JPH0823546B2 - 酵素電極 - Google Patents
酵素電極Info
- Publication number
- JPH0823546B2 JPH0823546B2 JP62218301A JP21830187A JPH0823546B2 JP H0823546 B2 JPH0823546 B2 JP H0823546B2 JP 62218301 A JP62218301 A JP 62218301A JP 21830187 A JP21830187 A JP 21830187A JP H0823546 B2 JPH0823546 B2 JP H0823546B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- electrode
- enzyme
- electrodes
- sensitive
- membrane
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Landscapes
- Apparatus Associated With Microorganisms And Enzymes (AREA)
- Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)
- Immobilizing And Processing Of Enzymes And Microorganisms (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 (イ)産業上の利用分野 この発明は、量産化並びに高性能化に適した酵素電極
に関する。
に関する。
(ロ)従来の技術 酵素電極は、被検査液中に浸漬され、酵素反応によ
り、被検査液中に含まれる当該酵素の基質たる特定化学
物質の濃度を、電気的に測定することを可能とするもの
である。
り、被検査液中に含まれる当該酵素の基質たる特定化学
物質の濃度を、電気的に測定することを可能とするもの
である。
従来、酵素電極としては、第6図(e)に示すものが
知られている。この従来の酵素電極を、その製造方法と
共に、第6図(a)乃至第6図(e)を参照しながら以
下に説明する。
知られている。この従来の酵素電極を、その製造方法と
共に、第6図(a)乃至第6図(e)を参照しながら以
下に説明する。
第6図(a)は、作用電極25及び対照電極26にリード
線30、30を接続した状態を示している。作用電極25は、
ピン状に成形された白金である。一方、対照電26は、筒
状に成形された銀である。
線30、30を接続した状態を示している。作用電極25は、
ピン状に成形された白金である。一方、対照電26は、筒
状に成形された銀である。
第6図(b)は、前記作用電極25及び対照電極26を、
カップ状のケース29に収納した状態を示している。対照
電極26は、ケース29の開口部29aより嵌込まれて収納さ
れる。一方、作用電極25は、対照電極26の中空部26b内
に、サポート部材27により、対照電極26に対して絶縁さ
れた状態で支持され、この作用電極25と対照電極26が同
軸構造とされる。前記リード線30、30は、ケース29底部
の窓枠29bより下方に引出される。
カップ状のケース29に収納した状態を示している。対照
電極26は、ケース29の開口部29aより嵌込まれて収納さ
れる。一方、作用電極25は、対照電極26の中空部26b内
に、サポート部材27により、対照電極26に対して絶縁さ
れた状態で支持され、この作用電極25と対照電極26が同
軸構造とされる。前記リード線30、30は、ケース29底部
の窓枠29bより下方に引出される。
第6図(c)は、ケース29内部を、エポキシ樹脂28で
封止した状態を示している。このエポキシ樹脂28は、さ
らにケース開口部29a上に盛上がり、前記作用電極25及
び対照電極26を完全に覆う。
封止した状態を示している。このエポキシ樹脂28は、さ
らにケース開口部29a上に盛上がり、前記作用電極25及
び対照電極26を完全に覆う。
第6図(d)は、第6図(c)に示すものの上面を、
ケース29ごと研削・研磨して球面に加工し、作用電極25
及び対照電極26に、それぞれ感応面25a、26aを生成した
状態を示している。感応面25a、26aは、所定面積比とな
るように、作用電極25の径、対照電極26の内径及び外径
等が定められている。この状態のものは、下地電極32と
呼ばれる。
ケース29ごと研削・研磨して球面に加工し、作用電極25
及び対照電極26に、それぞれ感応面25a、26aを生成した
状態を示している。感応面25a、26aは、所定面積比とな
るように、作用電極25の径、対照電極26の内径及び外径
等が定められている。この状態のものは、下地電極32と
呼ばれる。
第6図(e)は、第6図(d)に示す下地電極32に、
固定化酵素膜36を装着し、酵素電極31として完成した状
態を示している。固定化酵素膜36は、高分子膜に検出す
べき特定化学物質を基質とする酵素を固定化したもので
あり、下地電極32とは別個に作成される。固定化酵素膜
36は、感応面25a、26aに密着するよう下地電極32の研磨
面32aを被覆し、周縁部36aをOリング37によりケース29
外周面に止められる。なお、ケース29外周面には、この
Oリング37を固定させるための溝29cが設けられてい
る。
固定化酵素膜36を装着し、酵素電極31として完成した状
態を示している。固定化酵素膜36は、高分子膜に検出す
べき特定化学物質を基質とする酵素を固定化したもので
あり、下地電極32とは別個に作成される。固定化酵素膜
36は、感応面25a、26aに密着するよう下地電極32の研磨
面32aを被覆し、周縁部36aをOリング37によりケース29
外周面に止められる。なお、ケース29外周面には、この
Oリング37を固定させるための溝29cが設けられてい
る。
(ハ)発明が解決しようとする問題点 上記従来の酵素電極31は、その製造工程において、手
作業により1つずつ生産されており、大量生産が困難で
ある不都合があった。また、この手作業は微細な作業の
連続であり、材料の損失、特に電極材料の損失が大き
く、酵素電極製造時の歩留まりが低下する不都合があっ
た。さらに、加工費がかかり、製造コストが高くなる不
都合があった。ちなみに、この加工費は、製造コストの
60〜80%を占めている。
作業により1つずつ生産されており、大量生産が困難で
ある不都合があった。また、この手作業は微細な作業の
連続であり、材料の損失、特に電極材料の損失が大き
く、酵素電極製造時の歩留まりが低下する不都合があっ
た。さらに、加工費がかかり、製造コストが高くなる不
都合があった。ちなみに、この加工費は、製造コストの
60〜80%を占めている。
一方、上記従来の酵素電極31においては、使用時に、
以下の不都合もあった。先ず、研削・研磨による感応面
25a、26a生成時に、作用電極25周囲のエポキシ樹脂28に
亀裂、間隙が生じる。これは、エポキシ樹脂28、作用電
極25、対照電極26の硬度の差異によるものである。酵素
電極31使用時に、これら亀裂・間隙に水やその他の液体
が侵入すると、ノイズを発生し、測定精度が低下する不
都合があった。また、酵素電極31の出力は、感応面25
a、26aの面積により定まる。ところが、感応面25a、26a
が手作業により生成されるため、感応面25a、26aの面積
が酵素電極間で一定にならず、その出力がばらつく不都
合があった。さらに、固定化酵素膜36の装着不良によ
り、出力の変化が生じる不都合があった。
以下の不都合もあった。先ず、研削・研磨による感応面
25a、26a生成時に、作用電極25周囲のエポキシ樹脂28に
亀裂、間隙が生じる。これは、エポキシ樹脂28、作用電
極25、対照電極26の硬度の差異によるものである。酵素
電極31使用時に、これら亀裂・間隙に水やその他の液体
が侵入すると、ノイズを発生し、測定精度が低下する不
都合があった。また、酵素電極31の出力は、感応面25
a、26aの面積により定まる。ところが、感応面25a、26a
が手作業により生成されるため、感応面25a、26aの面積
が酵素電極間で一定にならず、その出力がばらつく不都
合があった。さらに、固定化酵素膜36の装着不良によ
り、出力の変化が生じる不都合があった。
この発明は、上記不都合に鑑みてなされたもので、大
量生産可能でコストが低く、性能に優れた酵素電極を提
供することを目的としている。
量生産可能でコストが低く、性能に優れた酵素電極を提
供することを目的としている。
(ニ)問題点を解決するための手段 上記不都合を解決するための手段として、この発明の
酵素電極は、絶縁基板表面に2以上の電極を形成し、前
記2以上の電極のそれぞれの一部である感応部を除いて
前記2以上の電極を絶縁性保護膜で被覆し、前記2以上
の電極にわたって前記感応部を固定化酵素膜で一体に被
覆してなるものである。
酵素電極は、絶縁基板表面に2以上の電極を形成し、前
記2以上の電極のそれぞれの一部である感応部を除いて
前記2以上の電極を絶縁性保護膜で被覆し、前記2以上
の電極にわたって前記感応部を固定化酵素膜で一体に被
覆してなるものである。
(ホ)作用 この発明の酵素電極は、絶縁基板上に作用電極、対照
電極等を設けるものであり、大きな絶縁平板上に複数の
酵素電極を一括して製造することができ、大量生産が可
能となる。また、材料の損失、特に電極材料の損失が小
さくでき、歩留まりを向上させることができる。さら
に、酵素電極の製造を自動化して行うことが容易で、そ
の製造コストの低減が可能となる。
電極等を設けるものであり、大きな絶縁平板上に複数の
酵素電極を一括して製造することができ、大量生産が可
能となる。また、材料の損失、特に電極材料の損失が小
さくでき、歩留まりを向上させることができる。さら
に、酵素電極の製造を自動化して行うことが容易で、そ
の製造コストの低減が可能となる。
一方、この発明の酵素電極においては、製造工程中に
電極の研削・研磨が含まれないため、電極周辺に亀裂や
間隙が生じず、これに起因するノイズが防止される。ま
た、絶縁性保護膜の窓部の開口面積は、ホトリソグラフ
ィー技術を使用して高い精度で定めることができるた
め、酵素電極の感応部面積が均一化され、その出力のば
らつきが解消される。さらに、固定化酵素膜は、絶縁基
板表面に一体に設けられるものであるから、その出力が
安定する。
電極の研削・研磨が含まれないため、電極周辺に亀裂や
間隙が生じず、これに起因するノイズが防止される。ま
た、絶縁性保護膜の窓部の開口面積は、ホトリソグラフ
ィー技術を使用して高い精度で定めることができるた
め、酵素電極の感応部面積が均一化され、その出力のば
らつきが解消される。さらに、固定化酵素膜は、絶縁基
板表面に一体に設けられるものであるから、その出力が
安定する。
(ヘ)実施例 この発明の一実施例を、第1図(a)乃至第1図
(h)、第2図(a)乃至第2図(h)、第3図乃至第
5図に基づいて以下に説明する。
(h)、第2図(a)乃至第2図(h)、第3図乃至第
5図に基づいて以下に説明する。
この実施例に係る酵素電極1は、血液等に含まれるグ
ルコース濃度の検出に適用されるものである。以下、こ
の酵素電極1を、その製造工程を追いながら説明する。
ルコース濃度の検出に適用されるものである。以下、こ
の酵素電極1を、その製造工程を追いながら説明する。
第1図(a)は、アルミナセラミック板(アルミナ96
%)2の表面2aに、区画線3、…、3を形成した状態を
示している。アルミナセラミック板2は、その区画4が
後述の絶縁基板9をなすものであり、適切な大きさ(例
えば5×5cm、厚さ0.5mm)のものを使用する。区画線3
は、レーザ加工により形成される切れ目であり、その深
さは、アルミナセラミック板2の厚さの約1/2とされる
〔第2図(a)参照〕。この区画線3より、表面2aが適
切な大きさ(例えば4×15mm)の区画4に区分される。
なお、アルミナセラミック板に代えて、他の絶縁素材よ
りなる板材の使用も可能であり、また区画線3の形成方
法も、レーザ加工に限定されるものではない。
%)2の表面2aに、区画線3、…、3を形成した状態を
示している。アルミナセラミック板2は、その区画4が
後述の絶縁基板9をなすものであり、適切な大きさ(例
えば5×5cm、厚さ0.5mm)のものを使用する。区画線3
は、レーザ加工により形成される切れ目であり、その深
さは、アルミナセラミック板2の厚さの約1/2とされる
〔第2図(a)参照〕。この区画線3より、表面2aが適
切な大きさ(例えば4×15mm)の区画4に区分される。
なお、アルミナセラミック板に代えて、他の絶縁素材よ
りなる板材の使用も可能であり、また区画線3の形成方
法も、レーザ加工に限定されるものではない。
上記アルミナセラミック板表面2aの各区画4には、そ
れぞれ作用電極5及び対照電極6が形成される〔第1図
(b)及び第2図(b)参照〕。作用電極5及び対照電
極6は、並行して設けられる帯状の白金等の金属薄膜で
ある。この金属薄膜は、スパッタ・蒸着等の手段で、一
括してアルミナセラミック板表面2aの各区画4に形成さ
れる。
れぞれ作用電極5及び対照電極6が形成される〔第1図
(b)及び第2図(b)参照〕。作用電極5及び対照電
極6は、並行して設けられる帯状の白金等の金属薄膜で
ある。この金属薄膜は、スパッタ・蒸着等の手段で、一
括してアルミナセラミック板表面2aの各区画4に形成さ
れる。
さらに、アルミナセラミック板表面2aには、感光性ポ
リイミドよりなる感光性樹脂膜7が形成され、前記作用
電極5及び対照電極6が完全に被覆される〔第1図
(c)及び第2図(c)参照〕。なお、感光性樹脂は、
感光性ポリイミドに限定されるものではなく、適宜変更
可能である。
リイミドよりなる感光性樹脂膜7が形成され、前記作用
電極5及び対照電極6が完全に被覆される〔第1図
(c)及び第2図(c)参照〕。なお、感光性樹脂は、
感光性ポリイミドに限定されるものではなく、適宜変更
可能である。
感光性樹脂膜7は、ホトマスク(図示せず)をかけて
露光後、現像・リンスされ、不要な部分が除去されて絶
縁性保護膜8、‥‥、8とされる〔第1図(d)及び第
2図(d)参照〕。絶縁性保護膜8は、各区画4に1つ
設けられ、作用電極5及び対照電極6を絶縁・保護す
る。
露光後、現像・リンスされ、不要な部分が除去されて絶
縁性保護膜8、‥‥、8とされる〔第1図(d)及び第
2図(d)参照〕。絶縁性保護膜8は、各区画4に1つ
設けられ、作用電極5及び対照電極6を絶縁・保護す
る。
絶縁性保護膜8には、窓部8a、8b、8c、8dが設けられ
ている。これら窓部8a等は、感光性樹脂膜7露光時に同
時に形成されるもので、その形状は、前記ホトマスクに
より、高い精度で定められている。窓部8aは、作用電極
5の一部を露出させて作用電極感応部5aとする。窓部8b
は、対照電極6の一部を露出させて対照電極感応部6aと
する。窓部8aと8bの開口面積比は、この実施例では1:20
とされている。窓部8c、8dは、それぞれ作用電極5及び
対照電極6の他の一部を露出させて、後述のリード線1
0、10を接続する接続部5b、6bとするものである。な
お、窓部8a、8bの形状は、これに限定されるものではな
く、また、これらを複数の窓部より構成してもよく、適
宜変更可能である。
ている。これら窓部8a等は、感光性樹脂膜7露光時に同
時に形成されるもので、その形状は、前記ホトマスクに
より、高い精度で定められている。窓部8aは、作用電極
5の一部を露出させて作用電極感応部5aとする。窓部8b
は、対照電極6の一部を露出させて対照電極感応部6aと
する。窓部8aと8bの開口面積比は、この実施例では1:20
とされている。窓部8c、8dは、それぞれ作用電極5及び
対照電極6の他の一部を露出させて、後述のリード線1
0、10を接続する接続部5b、6bとするものである。な
お、窓部8a、8bの形状は、これに限定されるものではな
く、また、これらを複数の窓部より構成してもよく、適
宜変更可能である。
次いで、アルミナセラミック板2が区画線3に沿って
分割され、個々の絶縁基板9とされる〔第1図(e)及
び第2図(e)参照〕。前記接続部5b、6bには、リード
線10、10の先端がそれぞれはんだ付けされる。接続部5
b、6b上には、透明なエポキシ樹脂11が盛られ、リード
線10のはんだ付け部が絶縁保護される。第1図(e)に
示す状態のものは、下地電極12と呼ばれる。
分割され、個々の絶縁基板9とされる〔第1図(e)及
び第2図(e)参照〕。前記接続部5b、6bには、リード
線10、10の先端がそれぞれはんだ付けされる。接続部5
b、6b上には、透明なエポキシ樹脂11が盛られ、リード
線10のはんだ付け部が絶縁保護される。第1図(e)に
示す状態のものは、下地電極12と呼ばれる。
この下地電極12には、固定化酵素膜16が設けられる。
それには、先ず、絶縁基板表面9aにアセチルセルロース
膜13を形成する〔第1図(f)及び第2図(f)参
照〕。このアセチルセルロース膜13は、前記作用電極感
応部5a及び対照電極感応部6aを、一体且つ完全に被覆し
ている。
それには、先ず、絶縁基板表面9aにアセチルセルロース
膜13を形成する〔第1図(f)及び第2図(f)参
照〕。このアセチルセルロース膜13は、前記作用電極感
応部5a及び対照電極感応部6aを、一体且つ完全に被覆し
ている。
上記アセチルセルロース膜13を形成するには、下地電
極12をスピナ(回転器、図示せず)に装着し、絶縁基板
表面9aに5%アセチルセルロース溶液(アセトン:シク
ロヘキサノン=3:1)を滴下する。そして、下地電極12
を約2000rpmの回転数で5秒間回転させる。
極12をスピナ(回転器、図示せず)に装着し、絶縁基板
表面9aに5%アセチルセルロース溶液(アセトン:シク
ロヘキサノン=3:1)を滴下する。そして、下地電極12
を約2000rpmの回転数で5秒間回転させる。
このアセチルセルロース膜13上には、酵素溶液14が滴
下され、さらに第2のアセチルセルロース膜15で被覆さ
れて、酵素電極1が完成する〔第1図(g)及び第2図
(g)参照〕。
下され、さらに第2のアセチルセルロース膜15で被覆さ
れて、酵素電極1が完成する〔第1図(g)及び第2図
(g)参照〕。
酵素溶液14は、グルコースオキシダーゼ20mgを、0.1M
リン酸緩衝液(pH6.0)100μに溶解した溶液と、同じ
リン酸緩衝液で調製された0.5%グルタルアルデヒド溶
液100μとを混合してなるものである。
リン酸緩衝液(pH6.0)100μに溶解した溶液と、同じ
リン酸緩衝液で調製された0.5%グルタルアルデヒド溶
液100μとを混合してなるものである。
この酵素溶液14が滴下された絶縁基板9を、4%アセ
チルセルロース溶液(アセトン:エタノール4:1)中に
ディップして、第2のアセチルセルロース膜15をコーテ
ィングする。この第2のアセチルセルロース膜15は、血
液等の被検査液中に含まれる、タンパク質等の高分子が
酵素溶液14中に侵入するのを防止するためのものであ
る。上記アセチルセルロース膜13、酵素溶液14及び第2
のアセチルセルロース膜15により、固定化酵素膜16が構
成される。
チルセルロース溶液(アセトン:エタノール4:1)中に
ディップして、第2のアセチルセルロース膜15をコーテ
ィングする。この第2のアセチルセルロース膜15は、血
液等の被検査液中に含まれる、タンパク質等の高分子が
酵素溶液14中に侵入するのを防止するためのものであ
る。上記アセチルセルロース膜13、酵素溶液14及び第2
のアセチルセルロース膜15により、固定化酵素膜16が構
成される。
なお、第2のアセチルセルロース膜15に代えて、ポリ
カーボネイト膜15′を使用することもできる(第1図
(h)及び第2図(h)参照〕。このポリカーボネイト
膜15′は、市販のものを所定の大きさに切ったものを用
い、絶縁基台表面9aに載置されて、酵素溶液14を被覆す
る。
カーボネイト膜15′を使用することもできる(第1図
(h)及び第2図(h)参照〕。このポリカーボネイト
膜15′は、市販のものを所定の大きさに切ったものを用
い、絶縁基台表面9aに載置されて、酵素溶液14を被覆す
る。
次に、第1図(e)に示す下地電極12の特性について
の試験と、その結果を、第3図を参照しながら以下に説
明する。酵素電極1の性能は、下地電極12の特性に左右
されるから、これを確認しておくことは有意義なことで
ある。
の試験と、その結果を、第3図を参照しながら以下に説
明する。酵素電極1の性能は、下地電極12の特性に左右
されるから、これを確認しておくことは有意義なことで
ある。
第3図は、下地電極12をH2O2を含むリン酸緩衝液に浸
漬した時の、各H2O2濃度(0、1、2、3、4ppm)に対
する、印加電圧(V)と電極電流(nA)との関係を示し
ている。これにより、下地電極12は、H2O2濃度によく応
答していることが確認される。また、印加電圧は、0.4
〜0.6Vが適切な値であることが示されている。
漬した時の、各H2O2濃度(0、1、2、3、4ppm)に対
する、印加電圧(V)と電極電流(nA)との関係を示し
ている。これにより、下地電極12は、H2O2濃度によく応
答していることが確認される。また、印加電圧は、0.4
〜0.6Vが適切な値であることが示されている。
続いて、この実施例酵素電極1のグルコース検出特性
を、第4図及び第5図を参照しながら、以下に説明す
る。
を、第4図及び第5図を参照しながら、以下に説明す
る。
第4図は、酵素電極1の特性測定に使用された測定系
18を示している。19は恒温槽であり、内部にpH7.0に調
製された0.1Mリン酸緩衝液20が貯溜されている。このリ
ン酸緩衝液20中に、酵素電極1が浸漬される。また、こ
のリン酸緩衝液20は、スターラ21によって撹拌される。
22はスターラ21の回転子である。
18を示している。19は恒温槽であり、内部にpH7.0に調
製された0.1Mリン酸緩衝液20が貯溜されている。このリ
ン酸緩衝液20中に、酵素電極1が浸漬される。また、こ
のリン酸緩衝液20は、スターラ21によって撹拌される。
22はスターラ21の回転子である。
酵素電極1のリード線10は、エレクトロン・メータ23
に接続され、所定の印加電圧(この測定では0.5V)が加
えられる。エレクトロン・メータ23には、レコーダ24が
接続され、酵素電極1の電極出力(電流)が記録され
る。
に接続され、所定の印加電圧(この測定では0.5V)が加
えられる。エレクトロン・メータ23には、レコーダ24が
接続され、酵素電極1の電極出力(電流)が記録され
る。
前記リン酸緩衝液20には、マイクロピペット(図示せ
ず)により、所定量のグルコース溶液が滴下される。こ
のグルコース(Glc)は、酵素電極1の固定化酵素膜16
内で、以下の反応を生じさせる。
ず)により、所定量のグルコース溶液が滴下される。こ
のグルコース(Glc)は、酵素電極1の固定化酵素膜16
内で、以下の反応を生じさせる。
このH2O2が作用電極感応部5a及び対照電極感応部6aを
感応させ、両電極5、6間にH2O2濃度に対応した電極出
力が生じる。第5図は、いくつかのグルコース濃度c
(mg/dl)に対して、電極出力(nA)を白丸でプロット
したものである。また、第5図中に示す曲線は、プロッ
トされた点をつないだ検量線である。この検量線に基づ
いて、任意の検体、例えば血液中のグルコース濃度を定
量することができる。
感応させ、両電極5、6間にH2O2濃度に対応した電極出
力が生じる。第5図は、いくつかのグルコース濃度c
(mg/dl)に対して、電極出力(nA)を白丸でプロット
したものである。また、第5図中に示す曲線は、プロッ
トされた点をつないだ検量線である。この検量線に基づ
いて、任意の検体、例えば血液中のグルコース濃度を定
量することができる。
なお、上記実施例においては、固定化酵素膜16に、酵
素としてグルコースオキシダーゼを固定化しているが、
酵素はこれに限定されるものではなく、適宜変更可能で
ある。
素としてグルコースオキシダーゼを固定化しているが、
酵素はこれに限定されるものではなく、適宜変更可能で
ある。
また、絶縁基板の大きさ・形状、あるいは電極、絶縁
性保護膜の形状・配置等は、上記実施例のものに限定さ
れず、適宜設計変更可能である。
性保護膜の形状・配置等は、上記実施例のものに限定さ
れず、適宜設計変更可能である。
(ト)発明の効果 この発明の酵素電極は、絶縁基板表面に2以上の電極
を形成し、前記2以上の電極のそれぞれの一部である感
応部を除いて前記2以上の電極を絶縁性保護膜で被覆
し、前記2以上の電極にわたって前記感応部を固定化酵
素膜で一体的に被覆してなるものである。従って、一枚
の絶縁板に複数の酵素電極を同時に製作していくことが
でき、大量生産が可能となる利点を有している。また、
酵素電極製造工程の自動化が容易であり、製造コストを
低減できる利点を有している。さらに、製造工程におい
て、材料の損失が少ないため、歩留まりが向上できる利
点も有している。
を形成し、前記2以上の電極のそれぞれの一部である感
応部を除いて前記2以上の電極を絶縁性保護膜で被覆
し、前記2以上の電極にわたって前記感応部を固定化酵
素膜で一体的に被覆してなるものである。従って、一枚
の絶縁板に複数の酵素電極を同時に製作していくことが
でき、大量生産が可能となる利点を有している。また、
酵素電極製造工程の自動化が容易であり、製造コストを
低減できる利点を有している。さらに、製造工程におい
て、材料の損失が少ないため、歩留まりが向上できる利
点も有している。
一方、酵素電極の性能面においては、先ず、製造工程
中に電極の研削・研磨が含まれないため、電極周囲に亀
裂・間隙が生じず、ノイズが少なくなる利点を有する。
また、大量生産により一括して製造されるため、電極感
応部面積が均一化され、電極間の出力のばらつきが小さ
くなる利点を有している。さらに、絶縁基板表面に固定
化酵素膜が一体に形成されるため、出力が安定する利点
をも有している。
中に電極の研削・研磨が含まれないため、電極周囲に亀
裂・間隙が生じず、ノイズが少なくなる利点を有する。
また、大量生産により一括して製造されるため、電極感
応部面積が均一化され、電極間の出力のばらつきが小さ
くなる利点を有している。さらに、絶縁基板表面に固定
化酵素膜が一体に形成されるため、出力が安定する利点
をも有している。
第1図(a)、第1図(b)、第1図(c)、第1図
(d)、第1図(e)、第1図(f)及び第1図(g)
は、この発明の一実施例に係る酵素電極の製造工程を説
明する図、第1図(h)は、同酵素電極の変形を説明す
る外観斜視図、第2図(a)は、第1図(a)中IIa−I
Ia線における要部拡大断面図、第2図(b)は、第1図
(b)中IIb−IIb線における要部拡大断面図、第2図
(c)は、第1図(c)中IIc−IIc線における要部拡大
断面図、第2図(d)は、第1図(d)中IId−IId線に
おける要部拡大断面図、第2図(e)は、第1図(e)
中IIe−IIe線における断面図、第2図(f)は、第1図
(f)中IIf−IIf線における断面図、第2図(g)は、
第1図(g)中IIg−IIg線における断面図、第2図
(h)は、第1図(h)中IIh−IIhにおける断面図、第
3図は、前記酵素電極を構成する下地電極の特性を示す
図、第4図は、同酵素電極の特性測定に使用された測定
系を示す図、第5図は、同酵素電極の特性を示す図、第
6図(a)、第6図(b)、第6図(c)、第6図
(d)及び第6図(e)は、従来の酵素電極及びその製
造工程を説明する図である。 5:作用電極、5a:作用電極感応部、 6:対照電極、6a:対照電極感応部、 8:絶縁性保護膜、8a・8b:窓部、 9:絶縁基板、9a:絶縁基板表面、 16:固定化酵素膜。
(d)、第1図(e)、第1図(f)及び第1図(g)
は、この発明の一実施例に係る酵素電極の製造工程を説
明する図、第1図(h)は、同酵素電極の変形を説明す
る外観斜視図、第2図(a)は、第1図(a)中IIa−I
Ia線における要部拡大断面図、第2図(b)は、第1図
(b)中IIb−IIb線における要部拡大断面図、第2図
(c)は、第1図(c)中IIc−IIc線における要部拡大
断面図、第2図(d)は、第1図(d)中IId−IId線に
おける要部拡大断面図、第2図(e)は、第1図(e)
中IIe−IIe線における断面図、第2図(f)は、第1図
(f)中IIf−IIf線における断面図、第2図(g)は、
第1図(g)中IIg−IIg線における断面図、第2図
(h)は、第1図(h)中IIh−IIhにおける断面図、第
3図は、前記酵素電極を構成する下地電極の特性を示す
図、第4図は、同酵素電極の特性測定に使用された測定
系を示す図、第5図は、同酵素電極の特性を示す図、第
6図(a)、第6図(b)、第6図(c)、第6図
(d)及び第6図(e)は、従来の酵素電極及びその製
造工程を説明する図である。 5:作用電極、5a:作用電極感応部、 6:対照電極、6a:対照電極感応部、 8:絶縁性保護膜、8a・8b:窓部、 9:絶縁基板、9a:絶縁基板表面、 16:固定化酵素膜。
Claims (4)
- 【請求項1】絶縁基板表面に2以上の電極を形成し、前
記2以上の電極のそれぞれの一部である感応部を除いて
前記2以上の電極を絶縁性保護膜で被覆し、前記2以上
の電極にわたって前記感応部を固定化酵素膜で一体に被
覆してなる酵素電極。 - 【請求項2】前記絶縁性保護膜は、感応性樹脂よりなる
特許請求の範囲第1項記載の酵素電極。 - 【請求項3】前記2以上の電極は作用電極と対照電極と
を含み、作用電極の前記感応部と対照電極の前記感応部
の面積は、互いに異なることを特徴とする特許請求の範
囲第1項または第2項記載の酵素電極。 - 【請求項4】前記固定化酵素膜は、絶縁基板上に、基板
側より順に積層した第1のアセチルセルロース膜と第2
のアセチルセルロース膜と、これら第1及び第2のアセ
チルセルロース膜間に含ませた酵素溶液とを含んでいる
ことを特徴とする特許請求の範囲第1項、第2項、また
は第3項記載の酵素電極。
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22001886 | 1986-09-17 | ||
JP61-220018 | 1986-09-17 |
Related Child Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9110560A Division JPH1038839A (ja) | 1997-04-28 | 1997-04-28 | 酵素電極 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS63184052A JPS63184052A (ja) | 1988-07-29 |
JPH0823546B2 true JPH0823546B2 (ja) | 1996-03-06 |
Family
ID=16744641
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP62218301A Expired - Lifetime JPH0823546B2 (ja) | 1986-09-17 | 1987-08-31 | 酵素電極 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0823546B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2548147B2 (ja) * | 1986-12-01 | 1996-10-30 | 松下電器産業株式会社 | バイオセンサ |
-
1987
- 1987-08-31 JP JP62218301A patent/JPH0823546B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS63184052A (ja) | 1988-07-29 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US4894137A (en) | Enzyme electrode | |
US4682602A (en) | Probe for medical application | |
JP3574113B2 (ja) | 切欠きを備えた改良型電気化学バイオセンサ検査ストリップ | |
JPH09510541A (ja) | ケモセンサおよび/またはバイオセンサ素子一体型小型循環測定チャンバ | |
MXPA94006538A (en) | Immunoassayo de complementacion enzimaticaelectroquim | |
US5186808A (en) | Film-coated sensor | |
US20190380635A1 (en) | Dual-Sided Biomorphic Polymer-based Microelectrode Array and Fabrication Thereof | |
EP0276782B1 (en) | Process for preparing enzyme electrodes | |
US5256271A (en) | Method of immobilizing biofunctional material, and element prepared thereby, and measurement by using the same element | |
EP0759551B1 (en) | Planar bicarbonate sensor | |
US6821400B2 (en) | Electrochemical sensor with increased reproducibility | |
JPH0648256B2 (ja) | バイオセンサ | |
AU709747B2 (en) | Electrochemical sensor without calibration | |
JPH0823546B2 (ja) | 酵素電極 | |
EP0387026A2 (en) | Biosensor device | |
JPH0827251B2 (ja) | 酵素電極の製造方法 | |
EP0271100B1 (en) | Sheet type electrode | |
JPH04279854A (ja) | 白金被覆カーボンファイバー電極およびこれを用いた 酵素膜センサ | |
JPH1038839A (ja) | 酵素電極 | |
JP2940007B2 (ja) | 酵素電極 | |
JPS63111453A (ja) | 酵素電極 | |
US4419210A (en) | Polarographic electrode | |
JPS6391548A (ja) | 酵素電極 | |
JP3405405B2 (ja) | 制限透過膜及び制限透過膜の製造方法、並びに化学センサ及び化学センサの製造方法 | |
JPS63134946A (ja) | 酵素電極 |