JPH08233036A - 重量バランス装置 - Google Patents

重量バランス装置

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JPH08233036A
JPH08233036A JP7061887A JP6188795A JPH08233036A JP H08233036 A JPH08233036 A JP H08233036A JP 7061887 A JP7061887 A JP 7061887A JP 6188795 A JP6188795 A JP 6188795A JP H08233036 A JPH08233036 A JP H08233036A
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Katsumi Fukuda
克己 福田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 安全で安価な重量バランス装置を提供する。 【構成】 平行リンク機構1は第1〜第4アーム11〜
14で構成され、第2アーム12の先端部に重量物WP
が支持され、連結部P5で基台Bに回動自在に連結さ
れ、連結部P1に回動自在に取り付けたコロ15が可動
部材2のガイド溝21に沿って水平移動自在に構成され
ている。可動部材2は軸22、32からなるリンクによ
りコロ15の水平移動状態を維持しつつ昇降変位自在で
ある。軸32の先端部とロッド35の先端部は可動部材
2の連結部PXに、軸32の基端部は基台Bの連結部P
Yに、第1のバネ座33は基台Bの連結部PZにそれぞ
れ回動自在に連結されている。ロッド35の基端部には
第2のバネ座34が設けられ、この第1、第2のバネ座
33、34間に圧縮バネ31が設けられている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、例えば、各種の医用
診断装置などに備えられるX線管やイメージインテンシ
ファイア、あるいは被検体を搭載する天板などの重量物
の重量をバネの力で平衡し得る重量バランス装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種の重量バランス装置は、例
えば、図7(a)に示すように、2個の平行リンク機構
100、101が連結されたアーム102の先端部に物
体(重量物)WPが支持され、基端部が基台Bに支持さ
れ、各リンク機構100、101に備えられた引張バネ
103、104により、重量物WPの重量W1を平衡し
得るように構成されている。
【0003】この装置によれば、図7(b)に示すよう
に、重量物WPの平衡を保ちつつ、重量物WPを水平お
よび垂直方向に変位させることが可能である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな構成を有する従来例の場合には、次のような問題が
ある。すなわち、図7に示す従来装置では、重量物WP
の平衡を保つために引張バネ103、104を用いてい
るが、例えば、この引張バネ103または/および10
4が破断したとき、重量物WPが重力方向(垂直方向)
に回転転落するので、危険であるという問題がある。
【0005】また、上記従来装置では、重量物WPの変
位範囲を広く採るために、バネ(引張バネ)を2個備え
なければならず、コスト高を招くという問題もある。
【0006】この発明は、このような事情に鑑みてなさ
れたものであって、安全で安価な重量バランス装置を提
供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明は、このような
目的を達成するために、次のような構成をとる。すなわ
ち、この発明は、基台に支持される物体(重量物)の重
量をバネの力で平衡し得る重量バランス装置であって、
(a)第1アームと、前記第1アームの先端部に基端部
が回動自在に連結され、先端部に前記重量物を支持した
第2アームと、前記第1アームに平行で、前記第2アー
ムの中間部に基端部が回動自在に連結され、中間部が前
記基台に回動自在に連結支持された第3アームと、前記
第2アームに平行で、前記第3アームの先端部に基端部
が回動自在に連結され、前記第1アームの基端部に先端
部が回動自在に連結された第4アームとにより構成さ
れ、かつ、前記第1アームと第4アームの連結部(以
下、連結部P1とする)と前記第3アームと第4アーム
の連結部(以下、連結部P2とする)との間の長さと、
前記重量物が支持された第2アームの先端部(以下、連
結部P3とする)と前記第2アームと第3アームの連結
部(以下、連結部P4とする)との間の長さとの比がL
2 :L1 となり、前記基台に連結支持された第3アーム
の中間部(以下、連結部P5とする)と前記連結部P2
との間の長さと、前記連結部P5と前記連結部P4との
間の長さとの比がL2 :L1 となる平行リンク機構と、
(b)前記連結部P1が連結され、この連結部P1を水
平方向に案内する案内手段を有し、かつ、この案内手段
による前記連結部P1の水平方向への案内状態を維持し
つつ、昇降変位自在に前記基台に支持された可動部材
と、(c)基端部が前記基台に回動自在に連結され、先
端部が前記可動部材の所定の連結部PXに回動自在に連
結された軸と、前記基台に回動自在に連結された第1の
バネ座と、前記可動部材の連結部PXに先端部が回動自
在に連結され、基端部に第2のバネ座を有し、垂直方向
に対して傾斜した状態で前記第1のバネ座に摺動自在に
嵌め付けられたロッドと、前記第1のバネ座と前記第2
のバネ座の間に設けられた圧縮バネとを含む重量バラン
ス部とを備えたものである。
【0008】
【作用】この発明の作用は次のとおりである。平行リン
ク機構は、第3アームの中間部(連結部P5)が基台に
回動自在に連結され、連結部P1が可動部材および案内
手段を介して基台に対して昇降変位および水平変位自在
に連結支持されている。また、第2アームの中間部に第
3アームの基端部が連結されている。すなわち、第2ア
ームの中間部(連結部P4)から先端部(連結部P3)
の間のアーム部分は、第1〜第4アームで構成される平
行四辺形から突出した状態であり、この第2アームの先
端部に重量物が支持されている。従って、第1〜第4ア
ームを適宜に変位させることにより、重量物を水平およ
び垂直方向に変位させることができる。この重量物の変
位に伴い、連結部P1は案内手段により可動部材に対し
て水平方向に案内されるとともに、この水平方向への案
内状態を維持しつつ、可動部材が基台に対して昇降変位
される。
【0009】また、平行リンク機構は、(線分P1−P
2の長さ):(線分P3−P4の長さ)=L2 :L
1 で、(線分P5−P2の長さ):(線分P5−P4の
長さ)=L2 :L1 である。従って、重量物の変位(重
量物の位置)にかかわらず、線分P1−P5−P3は一
直線で、連結部P1、P2、P5を頂点とする三角形
と、連結部P3、P4、P5を頂点とする三角形とは、
常にL2 :L1 の相似形になる。
【0010】また、重量物は重力方向(垂直下方)に力
を及ぼす。この重量物による連結部P5回りの回転モー
メントは、重量物の重量(W1とする)×(連結部P
5、P3間の水平成分の長さ:Laとする)で求まる。
従って、連結部P5を挟んで連結部P3の対偶である連
結部P1に、上記重量物による連結部P5回りの回転モ
ーメントを打ち消すような所定の重量(W2とする)を
重力方向に働かせれば重量物の平衡が保てる。この連結
部P5回りの回転モーメントの釣合い式は、W1×La
=W2×(連結部P5、P1間の水平成分の長さ:Lb
とする)になる。ここで、重量物の変位(重量物の位
置)にかかわらず、線分P1−P5−P3は一直線で、
連結部P1、P2、P5を頂点とする三角形と、連結部
P3、P4、P5を頂点とする三角形とは、常にL2
1 の相似形であるので、LaとLbとの比は常に一定
になり、従って、上記W2は、W1が決まれば一義的決
まる。
【0011】また、上述したように、連結部P1の水平
方向への案内状態が常に維持されている。従って、連結
部P1に作用させる重力方向への重量W2に相当する力
を可動部材自体に働かせればよく、これを重量バランス
部で行なう。
【0012】すなわち、第1、第2のバネ座の間に設け
られた圧縮バネが、第2のバネ座を第1のバネ座から引
き離す方向に力を及ぼすことによって、先端部が可動部
材の連結部PXに連結されたロッドが可動部材を垂直斜
め方向に引っ張り、これにより、重力方向への重量W2
に相当する力を可動部材に働かせる。
【0013】ここで、重量物を変位させると、可動部材
が適宜に昇降変位するが、この変位に対しても、重量バ
ランス部は可動部材に常に重力方向への重量W2に相当
する力を働かせる必要がある。そこで、この発明におけ
る重量バランス部では、基端部が基台に回動自在に連結
された軸の先端部と、基台に回動自在に連結された第1
のバネ座に摺動自在に、垂直方向に対して傾けて配備さ
れたロッドの先端部とを、可動部材の所定の連結部PX
に回動自在に連結している。これにより、軸の基端部
(基台に回動自在に連結されている部分)回りの重量W
2による回転モーメントと、軸の基端部回りの圧縮バネ
による回転モーメントとが釣り合うような圧縮バネのバ
ネ定数を適宜に決めてやれば、可動部材の昇降変位にか
かわらず、重力方向への重量W2に相当する力を常に可
動部材に働かせることができる。
【0014】
【実施例】以下、図面を参照してこの発明の一実施例を
説明する。 <第1実施例>図1を参照する。この第1実施例装置
は、第1〜第4アーム11〜14で構成される平行リン
ク機構1と、可動部材2と、1個の圧縮バネ31を備え
た重量バランス部3とで構成されている。
【0015】第1アーム11と第3アーム13および第
2アーム12と第4アーム14がそれぞれ平行にされた
状態で、第1アーム11の先端部と第2アーム12の基
端部、第2アーム12の中間部と第3アーム13の基端
部、第3アーム13の先端部と第4アームの基端部、第
4アームの先端部と第1アーム11の基端部とがそれぞ
れ回動自在に連結されて平行リンク機構1が構成されて
いる。
【0016】また、第2アーム12の先端部に重量物W
Pが支持され、第3アーム13の中間部は、例えば、床
面に設置された基台Bに回動自在に支持され、第1アー
ム11と第4アーム14の連結部分にコロ15が回動自
在に取り付けられている。
【0017】さらに、第1アーム11と第4アーム14
の連結部をP1、第3アーム13と第4アーム14の連
結部をP2、重量物WPが支持された第2アーム12の
先端部をP3、第2アーム12と第3アーム13の連結
部をP4、基台Bに回動自在に支持された第3アーム1
3の中間部をP5としたとき、(線分P1−P2の長
さ):(線分P3−P4の長さ)=L2 :L1 で、(線
分P5−P2の長さ):(線分P5−P4の長さ)=L
2 :L1 になるように、各アーム11〜14、各連結部
が決められて平行リンク機構1が構成されている。
【0018】可動部材2には、連結部P1に取り付けら
れたコロ15が連結され、このコロ15をガイドライン
21aに沿って水平方向に案内するガイド溝21が設け
られている。また、平行に配備され、各基端部が基台B
に回転自在に支持されたリンク22、32の各先端部が
可動部材2に回動自在に取り付けられている。このリン
ク22、32により、後述する図2(b)に示すよう
に、ガイド溝21のガイドライン21aを水平方向に維
持(コロ15の水平方向への案内状態を維持)しつつ、
可動部材2を昇降変位させるように構成されている。な
お、上記コロ15とガイド溝21とは、この発明におけ
る案内手段を構成する。
【0019】重量バランス部3は、軸に相当するリンク
32、第1のバネ座33、第2のバネ座34を有するロ
ッド35、圧縮バネ31などで構成されている。リンク
32は、上述したようにその基端部が基台Bに回動自在
に連結され、また、先端部が可動部材2の連結部PXに
回動自在に連結されている。ここで、リンク32の基端
部と基台Bとの連結部をPYとする。
【0020】また、第1のバネ座33は、基台Bの連結
部PZに回動自在に連結されている。第2のバネ座34
はロッド35の基端部に設けられている。このロッド3
5は、先端部が上記可動部材2の連結部PXに回動自在
に連結され、垂直方向に対して傾斜した状態で第1のバ
ネ座33に摺動自在に嵌め付けられている。また、第1
のバネ座33と第2のバネ座34との間に圧縮バネ31
が設けられている。
【0021】次に、上述のような構成を有する実施例装
置の動作を説明する。まず、重量物WPの変位について
説明する。上述したように、平行リンク機構1は、第3
アーム13の中間部(連結部P5)が基台Bに回動自在
に連結され、連結部P1(コロ15)が可動部材2およ
びガイド溝21のガイドライン21aに沿った水平方向
の変位を介して基台Bに対して昇降変位および水平変位
自在に連結支持されている。また、第2アーム12の中
間部と第3アーム13の基端部とが連結部P4で連結さ
れている。すなわち、第2アーム12の中間部(連結部
P4)から先端部(連結部P5)の間のアーム部分は、
第1〜第4アーム11〜14で構成される平行四辺形か
ら突出した状態であり、この第2アーム12の先端部に
重量物WPが支持されている。
【0022】従って、図2に示すように、第1〜第4ア
ーム11〜14を適宜に変位させることにより、重量物
WPを水平および垂直方向(または水平方向と垂直方向
とを組み合わせた方向)に変位させることができる。な
お、図2(a)は重量物WPの水平方向への変位状態
を、図2(b)は垂直方向への変位状態をそれぞれ示し
ている。この重量物WPの変位に伴い、連結部P1のコ
ロ15はガイド溝21により可動部材2に対して水平方
向に案内され、また、この水平方向への案内状態を維持
しつつ、可動部材2が基台Bに対して昇降変位される。
【0023】ところで、平行リンク機構1は、(線分P
1−P2の長さ):(線分P3−P4の長さ)=L2
1 で、(線分P5−P2の長さ):(線分P5−P4
の長さ)=L2 :L1 である。従って、重量物WPの変
位にかかわらず(重量物WPがどこに位置しているかに
かかわらず)、線分P1−P5−P3は一直線で、連結
部P1、P2、P5を頂点とする三角形と、連結部P
3、P4、P5を頂点とする三角形とは、常にL2 :L
1 の相似形になる(図3参照)。
【0024】重量物WPは重力方向(垂直下方)に力を
及ぼす。この重量物WPによる連結部P5回りの回転モ
ーメントは、図1、図2に示すように、重量物の重量
(W1とする)×(連結部P5、P3間の水平成分の長
さ:Laとする)で求まる。これは、図1に示すよう
に、連結部P5を挟んで連結部P3と対偶になる連結部
P1に、連結部P5回りに所定の重量(W2とする)の
回転モーメントが垂直上方に作用したことになる。従っ
て、連結部P1に上記重量W2による回転モーメントを
打ち消す回転モーメントを発生させれば(連結部P1に
重量W2を垂直下方に働かせれば)、重量物WPの平衡
が得られる。
【0025】この連結部P5回りの回転モーメントの釣
合い式は、 W1×La=W2×(連結部P5、P1間の水平成分の
長さ:Lbとする) であるから、W2は、 W2=W1×La/Lb である。
【0026】ここで、重量物の変位(重量物の位置)に
かかわらず、線分P1−P5−P3は一直線で、連結部
P1、P2、P5を頂点とする三角形と、連結部P3、
P4、P5を頂点とする三角形とは、常にL2 :L1
相似形になる。
【0027】従って、例えば、図3(a)、(b)、
(c)(図3(a)は図1の状態を示し、図3(b)、
(c)は、図3(a)の状態に対して重量物WPを水平
方向に変位させた状態をそれぞれ示す)の場合、Laは
(線分P3−P5)、Lbは(線分P1−P5)である
ので、この比(La:Lb)は、L1 :L2 で常に一定
である。
【0028】また、図3(d)、(e)(図3(d)、
(e)は、図3(a)の状態に対して重量物WPを垂直
方向に変位させた状態をそれぞれ示す)の場合、Laは
同図における(線分P5−P6)、Lbは(線分P5−
P7)であるが、ここで、P3、P5、P6を頂点とす
る三角形と、P1、P5、P7を頂点とする三角形と
は、常にL2 :L1 の相似形になるので、この場合も、
La:Lbは、L1 :L2 で常に一定である。なお、P
6は、P5を通過する水平線とP3を通過する垂直線と
の交点であり、P7は、P5を通過する水平線とP1を
通過する垂直線との交点である。
【0029】従って、重量物WPの変位にかかわらず
(重量物WPがどこに位置していても)、La:Lbは
常に一定、すなわち、La/Lbは常に一定である。従
って、上記W2は、重量物WPの重量W1により一義的
に決まる。
【0030】ここで、上述したように、連結部P1の水
平方向への案内状態が常に維持されている。従って、連
結部P1に作用させる垂直方向への重量W2に相当する
力を可動部材2自体に働かせればよい。すなわち、可動
部材2に重量W2に相当する力を垂直下方に働かせ、ガ
イド溝21のガイドライン21a、コロ15を介して、
重量W2に相当する力を連結部P1に作用させればよ
い。これを重量バランス部3で行なう。
【0031】すなわち、第1、第2のバネ座33、34
の間に設けられた圧縮バネ31が、第2のバネ座34を
第1のバネ座33から引き離す方向に力を及ぼすことに
よって、先端部が可動部材2の連結部PXに連結された
ロッド35が可動部材2を垂直斜め方向に引っ張り、こ
れにより、垂直方向への重量W2に相当する力を可動部
材2に働かせる。
【0032】ここで、上述したように、重量物WPを変
位させると、リンク22、32によって、可動部材2が
適宜に昇降変位(この実施例では、図1、図2における
右斜め方向に変位)するが、この変位に対しても、重量
バランス部3は可動部材2に対して、常に垂直下方へ重
量W2に相当する力を働かせる必要がある。
【0033】そこで、この実施例では、重量バランス部
3の各部材を図1のように構成している。これにより、
リンク32の基端部(連結部PY)回りの重量W2によ
る回転モーメントと、連結部PY回りの圧縮バネ31に
よる回転モーメントとが釣り合うような圧縮バネ31の
バネ定数を適宜に決めてやれば、可動部材2の昇降変位
にかかわらず、垂直下方への重量W2に相当する力を可
動部材2に常に働かせることができる。これを、図4を
参照して説明する。
【0034】図4(a)において、圧縮バネ31の力に
よる連結部PY左回りに働く回転モーメントMFは次式
で求まる。 MF=C×m×r ここで、Cは圧縮バネ31のバネ定数、mは連結部P
X、PZ間のロッド35の中心線(点線で示す)CLの
長さ、rは連結部PYから前記中心線CLに垂直に下ろ
した垂線(一点鎖線で示す)HLの長さである。
【0035】一方、図の点線で示す垂直上方への重量W
2による連結部PY右回りに働く回転モーメントMGは
次式で求まる。 MG=W2×b×sinθ ここで、bは連結部PX、PY間の長さ(リンク32の
長さ)、θは(線分PX−PY)と(線分PY−PZ)
で挟まれる角度である。
【0036】図4(a)において、圧縮バネ31の力
で、可動部材2に垂直下方への重量W2に相当する力を
働かせることは、上記MFとMGとが釣り合うこと(M
F=MG)を意味する。
【0037】すなわち、C×m×r=W2×b×sin
θであり、 C=(W2×b×sinθ)/(m×r) が得られる。
【0038】ここで、m×rは、図4(b)における平
行四辺形PX、PY、PZ、PY’の面積に相当し、こ
の面積は、a×b×sinθでも表すことができる。従
って、上記式は、C=(W2×b×sinθ)/(a×
b×sinθ)になり、 C=W2/a が得られる。
【0039】また、可動部材2が右斜め方向に変位した
ことにより、図4(c)に示すように、PXが右斜め方
向に変位(PY、PZは固定)した場合、PX、PZ間
のロッド35(上記m)の長さが変位(圧縮バネ31の
力が変位)するが、このとき、rも変位する結果、上記
MFは常に一定である。従って、このような場合でも、
圧縮バネ31の力で、垂直下方への重量W2に相当する
力を常に可動部材2に働かせることができる。
【0040】すなわち、圧縮バネ31のバネ定数をW2
とaとに応じて決めることにとり(または、圧縮バネ3
1のバネ定数Cが予め決まっているときには、aの長さ
を調節することにより)、可動部材2の昇降変位にかか
わらず、垂直下方への重量W2に相当する力を圧縮バネ
31の力によって可動部材2に常に働かせることができ
る。
【0041】なお、連結部P1には可動部材2の自重も
かかっているので、圧縮バネ31で発生させる可動部材
2に対する垂直下方への力は、実際には、上記図4で説
明したW2から可動部材2の自重を減算した重量に相当
する力として、バネ定数Cを決めることになる。
【0042】上述したように、この実施例では、重量物
WPを水平および垂直方向に変位させることができ、こ
の変位に対して、重量物WPの平衡を常に1個の圧縮バ
ネ31で保つことができる。
【0043】また、この実施例によれば、圧縮バネ31
が破断したときでも圧縮バネ31は可動部材2を垂直下
方に引っ張っているので、重量物WPが転落することが
ない。
【0044】<第2実施例>第2実施例装置を図5を参
照して説明する。この第2実施例装置は、上記第1実施
例装置を上下逆転させた構成である。すなわち、基台1
を例えば天井に配置し、重量物WPを支持している。
【0045】この第2実施例装置の基本的な構成および
その動作は上記第1実施例装置と同様であるので、図1
と同一符号で示して、その詳述は省略するが、この第2
実施例装置でも、圧縮バネ31のバネ定数や連結部P
Y、PZ間の長さ(上記a)を上記第1実施例装置を同
様の計算式で決めてやることにより、重量物WPの変位
(水平および垂直方向への変位)にかかわらず、常にこ
の重量物WPの平衡を保つことができる。
【0046】<第3実施例>第3実施例装置の構成を図
6を参照して説明する。この第3実施例装置では、可動
部材2の昇降変位をリニアガイド機構を用いて行ない、
リンク32の先端部とロッド35の先端部とをコロ41
に回動自在に連結し、このコロ41を可動部材2のガイ
ド溝42に沿って水平方向に変位自在に構成している。
【0047】リニアガイド機構は、可動部材2の側辺に
設けられたレール43を、基台Bに固設されたガイド部
材44に摺動自在に取り付け、可動部材2を昇降変位
(この場合、垂直方向に変位)させるように構成してい
る。これにより、連結部P1(コロ15)の水平方向へ
の案内状態は維持される。また、リンク32の長さは固
定であるので、この可動部材2の昇降変位に応じて、コ
ロ41がガイド溝42に沿って水平変位する。なお、こ
の実施例では、リンク32の先端部とロッド35の先端
部の連結部が上記第1実施例における連結部PXに相当
し、この連結部PXを介して圧縮バネ31が可動部材2
を垂直下方へ重量W2に相当する力で引っ張っている。
その他の構成は、上記第1実施例装置と同様であるの
で、図1と同一符号で示してその詳述を省略する。
【0048】このように構成しても、上記第1実施例と
同様に、重量物WPを水平および垂直方向に変位させる
ことができ、また、圧縮バネ31のバネ定数を第1実施
例と同様に計算することにより、上記重量物WPの変位
にかかわらず、重量物WPの平衡を常に圧縮バネ31の
力で保つことができる。
【0049】なお、上記第2実施例のように、この第3
実施例も上下逆転する(基台Bを例えば天井に設置す
る)ように変形実施してもよい。
【0050】ところで、上記各実施例やその変形例で
は、重量バランス装置の機構について詳述したが、この
重量バランス装置は各種の装置における重量物WPの重
量バランスに用いることができる。
【0051】例えば、第1、第3実施例では、基台Bを
床面に支持されるX線管装置の変位自在なX線管を重量
物WPとしてその重量バランスをとることができるし、
同様に、X線透視装置の変位自在なX線管やイメージイ
ンテンシファイアなどを重量物WPとしたり、各種の医
用診断装置に備えられる被検体搭載用の天板を重量物と
して、それらの重量バランスをとることもできる。
【0052】また、例えば、第2実施例装置では、天井
からX線管が懸下され、このX線管を任意の方向に変位
可能な天井懸垂型X線管装置におけるX線管を重量物W
Pとした重量バランスに用いることができる。
【0053】さらに、この発明は医用分野の装置に限ら
ず、各種の分野の装置の所定の重量物の重量バランスに
用いることもできる。
【0054】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、この発
明によれば、重量物の平衡を圧縮バネの力で保つように
構成したので、バネ(圧縮バネ)が破断しても、重量物
が重力方向に転落することがなく安全である。
【0055】また、この発明では、重量物の変位方向を
広く採り得る平行リンク機構、可動部材を備え、この可
動部材を介して重量物の平衡を1個の圧縮バネで保つよ
うに構成したので、使用するバネの個数が少なく、その
分コストの低減を図ることができる。
【0056】さらに、重量物の平衡を圧縮バネのバネ力
で保つように構成したので、例えば、重量物の平衡をそ
れに応じたおもりなどで保つ装置に比べて、装置の軽量
化および小型化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1実施例に係る重量バランス装置
の概略構成を示す正面図である。
【図2】第1実施例装置の重量物の変位状態を示す図で
ある。
【図3】重量物の変位に対する(連結部P5、P3間の
水平成分の長さ)と(連結部P5、P1間の水平成分の
長さ)との相似関係を説明するための図である。
【図4】圧縮バネのバネ定数の計算方法を説明するため
の図である。
【図5】第2実施例装置の概略構成を示す正面図であ
る。
【図6】第3実施例装置の概略構成を示す正面図であ
る。
【図7】従来装置の概略構成を示す図である。
【符号の説明】
1 … 平行リンク機構 2 … 可動部材 11 … 第1アーム 12 … 第2アーム 13 … 第3アーム 14 … 第4アーム 15 … コロ 21 … ガイド溝 22 … リンク 31 … 圧縮バネ 32 … リンク 33 … 第1のバネ座 34 … 第2のバネ座 35 … ロッド B … 基台 WP … 重量物

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基台に支持される物体(重量物)の重量
    をバネの力で平衡し得る重量バランス装置であって、
    (a)第1アームと、前記第1アームの先端部に基端部
    が回動自在に連結され、先端部に前記重量物を支持した
    第2アームと、前記第1アームに平行で、前記第2アー
    ムの中間部に基端部が回動自在に連結され、中間部が前
    記基台に回動自在に連結支持された第3アームと、前記
    第2アームに平行で、前記第3アームの先端部に基端部
    が回動自在に連結され、前記第1アームの基端部に先端
    部が回動自在に連結された第4アームとにより構成さ
    れ、かつ、前記第1アームと第4アームの連結部(以
    下、連結部P1とする)と前記第3アームと第4アーム
    の連結部(以下、連結部P2とする)との間の長さと、
    前記重量物が支持された第2アームの先端部(以下、連
    結部P3とする)と前記第2アームと第3アームの連結
    部(以下、連結部P4とする)との間の長さとの比がL
    2 :L1 となり、前記基台に連結支持された第3アーム
    の中間部(以下、連結部P5とする)と前記連結部P2
    との間の長さと、前記連結部P5と前記連結部P4との
    間の長さとの比がL2 :L1 となる平行リンク機構と、
    (b)前記連結部P1が連結され、この連結部P1を水
    平方向に案内する案内手段を有し、かつ、この案内手段
    による前記連結部P1の水平方向への案内状態を維持し
    つつ、昇降変位自在に前記基台に支持された可動部材
    と、(c)基端部が前記基台に回動自在に連結され、先
    端部が前記可動部材の所定の連結部PXに回動自在に連
    結された軸と、前記基台に回動自在に連結された第1の
    バネ座と、前記可動部材の連結部PXに先端部が回動自
    在に連結され、基端部に第2のバネ座を有し、垂直方向
    に対して傾斜した状態で前記第1のバネ座に摺動自在に
    嵌め付けられたロッドと、前記第1のバネ座と前記第2
    のバネ座の間に設けられた圧縮バネとを含む重量バラン
    ス部とを備えたことを特徴とする重量バランス装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US11446115B2 (en) 2016-07-19 2022-09-20 Olympus Corporation Medical device holding apparatus

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