JPH08229539A - 廃棄物の処理方法および廃棄物の処理装置 - Google Patents

廃棄物の処理方法および廃棄物の処理装置

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JPH08229539A
JPH08229539A JP16635295A JP16635295A JPH08229539A JP H08229539 A JPH08229539 A JP H08229539A JP 16635295 A JP16635295 A JP 16635295A JP 16635295 A JP16635295 A JP 16635295A JP H08229539 A JPH08229539 A JP H08229539A
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輝信 早田
Takumi Oikawa
巧 及川
Kazuo Kawamura
和夫 川村
Katsuhisa Kaneko
勝久 金子
Kazuo Suzuki
一雄 鈴木
Tomohiro Todoroki
朋浩 轟木
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 特定フロンや代替フロンを発泡剤として含む
発泡樹脂を構成材とする廃棄物を処理するにあたり、発
泡剤としてのフロンを効率よく回収および分解・無害化
することを可能にした廃棄物の処理方法を提供する。 【構成】 有機ハロゲン化物(フロン等)を発泡剤等と
して含む発泡樹脂を、構成材の少なくとも一部として有
する廃棄物Xを処理するにあたり、まず廃棄物Xに加熱
処理を施して、発泡樹脂から有機ハロゲン化物を排出さ
せると共に、発泡樹脂を分解する(第1の工程10)。
次に、第1の工程から排出された有機ハロゲン化物を含
有するガスに加熱分解処理を施し、有機ハロゲン化物を
分解・無害化する(第2の工程20)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、一般廃棄物や産業廃棄
物の処理方法および処理装置に係り、特に構成材の少な
くとも一部として有機ハロゲン化物含有発泡樹脂を有す
る廃棄物の処理方法および処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、廃家電製品を処理する際、一般消
費者から廃棄される場合には一般廃棄物として、また事
業者等から廃棄される場合には産業廃棄物として処理さ
れてきた。このように、同じ廃家電製品の処理であって
も、廃棄元によって対応が異なっていたが、具体的な処
理方法はどちらの場合も埋め立て処理が主流であった。
上述したような廃家電製品のうち、例えば廃冷蔵庫には
断熱材として発泡ウレタン樹脂が用いられており、この
発泡ウレタン樹脂の発泡剤としては、 CFC11やCFC12等
のフロンが主として用いられてきた。このようなフロン
を発泡剤として含む発泡ウレタン樹脂を構成材とする廃
家電製品を埋め立て処理すると、経時的に CFC11や CFC
12等のフロンが放出される危険性がある。
【0003】ところで、オゾンホールの発見以後、地球
的規模の環境意識の高揚から特定フロンによるオゾン層
の破壊が問題となっている。 CFC11や CFC12等の特定フ
ロンは、大気中に放出された場合、比較的安定な物質で
あるために、分解されずにそのまま成層圏にまで拡散す
る。その結果、成層圏において CFC11や CFC12等は、宇
宙からの強い紫外線によって分解され、オゾン層の破壊
を引き起こす。オゾン層が破壊されると、地上に有害な
紫外線が多量に到達し、生体系の破壊や人体への害等、
種々の悪影響を及ぼすことが判明している。このような
ことから、特定フロンを大気中に放出する可能性がある
廃家電製品等の処理には、単に埋め立て処理するのでは
なく、予め特定フロンを分解・無害化した上で処理する
ことが求められている。
【0004】一方、発泡剤としての CFC11や CFC12等の
特定フロンに代えて、HCFC22や HFC134a等の代替フロン
を用いることも検討されているが、これら代替フロンも
オゾン破壊係数が零ではないので、必ずしも無害とはい
えず、段階的に使用を削減することが求められている。
よって、これら代替フロンを発泡剤として含む発泡ウレ
タン樹脂を構成材とする廃棄物についても、代替フロン
を分解・無害化した上で処理することが求められてい
る。
【0005】また、一般廃棄物や産業廃棄物の排出量は
年々増加しており、これに伴って廃棄物処分場の確保が
困難になりつつあることから、リサイクル法の制定や廃
掃法の改正が実施されている。例えば、廃掃法の改正に
伴って、エアコン、冷蔵庫(250L以上)、テレビの家電
3品目は適困物として指定された。このように、事業者
特に製造者の製品の処理に対する責務遂行が義務付けら
れるようになってきている。そこで、例えば特開平5-14
7038号公報および特開平5-147039号公報には、廃家電製
品を細かく粉砕することによって、発泡樹脂や金属等を
回収すると共に、発泡樹脂中のフロンを回収する方法が
記載されている。
【0006】しかしながら、上記した粉砕回収方法は以
下に示すような難点を有している。すなわち、粉砕法で
は発泡用フロンの回収に限界があり、また密閉系におい
て粉砕しなければならず、大気の放出に注意を要する。
さらに、多段階粉砕処理に伴って工程数が増加すると共
に、別途フロン等の無害化工程が必要になる。
【0007】上述したような特定フロンまたは代替フロ
ンを発泡剤として含む発泡ウレタン樹脂は、架橋の程度
によって軟質発泡体と硬質発泡体とに分類され、軟質発
泡体は自動車部品や包装容器等として、また硬質発泡体
は断熱材や吸音材等として幅広く使用されている。この
ように、フロンを発泡剤として含む発泡ウレタン樹脂は
廃冷蔵庫等に限らず、種々の分野で使用されているた
め、このような発泡ウレタン樹脂を構成材とする廃棄物
を、予めフロンを効率よく回収し、さらには無害化した
上で処理することが可能な処理方法が求められている。
特に、冷蔵庫には発泡用特定フロンの他に、冷媒用とし
ても特定フロンが用いられているため、これらの回収や
無害化を同時に行うことが重要であるが、このような点
は未解決のままである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記したように、 CFC
11や CFC12等の特定フロンは環境問題を引き起こすこと
から、それを発泡剤として含む発泡ウレタン樹脂を構成
材とする廃棄物を、予めフロンを効率よく回収すると共
に分解・無害化した上で処理する方法が強く望まれてい
る。また、代替フロンを発泡剤として用いたものについ
ても同様である。このように、有害なフロンを発泡剤と
して含む発泡ウレタン樹脂を構成材とする廃棄物の有効
かつ効率的な処理方法が強く求められている。
【0009】本発明は、このような課題に対処するため
になされたもので、特定フロンや代替フロンを発泡剤等
として含む発泡樹脂を構成材とする廃棄物を処理するに
あたり、発泡剤等としてのフロンを効率よく回収するこ
とを可能にした廃棄物の処理方法、さらには回収したフ
ロンを効率よく分解・無害化することを可能にした廃棄
物の処理方法および廃棄物の処理装置を提供することを
目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段と作用】本発明における第
1の廃棄物の処理方法は、構成材の少なくとも一部とし
て有機ハロゲン化物含有発泡樹脂を有する廃棄物の処理
方法において、前記廃棄物に加熱処理を施し、少なくと
も前記発泡樹脂から前記有機ハロゲン化物を排出させる
第1の工程と、前記第1の工程から排出された前記有機
ハロゲン化物を含有するガスに加熱分解処理を施し、前
記有機ハロゲン化物を無害化する第2の工程とを具備す
ることを特徴としている。
【0011】また、本発明における第2の廃棄物の処理
方法は、構成材の少なくとも一部として有機ハロゲン化
物含有発泡樹脂を有する廃棄物の処理方法において、前
記廃棄物に加熱処理を施して、前記発泡樹脂の少なくと
も一部を溶融させて前記有機ハロゲン化物を排出させ、
この排出させた有機ハロゲン化物を回収することを特徴
としている。
【0012】本発明の廃棄物の処理装置は、構成材の少
なくとも一部として有機ハロゲン化物含有発泡樹脂を有
する廃棄物を加熱処理する加熱部を有し、前記廃棄物か
ら少なくとも前記有機ハロゲン化物を排出させる第1の
加熱処理機構と、前記第1の工程から排出された前記有
機ハロゲン化物を含有するガスを加熱分解処理する加熱
分解部を有し、前記有機ハロゲン化物を無害化する第2
の加熱処理機構とを具備することを特徴としている。
【0013】本発明の対象となる廃棄物としては、構成
材の少なくとも一部として、有機ハロゲン化物を発泡剤
等として含有する発泡樹脂、例えば発泡ウレタン樹脂や
発泡スチレン樹脂を有する廃棄物が例示される。廃棄物
は、発泡樹脂そのものからなるものであってもよいし、
構成材の一部が発泡樹脂からなるものでもよい。処理を
実施する具体的な廃棄物としては、廃家電製品、廃自動
車部品、廃断熱材、廃吸音材等、特に限定されるもので
はない。また、上記有機ハロゲン化物としては、炭化水
素系化合物の水素の一部または全部が塩素やフッ素等の
ハロゲン元素で置換された化合物が挙げられ、特に脂肪
族系有機ハロゲン化物が挙げられる。具体的には、いわ
ゆる特定フロン(クロロフルオロカーボン)や代替フロ
ン(ハイドロフルオロカーボンやハイドロクロロフルオ
ロカーボン等)等が例示される。なお、廃冷蔵庫のよう
に発泡樹脂の発泡剤以外にも、例えば冷媒として有機ハ
ロゲン化物(フロン等)を用いている場合には、それを
併せて処理してもよい。
【0014】本発明の第1の廃棄物の処理方法における
第1の工程、および本発明の第2の廃棄物の処理方法に
おける加熱処理工程は、廃棄物に加熱処理を施して、少
なくとも発泡樹脂から有機ハロゲン化物を排出させる工
程である。ここで、発泡樹脂が発泡ウレタン樹脂である
場合を考えると、ウレタン樹脂は323K程度から溶融等が
起こり、有機ハロゲン化物(フロン等)が排出してく
る。この加熱処理温度を例えば 323〜573K程度(好まし
くは 373〜473K)に保持することによって、発泡剤とし
ての有機ハロゲン化物の大半を回収することができる。
この際、溶剤特に323〜573Kの温度に加温した溶剤を廃
棄物に散布することによって、有機ハロゲン化物の排出
や発泡樹脂の分解等の各種反応を促進することができ
る。
【0015】上記有機ハロゲン化物の回収の後に、 453
〜973K(好ましくは 493〜823K)の温度に保持するとウ
レタン樹脂が分解し、COやNOx に混じって、イソシアネ
ート、フェノール、C1〜C8の炭化水素系ガス等の樹脂類
分解ガスが排出してくる。この樹脂類分解ガス、特に炭
化水素系ガス等の有機系ガスは、後段の有機ハロゲン化
物の分解工程へ導くことによって、分解の補助燃料とし
て使用することができる。また、第1の工程における加
熱処理の補助燃料として用いてもよい。このように、第
1の工程における加熱処理を 2段階の温度領域で実施す
ることによって、発泡樹脂からの有機ハロゲン化物の排
出と発泡樹脂の加熱分解による樹脂類分解ガスの排出と
を分離して行うことができる。
【0016】なお、ウレタン樹脂は 773〜873Kでほぼ完
全に分解する。この分解により、有機ハロゲン化物は完
全に回収される。このウレタン樹脂を分解する際の温度
を973Kを超える温度としてもそれ以上の効果が得られな
いばかりでなく、有害なガスの発生を招くおそれがあ
る。また、本発明における発泡樹脂はウレタン樹脂に限
らないため、第1の加熱工程の一般的な加熱条件は 453
〜 1073K程度であり、発泡樹脂の種類に応じた温度に設
定するものとする。
【0017】本発明の第2の廃棄物の処理方法において
は、上述したように、 2段階の温度領域で加熱処理を行
うことによって、分離して排出させた有機ハロゲン化物
および樹脂類分解ガスを個々に回収する。このガスの回
収は、例えば冷却水等の冷媒や液体窒素利用後の冷熱等
を用いて凝縮、液化することによって行われる。
【0018】また、本発明の第1の廃棄物の処理方法に
おいても、発泡樹脂の加熱分解により得られる樹脂類分
解ガスの少なくとも一部を凝縮、液化して、生成油とし
て回収してもよい。すなわち、第1の工程と第2の工程
との間に、第1の工程から排出されたガスを凝縮するガ
ス凝縮部を設けることが有効である。例えば、発泡樹脂
を加熱分解した場合、有機ハロゲン化物を含むガスの補
助燃料や後述する水素源として必要な10〜20倍程度の樹
脂類分解ガス(有機系ガス等)が発生する。このような
樹脂類分解ガスをそのまま第2の工程で燃焼させると無
駄が多く、エネルギー効率の低下を招くことになると共
に、第2の工程における温度制御が困難となるおそれが
ある。
【0019】そこで、余分な樹脂類分解ガスを凝縮液化
して回収することによって、第2の工程における無駄を
省くことができ、かつ有用な油を得ることができると共
に、第2の工程における温度制御が容易になる。なお、
樹脂類分解ガスの凝縮液化は複数段の温度範囲で冷却す
ることにより、それぞれ有用な油成分を回収することが
できる。例えば、473K± 50K、373K± 50K、室温付近の
3段階で冷却することによって、それぞれ有用な重油、
重油と軽質油の混合物、軽質油の 3種類の油成分を回収
することができる。
【0020】さらに、第1の工程と第2の工程との間に
は、有機ハロゲン化物を含むガスを一時的に貯留するガ
ス緩衝部を設けることも有効である。すなわち、第1の
工程から第2の工程に送出するガス量が変動すると、第
2の工程における処理可能量によっては有機ハロゲン化
物の分解効率が低下したり、あるいは第2の工程におけ
る処理可能量を第1の工程での最大ガス排出量に応じた
処理量としなければならなくなり、装置の大型化を招い
てしまう。そこで、ガス緩衝部で有機ハロゲン化物を含
むガスを一時的に貯留し、このガス緩衝部から第2の工
程に一定の流量で送出することによって、第2の工程の
安定化を図ることができる。
【0021】特に、ガス凝縮部で余分な樹脂類分解ガス
を凝縮液化して回収した後の必要量の樹脂類分解ガスと
有機ハロゲン化物ガスとを含むガスをガス緩衝部で一時
的に貯留し、このようなガスをガス緩衝部から第2の工
程に一定の流量で送出することが好ましい。これによっ
て、第2の工程のより一層の安定化を図ることができ
る。
【0022】上述した有機ハロゲン化物および発泡樹脂
の分解ガスは、例えば図6に示すように、加熱温度に応
じて比較的急激に排出されると共に、廃棄物の種類が同
じであればガスの排出量はほぼ廃棄物の大きさに比例す
る。すなわち、図6における廃棄物X1 と廃棄物X2
は同一材料であって、廃棄物X2 が廃棄物X1 より大き
い場合を示している。このような大きさの異なる廃棄物
を連続的もしくは断続的に処理すると、第2の工程に送
るガス量が変動するために、上述したように有機ハロゲ
ン化物の分解効率の低下や第2の工程の処理可能量の増
大に伴う装置の大型化等を招いてしまう。
【0023】そこで、本発明の廃棄物の処理方法におい
ては、第1の工程の前工程として廃棄物を処理に適した
大きさに加工する工程を実施することが好ましい。具体
的には、第1の工程からほぼ定常的な量でガスが排出さ
れるように、廃棄物を適当な大きさに加工することが好
ましい。このように、前工程で廃棄物を適当な大きさに
加工し、この廃棄物の大きさで第1の工程から排出され
る有機ハロゲン化物を含有するガスの排出量を制御する
ことによって、第2の工程における有機ハロゲン化物の
分解・無害化を安定して行うことが可能となる。
【0024】また、前工程で廃棄物を加工する際に、あ
まり小さくしすぎると加工時や保存時に有機ハロゲン化
物が揮散してしまい、本発明の処理方法の有効性が低下
するため、少なくとも廃棄物の大きさを発泡樹脂の独立
気泡粒径(発泡樹脂内の個々に独立した気泡の最大直
径)以上とすることが好ましい。図7に、発泡樹脂の一
例として発泡ウレタンフォーム断熱材を最大径 300μm
に粉砕した場合と最大径10mmに粉砕した場合の単位重量
当たりのフロンガス発生量を比較して示す。図7から明
らかなように、廃棄物をあまり微粉砕しすぎると、加熱
処理を行う前に有機ハロゲン化物(フロン)が揮散して
しまうことが分かる。なお、図7からは単に微粉砕した
だけでは有機ハロゲン化物が残存することも分かる。
【0025】廃棄物の具体的な大きさは、廃棄物の種類
や第2の工程における処理可能量によって異なるもの
の、例えば10〜 500mm角程度の大きさとすることが好ま
しい。廃棄物の大きさが10mm未満であると、加熱処理前
に揮散する有機ハロゲン化物量が増大し、一方 500mmを
超えると瞬間的なガス発生量が増大する。より好ましい
大きさは 100〜 200mm角程度である。このような形状に
は、例えばカッタやシュレッダ等の一般的な切断器具を
用いて加工すればよい。
【0026】なお、第2の工程における処理可能量によ
っては、廃棄物をそのままの大きさで処理してもよい
が、特に廃冷蔵庫等は空隙率が大きく、加熱処理時の加
熱効率や処理効率の低下を招くため、上述したような大
きさに加工した後に加熱処理(第1の工程)を実施する
ことが好ましい。
【0027】このように、本発明の第1の処理方法にお
ける第1の工程および第2の処理方法における加熱処理
工程の加熱処理温度や処理時間、さらには処理する廃棄
物の大きさ等を制御することによって、有機ハロゲン化
物ガスと発泡樹脂の分解により得られる樹脂類分解ガス
とを、個々に効率よく定常的に排出させることができ
る。また、このように有機ハロゲン化物ガスと樹脂類分
解ガスを効率よく排出させることによって、本発明の第
1の処理方法の第2の工程による有機ハロゲン化物の分
解・無害化を安定して定常的に行うことが可能となる。
すなわち、有機ハロゲン化物を安定してかつ効率よく分
解・無害化することができる。なお、本発明の第1の処
理方法における第1の工程においては、発泡樹脂の分解
と同時に有機ハロゲン化物の回収を行ってもよく、この
場合の加熱温度はウレタン樹脂の場合には 353〜873K程
度とすることが好ましく、さらに好ましくは 373〜673K
程度に加熱することである。
【0028】また、上述したような本発明の第1の処理
方法における第1の工程および第2の処理方法における
加熱処理工程は、樹脂類分解ガスからなる補助燃料の回
収効率を高めたい場合には、酸素を遮断した状態で行う
ことが好ましい。
【0029】一方、有機ハロゲン化物の回収促進や処理
時間の短縮等を図りたい場合には、少量の酸素を加熱室
(加熱炉)内に混入させ、少量の酸素を含む雰囲気中で
廃棄物を加熱処理し、発泡樹脂の一部を酸化燃焼させる
ことが好ましい。具体的な加熱雰囲気中の酸素濃度は 1
0%以下とすることが好ましい。酸素濃度が 10%を超える
と、二酸化炭素、窒素酸化物、硫黄酸化物等の生成量が
増大する。この際の加熱処理温度は 323〜1073K とする
ことが好ましい。上述した加熱処理における発泡樹脂の
部分燃焼は、有機ハロゲン化物の回収を促進する以外
に、廃棄物の初期昇温の促進や鉄、銅、アルミニウム、
鉛等の金属成分の酸化防止、すなわち金属資源の回収等
にも役立つと共に、鉛は焼却残滓に残るために鉛の外部
への飛散防止にも役立つ。このように、廃棄物の加熱処
理により廃棄物に含まれる金属成分を有効に回収するこ
とができる。
【0030】なお、第1の工程における加熱処理は、ガ
スバーナーを用いた炉や電気炉等の通常の焼成炉を用い
て行う以外に、廃棄物の主体部分が鉄等の磁性材料を多
く含んでいる場合にはこれを誘電加熱してもよい。
【0031】本発明の第1の廃棄物の処理方法における
第2の工程は、第1の工程から排出される有機ハロゲン
化物を含有するガスに加熱分解処理を施し、有機ハロゲ
ン化物を分解・無害化する工程である。この第2の工程
における加熱分解処理は、触媒を用いた加熱分解処理、
プラズマ熱分解処理、燃焼分解処理等により行う。ま
た、第2の工程の加熱分解処理は、有機ハロゲン化物の
分解を促進する水素源、例えば水、水蒸気等の H2 O 源
やプロパンガス等の存在下で行うことが好ましい。特に
H2 O 源は水素源および酸素源となるために好ましい。
また、補助燃料としての樹脂類分解ガスも水素源として
機能する。水素源は、第2の工程の加熱分解処理時に直
接添加してもよいし、予め第1の工程の加熱処理時に添
加しておいてもよい。また、水素源の添加量は、処理す
る発泡樹脂中に含まれる有機ハロゲン化物に対して 2〜
10倍モル程度とすることが好ましい。
【0032】第2の工程における加熱分解処理温度は、
適用する分解処理方法によって異なり、例えば触媒を用
いた加熱分解処理の場合には 423〜 1073Kの範囲とする
ことが好ましい。この際の加熱分解処理温度が423K未満
であると、触媒を用いても有機ハロゲン化物の分解・無
害化が十分に進行せず、また 1073Kを超えると触媒を用
いなくても分解が進行し、触媒を用いる利点が少ないた
めである。また、第2の工程の加熱分解処理は、上述し
た発泡樹脂の分解ガスを補助燃料として用いることがで
き、この場合には 423〜 1373K程度の温度とすることが
好ましい。上述したような加熱分解処理により、有機ハ
ロゲン化物は分解して無害化される。燃焼分解処理の場
合には、上記触媒を用いる場合より高温で 1773K以下程
度の温度で処理することが好ましい。
【0033】第2の工程に触媒を用いた加熱分解処理を
適用する場合、第1の工程から排出された有機ハロゲン
化物を含有するガスが 423〜 1073K程度の温度雰囲気中
で触媒と接触すると、有機ハロゲン化物が分解して塩化
水素ガスやフッ化水素ガスが生成する。有機ハロゲン化
物(フロン)は分解により無害化するが、塩化水素やフ
ッ化水素等のハロゲン化水素は腐食性ガスであるために
処理する必要がある。このハロゲン化水素の処理(排ガ
ス処理)には、カルシウム等のアルカリ土類金属を排ガ
スに直接噴霧したり、あるいはアルカリ土類金属からな
るフィルタを用いる等、固体吸着処理を適用してCaCl2
や CaF2 等としてトラップする方式を適用することが好
ましい。これは前段の第2の工程(フロン分解工程)等
に圧力の負荷を極力かけないようにするためである。
【0034】また、触媒を用いる場合、塩化水素やフッ
化水素等のハロゲン化水素は触媒を劣化させるが、逆に
この触媒をハロゲン化水素のトラップとして用いること
により、後段の排ガス処理の負担を軽減することができ
る。触媒は新しいものを継ぎ足す方式とすれば、分解量
を定常に保持することができる。第2の工程の加熱分解
処理に用いる触媒としては、 CuO、Co3 O 4 、Mn2 O
3 、 MgO、 CaO、 SiO2/ Al2 O 3 、 TiO2 /SiO2 、Cr
2 O 3 /ZrO3 、Cr2 O 3 / Al2 O 3 、 Au/Al2 O3 、 Zr
O3 /TiO2 、Pt/H3 PO4 /ZrO3 、Pt/SiO2 /TiO2 等が例
示される。
【0035】第2の工程における加熱分解処理は、触媒
を用いた加熱分解処理の他に、上述したようにプラズマ
分解処理や燃焼分解処理を適用することができ、いずれ
の方法を適用するかは処理量や有機ハロゲン化物濃度に
より適宜決定すればよい。また、プラズマ分解処理には
水蒸気プラズマを用いてもよく、これにより一層有機ハ
ロゲン化物の分解効率を高めることができる。
【0036】なお、処理対処の廃棄物が廃冷蔵庫のよう
に、発泡樹脂の発泡剤以外にも例えば冷媒として有機ハ
ロゲン化物(フロン等)を用いている場合には、それを
回収した後に第1の工程と第2の工程との間または第2
の工程に直接注入し、冷媒等としての有機ハロゲン化物
を同時に処理することもできる。
【0037】本発明の廃棄物の処理装置は、上述した本
発明の廃棄物の処理方法を適用したものであり、上述し
た廃棄物を加熱処理して、廃棄物から少なくとも有機ハ
ロゲン化物を排出させる第1の加熱処理機構と、この第
1の工程から排出された有機ハロゲン化物を含有するガ
スを加熱分解処理して、有機ハロゲン化物を無害化する
第2の加熱処理機構とを有している。
【0038】第1の加熱処理機構は、例えば発泡樹脂を
溶融および分解する加熱炉、加熱器、ガス排出部等を主
要部として備え、その他適宜水素源添加部、溶剤添加
部、酸素ガス供給部、温度制御部、残渣排出部等を備え
る。第2の加熱処理機構は、有機ハロゲン化物を加熱分
解する加熱炉やプラズマ分解炉、ガス吸入部、ガス排出
部等を主要部として備え、これらの他に適宜触媒の添加
部および排出部、水素源添加部、補助燃料供給部、温度
制御部等を備える。そして、これらの全体を監視するた
めの制御部と測定装置等を備える。
【0039】また、第1の加熱処理機構の前段部として
廃棄物解体部、粗破砕部、孔開け部等の加工部を、また
第2の加熱処理機構の後段部として排ガス処理部、残渣
排出部等を設けることができる。さらに、第1の加熱処
理機構と第2の加熱処理機構との間に、ガス凝縮部やガ
ス緩衝部等を設けることができる。またさらに、第1の
加熱処理機構と第2の加熱処理機構との間または第2の
加熱処理機構に、冷媒等としての有機ハロゲン化物を含
有するガスを注入する手段を設けてもよい。
【0040】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。
【0041】実施例1 図1は本発明の一実施例による廃棄物の処理装置の概略
構成を模式的に示す図である。図1において、10は第
1の加熱処理機構であり、この第1の加熱処理機構10
は、フロン回収炉11と発泡樹脂分解炉12と残渣排出
部13とを有している。フロン回収炉11および発泡樹
脂分解炉12は、それぞれ図示を省略したバーナー等の
加熱器を有していると共に、図示を省略した温度センサ
および制御部によりそれぞれ所定の温度で所定時間保持
されるよう構成されている。第1の加熱処理機構10に
おけるフロン回収炉11および発泡樹脂分解炉12は、
無酸素雰囲気下が加熱処理が行えるように、密閉構造と
されていると共に、図示を省略したパージ用の窒素ガス
供給部を有している。なお、フロン回収炉11および発
泡樹脂分解炉12に酸素供給部を付設して、廃棄物Xを
少量の酸素を含む雰囲気中で部分燃焼させることも可能
である。
【0042】処理対象である廃棄物Xは、コンベア14
によりフロン回収炉11、発泡樹脂分解炉12、残渣排
出部13へと順に送られる。これらフロン回収炉11お
よび発泡樹脂分解炉12における滞留時間は、図示を省
略した制御部によりそれぞれ制御される。なお、残渣排
出部13を通過した後は残渣受け部15に送られる。フ
ロン回収炉11において、廃棄物Xは例えば 353〜453K
程度の温度に昇温、保持され、廃棄物Xの構成材の一部
である発泡樹脂を例えば溶融させることにより大半のフ
ロンガスが回収される。なお、このフロン回収炉11に
溶剤供給部を付設することによって、フロンガスの回収
や初期昇温を促進することができる。フロン回収後の廃
棄物Xは発泡樹脂分解炉12に送られ、ここで 573〜87
3K程度の温度に昇温、保持される。この発泡樹脂分解炉
12において、廃棄物X中の発泡樹脂は分解されて、炭
化水素系ガス等の樹脂類分解ガスが補助燃料として回収
される。この発泡樹脂の分解によって、発泡樹脂中のフ
ロンガスは完全に回収される。
【0043】フロン回収炉11および発泡樹脂分解炉1
2の上部には、それぞれガス送出部11a、12aが設
けられており、これらガス送出部11a、12aはそれ
ぞれガス供給管16に接続されている。ガス供給管16
の他方の端部は、第2の加熱処理機構20に接続されて
いる。フロン回収炉11で回収されたフロンガスおよび
発泡樹脂分解炉12で回収された補助燃料は、それぞれ
ガス送出部11a、12aおよびガス供給管16を通っ
て第2の加熱処理機構20に送られる。
【0044】この際、フロンガスおよび補助燃料をフロ
ン回収炉11と発泡樹脂分解炉12でそれぞれ別に回収
しているため、フロンガスおよび補助燃料を効率よく回
収することができる。また、廃棄物X中の発泡樹脂は分
解されるため、発泡樹脂中のフロンは完全に回収され、
フロンの未回収による環境への悪影響は防止される。ま
た、特に処理対象である廃棄物Xをフロン回収炉11に
送る前に、処理に応じた適当な大きさに加工しておくこ
とによって、フロン回収炉11および発泡樹脂分解炉1
2で回収されるガス量を定常化することができる。これ
によって、第2の加熱処理機構20におけるフロンの分
解効率や燃料効率を高めることができると共に、フロン
分解の安定化を図ることができる。廃棄物Xの大きさは
前述したように、廃棄物の種類や第2の加熱処理機構2
0の処理可能量によって異なるものの、例えば10〜 500
mm角程度の大きさとすることが好ましく、さらに好まし
くは 100〜 200mm角程度の大きさである。
【0045】この実施例1における第2の加熱処理機構
20は、触媒供給部21を有する加熱分解炉22であ
る。なお、図示を省略したが、加熱分解炉22は触媒排
出部を有している。この加熱分解炉22は触媒分解部と
して機能する。フロン回収炉11により回収されたフロ
ン含有ガスおよび発泡樹脂分解炉12で回収された補助
燃料(発泡樹脂の分解による炭化水素系ガス等の樹脂類
分解ガス)は、それぞれ加熱分解炉22に供給される。
また、図示を省略したが、第1の加熱処理機構10およ
び第2の加熱処理機構20の少なくとも一方には水蒸気
添加部を設けることができる。
【0046】第2の加熱処理機構20においては、加熱
分解炉22に収容されたフロンガスと補助燃料とを含有
するガスに対して適当量の触媒が触媒供給部21から供
給されると共に、例えば 423〜973K程度の温度に昇温、
保持される。この触媒および加熱作用によりフロンガス
は効率よく分解される。このフロンガスに水蒸気を添加
した場合、フロンガスの分解が促進される。フロンガス
の分解により塩化水素ガスやフッ化水素ガス等のハロゲ
ン化水素が生じるか、その一部は触媒にトラップされ
る。従って、触媒の供給はハロゲン化水素により消費さ
れた触媒量を補って、一定の分解効果が得られるように
行われる。
【0047】なお、廃棄物Xが廃冷蔵庫等である場合、
発泡樹脂に含まれる発泡剤以外に、冷媒等としてフロン
が用いられている。このような場合には、第1の加熱処
理機構10と第2の加熱処理機構20との間または第2
の加熱処理機構20に、第1の加熱処理機構10から排
出されるフロンを含有するガスとは別のフロン含有ガス
を注入する手段を設け、別途回収した冷媒等としてのフ
ロンを同時に処理することができる。
【0048】第2の加熱処理機構20から排出された排
ガス中には、塩化水素ガスやフッ化水素ガス等が含まれ
るため、第2の加熱処理機構20にはその後段として排
ガス処理部30が接続されている。この実施例では、二
段のCa粉末噴霧部31、31とアルカリ水シャワー塔3
2とが接続されており、これらによって排ガス中のハロ
ゲン化水素量は環境基準以下とされる。
【0049】次に、上記構成の廃棄物の処理装置を用い
て、廃棄物Xとして廃冷蔵庫を処理した例について述べ
る。なお、この廃冷蔵庫は断熱材として発泡ウレタン樹
脂が用いられており、この発泡ウレタン樹脂は発泡剤と
して CFC12等のフロンを含有している。
【0050】処理対象である廃冷蔵庫は、まず前段部の
分解工程に送られる。ここではコンプレッサを取り外し
て、冷媒用フロン(CFC11等)が凝縮回収される。回収室
は減圧とし、フロンが外部に漏れないようにした。この
際、冷凍機油もフロンと同時に回収する。また、鉛を含
有するPC板等の有害物を含有するものは、この段階で
解体、除去する。
【0051】冷媒回収後の廃冷蔵庫には、粗破砕および
孔開け加工が施される。その方法としては、まず大きく
廃冷蔵庫を 2〜 6個、より好ましくは10〜 500mm角程度
の大きさにグラインダで切断した後、廃冷蔵庫の外箱に
ドリルで直径 8mm程度の穴を1個/100cm2 程度の割合で
開ける。また、内箱にはABS樹脂等が用いられている
ため、例えば酢酸を滴下してソルベントクラックにより
亀裂を入れることができる。具体的には、内箱に5%酢酸
をワニスに染み込ませて浸し、この状態で所定時間放置
して、ソルベントクラックを生じさせた。これらによっ
て、外部に露出する発泡ウレタン樹脂の表面積が増大し
て、温度の伝達が促進される。従って、発泡ウレタン樹
脂の分解反応を促進することができる。
【0052】なお、上述した前段部の分解処理を終えた
フロン含有発泡ウレタン樹脂を主とする廃材には、冷却
チューブや電気コード等が付いているが、これらはその
まま第1の加熱処理機構10に送った。
【0053】粗破砕または粗粉砕した廃冷蔵庫Xは、こ
れを第1の加熱処理機構10に投入した。まず、フロン
回収炉11においてバーナーで加熱し、5K/minで昇温し
て423Kになった時点でこの温度を 2時間保持した。この
フロン回収炉11で大半のフロンガスを回収して、第2
の加熱処理機構20の加熱分解炉22に供給した。次い
で、フロン回収後の廃冷蔵庫Xは、発泡樹脂分解炉12
においてバーナーで加熱し、5K/minで昇温して623Kにな
った時点でこの温度を 2時間保持した。この発泡樹脂分
解炉12でウレタン樹脂を分解して、炭化水素系ガス等
の樹脂類分解ガスを補助燃料として回収し、これをフロ
ンガスと共に第2の加熱処理機構20の加熱分解炉22
に供給した。
【0054】上記フロンガスの回収と補助燃料の回収
は、別々に同時進行で行った。すなわち、フロン回収後
の廃冷蔵庫Xからの補助燃料の回収と、次に送られてき
た廃冷蔵庫Xからのフロンガスの回収が同時に行われ、
フロン回収炉11および発泡樹脂分解炉12の温度や保
持時間、さらには廃冷蔵庫Xの大きさを制御することに
よって、それぞれの排出ガス量を調節した。これによ
り、フロンの分解効率および燃料効率を高めた。
【0055】第2の加熱処理機構20では触媒として C
uOを用い、この CuO触媒を加熱分解炉22に一定量供給
した後に雰囲気温度を873Kに保った。また、加熱分解炉
22への供給ガス流量は、 CuO触媒とのSVが3000hr-1
となるように調節した。
【0056】上述したフロンの触媒分解の前後におい
て、フロン濃度を測定したところ、分解率は 99%であっ
た。また、第2の加熱処理機構20から排出される排ガ
ス中のHClガスおよびHFガス濃度は数パーセントであっ
たが、二段のCa粉末噴霧部31、31による処理とアル
カリ水シャワー塔32による処理によって、 HClおよび
HFはそれぞれ検出限界以下になった。
【0057】また、廃冷蔵庫Xを10〜 500mm角程度の大
きさに加工した後に第1の加熱処理機構10に投入する
ことによって、装置を小形化することが可能になると共
に、廃冷蔵庫Xの空隙率が小さくなるために、単位時間
当たりの処理量を多くすることができる。
【0058】実施例2 図2は、本発明の他の実施例による廃棄物の処理装置の
概略構成を模式的に示す図である。この廃棄物の処理装
置は、図1に示した処理装置の第2の加熱処理機構にお
ける加熱分解炉22に代えてプラズマ分解炉23を有し
ている。また、回収したフロンガスにフローガスとして
水蒸気を添加する水蒸気添加部(図示せず)が設けられ
ている。この際、水蒸気の添加量はプラズマが消えない
量に調節される。水蒸気は水素源として、ハロゲンのト
ラップとして働く。これら以外の構成は、図1に示した
処理装置と同一構成とされている。
【0059】次に、上記構成の廃棄物の処理装置を用い
て、実施例1と同一の廃冷蔵庫を処理した例について述
べる。廃冷蔵庫は、実施例1と同様に前処理した後、第
1の加熱処理機構10に送った。第1の加熱処理機構1
0で、廃冷蔵庫を同様に処理してフロンガスの回収と補
助燃料の回収を行い、これらをプラズマ分解炉23に供
給して、フロンガスをプラズマで分解した。プラズマ分
解の前後のフロン濃度を測定したところ、分解率は 99.
9%であった。また、プラズマ分解炉23から排出された
排ガスは、実施例1と同様に排ガス処理したところ、同
様に HClおよびHFはそれぞれ検出限界以下になった。
【0060】実施例3 図3は、本発明のさらに他の実施例による廃棄物の処理
装置の概略構成を模式的に示す図である。この廃棄物の
処理装置は、図1に示した処理装置の第2の加熱処理機
構における加熱分解炉22に代えて燃焼分解炉24を有
しており、これ以外の構成は図1に示した処理装置と同
一構成とされている。
【0061】次に、上記構成の廃棄物の処理装置を用い
て、実施例1と同一の廃冷蔵庫を処理した例について述
べる。廃冷蔵庫は、実施例1と同様に前処理した後、第
1の加熱処理機構10に送った。第1の加熱処理機構1
0で、廃冷蔵庫を同様に処理してフロンガスの回収と補
助燃料の回収を行い、これらを燃焼分解炉24に供給し
て、 1373Kでフロンガスを燃焼処理した。燃焼分解炉2
4へのガス供給量は、SVが5000hr-1となるように調節
した。燃焼処理前後のフロン濃度を測定したところ、分
解率は 99%であった。また、燃焼分解炉24から排出さ
れた排ガスは、実施例1と同様に排ガス処理したとこ
ろ、同様に HClおよびHFはそれぞれ検出限界以下になっ
た。
【0062】実施例4 図4は、本発明のさらに他の実施例による廃棄物の処理
装置の概略構成を模式的に示す図である。この廃棄物の
処理装置は、図1に示した処理装置の第1の加熱処理機
構10と第2の加熱処理機構との間に、ガス凝縮部40
とガス緩衝部50とを順に設けたものである。なお、第
1の加熱処理機構10におけるフロン回収炉11および
発泡樹脂分解炉12には、それぞれ酸素供給源17が付
設されていると共に、図示を省略した酸素センサ、温度
センサおよび制御部によりそれぞれ所定の酸素濃度およ
び温度で所定時間保持されるよう構成されている。すな
わち、廃棄物Xを5%以下の酸素含有雰囲気中で部分燃焼
させることを可能にしている。これら以外の構成は図1
に示した処理装置と同一構成とされている。
【0063】ガス凝縮部40は、第1の加熱処理機構1
0のガス供給管16に接続されており、フロン回収炉1
1で回収されたフロンガスおよび発泡樹脂分解炉12で
回収された補助燃料は、それぞれガス送出部11a、1
2aおよびガス供給管16を通ってガス凝縮部40に送
られる。そして、ガス凝縮部40で余分な炭化水素系ガ
ス等の樹脂類分解ガスが凝縮液化されて回収されると共
に、補助燃料や水素源として必要量の樹脂類分解ガスと
フロンガスとを含むガスが第2の加熱処理機構20に送
られる。これによって、第2の加熱処理機構20の温度
制御が容易になると共に、第2の加熱処理機構20での
無駄を省いた上で、有用な油を得ることが可能となる。
【0064】ガス凝縮部40は、 3段階の温度でガスを
冷却し得るように、第1の冷却室41、第2の冷却室4
2および第3の冷却室43に分れており、それぞれ冷却
管41a、42a、43aを有している。ガスの冷却媒
体として使用される冷却水は、それぞれ冷却水入口管4
1b、42b、43bからそれぞれの冷却室41、4
2、43に導入され、冷却管41a、42a、43a内
を通過する炭化水素系ガスを冷却した後、それぞれ冷却
水出口管41c、42c、43cから排出される。第1
の冷却室41は 523〜423Kの温度に、第2の冷却室42
は 423〜323Kの温度に、第3の冷却室43は323K〜室温
になるように、図示を省略したガス温度制御装置により
制御されている。そして、第1の冷却室41では重油
が、第2の冷却室42では重油と軽質油との混合物が、
第3の冷却室43では軽質油が回収され、それぞれ油回
収タンク44、45、46に収容される。
【0065】ガス凝縮部40で余分な炭化水素系ガス等
の樹脂類分解ガスが凝縮回収されたガスは、ガス供給管
51を通ってガス緩衝部50に送られる。ガス緩衝部5
0は、フロンガスと適切な量の樹脂類分解ガス(補助燃
料)とを含むガスを一時的に貯留する緩衝容器52を有
している。緩衝容器52の内の圧力は、圧力計53で常
時測定されている。ガス凝縮部40とガス緩衝部50と
を繋ぐガス供給管51は、バルブ54が介挿された第1
のガス通路51aと、ポンプ55が介挿された第2のガ
ス通路51bとを有している。
【0066】そして、緩衝容器52内の圧力が設定値、
例えば 0.12MPa以下の場合にはバルブ54は開いてお
り、第1のガス通路51aを通ってガスは緩衝容器52
内に流入する。緩衝容器52内の圧力が設定値、例えば
大気圧を超えた場合には図示を省略した制御装置により
バルブ54が閉まると共に、ポンプ55の動作が開始さ
れ、第2のガス通路51bを通ってガスは緩衝容器52
内に流入する。また、緩衝容器52内の圧力が設定値、
例えば0.2MPaを超えた場合には図示を省略した制御装置
によって、第1の加熱機構10における発泡樹脂分解炉
12の温度を下げるように制御される。緩衝容器52の
容積は、ガス供給管51の最大ガス流量と第1の加熱機
構10における廃棄物Xの投入間隔時間との積に安全率
を乗じた値とすればよい。
【0067】緩衝容器52内のフロンガスと適切な量の
炭化水素系ガス等の樹脂類分解ガス(補助燃料)とを含
むガスは、一定の流量でガスを送出するポンプ56によ
って、ガス供給管57を通って第2の加熱機構20に送
られる。そして、第2の加熱機構20で実施例1と同様
にしてフロンガスが分解され、フロンガス分解後の排ガ
スは排ガス処理部30で処理される。
【0068】上述したように、ガス凝縮部40で余分な
炭化水素系ガス等の樹脂類分解ガスを凝縮液化して回収
し、かつフロンガスと適切な量の樹脂類分解ガスとを含
むガスをガス緩衝部50に一旦貯留すると共に、ガス緩
衝部50から一定の流量で加熱処理機構20に送出する
ことによって、第2の加熱処理機構20の温度制御が容
易になると共に、第2の加熱処理機構20における処理
量を定常化することができる。これらによって、第2の
加熱処理機構20でのフロンの分解効率の安定化や燃焼
効率の向上が図れ、また第2の加熱処理機構20を適切
な大きさとすることが可能となる。
【0069】また、この実施例の廃棄物の処理装置は、
第1の加熱処理機構10で廃棄物Xを酸素濃度が 0〜 1
0%の酸素含有雰囲気中で部分燃焼させているため、フロ
ンの回収や廃棄物Xの初期昇温を促進することができ、
さらに排ガス中における二酸化炭素、窒素酸化物、硫黄
酸化物等の酸化物量の増大を防止することができる。ま
たさらに、鉄、銅、アルミニウム、鉛等の金属成分の酸
化を抑制することができるため、金属資源の回収を容易
に行うことができると共に、鉛は焼却残滓に残るために
鉛の外部への飛散を防止することができる。
【0070】なお、第2の加熱処理機構20には、図2
に示したプラズマ分解炉23や図3に示した燃焼分解炉
24を適用してもよい。
【0071】次に、上記構成の廃棄物の処理装置を用い
て、実施例1と同一の廃冷蔵庫を処理した例について述
べる。廃冷蔵庫は、実施例1と同様に前処理した後、第
1の加熱処理機構10に送った。第1の加熱処理機構1
0では、酸素濃度が5%の酸素含有雰囲気中で加熱処理す
る以外は実施例1と同様に処理して、フロンガスの回収
および補助燃料としての炭化水素系ガス等の樹脂類分解
ガスの回収を行った。回収したフロンガスおよび樹脂類
分解ガスはガス凝縮部40に送り、前述したように余分
な有機系の樹脂類分解ガスを凝縮液化して回収した後、
ガス緩衝部50に送った。そして、ガス緩衝部50の緩
衝容器51から一定流量(240l/min)で加熱分解炉22に
送り、実施例1と同様に、 CuO触媒を供給しつつ加熱分
解処理を行った。
【0072】燃焼処理前後のフロン濃度を測定したとこ
ろ、フロンの分解率は 99%である共に、安定して上記フ
ロンの分解効率を得ることができた。
【0073】実施例5 図5は本発明のさらに他の実施例による廃棄物の処理装
置の概略構成を模式的に示す図である。図5において、
61は加熱反応容器であり、この加熱反応容器61は仕
切板62により前半部61aと後半部61bとに区切ら
れている。そして、加熱反応容器61の前半部61aお
よび後半部61bは、独立制御が可能なバーナ63a、
63bをそれぞれ有しており、 2段階の温度領域で順に
加熱処理することが可能とされている。これによって、
後述するように、フロンを含むガスと炭化水素系ガス等
の樹脂類分解ガスとが分離回収される。
【0074】加熱反応容器61の前半部61aおよび後
半部61bには、それぞれ熱電対64、64bが設置さ
れている。これら熱電対64a、64bで測定した温度
値は制御部65にフィードバックされ、この制御部65
により燃料タンク66から各バーナ63a、63bへの
燃料供給量が制御される。加熱反応容器61の前半部6
1aは例えば523K程度の温度に昇温、保持され、また後
半部61bは例えば773K程度の温度に昇温、保持されて
いる。また、加熱反応容器61内にはコンベア67が設
置されており、廃棄物Xは前半部61aから後半部61
bへと順に送られ、また処理後の残渣X′は残渣冷却室
61cに送られる。
【0075】また、加熱反応容器61には、窒素と酸素
の混合ガス供給タンク68と窒素供給タンク69が接続
されており、図示を省略した酸素センサおよび制御部に
より、加熱反応容器61内の酸素濃度が所定濃度、例え
ば 0〜5%の範囲となるように制御されている。また、窒
素供給タンク69は残渣冷却室61cにも接続されてお
り、残渣X′を残渣受け部70に排出する際には窒素ガ
スが供給され、酸素濃度が不必要に上昇することを防止
している。
【0076】廃棄物Xは原料ホッパ71から加熱反応容
器61内のコンベア67上に投入される。原料ホッパ7
1はガス置換室72を有しており、ガス置換室72には
置換用窒素ガス供給タンク73が接続されている。廃棄
物Xを加熱反応容器61内に投入する前に、ガス置換室
72において窒素ガスで置換される。
【0077】加熱反応容器61内に投入された廃棄物X
は、加熱反応容器61の前半部61aにおいて所定の酸
素含有雰囲気中で例えば523Kの温度に昇温され、廃棄物
Xの構成材の一部である発泡樹脂を溶融および部分燃焼
させることにより大半のフロンガスが排出される。加熱
反応容器61の前半部61aには、後に詳述する後半部
61bから排出する炭化水素系ガス等の樹脂類分解ガス
の凝縮油等を廃棄物Xに散布する溶剤散布部74が設け
られており、これによって廃棄物Xの昇温が加速され
る。加熱反応容器61の前半部61aから排出されたフ
ロンを含むガスは、液体窒素利用後の冷熱等を使用した
第1の凝縮器75で凝縮液化され、フロン回収タンク7
6に回収される。
【0078】フロン排出後の廃棄物Xは、続いて加熱反
応容器61の後半部61bで例えば773Kの温度に昇温さ
れ、廃棄物X中の発泡樹脂が分解されて炭化水素系ガス
等の樹脂類分解ガスが排出される。加熱反応容器61の
後半部61bから排出された有機系の樹脂類分解ガス
は、同様な冷熱を利用した第2の凝縮器77で凝縮液化
され、生成油回収タンク78に回収される。この油回収
タンク78は加熱用ヒータ79を有しており、ここで加
温された生成油は上述した溶剤散布部74を介して廃棄
物Xに散布される。
【0079】液化しない樹脂類分解ガスや窒素酸化物等
は、図示を省略した排ガス処理部に送られ、スクラバ、
活性炭吸着、アフターバーナ、脱硝触媒処理等の各種排
ガス処理が施され、大気放出規制値以下とされた後に放
出される。
【0080】次に、上記構成の廃棄物の処理装置を用い
て、廃棄物Xとして450L(106kg) 級の廃冷蔵庫を処理し
た例について述べる。まず、前処理として廃冷蔵庫から
冷媒用フロンを回収した。回収には専用のフロン回収装
置を用いた。さらに、粗粉砕するために冷凍サイクルの
チューブを切断し、コンプレッサを冷蔵庫本体から除去
した。コンプレッサ内には冷媒用フロンが約1%溶解して
いる冷凍機油が残存していた。
【0081】冷媒回収後の廃冷蔵庫は、 2軸破砕機を用
いて約 100mm角に粗破砕した。これを 5分に 8.6kg(100
L)となるように、原料ホッパ71から加熱反応容器61
内に投入した。なお、加熱反応容器61は内容積が5m3
のものを用いた。加熱反応容器61の前半部61aで
は、約423Kに加温した生成油を500ml/分で滴下した。加
熱反応容器61における温度条件は前述した通りであ
る。また、加熱反応容器61内の酸素濃度は5%に制御し
た。
【0082】また、前処理で取り外したコンプレッサも
破砕した試料と共に加熱反応容器61内に投入した。加
熱反応容器61の前半部61aでは、コンプレッサ内に
残存する冷凍機油から冷媒用フロン(CFC12) が排出し
た。ただし、冷凍機油はその成分が C15以上の分子量を
持つ炭化水素が主成分であり、加熱反応容器61の前半
部61aでは排出しないため、後半部61aで樹脂類分
解ガスとして分離排出させることができた。
【0083】雰囲気温度が523Kに保持された加熱反応容
器61の前半部61aではフロンが排出し、このフロン
は第1の凝縮器75で冷却液化して回収した。また、雰
囲気温度が773Kに保持された後半部61bでは、樹脂分
が分解されて炭化水素系ガス等の樹脂類分解ガスが排出
し、有機系の樹脂類分解ガスは第2の凝縮器77で冷却
液化して生成油として回収した。
【0084】回収後のフロンの量を定量したところ、発
泡剤からのフロン回収率は 99.9%であり、また冷媒から
のフロンの回収率は98%(ただし冷媒回収装置で回収した
分を含む)であった。
【0085】なお、上記実施例1〜5においては、第1
の加熱処理機構における廃棄物の移動手段としてコンベ
アを用いたが、例えばターンテーブル式の移動手段を用
いる等、種々の変形が可能である。
【0086】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の第1の廃
棄物の処理方法および廃棄物の処理装置によれば、フロ
ンを発泡剤等として含む発泡樹脂を構成材とする廃棄物
を処理する際に、発泡剤等としてのフロンを効率よく回
収することができると共に、フロンを安定して分解・無
害化することができる。従って、廃家電製品等の廃棄物
を環境等に悪影響を及ぼすことなく、安全に処理するこ
とが可能となる。また、本発明の第2の廃棄物の処理方
法によれば、発泡剤等としてのフロンを効率よく回収す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例1による廃棄物の処理装置の
概略構成を模式的に示す図である。
【図2】 本発明の実施例2による廃棄物の処理装置の
概略構成を模式的に示す図である。
【図3】 本発明の実施例3による廃棄物の処理装置の
概略構成を模式的に示す図である。
【図4】 本発明の実施例4による廃棄物の処理装置の
概略構成を模式的に示す図である。
【図5】 本発明の実施例5による廃棄物の処理装置の
概略構成を模式的に示す図である。
【図6】 本発明の第1の工程における廃棄物からのガ
ス排出量を説明するための概念図である。
【図7】 廃棄物の大きさに基くフロンガス排出量の差
を示す図である。
【符号の説明】
10……第1の加熱処理機構 11……フロン回収炉 12……発泡樹脂分解炉 20……第2の加熱処理機構 21……触媒供給部 22……加熱分解炉 23……プラズマ分解炉 24……燃焼分解炉 30……排ガス処理部 40……ガス凝縮部 50……ガス緩衝部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B09B 3/00 B09B 3/00 ZAB // B29B 17/02 302A (72)発明者 川村 和夫 大阪府茨木市太田東芝町1−6 株式会社 東芝大阪工場内 (72)発明者 金子 勝久 東京都港区芝浦1丁目1番1号 株式会社 東芝本社事務所内 (72)発明者 鈴木 一雄 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内 (72)発明者 轟木 朋浩 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所内

Claims (36)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 構成材の少なくとも一部として有機ハロ
    ゲン化物含有発泡樹脂を有する廃棄物の処理方法におい
    て、 前記廃棄物に加熱処理を施し、少なくとも前記発泡樹脂
    から前記有機ハロゲン化物を排出させる第1の工程と、 前記第1の工程から排出された前記有機ハロゲン化物を
    含有するガスに加熱分解処理を施し、前記有機ハロゲン
    化物を無害化する第2の工程とを具備することを特徴と
    する廃棄物の処理方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の廃棄物の処理方法におい
    て、 前記第1の工程にて、前記発泡樹脂から前記有機ハロゲ
    ン化物を排出させると共に、前記発泡樹脂を加熱分解し
    て樹脂類分解ガスを排出させることを特徴とする廃棄物
    の処理方法。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の廃棄物の処理方法におい
    て、 前記第1の工程の加熱温度および加熱時間等を制御し
    て、前記廃棄物からの前記有機ハロゲン化物の排出と前
    記発泡樹脂の加熱分解とを順に行うと共に、前記発泡樹
    脂の加熱分解により得られた前記樹脂類分解ガスを前記
    第1の工程の加熱処理または第2の工程の加熱分解処理
    の補助燃料として使用することを特徴とする廃棄物の処
    理方法。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の廃棄物の処理方法におい
    て、 前記第1の工程の前工程として、前記廃棄物を前記発泡
    樹脂の独立気泡粒径以上の大きさに加工する工程を有す
    ることを特徴とする廃棄物の処理方法。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の廃棄物の処理方法におい
    て、 前記第1の工程の前工程として、前記廃棄物を処理に適
    した大きさに加工する工程を行い、前記前工程における
    前記廃棄物の大きさにより前記第1の工程から排出され
    る前記有機ハロゲン化物を含有するガスの量を制御する
    ことを特徴とする廃棄物の処理方法。
  6. 【請求項6】 請求項1記載の廃棄物の処理方法におい
    て、 前記第1の工程を無酸素雰囲気下で行うことを特徴とす
    る廃棄物の処理方法。
  7. 【請求項7】 請求項1記載の廃棄物の処理方法におい
    て、 前記第1の工程を酸素濃度が 10%以下の酸素含有雰囲気
    中で行い、前記発泡樹脂の一部を燃焼させることを特徴
    とする廃棄物の処理方法。
  8. 【請求項8】 請求項6または請求項7記載の廃棄物の
    処理方法において、 前記第1の工程の加熱処理により前記廃棄物に含まれる
    金属成分を回収することを特徴とする廃棄物の処理方
    法。
  9. 【請求項9】 請求項1記載の廃棄物の処理方法におい
    て、 前記発泡樹脂がウレタン樹脂であり、かつ前記第1の工
    程の加熱処理を 323〜973Kの範囲の温度で行うことを特
    徴とする廃棄物の処理方法。
  10. 【請求項10】 請求項9記載の廃棄物の処理方法にお
    いて、 前記第1の工程の加熱処理を、 323〜573Kの温度領域と
    453〜973Kの温度領域の 2段階の温度領域で実施するこ
    とを特徴とする廃棄物の処理方法。
  11. 【請求項11】 請求項1記載の廃棄物の処理方法にお
    いて、 前記第2の工程の加熱分解処理を 423〜 1773Kの範囲の
    温度で行うことを特徴とする廃棄物の処理方法。
  12. 【請求項12】 請求項1記載の廃棄物の処理方法にお
    いて、 前記第1の工程および第2の工程の少なくとも一方に水
    素源を添加することを特徴とする廃棄物の処理方法。
  13. 【請求項13】 請求項1記載の廃棄物の処理方法にお
    いて、 前記第1の工程と第2の工程の間または前記第2の工程
    に、有機ハロゲン化物を含有するガスを注入することを
    特徴とする廃棄物の処理方法。
  14. 【請求項14】 請求項1記載の廃棄物の処理方法にお
    いて、 前記第2の工程の加熱分解処理を、触媒を用いた加熱分
    解処理、プラズマ分解処理または燃焼分解処理により行
    うことを特徴とする廃棄物の処理方法。
  15. 【請求項15】 請求項1記載の廃棄物の処理方法にお
    いて、 前記第2の工程の後工程として、前記第2の工程から排
    出される排ガスを処理する工程を有することを特徴とす
    る廃棄物の処理方法。
  16. 【請求項16】 請求項2記載の廃棄物の処理方法にお
    いて、 前記第1の工程と第2の工程との間に、前記第1の工程
    から排出されたガスを凝縮するガス凝縮部および前記ガ
    スを一時的に貯留するガス緩衝部の少なくとも一方を設
    けることを特徴とする廃棄物の処理方法。
  17. 【請求項17】 請求項16記載の廃棄物の処理方法に
    おいて、 前記第1の工程から排出されたガス中の前記樹脂類分解
    ガスの少なくとも一部を、前記ガス凝縮部で液化して回
    収することを特徴とする廃棄物の処理方法。
  18. 【請求項18】 請求項16記載の廃棄物の処理方法に
    おいて、 前記第1の工程と第2の工程との間に、前記ガス凝縮部
    およびガス緩衝部を順に設け、かつ前記第1の工程から
    排出されたガス中の前記樹脂類分解ガスの一部を前記ガ
    ス凝縮部で液化して回収すると共に、前記ガス凝縮部を
    経て前記ガス緩衝部に貯留された前記有機ハロゲン化物
    を含有するガスを前記第2の工程に一定の流量で送出す
    ることを特徴とする廃棄物の処理方法。
  19. 【請求項19】 請求項1記載の廃棄物の処理方法にお
    いて、 前記第1の工程で前記廃棄物に常温または加温した溶剤
    を散布し、前記発泡樹脂からの前記有機ハロゲン化物の
    排出を促進することを特徴とする廃棄物の処理方法。
  20. 【請求項20】 構成材の少なくとも一部として有機ハ
    ロゲン化物含有発泡樹脂を有する廃棄物の処理方法にお
    いて、 前記廃棄物に加熱処理を施して、前記発泡樹脂の少なく
    とも一部を溶融させて前記有機ハロゲン化物を排出さ
    せ、この排出させた有機ハロゲン化物を回収することを
    特徴とする廃棄物の処理方法。
  21. 【請求項21】 請求項20記載の廃棄物の処理方法に
    おいて、 前記発泡樹脂から前記有機ハロゲン化物を排出させると
    共に、前記発泡樹脂を加熱分解して樹脂類分解ガスを排
    出させることを特徴とする廃棄物の処理方法。
  22. 【請求項22】 請求項21記載の廃棄物の処理方法に
    おいて、 前記廃棄物の加熱温度を制御して、前記発泡樹脂からの
    前記有機ハロゲン化物の排出と前記発泡樹脂の加熱分解
    による前記樹脂類分解ガスの排出とを分離して行うこと
    を特徴とする廃棄物の処理方法。
  23. 【請求項23】 請求項20記載の廃棄物の処理方法に
    おいて、 前記廃棄物の加熱処理を酸素濃度が 0〜 10%の雰囲気中
    で行うことを特徴とする廃棄物の処理方法。
  24. 【請求項24】 請求項23記載の廃棄物の処理方法に
    おいて、 前記廃棄物の加熱処理により前記廃棄物に含まれる金属
    成分を回収することを特徴とする廃棄物の処理方法。
  25. 【請求項25】 請求項20記載の廃棄物の処理方法に
    おいて、 前記廃棄物に常温または加温した溶剤を散布し、前記発
    泡樹脂からの前記有機ハロゲン化物の排出を促進するこ
    とを特徴とする廃棄物の処理方法。
  26. 【請求項26】 請求項20記載の廃棄物の処理方法に
    おいて、 前記発泡樹脂がウレタン樹脂であり、かつ前記加熱処理
    を 323〜973Kの範囲の温度で行うことを特徴とする廃棄
    物の処理方法。
  27. 【請求項27】 請求項26記載の廃棄物の処理方法に
    おいて、 前記加熱処理を 323〜573Kの温度領域と 453〜973Kの温
    度領域の 2段階の温度領域で実施することを特徴とする
    廃棄物の処理方法。
  28. 【請求項28】 構成材の少なくとも一部として有機ハ
    ロゲン化物含有発泡樹脂を有する廃棄物を加熱処理する
    加熱部を有し、前記廃棄物から少なくとも前記有機ハロ
    ゲン化物を排出させる第1の加熱処理機構と、 前記第1の工程から排出された前記有機ハロゲン化物を
    含有するガスを加熱分解処理する加熱分解部を有し、前
    記有機ハロゲン化物を無害化する第2の加熱処理機構と
    を具備することを特徴とする廃棄物の処理装置。
  29. 【請求項29】 請求項28記載の廃棄物の処理装置に
    おいて、 前記第1の加熱処理機構における加熱部は前記発泡樹脂
    を加熱分解して樹脂類分解ガスを排出させる加熱分解部
    を兼ねることを特徴とする廃棄物の処理装置。
  30. 【請求項30】 請求項28記載の廃棄物の処理装置に
    おいて、 前記第2の加熱処理機構における加熱分解部は、触媒の
    供給部および排出部を有する加熱分解炉、プラズマ分解
    炉または燃焼分解炉であることを特徴とする廃棄物の処
    理装置。
  31. 【請求項31】 請求項28記載の廃棄物の処理装置に
    おいて、 さらに、前記第1の加熱処理機構に送られる前記廃棄物
    を、前記第2の加熱処理機構におけるガス処理量を定常
    化し得る大きさに加工する前処理部を有することを特徴
    とする廃棄物の処理装置。
  32. 【請求項32】 請求項28記載の廃棄物の処理装置に
    おいて、 さらに、前記第2の加熱処理機構から排出された排ガス
    を処理する排ガス処理部を有することを特徴とする廃棄
    物の処理装置。
  33. 【請求項33】 請求項29記載の廃棄物の処理装置に
    おいて、 さらに、前記第1の加熱処理機構と前記第2の加熱処理
    機構との間に、前記第1の加熱処理機構から排出された
    前記ガス中の前記樹脂類分解ガスの少なくとも一部を凝
    縮液化して回収するガス凝縮部が設置されていることを
    特徴とする廃棄物の処理装置。
  34. 【請求項34】 請求項33記載の廃棄物の処理装置に
    おいて、 さらに、前記ガス凝縮部と前記第2の加熱処理機構との
    間に、前記ガス凝縮部を経た前記有機ハロゲン化物を含
    有するガスを一時的に貯留するガス緩衝部が設置されて
    いることを特徴とする廃棄物の処理装置。
  35. 【請求項35】 請求項34記載の廃棄物の処理装置に
    おいて、 前記ガス緩衝部は、前記有機ハロゲン化物を含有するガ
    スを前記第2の加熱処理機構に一定の流量で送出するよ
    う構成されていることを特徴とする廃棄物の処理装置。
  36. 【請求項36】 請求項28記載の廃棄物の処理装置に
    おいて、 さらに、前記第1の加熱処理機構と前記第2の加熱処理
    機構との間、または前記第2の加熱処理機構に、有機ハ
    ロゲン化物を含むガスを注入する手段を有することを特
    徴とする廃棄物の処理装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002336836A (ja) * 2001-05-14 2002-11-26 Japan Atom Energy Res Inst ダイオキシン類及び/又はポリ塩化ビフェニルに汚染した固体の浄化装置
JP2006036806A (ja) * 2004-07-22 2006-02-09 Mugen System Kk 熱分解方法及び熱分解装置
JP2011110450A (ja) * 2009-11-24 2011-06-09 Kawasaki Heavy Ind Ltd Pcb無害化処理システム及び方法

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JP2002336836A (ja) * 2001-05-14 2002-11-26 Japan Atom Energy Res Inst ダイオキシン類及び/又はポリ塩化ビフェニルに汚染した固体の浄化装置
JP2006036806A (ja) * 2004-07-22 2006-02-09 Mugen System Kk 熱分解方法及び熱分解装置
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