JPH08235468A - 火報センサ - Google Patents

火報センサ

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JPH08235468A
JPH08235468A JP4078795A JP4078795A JPH08235468A JP H08235468 A JPH08235468 A JP H08235468A JP 4078795 A JP4078795 A JP 4078795A JP 4078795 A JP4078795 A JP 4078795A JP H08235468 A JPH08235468 A JP H08235468A
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Koichi Aizawa
浩一 相澤
Shigekazu Kusanagi
繁量 草薙
Atsushi Sakai
淳 阪井
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Matsushita Electric Works Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 誤報の発生を防止することができる火報セン
サの構造を提供する。 【構成】 検知領域7を分割して構成された検知エリア
9に対応して設けられた、検知エリア9から放射された
赤外線エネルギーを検知する赤外線センサ6の複数の画
素と、画素が検知した赤外線エネルギーが所定の閾値以
上であるかを判別するマイクロプロセッサ13とを備え
た。 【効果】 炎が存在する検知エリアに対応した赤外線セ
ンサ6の画素の出力信号と、炎が存在しない検知エリア
に対応した赤外線センサ6の画素の出力信号との差を大
きくすることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、火報センサ、特に、火
災時に発生する炎を捉えることで火災を検出する火報セ
ンサに関するものである。
【0002】
【従来の技術】火報センサは、火災時に生じる物理、化
学現象を捉えることで火災を検出するものであり、検出
対象の違いにより、熱、煙、ガス等様々なものが開発さ
れており、その使用目的、対象、場所、条件等により最
適なものが選択されて用いられている。
【0003】その中で、火災時に生じる炎を検出するタ
イプである炎検出型の火報センサは、熱型や煙型の火報
センサでは検出が難しい、高天井、広域での早期火報セ
ンサとして使用されている。炎検出型の火報センサにも
いくつかのタイプがある。その1つに紫外線検出型のも
のがあり、火災時に発生する炎から放射される 180〜26
0 μm 程度の波長の紫外線を検出するものである。ま
た、赤外線検出型の火報センサがあり、このタイプのセ
ンサは、炎特有の二酸化炭素ガスからの輻射である、波
長 4.3μm付近の赤外線のみを捉え、炎特有の赤外線の
揺らぎ成分を検知するものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来のこれら
の炎検出型の火報センサには、次のような問題点があっ
た。まず、紫外線検出型の場合、炎以外から発生する紫
外線、すなわち、放電や雷、スパーク、蛍光灯等からの
紫外線をも同様に検出してしまうため、それらの要因に
よって誤報を発生させてしまうという問題点があった。
また、赤外線検出型の場合でも、例えば、太陽光線の反
射光には、波長 4.3μm程度の赤外線が含まれており、
その太陽光線の反射光が、水面の揺らぎやカーテンの揺
らぎ等(炎と同程度の揺らぎ要因)によって揺らぐため
誤報を発生させてしまうという問題点があった。
【0005】本発明は上記課題に鑑みなされたもので、
その目的とするところは、誤報の発生を防止することが
できる火報センサの構造を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1記載の火報センサは、火災を検知する火報
センサにおいて、検知領域を分割して構成された検知エ
リアに対応して設けられた、前期検知エリアから放射さ
れた赤外線エネルギーを検知する赤外線センサの複数の
画素と、前記画素が検知した赤外線エネルギーが所定の
閾値以上であるかを判別する判別回路とを備えたことを
特徴とするものである。
【0007】請求項2記載の火報センサは、請求項1記
載の火報センサで、1つの前記検知エリアに存在する、
検知すべき最小の赤外線エネルギーを有する炎または異
常加熱物から前記検知エリアに放射される赤外線エネル
ギーの方が、検知すべきでない誤報の要因となる物体か
ら対応する前記検知エリアに放射される赤外線エネルギ
ーよりも大きくなるように、前記検知エリアの大きさを
設定したことを特徴とするものである。
【0008】請求項3記載の火報センサは、請求項1ま
たは請求項2記載の火報センサで、前記検知エリアの大
きさを、検知すべき最小の大きさの前記炎の大きさ、ま
たは、検知すべき最小の大きさの前記異常発熱物の大き
さと略同じになるように構成したことを特徴とするもの
である。
【0009】請求項4記載の火報センサは、請求項1乃
至請求項3記載の火報センサで、前記画素の出力信号
を、独立して読み出し判別するように構成したことを特
徴とするものである。
【0010】請求項5記載の火報センサは、請求項1乃
至請求項4記載の火報センサで、前記検知領域の中心部
から周縁部にいくに従い、対応する前記赤外線センサの
前記画素の検知感度が高くなるように構成したことを特
徴とするものである。
【0011】請求項6記載の火報センサは、請求項5記
載の火報センサで、前記検知領域の中心部から周縁部に
いくに従い、対応する前記赤外線センサの前記画素の検
知部面積が小さくなるように構成したことを特徴とする
ものである。
【0012】請求項7記載の火報センサは、請求項1乃
至請求項6記載の火報センサで、前記赤外線センサが、
波長が略2μm 以上の赤外線のみを検知するように構成
したことを特徴とするものである。
【0013】
【作用】請求項1記載の火報センサは、火災を検知する
火報センサにおいて、検知領域を分割して構成された検
知エリアに対応した、検知エリアから放射された赤外線
エネルギーを検知する赤外線センサの複数の画素を設け
て、いわゆる熱画像センサを構成し、赤外線センサが検
知した赤外線エネルギーが所定の閾値以上であるかを判
別する判別回路とを備えたことを特徴とするのである。
この場合、検知領域は、熱画像センサを構成する複数の
画素、及び、レンズ構成によって、いくつかの検知エリ
アに分割され、1つの検知エリア内に存在する熱源から
放射される赤外線のみが、その検知エリアに対応した熱
画像センサの画素に入射することになる。
【0014】ある検知エリアに着目し、その検知エリア
内に炎が存在したとする。炎からは、その温度、大きさ
等によって決まる赤外線が放射されているので、炎の存
在する検知エリアに対応した赤外線センサの画素は赤外
線を検出して、通常、入射した赤外線のエネルギーの大
小に応じた出力信号を出力する。炎は高温であるので、
ステファン・ボルツマンの法則から、対応した赤外線セ
ンサの画素に入射する赤外線のエネルギーは大きな値と
なる。また、それに従って、赤外線センサの画素の出力
信号は大きなものになる。一方、炎の存在しない検知エ
リアに対応する赤外線センサの画素に入射する赤外線の
エネルギーは小さいのでその出力信号も小さいものにな
る。
【0015】つまり、検知領域を分割して、個々の検知
エリアごとに、その検知エリアに放射された赤外線を検
知することによって、炎が存在する検知エリアに対応し
た赤外線センサの画素の出力信号と、炎が存在しない検
知エリアに対応した赤外線センサの画素の出力信号との
差を大きくすることができるので、火災の検知精度が向
上し誤報の発生を防止することができる。
【0016】温度は低いが検知領域での赤外線エネルギ
ーの総量は大きくなる赤外線放射物体(誤報の要因)か
ら放射される赤外線は、赤外線センサの複数の画素に入
射し、対応する個々の赤外線センサの画素の出力信号は
小さくなるので、赤外線センサの各画素から出力される
出力信号は小さいものとなるので、誤報を発生させるこ
とがない。
【0017】また、請求項1記載の火報センサは、赤外
線を捉えて火災を検知するので、紫外線型の火報センサ
のように、スパークや蛍光灯等から発生する紫外線によ
って誤報を発生させることがない。また、従来の赤外線
型のように、特定波長の赤外線とそのちらつきに基づい
て検知するのではなく、火災要因となるような高温物体
(炎、異常発熱物)から放出される、エネルギー密度の
高い赤外線エネルギーに基づいて火災を検知するので、
太陽光の反射光やカーテンの揺らぎによって誤報を発生
させることがない。
【0018】さらに、従来の炎検出型の火報センサは、
検知対象が炎のみに限定されており、炎が発生して初め
て火災検知動作を行うように構成されていたので、炎が
発生していなくとも、検知領域内の異常発熱物を火災と
して検知したいという要求には応えることができず、他
の方式の火報センサでも十分対応することができなかっ
たが、請求項1記載の火報センサは、赤外線を捉えて火
災を検知するので、炎が発生していなくても異常発熱物
を火災として検知することができる。
【0019】請求項2記載の火報センサは、請求項1記
載の火報センサで、1つの検知エリアに存在する、検知
すべき最小の赤外線エネルギーを有する、炎または異常
発熱部から放射される赤外線エネルギーの方が、想定さ
れる検知すべきでない誤報の要因となる物体から、対応
する検知エリアに放射される赤外線エネルギーよりも大
きくなるように1つの検知エリアの面積を求め、それに
従って空間の分割を行ったことを特徴とするものであ
り、このように構成することによって、放射される赤外
線エネルギーの密度が高い、炎または異常発熱物と、放
射される赤外線エネルギーの密度が低い、想定される誤
報の要因とをより確実に区別することができる。
【0020】請求項3記載の火報センサは、請求項1ま
たは請求項2記載の火報センサで、検知エリアの大きさ
を、検知すべき最小の大きさの炎の大きさ、または、検
知すべき最小の大きさの異常加熱物の大きさと略同じに
なるように構成したことを特徴とするもので、このよう
に構成することにより、検知すべき炎または異常発熱物
が存在する検知エリアから放射される赤外線エネルギー
と、検知すべき炎または異常発熱物が存在しない検知エ
リアから放射される赤外線エネルギーとの差をより大き
くすることができるので、検知すべき炎または異常発熱
物から放射される赤外線エネルギーと同等の赤外線エネ
ルギーを放射する温度まで検知領域全体の温度が上昇し
ないかぎり、想定される誤報要因によって誤報が発生す
ることがない。また、このような状況では、やはり、通
常、火災等の異常な状況にあると考えられるので、火災
発生を検知することができる。
【0021】請求項4記載の火報センサは、請求項1乃
至請求項3記載の火報センサで、赤外線センサの画素の
出力信号を、独立して読み出し判別できるように構成し
たことを特徴とするものである。つまり、分割された各
検知エリアごとに、炎または異常加熱物の存在を判別す
ることができるので、検知領域内のどの検知エリアに、
炎または異常加熱物が存在するかを識別でき、火災場所
の特定ができる。
【0022】請求項5記載の火報センサでは、火報セン
サに使用している赤外線センサの画素の検知感度が、検
知領域の中心部すなわち近距離部に対応する画素では低
く、検知領域の周縁部すなわち遠距離になるに従い、対
応する画素の感度が高くなるように構成したことを特徴
とするものである。これは、従来の炎検知型の火報セン
サの場合、検知エリアによって感度が異なり、検知領域
の中心部で感度が高く、周縁部で低くなるので火報セン
サの取り付け高さによって火報センサの視野角が異なる
という問題点があったためである。
【0023】図10に基づいて従来の炎検知型の火報セ
ンサの視野角の一例について説明する。図は火報センサ
を含む垂直面での検知領域の断面図である。図で、1は
天井等に取り付けられた火報センサで、F1〜F4は、それ
ぞれ、火報センサ1を取り付け高さH1〜H4の高さに取り
付けた場合の床面位置を示す線である。また、S は等感
度曲線、α4 〜α1 は、それぞれ、火報センサ1を取り
付け高さH1〜H4の高さに取り付けた場合の視野角、A4〜
A1は、それぞれ、火報センサ1を取り付け高さH1〜H4の
高さに取り付けた場合の検知領域である。図に示すよう
に、検知領域の周縁部での感度は低いので、周縁部にい
くにしたがって同じ感度が得られる距離は短くなること
が分かる。そのため、火報センサ1から床面までの距離
が変わると、同じ感度の得られる視野角が変化すること
が分かる。
【0024】次に、図11に基づいて赤外線センサに入
射する赤外線エネルギーについて説明する。図は、赤外
線センサ及びその光学系の一例を示した構成図である。
図で、2は赤外線センサ、3は検知エリア、4は検知エ
リア3から放射される赤外線を赤外線センサ2に集光す
るレンズである。
【0025】図11に示す構成で、赤外線センサ2に入
射する赤外線エネルギーPは、次のように表せる。
【0026】P=B ・S ・S'・cos4θ/D2 ここで、B は検知エリア3の検知面の放射輝度、S は検
知エリア3の検知面積、S'はレンズ面積、θは検知面の
法線と赤外線の進行方向とがなす角度、D は検知エリア
3の検知面とレンズ4との垂直距離である。
【0027】上式より、赤外線センサ2が天井に取り付
けられており、床面(検知エリアの検知面)の所定位置
に存在する定常状態の炎を検出するという場合には、上
式のB 、S 、S ' 、D は一定であるが、検知対象である
炎が赤外線センサ2の真下(θ=0 ゜)に存在する場合
と、検知エリア3の周縁(θ>0゜)に存在する場合と
で、赤外線センサ2に入射する赤外線エネルギーが異な
り、周縁に行くにしたがって、赤外線エネルギーは、co
s4θの割合で小さくなることが分かる。
【0028】請求項5記載の火報センサは、検知領域の
周縁部に行くに従い低下する赤外線エネルギーを補償す
るように、赤外線センサの画素の感度を、検知領域の中
心部(赤外線センサから近い部分)に対応する赤外線セ
ンサの画素では低く、検知領域の周縁部(赤外線センサ
から遠い部分)に行くにしたがって、対応する赤外線セ
ンサの画素の感度が高くなるように構成しているので、
検知領域のどの位置においても同じ感度の火報センサが
得られる。このようにして感度補償を行った場合の等感
度曲線の一例を図12に示す。図は火報センサを含む垂
直面での検知領域の断面図である。図で、1は天井等に
取り付けられた火報センサで、F1〜F4は、それぞれ、火
報センサ1を取り付け高さH1〜H4の高さに取り付けた場
合の床面位置を示す線である。また、S1〜S4は等感度曲
線、α5 は視野角、A5〜A8は、それぞれ、火報センサ1
を取り付け高さH1〜H4の高さに取り付けた場合の検知領
域である。図に示すように、請求項5記載の火報センサ
によれば、火報センサ1から床面までの距離が変わって
も、同一の視野角が得られることが分かる。
【0029】請求項6記載の火報センサでは、その赤外
線センサの検知部面積を、検知領域の中心部(赤外線セ
ンサから近い部分)に対応する赤外線センサの画素では
大きく、検知領域の周縁部(赤外線センサから遠い部
分)に行くにしたがって、対応する赤外線センサの画素
の検知部面積が小さくなるように構成したことを特徴と
するものである。
【0030】同一検知エリアからの赤外線を同口径、同
透過率のレンズで集光する場合、より検知部面積の小さ
い検知部に集光する方が、赤外線センサの画素の検知部
での単位面積あたりのエネルギー密度は大きくなる。従
って、赤外線センサの画素の検知部を小面積で構成し、
小面積の検知部に集光した方が、赤外線センサの画素か
らの出力信号は一般には大きくなるので、赤外線センサ
の画素の検知部面積を、検知領域の中心部(赤外線セン
サから近い部分)に対応する赤外線センサの画素では大
きく、検知領域の周縁部(赤外線センサから遠い部分)
に行くにしたがって、対応する赤外線センサの画素の検
知部面積が小さくなるように構成することによって、検
知領域のどの位置においても同じ感度の火報センサが得
られる。
【0031】但し、赤外線センサによっては、焦電素子
のように、画素の検知部面積を小さくすると感度も小さ
くなるものもあるので、量子型、サーモパイルやサーミ
スタ型の赤外線センサのうち、検知部の面積の縮小に対
して、信号出力の低下がそれよりも少ない赤外線センサ
を用いる必要がある。このような赤外線センサを用いれ
ば、検知領域の周縁部にいくに従い、入射する赤外線エ
ネルギーが低下し、それによって、信号出力が小さくな
ることを、赤外線センサの検知部の面積を小さくするこ
とでカバーすることが可能となり、検知領域内での感度
ばらつきを補償して検知領域のどの位置においても同じ
感度の火報センサを得ることができるようになる。
【0032】請求項7記載の火報センサでは、赤外線セ
ンサの画素の感度波長を 2μm 以上としている。太陽光
にも赤外線領域の光が含まれているので、太陽光が入射
した場合、太陽光によって暖められた物体からの赤外線
放射のほかに、直接太陽光が乱反射して赤外線センサの
画素に入射する赤外線がある。
【0033】しかし、太陽光の赤外線は長波長になるほ
ど弱く、波長 2μm 以上での放射照度は、およそ4 ×10
-3W/cm2 、波長 5μm 以上でおよそ1 ×10-4W/cm2 しか
ない。一方、高温の物体からの放射発散度は、例えば、
1400K では、波長 2μm 以上でおよそ16W/cm2 、波長 5
μm 以上でもおよそ 1W/cm2 もあり、従って、長波長の
赤外線のみを検出するようにすれば、太陽光からの赤外
線の影響を小さくでき、それだけ誤報しにくい火報セン
サを実現することができる。
【0034】
【実施例】図1乃至図4に基づいて本発明の火報センサ
の一実施例について説明する。図1は構成図、図2は検
知領域の平面図、図3は検知領域の断面図、図4は時間
と赤外線センサの画素の出力信号の一実施例を示す線図
である。
【0035】火報センサ5は、その検知センサに、画素
数16×16の熱画像赤外線センサ6を用いている。熱画像
赤外線センサ6は、 5μm 以上の波長の赤外線のみを検
出できるような特性のものを選択した。天井に取り付け
られた火報センサ5(熱画像赤外線センサ6)の直下20
m において、一辺が20m の正方形の領域が検知領域7と
なるよう、熱画像赤外線センサ6の前方に、シリコンベ
ースの赤外レンズ8が設置されている。従って、熱画像
赤外線センサ6の1画素に対応する検知エリア9の面積
は1.56m2となる。
【0036】熱画像赤外線センサ6からの出力信号は、
信号読み出し回路10によって熱画像赤外線センサ6の
各画素ごとに順次読みだされ、増幅回路11によって増
幅された後、A/D変換回路12によってデジタル信号
化される。
【0037】さらに、A/D変換回路12から出力され
た、熱画像赤外線センサ6の各画素の出力信号に応じた
デジタル信号を、判別回路であるマイクロプロセッサ1
3により、予め、設定しておいた閾値と比較し、図4に
示すように、出力信号の方が大きくなれば、その画素か
らの出力信号は、炎または異常加熱物の存在を示してい
るとみなして、画素から割り出した火災位置の情報とと
もに火災信号を発生させる。
【0038】本実施例においては、火災要因ではない熱
源(図2に示す、太陽光によって熱せられて周囲温度よ
りも50℃高くなった床面14)から、対応する熱画像赤
外線センサ6の1画素に入射する赤外線エネルギーは、
その床面14が火報センサ5(熱画像赤外線センサ6)
の直下20m に存在する場合、およそ0.2mW であった。ま
た、熱源が面積900cm2の炎15の場合、およそ0.5mW 、
異常加熱によって500℃に温度が上昇した面積2500cm2
の異常加熱物(図示省略)からはおよそ1.5mWであっ
た。そこで、赤外線入射エネルギー0.35mWに対応するデ
ジタル信号を閾値とし、熱画像赤外線センサ6から出力
された、赤外線エネルギーに対応したデジタル信号が、
その閾値より大きければ火災が発生したと判断するよう
にしたところ、検知対象である、火災による炎あるいは
異常加熱物と、それ以外の想定した誤報要因(妨害要
因)とを確実に区別することができた。また、火災位置
の特定も行えるようになった。
【0039】図5及び図6に基づいて本発明の火報セン
サの異なる実施例について説明する。図5は構成図、図
6は検知エリアの平面図である。図5に示す火報センサ
が、図1に示した火報センサと異なる点は、熱画像赤外
線センサに画素数が60×60画素という高画素のものを使
用したことである。この場合、熱画像赤外線センサ16
の1 画素に対応する検知エリア17の面積は、1100cm2
になり、検知対象とする炎15の大きさとほぼ同程度と
なっている。
【0040】火災要因ではない熱源(太陽光によって熱
せられて周囲温度よりも50℃高くなった床面14)から
熱画像赤外線センサ16の1画素に入射する赤外線エネ
ルギーは、その床面14が熱画像赤外線センサ6の直下
20m に存在する場合、およそ0.02mWと、図1に示した実
施例の場合に比べて1桁小さい値であった。
【0041】一方、面積900cm2の炎15の場合、炎15
が存在する検知エリアに対応した画素に入射する赤外線
エネルギーは、およそ0.5mW 、500 ℃に温度が上昇した
面積2500cm2 の異常加熱物が存在する検知エリアに対応
した画素に入射する赤外線エネルギーは、およそ0.6mW
であった。このように、図1に示した実施例の場合に比
べて本実施例の方がより誤報要因に対してのマージンが
とれ、それだけ、誤報が少なくなっている。
【0042】図7及び図8に基づいて本発明のさらに異
なる実施例について説明する。図7は構成図、図8は赤
外線センサの一部拡大図である。本実施例では、赤外線
センサにサーミスタ型の画素数16×16画素の熱画像赤外
線センサ18を使用している。熱画像赤外線センサの各
画素に入射する赤外線エネルギーP は次のように表せ
る。
【0043】P=B ・S ・S'・cos4θ/D2 ここで、B は検知面の放射輝度、S は検知面積、S'はレ
ンズ面積、θは検知面の法線と光の進行方向とがなす角
度、D は検知面とレンズ間との垂直距離である。従っ
て、検知対象エリアの中心から周縁に行くに従って、各
画素に入射する赤外線エネルギーは、cos4θに従って小
さくなる。
【0044】本実施例では熱画像赤外線センサ18の各
画素18aごとにマイクロレンズ19を設置し、検知エ
リアからの赤外線の進行方向に対して直角となるよう各
レンズ19を配置しているので、各画素18aに入射す
る赤外線エネルギーは、cos3θに従って小さくなる。
【0045】一方、本実施例で使用している熱画像赤外
線センサ18の入射赤外線エネルギー一定のもとでの画
素18aの検知部面積と出力信号の関係を調べてみた結
果を図12に示す。このように、検知部面積を小さくす
れば入射赤外線エネルギー一定のもとでは出力信号が大
きくなることがわかった。
【0046】そこで、本実施例では、検知対象の位置に
よって決まるθに応じてcos3θで減少する出力信号を補
うように、各画素18aの検知面積を変更している。例
えば、熱画像赤外線センサ18直下の検知エリアに対応
する画素の大きさ(面積)を0.04mm2 とし、熱画像赤外
線センサ18から最も離れた検知エリアに対応する画素
の大きさを0.01mm2 とした。
【0047】また、赤外線センサの画素18aの検知部
面積を小さくしても検知エリアの大きさが変わらないよ
う、熱画像赤外線センサ18と検知エリア20間の距
離、熱画像赤外線センサ18の画素18aの検知部から
各レンズ19の焦点距離を変更している。
【0048】例えば、熱画像赤外線センサ18から最も
離れた検知エリアに対応するレンズ19の焦点距離は、
熱画像赤外線センサ18直下の最も近い検知エリアに対
応するレンズ19の焦点距離に対しておよそ0.6 倍と小
さくした。その結果、熱画像赤外線センサ18の画素1
8aの出力信号は、検知エリアの場所によらず、ほぼ一
定とすることができ、火報センサの取付け高さに関わら
ず視野角は一定とすることができた。
【0049】なお、本発明は、以上に説明した実施例に
限定されない。各構成の材料、寸法、構成要素、赤外線
センサタイプ、画素数、レンズ構成等は当然、これに限
定されるわけではなく、その用途・目的によって、最適
なものを選択すればよい。また、センサ感度を検知領域
の周縁部に対応する画素では高く、中心部に対応する画
素では低くなるようにする方法は、実施例に示した方法
に限定されるわけではなく、センサの構成、赤外線セン
サのタイプ、レンズ構成によって最適な方法を選択すれ
ばよい。例えば、赤外線センサが熱型の場合、中心部に
対応する画素の熱抵抗を小さく、周縁部に対応する画素
では大きくすることやマルチレンズを用いたものでは、
中心部に対応するレンズの口径を大きく、周縁部に対応
するレンズの口径を小さくしたり、あるいは、各画素か
らの信号を独立して読み出し判別できるものでは、増幅
回路のゲインを、中心部に対応した画素と周縁部に対応
した画素とで変えること等様々な方法を選択することが
できる。
【0050】
【発明の効果】以上に説明したように、請求項1乃至請
求項7記載の火報センサによれば、火災要因以外による
誤動作が少なく、炎の他に異常加熱による火災検知も行
うことができる。
【0051】請求項4記載の火報センサは、各画素の出
力信号を独立して読み出し判別するように構成されてい
るので、火災場所の特定を行うことができる。
【0052】請求項5及び請求項6記載の火報センサで
は、センサの検知領域内における検出感度の差がなく、
従って、火報センサの取付け高さの違いによっても視野
角が同じであるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の火報センサの一実施例を示す構成図で
ある。
【図2】本発明の火報センサの一実施例の検知領域を示
す平面図である。
【図3】本発明の火報センサの一実施例の検知領域を示
す断面図である。
【図4】本発明の火報センサで使用される赤外線センサ
の画素の出力信号の一実施例を示す線図である。
【図5】本発明の火報センサの異なる実施例を示す構成
図である。
【図6】本発明の火報センサの異なる実施例の検知領域
を示す平面図である。
【図7】本発明の火報センサのさらに異なる実施例を示
す構成図である。
【図8】本発明の火報センサで使用される赤外線センサ
の一部拡大図である。
【図9】本発明の火報センサの検知部面積と出力信号の
関係を示す線図である。
【図10】従来の炎検知型の火報センサの検知領域の一
例を示す断面図である。
【図11】赤外線センサ及びその光学系の一例を示した
構成図である。
【図12】従来の火報センサの検知領域の一例を示す断
面図である。
【符号の説明】
6,16,18 熱画像赤外線センサ(赤外線セン
サ) 7,17,20 検知領域 9 検知エリア 13 マイクロプロセッサ(判別回路) 18a 画素

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 火災を検知する火報センサにおいて、検
    知領域を分割して構成された検知エリアに対応して設け
    られた、前期検知エリアから放射された赤外線エネルギ
    ーを検知する赤外線センサの複数の画素と、前記画素が
    検知した赤外線エネルギーが所定の閾値以上であるかを
    判別する判別回路とを備えたことを特徴とする火報セン
    サ。
  2. 【請求項2】 1つの前記検知エリアに存在する、検知
    すべき最小の赤外線エネルギーを有する炎または異常加
    熱物から前記検知エリアに放射される赤外線エネルギー
    の方が、検知すべきでない誤報の要因となる物体から対
    応する前記検知エリアに放射される赤外線エネルギーよ
    りも大きくなるように、前記検知エリアの大きさを設定
    したことを特徴とする請求項1記載の火報センサ。
  3. 【請求項3】 前記検知エリアの大きさを、検知すべき
    最小の大きさの前記炎の大きさ、または、検知すべき最
    小の大きさの前記異常発熱物の大きさと略同じになるよ
    うに構成したことを特徴とする請求項1または請求項2
    記載の火報センサ。
  4. 【請求項4】 前記画素の出力信号を、独立して読み出
    し判別するように構成したことを特徴とする請求項1乃
    至請求項3記載の火報センサ。
  5. 【請求項5】 前記検知領域の中心部から周縁部にいく
    に従い、対応する前記赤外線センサの前記画素の検知感
    度が高くなるように構成したことを特徴とする請求項1
    乃至請求項4記載の火報センサ。
  6. 【請求項6】 前記検知領域の中心部から周縁部にいく
    に従い、対応する前記赤外線センサの前記画素の検知部
    面積が小さくなるように構成したことを特徴とする請求
    項5記載の火報センサ。
  7. 【請求項7】 前記赤外線センサが、波長が略2μm 以
    上の赤外線のみを検知するように構成したことを特徴と
    する請求項1乃至請求項6記載の火報センサ。
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