JPH082337Y2 - シリンダー錠 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、筒状のボディとシリンダーケース及びシリ
ンダー軸とをワンタッチで組み立てられるようにしたシ
リンダー錠に関するものである。

〔従来の技術〕

シリンダー錠として実公昭63-41503号公報に示される
ものがある。この公報で示された以外でも多くのシリン
ダー錠はシリンダー軸を支持するシリンダーケースを筒
状のボディに嵌挿し、このケースとボディとを一体とす
るため、ボディに突設した係止片を折り曲げている。

〔考案が解決しようとする課題〕

ボディに係止片を突設する場合、この係止片の形成
を、一般にはプレス加工にて行うため、製造時に１工程
を要し、また組み立て時、この係止片を折り曲げるため
に１工程を要し、製造・組立に手数を要するものとな
る。また、この係止片の折曲が確実でないとケースとボ
ディ間にがたつきが生じる等の欠点がある。

本考案は、ボディ内にシリンダーケースを嵌挿するの
みでボディとシリンダーケース及びシリンダー軸とを固
定でき、組立の簡易化を図ることが可能なシリンダー錠
を提供することを目的とする。

〔課題を解決するための手段〕

上記目的を達成するため、本考案は、筒形をしたボデ
ィ内に、キーにより回動操作されるシリンダー軸と、シ
リンダー軸を抜け止めして回動自在に支持するシリンダ
ーケースとを嵌挿したシリンダー錠において、ボディの
周面に係止孔を穿設するとともに、シリンダーケースの
一端側に所要の弾性を備え、前記係止孔に嵌入する係止
用突起を突設した係止片を一体に形成したことを特徴と
する。

〔作用〕

シリンダーケースを筒形のボディ内に嵌挿すると、係
止片はその弾性に抗して内周側へ押し縮められるように
なってボディの所定位置まで挿入される。この位置で
は、ボディの周面に係止孔が穿設されているので、この
係止孔内に係止用突起が嵌入され、両者は固定され一体
となる。

〔実施例〕

以下、本考案のシリンダー錠を図示の実施例に基づい
て説明する。

図において１は筒形をしたボディで、このボディ１内
にはシリンダーケース２が嵌挿、固定されるとともに、
シリンダーケース２の長手軸心に沿ってシリンダー軸３
が回動自在に貫通、支持される。

シリンダーケース２はシリンダー錠として使用に耐え
る耐摩耗性、耐力性に優れた合成樹脂をもって製作さ
れ、長手軸心に沿ってシリンダー軸貫通孔21を穿設し、
一端側に所要の弾性を備えた２個の係止片23,23を対向
して一体に形成し、他端側の端面に複数のタンブラー挿
入孔22を形成する。

この係止片23は、シリンダーケース２の外周側面に所
要幅の２本の切溝24,24を所要深さ及び長さに達するよ
うに刻設して形成するとともに、この係止片23の内側も
切削し、係止片23を除いて２本の切溝24,24は係止片23
の内側のくぼみ25を介して互いに連続するようにする。

したがって、係止片23はシリンダーケース２の外周面
に刻設したくぼみ25内に位置し、かつ、くぼみ25内に押
し込み可能にして設けられるとともに、この係止片23の
基端側は、第５図に示すように、シリンダーケース２側
に連設され、先端が自由端となし、材質のもつ弾性によ
り係止片23は外力を受けた時、くぼみ25内に没するよう
可動に形成されるものであり、さらに、この係止片23の
自由端外側面にはボディ１に穿設した係止孔12に嵌入さ
れる係止用突起26を一体に形成する。

ボディ１は、シリンダーケース２ががたつくことなく
完全に嵌挿し得る内径と長さを有する筒形をしており、
先端側内周面には内鍔11が形成され、シリンダーケース
の抜け止めとなっているとともに、周面にはシリンダー
ケース２を所定位置まで嵌挿した時、シリンダーケース
２の係止片23の係止用突起26が嵌入する係止孔12を穿設
され、これによりシリンダーケース２をボディ１内に嵌
挿するのみで両者は固定され一体となる。

シリンダー軸３は、シリンダーケース２内に貫通さ
れ、先端に係片（図示省略）が突設されるもので、４は
ボディ１に一体に設けられるか、又は別個の部材として
ボディ１に固定した取付片で、この取付片４をビス止め
してシリンダー錠を所定の枠材等に固定するものであ
る。

なお、タンブラー部及びキー挿入溝部の説明は従来の
ものと変わりがないので省略する。

さらに、ボディ１にシリンダーケース２を嵌挿する
際、正確に位置決めが行えるようにボディの内面にはそ
の長手方向に１又は２本の突状を突設し、シリンダーケ
ース外面にはその長手方向にかつ突条を嵌合しうるよう
に凹溝を設け、この突条と凹溝とを互いに嵌合すること
によりシリンダーケースのボディに対する嵌挿方向が自
然と定まるようにし、正確にかつ簡易に嵌合、係止が行
えるようにすることができる。

〔考案の効果〕

本考案によれば、シリンダーケースを筒形のボディ内
に嵌挿するのみで、ボディの周面に穿設されている係止
孔内にシリンダーケースの係止片の係止用突起が嵌入さ
れ、ボディとシリンダーケースとは固定され一体とな
る。

このため、シリンダー錠の組み立てを簡易に、かつ精
度よく行うことができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案シリンダー錠を示す１実施例で、第１図は
組立時の断面図、第２図は分解斜視図、第３図は第１図
の右側面図、第４図は第１図の左側面図、第５図はシリ
ンダーケースの正面図、第６図は同右側面図、第７図は
同左側面図である。 １はボディ、12は係止孔、２はシリンダーケース、23は
係止片、24は切溝、25はくぼみ、26は係止用突起、３は
シリンダー軸。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】筒形をしたボディ（１）内に、キーにより
   回動操作されるシリンダー軸（３）と、シリンダー軸
   （３）を抜け止めして回動自在に支持するシリンダーケ
   ース（２）とを嵌挿したシリンダー錠において、ボディ
   （１）の周面に係止孔（12）を穿設するとともに、シリ
   ンダーケース（２）の一端側に所要の弾性を備え、前記
   係止孔（12）に嵌入する係止用突起（26）を突設した係
   止片（23）を一体に形成したことを特徴とするシリンダ
   ー錠。