JPH0823440B2 - ヒ−トポンプ給湯装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、集合住宅，ビジネスホテルなどの給湯を
行うために、熱源機に効率の良いヒートポンプを用い、
また機器容量を小型化するために、貯湯槽を備えたヒー
トポンプ給湯装置に関する。

〔従来の技術〕 従来、集合住宅やビジネスホテルなどで用いられてい
たヒートポンプ給湯装置には、三菱電機空冷ヒートポン
プチラーのカタログ（1984年３月）に記載された第３図
に示すようなものがあった。

この第３図において、１は貯湯槽１からヒートポンプ
への配管、４はヒートポンプ給湯機２から貯湯槽１への
配管である。

配管３には温水循環ポンプ８が設けられているととも
に、給水配管15が連結されており、この給水配管15に電
磁二方弁24,電磁弁25が設けられている。

また、貯湯槽１の水位を水位検知器26で検出するよう
になっており、この水位検知器２の検出出力は制御器23
に送出し、制御器23は電磁二方弁24、電磁弁25の開閉制
御を行うようになっているとともに、制御器23の出力で
ヒートポンプ給湯機２の制御も行うようにしている。

一方、貯湯槽１には給湯往配管16,給湯復配管18が連
結されており、給湯往配管16には給湯用の温水循環ポン
プ19が設けられており、給湯配管18には負荷側の蛇口17
が連結されている。

このヒートポンプ給湯装置は、蛇口17より給湯が行わ
れると水位検知器26の信号によって制御器23が電磁弁25
を開き、給水が開始される。

この給水量はヒートポンプ給湯機２の出口温度が一定
になるように調節される。従って、貯湯槽の中の水温は
常に一定に保たれており、給湯に供される。

また、給湯負荷側の給湯往配管16、および給湯復配管
18には給湯用温水循環ポンプ19を常に動かし、温水を循
環させていた。

〔発明が解決しようとする問題点〕

以上述べたように、従来のヒートポンプ給湯装置が出
口温度を55℃程度に高くしており、また負荷側の給湯配
管からの熱ロスも多かったので、性能もそれ程良くな
く、ランニングコストも高いものとなっていた。

この発明は、係る問題点を解決するためになされたも
ので、給湯用ヒートポンプシステムを貯湯槽およびヒー
トポンプ給湯機をそれぞれ高温側、低温側の２系統に分
割して構成すると共に、上記各貯湯槽間を連結する給湯
復配管に必要に応じて返湯ポンプを配設し、この返湯ポ
ンプの運転を給湯復配管内の温水の温度により、また場
合によっては時間による運転スケジュールによる制御を
行い、給湯負荷側において必要と判断される場合のみ温
水を還流して、ロスを最小に制御することでシステムト
ータルで高効率運転を行ってエネルギ効率を極めて高く
することができるヒートポンプ給湯装置を得ることを目
的とする。

〔問題点を解決するための手段〕

この発明に係るヒートポンプ給湯装置は、高温水を貯
える高温側の貯湯槽、高温水を加熱するための高温側ヒ
ートポンプ給湯機、低温水を貯える低温側の貯湯槽、低
温水を加熱するための低温側ヒートポンプ給湯機、各貯
湯槽を連結する配管、高温側の貯湯槽から低温側の貯湯
槽に連なる給湯用の給湯復配管、給湯復配管に高温水を
循環させる返湯ポンプ、給湯復配管中の湯の温度に基づ
き返湯ポンプの運転制御を行う制御手段を設けたもので
ある。

〔作用〕

この発明においては、給水は低温側ヒートポンプ給湯
機で効率よく中間温度に沸かされ、この水がさらに高温
側ヒートポンプ給湯機で所定温度まで沸かされる。ま
た、給湯復配管内の温水温度が設定温度以下になると返
湯ポンプが運転され、必要な時だけ高温貯湯槽の高温水
が循環する。

〔実施例〕

以下、この発明のヒートポンプ給湯装置の実施例につ
いて図面に基づき説明する。第１図はその一実施例の構
成を示す配管系統図である。この第１図において、高温
水を貯湯する貯湯槽１と低温水を貯湯する貯湯槽９とに
よる２系統に貯湯槽が分割されている。

これにともない、ヒートポンプ給湯機も２系統に分割
されており、貯湯槽１を加熱する高温ヒートポンプ給湯
機２と貯湯槽９を加熱する低温側ヒートポンプ給湯機10
とに分割されている。

貯湯槽１と高温側ヒートポンプ給湯機２間には、復配
管４が連結され、高温側ヒートポンプ給湯機２より高温
水を貯湯槽１に給湯するようになっており、また、往配
管３は貯湯槽１と高温側ヒートポンプ給湯機２間に連結
されている。

この往配管３の途中には、三方電動弁６と温水循環ポ
ンプ８が設けられており、この往配管３の温度を温度セ
ンサ７で検出して制御手段としてのマイクロコンピュー
タによるコントローラ23（以下、マイコンコントローラ
という）に出力するようになっている。

このマイコンコントローラ23により、三方電動弁６の
切換制御を行うようになっている。

この三方電動弁６と往配管３間には短絡配管５が連結
されている。短絡配管５は三方電動弁６の切り換えによ
り、往配管３と復配管４を直接結合して、高温側ヒート
ポンプ給湯機２をバイパスするためのものである。

また、貯湯槽１内の高温水の温度を温度センサ20で検
知するようになっており、同様にして、貯湯槽９内の低
温水の温度を温度センサ21で検知するようになってい
る。

これらの温度センサ20,21の出力はマイコンコントロ
ーラ23に出力するようになっている。マイコンコントロ
ーラ23は温度センサ20,21および温度センサ7,22の出力
と自らの内部メモリに記憶した運転スケジュールによっ
て高温側ヒートポンプ給湯機２、低温側ヒートポンプ給
湯機10、返湯ポンプ19および三方電動弁６を制御するよ
うになっている。

詳細は各部動作で述べるとして、主として、温度セン
サ20で高温側ヒートポンプ給湯機２と循環ポンプ８がオ
ンオフし、温度センサ21で低温側ヒートポンプ給湯機10
と循環ポンプ13がオンオフし、温度センサ７で三方弁６
が作動し、温度センサ22で返湯ポンプ19がオンオフす
る。三方弁を用いて出力側の一部をバイパスして入力側
に戻し、所定の入力温度にして一定出力温度を得るヒー
トポンプの動作はよく知られているが、このように高温
側貯湯槽１の高温水のみを循環加熱することで、高温側
ヒートポンプ２の動作を温度制御性のよい部分に定め
る。

次に、低温側の系統について述べる。貯湯槽９と貯湯
槽１間は配管14で連結されており、また、貯湯槽９と低
温側ヒートポンプ給湯機10間には、復配管12が連結され
ているとともに、往配管11が連結されている。この往配
管11には、温水循環ポンプ13が設けられている。

低温系統を高温系統と分離しているので、低温系統に
ついては温度制御よりも効率を重視した運転をすること
ができる。

貯湯槽９には、給水配管15が連結されているととも
に、貯湯槽１への給湯復配管18が連結されている。この
復配管18に上述の温度センサ22が設けれているととも
に、返湯ポンプ19が設けられている。

また、給湯復配管18と給湯配管16が連結されている。
この給湯配管16は貯湯槽１に連結されており、給湯配管
16には、複数の給湯用の蛇口17が取り付けられている。

次に、上記のように構成されたこの実施例の動作につ
いて、第２図のフローチャートを参照しながら説明す
る。

なお、この第２図の制御シーケンスはマイコンコント
ローラ23の内部のメモリに格納されている。この第２図
は返湯ポンプ19の制御シーケンスである。この図におい
てステップS1において、電源をオンし、次のステップS2
において、返湯ポンプ19の運転スケジュールがオンであ
れば、返湯ポンプ19はオンする（ステップS4）。即ち、
例えば冬期であれば夕方６時から朝９時の間の時間はオ
ン、春・秋期であれば夜の９時から朝の７時の間の時間
がオン、上記以外の時間および夏期であればオフに運転
スケジュールを定めてある。従って、冬の夜９時であれ
ば運転スケジュールはオンになっている。

ステップS2において、返湯ポンプ19の運転スケジュー
ルがオフであれば、ステップS3へ行き、ここで予め設定
された温度に比べて給湯復配管内温度が低ければ、ステ
ップS5で返湯ポンプ19はオンする。

また、ここで、給湯復配管内温度が高ければ、ステッ
プS6で返湯ポンプ19はオフする。このようにして、返湯
ポンプ19の運転状態は元のステップS2に戻り、この制御
を繰り返す。

温度センサ22は復配管18に、貯湯槽１と貯湯槽９の影
響を受けない遠い位置に設けられ、各蛇口の給湯の温度
を示していると考えられるので、この温度が低くなると
強制的に返湯ポンプ19を動かして新しい湯を高温側貯湯
槽１から供給する必要がある。一方、返湯ポンプを常時
オンにしておくと、循環による温度ロスが生じるので望
ましくない。従って、温度が設定点以下になった場合、
または必要に応じて季節等によって予め定めた時間帯に
は、給湯を強制循環させて給湯品質と温度ロス低減によ
る効率向上とをバランスさせている。

また、マイコンコントローラ23により、三方電動弁６
を切り換えて、貯湯槽一と高温側ヒートポンプ給湯機２
間を連通させ、温水循環ポンプ８の作動により貯湯槽１
の温水はこの三方電動弁６と温水循環ポンプ８を経て高
温側ヒートポンプ給湯機２に送られる。

高温側ヒートポンプ給湯機の運転は、貯湯槽１内の高
温水のセンサ20で検知して高温側運転開始設定温度未満
であると循環ポンプ８と共に運転を開始し、高温側運転
停止設定温度以上になると運転を停止する通常の高温側
運転制御である。

これにより、高温側ヒートポンプ給湯機２で加熱した
高温の温水は復配管４から貯湯槽１に送られる。

また、三方電動弁６が短絡配管５側に切り換えられる
と、高温側ヒートポンプ給湯機２が短絡配管５で短絡さ
れて、高温側ヒートポンプ給湯機２で加熱された高温の
温水は復配管４、短絡配管５、三方電動弁６、温水循環
ポンプ８、往配管３、高温側ヒートポンプ給湯機２の順
で循環して、この高温側ヒートポンプ給湯機２の入口温
度が一定となり、高温側ヒートポンプ給湯機２は一定の
高温の湯を発生することができる。

高温側ヒートポンプ給湯機２と温水循環ポンプ８は、
高温側貯湯槽１に設けられた温度センサ20が設定温度以
下になるとオンになる。また、往配管３に設けられた温
度センサ７により高温側ヒートポンプ給湯機２の入力温
度が検出され、ヒートポンプ給湯機２の出力温度を一定
にするためには周囲温度と上記入力温度が定まり、この
入力温度になるように短絡配管５からの温水を取り込む
よう三方弁６を動かす。

一方、低温側の系統は温水循環ポンプ13の作動によ
り、貯湯槽９の温水は低温側ヒートポンプ給湯機10に送
られ、そこで加熱されて復配管12を経て貯湯槽９に送ら
れる。

低温側ヒートポンプ給湯機10と温水循環ポンプ13は、
温度センサ21により、設定温度以下になるとオンになり
効率よく温水を加熱する。

低温側ヒートポンプ給湯機の運転は、貯湯槽９内のセ
ンサ21で検知して低温側運転開始設定温度未満であると
循環ポンプ13と共に運転を開始し、低温側運転停止設定
温度以上になると運転を停止する通常の低温側運転制御
である。

更に、貯湯槽１内の高温の温水は給湯配管16から蛇口
17により使用者に給湯され、更に給湯復配管18、返湯ポ
ンプ19を経て貯湯槽９に送られる。この貯湯槽９から配
管14を経て貯湯槽１に温水が戻るようにしている。

先に説明の通り第２図の制御シーケンスにより、主と
して給湯復配管18内の温度が、温度センサ22で検出され
て、これが設定温度以下であれば返湯ポンプ19がオンに
なり強制循環させられる。こうした制御により、給温品
質が保たれ、また高温と低温の２系統のヒートポンプ給
湯の分離と縦続接続（カスケード）により効率よい加熱
ができる。さらに、制御シーケンスを変更して他の制御
方法としてもよい。

低温側の貯湯槽９の温水の温度が設定温度より低いと
きには、マイコンコントローラ23により、返湯ポンプ19
をオンさせる。これにより、貯湯槽１から給湯配管16、
給湯復配管18に流れる高温の温水が返湯ポンプ19を介し
て貯湯槽９に戻り、この貯湯槽９内の温水が設定温度に
加温される。

また、逆に貯湯槽９内の温水の温度が設定温度より高
い場合には、マイコンコントローラ23により、返湯ポン
プ19をオフにする。

これにより、復配管18の温水が貯湯槽９内への流入が
阻止され、貯湯槽９内の温水がこれ以上加温されること
がなくなる。

なお、マイコンコントローラ23内のメモリには、返湯
ポンプ19の運転に対して、季節などの給湯負荷の大きさ
に対応して運転スケジュールを記憶するようにしてもよ
い。

〔発明の効果〕

この発明は以上説明したとおり、低温側の貯湯層とそ
の湯を加熱する低温側ヒートポンプ給湯機の高温系統
と、高温側の貯湯槽とその湯を加熱する高温側ヒートポ
ンプ給湯機の高温系統とを分離し、さらに必要に応じて
高温側貯湯槽からの給湯配管の復配管に検出温度によっ
て動作する返湯ポンプと制御装置を設けたので、低温側
ヒートポンプ給湯機を高効率で運転でき、しかも給湯品
質を維持し、さらに循環温度ロスの少ないシステム全体
として高効率な運転ができる効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明のヒートポンプ給湯装置の一実施例を
示す構成図、第２図はこの発明のヒートポンプ給湯装置
における返湯ポンプの制御フローを示す図、第３図は従
来のヒートポンプ給湯装置の構成を示す図である。 1,9……貯湯槽、２……高温側ヒートポンプ給湯機、６
……三方電動弁、7,20〜22……温度センサ、8,13……温
水循環ポンプ、10……低温側ヒートポンプ給湯機、19…
…返湯ポンプ、23……マイコンコントローラ。 なお、図中同一符号は同一又は相当部分を示す。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】高温水を貯える高温側の貯湯槽、上記高温
   水を加熱するための高温側ヒートポンプ給湯機、低温水
   を貯える低温側の貯湯槽、上記低温水を加熱するための
   低温側ヒートポンプ給湯機、上記各貯湯槽を連結する配
   管、上記高温側の貯湯槽から低温側の貯湯槽に連なる給
   湯用の給湯復配管、上記給湯復配管に高温水を循環させ
   る返湯ポンプ、上記給湯復配管中の湯の温度に基づき返
   湯ポンプの運転制御を行う制御手段を備えたヒートポン
   プ給湯装置。
2. 【請求項２】高温水を貯える高温側の貯湯槽、上記高温
   水を加熱するための高温側ヒートポンプ給湯機、低温水
   を貯える低温側の貯湯槽、上記低温水を加熱するための
   低温側ヒートポンプ給湯機、上記各貯湯槽を連結する配
   管、上記高温側の貯湯槽から低温側の貯湯槽に連なりそ
   の途中に給湯蛇口を設けた給湯復配管、上記給湯復配管
   に高温水を循環させる返湯ポンプ、上記高温側貯湯槽と
   低温側貯湯槽と給湯復配管中の湯の温度に基づき、それ
   ぞれ槽中の湯の温度を維持するよう高温側ヒートポンプ
   給湯機と低温側ヒートポンプ給湯機の運転を制御し、ま
   た給湯復配管中の湯の温度が設定値以上か否かで返湯ポ
   ンプのオンオフ制御を行う制御手段を備えたヒートポン
   プ給湯装置。