縁が施された素線が複数本転位撚り合
せられ、これらの周囲に共通絶縁用樹脂フィルムがテー
プ巻きされ一体化されてなる転位電線において、上記素
線絶縁上にオーバーコート層が設けられ、かつ上記共通
絶縁用樹脂フィルムの両面に帯電防止層が設けられたこ
とを特徴とする。
【0008】上記素線絶縁をなす材料としては、ポリエ
ステル、ポリエステルイミド、ポリエステルイミドヒダ
ントインなどのうちから選択される一種が用いられる。
上記オーバーコート層をなす材料としては、フッ素樹
脂、ポリビニルホルマール、ポリアミドイミド、ポリイ
ミドおよびフッ素樹脂分散ワニスなどのうちから選択さ
れる一種が用いられる。上記オーバーコート層の厚み
は、2〜40μm程度である。上記帯電防止層の厚み
は、1〜50μm程度である。
【0009】
【作用】請求項1記載の転位電線にあっては、素線絶縁
上にオーバーコート層を設けたことにより、素線絶縁を
なす材料としてポリエステル、ポリエステルイミド、ポ
リエステルイミドヒダントインなどの高耐熱材料を使用
しても、転位撚り合わせ時に素線絶縁に絶縁ワレが生じ
にくく、また、コイル成形の圧縮時に転位部分に絶縁ワ
レが生じにくくなる。また、請求項1記載の転位電線に
あっては、素線絶縁をなす材料として、ポリエステル、
ポリエステルイミド、ポリエステルイミドヒダントイン
などの高耐熱材料が使用できることから、耐熱性が優れ
たものとなる。また、請求項2記載の転位電線にあって
は、最外層に帯電防止剤からなる帯電防止を設けたこと
により、共通絶縁表面が帯電しないので、共通絶縁表面
に異物が付着するのを防止できる。また、請求項3記載
の転位電線にあっては、共通絶縁用樹脂フィルムの両面
に帯電防止層を設けたことにより、共通絶縁用樹脂フィ
ルム表面が帯電しないので、共通絶縁用樹脂フィルム表
面に異物が付着するのを防止できる。また、請求項4記
載の転位電線にあっては、素線絶縁上にオーバーコート
層を設け、かつ転位電線の最外層に帯電防止層を設けた
ことにより、請求項1ならびに請求項2記載の転位電線
と同様の作用がある。また、請求項5記載の転位電線に
あっては、素線絶縁上にオーバーコート層が設けられ、
かつ共通絶縁用樹脂フィルムの両面に帯電防止層を設け
たことにより、請求項1ならびに請求項3記載の転位電
線と同様の作用がある。
【0010】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を詳細
に説明する。図1は、本発明の第一の実施例の転位電線
の一例を示したものであり、図1中符号20は第一の実
施例の転位電線である。この第一の実施例の転位電線2
0が、図9に示した従来の転位電線10と異なるところ
は、素線絶縁12をなす材料が異なり、かつ該素線絶縁
12上にオーバーコート層25が設けられた点である。
【0011】上記素線絶縁12をなす材料としては、ポ
リエステル、ポリエステルイミド、ポリエステルイミド
ヒダントインなどの高耐熱材料が用いられている。この
ような素線絶縁12の厚みとしては、用いる材料や目的
とする耐熱レベルによって異るが、20〜110μm、
好ましくは30〜80μm、より好ましくは30〜60
μmである。
【0012】上記オーバーコート層25をなす材料とし
ては、滑り性が良好で、機械的強度が優れた材料を用い
るのが好ましく、フッ素樹脂、PVF、ポリアミドイミ
ド、ポリイミドおよびフッ素樹脂分散ワニスのうちから
選択される一種が用いられ、これらの中でもフッ素樹脂
を用いるのがより好ましい。ここでのフッ素樹脂分散ワ
ニスとしては、フッ素樹脂分散ポリイミド、フッ素樹脂
分散ポリアミドイミドなどが用いられる。
【0013】上記オーバーコート層25の厚みとして
は、2〜40μm、好ましくは5〜30μm、より好ま
しくは10〜20μmである。オーバーコート層25の
厚みが2μm未満では、薄過ぎて耐加工性が不十分で転
位撚り合わせ時に素線絶縁12に絶縁ワレが生じる恐れ
があり、一方、40μm超えてももはや効果の増大は期
待できず、経済的にも不利となり、また転位撚り合わせ
などの加工が困難になる恐がある。このようなオーバー
コート層25の形成方法としては、例えば、オーバーコ
ート層25をなす材料のディスパーションを上記素線絶
縁12上に塗布、焼き付ける方法などによって行われ
る。
【0014】このような転位電線20の共通絶縁14に
用いる材料としては、素線絶縁12の耐熱性に応じて、
PET、ポリイミド、ポリフェニレンスルフィド(PP
S)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ノメ
ックス(商品名;du Pont社製)などの共通絶縁
用樹脂フィルムのうちから選択される。上記共通絶縁1
4の厚みとしては、100〜1000μm、好ましくは
150〜800μm、より好ましくは200〜600μ
mである。共通電線14の厚みが、100μm未満で
は、要求される絶縁破壊電圧を下廻る恐れがある。
【0015】第一の実施例の転位電線20にあっては、
素線絶縁12上に滑り性が良好で、機械的強度が優れた
材料からなるオーバーコート層25を設けたことによ
り、素線絶縁12をなす材料としてポリエステル、ポリ
エステルイミド、ポリエステルイミドヒダントインなど
の高耐熱材料を使用しても、転位撚り合わせ時に素線絶
縁12に絶縁ワレが生じにくく、また、コイル成形の圧
縮時に転位部分に絶縁ワレが生じにくいので、耐加工性
が優れるという利点がある。従って、この転位電線20
をガス絶縁トランスに使用すると、絶縁ワレに起因する
レイヤーショートの発生を防止できるので、ガス絶縁ト
ランスの安全性が向上するという利点がある。また、こ
の転位電線20にあっては、素線絶縁12をなす材料と
して、ポリエステル、ポリエステルイミド、ポリエステ
ルイミドヒダントインなどの高耐熱材料が使用できるこ
とから、耐熱性が優れたものとなり、また、用いる高耐
熱材料を適宜選択することによって、耐熱性も180℃
程度まで自由に設定することができる。さらに、上記転
位電線20は、素線絶縁12上にオーバーコート層25
をなす材料のディスパーションを塗布、焼き付けるなど
の方法によって簡単にオーバコート層25設けることが
できるので、製造が容易である。
【0016】図2は、本発明の第二の実施例の転位電線
の一例を示したものであり、図2中符号30は第二の実
施例の転位電線である。この第二の実施例の転位電線3
0が、図9に示した従来の転位電線10と異なるところ
は、共通絶縁14上に帯電防止剤からなる帯電防止層3
1が設けられた点である。
【0017】上記帯電防止層31をなす帯電防止剤とし
ては、アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホ
ン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルエトキシ硫
酸エステル塩、アルキルリン酸エステル塩、アルキルト
リメチルアンモニウム塩、アシロイルアミドプロピルト
リメチルアンモニウムメトサルフェート、アルキルベン
ジルジメチルアンモニウム塩、アシル塩化コリンアルキ
ルベタイン型、イミダゾリン型、アラニン型、脂肪酸ア
ルキロールアミド、ジ−(2−ヒドロキシエチル)アル
キルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリ
オキシエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシ
ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキ
ルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエー
テルなどが用いられる。
【0018】これらの帯電防止剤は、後述する共通絶縁
14上に噴霧される際、他の溶媒に溶解して帯電防止剤
の溶液にして用いられる。ここで好適に用いられる溶媒
としては、低級アルコールであればどのようなものでも
よいが、分子量が小さすぎると蒸発熱により共通絶縁1
4が結露する恐れがあるため、分子量が46以上のもの
が好ましく、また、人体への影響を考慮してエタノール
が好ましい。他に使用できる溶媒としては、水を挙げる
ことができる。
【0019】上記帯電防止層31の厚みとしては、1〜
50μm、好ましくは1〜20μm、より好ましくは1
〜10μmである。1μm未満であると均一に塗布でき
ない可能性があり、一方、50μmを超えて厚くしても
もはや効果の増大は期待できず、経済的にも不利となる
からである。このような転位電線30の製造方法として
は、例えば図3に示すような製造装置を用いて以下のよ
うにして行うことができる。まず、転位撚り合わせ機3
2で素線13を複数本転位撚り合わせた後(以下、素線
13を複数本転位撚り合わせたものを撚線と略記す
る。)、この撚線33をテープ巻機34内に導入し、こ
こで上述の共通絶縁用樹脂フィルムを撚線33の周囲に
テープ巻きし、共通絶縁14を形成する。ついで、共通
絶縁14が形成された撚線35を帯電防止剤噴霧機36
内に導入し、この噴霧機36内で共通絶縁14上に上述
の帯電防止剤の溶液を噴霧する。この後、帯電防止剤の
溶液が噴霧された撚線35を噴霧機36の直後に設置さ
れた乾燥ブロア37内に導入し、共通絶縁14上の帯電
防止剤の溶液を温風により乾燥させることによって最外
層に帯電防止層31が設けられた転位電線30を得、最
後にこの転位電線30を巻取り器38に巻き取ることに
より行われる。
【0020】第二の実施例の転位電線30にあっては、
最外層に帯電防止層31を設けたことにより、共通絶縁
14表面が帯電しないので、共通絶縁14表面に異物が
付着することが防止できる。従って、この第二の実施例
の転位電線30をガス絶縁トランスに使用すると、転位
電線によってガス絶縁トランス内に異物が持ち込まれる
ことがないので、ガス絶縁トランスの電気的特性が優れ
るという利点がある。
【0021】次に、本発明の第三の実施例の転位電線に
ついて説明する。この第三の実施例の転位電線が図9に
示した従来の転位電線10と異なるところは、共通絶縁
用樹脂フィルムの両面に帯電防止層が設けられた点であ
る。この第三の実施例の転位電線の製造に用いられる装
置は、例えば図3に示した第二の実施例の転位電線の製
造装置において、テープ巻機34の側方に図4に示すよ
うな帯電防止層形成装置40を設け、かつテープ巻機3
4の後工程に帯電防止剤噴霧機36ならびに乾燥ブロア
37を設けない以外は略同様の構成である。
【0022】上記帯電防止剤塗布装置40は、共通絶縁
用樹脂フィルム14aを送り出す第一の送り出し機41
と、この第一の送り出し機41から送り出された共通絶
縁用樹脂フィルム14aの両面に帯電防止剤の溶液42
を噴霧する帯電防止剤噴霧機36と、この帯電防止剤噴
霧機36の直後に設けられ、共通絶縁用樹脂フィルム1
4aの両面に噴霧された帯電防止剤の溶液42を温風に
より乾燥させる乾燥ブロア37と、該乾燥ブロア37か
ら送り出された帯電防止層が両面に形成された共通絶縁
用樹脂フィルム14bをテープ巻機34に送りだすため
の第二の送り出し機44とからなるものであって、クリ
ーンルーム35内に収容されている。
【0023】第三の実施例の転位電線の製造例として
は、転位撚り合わせ機32で素線13を複数本転位撚り
合わせた後、この撚線33をテープ巻機34内に導入
し、ここでクリーンルーム35内の第二の送り出し機4
4から送り出されてくる帯電防止層が形成された共通絶
縁用樹脂フィルム14bを撚線33の周囲にテープ巻き
し、共通絶縁14を形成して転位電線を得、最後にこの
転位電線を巻取り器38に巻き取ることにより行われ
る。
【0024】第三の実施例の転位電線にあっては、共通
絶縁用樹脂フィルム14aの両面に帯電防止層を設けた
ことにより、上記第二の実施例の転位電線30と同様の
作用効果がある。上記第三の実施例の転位電線の製造例
においては、撚線をテープ巻きする工程の前に共通絶縁
用樹脂フィルムの両面に帯電防止層を形成する工程を設
けた場合について説明したが、共通絶縁用樹脂フィルム
の製造時に該フィルムの両面に帯電防止剤を塗布し、帯
電防止層を形成するようにしてもよい。
【0025】図4は、本発明の第四の実施例の転位電線
の一例を示したものであり、図4中符号50は第四の実
施例の転位電線である。この第四の実施例の転位電線5
0が、図9に示した従来の転位電線10と異なるところ
は、素線絶縁12をなす材料が異なり、かつ該素線絶縁
12上にオーバーコート層25が設けられ、さらに共通
絶縁14上に帯電防止層31が設けられた点である。こ
のような転位電線50にあっては、上述した第一の実施
例の転位電線20と第二の実施例の転位電線30と同様
の効果がある。
【0026】上記第四の実施例の転位電線50において
は、素線絶縁12をなす材料が異なり、かつ該素線絶縁
12上にオーバーコート層25が設けられ、さらに共通
絶縁14上に帯電防止層31が設けられた場合について
説明したが、共通絶縁14上に帯電防止層31を設ける
ことに代えて共通絶縁用樹脂フィルムの両面に帯電防止
層を設けた転位絶縁電線おいても上述した第一の実施例
の転位電線20と第三の実施例の転位電線と同様の効果
がある。
【0027】(実施例1)厚さ2.2mm、幅6mmの
平角導体11上にポリエステル絶縁材料を焼付け、厚さ
40μmの素線絶縁12を施した素線13を作製し、さ
らにこの素線13上にPTFE絶縁塗料を焼き付け、厚
さ15μmのオーバーコート層25を設けた。ついで、
このようなオーバーコート層25が設けられた素線13
を転位撚り合わせ機で4本転位撚り合わせした後、この
撚線をテープ巻機に導入し、ここで厚さ50μmのPE
Tフィルムからなる共通絶縁用樹脂フィルムを撚線の周
囲にテープ巻きし、厚さ300μmの共通絶縁14を施
し、図6に示すような転位電線20aを得た。
【0028】(実施例2)ポリエステル絶縁材料のかわ
りにポリエステルイミド絶縁材料を用い、かつPETフ
ィルムのかわりにポリイミドフィルムを用いた以外は上
記実施例1と同様にして転位電線を得た。 (実施例3)ポリエステル絶縁材料のかわりにポリエス
テルイミドヒダントイン絶縁材料を用い、かつPETフ
ィルムのかわりにポリイミドフィルムを用いた以外は上
記実施例1と同様にして転位電線を得た。
【0029】(実施例4)ポリエステル絶縁材料のかわ
りにポリエステルイミド絶縁材料を用い、かつPTFE
絶縁塗料のかわりにポリアミドイミド絶縁塗料を用い、
さらにPETフィルムのかわりにポリイミドフィルムを
用いた以外は上記実施例1と同様にして転位電線を得
た。 (実施例5)ポリエステル絶縁材料のかわりにポリエス
テルイミド絶縁材料を用い、かつPTFE絶縁塗料のか
わりにPTFEを分散させたポリアミドイミド絶縁塗料
を用い、さらにPETフィルムのかわりにポリイミドフ
ィルムを用いた以外は上記実施例1と同様にして転位電
線を得た。
【0030】(比較例1)ポリエステル絶縁材料のかわ
りにPVF絶縁材料を用い、かつオーバーコート層を設
けない以外は上記実施例1と同様にして図7に示すよう
な転位電線10aを得た。 (比較例2)オーバーコート層を設けない以外は上記実
施例1と同様にして図7に示すような転位電線10aを
得た。
【0031】得られた実施例1〜5の転位ケーブルと比
較例1〜2の転位ケーブルについて耐加工性ならびに耐
熱性の比較試験を実施した。その結果を表1及び表2に
示す。ここでの耐加工性については、転位撚り合わせ時
の絶縁ワレの発生の有無ならびにコイル成形の圧縮時の
絶縁ワレの発生の有無を以下のようにして調べた。転位
撚り合わせ時の絶縁ワレは、転位電線の転位部分を50
0m観察したときの素線絶縁のワレの発生の有無を調べ
た。コイル成形の圧縮時の絶縁ワレの発生の有無は、図
8に示すような断面U字状の鉄製スロット70aと板状
の鉄製ウエッジ70bとからなる圧縮治具70を用意
し、転位電線を上記スロット70a内に入れた後、スロ
ット70aの上部にウエッジ70bを嵌めて転位電線を
固定し、ついでウエッジ70bの上から転位電線に 1
000kg/cm2を10分間かけたときのレイヤーシ
ョートの発生の有無により調べた。
【0032】
【表1】
【0033】
【表2】
【0034】なお、上記表1中、クレージングの発生は
絶縁ワレとは異るもので、実用上問題のないものであ
る。上記表1および表2に示した結果から明らかなよう
にPTFEからなるオーバーコート層が設けられた実施
例1の転位電線は、オーバーコート層が設けられていな
い比較例2の転位電線に比べて転位撚り合わせ時の絶縁
ワレならびにコイル成形の圧縮時の絶縁ワレがなく、耐
加工性が優れていることが判る。また、PTFE分散ポ
リアミドイミドからなるオーバーコート層が設けられた
実施例5の転位電線は、ポリアミドイミドからなるオー
バーコート層が設けられた実施例4の転位電線に比べて
耐加工性が優れていることが判る。
【0035】(実施例6)厚さ2.2mm、幅6mmの
平角導体上にポリエステル絶縁材料を焼付け、厚さ30
μmの素線絶縁を施した素線を作製した。ついで、この
素線を転位撚り合わせ機で11本転位撚り合わせした
後、この撚線をテープ巻機に導入し、図4と同様の帯電
防止層形成装置40で厚さ10μmの帯電防止層が両面
に形成されたPETフィルムを撚線の周囲にテープ巻き
し、厚さ300μmの共通絶縁を形成し、転位電線を得
た。帯電防止層形成装置40において、帯電防止層の形
成に用いる帯電防止剤の溶液としては、サンスタット2
012−A(商品名;三洋化成工業株式会社製)の1.
0wt%エタノール溶液を使用した。
【0036】(実施例7)実施例6と同様にして作製し
た撚線をテープ巻機に導入し、PETフィルムを撚線の
周囲にテープ巻きし、厚さ300μmの共通絶縁を形成
した。ついで、共通絶縁が形成された撚線を図3と同様
の帯電防止剤噴霧機36内に導入し、この噴霧機36内
で共通絶縁上に帯電防止剤の溶液としてサンスタット2
012−A(商品名;三洋化成工業株式会社製)の1.
0wt%エタノール溶液を噴霧した後、さらに撚線を図
3と同様の乾燥ブロア37内に導入し、共通絶縁上の帯
電防止剤の溶液を温風により乾燥させることによって最
外層に厚さ10μmの帯電防止層31が形成された図2
と同様の転位電線30を得た。
【0037】(比較例3)実施例6と同様にして作製し
た撚線をテープ巻機に導入し、PETフィルムを撚線の
周囲にテープ巻きし、厚さ300μmの共通絶縁を形成
し、図9と同様の転位電線10を得た。
【0038】得られた実施例6〜7の転位ケーブルと比
較例3の転位ケーブルについて摩擦帯電圧と異物の吸着
性の比較試験を実施した。その結果を表3に示す。ここ
での摩擦帯電圧については、ロータリースタチックテス
ターを使用し、各転位ケーブルの共通絶縁をなすPET
フィルムと線ブロード間の摩擦帯電圧を調べた。異物の
吸着性については、各転位ケーブル50cmを切り取
り、線ブロードで20回強く擦った後、各転位ケーブル
をタバコの灰が散布された散布面から1cmの高さのと
ころに近づけたときの、転位ケーブル表面に吸引される
タバコの灰の量を調べた。ここでの各比較試験は、雰囲
気温度20℃、相対湿度65%中で行った。
【0039】
【表3】
【0040】上記表3に示した結果から明かなように、
比較例3の転位電線がタバコの灰の吸引があるのに対し
て、実施例6〜7の転位電線はタバコの灰の吸引がな
く、共通絶縁表面が帯電していないことがわかる。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように本発明の転位電線に
あっては、上述のような構成としたことにより、耐熱性
ならびに耐加工性が優れるという特性と、共通絶縁への
異物の付着を防止できるという特性のうち少なくとも一
方の特性を有するという利点がある。従って、本発明の
転位電線をガス絶縁トランスに使用すると、絶縁ワレに
起因するレイヤーショートの発生の防止できるので、ガ
ス絶縁トランスの安全性が向上するという利点と、転位
電線によってガス絶縁トランス内に異物が持ち込まれる
ことがないので、ガス絶縁トランスの電気的特性が優れ
るという利点のうちの少なくとも一方の利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第一の実施例の転位電線を示す断面
図である。
【図2】 本発明の第二の実施例の転位電線を示す断面
図である。
【図3】 図2に示した第二の実施例の転位電線の製造
に用いる製造装置を説明するための図である。
【図4】 本発明の第三の実施例の転位電線の製造に用
いる帯電防止層形成装置を説明するための図である。
【図5】 本発明の第四の実施例の転位電線を示す断面
図である。
【図6】 実施例1で得られた転位電線を示す断面図で
ある。
【図7】 比較例1で得られた転位電線を示す断面図で
ある。
【図8】 耐加工性の比較試験で用いる圧縮治具を説明
するための図である。
【図9】 従来の転位電線の例を示す断面図である。
【符号の説明】
12・・・素線絶縁、13・・・素線、14・・・共通絶縁、1
4a・・・共通絶縁用樹脂フィルム、14b・・・共通絶縁用
樹脂フィルム、20・・・転位電線、20a・・・転位電線、
25・・・オーバーコート層、30・・・転位電線、31・・・
帯電防止層、50・・・転位電線。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 素線絶縁が施された素線が複数本転位撚
    り合せられ、これらが共通絶縁により一体化されてなる
    転位電線において、上記素線絶縁上にオーバーコート層
    が設けられたことを特徴とする転位電線。
  2. 【請求項2】 素線絶縁が施された素線が複数本転位撚
    り合せられ、これらが共通絶縁により一体化されてなる
    転位電線において、上記転位電線の最外層に帯電防止層
    が設けられたことを特徴とする転位電線。
  3. 【請求項3】 素線絶縁が施された素線が複数本転位撚
    り合せられ、これらの周囲に共通絶縁用樹脂フィルムが
    テープ巻きされ一体化されてなる転位電線において、上
    記共通絶縁用樹脂フィルムの両面に帯電防止層が設けら
    れたことを特徴とする転位電線。
  4. 【請求項4】 素線絶縁が施された素線が複数本転位撚
    り合せられ、これらが共通絶縁により一体化されてなる
    転位電線において、上記素線絶縁上にオーバーコート層
    が設けられ、かつ上記転位電線の最外層に帯電防止層が
    設けられたことを特徴とする転位電線。
  5. 【請求項5】 素線絶縁が施された素線が複数本転位撚
    り合せられ、これらの周囲に共通絶縁用樹脂フィルムが
    テープ巻きされ一体化されてなる転位電線において、上
    記素線絶縁上にオーバーコート層が設けられ、かつ上記
    共通絶縁用樹脂フィルムの両面に帯電防止層が設けられ
    たことを特徴とする転位電線。
JP7041072A 1995-02-28 1995-02-28 転位電線 Pending JPH08235936A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010102923A (ja) * 2008-10-23 2010-05-06 Matsumoto Giken:Kk 帯電防止機能付き電源コード

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