JPH08232049A - 電子部品用複合材料およびその製造方法 - Google Patents
電子部品用複合材料およびその製造方法Info
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- JPH08232049A JPH08232049A JP5970895A JP5970895A JPH08232049A JP H08232049 A JPH08232049 A JP H08232049A JP 5970895 A JP5970895 A JP 5970895A JP 5970895 A JP5970895 A JP 5970895A JP H08232049 A JPH08232049 A JP H08232049A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 優れた熱放散性を有するリードフレーム等の
電子部品用複合材料およびその製造方法を提供する。 【構成】 本発明は、Fe−Ni系合金薄板の少なくと
も一方の面に銅または銅合金を主体とする粉末の焼結層
を形成した電子部品用複合材料である。これにより、熱
放散性と、低熱膨張特性を兼ね備えることができる。本
発明の電子部品用複合材料は、Fe−Ni系合金薄板の
少なくとも一方の面に銅または銅合金を主体とする粉末
をつけた後、加熱焼結するか、さらに加熱焼結後に圧延
を施すことにより得ることができる。
電子部品用複合材料およびその製造方法を提供する。 【構成】 本発明は、Fe−Ni系合金薄板の少なくと
も一方の面に銅または銅合金を主体とする粉末の焼結層
を形成した電子部品用複合材料である。これにより、熱
放散性と、低熱膨張特性を兼ね備えることができる。本
発明の電子部品用複合材料は、Fe−Ni系合金薄板の
少なくとも一方の面に銅または銅合金を主体とする粉末
をつけた後、加熱焼結するか、さらに加熱焼結後に圧延
を施すことにより得ることができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は半導体素子のリードフレ
ーム素材等の電子部品材料に関し、特に熱放散性を改良
した電子部品用複合材料およびその製造方法に関するも
のである。
ーム素材等の電子部品材料に関し、特に熱放散性を改良
した電子部品用複合材料およびその製造方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】半導体素子のリードフレーム等のリード
素材としては、半導体あるいはガラス等との接合のため
に低熱膨張特性が要求されている。この特性を満たす材
料として、Fe−42wt%Ni合金、Fe−29wt
%Ni−17wt%Co合金、Fe−42wt%Ni−
6wt%Cr合金等のFe−Ni系材料が使用されてい
る。近年、半導体素子の集積回路においては、高集積化
はもちろん、高密度化、高速化が要求されてきており、
そのために発生する熱を如何に外部へ放散させるか、す
なわち熱放散性が重要な問題になってきている。また、
シャドウマスク等に使用されるFe−36wt%Ni合
金においては、電子線による加熱があり、この場合も熱
放散性が問題となる。
素材としては、半導体あるいはガラス等との接合のため
に低熱膨張特性が要求されている。この特性を満たす材
料として、Fe−42wt%Ni合金、Fe−29wt
%Ni−17wt%Co合金、Fe−42wt%Ni−
6wt%Cr合金等のFe−Ni系材料が使用されてい
る。近年、半導体素子の集積回路においては、高集積化
はもちろん、高密度化、高速化が要求されてきており、
そのために発生する熱を如何に外部へ放散させるか、す
なわち熱放散性が重要な問題になってきている。また、
シャドウマスク等に使用されるFe−36wt%Ni合
金においては、電子線による加熱があり、この場合も熱
放散性が問題となる。
【0003】このような熱の放散性を確保する手段とし
て、リード素材として銅および銅合金を使用する方法も
一部採用されている。しかしながら、銅系合金は熱膨張
係数が、Fe−Ni系合金に比べて大きいために、半導
体素子を構成するSiチップや、封止のためのガラスと
の熱膨張差が大きく、使用中の応力発生のために、クラ
ックが発生したりする恐れがある。また、蛍光表示管用
のスペーサフレームにおいては、Fe−42wt%Ni
−6wt%Cr合金が主として用いられているが、表示
管の大型化による消費電力の増加に伴い、上述した半導
体素子のリード素材同様に熱放散性が重要になってい
る。
て、リード素材として銅および銅合金を使用する方法も
一部採用されている。しかしながら、銅系合金は熱膨張
係数が、Fe−Ni系合金に比べて大きいために、半導
体素子を構成するSiチップや、封止のためのガラスと
の熱膨張差が大きく、使用中の応力発生のために、クラ
ックが発生したりする恐れがある。また、蛍光表示管用
のスペーサフレームにおいては、Fe−42wt%Ni
−6wt%Cr合金が主として用いられているが、表示
管の大型化による消費電力の増加に伴い、上述した半導
体素子のリード素材同様に熱放散性が重要になってい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】こうした点を解決する
素材として、特開平3−179768号等には、Fe−
Ni系合金と銅または銅合金との複合材料が挙げられて
いる。しかし、特開平3−179768号等に記載され
た複合材料は溶製、熱間加工、冷間加工を施した素材を
冷間圧延等により機械的に圧着したものであり、未圧着
部分が発生する場合があるとともに、その製造工数なら
びに歩留の点から大幅にコストのかかるものであった。
また、こうした圧着法以外にも電気メッキ法によって銅
層をFe−Ni系合金表面に形成する方法が考えられる
が、十分な熱放散性を得るための銅層の厚さは厚くする
ことが求められるため、電気メッキ法でこの膜厚を得る
には、コスト的に極めて不利である。本発明は、コスト
的に有利であり、かつ優れた熱放散性を有する電子部品
用複合材料およびその製造方法を提供するものである。
素材として、特開平3−179768号等には、Fe−
Ni系合金と銅または銅合金との複合材料が挙げられて
いる。しかし、特開平3−179768号等に記載され
た複合材料は溶製、熱間加工、冷間加工を施した素材を
冷間圧延等により機械的に圧着したものであり、未圧着
部分が発生する場合があるとともに、その製造工数なら
びに歩留の点から大幅にコストのかかるものであった。
また、こうした圧着法以外にも電気メッキ法によって銅
層をFe−Ni系合金表面に形成する方法が考えられる
が、十分な熱放散性を得るための銅層の厚さは厚くする
ことが求められるため、電気メッキ法でこの膜厚を得る
には、コスト的に極めて不利である。本発明は、コスト
的に有利であり、かつ優れた熱放散性を有する電子部品
用複合材料およびその製造方法を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、熱放散性に
優れた銅または銅合金を主体とする層をFe−Ni系合
金素材上に形成する方法を検討し、銅または銅合金を主
体とする粉末をFe−Ni系合金に粉末冶金的に結合す
ることにより優れた熱放散性を有する複合材料を開発す
ることに成功した。すなわち、本発明はFe−Ni系合
金薄板の少なくとも一方の面に銅または銅合金を主体と
する粉末の焼結層を形成した電子部品用複合材料であ
る。
優れた銅または銅合金を主体とする層をFe−Ni系合
金素材上に形成する方法を検討し、銅または銅合金を主
体とする粉末をFe−Ni系合金に粉末冶金的に結合す
ることにより優れた熱放散性を有する複合材料を開発す
ることに成功した。すなわち、本発明はFe−Ni系合
金薄板の少なくとも一方の面に銅または銅合金を主体と
する粉末の焼結層を形成した電子部品用複合材料であ
る。
【0006】本発明の電子部品用複合材料は、Fe−N
i系合金薄板の少なくとも一方の面に銅または銅合金を
主体とする粉末を塗布した後、加熱焼結するか、あるい
はさらに加熱焼結後圧延を施す本発明の電子部品用複合
材料の製造方法により得ることができる。
i系合金薄板の少なくとも一方の面に銅または銅合金を
主体とする粉末を塗布した後、加熱焼結するか、あるい
はさらに加熱焼結後圧延を施す本発明の電子部品用複合
材料の製造方法により得ることができる。
【0007】
【作用】本発明の最大の特徴の一つは、Fe−Ni系合
金に複合する銅または銅合金を主体とする層を焼結層と
して形成したことである。焼結層とすることにより、熱
放散性に優れた銅または銅合金を主体とする焼結層と、
低熱膨張特性を有するFe−Ni系合金とが、界面で十
分に拡散して一体のものとなり、優れた熱放散性を有す
るものとなる。また、さらに焼結後に圧延を追加するこ
とにより、焼結ままの状態では多く存在する空孔を減ら
し、かつFe−Ni系合金と焼結粒子とを強固に一体化
することができる。また圧延は半導体用途等に要求され
る板厚寸法精度を高いものとできるという利点もある。
また、この圧延は、複合材料の機械的強度を向上させ
る。本発明の銅または銅合金を主体とする焼結層(以下
Cu焼結層と称する)をFe−Ni系合金に設けた複合
材料の基本構成を示すと図1に示すようになる。図1
は、本発明の複合材料の断面構成図であり、Cu焼結層
を片面に有する構成(A)とCu焼結層を両面に有する
構成(B)を示すものである。
金に複合する銅または銅合金を主体とする層を焼結層と
して形成したことである。焼結層とすることにより、熱
放散性に優れた銅または銅合金を主体とする焼結層と、
低熱膨張特性を有するFe−Ni系合金とが、界面で十
分に拡散して一体のものとなり、優れた熱放散性を有す
るものとなる。また、さらに焼結後に圧延を追加するこ
とにより、焼結ままの状態では多く存在する空孔を減ら
し、かつFe−Ni系合金と焼結粒子とを強固に一体化
することができる。また圧延は半導体用途等に要求され
る板厚寸法精度を高いものとできるという利点もある。
また、この圧延は、複合材料の機械的強度を向上させ
る。本発明の銅または銅合金を主体とする焼結層(以下
Cu焼結層と称する)をFe−Ni系合金に設けた複合
材料の基本構成を示すと図1に示すようになる。図1
は、本発明の複合材料の断面構成図であり、Cu焼結層
を片面に有する構成(A)とCu焼結層を両面に有する
構成(B)を示すものである。
【0008】また、Cu焼結層は、その表面に微細な凹
凸を形成させることが可能であり、表面積を増大し、熱
放散性を高めることが可能である。本発明においては、
焼結層の空孔率を0〜30%にすることが望ましい。こ
れは、30%を超える空孔率においては、電気伝導度の
低下が顕著となり、また電子部品としての金あるいは銀
めっき時のブリスターの発生および外観の問題を生ずる
ためである。また空孔率を増加し過ぎると、焼結層内に
空気を保持する独立気孔の存在を増加し熱放散性を低下
するので好ましくない。一方、少量の空孔の存在は、表
面積を増大することになるため、表面からの熱放散の点
からは存在してもよいが、全く空孔の存在しないもので
も良い。好ましくは0〜15%の空孔率とする。
凸を形成させることが可能であり、表面積を増大し、熱
放散性を高めることが可能である。本発明においては、
焼結層の空孔率を0〜30%にすることが望ましい。こ
れは、30%を超える空孔率においては、電気伝導度の
低下が顕著となり、また電子部品としての金あるいは銀
めっき時のブリスターの発生および外観の問題を生ずる
ためである。また空孔率を増加し過ぎると、焼結層内に
空気を保持する独立気孔の存在を増加し熱放散性を低下
するので好ましくない。一方、少量の空孔の存在は、表
面積を増大することになるため、表面からの熱放散の点
からは存在してもよいが、全く空孔の存在しないもので
も良い。好ましくは0〜15%の空孔率とする。
【0009】本発明においては、Cu焼結層を銅または
銅合金を主体とすると規定した。純銅は熱伝導性の点で
は非常に優れており有効であるが、機械的強度、ハンダ
付け性、レジンとの密着性、耐熱性など用途に応じた特
性の改善のために、合金元素を添加することが可能であ
る。合金元素の添加は、予め合金化した銅合金粉末を使
用しても良いし、純銅粉と添加元素粉を混合した粉末を
使用してもよい。たとえば、SnやNiは銅または銅合
金中に固溶して、機械強度を向上させることができる。
また、TiはNiと複合で銅に添加すると、銅マトリッ
クス中にNiとTi化合物として析出し、機械強度およ
び耐熱性を向上する。Zrはハンダ耐候性を向上する。
Al,Si,Mn,Mgはレジンモールドとの密着性を
改善することが知られている。なお、本発明の焼結層の
第1の目的は、熱放散性であるため、熱放散性を低下す
る上記の銅以外の添加元素は、好ましくは10wt%以
下とする。
銅合金を主体とすると規定した。純銅は熱伝導性の点で
は非常に優れており有効であるが、機械的強度、ハンダ
付け性、レジンとの密着性、耐熱性など用途に応じた特
性の改善のために、合金元素を添加することが可能であ
る。合金元素の添加は、予め合金化した銅合金粉末を使
用しても良いし、純銅粉と添加元素粉を混合した粉末を
使用してもよい。たとえば、SnやNiは銅または銅合
金中に固溶して、機械強度を向上させることができる。
また、TiはNiと複合で銅に添加すると、銅マトリッ
クス中にNiとTi化合物として析出し、機械強度およ
び耐熱性を向上する。Zrはハンダ耐候性を向上する。
Al,Si,Mn,Mgはレジンモールドとの密着性を
改善することが知られている。なお、本発明の焼結層の
第1の目的は、熱放散性であるため、熱放散性を低下す
る上記の銅以外の添加元素は、好ましくは10wt%以
下とする。
【0010】また、本発明でいうFe−Ni系合金を具
体的に示すと、重量%で30〜90重量%のNiと残部
Feの組成を基本として、オーステナイト組織の範囲内
でNiに置換する添加元素を含むことができるものであ
る。添加元素としては、Coであれば30%以下、Cr
であれば15%以下を単独または複合で含有させること
が望ましい。添加元素については、磁気特性、熱膨張特
性、表面酸化膜の形成特性、強度向上など様々の要求に
合わせた選択が可能であり、Co,Crに限定されるも
のではない。
体的に示すと、重量%で30〜90重量%のNiと残部
Feの組成を基本として、オーステナイト組織の範囲内
でNiに置換する添加元素を含むことができるものであ
る。添加元素としては、Coであれば30%以下、Cr
であれば15%以下を単独または複合で含有させること
が望ましい。添加元素については、磁気特性、熱膨張特
性、表面酸化膜の形成特性、強度向上など様々の要求に
合わせた選択が可能であり、Co,Crに限定されるも
のではない。
【0011】例えば、強度等を改善する元素として、5
%以下のNb,Ti,Zr,W,Mo,Cu、熱間加工
性を改善する元素として5%以下のSi,Mnあるいは
0.1%以下のCa,B,Mgが使用できる。また、本
発明においては、少なくとも一方の面に銅または銅合金
を主体とする粉末の焼結層を形成すると規定した。すな
わち、Fe−Ni系合金表面に銅または銅合金を主体と
する粉末の焼結層を形成することもできる。しかし、リ
ードフレームのように、半導体用途等の特に熱膨張特
性、メッキ性等が要求される場合には、銅または銅合金
を主体とする粉末の焼結層を片面のみ形成し、熱膨張特
性、メッキ性等に優れるFe−Ni系の合金面を露出さ
せた方が望ましい。
%以下のNb,Ti,Zr,W,Mo,Cu、熱間加工
性を改善する元素として5%以下のSi,Mnあるいは
0.1%以下のCa,B,Mgが使用できる。また、本
発明においては、少なくとも一方の面に銅または銅合金
を主体とする粉末の焼結層を形成すると規定した。すな
わち、Fe−Ni系合金表面に銅または銅合金を主体と
する粉末の焼結層を形成することもできる。しかし、リ
ードフレームのように、半導体用途等の特に熱膨張特
性、メッキ性等が要求される場合には、銅または銅合金
を主体とする粉末の焼結層を片面のみ形成し、熱膨張特
性、メッキ性等に優れるFe−Ni系の合金面を露出さ
せた方が望ましい。
【0012】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明する。 (実施例1)低熱膨張合金素材としてFe−42wt%
Ni合金、Fe−36wt%Ni合金、Fe−29wt
%Ni−17wt%Co合金およびFe−42wt%N
i−6wt%Cr合金を選び、冷間圧延および焼鈍を施
し、厚さ0.5mmのFe−Ni系合金薄板を得た。こ
の薄板に平均粒径 15μmの純銅粉(JIS KE21
相当)をポリビニルアルコールをバインダーとしてスラ
リー状にし、スプレーによりこの素材の片面もしくは両
面に種々の厚さに塗布し、80℃にて2時間乾燥した。
次に水素中において950℃で1時間焼結を行なった。
Ni合金、Fe−36wt%Ni合金、Fe−29wt
%Ni−17wt%Co合金およびFe−42wt%N
i−6wt%Cr合金を選び、冷間圧延および焼鈍を施
し、厚さ0.5mmのFe−Ni系合金薄板を得た。こ
の薄板に平均粒径 15μmの純銅粉(JIS KE21
相当)をポリビニルアルコールをバインダーとしてスラ
リー状にし、スプレーによりこの素材の片面もしくは両
面に種々の厚さに塗布し、80℃にて2時間乾燥した。
次に水素中において950℃で1時間焼結を行なった。
【0013】次に得られた焼結材に、冷間圧延を行な
い、厚さ 0.25mmとし、水素中において950℃
で10分間焼鈍を施した後、厚さ 0.15mmに冷間
圧延を行ない本発明の電子部品用複合材料を得た。これ
を本発明の冷間圧延材として表1に示す。得られた本発
明の電子部品材料は図1の断面構成図に示すCu焼結層
を片面に有する構成(A)と、Cu焼結層を両面に有す
る構成(B)となる。なお、構成(A)に対応する金属
ミクロ組織写真を図2に示す。
い、厚さ 0.25mmとし、水素中において950℃
で10分間焼鈍を施した後、厚さ 0.15mmに冷間
圧延を行ない本発明の電子部品用複合材料を得た。これ
を本発明の冷間圧延材として表1に示す。得られた本発
明の電子部品材料は図1の断面構成図に示すCu焼結層
を片面に有する構成(A)と、Cu焼結層を両面に有す
る構成(B)となる。なお、構成(A)に対応する金属
ミクロ組織写真を図2に示す。
【0014】また、上述した低熱膨張合金素材を用い
て、冷間圧延および焼鈍を施し、厚さ0.15mmのF
e−Ni系合金薄板を得た。この薄板に平均粒径 15
μmの純銅粉をポリビニルアルコールをバインダーとし
てスラリー状にし、スプレーによりこの素材の片面に種
々の厚さに塗布し、80℃にて2時間乾燥した。次に水
素中において1000℃で2時間焼結を行ない本発明の
電子部品用複合材料を得た。これを本発明の焼結材とし
て表1に示す。
て、冷間圧延および焼鈍を施し、厚さ0.15mmのF
e−Ni系合金薄板を得た。この薄板に平均粒径 15
μmの純銅粉をポリビニルアルコールをバインダーとし
てスラリー状にし、スプレーによりこの素材の片面に種
々の厚さに塗布し、80℃にて2時間乾燥した。次に水
素中において1000℃で2時間焼結を行ない本発明の
電子部品用複合材料を得た。これを本発明の焼結材とし
て表1に示す。
【0015】また比較例として、上述した低熱膨張合金
素材を用いて、冷間圧延および焼鈍を施し、厚さ0.2
0mmの素材を得た。この素材に純銅薄板(JIS C
1020相当)を冷間圧延により圧着して、比較例の複
合材料を得た。これを圧着材として表1に示す。本発明
および比較例の複合材料の厚さに対するCu焼結層およ
び銅板の厚さをCuの比率として表1に示す。また、こ
れらの複合材料について、それぞれの熱伝導率を測定す
るとともに、材料の表面を画像解析し、ボイドとして認
められる部分の面積率を求め、空孔率とした。表1にこ
れらの結果をまとめて示す。
素材を用いて、冷間圧延および焼鈍を施し、厚さ0.2
0mmの素材を得た。この素材に純銅薄板(JIS C
1020相当)を冷間圧延により圧着して、比較例の複
合材料を得た。これを圧着材として表1に示す。本発明
および比較例の複合材料の厚さに対するCu焼結層およ
び銅板の厚さをCuの比率として表1に示す。また、こ
れらの複合材料について、それぞれの熱伝導率を測定す
るとともに、材料の表面を画像解析し、ボイドとして認
められる部分の面積率を求め、空孔率とした。表1にこ
れらの結果をまとめて示す。
【0016】
【表1】
【0017】表1に示すように本発明の電子部品用複合
材料は、ほぼ同一の厚さのCuの比率を有する比較例で
ある圧着材よりも、高い熱伝導率が得られ、放熱性に優
れた材料になっていることがわかる。また、焼結後に冷
間圧延を加えた本発明の冷間圧延材は、本発明の焼結材
に比べて、空孔率を少なくすることができ、熱伝導率を
さらに高くものとすることができることがわかる。
材料は、ほぼ同一の厚さのCuの比率を有する比較例で
ある圧着材よりも、高い熱伝導率が得られ、放熱性に優
れた材料になっていることがわかる。また、焼結後に冷
間圧延を加えた本発明の冷間圧延材は、本発明の焼結材
に比べて、空孔率を少なくすることができ、熱伝導率を
さらに高くものとすることができることがわかる。
【0018】(実施例2)Fe−42wt%Ni合金を
冷間圧延および焼鈍を施し、厚さ 0.5mmの素材を
得た。この素材に表2に示す150μm以下の粒径を有
する銅合金粉をホリビニルアルコールをバインダとして
スラリー状にし、スプレーにより、この素材の片面に種
々の厚さに塗布し、80℃にて2時間乾燥した。次に水
素中において、950℃で1時間焼鈍を行なった。
冷間圧延および焼鈍を施し、厚さ 0.5mmの素材を
得た。この素材に表2に示す150μm以下の粒径を有
する銅合金粉をホリビニルアルコールをバインダとして
スラリー状にし、スプレーにより、この素材の片面に種
々の厚さに塗布し、80℃にて2時間乾燥した。次に水
素中において、950℃で1時間焼鈍を行なった。
【0019】次に得られた焼結材に、冷間圧延を行な
い、厚さ 0.25mmとし、水素中において、950
℃で10分間焼鈍を施した後、厚さ 0.15mmに冷
間圧延を行ない、本発明の電子部品用複合材料を得た。
実施例1の表1と同様に評価した結果を表2に示す。ま
た、比較例としてFe−42wt%Ni単体の熱伝導率
を表2に示す。表2に示すように、銅合金粉末を使用し
た場合においても、Fe−42wt%Ni単体の場合に
比べて高い熱伝導率を確保できることがわかる。
い、厚さ 0.25mmとし、水素中において、950
℃で10分間焼鈍を施した後、厚さ 0.15mmに冷
間圧延を行ない、本発明の電子部品用複合材料を得た。
実施例1の表1と同様に評価した結果を表2に示す。ま
た、比較例としてFe−42wt%Ni単体の熱伝導率
を表2に示す。表2に示すように、銅合金粉末を使用し
た場合においても、Fe−42wt%Ni単体の場合に
比べて高い熱伝導率を確保できることがわかる。
【0020】
【表2】
【0021】
【発明の効果】本発明の電子部品用複合材料は、銅また
は銅合金を主体とする層を焼結層とすることにより、銅
薄板を圧着して複合材料を形成するものに比べて、熱放
散性に優れた材料となる。したがって、半導体素子ある
いは大型蛍光表示管等の高集積化、高密度比、高速化な
らびに大型化の課題であった熱放散性の確保に極めて有
効である。
は銅合金を主体とする層を焼結層とすることにより、銅
薄板を圧着して複合材料を形成するものに比べて、熱放
散性に優れた材料となる。したがって、半導体素子ある
いは大型蛍光表示管等の高集積化、高密度比、高速化な
らびに大型化の課題であった熱放散性の確保に極めて有
効である。
【図1】本発明の電子部品用複合材料の断面構成の例を
示す図である。
示す図である。
【図2】本発明の電子部品用複合材料の断面構成の金属
ミクロ組織写真の一例である。
ミクロ組織写真の一例である。
Claims (3)
- 【請求項1】 Fe−Ni系合金薄板の少なくとも一方
の面に銅または銅合金を主体とする粉末の焼結層を形成
したことを特徴とする電子部品用複合材料。 - 【請求項2】 Fe−Ni系合金薄板の少なくとも一方
の面に銅または銅合金を主体とする粉末をつけた後、加
熱焼結することを特徴とする電子部品用複合材料の製造
方法。 - 【請求項3】 加熱焼結後に圧延を施すことを特徴とす
る請求項2に記載の電子部品用複合材料の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5970895A JPH08232049A (ja) | 1995-02-23 | 1995-02-23 | 電子部品用複合材料およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5970895A JPH08232049A (ja) | 1995-02-23 | 1995-02-23 | 電子部品用複合材料およびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08232049A true JPH08232049A (ja) | 1996-09-10 |
Family
ID=13120991
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5970895A Pending JPH08232049A (ja) | 1995-02-23 | 1995-02-23 | 電子部品用複合材料およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08232049A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6045927A (en) * | 1996-05-22 | 2000-04-04 | Hitachi Metals, Ltd. | Composite material for electronic part and method of producing same |
US6129993A (en) * | 1998-02-13 | 2000-10-10 | Hitachi Metals, Ltd. | Heat spreader and method of making the same |
JP2007150289A (ja) * | 2005-11-04 | 2007-06-14 | Mitsubishi Materials Corp | 放熱体、放熱装置、パワーモジュール用基板及びパワーモジュール |
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1995
- 1995-02-23 JP JP5970895A patent/JPH08232049A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US6045927A (en) * | 1996-05-22 | 2000-04-04 | Hitachi Metals, Ltd. | Composite material for electronic part and method of producing same |
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