JPH08235565A - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JPH08235565A
JPH08235565A JP3552795A JP3552795A JPH08235565A JP H08235565 A JPH08235565 A JP H08235565A JP 3552795 A JP3552795 A JP 3552795A JP 3552795 A JP3552795 A JP 3552795A JP H08235565 A JPH08235565 A JP H08235565A
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magnetic
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magnetic recording
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JP3552795A
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Hirofumi Kondo
洋文 近藤
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Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 磁性層中の磁性層の分散性の向上と、磁気記
録媒体の耐久性の向上を図る。 【構成】 磁性層中にバインダーとして長鎖アミンを持
つスルフォアミド基を有するポリウレタン高分子を持つ
構成とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁気テープ、磁気ディ
スク等の磁気記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、磁気記録媒体は、例えばオーディ
オ機器、ビデオ機器、コンピュータなどに用いられ、そ
の需要は著しく伸びてきている。この磁気記録媒体は、
一般に、ポリエステルフィルムなどの非磁性支持体上
に、磁性粉末と結合剤とから成る磁性層が設けられた構
造を有する。そして、この磁性層は、通常磁性粉末を、
結合剤を含有する媒体中に分散させた磁性塗料を非磁性
支持体に塗布したり、あるいは転写したりすることによ
って形成されている。
【0003】従来、この結合剤としては、例えばポリエ
ステル系樹脂、セルロース系樹脂、ポリウレタン系樹
脂、塩化ビニル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合
体、塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合
体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、アクリロニ
トリル−ブタジエン共重合体、フェノール系樹脂、エポ
キシ系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリビニルブチラー
ル、ニトロセルロース、セルロースアセテートブチレー
ト、アクリル系樹脂、電子線硬化型樹脂などの有機高分
子化合物が用いられている。
【0004】これらの結合剤はそれぞれ長所及び短所を
有しており、単独使用では望ましい性質を有する磁気層
が得られにくいため、通常2種類以上を組み合わせて用
いている。例えば、塩化ビニル系樹脂、ポリビニルブチ
ラール、ニトロセルロースなどの比較的硬い樹脂と、ポ
リエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アクリロニト
リル−ブタジエン共重合体などの軟質樹脂とが組み合わ
されて使用されることが多く、また、磁性層の耐久性を
向上させる目的で、硬化性成分としてポリイソシアネー
ト化合物を使用する例も多い。
【0005】近年、磁気記録媒体の記録密度の向上やS
/N比の改良要求に伴い、強磁性粉末は、より微細化、
高磁力化、高抗磁力化してきており、したがって、この
磁性粉末を均質に磁性塗料中に分散させ、平滑で充填度
の高い磁性層を形成させて、前記の磁気記録媒体として
の性能の向上を達成させるためには、結合剤の分散性能
が極めて重要な因子となる。これまで、強磁性粉末の分
散性を向上させる方法としては、通常低分子量の界面活
性剤などの分散剤を用いる方法がとられているが、この
方法においては、この分散剤を多量に用いると磁気記録
媒体の耐久性やヘッド汚れなど、好ましくない事態を招
来するため、その使用量が制限されるのを免れず、十分
な分散性が得られない上、磁気記録媒体の信頼性の向上
の点からも、結合剤自体に高度の分散能を有することが
要求されている。
【0006】一方、磁気記録媒体の耐久性や信頼性を高
めるために、ポリイソシアネート化合物などの硬化性化
合物を磁性塗料中に含有させ、磁性層を架橋塗膜化する
ことが、特に録画用磁気テープの分野において慣用的に
使用されている。
【0007】この場合、結合剤としては、ポリイソシア
ネート化合物などの架橋剤と適当な反応性を有すること
が要求される。このような要求にこたえる結合剤とし
て、SO3 M、SO4 M、PO4 2 、PO3 2 〔M
はアルカリ金属又はアンモニウム基)などのイオウやリ
ンを含む塩型強酸基などの親水性基を含む塩化ビニル系
樹脂が、強磁性粉末の分散能や分散安定性に優れ、かつ
分子間力の強さに基づく高い強度などの点から、広く用
いられている。
【0008】しかし、これらの良好とされる結合剤を選
んでも、高密度記録のために強磁性粉末の粒子サイズを
微細にすればするほど分散が困難になり、磁性塗料を調
製する際の混練分散工程は長時間を要している。この混
練分散工程では強磁性粉末と合成樹脂結合剤に高いせん
断力がかかり、長時間過酷な条件にさらされるため、強
磁性粉末の特性が損なわれることがあり、また、結合剤
からの分解生成物、特に塩化ビニル系共重合体において
は脱塩酸により生成した塩酸が磁性粉末の劣化を引き起
こしている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記のような状況か
ら、本発明者等は、鋭意研究を重ねた結果、 1.強磁性微粉末に対し優れた分散性を示す。 2.安定性に優れる。 3.塗料用媒体として用いられる有機溶剤に対する溶解
性が良い。 4.磁気記録媒体としてのフレキシビリティーを増加さ
せ耐久性を改善する。 という諸特性を兼備した磁気記録媒体用結合剤を開発す
るに至り、これによって優れた特性を有する新規な磁気
記録媒体、特に磁性粉の分散性を改善した高電磁変換特
性を有する磁気記録媒体を提供するに至った。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は非磁性支持体上
に磁性層を有してなる磁気記録媒体において、磁性層中
にバインダーとして長鎖のアミンを持つスルフォアミド
基を有するポリウレタン高分子を持つ構成とする。
【0011】
【作用】上述したように、本発明ではポリウレタン高分
子バインダーとして、極性基として長鎖のアミンを持つ
スルフォアミド基を有するポリウレタン高分子を用いた
ことによって特に高記録密度化に対応する磁性粉を分散
させ、空隙率を減少させ、高配向させることにより電磁
変換特性を改善した磁気記録媒体を提供するものであ
る。
【0012】
【実施例】本発明は、磁気記録媒体において、特にその
磁性層中に存在するポリウレタン高分子バインダーを特
定するものであって、極性基として長鎖のアミンを持つ
スルフォアミド基を有するポリウレタン高分子を持たせ
ることにより、磁性粉の分散を向上させるものである。
そして、さらにポリエチレンオキサイドあるいはポリプ
ロピレンオキサイドを持つスルホン酸エステルが含有さ
れるとバインダーとしてのフレキシビリティーが増し、
磁気記録媒体としての耐久性を改善するものである。
【0013】ここで、本発明が適用される磁気記録媒体
としては、非磁性支持体上に塗布型磁気記録媒体が挙げ
られる。
【0014】非磁性支持体としては従来の塗布型の磁気
記録媒体と同様のもの、例示するならば、ポリエチレン
テレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアラ
ミド等の高分子基板が使用可能である。非磁性支持体に
Al合金板やガラス板等の剛性を有する基板を使用した
場合には、基板表面にアルマイト処理等の酸化皮膜やN
i−P−P皮膜等を形成してその表面を硬くするように
してもよい。
【0015】磁性層を構成する磁性粒子は、後に詳述す
るようにγ−酸化鉄、マグネタイト、酸化クロム、金属
磁性粉あるいはバリウムフェライト等が使用可能であ
る。
【0016】また本発明は磁性層中に研磨剤、あるいは
カーボンの各種材料を添加する場合にも適用できる。そ
して、磁性層中に下記化1の構造式1で示される長鎖の
アミンを持つスルフォアミド基を極性基として持つポリ
ウレタンに、さらにポリエチレンオキサイドあるいはポ
リプロピレンオキサイドを持つスルホン酸エステルを含
有させる。
【0017】
【化1】(構造式1) SPU−SO2 −NHR
【0018】ここで、Rは炭素数8以上の長鎖炭化水
素、SPUはウレタン分子中に含有されるバックボーン
ポリマーであり、芳香族、脂肪族あるいは脂環族の炭化
水素あるいは複素元素を含有したウレタン高分子であ
る。
【0019】さらにポリエチレンオキサイドあるいはポ
リプロピレンオキサイドを持つスルホン酸エステルもス
ルホン酸アミドと同様に下記化2の構造式2のようにウ
レタンバックボーンポリマーに結合されているものであ
る。
【0020】
【化2】(構造式2) SPU−SO2 −NHR
【0021】即ち本発明の磁気記録媒体は、非磁性支持
体上に少なくとも磁性粉を含有する磁気記録媒体であっ
て、極性基として長鎖のアミンを持つスルフォアミド基
をポリマー当たり5〜1000当量/106 gを持つポ
リウレタン樹脂に磁性粉粒子を均一に分散、含有させた
磁気記録層即ち、磁性層を有する構成とする。
【0022】本発明のポリエステルポリウレタン樹脂は
極性基としてカルボン酸アミン塩構造をポリマー当たり
5〜1000当量/106 g含有すればよい。ポリマー
当たりの長鎖のアミンを持つスルフォアミド基の量が5
当量/106 g未満であると磁気記録媒体に於ける磁束
密度あるいは分散性の増大が望めない。また1000当
量/106 gを越えるとポリウレタン樹脂の溶剤への溶
解性が不良となり実用性に欠ける。
【0023】本発明における長鎖のアミンを持つスルフ
ォアミド基、あるいはポリエチレンオキサイド及びポリ
プロピレンオキサイドを持つスルホン酸エステルのポリ
ウレタン樹脂への導入方法については、以下に例を述べ
るがこれに限ったものではないことは言うまでもない。
例えば下記スキームに示すSanterreらの方法(Journalof
Applied Polymer Science,Vol.52,515-523(1994参
照)によって行うことが可能である。
【0024】 〔合成スキーム〕 長鎖のアミン(以下DDAという)を持つスルフォアミド基の導入方法 SPU−SO3 Na+(COCl)2 →SPU−SO2 Cl SPU−SO2 Cl+R−NH2 →SPU−SO2 NHR ポリエチレンオキサイド(以下PEOという)を持つスルホン酸エステルの 導入方法 SPU−SO2 Cl+CH3 (OCH2 CH2 n OH→ SPU−SO3 (OCH2 CH2 n CH3
【0025】具体的な合成方法について述べる。まず、
SPUをジメチルフォルムアミドに溶解し、等モル量の
オキサリルクロライドを滴下し、−5℃で4時間、窒素
雰囲気中で攪拌する。この溶液をDDAあるいはPEO
をジメチルホルムアミド溶液に溶解させた溶液中に滴下
する。この反応を20℃で15時間行い、水中にあけ、
洗浄後60℃で48時間乾燥させる。この際にDDA及
びPEOの比率を変えることによって種々のポリウレタ
ンを合成することが可能である。
【0026】スルホン酸ソーダ塩を極性基に持つポリウ
レタン樹脂であるSPUは、公知の方法によって、例え
ばポリヒドロキシル化合物とスルホン酸ソーダ塩を持つ
ポリイソシアネートを溶剤中(例えばジメチルフォルム
アルデヒド中)または無溶剤中で反応させることによっ
て得ることができる(J.P.Santerre et al,J.Biomed.Ma
ter.Res.,Vol.25,1095(1992参照)。ポリイソシアネー
トのNCO基/ポリヒドロキシル基のOH基の比が0.
5〜2である。得られるポリウレタンの分子量が15000
から100000の範囲にあることが望ましい。分子量が小さ
いと磁気記録媒体としたときの耐久性が悪化する。分子
量が大きすぎると粘度が大きくなり、上記のDDAある
いはPEOとの反応に支障をきたし、かつ磁気塗料とす
るときに磁性粉をうまく分散させることができない。
【0027】またポリウレタンの分子構造自体には特に
制限はない。例えばポリエステルポリウレタンとすると
きのポリヒドルキシル化合物を合成する際用いられるジ
カルボン酸成分としては、テレフタル酸、イソフタル
酸、オルトフタル酸、1、5−ナフタル酸などの芳香族
ジカルボン酸、p−オキシ安息香酸、p−(ヒドロキシ
エトキシ)安息香酸などの芳香族オキシカルボン酸、コ
ハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデ
カンジカルボン酸などの脂肪族ジカルボン酸、トリメリ
ット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸、トリメシン
酸、ピロメリット酸、などのトリ、あるいはテトラカル
ボン酸などが挙げられる。
【0028】同様にグリコール成分としては、エチレン
グリコール、プロピレングリコール、1、3−プロパン
ジオール、1、4−ブタンジオール、1、5−ペンタン
ジオール、1、6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグ
リコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコ
ール、2、2、4トリメチル−1、3−ペンタンジオー
ル、1、4シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノー
ルAのエチレンオキシド及び、プロピレンオキシド付加
物、水素化ビスフェノールAのエチレンオキシド及び、
プロピレンオキシド付加物、ポリエチレングリコール、
ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコ
ールなどがある。またトリメチロールエタン、トリメチ
ロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトールな
どのトリ及びテトラオールを併用してもよい。
【0029】本発明の最終的に合成されるポリウレタン
樹脂に使用されるポリイソシアネートとしては、2、4
トリレンジイソシアネート、2、6−トリレンジイソシ
アネート、p−フェニレンジイソシアネート、ジフェニ
ルメタンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシア
ネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、テトラメチ
レンジイソシアネート、3、3′−ジメトキシ−6、
6′−ビフェニレンジイソシアネート、2、4−ナフタ
レンジイソシアネート、3、3′−ジメチル−6、6′
−ビフェニレンジイソシアネート、4、4′−ジメチル
−ジフェニレンジイソシアネート、4、4′−ジイソシ
アネートジフェニルエーテル、1、5−ナフタレンジイ
ソシアネート、p−キシリレンジイソシアネート、m−
キシリレンジイソシアネート、1、3−ジイソシアネー
トメチルシクロヘキサン、1、4−ジイソシアネートメ
チルシクロヘキサン、4、4′−ジイソシアネートジシ
クロヘキサン、4、4′−ジイソシアネートジシクロヘ
キシルメタン、イソホロンジイソシアネート等が挙げら
れるが、必要に応じて2、4、4′−トリイソシアネー
トジフェニル、ベンゼントリイソシアネート等を少量使
用することもできる。この際に前述のスルホン酸アルカ
リ塩を含むジイソシアネートを含むことが本発明の特徴
とするところである。
【0030】本発明において使用される磁性粉として
は、通常この種の磁気記録媒体の磁性粉末として用いら
れるものであれば如何なるものも使用可能である。例示
するならば、強磁性酸化鉄粒子、強磁性CrO2 、強磁
性コバルトフェライト(CoO−Fe2 3 )、コバル
ト吸着酸化物、強磁性Fe−Co−Ni系合金、六方晶
系バリウムフェライト、窒化鉄等の微粒子を挙げること
ができる。強磁性酸化鉄微粒子の場合一般式FeOX
表現した場合、xの値が1.33<x<1.51の範囲
にあるもの、即ちマグヘマタイト(γ−Fe2 3 、x
=1.5)、マグネタイト(Fe3 4 、x=4/3)
及びこれらの固容体が挙げられる。更に、これらの強磁
性体酸化鉄には、抗磁力を挙げる目的でコバルトを添加
してもよい。
【0031】上記強磁性二酸化クロムとしては、Cr
O、あるいは抗磁力を向上させる目的で、Ru、Sn、
Te、Sb、Fe、Ti、V、Mn等の少なくとも1種
類をCrOに添加したものを使用することができる。強
磁性合金粉末としては、Fe合金粉末、Co合金粉末、
Ni合金粉末、並びに、Fe−Co、Fe−Ni、Fe
−Co−Ni、Co−Ni、Fe−Co−B、Fe−C
o−Cr−B、Mn−Bi、Mn−Al、Fe−Co−
V等の合金粉末あるいはこれらの合金と他の元素との化
合物である合金粉末を使用することができる。
【0032】また、非磁性支持体の素材として通常この
種の磁気記録媒体に使用されるものであれば如何なるも
のも使用することが可能である。例えば、ポリエチレン
テレフタレート等のポリエステル類、ポリエチレン、ポ
リプロピレン等のポリオレフィン類、セルローストリア
セテート、セルロースヂアセテート、セルロースアセテ
ートブチレート等のセルロース誘導体、ポリ塩化ビニ
ル、ポリ塩化ビニリデン等のビニル系樹脂、ポリカーボ
ネート、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド等
のプラスティック、紙、アルミニウム、銅等の金属、ア
ルミニウム合金、チタン合金等の軽金属、セラミック、
単結晶シリコン等を挙げることができる。これらの非磁
性支持体の形態としては、フィルム、テープ、シート、
ディスク、カード、ドラム等のいずれでも良い。
【0033】本発明のポリウレタンの軟化点が低い場合
には、用途によっては走行による摩擦、あるいはヘッド
との接触による摩擦熱で軟化したり、テープを巻いた状
態でブロッキングを起こしたりすることがある。このよ
うな場合には磁性粒子の分散性を損なわない範囲内で他
の樹脂を添加するか、本発明におけるポリウレタン樹脂
と架橋する化合物を混合してもよい。混合量は好ましく
はポリウレタン樹脂に対して通常0.3〜2.0倍量で
あるが、なんらこの量に制約は受けない。このポリウレ
タン樹脂に対して混合する樹脂としては、相溶性のある
もので、例えば塩化ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、セ
ロルース系樹脂、アクリル樹脂、アセタール樹脂があ
る。また架橋する化合物としては、例示するとエポキシ
樹脂、イソシアネート系樹脂、メラミン樹脂、ポリオー
ル樹脂がある。
【0034】本発明の磁気記録媒体には必要に応じて、
ジブチルフタレート、トリフェニルフォスフェートのよ
うな可塑剤、ジオクチルスルホナトリウムサクシネー
ト、t−ブチルフェノールポリエチレンエーテル、エチ
ルナフタレンスルホン酸ソーダ、ジラウリルサクシネー
ト、ステアリン酸金属塩、ステアリン酸エステル類の様
な炭化水素系潤滑剤、シリコンオイルのようなシリコン
系潤滑剤、パーフルオロポリエーテル、パーフルオロカ
ルボン酸等のフッ素系潤滑剤、あるいは帯電防止剤を添
加することもできる。
【0035】上述の構成によれば本発明、前述のスルホ
ン酸エステル及びスルホン酸アミド構造を極性基として
有するポリウレタン樹脂を結合剤として使用することに
より磁性塗料、特に微粒子磁性粉を用いた場合の分散性
を優れたものとすることができる。その結果、磁気記録
媒体を作成した場合において、良好な分散性を持ち電磁
変換特性や磁気特性に非常に優れ、かつポリオキシアル
キレン構造のフレキシビリティーの硬化として耐久性を
満足させるものとなった。
【0036】以下、本発明の具体的な実施例について説
明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではな
いことはいうまでもない。ここで使用するウレタン樹脂
の原料であるポリエステルポリオールを下記表1にまと
める。このポリオールを使用して下記表2の組成でウレ
タン化反応をし、表2にまとめたポリエステルポリウレ
タンを得ることができる。このウレタン化の時にジイソ
シアネート中にスルホン酸塩を含むものと含まないイソ
シアネートを使用することによって最終的にウレタン中
のスルホン酸エステル及びアミドの極性基の量をコント
ロールすることが可能である。この実施例では極性基の
量は5〜370モル等量/106 まで変化させた。
【0037】
【表1】
【0038】
【表2】
【0039】表2に示すポリウレタンバインダーI〜VI
I を使用して以下に示す磁気記録媒体を作製した。メタ
ル磁性粉を含有した塗布型テープに適用した実施例につ
いて説明する。
【0040】(実施例1) 金属粉末磁性粉(長軸長0.1μm) 100重量部 バインダー(I) 20重量部 カーボン(帯電防止剤) 5重量部 メチルエチルケトン 150重量部 メチルイソブチルケトン 150重量部 磁性粉としては、磁気記録の高記録密度化に必要な微粒
子磁性粉、つまり長軸長0.1μmの磁性粉を用いてい
る。上記組成物を基本組成物とし、ボールミルにて24
時間混合してからフィルターを通して取り出し、更に硬
化剤としてコロネートL(日本ポリウレタン社製ポリイ
ソシアネート)を4重量部添加して30分間攪拌した。
この磁性塗料を12μm厚のポリエチレンテレフタレー
トベース上に乾燥後の厚みが2μmとなるように塗布
し、磁場配向を行った後乾燥し巻き取った。これをカレ
ンダー処理した後8mm幅に裁断することによってサン
プルテープを作製した。これらのテープに関して、表面
光沢性(グロス)、磁気特性、分散配向性、及び空隙率
の測定を行った。その結果を下記表3に示す。耐久性に
ついてはスチル耐久性及びシャトル耐久性について測定
した。スチル耐久性はポーズ状態での出力の3dB低下
までの減衰時間を測定した。シャトル耐久性は1回につ
き2分間のシャトル走行を行い出力が同様に3dB低下
するまでの回数で評価した。その結果をあわせて表3に
示す。 (実施例2〜実施例8)表1中のポリウレタンバインダ
ー(I′)から(VII)を用いて、他は実施例1と同様の
方法によりサンプルテープを作製した。これらのテープ
に関して実施例1と同様に、表面光沢性(グロス)、磁
気特性、分散配向性及び空隙率の測定を行った。その結
果も表3に示す。
【0041】(比較例)また比較例として、表2に示す
と同様にして合成した極性基を持たないポリウレタンバ
インダーVIIIを実施例1と同様の実験を行った。また、
極性基量を実施例1と同様の含有量で、その極性基がス
ルホン酸ナトリウムであるポリウレタンについての試験
結果を比較例2として併せて表3に示す。
【0042】
【表3】
【0043】表3から明らかなように、極性基としてス
ルホン酸エステル及びスルホアミド構造を持つポリウレ
タンバインダーを使用していることにより、磁性粉の分
散性に優れ、その結果磁性層の空隙率の少ない、また磁
性特性に優れたつまり、分散配向性あるいは磁束密度の
高い磁気テープを得ることができた。
【0044】因みに、上述したように、ポリエチレンオ
キサイドあるいはポリプロピレンオキサイドを持つスル
ホン酸エステルが含有されるとバインダーとしてのフレ
キシビリティーが増すものであって、磁性層において磁
気記録媒体としての耐久性を改善するものであるが、非
磁性支持体表面に蒸着等の手法により磁性塗膜が磁性層
として形成される、いわゆる金属薄膜型の磁気記録媒体
においてバックコート層のカーボン粉の分散に対して適
用することも可能である。
【0045】
【発明の効果】上述したように、本発明によれば、極性
基としてスルホン酸エステル及びスルホアミド構造を持
つポリウレタンバインダーを使用していることにより、
磁性粉の分散性に優れ、その結果磁性層の空隙率の少な
い、また磁気特性に優れたつまり、分散配向性あるいは
磁束密度の高い磁気テープ即ち磁気記録媒体を得ること
ができた。この結果、従来のスルホン酸ソーダを極性基
として使用する場合と比較して高記録密度化に必要な、
磁性粉の長軸長が0.1μm以下の微粒子粉をも高分散
させることができるバインダーシステムとすることが可
能となったばかりでなく、オキシアルキレンエステル構
造となっているために、耐久性、特にスチルあるいはシ
ャトル耐久性に優れた磁気記録媒体を構成できる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性基板上に少なくとも磁性層を有し
    てなる磁気記録媒体において、 磁性層中にバインダーとして長鎖のアミンを持つスルフ
    ォアミド基を有するポリウレタン高分子を持つことを特
    徴とする磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】 上記ポリウレタンに対して、そのスルホ
    ン酸極性基部分にポリエチレンオキサイドあるいはポリ
    プロピレンオキサイドを持つスルホン酸エステルがさら
    に含有されているポリウレタンを使用したことを特徴と
    する請求項1に記載の磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】 上記磁性層中にバインダーとして長鎖の
    アミンを持つスルフォアミド基を有するポリウレタン高
    分子の分子量が15000 から100000の範囲であることを特
    徴とする請求項1に記載の磁気記録媒体。
  4. 【請求項4】 上記磁性層中にバインダーとしてポリエ
    チレンオキサイドあるいはポリプロピレンオキサイドを
    持つスルホン酸エステル基を有するポリウレタン高分子
    の分子量が15000 から100000の範囲であることを特徴と
    する請求項2に記載の磁気記録媒体。
JP3552795A 1995-02-23 1995-02-23 磁気記録媒体 Pending JPH08235565A (ja)

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