JPH08232945A - ローラーおよびその製造方法 - Google Patents

ローラーおよびその製造方法

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JPH08232945A
JPH08232945A JP7037389A JP3738995A JPH08232945A JP H08232945 A JPH08232945 A JP H08232945A JP 7037389 A JP7037389 A JP 7037389A JP 3738995 A JP3738995 A JP 3738995A JP H08232945 A JPH08232945 A JP H08232945A
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JP
Japan
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resin
adhesive
thermoplastic elastomer
roller
core portion
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Application number
JP7037389A
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English (en)
Inventor
Yoshimasa Ogo
合 佳 正 小
Toshihiko Onitake
武 敏 彦 鬼
Manabu Suzuki
木 学 鈴
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OGATA KOGYO KK
Mitsui Petrochemical Industries Ltd
Original Assignee
OGATA KOGYO KK
Mitsui Petrochemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】 軸受け部材1と、軸受け部材の外周に溶融成
形性に優れた熱可塑性樹脂のインサート成形により形成
されたコア部2と、コア部の外周に、溶融成形性に優れ
た熱可塑性エラストマーのインサート成形より形成され
た外周部4とが接合一体化される。このローラーはコア
部を熱可塑性樹脂を用いてインサート成形で形成し、コ
ア部の外周に熱可塑性エラストマーからなる外周部をイ
ンサート成形で形成する。 【効果】 比較的高い荷重がかかるローラーを容易に製
造することができると共に、このローラーは非常に優れ
た耐久性を有している。また製造の際の作業性が非常に
よい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、比較的高荷重を支持し、
長期間連続走行させるのに適したローラーおよびこのよ
うなローラーを製造する方法に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】ローラーは、高荷重を支持して長
期間連続的に走行させるために使用されている。このロ
ーラーは、従来、コア部最内周に設けられた軸受け部材
(軸受け部材)と、アルミニウムまたは銅などの金属か
ら形成されたコア部と、このコア部の外周にニトリルゴ
ム等の加硫ゴムをライニングした外周部とから形成され
ている。そして、多くの場合、このコア部の内周に設け
られる軸受け部には、ボールベアリングを内部に有する
軸受け部材が使用される。この軸受け部材をローラーと
して使用するには、アルミダイカスト鋳造し、次いでバ
リ取り等の工程を経て製造された金属製コア部の最内周
部に軸受け部材を機械加工を加えて付設する必要があ
る。しかしながら、この軸受け部材を付設するための機
械加工が極めて煩雑なために、ローラーの生産性が低下
する一因になっている。
【0003】さらに、従来のローラーは、鋳造、機械加
工、加硫ゴムライニング、組立の工程を経て製造される
が、これらの工程ではそれぞれ全く異なるが技術が必要
であり、通常はこれらの工程は全て別の工場で行われ
る。すなわち、従来のローラーの製造の際には、まずコ
ア部をアルミダイカスト鋳造により製造して鋳造品のバ
リ取りを行い、さらに別の工場でコア部の内周、外周加
工、溝切り等の機械加工を行う。次いでこの加工された
コア部を他の工場に移送し、このコア部を脱脂した後外
周にゴムライニングし、次いで外周(ゴムライニング
部)を研磨する。こうしてゴムライニングされたコア部
を再び他の工場に移送し、コア部の内周に軸受け部材を
付設している。このように、従来は、ローラーを製造す
る際には、各工場で製造された中間部品を頻繁に他の工
場に移動させなければならず、このような中間部品の移
動も生産性を低下させる要因になっている。
【0004】また、従来のローラーにはコア部の外周に
アルミダイキャストとの密着性等を考慮してニトリルゴ
ム等の加硫ゴムなどがライニングされているが、このよ
うな加硫ゴムは、ローラーの最外周を形成するための素
材としては、耐摩耗性、反発弾性、引き裂き強度等の機
械的特性が必ずしも充分ではない。
【0005】このように従来のローラーは、生産性が低
いと共に、耐久性の点でも問題を有している。
【0006】
【発明の目的】本発明は、生産性および耐久性のよいロ
ーラーおよびこのローラーを効率よく製造することがで
きる方法を提供することを目的としている。
【0007】
【発明の概要】本発明のローラーは、軸受け部材と、該
軸受け部材の外周に溶融成形性に優れた熱可塑性樹脂を
インサート成形することにより形成されたコア部と、該
コア部の外周に、溶融成形性に優れた熱可塑性エラスト
マーをインサート成形することにより形成された外周部
とが接合一体化されていることを特徴としている。
【0008】また、本発明のローラーにおいては、上記
コア部を形成する熱可塑性樹脂が、この熱可塑性樹脂1
00重量部に対して150重量部以下の量の無機充填材
を含有していてもよい。
【0009】本発明において、熱可塑性樹脂からなるコ
ア部とこの外周に形成された熱可塑性エラストマーとは
一体に接合されていることが必要であり、このコア部と
熱可塑性エラストマーとは、接着剤を介して一体化する
ことができる。
【0010】また、本発明のローラーは、軸受け部材の
外周に、溶融成形性に優れた熱可塑性樹脂をインサート
成形することによりコア部を形成した後、該コア部の外
周に、溶融成形性に優れた熱可塑性エラストマーをイン
サート成形することにより外周部を形成することにより
製造することができる。
【0011】本発明のローラーは、上記のように軸受け
部材に熱可塑性樹脂をインサート成形してコア部を形成
した後、このコア部外周に熱可塑性エラストマーをイン
サート成形することにより製造される。従って、軸受け
部材を搬入後は、2段階のインサート成形を同一の工場
内で行うことが可能である。さらに、このように軸受け
部材とコア部とが一体化され、さらに熱可塑性エラスト
マーをインサート成形することにより、コア部と外周部
を形成する熱可塑性エラストマーとも非常に強固に接着
される。またこの熱可塑性エラストマーは、従来使用さ
れていたニトリルゴム等の加硫ゴムよりも耐久性が高い
ので、本発明のローラーは、非常に長期間の使用に耐え
る。
【0012】
【発明の具体的説明】次に本発明のローラーについての
実施例を図面を参照しながら具体的に説明する。
【0013】図1は本発明の一実施例であるローラーの
部分断面斜視図であり、図2はこのローラーの正面図で
あり、図3は、図2におけるこのローラーのA−A断面
図である。
【0014】図1〜図3に示すように、本発明のローラ
ーは、最内周部を形成する軸受け部材1と、この軸受け
部材1の外周に設けられたコア部2と、このコア部2と
外周部4とを接着する接着剤層3と、接着剤層3によっ
てコア部2に接着された外周部4とからなる。
【0015】最内周部を形成する軸受け部材1は、中心
に軸(図示無し)が挿入されてローラーを回転可能に軸
着する貫通穴11を有している。図1〜図3には、軸受
け部材1が剛球(ボールベアリング)13を有するもの
である態様が示されている。軸受け部材1は、ケーシン
グ12と、このケーシング12内に収容された複数の剛
球13とからなる。この複数の剛球13は軸と接触する
ようにケーシングの最内周のリング12aと接触するよ
うにケーシング内に収容されている。この最内周のリン
グ12aは、ケーシングの他の部分に対して回動自在に
装着されている。
【0016】この軸受け部材1の大きさは、本発明のロ
ーラーの用途により適宜設定することができる。代表的
な軸受け部材1の差し渡し直径は30〜40mm程度、幅
は8〜20mm程度である。
【0017】本発明のローラーは、上記のような軸受け
部材1の周囲に、熱可塑性樹脂をインサート成形するこ
とによって形成されたコア部2を有する。このコア部2
を形成する熱可塑性樹脂は、成形性に優れる樹脂であ
る。
【0018】ここで、成形性に優れるとは、以下の
(1)に記載する成形機および金型を用い、成形温度を
(2)に示すように設定して成形されるスパイラルの長
さ(3)で定義される。
【0019】(1)成形機、金型 金型:直径4.8mmの半円形断面のスパイラル形状の金型 成形機:東芝機械(株)製,IS−50EP 射出圧力:1000Kg/cm2 金型温度50〜80℃ (2)成形温度 結晶性樹脂(例:PA66,PA6,POH,PET,PBT etc.) 融点+10〜20℃で成形 非晶性樹脂(例:PC,PS etc.) ガラス転移温度+100〜120℃で成形 (3)上記条件で成形されるスパイラルの長さ 結晶性樹脂10cm以上 非晶性樹脂5cm以上。
【0020】さらに、本発明で使用される熱可塑性樹脂
としては、それぞれの樹脂についてJISに規定される
方法あるいはこれに準拠した方法により測定されるメル
トフローレート(MFR)が、通常は3〜15g/10
分、好ましくは5〜10g/10分の範囲内にある樹脂が
使用しやすい。
【0021】このような特性を有する熱可塑性樹脂の例
としては、ABS樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリアミ
ド樹脂、ポリアミドイミド、ポリアリレート、熱可塑性
ポリイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリエーテ
ルエーテルケトン、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン
樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレン
テレフタレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチ
レン樹脂、ポリサルホン樹脂、ポリメチルスチレン樹
脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂およびポリフェニル
サルファイド樹脂を挙げることができる。これらの樹脂
は単独で使用することもできるし、組み合わせて使用す
ることもできる。さらにこれらの樹脂の特性を損なわな
い範囲内で他の樹脂あるいはエラストマー等を配合する
こともできる。
【0022】ABS樹脂は、アクリロニトリルとブタジ
エンとスチレンとの共重合体であり、機械的強度に優れ
ると共に良好な成形性を有している。ポリアセタール樹
脂は、[−(R・CHO)−]の構造(Rは水素原子は
またはアルキル基である)を有する樹脂である。このア
セタール樹脂は、上記構造のホモポリマーであってもコ
ポリマーであってもよい。
【0023】ポリアミド樹脂には、脂肪族ポリアミド樹
脂、脂環族ポリアミド樹脂および芳香族ポリアミド樹脂
等があるが、本発明ではいずれのポリアミド樹脂を使用
することもできる。
【0024】ここでポリアミド樹脂の例としては、ポリ
アミド6(6ナイロン)、ポリアミド66(66ナイロ
ン)、ヘキサメチレンジアミンとセバシン酸との重縮合
物であるポリアミド(ナイロン610)、カプロラクタ
ムとラウリルラクタムとの重縮合物であるポリアミド
(ナイロン612)、11-アミノウンデカン酸の重縮合
物であるポリアミド(ナイロン11)、ナイロン12、
1,4-ジアミノブタンとアジピン酸との重縮合物であるナ
イロン46、および、ポリアミドを形成するアミド結合
である−NH−CO−構造中に存在する水素原子の一部
がメトキシメチル基で置換されたメトキシメチルポリア
ミドのような脂肪族ポリアミド樹脂、並びに、メタキシ
レンジアミンとアジピン酸との重縮合物であるナイロン
MXD6、および、テレフタル酸を主成分とする芳香族
ジカルボン酸とヘキサメチレンジアミンを主成分とする
脂肪族ジアミンとの重縮合により得られるポリアミドの
ような芳香族ポリアミド樹脂を挙げることができる。
【0025】このようなポリアミド樹脂について、テレ
フタル酸を主成分とする芳香族ジカルボン酸とヘキサメ
チレンジアミンを主成分とする脂肪族ジアミンとの重縮
合により得られる芳香族ポリアミド樹脂を例にして以下
に詳細に説明する。
【0026】この芳香族ポリアミド樹脂は、このポリア
ミド樹脂を構成する芳香族ジカルボン酸成分単位[a]
は、必須成分単位としてテレフタル酸成分単位(a-1)を
有している。このようなテレフタル酸成分単位(a-1)を
有する繰返し単位は、次式[I−a]で表わすことがで
きる。
【0027】
【化1】
【0028】ただし、上記式[I−a]において、R
1は、二価の脂肪族あるいは脂環族の炭化水素基、好ま
しくは炭素原子数4〜18のアルキレン基を表わす。ジ
カルボン酸成分単位は、全部が上記[I−a]で表され
る成分単位である必要はなく、一部が他のジカルボン酸
成分単位であってもよい。
【0029】このテレフタル酸成分以外の他のカルボン
酸成分単位には、テレフタル酸以外の芳香族ジカルボン
酸成分単位(a-2)と脂肪族ジカルボン酸成分単位(a-3)と
がある。
【0030】テレフタル酸以外の芳香族ジカルボン酸成
分単位(a-2)の例としては、イソフタル酸成分単位、2-
メチルテレフタル酸成分単位およびナフタレンジカルボ
ン酸成分単位を挙げることができる。芳香族ポリアミド
樹脂がテレフタル酸以外の芳香族ジカルボン酸から誘導
される成分単位を有する場合、このような成分単位とし
ては、特にイソフタル酸成分単位が好ましい。
【0031】このようなテレフタル酸以外の芳香族ジカ
ルボン酸成分単位(a-2)のうち、イソフタル酸成分単位
を有する繰返し単位は、次式[I−b]で表わすことが
できる。
【0032】
【化2】
【0033】ただし、上記式[I−b]において、R1
二価の脂肪族あるいは脂環族の炭化水素基、好ましくは
炭素原子数4〜18のアルキレン基を表わす。脂肪族ジ
カルボン酸成分単位(a-3)は、通常は炭素原子数4〜2
0、好ましくは6〜12のアルキレン基を有する脂肪族
ジカルボン酸から誘導される。このような脂肪族ジカル
ボン酸成分単位(a-3)を誘導するために用いられる脂肪
族ジカルボン酸の例としては、コハク酸、アジピン酸、
アゼライン酸およびセバシン酸を挙げることができる。
【0034】このポリアミドが脂肪族ジカルボン酸成分
単位を有する場合、このような成分単位としては、特に
アジピン酸成分単位およびセバシン酸成分単位が好まし
い。テレフタル酸成分単位を以外のジカルボン酸成分単
位である、脂肪族ジカルボン酸成分単位(a-3)を有する
繰返し単位は、次式[II]で表わすことができる。
【0035】
【化3】
【0036】ただし、上記式[II]において、R1は、
上記と同じ意味であり、nは通常2〜18、好ましくは
4〜10の整数を表わす。ジカルボン酸成分単位[a]
と共に芳香族ポリアミド樹脂を形成するジアミン成分単
位[b]は、炭素原子数4〜18の脂肪族アルキレンジ
アミンおよび脂環族ジアミンから誘導することができ
る。
【0037】このような脂肪族アルキレンジアミンの具
体的な例としては、1,4-ジアミノブタン、1,6-ジアミノ
ヘキサン、トリメチル-1,6-ジアミノヘキサン、1,7-ジ
アミノヘプタン、1,8-ジアミノオクタン、1,9-ジアミノ
ノナン、1,10-ジアミノデカン、1,11-ジアミノウンデカ
ンおよび1,12-ジアミノドデカンを挙げることができ
る。また、脂環族ジアミンの具体的な例としては、ジア
ミノシクロヘキサンを挙げることができる。
【0038】特に本発明においてジアミン成分単位とし
ては、直鎖脂肪族アルキレンジアミンから誘導された成
分単位が好ましく、このような直鎖脂肪族アルキレンジ
アミンとしては、1,6-ジアミノヘキサン、1,8-ジアミノ
オクタン、1,10-ジアミノデカン、1,12-ジアミノドデカ
ンおよびこれらの混合物が好ましい。さらに、これらの
中でも、1,6-ジアミノヘキサンが特に好ましい。
【0039】芳香族ポリアミド樹脂を構成する全ジカル
ボン酸成分(100モル%)中におけるテレフタル酸成
分単位(a-1)の含有率は50〜100モル%、好ましく
は50〜80モル%であり、テレフタル酸以外の芳香族
ジカルボン酸成分単位(a-2)の含有率は0〜50モル
%、好ましくは0〜30モル%であり、そして、脂肪族
ジカルボン酸成分単位(a-3)の含有率は0〜50モル
%、好ましくは1〜45モル%である。
【0040】なお、上記芳香族ポリアミド樹脂は、芳香
族ジカルボン酸成分単位として、上記の主成分単位であ
るテレフタル酸成分単位、さらにイソフタル酸成分単位
に代表されるテレフタル酸以外の二価の芳香族カルボン
酸から誘導される成分単位および上述の脂肪族ジカルボ
ン酸成分単位を有する繰返し単位の外に、少量のトリメ
リット酸あるいはピロメリット酸のような三塩基性以上
の多価カルボン酸から誘導される成分単位を含有してい
てもよい。この芳香族ポリアミド樹脂中に許容される三
塩基性以上の多価カルボン酸から誘導される成分単位の
量は、通常は0〜5モル%含有されている。
【0041】さらに、この芳香族ポリアミド樹脂は、前
記式[I-a]で表わされる繰返し単位を主な繰返し単位
とする芳香族ポリアミド樹脂と、前記式[I-b]で表わ
される繰返し単位を主な繰返し単位とする芳香族ポリア
ミド樹脂とからなる混合物であってもよい。
【0042】上記の芳香族ポリアミド樹脂について、濃
硫酸中30℃の温度で測定した極限粘度[η]は、通常
は0.5〜3.0 dl/g、好ましくは0.5〜2.8 dl/g、
特に好ましくは0.6〜2.5 dl/gの範囲にある。ま
た、この芳香族ポリアミド樹脂は、従来から使用されて
いる脂肪族ポリアミドよりも高い融点を示す。すなわち
この芳香族ポリアミド樹脂は通常は300℃を超える融
点を有しており、好ましくは305〜340℃、さらに
好ましくは310〜340℃の融点を有している。この
芳香族ポリアミド樹脂は、上記のように高い融点を有す
るので、この芳香族ポリアミド樹脂を使用することによ
り熱可塑性エラストマーをインサート成形する際にコア
部の熱変形が殆ど発生しない。さらに、この芳香族ポリ
アミド樹脂の非晶部におけるガラス転移温度は通常は8
0℃以上である。さらにこの芳香族ポリアミド樹脂は成
形性に優れているため、極めて高い耐熱性を有している
にもかかわらず、この芳香族ポリアミド樹脂を用いるこ
とにより、インサート成形によりコア部を容易に製造す
ることができると共に、インサート成形によりコア部が
高温に晒された場合であっても、コア部に寸法変化が発
生しにくいという極めて優れた特性を有している。
【0043】ポリアミドイミドは、無水トリメリット酸
と芳香族ジアミンとの反応により得られる耐熱性に優れ
た熱可塑性樹脂である。通常、ポリアミドイミドは、2
60℃上の耐熱性を有しているにも拘わらず、射出成形
が可能であり、しかも機械的特性も優れている。
【0044】ポリアリレートは、ビスフェノールとジカ
ルボン酸との重縮合により形成される繰り返し単位を有
する樹脂である。ここでビスフェノールとしては、ビス
フェノールAあるいはこの酢酸エステル等を使用するこ
とができ、またジカルボン酸としては、ジカルボン酸ジ
クロライド等が使用される。
【0045】熱可塑性ポリイミド樹脂は、通常は3,3',
4,4'-ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物と3,3'-ジ
アミノベンゾフェノンとを溶液重合することによりポリ
アミド酸であり、このポリアミド酸は所定の形状に賦形
した後、加熱して熱イミド化することにより成形するこ
とができる。
【0046】ポリエーテルイミド樹脂は、例えば、芳香
族ジアミン、無水トリメリット酸および芳香族ジオール
の反応により形成され得る繰り返し単位を有すると共
に、分子内のイミド結合とエーテル結合を有する非晶性
の熱可塑性樹脂である。このポリエーテルポリイミドは
耐熱性および機械的特性に優れるとと共に、優れた加工
性を有している。
【0047】ポリエーテルエーテルケトンは、芳香族系
直鎖状の結晶性高分子化合物であり、耐熱性に優れると
共に、加工性も良好である。本発明では熱可塑性樹脂と
して、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂のような
ポリα-オレフィン樹脂を使用することができる。
【0048】ポリエチレン樹脂には、低密度ポリエチレ
ン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、
超高分子量ポリエチレンなどがあり、本発明ではこれら
のいずれをも使用することができる。本発明において使
用されるポリエチレンは、エチレンの単独重合体である
必要はなく、プロピレン、ブテン-1、4-メチル-ペンテ
ン-1等の炭素数3以上のα-オレフィンが共重合してい
てもよい。また、超高分子量ポリエチレンは、チーグラ
ー法により製造される、粘度法により測定した平均分子
量が通常は100万〜500万のポリエチレンであり、
非常に優れた耐熱性、機械的特性を有すると共に成形加
工も可能である。
【0049】ポリプロピレン樹脂には、プロピレンの単
独重合体と他のα-オレフィン(例:エチレンおよびブテ
ン-1、4-メチル-ペンテン-1等の炭素数4以上のα-オレ
フィン)との共重合体とがある。本発明では、いずれの
ポリプロピレン樹脂をも使用することが可能である。
【0050】ポリアルキレンテレフタレートは、通常
は、芳香族ジカルボン酸であるテレフタル酸とアルキレ
ングリコールとの反応により得られるポリエステル樹脂
である。具体的にはポリエチレンテレフタレートおよび
ポリブチレンテレフタレートを挙げることができる。例
えば、ポリエチレンテレフタレートは、エチレングリコ
ールとテレフタル酸との反応により得られる樹脂であ
り、ポリブチレンテレフタレート樹脂は、テレフタル酸
と1,4-ブタンジオールとの反応により得られる樹脂であ
り、共に、機械的特性、耐熱性、成形加工性に優れてい
る。
【0051】ポリカーボネート樹脂は、[−C−R−O
−CO−]型の高分子化合物(式中、Rは通常は二価の
芳香族基を表す)で、ビスフェノールのようなジオキシ
化合物と炭酸ジアリルなどを原料として合成される樹脂
である。
【0052】ポリスチレン樹脂は、[CH2=CH(C6
5)]で表されるスチレンから誘導される繰り返し単
位を有する樹脂である。このポリスチレン樹脂は、上記
スチレンの他に例えば衝撃強度等を改善するために他の
単量体が共重合していてもよい。
【0053】ポリサルホン樹脂は、−SO2−基を含む
ポリマーであり、芳香族系ポリサルホンとオレフィン系
ポリサルホンとがあるが、本発明ではいずれのポリサル
ホンをも使用することができる。このポリサルホン樹脂
の例としては、ポリエーテルサルホン、ポリアミノサル
ホンを挙げることができる。
【0054】ポリメチルスチレン樹脂は、パラメチルス
チレンから誘導される繰り返し単位を有する樹脂であ
り、ポリスチレンよりも耐熱性が高く、流れ性がよく良
好な特性を有する。
【0055】ポリフェニレンオキサイドは、2,6-ジ置換
フェノール類を銅のアミン錯体の存在下に、酸素と反応
させることにより得られる重合体である。本発明ではこ
のポリフェニレンオキサイドの他にも変性ポリフェニレ
ンオキサイドを使用することもできる。
【0056】ポリフェニルサルファイド樹脂は、[−
(C64)−S−]の構造を有する樹脂である。本発明
のローラーを構成するコア部2は、上記のような熱可塑
性樹脂で形成されている。
【0057】また、成形加工性は、樹脂の流動性を基準
にして定めることができ、本発明では、上記熱可塑性樹
脂における成形性の定義に準拠して設定される。上記の
ような特性を有する樹脂を使用することにより、本発明
のローラーは長期間の過酷な使用にも耐え得る強度を有
するとと共に、インサート成形により、軸受け部材と強
固に一体化する。
【0058】特に本発明では、このコア部2は、ポリア
ミド、ポリアセタール、ポリエチレンテレフタレート、
ポリブチレンテレフタレートのいずれかの樹脂で形成さ
れてていることが好ましい。これらの樹脂の中でも、脂
肪族ポリアミド(好適な例:ナイロン6、ないろん6
6、ナイロンMXD6)、芳香族ポリアミドのいずれか
の樹脂で形成することが好ましく、さらに、このような
好ましい樹脂の中でも、成形性と機械的強度のバランス
は、芳香族ポリアミドが最もよい。
【0059】本発明のローラーのコア部2は、上記のよ
うな熱可塑性樹脂をそのまま使用することもでいるし、
さらにこの熱可塑性樹脂に無機充填材を配合することも
できる。無機充填材は、コア部2の機械的強度を向上さ
せるとの作用を有するほか、熱可塑性樹脂の耐熱性を向
上させるとの作用を有している。
【0060】上記の無機充填材の配合量は、熱可塑性樹
脂100重量部に対して150重量部以下、好ましくは
100重量部以下、特に好ましくは50〜100重量部
である。このような量で無機充填剤を配合することによ
りコア部2の耐熱性および機械的強度が向上する。
【0061】ここで無機充填材としては、粉状、板状お
よび繊維状等、従来から使用されている形態の充填材が
使用される。これらの中でも、ガラス繊維、炭素繊維、
マイカ、タルク、チタン繊維およびウォラステナイト
は、コア部における機械的な補強効果が大きいので好ま
しく使用される。この無機充填材は、単独で、あるいは
組み合わせて使用することができる。
【0062】特に本発明では、このコア部を形成する熱
可塑性樹脂に配合される無機充填材としてガラス繊維が
好ましい。本発明のローラーは、上記のような熱可塑性
樹脂、さらに必要により無機充填材を含有する熱可塑性
樹脂により形成されるコア部の差し渡し直径は、このロ
ーラーの用途により適宜設定することができる。例え
ば、代表的な軸受け部材1である差し渡し直径30〜4
0mmの軸受け部材を使用した場合には、コア部2の差し
渡し直径は、50〜80mm程度である。また、このコア
部4は種々の形態にすることができる。図1〜図3に示
すように本実施例では、放射状に円柱を配置した形態の
多数の支軸を有する形態のコア部2が示されている。
【0063】上記のような熱可塑性樹脂の外周には、熱
可塑性エラストマーからなる外周部4が形成されてい
る。外周部4は溶融成形性に優れた熱可塑性エラストマ
ーによって形成されている。
【0064】ここで外周部4を形成する溶融成形性に優
れた熱可塑性エラストマーの例としては、スチレン系熱
可塑性エラストマー、オレフィン系熱可塑性エラストマ
ー、ウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系
熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラスト
マー、1,2-ブタジエン系熱可塑性エラストマー、塩化ビ
ニル系熱可塑性エラストマーおよびフッ素系熱可塑性エ
ラストマーを挙げることができる。これらのエラストマ
ーは、単独であるいは組み合わせて使用することができ
る。
【0065】なお、本発明において、コア部2を形成す
るのは熱可塑性樹脂であり、外周部を形成するのは熱可
塑性エラストマーであり、両者は、ASTMに規定されるシ
ョアー硬度(D)により区別することができる。即ち、
本発明で熱可塑性エラストマーは、ASTM-D2240に規定さ
れるショアー硬度(D)が70未満、好適には熱可塑性
エラストマーは60以下のショアー硬度(D)を有す
る。従って、これ以上のショアー硬度(D)を有するも
のは、本発明において熱可塑性樹脂である。
【0066】以下、本発明において使用される熱可塑性
エラストマーについて具体的に説明する。本発明におい
て、熱可塑性エラストマーとして使用されるスチレン系
熱可塑性エラストマーは、ポリスチレンブロックとゴム
中間ブロックとを有し、ポリスチレン部分が物理架橋を
形成していることもあるエラストマーであり、ゴム中間
ブロックには、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリ
オレフィンがあり、ハードセグメントであるスチレンと
の配列形式によりSBS、SIS、SEBS(水添
物)、SEPS(水添物)、(S−B)nXなどがあ
る。
【0067】オレフィン系熱可塑性エラストマーは、ハ
ードセグメントにポリプロピレンあるはポリエチレン等
をポリオレフィンを用い、ソフトセグメントにEPDM
を用いたエラストマーである。
【0068】ウレタン系熱可塑性エラストマーは、基本
的にはジイソシアネートと短鎖グリコールからなるポリ
マー鎖がハードセグメントを形成し、ジイソシアネート
とポリオールからなるポリマー鎖がソフトセグメントを
形成している熱可塑性の弾性重合体である。このウレタ
ン系熱可塑性エラストマーは、分子内に部分架橋を有す
る不完全熱可塑性タイプと、完全に線状の高分子体から
なる完全熱可塑性タイプとに大別されるが、本発明では
いずれのタイプのものをも使用することができる。特に
本発明では完全熱可塑性タイプの熱可塑性エラストマー
が好ましい。
【0069】また、ウレタン系熱可塑性エラストマー
は、使用原料によって、カプロラクタム型、アジピン酸
型(アジペート型)およびPTMG型(エーテル型)に
大別されることがある。
【0070】カプロラクタム型は、カプロラクタムを開
環して得られるポリラクトンエステルポリオールとポリ
イソシアネートとを短鎖ポリオールの存在下に付加重合
させたタイプのウレタン系熱可塑性エラストマーであ
る。
【0071】アジピン酸型は、アジピン酸とグリコール
との反応物であるアジピン酸エステルポリオールとポリ
イソシアネートとを短鎖ポリオールの存在下に付加重合
させたタイプのウレタン系熱可塑性エラストマーであ
る。
【0072】PTMG型は、テトラヒドロフランを開環
重合して得られるポリテトラメチレングリコールとポリ
イソシアネートとを短鎖ポリオールの存在下に付加重合
させたタイプのウレタン系熱可塑性エラストマーであ
る。
【0073】ポリエステル系熱可塑性エラストマーは、
ハードセグメントに高融点で高結晶性の芳香族ポリエス
テル、例えばポリブチレンテレフタレートを使用し、ソ
フトセグメントには、ガラス転移温度が70℃以下のポ
リエーテル、例えばポリテトラメチレンエーテルグリコ
ールを使用したマルチブロックポリマーである。
【0074】ポリアミド系熱可塑性エラストマーは、ナ
イロンをハードセグメントとし、ポリエステルまたはポ
リオールをソフトセグメントとしたブロックポリマーが
代表的である。
【0075】1,2-ブタジエン系熱可塑性エラストマー
は、低結晶性のポリ1,2-ポリブタジエンであり、1,2-結
合が通常は90%以上、分子量は通常は十数万である。
この1,2-ブタジエン系熱可塑性エラストマーは、低結晶
性で、結晶化度は、通常は15〜35%程度に調整され
ている。
【0076】塩化ビニル系熱可塑性エラストマーは、塩
化ビニルを主成分とする弾性率の比較的高い高重合度の
ポリ塩化ビニルから形成される熱可塑性エラストマーで
ある。
【0077】フッ素系熱可塑性エラストマーは、フッ素
ゴムをソフトセグメントとし、フッ素樹脂をハードセグ
メントとする熱可塑性エラストマーである。上記のよう
な熱可塑性エラストマーは単独であるいは組み合わせて
使用することもできる。また、この熱可塑性エラストマ
ーには架橋構造が形成されていてもよい。
【0078】本発明のローラーにおいて、この熱可塑性
エラストマーから形成されている外周部4は、多くの場
合高い圧力で他の機械要素等と接触しながら回動するた
め、こうした長期間の使用によっても、この外周部4が
磨耗しにくくことが好ましく、しかもこの外周部4が本
質的に有しているゴム弾性を長期間失わないことが好ま
しい。また、この外周部4はコア部2を形成した後、イ
ンサート成形により形成されるので、この外周部4を形
成する樹脂には良好な流動性を有していることも必要に
なる。
【0079】さらに、コア部2をインサート成形した後
に、外周部4をインサート成形することから、熱可塑性
樹脂により形成されたコア部2が、外周部4を形成する
際の溶融した熱可塑性エラストマーの熱によっても熔融
せず、その形態を保持することができる程度にコア部2
を形成する熱可塑性樹脂の融点と、外周部4を形成する
熱可塑性エラストマーの熔融温度とに差があることが好
ましい。そして、本発明では、熱可塑性樹脂の融点と、
熱可塑性エラストマーの熔融温度との差が20℃以下、
好ましくは10℃以下、さらに好ましくは両者が同じ
か、または熱可塑性樹脂の融点が高くなるように、熱可
塑性樹脂と熱可塑性エラストマーの種類を設定する。
【0080】なお、熱可塑性樹脂の中には非晶性で融点
を有しないものがあるが、このような非晶性熱可塑性樹
脂の場合には、その樹脂のガラス転移点+100〜12
0℃の温度を融点とみなして、上記関係を適用する。
【0081】本発明のローラーの外周部4のインサート
成形には、上述の熱可塑性エラストマーのいずれをも使
用することができるが、特に過酷な用途に使用されるロ
ーラーを考慮すると、本発明では上述した熱可塑性エラ
ストマーの中でも、特にウレタン系熱可塑性エラストマ
ーを使用することが好ましい。
【0082】さらにウレタン系熱可塑性エラストマーの
中でも、カプロラクタム型エラストマーは特性上最もバ
ランスのとれたタイプであり、またアジピン酸型エラス
トマーは汎用性の高いタイプであり、本発明では、これ
らのいずれかまたは両者を使用することが好ましい。
【0083】この熱可塑性エラストマーにより形成され
る外周部4の厚さは、通常は5〜20mmである。また、
この外周部4の差し渡し直径は、このローラーの用途に
より適宜設定することができる。例えば、代表的な軸受
け部材1である差し渡し直径30〜40mmの軸受け部材
を使用し、コア部2の差し渡し直径を50〜80mm程度
にした場合における外周部4の差し渡し直径は、通常は
60〜150mmである。
【0084】本発明のローラーは、軸受け部材1に熱可
塑性樹脂を用いてコア部2をインサート成形により形成
した後、熱可塑性エラストマーを用いて外周部4をイン
サート成形により形成することにより製造することがで
きるが、この外周部4をインサート成形するに先だっ
て、コア部2の外周部、即ち、外周部4が形成される面
に、接着剤を塗設し、この塗設された接着剤の接着力が
維持されている状態で熱可塑性エラストマーをインサー
ト成形して外周部4を成形することが好ましい。このよ
うに塗設された接着剤層は、図1〜3においては、付番
3で示されている。
【0085】本発明で使用することができる接着剤の例
としては、ユリア樹脂系接着剤、メラミン樹脂系接着
剤、フェノール樹脂系接着剤、α-オレフィン系接着
剤、エポキシ樹脂系接着剤、酢酸ビニル樹脂系接着剤、
ポリウレタン系接着剤、クロロプレン系接着剤、ニトリ
ルゴム系接着剤、SBR系接着剤、エチレン共重合体樹
脂系接着剤、レゾルシン系接着剤、天然ゴム系接着剤お
よびセルロース系接着剤を挙げることができる。
【0086】ここでユリア樹脂系接着剤は、ユリアとホ
ルムアルデヒドとから形成される樹脂を用いた接着剤で
あり常温接着性を示す。さらにこのユリア樹脂系接着剤
には、ポリビニルアルコールのような粘度調整剤が配合
されていてもよい。
【0087】メラミン樹脂系接着剤は、メラミンとホル
ムアルデヒドとの反応により得られるメラミン樹脂を主
成分とする接着剤である。このメラミン樹脂系接着剤
は、上記ユリア樹脂系接着剤と混合して使用することが
好ましく、常温以上の温度で接着性を示すい。
【0088】フェノール樹脂系接着剤には、フェノール
1モルとアルデヒド類(例:ホルムアルデヒドおよびパ
ラホルムアルデヒド)2モルとの初期縮合物であるレゾ
ール型縮合物を主成分とするフェノール系樹脂接着剤、
および、レゾルシン系接着剤がある。レゾルシン系接着
剤は、二価のフェノールであるレゾルシン1モルとホル
ムアルデヒド2モルとを縮合させて得られるオリゴマー
(初期縮合物)を主成分とする樹脂であり、硬化剤とし
てパラホルムアルデヒドなどが使用される。このフェノ
ール樹脂系接着剤は熱硬化型の接着剤である。本発明で
は上記いずれの接着剤を使用することもできるが、特に
レゾルシノン系樹脂接着剤は、熱可塑性樹脂および熱可
塑性エラストマーの両者に対して極めて優れた接着性を
有しており、本発明では、接着剤としてレゾルシノン系
樹脂接着剤を使用することが特に好ましい。なお、この
接着剤(あるいはオリゴマー)にラテックス・ホルマリ
ンなどを配合して使用することもできる。
【0089】α-オレフィン系接着剤は、イソブチレン
のようなα-オレフィンと無水マレイン酸等との共重合
体であり、通常は水性媒体に溶解もしくは分散された形
態で供給される。
【0090】エポキシ樹脂系接着剤は、エポキシ基を2
個以上含む可溶性プレポリマーであり、例えばポリアミ
ンのような硬化剤を加えることにより、常温乃至加熱に
より硬化させる接着剤である。このエポキシ樹脂系接着
剤は、非常に高い接着力を有する。
【0091】酢酸ビニル樹脂系接着剤(溶剤型)は、酢
酸ビニルモノマーをメタノール等の溶媒中で溶液重合す
ることにより得られる接着剤であり、初期粘着力に優れ
ている。
【0092】ポリウレタン系接着剤は、ポリイソシアネ
ート化合物を単独で、あるいはイソシアネート化合物と
反応性を有する活性水素を含有する物質と混合した1液
または2液性の接着剤である。ポリイソシアネート単量
体、プレポリマー(例:ポリイソシアネートとポリヒド
ロキシ化合物との部分反応生成物)、イソシアネート変
性ポリマー等の形態で使用される。
【0093】クロロプレン系接着剤は、合成ゴムである
クロロプレンの重合体を溶媒に溶解あるいは分散させた
接着剤であり、溶媒が除去されるに伴って接着力が発現
する。ニトリルゴム系接着剤は、ブタジエン-アクリロ
ニトリルゴムに硫黄、亜鉛華、他の樹脂を配合し、主と
してケトン系溶剤に溶解もしくは分散させた接着剤であ
る。ここで他の樹脂としてはフェノール樹脂等が使用さ
れる。
【0094】SBR系接着剤は、ブタジエン・スチレン
ゴム系接着剤であり、通常は樹脂などを配合して粘着
性、接着性を改善している。エチレン共重合体樹脂系接
着剤は、エチレンと、エステルと、酸とを共重合させた
熱可塑性樹脂からなる接着剤である。
【0095】天然ゴム系接着剤は、未加硫の生ゴムに樹
脂等を配合して溶媒に溶解した接着剤であり、例えばカ
ゼインなどの増粘剤が配合されていてもよい。セルロー
ス系接着剤には、ニトロセルロースあるいはアセチルセ
ルロース等を、酢酸エチル、アセトン等の有機溶媒に溶
解または分散させた溶剤タイプと、カルボキシメチルセ
ルロースを水性媒体に分散させた水性タイプがある。
【0096】上記の接着剤は単独であるいは組み合わせ
て使用することができる。特に本発明で使用される接着
剤は、外周部4をインサート成形により形成する際の加
熱により硬化して、コア部2と外周部4とを強固に接着
して一体化する接着剤が好ましい。即ち、本発明ではイ
ンサート成形される熱可塑性エラストマーの有する熱に
よって硬化反応が促進される接着剤が好ましい。また、
有機溶媒を取り扱う際の設備の問題を別にして、コア部
2と外周部4との接合性に着目すれば、水系接着剤を使
用するよりも、有機溶剤系の接着剤を使用した方がより
高い接合力を得られることが多い。
【0097】そして、本発明では、特に接着剤層3を熱
硬化タイプの2液性の接着剤(例:フェノール系接着剤
あるいはレゾルシン系接着剤)で形成することが好まし
い。即ち、本発明のローラーを構成するコア部2の外周
に、上記のような接着剤を塗布して、接着剤層3を形成
し、次いで、この接着剤層3が形成されたコア部2と軸
受け部材1との一体物を金型に装填して、熱可塑性エラ
ストマーを射出することにより、コア部2と外周部4と
が接着剤層3により強固に接合された本発明のローラー
を製造することができる。
【0098】本発明において接着剤として熱硬化タイプ
の2液性の接着剤が好ましく、このような接着剤として
フェノール系樹脂接着剤および/またはレゾルシン系接
着剤が特に好ましい。
【0099】上記のような接着剤を塗布することにより
形成される接着剤層の厚さは、塗布厚で、通常は0.3
〜0.5mmである。なお、これらの樹脂接着剤に中で好
ましく使用される熱硬化タイプの2液性接着剤は、主剤
と硬化剤とが別々に包装された接着剤であり、このよう
な2液型の接着剤は、使用直前に両液を混合して使用す
る。このような2液型の接着剤は通常は常温以上の温度
で硬化する接着剤であり、コア部2と外周部4とを良好
に接着するためには、この接着剤の可使時間内にコア部
2上に接着剤を塗設すると共に熱可塑性エラストマーを
インサート成形する。なお、一液タイプの接着剤、例え
ばフェノール系樹脂接着剤を使用する場合には、通常の
使用方法に従い塗布して接着剤層とすることができる。
【0100】本発明のローラーは次にようにして製造さ
れる。まず、上述のような軸受け部材1を収容する空隙
を有すると共に、コア部2の形態に対応した空隙を有す
る金型を用意し、この金型に軸受け部材1を装填して金
型を閉鎖する。
【0101】次いで、この金型に設けられた樹脂注入口
から予め溶融した熱可塑性樹脂(または組成物)を注入
してコア部2をインサート成形により形成する。この場
合に熱可塑性樹脂とガラス繊維のような繊維系充填材と
からなる樹脂組成物を使用することが好ましい。
【0102】熱可塑性樹脂を、使用する樹脂の熱分解温
度未満であって溶融温度以上の温度に熱可塑性樹脂を加
熱して金型に射出する。上記のようにしてインサート成
形を行った後、冷却して、軸受け部材1とコア部2とが
一体化されたインサート成形体を取りだす。
【0103】次いで、このコア部2の外周部に接着剤を
塗設し、乾燥した後、このコア部2の外周面に接着剤層
が形成されたインサート成形体を、外周部4を形成する
ための間隙を有する別の金型に装填した後金型を閉じ
る。この状態で接着剤の硬化反応は完了しておらず、こ
の接着剤は熱可塑性エラストマーに対して充分な接着力
を発現し得る状態にある。
【0104】次いで、水冷した金型の樹脂注入口から、
予め溶融温度以上の温度に加熱した熱可塑性エラストマ
ーを注入して外周部4をインサート成形により形成す
る。上記のようにして溶融状態にある熱可塑性エラスト
マーを注入することにより接着剤の硬化反応が急速に進
行して、コア部2と外周部を形成する熱可塑性エラスト
マー4とは、接着剤3で強固に接着される。
【0105】こうしてインサート成形を行った後、金型
を冷却し、形成されたローラーを金型から取り出す。本
発明のローラーは、軸受け部材1にコア部2を特定の熱
可塑性樹脂を用いてインサート成形により形成し、さら
にこのインサート成形により形成されたコア部2の外周
に、必要により接着剤層3を形成した後、特定の熱可塑
性エラストマーからなる外周部4をインサート成形によ
り形成しているので、従来のコア部をアルミダイキャス
トで形成し、このアルミダイキャストの外周にニトリル
ゴムを貼着したローラーよりも外周部の限界回転回数が
大幅に向上する。さらに、コア部2と外周部4とをイン
サート成形の設備を有する工場で一環して形成すること
ができるので、生産効率が著しく向上する。
【0106】なお、本発明のローラーおよびその製造方
法は基本的には上記のような構成を有するものである
が、本発明は、上記の記載によって限定的に解釈される
べきではなく、本発明を逸脱しない範囲で種々の改変を
加えることができる。
【0107】例えば、軸受け部材1のコア部2との接触
面に溝、凸部等を形成して軸受け部材1とコア部2との
係合状態をより強固にすることができる。また、コア部
2の外周部4と接触面にも同様に溝、凸部等を形成する
ことができる。
【0108】本発明のローラーは、キャスター、ガイド
ローラーなどを包含する概念である。従って、本発明の
ローラーは、従来のローラーあるいはキャスターと同様
に使用することができる。即ち、本発明のローラーは、
椅子などの家具やオフィス用品に用いられるキャスタ
ー、荷物移送用の台車のキャスター、コピー機のような
大型OA機器のキャスター、ベルトコンベアーあるいは
エスカレーターのような無限軌道を駆動させる際に使用
されるローラー、直線運動のガイドローラー、玩具の車
輪等として好適に使用することができる。
【0109】
【発明の効果】本発明のローラーは、軸受け部材に熱可
塑性樹脂(または組成物)からなるコア部がインサート
成形により形成されており、さらに、このコア部の外周
には、通常は接着剤を介して、熱可塑性エラストマーか
らなる外周部が同じくインサート成形により形成された
構成を有している。従って、本発明のローラーは、軸受
け部材以外はインサート成形技術により形成されるた
め、中間製品の移送を行うことなく同一の場所で製造す
ることができ、従来、中間製品の移送による作業効率の
低下を解消することができる。しかも、本発明のように
インサート成形でコア部および外周部を形成することに
より、作業工程が著しく簡素化される。
【0110】さらに、コア部をインサート成形により形
成すると共に、好適には接着剤を介して外周部をインサ
ート成形することにより、軸受け部材、コア部および外
周部とが一体化して、機械的特性にも優れる。また、コ
ア部を熱可塑性樹脂に無機充填材が配合された組成物を
使用して形成し、外周部を熱可塑性エラストマーで形成
することにより、ローラーの機械的強度が著しく向上す
る。さらに、本発明のローラーは、コア部が熱可塑性樹
脂(または組成物)であり、従来のアルミニウムのよう
な金属を用いたローラーよりも軽量である。
【0111】そして、本発明は、コア部を形成する樹脂
として熱可塑性樹脂を選定し、接着剤としてフェノール
系樹脂系接着剤を選定して、外周部を形成する素材とし
て熱可塑性エラストマーを選定したことによって、非常
に良好な耐久性を有するローラーを製造することが可能
になる。
【0112】
【実施例】次に本発明の実施例を示して、本発明のロー
ラーおよびこのローラーを製造する方法について説明す
るが、本発明はこれらの記載により限定的に解釈される
べきではない。
【0113】
【実施例1】まず、直径36mm、厚さ11mmの軸受け部
材を収容する空隙を有すると共に、図1に示すような形
態のコア部2を形成可能な間隙を有する金型に、上記の
軸受け部材1を装填して金型を閉鎖した。
【0114】次いで、この金型を80℃に加熱し、この
金型に設けられた樹脂注入口から、予め280℃に加熱
して溶融させた下記組成の熱可塑性樹脂(無機充填材で
あるガラス繊維を含有)を注入してコア部2をインサー
ト成形により形成した。
【0115】ここで用いられた熱可塑性樹脂の組成およ
び性状は次の通りである。 ポリアミド66 アジピン酸ヘキサメチレンジアミン繰返し単位 ・・・100モル% 物性 極限粘度[η](濃硫酸中30℃の温度で測定)=1.2dl/g 融点=260℃、 熱変形温度(ASTM-D-648により測定)=100℃ 充填材 ガラス繊維 配合量=上記熱可塑性樹脂100重量部に対して80重量部。
【0116】上記のようにして差し渡し直径が66mmで
あるコア部2が軸受け部材1と一体化されたインサート
成形体を製造した。冷却後、軸受け部材1とコア部2と
が一体化されたインサート成形体を金型から取り出し
た。
【0117】次いで、このコア部2の外周部にレゾルシ
ン系樹脂接着剤を約0.5mmの厚さで塗設し、乾燥した
後、これを外周部4を形成するための間隙を有する別の
金型に、上記のようにしてレゾルシン系接着剤層3が形
成されたインサート成形体を装填して金型を閉鎖した。
なお、この時点ではレゾルシン系接着剤は、加熱するこ
とにより充分な接着力が発現する。
【0118】次いで、約20℃に水冷した金型の樹脂注
入口から、予め190℃に加熱して溶融させたウレタン
系熱可塑性エラストマー(エーテル型)を注入して厚さ
7mmの外周部4をインサート成形により形成した。
【0119】上記のようにして溶融状態にある熱可塑性
エラストマーを注入することにより接着剤の硬化反応が
急速に進行して、コア部2と熱可塑性エラストマー4と
は、接着剤3で強固に接着された。
【0120】こうしてインサート成形を行った後、金型
を室温まで冷却して、製造されたローラーを取り出して
本発明のローラーを製造した。
【0121】
【実施例2】まず、直径36mm、厚さ11mmの軸受け部
材を収容する空隙を有すると共に、図1に示すような形
態のコア部2を形成可能な間隙を有する金型に、上記の
軸受け部材1を装填して金型を閉鎖した。
【0122】次いで、この金型を100℃に加熱し、こ
の金型に設けられた樹脂注入口から、予め330℃に加
熱して溶融させた下記組成の熱可塑性樹脂(無機充填材
を含有)を注入してコア部2をインサート成形により形
成した。
【0123】ここで用いられた熱可塑性樹脂の組成およ
び性状は次の通りである。 芳香族ポリアミド テレフタル酸ヘキサメチレンジアミン繰返し単位 ・・・70モル% イソフタル酸ヘキサメチレンジアミン繰返し単位 ・・・20モル% セバシン酸ヘキサメチレンジアミン繰返し単位 ・・・10モル% 物性 極限粘度[η](濃硫酸中30℃の温度で測定)=1.1dl/g 融点=310℃、 熱変形温度(ASTM-D-648により測定)=130℃ 充填材 ガラス繊維 配合量=上記熱可塑性樹脂100重量部に対して50重量部。
【0124】上記のようにして差し渡し直径が66mmで
あるコア部2が軸受け部材1と一体化されたインサート
成形体を製造した。冷却後、軸受け部材1とコア部2と
が一体化されたインサート成形体を金型から取り出し
た。
【0125】次いで、このコア部2の外周部にレゾルシ
ン系樹脂接着剤を約0.5mmの厚さで塗設し、乾燥した
後、これを外周部4を形成するための間隙を有する別の
金型に、上記のようにしてレゾルシン系接着剤層3が形
成されたインサート成形体を装填して金型を閉鎖した。
なお、この時点ではレゾルシン系接着剤は、加熱するこ
とにより充分な接着力が発現する。
【0126】次いで、約20℃に水冷した金型の樹脂注
入口から、予め190℃に加熱して溶融させたウレタン
系熱可塑性エラストマー(エーテル型)を注入して厚さ
7mmの外周部4をインサート成形により形成した。
【0127】上記のようにして溶融状態にある熱可塑性
エラストマーを注入することにより接着剤の硬化反応が
急速に進行して、コア部2と熱可塑性エラストマー4と
は、接着剤3で強固に接着された。
【0128】こうしてインサート成形を行った後、金型
を室温まで冷却して、製造されたローラーを取り出し
た。上記のようにして製造されたローラーを金型から取
り出し、このローラーの耐久性を測定した。
【0129】即ち、上記のようにして製造された3個の
ローラーにそれぞれ150kg、125kg、105kgの荷
重を負荷して毎分120回転でこれらのローラーを回転
させ、外周部4の摩耗あるいは損傷の発生などにより使
用できなくなるまでの回転回数(限界回転回数)を測定
した。
【0130】また、比較のために、アルミダイキャスト
からなるコア部の外周にニトリルゴムが貼設されたロー
ラー3個を用意し、上記と同様の方法により限界回転回
数を測定した。
【0131】なお、本発明のローラーを形成する熱可塑
性エラストマーのゴム硬度と比較のために用いたローラ
ーに貼設されたニトリルゴムのゴム硬度は同一である。
この結果を図4に示す。
【0132】図4から明らかなように、本実施例で製造
したローラーは、従来のローラーと比較して約10倍の
耐久性を有している。
【0133】
【実施例3】まず、直径36mm、厚さ11mmの軸受け部
材を収容する空隙を有すると共に、図1に示すような形
態のコア部2を形成可能な間隙を有する金型に、上記の
軸受け部材1を装填して金型を閉鎖した。
【0134】次いで、この金型を100℃に加熱し、こ
の金型に設けられた樹脂注入口から、予め280℃に加
熱して溶融させた下記組成の熱可塑性樹脂(無機充填材
を含有)を注入してコア部2をインサート成形により形
成した。
【0135】ここで用いられた熱可塑性樹脂の組成およ
び性状は次の通りである。 ポリエチレンテレフタレエート 物性 極限粘度[η] (オルソクロロフェノール中30℃の温度で測定)=1.1d
l/g 融点=260℃、 熱変形温度(ASTM-D-648により測定)=60℃ 充填材 ガラス繊維 配合量=上記熱可塑性樹脂100重量部に対して90重
量部。
【0136】上記のようにして差し渡し直径が66mmで
あるコア部2が軸受け部材1と一体化されたインサート
成形体を製造した。冷却後、軸受け部材1とコア部2と
が一体化されたインサート成形体を金型から取り出し
た。
【0137】次いで、このコア部2の外周部にレゾルシ
ン系樹脂接着剤を約0.5mmの厚さで塗設し、乾燥した
後、これを外周部4を形成するための間隙を有する別の
金型に、上記のようにしてレゾルシン系接着剤層3が形
成されたインサート成形体を装填して金型を閉鎖した。
なお、この時点ではレゾルシン系接着剤は、加熱するこ
とにより充分な接着力が発現する。
【0138】次いで、約20℃に水冷した金型の樹脂注
入口から、予め190℃に加熱して溶融させたウレタン
系熱可塑性エラストマー(エーテル型)を注入して厚さ
7mmの外周部4をインサート成形により形成した。
【0139】上記のようにして溶融状態にある熱可塑性
エラストマーを注入することにより接着剤の硬化反応が
急速に進行して、コア部2と熱可塑性エラストマー4と
は、接着剤3で強固に接着された。
【0140】こうしてインサート成形を行った後、金型
を室温まで冷却して、製造されたローラーを取り出し
て、本発明のローラーを製造した。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明のローラーの一実施例を示す
部分断面斜視図である。
【図2】 図2は、本発明のローラーの一実施例を示す
正面図である。
【図3】 図3は、図2における本発明のローラーの断
面図である。
【図4】 図4は、実施例2で製造れた本発明のローラ
ーの耐久性とアルミダイキャストのニトリルゴムを貼着
した従来のローラーの耐久性を示すグラフである。
【符号の説明】
1・・・軸受け部材 2・・・コア部 3・・・接着剤層 4・・・外周部 12・・・ケーシング 13・・・剛球
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴 木 学 新潟県南魚沼郡六日町大字宮字西原2294 尾形工業株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸受け部材と、該軸受け部材の外周に溶
    融成形性に優れた熱可塑性樹脂をインサート成形するこ
    とにより形成されたコア部と、該コア部の外周に、溶融
    成形性に優れた熱可塑性エラストマーをインサート成形
    することにより形成された外周部とが接合一体化されて
    いるローラー。
  2. 【請求項2】 コア部と外周部とが、接着剤で一体に接
    着されていることを特徴とする請求項第1項記載のロー
    ラー。
  3. 【請求項3】 溶融成形性に優れた熱可塑性樹脂が、A
    BS樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリ
    アミドイミド、ポリアリレート、熱可塑性ポリイミド樹
    脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリエーテルエーテルケ
    トン、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエ
    チレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレー
    ト樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポ
    リサルホン樹脂、ポリメチルスチレン樹脂およびポリフ
    ェニレンオキサイド、ポリフェニルサルファイド樹脂よ
    りなる群から選ばれる一種類の樹脂であることを特徴と
    する請求項第1項記載のローラー。
  4. 【請求項4】 溶融成形性に優れた熱可塑性エラストマ
    ーが、スチレン系熱可塑性エラストマー、オレフィン系
    熱可塑性エラストマー、ウレタン系熱可塑性エラストマ
    ー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ポリアミド
    系熱可塑性エラストマー、1,2-ブタジエン系熱可塑性エ
    ラストマー、塩化ビニル系熱可塑性エラストマーおよび
    フッ素系熱可塑性エラストマーよりなる群から選ばれる
    一種類の熱可塑性エラストマーであることを特徴とする
    請求項第1項記載のローラー。
  5. 【請求項5】 コア部と外周部とが、ユリア樹脂系接着
    剤、メラミン樹脂系接着剤、フェノール樹脂系接着剤、
    α-オレフィン系接着剤、エポキシ樹脂系接着剤、酢酸
    ビニル樹脂系接着剤、シアノアクリレート系接着剤、ポ
    リウレタン系接着剤、クロロプレン系接着剤、ニトリル
    ゴム系接着剤、SBR系接着剤、エチレン共重合体樹脂
    系接着剤、レゾルシン系接着剤、天然ゴム系接着剤およ
    びセルロース系接着剤よりなる群から選ばれる一種類の
    接着剤であることを特徴とする請求項第2項記載のロー
    ラー。
  6. 【請求項6】 熱可塑性樹脂中に、該熱可塑性樹脂10
    0重量部に対して150重量部以下の量の無機充填材を
    含有することを特徴とする請求項第1項記載のローラ
    ー。
  7. 【請求項7】 軸受け部材の外周に、溶融成形性に優れ
    た熱可塑性樹脂をインサート成形することによりコア部
    を形成した後、該コア部の外周に、溶融成形性に優れた
    熱可塑性エラストマーをインサート成形することにより
    外周部を形成することを特徴とするローラーの製造方
    法。
  8. 【請求項8】 前記コア部を形成した後、該コア部の外
    周に接着剤を塗布し、該接着剤の接着力が消失する前に
    熱可塑性エラストマーをインサート成形することを特徴
    とする請求項第7項記載のローラーの製造方法。
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