JPH08231520A - チロシナーゼ阻害剤 - Google Patents

チロシナーゼ阻害剤

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JPH08231520A
JPH08231520A JP7079294A JP7929495A JPH08231520A JP H08231520 A JPH08231520 A JP H08231520A JP 7079294 A JP7079294 A JP 7079294A JP 7929495 A JP7929495 A JP 7929495A JP H08231520 A JPH08231520 A JP H08231520A
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JP
Japan
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blackening
inhibitor
browning
tyrosinase
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Application number
JP7079294A
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English (en)
Inventor
Hiromi Ishikawa
博巳 石川
Ikumi Iwasa
育美 岩佐
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Showa Sangyo Co Ltd
Original Assignee
Showa Sangyo Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】 下記式 (式中、Rは水素原子かヒドロキシアルキル基または
そのエステル、Rは水素原子かアルキル基、Rは水
素原子かアルキル基、ヒドロキシアルキル基、1〜3個
の置換基を有してもよいピリミジルメチル基、1〜5個
の置換基を有してもよいベンジル基を表す。)で示され
るチアゾリウム誘導体およびその塩を有効成分とするチ
ロシナーゼ阻害剤。該剤を有効成分とする皮膚美白用
剤。該剤を有効成分とする黒変・褐変防止剤。 【効果】 最終的にメラニンを生成する反応系にかかわ
るチロシナーゼの活性を顕著に阻害することができ、着
色、退色が生じるなどの問題のない、チロシナーゼ阻害
剤を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、皮膚美白用剤および食
品などの黒変・褐変防止剤として有効なチロシナーゼ阻
害剤に関する。
【0002】
【従来の技術】紫外線を浴びることによって皮膚に発生
する黒化現象や、シミ、ソバカスの増加は、皮膚組織中
のメラニン色素の生成に起因するものである。また、魚
介類、青果物などの生鮮食料品や麺類などの食品の黒変
・褐変もメラニン色素の生成による場合が多い。メラニ
ンは、チロシンなどのフェノール性化合物が、チロシナ
ーゼにより酵素的に酸化され、その後多段階の反応を経
て生成されることが知られている。また、この反応系に
おいて、紫外線による自動酸化によってメラニン生成が
促進されることが知られている。
【0003】そこで、日焼けによる皮膚の黒化、シミ、
ソバカスや食品の黒変・褐変を防止するために、紫外線
吸収剤によって有害な紫外線を吸収する方法や、チロシ
ナーゼ活性を阻害することによって、メラニンの生成を
抑制しようとする試みがなされている。このうちチロシ
ナーゼ活性を阻害する方法としては、従来よりコウジ
酸、アスコルビン酸などがチロシナーゼ阻害の有効成分
として繁用されている。しかしながら、アスコルビン
酸、コウジ酸などは、食品、特に白さが要求される製品
において黒変、褐変の抑制はできるものの、製品に着
色、退色が生じるなどの問題があり、色調の保持のため
キレート剤と併用しなければならなかったり、重合燐酸
塩と併用することにより色調の変化を軽減しなければな
らなかったりしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、皮膚の黒
化、シミ、ソバカスの防止、改善効果を有する皮膚美白
用剤、および食品などの黒変・褐変防止剤として有効な
チロシナーゼ阻害剤を提供することにある。また、該剤
を添加することによる着色、退色などを起こすことのな
い、チロシナーゼ阻害剤を提供する。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、これまで
チロシナーゼ阻害活性ならびに皮膚美白効果、食品など
の黒変・褐変防止効果については全く知られていなかっ
たチアゾリウム誘導体がチロシナーゼ阻害作用を有する
ことを発見し、その発見を基に鋭意研究を重ねた結果、
本発明を完成させたものである。すなわち、本発明は一
般式(1)
【0006】
【化2】
【0007】(式中、Rは水素原子かヒドロキシアル
キル基またはそのエステル、Rは水素原子かアルキル
基、Rは水素原子かアルキル基、ヒドロキシアルキル
基、1〜3個の置換基を有してもよいピリミジニルメチ
ル基、1〜5個の置換基を有してもよいべンジル基を表
す。)で示されるチアゾリウム誘導体およびその塩を有
効成分とするチロシナーゼ阻害剤に関するものである。
【0008】上記チアゾリウム誘導体の置換基について
以下に説明する。R、Rにおけるヒドロキシアルキ
ル基は、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、ヒ
ドロキシプロピル基、ヒドロキシブチル基、ヒドロキシ
イソプロピル基、ヒドロキシイソブチル基、ヒドロキシ
ターシャリーブチル基などの直鎖状または分岐状のヒド
ロキシアルキル基を挙げることができ、また、Rにお
けるヒドロキシアルキル基のエステルは、該ヒドロキシ
アルキル基のエステルを挙げることができる。R、R
におけるアルキル基は、メチル基、エチル基、プロピ
ル基、ブチル基、イソプロピル基、イソブチル基、ター
シャリーブチル基などの直鎖状または分岐状のアルキル
基を挙げることができる。
【0009】Rにおける1〜3個の置換基を有しても
よいピリミジニルメチル基および1〜5個の置換基を有
してもよいベンジル基に置換する置換基の例としては、
メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソプロ
ピル基、イソブチル基、ターシャリーブチル基などの直
鎖状または分岐状のアルキル基、ヒドロキシメチル基、
ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基、ヒドロキ
シブチル基、ヒドロキシイソプロピル基、ヒドロキシイ
ソブチル基、ヒドロキシターシャリーブチル基などの直
鎖状または分岐状のヒドロキシアルキル基、メトキシル
基、エトキシル基、プロポキシル基、ブトキシル基、イ
ソプロポキシル基、イソブトキシル基、ターシャリーブ
トキシル基などの直鎖状または分岐状のアルコキシル
基、アミノ基および水酸基などを挙げることができる。
【0010】また、該ピリミジニルメチル基としては、
2−ピリミジニルメチル基、4−ピリミジニルメチル
基、5−ピリミジニルメチル基、6−ピリミジニルメチ
ル基を挙げることができ、特に好ましくは、5−ピリミ
ジニルメチル基である。
【0011】本発明にかかる、チアゾリウム誘導体の代
表的な例としては、3−[(4−アミノ−2−メチル−
5−ピリミジニル)メチル]−5−(2−ヒドロキシエ
チル)−4−メチルチアゾリウムクロライドモノハイド
ロクロライド、3−[4−アミノ−2−メチル−5−ピ
リミジニル)メチル]−5−(2−ホスホノキシエチ
ル)−4−メチルチアゾリウムクロライド、3−ベンジ
ル−5−(2−ヒドロキシエチル)−4−メチルチアゾ
リウムクロライド、3,4−ジメチル−5−(2−ヒド
ロキシエチル)−チアゾリウムイオダイド、3−エチル
−5−(2−ヒドロキシエチル)−4−メチルチアゾリ
ウムブロマイド、5−[2−ヒドロキシエチル]−3−
[4−ヒドロキシ−2−メチル−5−ピリミジニルメチ
ル]−4−メチルチアゾリウムクロライド、3−(2−
ヒシドロキシエチル)チアゾリウムブロマイドなどがあ
る。
【0012】本発明にかかるチアゾリウム誘導体の塩と
しては、塩酸塩、ナトリウム塩、カリウム塩、リン酸
塩、チオシアン塩、スルホン酸塩、ラウリル硫酸塩、セ
チル硫酸塩、硝酸塩などの塩類を挙げることができる。
【0013】本発明のチロシナーゼ阻害剤を、皮膚美白
用剤として利用する場合の投与方法としては、外用剤と
して皮膚に直接塗布する方法、内服剤として経口投与す
る方法などが有効である。該外用剤としては、化粧水、
ローション、乳液、クリーム、美容液、軟膏、パウダ
ー、石鹸などの形態が挙げられる。これらの外用剤は、
本発明により提供するチアゾリウム誘導体およびその塩
類に、一般に化粧品、軟膏などに使用される各種成分、
例えば、油脂類、界面活性剤、保湿剤、増粘剤、香料な
どを配合して使用することができる。さらに、紫外線吸
収剤と併用することにより、皮膚への紫外線吸収を防止
し美白効果を高めることが可能である。外用剤におい
て、チアゾリウム誘導体およびその塩類が製剤中に0.
01%〜1.5%(重量%、以下%はすべて重量%)含
有するように調製する。該内服剤としては、ドリンク
剤、錠剤、粉末剤、顆粒剤などの形態のものが挙げら
れ、チアゾリウム誘導体およびその塩類が製剤中に0.
01%〜1.5%含有するように調製する。
【0014】食品などの黒変・褐変防止剤として用いる
場合には、本発明のチアゾリウム誘導体およびその塩類
を有効成分として0.001%〜10.0%含有するよ
うに製剤を調製する。対象となる食品としては、魚介
類、青果物、蒲鉾、小麦粉・麺類・パン・パイ・その他
ベーカリー製品などの小麦粉製品などが挙げられる。使
用方法としては、魚介類の場合は飼料に配合して魚介類
に摂取させるか、適当量を注射、浸漬、噴霧すればよ
く、青果物の場合は適当量浸漬、噴霧すればよい。ま
た、小麦粉製品の場合は、原料小麦の調質時に添加する
方法、小麦粉製品製造時に他の原料と共に添加、混合す
る方法が有効である。うどん、パン、パイなどの生地の
白い製品に添加しても着色することなく、良好な製品が
得られる。
【0015】チアミン類、ビスベンチアミン類等を総称
してビタミンB1類と称し、このビタミンB1類は栄養
強化の目的で用いられている安全性の高い物質である。
本発明にかかるチアゾリウム誘導体のうち、例えばビタ
ミンB1類に属するチアミン類は、上記のとおり安全な
化合物であり、チアミン類に類似した構造であるその他
の化合物も人体に有毒なものではないと推測される。し
たがって、本発明にかかるチアゾリウム誘導体は、人体
および魚介類などの動物にたいして、安全性が高いと考
えられる。
【0016】
【実施例】以下に、試験例および実施例を挙げて、本願
発明を詳細に説明する。本願発明はこれら実施例によっ
て何ら限定されるものではない。
【0017】実施例1 紫外線吸光度法により、チアミン塩酸塩のチロシナーゼ
阻害作用を調べた。チロシナーゼ溶液は、マッシュルー
ム由来チロシナーゼ(シグマ社製)を0.1MのMcI
lvaine緩衝液(pH7.0)に溶解し、2500
ユニット/mlの濃度に調製した。基質溶液は、チロシ
ンを同緩衝液に溶解し、1.66mMの濃度に調製し
た。阻害剤溶液はコウジ酸、アスコルビン酸およびチア
ミン塩酸塩を同緩衝液に溶解し、0.1Mの濃度に調製
した。
【0018】基質溶液1000μlに同緩衝液1000
μlを混合し、これをA溶液とした。チロシナーゼ溶液
50μlに同緩衝液925μlと阻害剤溶液25μlを
混合し、これをB溶液とした。A溶液、B溶液をそれぞ
れ37℃で10分間放置後両用液を混合し、分光光度計
により反応開始15分後の吸光度(475nm)を測定
した。阻害剤無添加の対照反応液は阻害剤溶液の代わり
に同緩衝液を用いた。
【0019】阻害率は、対照反応液および阻害剤反応液
それぞれの吸光度と次式より算出した。 測定結果は表1に示した。
【0020】
【表1】
【0021】実施例2 化粧水の処方例を示す。次の処方に従い、常法により化
粧水を製造した。 チアミン塩酸塩 0.2 エタノール 4.0 1,3−ブチレングリコール 4.0 ポリオキシエチレンソルビタン モノラウリン酸エステル 1.0 パラオキシ安息香酸エステル 0.1 香料 0.1 精製水 残量
【0022】実施例3 洗顔クリームの処方例を示す。次の処方に従い、常法に
より洗顔クリームを製造した。 チアミン塩酸塩 0.5 グリセリン 2.0 ステアリン酸 20.0 ミリスチン酸 10.0 ラウリン酸 5.0 ポリオキシエチレン ラウリルエーテル 0.1 香料 0.1 水酸化カリウム 5.5 精製水 残量
【0023】実施例2および3の皮膚外用剤は、20名
のパネラーが毎日2回以上1ヶ月間皮膚に塗布したとこ
ろ、いずれも美白効果に優れていた。また、皮膚刺激
性、感作性がほとんどなく、経時安定性にも優れてい
た。
【0024】実施例4 次の配合で魚介類黒変・褐変防止剤を製造した。 チアミン塩酸塩 2.0 L−アスコルビン酸 0.5 L−アスコルビン酸ナトリウム 4.0 乳糖 12.0 ソルビトール 1.5 ミョウバン 1.2 精製水 残量
【0025】上記により調製した黒変・褐変防止剤に新
鮮なクルマエビ20匹を投入し25分間浸漬した。次い
で取り出して水切りし、5℃冷蔵庫内で2日間保存した
後、黒変の程度を肉眼で評価した。浸漬処理を行わない
クルマエビ20匹を対照区とした。評価の結果を表2に
示した。
【0026】
【表2】
【0027】実施例5 実施例4と同じ配合で青果物の黒変・褐変防止剤を製造
した。ジャガイモの皮をむき、5mm程度の厚さにスラ
イスしたものを、上記により調製した黒変・褐変防止剤
に20分間浸漬した後、常温で4時間放置した。浸漬処
理を行ったジャガイモにはほとんど褐変が生じなかっ
た。
【0028】実施例6 以下のかまぼこ材料を調製した。 チアミン硝酸塩 7.0 魚肉すり身 1000.0 食塩 25.0 馬鈴薯澱粉 100.0 冷水 225.0 砂糖 30.0 みりん 30.0 上記チアミン硝酸塩7.0をコウジ酸7.0に置き換え
た組成のかまぼこ材料を対照区、添加物なしのかまぼ
こ材料を対照区とした。上記配合の各材料を混練して
できたかまぼこ生地を成形し、蒸気のたった蒸し器に投
入し1時間蒸してかまぼこを製造した。対照区は黒変
(黒色、褐色の点状のもの)がみられたが、チアミン硝
酸塩を添加した本実施例のかまぼこは、黒変を全く生じ
なかった。また、対照区は黒変は生じなかったもの
の、生地の色に黄色みが生じた。
【0029】
【発明の効果】本発明のチアゾリウム誘導体およびその
塩は、最終的にメラニンを生成する反応系にかかわるチ
ロシナーゼの活性を顕著に阻害することができる。した
がって、本発明のチアゾリウム誘導体およびその塩を用
いることにより、皮膚の黒化、シミ、ソバカスの防止、
改善効果に優れた皮膚美白用剤を提供することができ、
また食品の黒変・褐変防止剤を提供することができる。
食品においては、特に白さを要求される製品において、
アスコルビン酸、コウジ酸などのように着色、退色が生
じる、などの問題のない良好な黒変・褐変防止剤を得る
ことができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 7/48 A61K 7/48 31/425 ADA 31/425 ADA C07D 417/04 239 C07D 417/04 239 C12N 9/99 C12N 9/99

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1) 【化1】 (式中、Rは水素原子かヒドロキシアルキル基または
    そのエステル、Rは水素原子かアルキル基、Rは水
    素原子かアルキル基、ヒドロキシアルキル基、1〜3個
    の置換基を有してもよいピリミジニルメチル基、1〜5
    個の置換基を有してもよいベンジル基を表す。)で示さ
    れるチアゾリウム誘導体およびその塩を有効成分とする
    チロシナーゼ阻害剤。
  2. 【請求項2】 請求項1のチロシナーゼ阻害剤を有効成
    分とする皮膚美白用剤。
  3. 【請求項3】 請求項1のチロシナーゼ阻害剤を有効成
    分とする黒変・褐変防止剤。
JP7079294A 1995-02-28 1995-02-28 チロシナーゼ阻害剤 Pending JPH08231520A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008104384A (ja) * 2006-10-24 2008-05-08 Kuoria:Kk 生鮮食料の変色を抑制する方法及び生鮮食料変色抑制剤
WO2009099194A1 (ja) * 2008-02-08 2009-08-13 Shiseido Company Ltd. 美白剤及び皮膚外用剤
JP2013530927A (ja) * 2010-03-23 2013-08-01 バイヤースドルフ・アクチエンゲゼルシヤフト 1種以上のチアゾール誘導体を含む美容的または皮膚科学的調製物
JP2020045290A (ja) * 2018-09-14 2020-03-26 恒隆 川口 メラニン生成抑制剤

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