JPH08232776A - 内燃機関の蒸発燃料制御装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 この発明の目的は、蒸発燃料制御装置におい
て、内燃機関の停止時や燃料タンクへの給油中に蒸発燃
料が大気に放出されるのを防止して大気汚染を防止する
ことにある。 【構成】 このため、この発明は、エバポ通路を燃料タ
ンク内のフロート弁の上下動によって開閉されるように
燃料タンクに連通して設け、内燃機関の停止中に燃料タ
ンクのタンク内圧が所定の第１設定圧に達するとエバポ
通路を開成するように開動作するタンク内圧制御弁を設
け、内燃機関の運転中にエバポ通路を開閉するようにタ
ンク内圧制御弁を開閉作動する制御手段を設け、燃料タ
ンクとキャニスタとを連通するように所定の第１径に形
成された連絡通路を設け、エバポ通路を連絡通路の第１
径よりも大なる第２径に形成し、燃料タンク内の燃料が
満量になってフロート弁がエバポ通路を閉成してタンク
内圧制御弁が閉動作した後に燃料タンクのタンク内圧が
第１設定圧よりも高く設定された第２設定圧を越えた場
合には連絡通路を開成するように開動作するチェック弁
を設けている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、内燃機関の蒸発燃料
制御装置に係り、特に燃料タンクへの給油中に蒸発燃料
が大気に放出されるのを防止し得る内燃機関の蒸発燃料
制御装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】車両において、燃料タンク等から大気中
に漏洩する蒸発燃料は、炭化水素（ＨＣ）を多量に含み
大気汚染の原因の一つとなっており、また、燃料の損失
にも連ながることから、これを防止するための各種の技
術が知られている。その代表的なものとして、活性炭な
どの吸着剤を収容したキャニスタに燃料タンクの蒸発燃
料を内燃機関の運転時に離脱（パージ）させて内燃機関
に供給する蒸発燃料制御装置（エバポシステム）があ
る。

【０００３】この蒸発燃料制御装置にあっては、図８に
示す如く、燃料タンク１０２内に連通したエバポ通路１
０４と内燃機関１０６の吸気系で絞り弁１０８の下流側
の吸気通路１１０に連通したパージ通路１１２との間
に、内燃機関１０６の停止中に燃料タンク１０２内で発
生してエバポ通路１０４に導かれた蒸発燃料を吸着保持
するとともに内燃機関１０６の運転中には大気連絡通路
１１４から導入した大気によって吸着保持した蒸発燃料
を離脱してパージ通路１１２から吸気通路１１０に供給
させるキャニスタ１１６を設けている。パージ通路１１
２の途中には、内燃機関１０６の運転状態に応じて吸気
通路１１０への蒸発燃料量を制御するパージ弁（２ウェ
イソレノイドバルブ）１１８が設けられている。このパ
ージ弁１１８は、制御部（ＥＣＭ）（図示せず）によっ
てパージ通路１１２を開閉するようにデューティ制御さ
れるものである。

【０００４】また、燃料タンク１０２には、給油ガン１
２０からの燃料を注入させる給油管１２２が設けられて
いる。また、燃料タンク１０２には、該燃料タンク１０
２内の上部位と給油管１２２の途中とを連絡するブリー
ザパイプ１２４が設けられている。

【０００５】また、このような蒸発燃料制御装置として
は、例えば、特開平６−１７７１２号公報、特開平６−
１７７１３号公報に開示されている。特開平６−１７７
１２号公報に記載のものは、第１通路に圧力制御弁を設
け、第２通路に第１ソレノイド弁を設け、吸気通路と圧
力制御弁とを連絡する連絡通路を設け、連絡通路に第２
ソレノイド弁を設け、内燃機関の運転時に第２ソレノイ
ド弁の作動により吸気管負圧を作用させて圧力制御弁を
開作動するとともに燃料タンク内の燃料が所定量以上と
なった際には燃料レベルゲージからの検出信号によって
第２ソレノイド弁を作動させて圧力制御弁に大気を作用
させるべく制御する制御部を設けることにより、タンク
内圧を大気圧と略等しい圧力とし、給油時に蒸発燃料が
大気に放出されるおそれをなくするとともに、給油時の
過充填防止を図るものである。特開平６−１７７１３号
公報に記載のものは、一端側が吸気通路に連通するとと
もに他端側が第１分岐通気路と第２分岐通気路とに分岐
して燃料タンクに連通する通気路を設け、通気路に蒸発
燃料を吸着保持するキャニスタを設け、キャニスタと吸
気通路との間の通気路に開閉弁を設け、第１分岐通気路
に燃料タンク内の圧力が設定圧以上になると開動作され
るチェック弁を設け、第２分岐通気路に内燃機関の運転
中に開動作される制御弁を設け、第１分岐通気路の燃料
タンク内の開口に燃料満量時に閉動作するフロート弁を
設けることにより、給油時における燃料タンク内の圧力
を略大気圧にし、これにより、給油時に燃料タンクの蒸
発燃料が大気に放出されることを防止し、また、たと
え、内燃機関の運転中に給油した場合にも過充填を防止
するものである。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】ところが、図８に示す
蒸発燃料制御装置においては、燃料タンクへの燃料の注
入時である給油時に、燃料タンク内で発生した蒸発燃料
がブリーザパイプから大気に放出されていたので、大気
汚染を招くという不都合があった。

【０００７】また、上述の公報に記載の蒸発燃料制御装
置においては、給油時に燃料タンク内に大量の蒸発燃料
が発生するために、この蒸発燃料を全て回収することが
困難となり、燃料タンク内で発生した蒸発燃料の一部が
大気に放出されるおそれがある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】そこで、この発明は、上
述の不都合を除去するために、燃料タンク内に連通した
エバポ通路と内燃機関の吸気系の吸気通路に連通したパ
ージ通路との間に前記内燃機関の停止中に前記燃料タン
ク内で発生して前記エバポ通路に導かれた蒸発燃料を吸
着保持するとともに前記内燃機関の運転中には大気連絡
通路から導入した大気によって吸着保持した蒸発燃料を
離脱して前記パージ通路から前記吸気通路に供給させる
キャニスタを設け、前記パージ通路途中には前記内燃機
関の運転状態に応じて前記吸気通路への蒸発燃料量を制
御するパージ弁を設けた内燃機関の蒸発燃料制御装置に
おいて、前記エバポ通路を前記燃料タンク内のフロート
弁の上下動によって開閉されるように前記燃料タンクに
連通して設け、前記内燃機関の停止中に前記燃料タンク
のタンク内圧が所定の第１設定圧に達すると前記エバポ
通路を開成するように開動作するタンク内圧制御弁を設
け、前記内燃機関の運転中に前記エバポ通路を開閉する
ように前記タンク内圧制御弁を開閉作動する制御手段を
設け、前記燃料タンクと前記キャニスタとを連通するよ
うに所定の第１径に形成された連絡通路を設け、前記エ
バポ通路を前記連絡通路の第１径よりも大なる第２径に
形成し、前記燃料タンク内の燃料が満量になって前記フ
ロート弁が前記エバポ通路を閉成して前記タンク内圧制
御弁が閉動作した後に前記燃料タンクのタンク内圧が前
記第１設定圧よりも高く設定された第２設定圧を越えた
場合には前記連絡通路を開成するように開動作するチェ
ック弁を設けたことを特徴とする。

【０００９】

【作用】この発明の構成によれば、内燃機関の停止時
で、燃料タンクへの給油中には、燃料タンクのタンク内
圧が高くなり、このタンク内圧が第１設定圧に達する
と、タンク内圧制御弁が開動作するので、燃料タンク内
に発生した蒸発燃料が大径のエバポ通路からキャニスタ
側に円滑に流動してキャニスタによって補集されるとと
もに、蒸発燃料に含まれていた空気のみがキャニスタの
大気連絡通路から放出されるので、大気汚染を防止する
ことができる。

【００１０】また、燃料タンク内の燃料が満量になって
エバポ通路が閉成された後に、燃料タンクのタンク内圧
が第１設定圧よりも高い第２設定圧を越えた場合には、
チェック弁が開動作して連絡通路を開成するので、蒸発
燃料がキャニスタ側に流動してキャニスタに補集される
とともに、蒸発燃料に含まれていた空気のみがキャニス
タの大気連絡通路から放出され、大気汚染を防止し、ま
た、燃料タンクのタンク内圧を低下させることができ
る。

【００１１】更に、内燃機関の運転中に、制御部によ
り、パージ弁を開閉作動してキャニスタでパージされた
蒸発燃料の吸気通路への供給量を制御するとともに、タ
ンク内圧制御弁を開閉作動して燃料タンクの蒸発燃料を
キャニスタ側に供給させ且つ燃料タンクのタンク内圧を
一定に制御することができる。

【００１２】

【実施例】以下図面に基づいてこの発明の実施例を詳細
且つ具体的に説明する。図１〜７は、この発明の実施例
を示すものである。図１において、２は内燃機関、４は
吸気マニホルド、６は吸気通路、８はサージタンク、１
０は絞り弁、１２は燃料噴射弁、１４はエアクリーナ、
１６は燃料タンクである。この燃料タンク１６には、給
油キャップ１８が備えられた給油管２０が連設されてい
る。また、燃料タンク１６内には、燃料ポンプ２２と燃
料量によって上下動するフロート弁２４と燃料量を検知
するレベルゲージ２６とが設けられている。燃料ポンプ
２２には、燃料供給通路２８の一端側が連絡して設けら
れている。この燃料供給通路２８の他端側は、燃料噴射
弁１２に連絡して設けられている。

【００１３】燃料タンク１６と内燃機関２の吸気系間に
は、蒸発燃料制御装置（エバポシステム）３０が設けら
れている。

【００１４】この蒸発燃料制御装置３０においては、図
１、７に示す如く、一端側が燃料タンク１６内に連通し
たエバポ通路３２の他端側と一端側が吸気通路６を構成
するサージタンク８に連通したパージ通路３４の他端側
との間には、キャニスタ３６が設けられている。エバポ
通路３２の一端側は、燃料タンク１６内においてフロー
ト案内体３８内で案内されて上下動するフロート弁２４
によって開閉されるようにフロート案内体３８内に連通
して設けられている。エバポ通路３２の他端側とパージ
通路３４の他端側とは、キャニスタ３６の上部内に並設
して開口している。また、このキャニスタ３６には、大
気連絡通路４０の一端側が連通して設けられている。こ
の大気連絡通路４０の他端側には、この大気連絡通路４
０を開閉するエアカット弁（２ウェイソレノイドバル
ブ）４２が設けられている。このエアカット弁４２は、
後述する制御部６４によって開閉作動されるものであ
る。

【００１５】キャニスタ３６は、内燃機関２の停止中に
燃料タンク１６内で発生してエバポ通路３２に導かれた
蒸発燃料を吸着保持するとともに、内燃機関２の運転中
には大気連絡通路４０から導入した大気によって吸着保
持した蒸発燃料を離脱してパージ通路３４から吸気通路
６に供給させるものである。

【００１６】エバポ通路３２の途中には、内燃機関２の
停止中に燃料タンク１６のタンク内圧が所定の第１設定
圧Ａ（図２参照）に達するとエバポ通路３２を開成する
ように開動作するタンク内圧制御弁（ＴＰＣＶ）４４が
設けられる。

【００１７】このタンク内圧制御弁４４は、バルブハウ
ジング４６内に設けたダイヤフラム４８によって分割形
成された第１室５０と第２室５２とを有している。第１
室５０には、ダイヤフラム４８に所定の付勢力を作用す
るスプリング５４が設けられている。第２室５２には、
ダイヤフラム４８が接離することによってエバポ通路３
２を開閉させる弁座体５６が設けられている。

【００１８】このタンク内圧力制御弁４４は、また、内
燃機関２の運転中に、エバポ通路３２を開閉するよう
に、制御手段５８によって開閉作動される。即ち、タン
ク内圧力制御弁４４のバルブハウジング４６の第１室５
０には、圧力通路６０の一端側が連通して設けられてい
る。この圧力通路６０の他端側は、サージタンク８に連
通して設けられている。この圧力通路６０の途中には、
圧力調整弁（３ウェイソレノイドバルブ）６２が設けら
れている。この圧力調整弁６２は、制御部６４によるデ
ューティ制御によって切換作動（オン・オフ作動）され
て、タンク内圧制御弁４４の第１室５０に圧力通路６０
から大気を作用させたり、あるいは、タンク内圧制御弁
４４の第１室５０に圧力通路６０からサージタンク８内
の吸気管負圧を作用させるものである。

【００１９】燃料タンク１６とタンク内圧制御弁４４よ
りもキャニスタ３６側のエバポ通路３２間には、燃料タ
ンク１６とキャニスタ３６とを連通するように連絡通路
６６が設けられる。この連絡通路６６は、所定の第１径
Ｄ１（例えば直径４〜６〓）に形成されている。

【００２０】前記エバポ通路３２は、この連絡通路６６
の第１径Ｄ１よりも大きな第２径Ｄ２（例えば直径１５
〓以上）に形成されている。

【００２１】連絡通路６６の途中には、チェック弁６８
が設けられる。このチェック弁６８は、燃料タンク１６
内の燃料が満量になってフロート弁２４がエバポ通路３
２の一端側を閉成してタンク内圧制御弁４４が閉動作し
た後に燃料タンク１６のタンク内圧が前記第１設定圧Ａ
よりも高く設定された第２設定圧Ｂ（図２参照）を越え
た場合には、連絡通路６６を開成するように開動作する
ものである。図２に示す如く、第１設定圧Ａと第２設定
圧Ｂとは、所定の圧力差Ｇがある。

【００２２】パージ通路３４の途中には、内燃機関２の
運転状態に応じて吸気通路６への蒸発燃料量を制御する
パージ弁（２ウェイソレノイドバルブ）７０が設けられ
ている。このパージ弁７０は、前記エアカット弁４２と
同一の構成である。

【００２３】また、燃料タンク１６の上部位には、検出
用圧力通路７２の一端側が連通して設けられている。こ
の検出用圧力通路７２の他端側には、燃料タンク１６の
タンク内圧を検出する圧力センサ７４が設けられてい
る。

【００２４】燃料噴射弁１２とレベルゲージ２６とエア
カット弁４２と圧力調整弁６２とパージ弁７０と圧力セ
ンサ７４とは、前記制御部６４に連絡している。

【００２５】この制御部６４は、レベルゲージ２６や圧
力センサ７４等からの各信号を入力して、内燃機関２の
運転中にエバポ通路３２を開閉して燃料タンク１６の蒸
発燃料をキャニスタ３６側に供給させ且つ燃料タンク１
６のタンク内圧が圧力センサ７４による一定の設定圧Ｃ
（図２参照）になるように、圧力調整弁６２をデューテ
ィ制御してタンク内圧制御弁４４を切換作動させ、ま
た、燃料噴射弁１２を作動して内燃機関２への燃料噴射
量を制御し、更に、エアカット弁４２を開閉作動して大
気連絡通路４０を開閉させてキャニスタ３６に大気を導
入し又はキャニスタ３６内の空気を大気に放出させ、し
かも、パージ弁７０をデューティ制御してパージ通路３
４を開閉して吸気通路６への蒸発燃料の供給量を制御さ
せるものである。なお、図４において、符号７６は給油
ガンである。

【００２６】次に、この実施例の作用を説明する。

【００２７】内燃機関２の停止時で、燃料タンク１６内
の燃料が満量でない場合においては、図３及び図２のａ
〜ｆに示す如く、タンク内圧制御弁４４の開閉作動は燃
料タンク１６のタンク内圧に依存し、また、圧力調整弁
６２はタンク内圧制御弁４４の第１室５０に大気を導入
するようにオフとなってサージタンク８側の圧力通路６
０のみを閉成し、更に、チェック弁６８が閉動作してエ
バポ通路３２を閉成し、更にまた、エアカット弁４２が
開作動し、しかも、フロート弁２４がエバポ通路３２を
開成している。これにより、タンク内圧制御弁４４にお
いては、スプリング５４の付勢力によってダイヤフラム
４８が弁座体５６に接合し、よって、エバポ通路３２を
閉成している。このような場合に、例えば、図２のｂ〜
ｃ又はｄ〜ｅのように、燃料タンク１６のタンク内圧が
第１設定圧Ａに達すると、タンク内圧制御弁４４が一時
的に開動作し、燃料タンク１６の蒸発燃料をキャニスタ
３６側に流動させてキャニスタ３６に補集させるととも
に、燃料タンク１６のタンク内圧を低下させることがで
きる。

【００２８】また、燃料タンク１６への給油時において
は、図４及び図２のｆ〜ｇに示す如く、タンク内圧制御
弁４４は燃料タンク１６のタンク内圧に依存し、また、
圧力調整弁６２はタンク内圧制御弁４４の第１室５０に
大気を導入するようにオフとなってサージタンク８側の
圧力通路６０のみを閉成し、更に、チェック弁６８が閉
動作してエバポ通路３２を閉成し、更にまた、エアカッ
ト弁４２は開作動し、しかも、フロート弁２４がエバポ
通路３２を開成している。そして、給油ガン７６によっ
て給油管２０に燃料を注入すると、燃料タンク１６のタ
ンク内圧が第１設定圧Ａよりも高くなり、この高いタン
ク内圧によってタンク内圧制御弁４４が自ら開動作して
エバポ通路３２を開成するので、燃料タンク１６内で発
生した蒸発燃料が大径のエバポ通路３２からキャニスタ
３６側に円滑に流動してキャニスタ３６に補集されると
ともに、蒸発燃料に含まれていた空気が大気連絡通路４
０から大気に放出される。

【００２９】更に、内燃機関２の停止時で、燃料タンク
１６内の燃料が満量になると、図５及び図２のｇ〜ｊに
示す如く、圧力調整弁６２はタンク内圧制御弁４４の第
１室５０に大気を導入するようにオフになってサージタ
ンク８側の圧力通路６０のみを閉成し、また、フロート
弁２４がエバポ通路３２の一端側を閉成し、これによ
り、タンク内圧制御弁４４はエバポ通路３２を閉成する
ように閉動作する。この時に、図２のｈ〜ｉに示すよう
に、燃料タンク１６のタンク内圧が上昇して第２設定圧
Ｂを越えると、チェック弁６８が自ら開動作するので、
燃料タンク１６内で発生した蒸発燃料が連絡通路６６か
らキャニスタ３６側に流動するとともに、燃料タンク１
６のタンク内圧を低下させる。この蒸発燃料がキャニス
タ３６で補集されるとともに、蒸発燃料に含まれていた
空気のみが大気連絡通路４０から大気に放出される。

【００３０】そして、内燃機関２の運転中には、図６及
び図２のｊ〜ｋに示す如く、制御部６４は、圧力調整弁
６２をデューティ制御によってオン作動して吸気管負圧
をタンク内圧制御弁４４の第１室５０に作用させる。よ
って、タンク内圧制御弁４４は、開閉作動し、蒸発燃料
をキャニスタ３６側に流動させる。また、制御部６４
は、パージ弁７０をデューティ制御によって開閉作動す
る。これにより、大気連絡通路４０から大気が導入さ
れ、この大気でキャニスタ３６内の蒸発燃料をパージさ
せ、この蒸発燃料の供給量をパージ弁７０で制御してパ
ージ通路３４から吸気通路６に供給させる。

【００３１】この結果、内燃機関２の停止時において、
燃料タンク１６内で発生した蒸発燃料がキャニスタ３６
に補集されて大気に放出されることがないので、大気汚
染を防止することができる。

【００３２】また、燃料タンク１６への給油中には、燃
料タンク１６内で発生した蒸発燃料を大径のエバポ通路
３２からキャニスタ３６側に円滑に流動させるととも
に、蒸発燃料をキャニスタ３６に補集させ、空気のみを
大気連絡通路４０から放出させるので、大気汚染を防止
することができる。

【００３３】更に、燃料タンク１６の燃料が満量になっ
てエバポ通路３２が閉成された後に、燃料タンク１６の
タンク内圧が高い第２設定圧Ｂを越えると、チェック弁
６８が開動作するので、蒸発燃料をキャニスタ３６側に
流動させてキャニスタ３６に補集させるとともに、燃料
タンク１６のタンク内圧を容易に低下させることができ
る。

【００３４】また、この実施例の蒸発燃料制御装置３０
においては、内燃機関２の運転中に通常のエバポ制御を
適正に行うとともに、内燃機関２の停止時や燃料タンク
１６への給油中に蒸発燃料が大気に放出されるのを防止
させる規制や、エアカット弁４２、タンク内圧制御弁４
４及びパージ弁７０等の弁類を開閉作動させて蒸発燃料
の漏れをチェックさせる規制にも対処させることができ
る。

【００３５】

【発明の効果】以上詳細な説明から明らかなようにこの
発明によれば、エバポ通路を燃料タンク内のフロート弁
の上下動によって開閉されるように燃料タンクに連通し
て設け、内燃機関の停止中に燃料タンクのタンク内圧が
所定の第１設定圧に達するとエバポ通路を開成するよう
に開動作するタンク内圧制御弁を設け、内燃機関の運転
中にエバポ通路を開閉するようにタンク内圧制御弁を開
閉作動する制御手段を設け、燃料タンクとキャニスタと
を連通するように所定の第１径に形成された連絡通路を
設け、エバポ通路を連絡通路の第１径よりも大なる第２
径に形成し、燃料タンク内の燃料が満量になってフロー
ト弁がエバポ通路を閉成してタンク内圧制御弁が閉動作
した後に燃料タンクのタンク内圧が第１設定圧よりも高
く設定された第２設定圧を越えた場合には連絡通路を開
成するように開動作するチェック弁を設けたことによ
り、内燃機関の停止時や燃料タンクへの給油中に、蒸発
燃料が大気に放出されるのを防止し、また、燃料タンク
の燃料が満量になった後に燃料タンクのタンク内圧が高
くなっても、蒸発燃料をキャニスタに補集させて大気汚
染を防止するるとともに、タンク内圧を低下させ得る。

【図面の簡単な説明】

【図１】蒸発燃料制御装置のシステム構成図である。

【図２】蒸発燃料制御のタイムチャートである。

【図３】内燃機関停止時で燃料タンクの燃料が満量でな
い時の蒸発燃料制御装置の構成図である。

【図４】燃料タンクへの給油中の蒸発燃料制御装置の構
成図である。

【図５】燃料タンクへの給油が終了して燃料タンクの燃
料が満量になった時の蒸発燃料制御装置の構成図であ
る。

【図６】内燃機関の運転中の蒸発燃料制御装置の構成図
である。

【図７】蒸発燃料制御装置のブロック構成図である。

【図８】従来の蒸発燃料制御装置のシステム構成図であ
る。

【符号の説明】

２ 内燃機関 ６ 吸気通路 ８ サージタンク １６ 燃料タンク ２４ フロート弁 ３０ 蒸発燃料制御装置 ３２ エバポ通路 ３４ パージ通路 ３６ キャニスタ ４０ 大気連絡通路 ４２ エアカット弁 ４４ タンク内圧制御弁 ５８ 制御手段 ６２ 圧力調整弁 ６４ 制御部 ６６ 連絡通路 ６８ チェック弁 ７０ パージ弁

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 燃料タンク内に連通したエバポ通路と内
   燃機関の吸気系の吸気通路に連通したパージ通路との間
   に前記内燃機関の停止中に前記燃料タンク内で発生して
   前記エバポ通路に導かれた蒸発燃料を吸着保持するとと
   もに前記内燃機関の運転中には大気連絡通路から導入し
   た大気によって吸着保持した蒸発燃料を離脱して前記パ
   ージ通路から前記吸気通路に供給させるキャニスタを設
   け、前記パージ通路途中には前記内燃機関の運転状態に
   応じて前記吸気通路への蒸発燃料量を制御するパージ弁
   を設けた内燃機関の蒸発燃料制御装置において、前記エ
   バポ通路を前記燃料タンク内のフロート弁の上下動によ
   って開閉されるように前記燃料タンクに連通して設け、
   前記内燃機関の停止中に前記燃料タンクのタンク内圧が
   所定の第１設定圧に達すると前記エバポ通路を開成する
   ように開動作するタンク内圧制御弁を設け、前記内燃機
   関の運転中に前記エバポ通路を開閉するように前記タン
   ク内圧制御弁を開閉作動する制御手段を設け、前記燃料
   タンクと前記キャニスタとを連通するように所定の第１
   径に形成された連絡通路を設け、前記エバポ通路を前記
   連絡通路の第１径よりも大なる第２径に形成し、前記燃
   料タンク内の燃料が満量になって前記フロート弁が前記
   エバポ通路を閉成して前記タンク内圧制御弁が閉動作し
   た後に前記燃料タンクのタンク内圧が前記第１設定圧よ
   りも高く設定された第２設定圧を越えた場合には前記連
   絡通路を開成するように開動作するチェック弁を設けた
   ことを特徴とする内燃機関の蒸発燃料制御装置。