JP2000251541A - 絶縁電線 - Google Patents
絶縁電線Info
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- JP2000251541A JP2000251541A JP11050323A JP5032399A JP2000251541A JP 2000251541 A JP2000251541 A JP 2000251541A JP 11050323 A JP11050323 A JP 11050323A JP 5032399 A JP5032399 A JP 5032399A JP 2000251541 A JP2000251541 A JP 2000251541A
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Abstract
環境下でも使用する電気機器のコイルに用いるのに好適
な絶縁電線を提供することを目的とする。 【解決手段】 導体線材(アルミ線1)の外表面に耐化
学薬品性の熱可塑性材料層(テフロン層2)を形成し、
該熱可塑性材料層の外表面にガラス繊維層(3)を形成
し、該ガラス繊維層(3)の外表面に耐化学薬品性の熱
可塑性材料層(テフロン層4)を形成し、これらの熱可
塑性材料層を溶融して該導体線材を絶縁する絶縁層とし
た絶縁電線。熱可塑性材料は、ポリテトラフロロエチレ
ン(PTFE)、ポリテトラフロロアルコキシレジン
(PFA)、フロリネイティドエチレンプロピレンコー
ポリマー(FEP)、エチレンテトラフロロエチレンコ
ーポリマー(ETFE)、ポリクロロトリフロロエチレ
ンコーポリマー(CTFE)の単体材料又はその組み合
わせ材料である。
Description
学薬品の充満する特殊な雰囲気下で使用される電気機器
のコイル、特に400V以下の低圧、小型モータに使用
されるコイルに用いるのに好適な絶縁電線に関するもの
である。
れる絶縁電線はワニス絶縁線、ガラス巻ワニス絶縁線、
テープ巻き絶縁線等が挙げられている。ここで使用され
るワニスとは、例えばポリエステル樹脂等が一般的でモ
ータの稼働温度が低い場合には耐熱性に劣るが製造性の
優れたウレタン樹脂等、また耐熱性が要求される場合は
製造性を多少犠牲にしてもポリイミド等の単独又は変性
して、導体に塗布できるように希釈等で粘度等を調整し
たワニスが使用される。
ス繊維を巻いた後にワニス処理でガラス繊維を固定する
もので、基本的にはワニス絶縁電線に使用されるワニス
と同じものが使用される。更にテープ巻き絶縁電線はア
ラミド、ポリイミド等のシート材料に接着剤を塗布し、
これを導体に巻き易いサイズにテープ状に切断して導体
に巻き付け接着剤を加熱、加圧することによって絶縁テ
ープを導体に貼付けるものである。
て使い分けされているが、大部分の汎用モータには上記
絶縁電線のいずれかが使用されている。いずれにして
も、上記絶縁電線の全ては汎用モータの使用される通常
の環境下において、長年の使用実績もあり実用上の問題
は皆無であった。
する環境下では上記絶縁ワニス及びシート材は分解又は
急激に劣化し、絶縁性は即座に低下することが知られて
いる。これを確認するために、以下のような実験を行っ
た。先ず、上記絶縁電線を用い、IEEE Std11
7−1974規格に準じた図2に示すようなモデルコイ
ル(モートレット)10を製作し、該モデルコイル10
を同規格で製作したモートレット治具11に納めてテス
トサンプルとした。
填したステンレス製容器に入れ、温度180℃程度で2
週間放置し、その後ステンレス製容器から上記絶縁材料
を取り出し目視により確認した。その結果、ワニスは全
て分解して粉末状に、またシート材は残っていたものの
触れただけでその形状を維持することができず、とても
絶縁性能の期待できる状態ではなかった。
みてなされたもので、アンモニアガス等の化学薬品の充
満する特殊環境下で使用する電気機器のコイルに用いる
ことができる絶縁電線を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、導体線材の外表面を絶縁層で
被覆した絶縁電線において、絶縁層は、導体線材の外表
面に耐化学薬品性の熱可塑性材料層を形成し、該熱可塑
性材料層の外表面にガラス繊維層を形成し、該ガラス繊
維層の外表面に耐化学薬品性の熱可塑性材料層を形成
し、これらの熱可塑性材料層を加熱溶融して該ガラス繊
維層を固定した絶縁層であることを特徴とする。
記載の絶縁電線において、熱可塑性材料層を構成する熱
可塑性材料は、ポリテトラフロロエチレン(PTF
E)、ポリテトラフロロアルコキシレジン(PFA)、
フロリネイティドエチレンプロピレンコーポリマー(F
EP)、エチレンテトラフロロエチレンコーポリマー
(ETFE)、ポリクロロトリフロロエチレンコーポリ
マー(CTFE)の単体材料若しくはその組み合わせ材
料であることを特徴とする。
面に基づいて説明する。図1は本発明に係る絶縁電線の
断面を示す図である。1は直径1.2mmのアルミ線
で、該アルミ線の外周に0.02mm厚さのPTFEテ
ープを突き合わせ巻で1回巻きしてテフロン層2を形成
し、次いで該テフロン層2の上からJIS R 341
3に記載されている無アルカリガラス糸を1重巻で1回
巻きしガラス繊維層3を形成し、更にこの上から0.2
mm厚さPTFEテープを1/2重ね巻で1回巻きして
テフロン層4を形成する。
ル型恒温槽の中を30分間連続して通過させ、加熱によ
りテフロン層2及びテフロン層4を溶融してガラス繊維
層3を固定し、アルミ線1の外周をガラス繊維層3をテ
フロン層2とテフロン層4で挟んだサンドイッチ構造の
絶縁層で被覆している。
して、絶縁層の断面を確認したところテフロン層2及び
4がガラス繊維(ガラス糸)層3を構成するフィラメン
ト形状に添った形状でガラス糸を押えており、ガラス糸
を接着固定していることが確認できた。
上記絶縁電線でIEEE Std117−1974に準
拠した図2に示すモートレット治具11、モデルコイル
10を作製、乱巻電気機器の絶縁システムの評価手法に
準じて電機コイルを評価した。熱的暴露は温度条件Cl
ass H、機械的暴露は振動周波数50Hz、振幅は
両振幅で0.4mmとし、この条件で1時間、加湿は相
対湿度95%雰囲気中で44時間、これを1サイクルと
して各サイクル終了後に耐電圧チェックをしながら、2
0サイクル繰返し実施した。この結果、5個の全てのサ
ンプルに絶縁上の異常は認められなかった。
コイルを用い、耐アンモニア性を調査した。調査方法
は、このモデルコイルをアンモニアガスを充満させたス
テンレス容器に入れ、温度が200℃の時に容器内圧力
が10kg/cm2になるように圧力を調整し、これを
200℃の恒温槽に入れて2週間放置後、取り出してI
EEE Std117−1974に準拠した電圧チェッ
クを実施した。その結果、5個の全てのモデルコイルに
絶縁上の異常は認められなかった。
ス糸を巻いたガラス繊維層3をテフロン層2とテフロン
層4で挟んだサンドイッチ構造の絶縁層であるから、ガ
ラス糸を構成するガラスフィラメントを固定することが
できた。また、ここで用いたテフロンは化学的にも安定
しておりアンモニアガス等腐食性ガス雰囲気中でも絶縁
性能に変化は認められなかった。当然のことながらガラ
ス糸も無アルカリを使用しているため絶縁性を損なうよ
うなことはない。
く、特にナイフエッジには極端に弱いが、ここでは絶縁
層の内部にガラス糸が保持されているため、万一表面の
テフロンがナイフエッジで傷ついてもこの内部のガラス
糸で更に傷が内部まで侵入するのを防ぐことができる。
このことはこの絶縁電線をモータのコイルとして使用し
た場合、コイルには稼働時の振動、稼働停止時の温度変
化によるコイルの収縮等、個々の絶縁電線に摩擦の応力
が働き絶縁層を損傷させることも考慮されるが、本絶縁
電線ではこのような絶縁層損傷はない。
ミ線にガラス糸を巻いた後、溶融テフロンを押し出しで
ガラス糸に巻き付けたが、ガラス糸を綿密に巻いた場合
は溶融テフロンがアルミ線表面まで充分に達せず、ガラ
ス糸を粗く巻いた場合は溶融テフロンが巻き付けたガラ
ス糸を動かすため、均一ガラス糸の層を形成できないと
いう問題がある。
る絶縁電線の製造方法の一例であり、本発明はこれに限
定されるものではなく、導体線材に耐化学薬品性の熱可
塑性材料の層を形成する工程、該熱可塑性材料の層の上
にガラス糸を巻いてガラス繊維層を形成する工程、該ガ
ラス繊維層の上に耐化学薬品性の熱可塑性材料の層を形
成する工程、加熱により熱可塑性材料を溶融する工程を
経て、導体線材の外周にガラス繊維層を熱可塑性材料層
と熱可塑性材料層で挟んだサンドイッチ構造の絶縁層を
形成している絶縁電線は本発明に含まれる。
の熱可塑性材料としてポリテトラフロロエチレン(PT
FE)、即ちテフロンを用いたが、これに限定されるも
のではなく、ポリテトラフロロエチレン(PTFE)、
ポリテトラフロロアルコキシレジン(PFA)、フロリ
ネイティドエチレンプロピレンコーポリマー(FE
P)、エチレンテトラフロロエチレンコーポリマー(E
TFE)、ポリクロロトリフロロエチレンコーポリマー
(CTFE)の単体材料又はその組み合わせ材料を使用
できる。
体線材の外表面に耐化学薬品性の熱可塑性材料層を形成
し、該熱可塑性材料層の外表面にガラス繊維層を形成
し、該ガラス繊維層の外表面に耐化学薬品性の熱可塑性
材料層を形成し、これらの熱可塑性材料層を溶融して該
導体線材を絶縁する絶縁層としたので、下記のような優
れた効果が得られる。
品性の熱可塑性材料層と熱可塑性材料層で挟んだサンド
イッチ構造であるから、ガラスフィラメントを熱可塑性
材料で固定することができ、絶縁性に優れ且つアンモニ
アガス等の腐食性化学薬品の存在する雰囲気中でも使用
に耐えうる絶縁電線が得られる。
く、特にナイフエッジには極端に弱いが、ここでは絶縁
層の内部にガラス繊維層が保持されているため、万一表
面の熱可塑性材料層がナイフエッジで傷ついてもこの内
部のガラス繊維層で、更に傷が内部まで侵入するのを防
ぐことができる。従って、本発明の絶縁電線をモータの
コイルとして使用した場合、コイルには稼働時の振動、
稼働停止時の温度変化によるコイルの収縮等、個々の絶
縁電線に摩擦の応力が働いても絶縁層が損傷することは
ない。
たモデルコイル(モートレット)及びモートレット治具
を示す図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 導体線材の外表面を絶縁層で被覆した絶
縁電線において、前記絶縁層は、前記導体線材の外表面
に耐化学薬品性の熱可塑性材料層を形成し、該熱可塑性
材料層の外表面にガラス繊維層を形成し、該ガラス繊維
層の外表面に耐化学薬品性の熱可塑性材料層を形成し、
これらの熱可塑性材料層を加熱溶融して該ガラス繊維層
を固定した絶縁層であることを特徴とする絶縁電線。 - 【請求項2】 請求項1に記載の絶縁電線において、前
記熱可塑性材料層を構成する熱可塑性材料は、ポリテト
ラフロロエチレン(PTFE)、ポリテトラフロロアル
コキシレジン(PFA)、フロリネイティドエチレンプ
ロピレンコーポリマー(FEP)、エチレンテトラフロ
ロエチレンコーポリマー(ETFE)、ポリクロロトリ
フロロエチレンコーポリマー(CTFE)の単体材料若
しくはその組み合わせ材料であることを特徴とする絶縁
電線。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11050323A JP2000251541A (ja) | 1999-02-26 | 1999-02-26 | 絶縁電線 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11050323A JP2000251541A (ja) | 1999-02-26 | 1999-02-26 | 絶縁電線 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000251541A true JP2000251541A (ja) | 2000-09-14 |
JP2000251541A5 JP2000251541A5 (ja) | 2005-11-04 |
Family
ID=12855708
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11050323A Pending JP2000251541A (ja) | 1999-02-26 | 1999-02-26 | 絶縁電線 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000251541A (ja) |
-
1999
- 1999-02-26 JP JP11050323A patent/JP2000251541A/ja active Pending
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