JPH08230826A - 薬剤供給容器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 容積を可変することができる薬剤供給容器を
提供する。 【構成】 薬剤収納容器１の内部に第１薬剤収納室２ａ
と第２薬剤収納室２ｂを左右に設け、各室に薬剤の排出
口を形成する。第１薬剤収納室２ａと第２薬剤収納室２
ｂ間の仕切板６を左右方向に位置調整自在に設け、その
仕切板６の位置調整によって第１薬剤収納室２ａと第２
薬剤収納室２ｂの容積を反比例的に容積変化させる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、薬剤フィーダにアン
プル、バイアル、カプセル、錠剤等の薬剤を補充する薬
剤供給容器に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】アンプルやバイアル、カプセル、錠剤等
の薬剤を所要数ずつ定量排出させる薬剤フィーダは、実
公平６−６５３２９号公報等において従来から知られて
いる。

【０００３】上記薬剤フィーダによって排出される薬剤
の種類はきわめて多く、これらの薬剤を自動的に排出さ
せる薬剤払出し装置の形成に、上記薬剤フィーダが多数
用いられる。

【０００４】ここで、薬剤払出し装置は、多数の薬剤フ
ィーダの中から払出しに必要な薬剤が収納されている薬
剤フィーダを選択して必要数の薬剤を払出し、その払出
しされた薬剤を包装装置に供給し、あるいは回収トレイ
に供給している。

【０００５】上記薬剤払出し装置においては、薬剤フィ
ーダ内の薬剤の収納数が少なくなり、あるいは空になる
と、薬剤を補充することが行なわれる。その薬剤の補充
を頻繁に行なうと、補充の都度、払出し装置を停止させ
る必要があるため、払出し能率が低下する。

【０００６】そこで、薬剤フィーダのそれぞれに薬剤供
給容器を接続し、その薬剤供給容器から薬剤フィーダに
薬剤を供給し、薬剤供給容器の薬剤の収納数が少なくな
った場合に、その薬剤供給容器に薬剤を補充することに
すれば、薬剤の補充回数が少なくなり、能率の低下を抑
制することができると考えられる。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】ところで、薬剤フィー
ダのそれぞれに容量の等しい薬剤供給容器を接続する
と、形状が大きい薬剤や使用頻度の高い薬剤の場合は補
充を頻繁に行なう必要が生じる。その補充を少なくする
ため、薬剤の供給容器の大きさを相違させると、配置の
レイアウトに問題が生じる。

【０００８】この発明の課題は、容積を可変することが
できる薬剤供給装置を提供することである。

【０００９】

【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、この発明においては、薬剤収納容器の内部に複数
の薬剤収納室を水平方向に設け、各薬剤収納室に薬剤を
排出させる排出口を形成し、隣接する薬剤収納室間の仕
切板を水平方向に位置調整自在に設けた構成を採用して
いる。

【００１０】また、前記薬剤収納室間の底部にフレキシ
ブルな底板を設け、その底板にたるみをもたせて両端部
を薬剤収納容器の下部に固定し、その底板の両端部間を
前記仕切板の下端部に形成した長孔にスライド自在に挿
入して底板に張力を付与した構成を採用している。

【００１１】

【作用】上記のように、薬剤収納室間の仕切板を位置調
整自在とすることにより、その仕切板の位置を変更する
ことによって隣接する薬剤収納室間の容積を変化させる
ことができる。

【００１２】また、薬剤収納室間に設けた底板を仕切板
の長孔に挿入して底板に張力を与えると、底板は、長孔
の挿入位置から両端に向けて下り勾配をもつ傾斜状態に
常に保持されるため、薬剤収納室に収納された薬剤を底
板の傾斜に沿って薬剤収納室の底部に導くことができ、
薬剤収納室内において薬剤が滞溜するのを防止すること
ができる。

【００１３】

【実施例】以下、この発明の実施例を添付図面に基づい
て説明する。

【００１４】図１乃至図３に示すように、薬剤収納容器
１の内部には第１薬剤収納室２ａと第２薬剤収納室２ｂ
とが水平方向に設けられている。

【００１５】第１薬剤収納室２ａおよび第２薬剤収納室
２ｂの底板３ａ、３ｂは前板４に向けて下り勾配をもっ
て傾斜し、その底板３ａ、３ｂ上の薬剤は排出装置２０
の作動により上方に持ち上げられて各室２ａ、２ｂの前
板４上部に形成された排出口５から外部に排出される。

【００１６】ここで、排出装置２０は底板３ａ、３ｂの
それぞれに挿入孔２１を前板４の内面に沿って形成し、
各挿入孔２１に挿入した突き上げ部材２２の上部に１つ
の薬剤が支持される溝状の受部２３を設け、その受部２
３の底面を前板４に向けて下り勾配をもって傾斜させ、
上記突き上げ部材２２を上下動させ、その上昇時に受部
２３上に乗る薬剤Ａを上方に搬送し、排出口５の位置ま
で薬剤Ａを上昇させたのち、受部２３の傾斜に沿って薬
剤Ａを滑らせて排出口５から排出させるようにしてい
る。

【００１７】排出口５にはシュート２４が接続され、排
出口５に送り出された薬剤Ａは上記シュート２４から薬
剤フィーダ３０に送り込まれる。

【００１８】図６（Ｉ）、（II）は薬剤フィーダ３０の
一例を示す。この薬剤フィーダ３０は、円筒形ケーシン
グ３１内にロータ３２を設け、そのロータ３２を軸方向
で対向する環状板３３と円板３４間に多数の整列板３５
を、整列体３５間に薬剤Ａの１つが収納可能な間隔をお
いて設けた構成とし、上記ケーシング１３の一方の端板
３６に形成した供給口３７からロータ３２内に薬剤Ａを
供給してロータ３２を回転し、整列体３５間に侵入する
薬剤Ａをケーシング３１の内周に沿って周方向に搬送
し、上記ケーシング３１の一側部に設けた払出し口３８
の位置まで搬送された薬剤Ａを整列体３５の傾斜に沿っ
て移動させて払出し口３８から排出させるようにしてい
る。

【００１９】図１乃至図３に示すように、第１薬剤収納
室２ａと第２薬剤収納室２ｂ間の仕切板６は板状をなし
ている。

【００２０】上記仕切板６は薬剤収納容器１の内部にお
いて水平方向に位置調整自在とされ、その調整位置で仕
切板６を停止させるため、仕切板６の両側上部にピン７
を設け、一方、薬剤収納容器１の前後４および後板８の
上縁に前後一対のノッチ９を所要の間隔をおいて形成
し、上記ノッチ９に対するピン７の係合によって仕切板
６を調整位置で固定している。

【００２１】ここで、ピン７は、図４に示すように、仕
切板６に形成されたピン孔１０にスライド自在に挿入さ
れ、その背部に組込んだスプリング１１はピン７を外方
向に押圧している。

【００２２】また、ピン７には軸１２を介して摘み１３
が取付けられ、上記軸１２は仕切板６に形成された長孔
１４に挿入され、その長孔１４の両端に軸１２が当接す
る範囲内でピン７はスライドし得るようになっており、
上記ピン７を後退動させると、ピン７はピン孔１０内に
没入するようになっている。

【００２３】第１薬剤収納室２ａと第２薬剤収納室２ｂ
間の底部にはフレキシブルな底板１５が設けられてい
る。

【００２４】底板１５はたるみをもつ状態で両端部が薬
剤収納容器１の底部に固定されている。また、底板１５
は仕切板６の下部に設けた長孔１６にスライド自在に挿
入され、その挿入により底板１５の一部が引き上げられ
て各底板１５に張力が付与され、長孔に挿入された位置
から両端に向けて傾斜状に保持されている。

【００２５】上記のように、仕切板６を左右方向に位置
調整自在とすることにより、その仕切板６を位置調整す
ることによって、第１薬剤収納室２ａと第２薬剤収納室
２ｂとを反比例的に容積を変化させることができる。

【００２６】また、仕切板６を位置調整することによ
り、底板１５の引き上げ位置が左右方向に変位するが、
仕切板１５は水平方向への平行移動であるため、底板１
５は常に張力が付与されてその長孔１４に挿入された位
置から両端に至る部分は傾斜状態に保持される。

【００２７】このため、第１薬剤収納室２ａおよび第２
薬剤収納室２ｂに収納された薬剤Ａが排出口５から排出
されると、残りの薬剤Ａは底板１５の傾斜に沿って各室
２ａ、２ｂの底部にスムーズに移動し、各室２ａ、２ｂ
内で滞溜するという不都合の発生を防止することができ
る。

【００２８】実施例のように、仕切板６の両側面上部に
係合ピン１７を設け、薬剤収納容器１の両側板上部に傾
斜部１８を形成し、その傾斜部１８に上記係合ピン１７
が係合可能なピン孔１９を設けておくと、図１の鎖線で
示すように仕切板６を傾倒して係合ピン１７をピン孔１
９に係合させることにより、仕切板６と底板１５とで第
１薬剤収納室２ａ又は第２薬剤収納室２ｂの上部開口を
閉塞することができ、第１薬剤収納室２ａと第２薬剤収
納室２ｂの一方の容積を最大とすることができる。

【００２９】図１乃至図２に示す実施例では、突き上げ
部材２２の上下動によって薬剤を排出口５から排出させ
るようにしたが、図５に示すように、第１薬剤収納室２
ａおよび第２薬剤収納室２ｂの前板４下部に、傾斜状の
底板３ａ、３ｂに沿って排出口５を形成し、底板３ａ、
３ｂの傾斜に沿って移動する薬剤を上記排出口５から排
出させるようにしてもよい。

【００３０】なお、実施例では薬剤収納容器１内に２つ
の薬剤収納室を設けた例を示したが、薬剤収納室の数は
これに限定されるものではない。

【００３１】

【発明の効果】以上のように、この発明に係る薬剤供給
装置においては、隣接する薬剤収納室間の仕切板を位置
調整することによって薬剤収納室の容積を調整すること
ができる。このため、収納される薬剤の種類に応じた最
適な大きさの薬剤収納室を得ることができ、その薬剤収
納室から薬剤フィーダに薬剤を供給することによって薬
剤の頻繁な補充を防止することができ、多数の薬剤フィ
ーダで形成される薬剤払出し装置の能率向上に効果を挙
げることができる。

【００３２】また、容器外形を変えることなく薬剤収納
室の容積を調整するため、複数薬剤供給容器を必要とす
る薬剤払出し装置の形成において、上記薬剤供給容器を
高密度に配置することができ、容器配置のレイアウトも
容易である。

【００３３】さらに、薬剤収納室間の底部に設けたフレ
キシブルな底板をたるみをもたせて両端を固定し、その
底板を仕切板の下部に形成した長孔にスライド自在に挿
入して底板を緊張させるようにしたことにより、底板は
長孔に挿入された位置から両端に向けて下り勾配をもつ
傾斜状に常に保持されることになる。このため、薬剤収
納室の薬剤は底板の傾斜に沿って底部にスムースに流
れ、薬剤収納室において滞溜するのを防止することがで
きる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明に係る薬剤供給装置の一実施例を示す
縦断正面図

【図２】同上の平面図

【図３】図１のIII −III 線に沿った断面図

【図４】同上仕切板の支持部を示す断面図

【図５】薬剤供給容器の他の例を示す断面図

【図６】（Ｉ）は薬剤フィーダの一例を示す縦断正面
図、（II）は（Ｉ）のVI−VI線に沿った断面図

【符号の説明】 １ 薬剤収納容器 ２ａ 第１薬剤収納室 ２ｂ 第２薬剤収納室 ５ 排出口 ６ 仕切板 １５ 底板 １６ 長孔

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 薬剤収納容器の内部に複数の薬剤収納室
   を水平方向に設け、各薬剤収納室に薬剤を排出させる排
   出口を形成し、隣接する薬剤収納室間の仕切板を水平方
   向に位置調整自在に設けた薬剤供給容器。
2. 【請求項２】 前記薬剤収納室間の底部にフレキシブル
   な底板を設け、その底板にたるみをもたせて両端部を薬
   剤収納容器の下部に固定し、その底板の両端部間を前記
   仕切板の下端部に形成した長孔にスライド自在に挿入し
   て底板に張力を付与した請求項１に記載の薬剤供給容
   器。