JPH082319B2 - 核酸の再結合をより速く生起させる方法 - Google Patents

核酸の再結合をより速く生起させる方法

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JPH082319B2
JPH082319B2 JP60146443A JP14644385A JPH082319B2 JP H082319 B2 JPH082319 B2 JP H082319B2 JP 60146443 A JP60146443 A JP 60146443A JP 14644385 A JP14644385 A JP 14644385A JP H082319 B2 JPH082319 B2 JP H082319B2
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    • C12QMEASURING OR TESTING PROCESSES INVOLVING ENZYMES, NUCLEIC ACIDS OR MICROORGANISMS; COMPOSITIONS OR TEST PAPERS THEREFOR; PROCESSES OF PREPARING SUCH COMPOSITIONS; CONDITION-RESPONSIVE CONTROL IN MICROBIOLOGICAL OR ENZYMOLOGICAL PROCESSES
    • C12Q1/00Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions
    • C12Q1/68Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions involving nucleic acids
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Description

【発明の詳細な説明】 発明の背景 発明の分野 本発明は1本鎖核酸分子を再生再結合又はハイブリッ
ド形成反応させて2本鎖核酸分子を得る方法に係る。本
発明の方法は60℃の0.12Mリン酸緩衝液という標準参照
条件下での反応速度より遥かに速い速度で反応を生起せ
しめる。より特定的には本発明のDNA−DNA,RNA−DNA及
びRNA−RNA反応を含み、反応速度が標準参照条件(Stan
dard reference condition)下での速度の50から100倍
に及び勝つ数千倍にも達し得るような核酸の再生、再結
合又はハイブリッド形成に係る。このような反応速度の
大幅な上昇は核酸沈降剤(nucleic acid precipitating
agents)含有反応溶液の使用によつて実現される。
先行技術の説明 当分野では1本鎖核酸分子のハイブリダイゼーション
反応を開始(nucleation)させて2本鎖核酸分子を形成
する方法は多数知られており、広範囲に亘る生体の遺伝
物質を分析する上で有用な手段であると認められてい
る。一般的には、これらハイブリダイゼーション反応の
際の核形成(nucleation)、再生、再結合及びハイブリ
ッド形成は、相補的塩基配列ブロツク又はセグメントを
もつ1本鎖核酸分子がこれら相補的配列間で塩基対合構
造を形成し且つ巻き戻し二重螺旋を構成する性向をもつ
という事実に基礎をおく。1本鎖核酸分子相互間の相補
的配列の程度が大きく程所与の分子対が核を形成して2
本鎖分子又は二重分子を形成する性向が増大する。
再生、再結合及びハイブリツド形成は1本鎖核酸分子
相互間における反応であつて本質的には互いに同等であ
る。従つて本明細書ではこれらの反応を互換的なものと
して説明する。但し、次のような区別を念頭に置くこと
は関連技術を理解する上で一助になるであろう。再生
(renaturation)なる語は通常、本来互に塩基対合して
いたものが変性プロセスを通して分離したために生じる
2つの1本鎖分子から1つの2本鎖核酸分子を形成する
場合に使用される。再結合(reassociation)は通常異
なる元の分子からの2つの1本鎖分子の間で2本鎖核酸
分子を形成するような方法を指す。ハイブリツド形成
(hybridization)は互に別個の起源をもつ1本鎖核酸
分子からの2本鎖核酸分子の形成を意味する。但しこれ
らは明確に区別されるわけではなく、互いに重なり合う
部分がかなりある。例えばDNA−DNA反応は通常再結合と
もハイブリツド形成とも呼ばれる。一方、RNA−RNA2本
鎖分子の形成は一般にハイブリツド形成と称される。
これらの反応の速度論(kinetics)は当業者には次の
如き二次反応速度論として良く理解されている。即ち1
本鎖核酸分子の濃度が増大すると反応速度も増大する。
逆に1本鎖核酸反応体の濃度を低減させると反応速度が
低下し、従つて2本鎖核酸分子の形成を生起させるに必
要な時間が増大する。
反応速度に対する温度の影響も当業者には良く知られ
ている。反応の温度がTm(50%の2本鎖分子が変性する
時の温度であつて「融解温度」とも称する)を下回る
と、その反応はTmり約15℃〜30℃低い温度で最大速度を
示す。温度を更に下げると速度はこの最大速度より遅く
なることが知られている。
これら反応の速度論に関しては更に、反応速度がNaCl
の如き電解質の場合に0.4Mより低いイオン強度には大き
く依存し、このイオン高度を越える塩濃度には殆ど左右
されないことも知られている。
これら核酸結合反応の速度論及び反応速度に関する詳
細な情報については下記の文献を参照されたい。
アール・ウエトマー(Wetmur,R.)及びエヌ・デイビ
ドソン(Davidoson,N.)モルク.バイオ誌(J.Molc.Bio
l)31(1968年)、349; アール・ウエトマー、バイオポリマー(Biopolymer
s)14(1975年)、2517; アール・ジエー・ブリツテン(Britten R.,J.)デイ
ー・グレイアム(Graham,D.)及びビー・ニユーフエル
ド(Neufeld,B.)酵素学的方法(Methods Enzymol.)29
(1974年)、363; デイー・イーコーン(Kohne,D.E.)、エス・エー・リ
ーバイソン(Levison,S.A.)及びエム・ジエー・バイヤ
ーズ(Byers,M.J.)バイオケミストリー(Biochemistr
y)16(1977年)、5329; ジエー・エム・オロツ(Orosz,J.M.)及びジエー・ジ
ー・ウエトマー(Wetmur,J.G.)、バイオポリマー(Bio
polymer)16(1977年)、1183。
当業界ではかなり以前からのこれら公知の核酸結合技
術の有用性の主な限界が反応の基本速度(basic rate)
にあることが認識されていた。反応時間が数時間から数
十時間、更には数日間にさえ及ぶことは普通である。反
応に使用する1本鎖核酸分子を増量することによつて
(二次反応速度論に基づき)反応速度を促進させること
は、以下の3つの理由からこの問題の解決法としては望
ましくない。第1に、反応における標的1本鎖核酸は通
常生理学的試料から抽出され、そのため前記核酸の使用
可能量がこれら試料の細胞に含まれている量で必然的に
限定される。第2に、核酸反応体の使用はかなりのコス
ト高につながり、そのため反応体を増量することの実質
的有用性が制限される。第3に、1本鎖核酸分子を増量
するとバツクグラウンドノイズ(background noise)が
増加するため反応の感度が低下する。それでも尚、これ
ら反応の基本速度を5〜50倍又はそれ以上に増大させる
べく多くの技術が開発されてきた。基本速度を1000倍又
はそれ以上のオーダーで増加させるような適用性の限ら
れた技術も開発された。しかしながら後述の如くこれら
先行技術にはDNA−DNA、DNA−RNA及びRNA−RNA反応に使
用し得る単相系で標準参照反応速度を50〜100倍又はそ
れ以上の割合で大幅に上回るような反応速度を実現せし
めたものは1つもない。
反応速度を取り扱うにあたり、これら反応速度の比較
に使用される標準参照条件は60℃の0.12Mリン酸緩衝(P
B)水溶液である。同程度の反応速度が得られる類似の
標準参照条件として60℃の0.18MNaClもしばしば使用さ
れる。
反応速度を標準参照条件下での速度より速くするため
の極めて一般的な方法は反応溶液の塩濃度の標準参照条
件のそれより高くすることであつた。次表に示すよう
に、多くの研究が反応溶液の塩濃度を標準参照条件の濃
度よりかなり高くすることで反応速度を標準参照条件に
おける速度の10倍又はそれ以上のオーダーで増加させる
ことに成功している。しかしながらこの表から明らかな
ように、これら先行技術方法では塩濃度の増加によつて
反応速度がかなり増加するものの塩濃度が2Mを越えると
その増加率が横ばいになり又は減少しさえする。
表1のデータはDNA−DNA反応に関して観察された速度
増加に係るが、RNA−DNAの場合には反応速度は塩濃度変
化の影響をさほど受けないと報告されている。他の研究
者等は、塩濃度を標準参照濃度より高くするとRNA−DNA
反応の相対速度は使用するRNAの二次構造が比較的少な
ければDNA−DNA反応の場合の約1/2までの影響を受ける
ことを立証した。二次構造のより多いRNA反応体の場合
は塩濃度増加の影響が更に小さいことが判明した。実
際、過剰RNA及びDNA間のハイブリツド形成の場合にはか
なりの塩濃度範囲に亘つて反応速度変化が全く見られな
い(例えばジエー・バンネス(Van Ness.J.)及びダブ
ル・イー・ハーン(Hahn,W.E.)、核酸リサーチ(Nucl.
Acids.Res.)10(1982年)、8061参照)。DNAが過剰反
応体である場合のRNA−DNAハイブリツド形成に関しては
データが殆んどないが、当業者は一般にこのような反応
系に対する塩濃度増加の影響はRNAが過剰である時と同
程度であろうと考えている。
これら核酸の結合反応速度を増加させる別の方法とし
ては、DNAをDNAを再結合させるために開発された二相フ
エノール水溶性乳濁液法が挙げられる(デイー・イー・
コーン(Kohne,D.E.)、エスー・エー・レビンソン(Le
vinson,S.A.)及びエム・ジエー・バイヤーズ著バイオ
ケミストリー(Biochemistry)16(1977年)、5329)こ
の二相系では、フエノールと水溶性塩溶液とで形成した
乳濁液を攪拌すると反応速度が比較の対象たる標準条件
下での速度の100倍以上に達する程大幅に増加した。し
かしながらこの二相フエノール水溶液乳濁液法はRNA−R
NA及びRNA−DNA系の場合には反応速度をそれ程大幅には
増加せしめなかつた。RNA−RNA及びRNA−DNA反応に関し
て観察される反応速度増加の最大値は標準参照条件下で
の値の50〜100倍にすぎない。この方法は更に、乳濁液
を形成して攪拌しない限り且つ反応温度が75℃以下でな
い限り反応が生起しないという欠点を有する。
反応速度を標準参照条件下での速度の10倍のオーダー
に増大させるための他の多くの方法では、反応速度増加
促進のために体積排除原理(Volume exclusion princip
le)が使用されてきた。これは合成ポリマーポリエチレ
ングリコール、デキストラン又は硫酸デキストランを用
いて核酸反応体に使用し得る反応溶液の体積を減少さ
せ、それによつて前記反応体の有効濃度を増加させると
いう方法である。しかしながらこの種の方法では、DNA
−DNA反応の場合には標準参照条件下での速度の10〜15
倍に及ぶ反応速度の増加が報告されているのに対し、RN
A−DNA反応の場合には速度増加が約3倍でしかない。こ
れらの技術の詳細については下記の文献を参照された
い。
エム・レンツ(Renz.M.)及びシー・クルツ(Kurz,
C.)、核酸リサーチ(Nucl.Acids Res.)12(1984
年)、3435; ジー・エム・ワール(Wahl,G.M.)、エム・スターン
(Stern,M.)及びジー・アール・スターク(Stark,G.
R.)、ナシヨナル・アカデミー・サイエンス・米国起要
Proc.Natl.Acad.Sci.USA)76(1979年)、3683。
以上の理由から本発明は、標準参照条件下での速度の
100倍又はそれ以上のオーダーの大幅に増大した反応速
度を実現せしめ且つDNA−DNA、RNA−DNA及びRNA−RNA反
応系に使用し得るような核酸の再生、再結合又はハイブ
リツド形成方法を提供することを主目的とする。本発明
はまた、二相系の使用又は乳濁液の形成を必要とせずに
反応速度を激増させるような方法を提供することも目的
とする。1本鎖核酸反応体の濃度を高めなくても反応速
度を激増され得るような方法を提供することも本発明の
目的である。最後に、本発明は更に、広範囲に亘る反応
混合物体積及びハイブリツド形成温度に適応し得るよう
な核酸再結合反応速度増加法を提供することも目的とす
る。
発明の概要 一般的に言えば、本発明は少なくとも一種の核酸沈降
剤を既知濃度で含む単相反応溶液を使用して反応速度を
標準参照条件下での反応速度より大幅に反応速度を速め
ることを特徴とする分離状1本鎖核酸分子からの2本鎖
核酸分子の形成法を実現することにより前述の諸目的を
達成する。本発明の改良された方法は広範囲の反応溶液
量及び核酸濃度に広く適用し得、DNA−DNA,RNA−DNA及
びRNA−RNA反応において反応速度を標準参照条件下での
反応速度の100から1000倍のオーダーで増加させる。
より特定的には、本発明の方法は互に相補し合う1本
鎖核酸を既知濃度の少なくとも1種の核酸沈降剤とを含
む反応水溶液を調製するステツプを含む。好ましくは前
記1本鎖核酸のうち少なくとも一方が検出可能マーカー
を有する。このようにして調整した反応水溶液はハイブ
リツド形成が生起し得る温度でインキユベートし、次い
で2本鎖核酸分子の存在を確認すべくアツセイにかけ
る。
本発明の方法にはその他、反応水溶液に既知濃度の核
酸変性剤をも含有せしめ、且つ核酸沈降剤を第2溶液に
含有させて、この第2溶液をインキユベーシヨンステツ
プの前に前記反応水溶液に加えるような方法もある。
本発明の種々の方法を実施するために使用する核酸沈
降剤は洗浄剤、ジヒドロキシベンゼン、サルコシル(Sa
rkosyl)並びにSO4,PO4,Cl及びHCOOのアルカリ金属塩
及びアンモニウム塩の中から選択するのが好ましい。塩
濃度は約1Mから約10Mの範囲が好ましい。また、反応水
溶液はpHが約4〜11となるように調製するのが好まし
く、有機化合物強力核酸沈降剤の濃度は好ましくは約5
容量%〜95容量%であり且つ核酸変性剤の濃度が約5容
量%〜95容量%となるのが好ましい。
インキユベーシヨン温度は2本鎖核酸結合生成物のTm
より僅かに下の値から約22℃の室温に近い値までの範囲
で選択するのが好ましい。反応水溶液に核酸変性剤を加
えればハイブリツド形成の生起する温度が低下すること
は明らかであろう。本発明の方法を使用する反応操作で
は通常このハイブリツド形成温度を室温に近い温度から
90℃までの範囲で選択する。
インキユベーシヨン後は反応溶液を種々の公知アツセ
イ法によつて分析し、2本鎖核酸生成物の存在を検出す
る。好ましいアツセイ法ではこの検出のためにヒドロキ
シアパタイト(hydroxyapatite)を使用する。
本発明の方法の別の目的、特徴及び利点は当業者には
以下の説明の要点から明らかであろう。
発明の詳細説明 広義には、本発明の方法は次の如き驚くべき発見に基
礎をおく。即ち核酸沈降剤(塩及び有機化合物の両方)
の濃度を比較的高くすると、相補的塩基配列部分をもつ
1本鎖核酸分子が互に結合して塩基対になつた2本鎖核
酸分子を形成する速度が大幅に増加する。この反応速度
は標準参照条件下での速度と比較してDNA−DNA反応の場
合には800倍、RNA−DNA反応の場合は3000倍、RNA−RNA
反応の場合は1000倍速い。更に留意すべきことは、この
ような大幅に増加した速度が単相系で得られ、乳濁液も
攪拌も必要としないことである。
これら反応のこのような著しい速度上昇は先行技術で
の教示とは全く異なるものである。例えば、しばしば用
いられる反応促進条件は約1M NaCl(又はこれと等価の
もの)であるが、この条件下では反応速度が標準参照条
件下の場合の約8〜25倍にすぎない。この程度の増加は
本発明により開示される大幅に増加した速度とは異な
る。前掲の先行技術に関する表に示されているように、
NaCl濃度を4.75Mに高めても反応速度はほんの僅かしか
増加しない。また、7.5MまでのCsCl(これも反応速度増
加用に一般的に使用されている)濃度でも速度増加は標
準参照条件下での速度の約15倍である。1M (NH4)2SO4
び1M LiClの場合も標準参照条件下での速度に対する反
応速度増加は同程度であり、各塩による増加は約13倍か
ら18倍である。この値は1M NaCl又はCsClの場合にほぼ
比肩する。しかしながら、これら既知の結果とは対照的
に、(NH4)2SO4濃度を2Mに上げると反応速度が等に33倍
増加し標準参照条件下での速度に対し約600倍と著しく
増加することが判明した。更に研究を続けた結果、LiCl
濃度を4Mに高めても前記と同程度の速度増加が得られる
ことが判明した。この場合は更に30倍の増加が見られ、
反応速度は標準参照条件下での速度の467倍に達した。
ギ酸アンモニウム、硫酸セシウム、硫酸ナトリウム、硫
酸リチウム、リン酸ナトリウム、並びに数種の洗浄剤及
び有機化合物に関しても同様の大幅な増加パターンが観
察された。
ここで留意すべきことは、同様の塩濃度を使用しなが
ら前述の如き大幅な速度増加を知見できなかつた研究者
がいることである。これらの研究者が本発明で開示され
るような著しい反応速度増加を検出し得なかつた理由
は、先行技術が通常反応速度の測定に光学的手段を用い
ていたことにあると考えられる。これらの光学的手段は
1本鎖核酸の方が2本鎖核酸より多くのUV光を吸収する
という事実に依存する。従つてアツセイは1本鎖核酸か
ら2本鎖核酸への変換に伴なう光学濃度(optical dens
ity)の減少に基づいて行なわれる。しかしながら多数
の人為結果が生起してこのような光学的測定を妨害する
こともある。核酸がこれら核酸の沈降剤の存在下におか
れた時のように凝集又は沈降する性向を示す系において
は正に前記現象が生じる。
先行技術の研究において本発明の如き方法の発見を阻
止したこれら同一の要因(凝集又は沈降)は、同時に本
発明の方法の極めて速い反応速度の原因でもあると考え
られる。核酸沈降剤は1本鎖核酸分子を凝集させ、それ
によつて反応を促進するものと想定される。前述の如
く、所与の相補的1本鎖核酸対が2本鎖核酸分子を形成
する速度は反応溶液中での1本鎖核酸の濃度に直接関連
する。この核酸濃度が高い程反応速度は速い。核酸沈降
剤を存在させると1本鎖核酸分子が溶液中で互に凝集又
は結合する。このような凝集又は半沈降は反応溶液の核
酸濃度を局部的に高める。この凝集がハイブリツド形成
又は再結合の生起し得る温度で生じれば反応速度は大幅
に増加する。
相補的1本鎖核酸分子が核酸沈降剤含有反応溶液中で
互に再結合し又はハイブリツドを形成するようにするた
めには温度を反応を生起する程十分に高くしなければな
らない。再生、再結合又はハイブリツド形成は通常関連
2本鎖核酸分子のTmより約10℃から30℃低い温度で最適
速度となる。本発明の反応溶液では大部分の2本鎖核酸
分子のTmは85℃から100℃である。本発明の反応溶液が
1種以上の核酸変性剤を含む場合はTmが大幅に低下する
ため室温程度の低温で最適反応速度に達し得る。従つて
反応温度を約20℃〜90℃にすれば最適反応速度が得られ
る筈である。
前述の如く、十分高い濃度で使用すると種々の核酸沈
降無機塩が反応速度を大幅に増加させることが判明し
た。一般に、本発明の方法に有効であつた塩はより強い
塩析(salting out)作用をもつ陰イオン又は陽イオン
群(特にSO4,PO4,Li,NH4)の少なくとも一種を含む塩
である。更に、反応溶液と混和し得且つ沈降又は塩析作
用をもつ有機化合物も反応速度を大幅に増加させる上で
有効である。このような化合物の一例としては洗浄剤、
ジヒドロキシベンゼン及びサルコシルが挙げられる。
いずれの塩又は他の化合物が本発明の方法を実施する
のに必要な核酸沈降作用を有しているかを調べるために
は、先ずその化合物が1本鎖核酸分子を沈降させるか否
かを調べ、次いで形成された沈降物(沈殿物)が反応溶
液を反応の生起し得る温度に加熱した時に消滅するか否
かを調べるべく、当該化合物を一次スクリーニングにか
ける必要がある。その後当該核酸沈降剤のアツセイを行
なつて最適反応速度増加を実現するための好ましい濃度
及びインキユベーシヨン温度を決定する。このスクリー
ニング処理では反応速度を大幅に増加させるのに必要な
核酸沈降剤の有効濃度を調べることもできる。
一例として、サルコシル(N−ラウロイルサルコシン
ナトリウム塩)をその核酸再結合速度増加能力を調べる
べく次の方法でスクリーニングにかけた。先ず既知量の
精製肝臓RNA(最終濃度4mg/ml)と種々の量のサルコシ
ル約9容量%〜24容量%)とを含む一連の溶液を調製し
た。この溶液を十分に混合し、直接目視観測か又はサル
コシルもしくは核酸のいずれも吸収しないような波長を
用いる分光光度計によつて沈降物の存在を調べた。溶液
中に沈降物が検出された場合は、その溶液を約40℃〜90
℃の温度に加熱して沈降度が変化するか否かを確かめ
た。10%〜14%のサルコシルでは核酸の沈降は殆んど又
は全く見られなかつた。しかしながら濃度を上げるとサ
ルコシルによる核酸の沈降が生じた。次いで更に多くの
実験を行なつて最適反応速度増加を達成するための好ま
しい濃度及びインキユベーシヨン温度を決定した。
種々の濃度の好ましい無機塩核酸沈降剤によつて得ら
れる反応速度の増加を次表2及び3に示した。
このようにして核酸沈降剤の性質を理解した上で、本
発明の方法を次の如く実施する。好ましい実施法の第1
ステツプは一定量の第一1本鎖核酸分子と、好ましくは
検出可能マーカーを含み且つ第一1本鎖核酸分子の対応
塩基配列セグメントに対して相補的な少なくとも1つの
塩基配列セグメントを有する一定量の第二1本鎖核酸分
子とを含む反応水溶液の調製からなる。この反応水溶液
には既知濃度の少なくとも一種の前述の核酸沈降剤をも
加える。この濃度は反応速度を標準参照条件下での反応
速度の少なくとも50倍から100倍に増加せしめるに足る
濃度である。1本鎖核酸反応体の溶解限度の如く実際面
で考慮すべき事柄以外には、本発明の方法を実施するた
めに使用し得る反応水溶液の量又は1本鎖核酸分子反応
体の量についても同様に制限はない。また、反応速度を
大幅に増加させるのに必要なものは核酸沈降剤だけであ
るということは言うまでもないことであるが、緩衝液ED
TA,SDS,SK,PK又はETOHの如き添加剤も前記反応水溶液に
加え得る。更に、少なくとも一方の1本鎖核酸分子は検
出可能マーカーを有するのが好ましいが、このマーカー
は反応速度を激増させる上で必要不可欠というわけでは
ないことにも留意されたい。
本発明の方法の次のステツプは前記反応水溶液のイン
キユベーシヨンからなる。前述の如く、該反応水溶液は
Tmより僅かに低い温度からほぼ室温までの温度で十分に
インキユベートできる。実際に使用される温度は反応体
の濃度と反応溶液に混入される別の添加剤の種類とに応
じて異なる。しかしながら通常は大体室温から90℃程度
までのインキユベーシヨン温度で反応が生起する。
本発明の方法の最終ステツプはインキユベートした反
応水溶液をアツセイにかけて2本鎖核酸分子の存在を調
べることにある。当業界では多岐に亘るアツセイ法が知
られているが、本発明ではこれらの方法を全て使用し得
る。好ましいアツセイ法の1つでは反応開始後特定の時
点でこのインキユベートした反応溶液から一部(aliquo
t)を採取する。この一部を1mlの0.14MPB(リン酸緩衝
液),0.02%ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)に希釈す
る。次いでこの希釈した溶液を67℃で0.14M PB,0.02%S
DSに対し予め平衡化したヒドロキシアパタイト(HA)カ
ラム(1mlに等しいベツド体積)に通す。1本鎖DNA分子
はHAに結合しないが、RNA及び2本鎖核酸分子はカラム
に吸着される。次いで5mlのカラム緩衝液0.14M PB,0.02
%SDSをカラムに通すことにより該カラムからハイブリ
ツド未形成1本鎖核酸分子を除去する。67℃の0.3M PB
でカラムを溶離処理することによりカラムから吸着核酸
を回収する。このようにして得た種々の溶液画分はその
後検出可能マーカー(放射性水素等)を検出すべくアツ
セイにかけ得る。
本発明の方法の別の実施法では、核酸沈降剤を含む第
2溶液を先に調製した反応水溶液に混入し、その後でこ
の混合物をインキユベートする。即ち、この実施法では
先ず前述の如き反応水溶液を調製し、該水溶液と混和し
得且つ1本鎖核酸分子を水溶液から沈降させ得るような
少なくとも1種類の核酸沈降剤を既知濃度で含む第2溶
液を前記水溶液に混入し、得られた混合物を前述の温度
でインキユベートし、最後に2本鎖核酸分子の存在を検
出すべくインキユベートした混合物のアツセイを行な
う。この方法は反応水溶液中での1本鎖核酸分子反応体
の早過ぎる凝集に伴つて生じ得る問題を完全に回避せし
める。
本発明の反応速度を増加させる方法の前記2つの実施
法は更に、少なくとも1種類の既知濃度の核酸変性剤、
例えばアルコールを前記反応水溶液に添加するステツプ
も含む。添加する変性剤の濃度は約5容量%から約95容
量%が好ましい。一例としてエタノールは変性作用をも
ち、且つ反応生起温度を低下させる。エタノールは約20
%まで2M(NH4)2SO4に溶解し得る。この程度の濃度では
反応が通常の60℃〜80℃ではなく約49℃で生起する。
本発明の方法の実施法如何に拘らず、核酸沈降剤は洗
浄剤、ジヒドロキシベンゼン、サルコシル並びにSO4,P
O4,Cl及びHCOOのアルカリ金属塩及びアンモニウム塩の
中から選択するのが好ましい。本発明ではこれら種々の
物質を1つの反応水溶液で一緒に使用することもでき
る。更に、本明細書で開示する有機化合物以外にも種々
の洗浄剤を本発明の範囲に含まれるものとして使用し得
る。即ち本明細書で特に開示され且つ本発明の請求の範
囲に記載されている化合物は、本発明の方法を実施する
のに適したものとして現在知られている化合物である。
類似の化合物は従つて本発明の範囲に含まれるものと見
なされる。
本発明の方法を実施するのに必要な核酸沈降剤の有効
濃度は、反応溶液中の核酸の量と、該溶液のpHと、他の
化合物の存在とに応じて変化する。即ちこの濃度は無機
塩化合物の場合には約1M〜10M、有機化合物の場合には
約5容量%〜約95容量%にするのが好ましい。また、反
応溶液のpHは約4〜11の間が好ましい。
最後に、反応水溶液の好ましいインキユベーシヨン温
度は前述の如くほぼ室温から約90℃までの値が好まし
い。
本発明の方法は細菌,ウイルス及び哺乳動物の核酸の
他、化学物に合成された核酸に適用し得る。反応の完全
性は強力核酸沈降剤の濃度と最初の反応溶液中の核酸の
量とに応じて異なる。核酸濃度が低ければ優に90%を越
える1本鎖核酸分子が結合して2本鎖核酸分子を形成す
ることになる。核酸濃度が高ければ反応速度が大幅に増
加しても反応完成度は約70%以下にすぎない。核酸反応
体濃度が極度に高いと反応速度の増加率が低下すること
に留意されたい。
反応水溶液中に存在する1本鎖核酸分子反応体の量は
核酸分子の溶解限度に達する上限と10-9mcgのオーダー
の下限との間の値にし得る。興味深いことに、高濃度で
のDNA:DNA又はDNA:RNA反応の反応速度増加は低濃度での
DNA:DNA及びRNA:RNA反応の場合より劣る。本発明の方法
は反応体濃度が高い場合にも低い場合にも使用し得る。
これらの事情を勘案すると好ましい反応溶液量は1ml以
下のオーダー1μlの一部分にあたるまでになる。但
し、この値は限定的なものではなく本発明の範囲内で変
化させ得ると理解されたい。尚、少量のタンパク質及び
他の細胞成分が存在しても本発明の方法の反応が著しく
妨害されることはないが、異種RNA又はDNAが過剰に存在
すると反応速度が様々な程度低下する。
大幅な反応速度増加は、塩基約60個分から塩基104
分のオーダーまでの長さをもつ核酸分子に関して得られ
た。しかしながら本発明の方法は塩基10〜15個分のオー
ダーの短かい長さをもつ核酸分子から塩基104個分を越
えるより長いものまで広範囲に亘つて適用し得る。
本発明の方法がより良く理解されるよう、以下に非限
定的実施例を示す。
実施例1 DNA−DNAハイブリツド形成速度の増加にリン酸ナトリウ
ムを使用する方法 1.塩基約300〜700個分程度の長さの音波処理した1本鎖
3H−大腸菌(E.Coli.)DNAを0.004mcg含む0.17%SDS,3
×10-3M EDTA50μlとpH=6.8の4.8Mリン酸ナトリウ
ム50μlとを十分に混合する。
2.得られた混合物を76℃でインキユベートし、処理開始
後特定時点でその一部を採取する。この一部を0.14M P
B,0.02% SDSに希釈し、前述の如くヒドロキシアパタイ
トを用いてハイブリツド形成検出アツセイにかける。
この方法を用いると反応速度が標準参照条件下での速
度の約800倍に増加する。
このような大幅な速度増加は容量、リン酸ナトリウム
濃度、DNA濃度、EDTA濃度、SDS濃度及びインキユベーシ
ヨン濃度を様々に変えても得られる。
実施例2 DNA−DNA反応速度増加に硫酸ナトリウムを用いる方法 1.音波処理した1本鎖3H−大腸菌(E.Coli)DNA(塩基
約300〜700個分の長さ)を2mcg含む水0.15mlと2.25M硫
酸ナトリウム0.85mlとを十分に混合する。
2.この混合物を77℃でインキユベートし、開始後の特定
時点で一部を採取する。これら一部を1mlの0.14M PB,0.
02%SDSに希釈し、前述の如くHAでアツセイを行なう。
この方法では参照条件下での速度の約600倍の反応速
度が得られる。
実施例3 DNA−DNAハイブリツド形成速度をLiClによつて増加させ
る方法 1.音波処理した1本鎖3H−大腸菌(E.Coli)DNA(塩基
約300〜700個分の長さ)を約10mcg含むpH=7.8の0.16M
トリス0.3mlと10M塩化リチウム0.2mlとを十分に混合す
る。
2.この混合物を76℃でインキユベートし、開始後特定時
点で一部を採取する。これら一部を前述の如く希釈し、
ハイブリツド形成検出アツセイにかける。
この方法では反応速度が参照条件下での速度の約600
倍に増加する。
実施例4 DNA−DANハイブリツド形成速度を硫酸アンモニウムによ
つて増加させる方法 A.バクテリアDNA 1.音波処理した1本鎖3H−大腸菌(E.Coli)DNA(塩基
約300〜700個分の長さ)を約5mcg含むpH=7.8の0.2Mト
リス50μlと4.0M硫酸アンモニウム50μlとを十分に混
合する。
2.この混合物を78℃でインキユベートし、開始後特定時
点で一部を採取する。該一部を前述の如き希釈し、ハイ
ブリツド形成検出アツセイにかける。
この方法では参照条件下の場合の約700倍の反応速度
が得られる。
実施例5 B.バクテリアDNA:エタノール修飾 ハイブリツド形成が生起する温度は反応混合物にエタ
ノールを加えることによつて著しく低下し得る。エタノ
ールは2M硫酸アンモニウムに約20%まで溶解し得る。
1.音波処理した1本鎖3H−大腸菌(E.Coli)DNA(塩基3
00〜700個分の長さ)を0.4mcg含む34%エタノール水溶
液0.05mlと、4M硫酸アンモニウム,0.01M EDTA及びpH=
6.8の0.1M PB 0.05mlとを十分に混合する。
2.この混合物を49℃で適当時間インキユベートし、一部
を採取する。該一部を前述の如く希釈し、ハイブリツド
形成検出アツセイにかける。
この方法では参照条件下の場合の約100倍の反応速度
が得られる。
実施例6 C.哺乳動物DNA:低濃度 1.音波処理した1本鎖3HヒトDNA(塩基約400〜800個分
の長さ)を26mcg含む0.02M EDTA 0.1mlと4M硫酸アンモ
ニウムpH=6.8の0.1M PB 0.1mlとを十分に混合する。
2.この混合物を68℃でインキユベートし、特定時点で一
部を採取する。各一部を前述の如く希釈し、ハイブリツ
ド形成検出アツセイにかける。
この方法では参照条件の場合の約200倍の反応速度が
得られる。
実施例7 D.哺乳動物DNA:低濃度:エタノール修飾 1.音波処理した1本鎖3HヒトDNA(塩基約400〜800個分
の長さ)を26mcg含む0.016M EDTA,40%エタノール水溶
液0.05mlと、4M硫酸アンモニウム,pH=6.8の0.1M PB 0.
05mlとを十分に混合する。
2.この混合物を49℃でインキユベートし、特定時点で一
部を採取する。各一部を前述の如く希釈し、ハイブリツ
ド形成検出用アツセイにかける。
この方法では参照条件の場合の約180倍の反応速度が
得られる。
実施例8 E.哺乳動物DNA:高濃度 1.音波処理した1本鎖ヒト3H DNA(塩基約400〜800個分
の長さ)を130mcg含む0.04M EDTA水溶液0.025mlと4M硫
酸アンモニウム及びpH=6.8の0.1M PB0.025mlとを十分
に混合する。
2.この混合物を68℃でインキユベートし特定時点で一部
を採取する。
各一部を前述の如く希釈し、ハイブリツド形成検出アツ
セイにかける。
この方法では参照条件の場合の約90倍の反応速度が得
られる。
実施例9 F.哺乳動物DNA:高濃度:エタノール修飾 1.40%EtoHと音波処理した1本鎖ヒト3H DNA(塩基約40
0〜800個分の長さ)を65mcgとを含む0.016M EDTA水溶液
0.0125mlと、4M硫酸アンモニウム及びpH=6.8の0.1M PB
0.0125mlとを十分に混合する。
2.この混合物を49℃でインキユベートし、特定時点で一
部を採取する。
各一部を前述の如く希釈し、ハイブリツド形成検出アツ
セイにかける。
この方法では参照条件の場合の約130倍の反応速度が
得られる。
実施例10 リン酸ナトリウムによる精製RNA−DNAハイブリツド形成
速度の増加 A.過剰RNA:0.2ml容量 1.2×10-3mcgのポリオI(Polio I)RNAと2×10-4mcg
3H−cDNA(ポリオRNAに対する相補的3H−DNA、塩基30
0〜600個分の長さ)とを含む0.2%SDS,10-3MEDTA水溶液
0.1mlとpH=6.8の4.8Mリン酸ナトリウム0.1mlとを十分
に混合する。
2.この混合物を76℃でインキユベートし、特定時点で一
部を採取する。各一部を前述の如く希釈し、ハイブリツ
ド形成検出アツセイにかける。
この方法では60℃,0.18M Naという標準参照条件下で
の速度の3300倍のハイブリツド形成速度が得られる。
実施例11 B.過剰RNA:1ml容量 1.2×10-3mcgのポリオI RNAと塩基300〜600個分の長さ
のポリオ3H−cDNA2×10-4mcgとを含む10-3M EDTA,0.2%
SDS 0.5mlをpH=6.8の4.8Mリン酸ナトリウム0.5mlと十
分に混合する。
2.この混合物を76℃でインキユベートし、特定時点で一
部を採取する。各一部を前述の如く希釈しハイブリツド
形成検出アツセイにかける。
この方法では参照条件下での速度の3300倍のハイブリ
ツド形成速度が得られる。
実施例12 C.過剰RNA:更に高分子量異種RNAを加える場合 1.2×10-3mcgのポリオI RNAと2×10-4mcgのポリオI 3H
−cDNA(塩基300〜600個分の長さ)と5mcgの子牛肝臓RN
Aとを含む10-3M EDTA,0.4%SDS水溶液0.05mlを5.1Mリン
酸ナトリウム0.05mlと十分に混合する。
2.この混合物を76℃でインキユベートし、特定時点で一
部を採取する。各一部を前述の如く希釈しハイブリツド
形成検出アツセイにかける。
この方法では参照条件の場合の600倍の反応速度が得
られる。
実施例13 D.過剰DNA: 1.1.5×10-6mcgの3H−cDNAとレジオネラ ニューモフィ
ラ(Legionella pneumophila)のリボーソームRNA1.2×
10-6mcgとを含む0.012%サルコシル0.012mlとpH=6.8の
4.8Mリン酸ナトリウム0.02mlとを十分に混合する。前記
3HcDNA(塩基100〜300個分の長さ)は前記RNAの約1/3に
対して相補的であるにすぎない。この相補的RNA及びDNA
配列のcDNA/RNA比は約4/1である。
2.この混合物を76℃でインキユベートし、特定時点で一
部を採取する。各一部を前述の如く希釈しハイブリツド
形成検出アツセイにかける。
この方法では参照条件下での速度の3000倍以上の反応
速度が得られる。
実施例14 E.過剰DNA:未精製RNA 1.10mcgのプロテイナーゼK(Proteinase K)とレジオ
ネプラニユーモフイラ(Legionella pneumophila)リボ
ソームRNAに対して相補的な10-4mcg3H−cDNA(塩基100
〜300個分の長さ)と約6×10-5mcgのリボソームRNAを
含む4400個のレジオネラプニユーモフイラ(Legionella
pneumophila)とを含む1.4×10-3M EDTA,1.4×10-3M E
GTA,0.7%SDS,0.3%サルコシル0.012mlをpH=6.8の4.8M
リン酸ナトリウム0.02mlと十分に混合する。
2.この混合物を76℃でインキユベートし、特定時点で一
部を採取する。
各一部を前述の如く希釈しハイブリツド形成検出アツセ
イにかける。
この方法では参照条件での速度の150倍以上の反応速
度が得られる。
実施例15 F.過剰RNA:未精製RNA 1.大腸菌(E.Coli)リボソームRNAに対して相補的な10
-5mcgの3H−cDNA(塩基100〜300個分の長さ)と約7×1
0-3mcgのリボソームRNAを含む5000個の大腸菌(E.Col
e)とを含む0.16%サルコシル0.012mlをpH=6.8の4.8M
リン酸ナトリウム0.02mlと十分に混合する。
2.この混合物を76℃でインキユベートし、特定時点で一
部を採取する。各一部を前述の如く希釈しハイブリツド
形成検出アツセイにかける。
この方法では参照条件での速度の100倍以上の反応速
度が得られる。
実施例16 硫酸ナトリウムによるRNA−DNAハイブリツド形成速度の
増加 1.2×10-3mcgのポリオI RNAとポリオI RNAに対して相補
的な2×10-4mcgの3H−cDNA(塩基300〜600個分の長
さ)とを含む10-3M EDTA,0.1%SDS 0.023mlを0.178mlの
2.25M硫酸ナトリウムと十分に混合する。
2.この混合物を76℃でインキユベートし、特定時点で一
部を採取する。各一部を前述の如く希釈しハイブリツド
形成検出アツセイにかける。
この方法では参照条件速度の3000倍以上の反応速度が
得られる。
実施例17 硫酸アンモウムによるRNA−DNAハイブリツド形成速度の
増加 1.2×10-3mcgのポリオI RNAとポリオI RNAに対して相補
的な2×10-4mcgの3H−cDNA(塩基300〜600の長さ)と
を含む0.2%SDS,10-3M EDTA,0.1mlを0.1mlの4M硫酸アン
モニウムと十分に混合する。
2.この混合物を77℃でインキユベートし、特定時点で一
部を採取する。各一部を前述の如く希釈しハイブリツド
形成検出アツセイにかける。
この方法では参照条件速度の約1500倍の反応速度が得
られる。
実施例18 硫酸アンモニウムによるRNA−RNAハイブリツド形成速度
の増加 1.4×10-3mcgのVSV RNAとVSV RNAに対して相補的な2×
10-4mcgの125I−cRNA(塩基300〜800の長さ)とを含む
0.2%SDS,10-3M EDTA 0.1mlを4.4M硫酸アンモニウム0.1
mlと十分に混合する。
2.87℃でインキユベートし、特定時点で一部を採取す
る。各一部を希釈し標準リボヌクレアーゼ法によつてハ
イブリツド形成検出アツセイを行なう。
この方法では0.18M Naでの速度の1000倍以上の反応速
度が得られる。
実施例19 リン酸ナトリウムによるRNA−RNAハイブリツド形成速度
の増加 1.4×10-3mcgのVSV RNAとVSV RNAに対して相補的な2×
10-4mcgのVSV125I−cRNAとを含む0.2%SDS,10-3M EDTA
0.1mlを4.8Mリン酸ナトリウム0.1mlと十分に混合する。
2.83℃でインキユベートし、特定時点で一部を採取す
る。各一部を希釈し標準リボヌクレアーゼ法によつてハ
イブリツド形成検出アツセイを行なう。
この方法では参照条件速度の500倍以上の反応速度が
得られる。
終りに当つて、以上説明してきた本発明の実施法は本
発明の原理を示すための説明にすぎず、他の核酸沈降剤
又は核酸変性剤を用いるなど種々の変形が本発明の範囲
内で可能であると理解されたい。従つて本明細書に開示
した方法は好ましい方法ではあるが、本発明はまさにこ
れらの方法には限定されない。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】試験試料または臨床試料中における別々の
    1本鎖核酸分子から2本鎖核酸分子を形成する速度を増
    大させるための核酸沈降用組成物であって、2本鎖核酸
    の形成速度を、0.18MのNaCl、60℃、同一pHという標準
    参照条件を使用する溶液中における同じ1本鎖核酸分子
    から2本鎖核酸分子を形成する速度より少なくとも100
    倍以上増大させるのに充分な濃度の、界面活性剤、ジヒ
    ドロキシベンゼン、N−ラウロイルサルコシン塩、並び
    にNaCl以外のSO4、PO4、ハロゲン及びHCOOのアルカリ金
    属塩及びアンモニウム塩より成る群の中から選択される
    少なくとも1種の核酸沈降剤を含む、前記核酸沈降用組
    成物。
  2. 【請求項2】試験試料または臨床試料中の核酸を検出す
    るためのキットであって、 a)前記核酸の塩基配列の一部分に相補的な塩基配列を
    有する核酸プローブと、 b)ハイブリダイゼーション条件下で、前記核酸と前記
    核酸プローブとがハイブリダイズする速度を、0.18MのN
    aCl、60℃、同一pHという標準参照条件時の速度より少
    なくとも100倍以上増大させるのに充分な既知濃度の、
    界面活性剤、ジヒドロキシベンゼン、N−ラウロイルサ
    ルコシン塩、並びにNaCl以外のSO4、PO4、ハロゲン及び
    HCOOのアルカリ金属塩及びアンモニウム塩より成る群の
    中から選択される少なくとも1種の核酸沈降剤と を含む前記キット。
  3. 【請求項3】試験試料または臨床試料中における別々の
    1本鎖核酸分子から2本鎖核酸分子を形成する方法であ
    って、2本鎖核酸の形成速度を、0.18MのNaCl、60℃、
    同一pHという標準参照条件を使用する溶液中における同
    じ1本鎖核酸分子から2本鎖核酸分子を形成する速度よ
    り少なくとも100倍以上増大させるのに充分な濃度の、
    界面活性剤、ジヒドロキシベンゼン、N−ラウロイルサ
    ルコシン塩、並びにNaCl以外のSO4、PO4、ハロゲン及び
    HCOOのアルカリ金属塩及びアンモニウム塩より成る群の
    中ら選択される少なくとも1種の核酸沈降剤を含む核酸
    沈降用組成物を用いる前記方法。
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JPS60110299A (ja) * 1983-08-05 1985-06-15 マイルス・ラボラトリ−ズ・インコ−ポレ−テツド tuf及びfus遺伝子プロ−ブを用いる核酸ハイブリダイゼ−シヨンによる細菌の検出方法

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