JPH08229354A - 有機ハロゲン化合物の触媒による処理方法 - Google Patents

有機ハロゲン化合物の触媒による処理方法

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JPH08229354A
JPH08229354A JP7319958A JP31995895A JPH08229354A JP H08229354 A JPH08229354 A JP H08229354A JP 7319958 A JP7319958 A JP 7319958A JP 31995895 A JP31995895 A JP 31995895A JP H08229354 A JPH08229354 A JP H08229354A
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Toshiaki Arato
利昭 荒戸
Hisao Yamashita
寿生 山下
Shigeru Azuhata
茂 小豆畑
Shin Tamada
愼 玉田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】クロロフルオロカーボン類(CFC類),トリ
クロロエチレン,臭化メチル,ハロン等の有機ハロゲン
化合物を高効率で分解し、かつ触媒活性が高い処理方法
を提供する。 【解決手段】有機ハロゲン化合物を含むガス流を、チタ
ニアと酸化タングステンを含み、TiとWの原子比が、
Tiが20mol% 以上95mol% 以下、Wが80mol%
以下5mol% 以上であり、少なくともチタニアの表面が
酸化タングステンの多孔質層で覆われている触媒と、2
00〜500℃の温度で接触させることにより、有機ハ
ロゲン化合物を分解する。 【効果】フッ素,塩素,臭素のいずれを含む有機化合物
であっても、高効率で分解することができ、しかも触媒
の活性を長時間維持できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、クロロフルオロカ
ーボン類(CFC類、例えばフロン),トリクロロエチ
レン,臭化メチル,ハロン等のようにハロゲン化された
有機化合物を触媒の働きにより高効率で分解処理する方
法に関する。本発明はまた、有機ハロゲン化合物の分解
処理において使用される触媒とその調製方法及び分解処
理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】クロロフルオロカーボン,トリクロロエ
チレン,臭化メチル,ハロン等のようにフッ素,塩素或
いは臭素等のハロゲンを含む有機ハロゲン化合物は、発
泡剤,冷媒,消火剤,薫蒸剤等として広く利用されてい
る。しかし、これらの有機ハロゲン化合物はオゾン層の
破壊を引き起こし、発癌性物質の生成等、環境に対して
深刻な影響を与える。
【0003】このようなことから、有機ハロゲン化合物
を回収し、分解処理する方法が検討されている。有機ハ
ロゲン化合物の分解処理方法としては、触媒を用いる方
法,800〜900℃のように高温で燃焼する方法及び
プラズマを用いる方法等が知られている。しかしなが
ら、このうちで燃焼及びプラズマによる方法は、大量の
燃料,電力を使用するためにエネルギー効率が低く、ま
た、生成する腐食性のハロゲンにより炉壁が損傷すると
いう問題がある。特にプラズマ法では、6000℃以上
の高温になるためにエネルギーのロスが大きい。これに
対して、触媒を用いる方法は、低エネルギーで処理でき
るため、触媒の活性が高ければ優れた方法である。
【0004】触媒を用いる方法としては、特公平6−593
88号公報にチタニアを含む触媒を用いる方法が示されて
いる。ここには、チタニアと酸化タングステンを含む触
媒及びチタニアと酸化バナジウムを含む触媒等が記載さ
れている。しかし、これらの触媒と接触させる有機ハロ
ゲン化合物は、いかなる炭素ー水素結合も持たない炭素
原子数1の有機ハロゲン化合物を含むガス流に限ってお
り、実施例でもppm オーダーのCCl4 を処理する場合
の実施例しか示していない。チタニアと酸化タングステ
ンを含む触媒は、酸化タングステンを金属としてTiO
2の約0.1〜20重量%(原子比に換算すると、Tiが
92mol% 以上99.96mol%以下、Wが8mol% 以下
0.04mol% 以上)の濃度で含むことを規定してい
る。
【0005】有機ハロゲン化合物の触媒毒としての影響
は、塩素よりもフッ素の方が大きい。従って、塩素のみ
ならずフッ素や臭素等を含む有機ハロゲン化合物に対し
ても高い活性を有し、しかも活性の持続性がある触媒を
見出すことが望まれる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、塩素
の有機化合物のみならず、フッ素や臭素の有機化合物に
対しても高い活性を有し、活性の持続性がある触媒によ
り有機ハロゲン化合物を分解処理する方法を提供するこ
とにある。
【0007】また、かかる触媒の調製方法及び有機ハロ
ゲン化合物の分解処理を実施するために使用される処理
装置をも提供する。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の触媒は、チタニ
アと酸化タングステンを含み、TiとWの原子比が、T
iが20mol% 以上95mol% 以下、Wが80mol% 以
下5mol% 以上であり、少なくともチタニアの表面が酸
化タングステンの多孔質層で覆われていることを特徴と
する。
【0009】チタンとタングステンとは、酸化物の混合
物あるいは複合酸化物の形態で含有することができる。
酸化タングステンは、主にWO3 の形態で含まれる。
【0010】本発明は、塩素,フッ素,臭素等のハロゲ
ンを含む有機化合物のいずれに対しても高い活性を示す
ためには、チタンとタングステンの含有比率が重要であ
り、また酸化タングステンの多孔質層でチタニアを覆う
必要があることを見出したことに基づいている。
【0011】特公平6−59388号公報に示されているチタ
ニアと酸化タングステンとからなる触媒は、チタニアの
表面に酸化タングステンの多孔質層を具備しておらず、
従って塩素以外のフッ素,臭素等を含む有機ハロゲン化
合物に対して高い活性を示さない。
【0012】本発明の触媒は、酸化タングステンの多孔
質層がTiO2 粒子の表面にだけ存在していてもよく、
TiO2 粒子の表面と内部の両方に存在していてもよ
い。むしろ両方に存在していることが好ましい。酸化タ
ングステンよりなる多孔質層の厚さは、1Å以上5mm以
下であることが好ましい。酸化タングステン多孔質層の
厚さが薄すぎるとTiO2 がハロゲンによって被毒され
やすくなり、厚過ぎると触媒の活性が低くなる。
【0013】本発明の触媒は、硫黄,りん,モリブデ
ン,バナジウムから選ばれた少なくとも一つを含むこと
ができる。これにより触媒の耐久性がより一層高まる。
これらの元素の含有量は合計量でチタン原子に対して
0.001〜30mol%の範囲にすべきである。なお、硫
黄は硫酸塩,りんはりん酸塩,モリブデンとバナジウム
は酸化物として含まれる。
【0014】有機ハロゲン化合物が炭素数1の分子であ
る場合には、TiとWの原子比は、Tiが40mol% 以
上90mol% 以下、Wが60mol% 以下10mol% 以上
であることが好ましい。有機ハロゲン化合物が炭素数2
の分子である場合には、分子中に含まれるハロゲン元素
の数が多くなるので、TiとWの原子比を、Tiが20
mol% 以上85mol% 以下、Wが80mol% 以下15mo
l% 以上として、TiO2 粒子の表面を覆うWO3 より
なる多孔質の厚さを厚くすることが好ましい。
【0015】本発明の触媒は、粒状,ペレット状或いは
ハニカム状等に成形して使用することができる。成形法
としては、押出し成形法,打錠成形法,転動造粒法など
を適用できる。この場合、触媒の強度を向上させたり或
いは比表面積を増加させる目的で、アルミナセメント,
カルシウムーナトリウムセメント、他のセラミックス或
いは有機物成分等のバインダーを混合することができ
る。
【0016】本発明の触媒は、アルミナやシリカ等の粒
状担体に含浸等の方法で担持して使用することができ
る。また、本発明の触媒或いはアルミナやシリカ等の粒
状担体に本発明の触媒を担持したものを、セラミックス
や金属製のハニカム或いは板にコーティングして使用す
ることもできる。
【0017】本発明の有機ハロゲン化合物分解処理方法
は、有機ハロゲン化合物を含むガス流を水蒸気の存在の
もとで200〜500℃の温度で前記した触媒と接触さ
せることにある。これにより、有機ハロゲン化合物は、
二酸化炭素とハロゲン化水素、或いは一酸化炭素と二酸
化炭素とハロゲン化水素に分解される。有機ハロゲン化
合物がCFC113であるときには、一酸化炭素と二酸化炭素
とハロゲン化水素に分解される。また、有機ハロゲン化
合物がCFC11及びCFC12であるときには、二酸
化炭素とハロゲン化水素とに分解される。本発明の処理
方法によれば、有機ハロゲン化合物の分解生成物に含ま
れるハロゲンによる触媒の劣化が少なく、触媒は長時間
高い活性を維持するようになる。
【0018】有機ハロゲン化合物を含むガス流を触媒と
接触させるに当たっては、ガス流中の有機ハロゲン化合
物の含有量が30vol% を超えないようにすることが好
ましい。ガス流中の有機ハロゲン化合物の濃度が高い
と、有機ハロゲン化合物の分解率が低くなり、分解され
ずに有機ハロゲン化合物がそのまま排出されるおそれが
出てくる。ガス流中の有機ハロゲン化合物の下限量は1
000ppm を下回らないことが望ましい。有機ハロゲン
化合物が1000ppm 以下の低濃度であると、有機ハロ
ゲン化合物の分解に必要なエネルギーは小さいもののエ
ネルギーロスが生じる。
【0019】炭素数1の有機ハロゲン化合物を処理する
場合には、有機ハロゲン化合物の濃度は特に0.1〜3
0vol%の範囲が好ましく、炭素数2の有機ハロゲン化
合物を処理する場合には、有機ハロゲン化合物の濃度は
特に0.1〜10vol%の範囲が好ましい。有機ハロゲン
化合物の濃度を調製するために、有機ハロゲン化合物を
回収したならば空気等を加えることが望ましい。
【0020】水蒸気の量は、有機ハロゲン化合物の分解
に要する有効量である。例えば炭素数2の有機ハロゲン
化合物を分解する場合には、有機ハロゲン化合物に対し
てモル数で3倍以上の水蒸気をガス流中に存在させるこ
とが好ましい。
【0021】本発明による触媒の調製方法としては、W
を含む溶液をTiO2 粒にしみこませ、焼成してWをW
3 に転化する含浸方法、或いはTiO2 粒にWを含む
溶液を塗布する方法或いは蒸着による方法等が適用でき
る。
【0022】含浸法による場合には、一個一個の細かな
TiO2 粒子をWイオンがコートし、かつ均一性が優れ
る。酸化タングステンの量が多いときには、一個一個の
細かなTiO2 粒子を集合させてできたTiO2 造粒粒
子の表面にもWイオンが被覆される。
【0023】含浸法によって触媒を調製する場合には、
TiとWの原子比を、Tiが20mol% 以上90mol%
以下、Wが80mol% 以下10mol% 以上にすべきであ
る。含浸法による場合には、Tiに対するWの原子百分
率が10mol% を超えないと、TiO2 粒子の表面がW
3 の多孔質層によって覆われない。TiO2 粒子の表
面がWO3 の多孔質層によって覆われないと、TiO2
粒子の表面露出部分からハロゲンによる被毒が生じ、例
えばTiO2 粒子の露出部にTiOF2 が生成して触媒
の活性が徐々に低下するようになる。
【0024】蒸着法或いは塗布法によって触媒を調製す
る場合には、Wの原子比が5mol%程度の少量であって
もTiO2 粒子の表面にWO3 の多孔質層を形成させる
ことができる。
【0025】本発明の触媒調製方法においては、造粒に
よって得られたTiO2 粒子を用いて触媒を調製するこ
とが望ましい。造粒によって得られた粒子は、原料の粒
子を一旦砕いてからプレス等により圧縮成型し、再び破
砕して篩いで所望の粒径に選別したものであるので、造
粒粒子内部の空孔の大きさがほぼ均一であり、空孔量の
調節も容易である。造粒方法としては、転動造粒法が最
も好ましい。
【0026】本発明の触媒を調製するためのチタン原料
としては、酸化チタンの他に、加熱により酸化チタンを
生成する各種の化合物を使用できる。
【0027】チタン酸や硫酸チタン,塩化チタン,有機
チタン化合物などのチタン原料に水やアンモニア水或い
はアルカリ溶液等を加えて水酸化物の沈殿を生成し、最
終的に焼成してチタニアを生成させる方法も有効な方法
の一つである。
【0028】タングステン原料としては、酸化タングス
テン,タングステン酸,パラタングステン酸アンモニウ
ム等を用いることができる。リンタングステン酸アンモ
ニウムのように、リンとタングステンの両者を含有する
原料を用いることもできる。本発明の触媒は、触媒中の
活性点が酸性であるほど劣化しにくく、従って、触媒中
にはSやP等の触媒酸性を強める成分を含むことが望ま
しい。Sは硫酸イオン等の酸化物イオンの形で存在させ
る。
【0029】TiO2 のみからなる触媒であっても、当
初は有機ハロゲン化合物の分解に対して高い活性を有す
る。しかし、有機ハロゲン化合物がフッ素の有機化合物
である場合には、TiOF2 が生成して触媒から脱離し
てしまい活性点が減少して活性が徐々に低下する。これ
に対して酸化タングステンはフッ素とはほとんど反応し
ない。従って、TiO2 の表面を酸化タングステンより
なる多孔質層で覆うことにより、TiO2 のフッ素によ
る被毒を防止することができる。またTiO2と酸化タ
ングステンWO3 との界面に、フッ素により劣化しにく
い強酸性の新しい活性点が発現する。
【0030】酸化タングステンWO3 は、TiO2 に比
べると比表面積が小さく、酸化タングステンのみで触媒
を調製することは有効でない。
【0031】本発明の処理の対象とする有機ハロゲン化
合物は、有機化合物中にフッ素,塩素,臭素の少なくと
も一種を含有する化合物であり、例えば各種のクロロフ
ルオロカーボン(フロン),トリクロロエチレン,臭化
メチル等である。
【0032】フロン113と臭化メチルを例にとって、
本発明の有機ハロゲン化合物分解処理方法の代表的な反
応式を示すと下記のようになる。
【0033】C2Cl33+3H2O→CO+CO2+3
HCl+3HF CH3Br+3/2O2→CO+HBr+H2O これらの反応式からも明らかなように、炭素数2の有機
ハロゲン化合物の分解反応を実施する場合には、処理す
るガス中に有機ハロゲン化合物に対しモル数で3倍以上
の水蒸気を存在させておく必要がある。
【0034】有機ハロゲン化合物を含むガス流を触媒と
接触させる温度すなわち反応温度は200〜500℃の
範囲であることが好ましい。このために、有機ハロゲン
化合物を含むガス流を加熱したり或いは触媒を入れた反
応器を加熱することが好ましい。反応温度が500℃を
超えると、触媒とフッ素との反応が進行するようにな
り、触媒の活性が徐々に低下する。炭素数1の有機ハロ
ゲン化合物を処理する場合の反応温度は、250〜45
0℃が特に好ましい。また、炭素数2の有機ハロゲン化
合物を処理する場合の反応温度は、300〜500℃が
特に好ましい。
【0035】有機ハロゲン化合物を含むガス流を触媒と
接触させる時間は、非常に短くてよく、約1秒もあれば
有機ハロゲン化合物を十分に分解できる。従って、時間
あたりの空間速度を、500〜100,000 /時とい
う広い範囲で変化させることができる。炭素数1の有機
ハロゲン化合物を処理する場合の空間速度は、1,000〜
50,000 /時が特に好ましく、炭素数2の有機ハロ
ゲン化合物を処理する場合の空間速度は、500〜1
0,000 /時が特に好ましい。
【0036】本発明の処理方法を実施するために使用さ
れる反応器は、通常の固定床,移動床或いは流動床型の
ものでよいが、分解生成ガスとしてHF,HCl等の腐
食性のガスが発生するので、これらの腐食性のガスによ
って損傷しにくい材料で反応器を構成すべきである。
【0037】本発明の処理方法を実施するために使用さ
れる処理装置は、前述の反応器の他に、ガス流中の有機
ハロゲン化合物の濃度を調製する手段例えばガス流に対
して空気を供給する手段,有機ハロゲン化合物を含むガ
ス流と触媒を200〜500℃の反応温度で接触させる
ために少なくとも一方を加熱する手段,前記ガス流に対
して有機ハロゲン化合物を分解するのに有効量の水分を
供給する手段,触媒層を通過したガス流をアルカリ水溶
液で洗浄して有機ハロゲン化合物の分解生成物である二
酸化炭素の一部とハロゲン水素を中和するアルカリ洗浄
槽とを具備する。アルカリ洗浄槽の後段に、有機ハロゲ
ン化合物の分解生成物である一酸化炭素を吸着する手段
を設けることは更に好ましい。
【0038】有機ハロゲン化合物が室温で液状である場
合には、予めガス化して触媒層へ導入する。また、触媒
を加熱する方法は、電気炉でもよいし、プロパン,灯
油,都市ガス等の燃焼ガスに有機ハロゲン化合物ガス,
水蒸気を混合して触媒層へ導入しても良い。触媒を充填
する反応器の材質としては、インコネル,ハステロイ等
の耐食性材料が好ましい。アルカリ洗浄槽の構造として
は、アルカリ溶液をスプレーして洗浄するものが効率が
高く、結晶析出等による配管の閉塞が起こりにくいので
好ましい。アルカリ溶液中に分解生成ガスをバブリング
する方法或いは充填塔を用いて洗浄する方法でもよい。
【0039】本発明の分解処理装置は、トラック等に積
載して持ち運ぶものであってもよい。持ち運ぶ場所は、
例えば廃棄された冷蔵庫や自動車等の回収場所であり、
有機ハロゲン化合物を詰めたボンベの貯蔵場所である。
【0040】本発明の処理方法においては、触媒の劣化
が殆どないために、触媒の交換操作は不要或いは殆ど不
要になる。
【0041】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を説明する
が、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものでは
ない。
【0042】(実施例1)本実施例では、含浸法によっ
て調製した触媒について、TiとWの比率を変えたり或
いは処理対象ガスの種類を変えたりした場合の触媒活性
を説明する。
【0043】〔実験1〕TiとWの原子比が8:2(mol
%)である本発明による触媒と、TiとWの原子比が
9.5:0.5(mol%)である比較例触媒とを用いて、CF
C12よりなる有機ハロゲン化合物の分解処理を行い、触
媒活性を比較した。
【0044】本発明の触媒は、直径2〜3mmの粒状酸化
チタン(堺化学製、CS−224)を粉砕し、篩い分け
して0.5〜1mm の粒径にした後、120℃で2時間乾
燥し、その後、この酸化チタン100gに対してパラタ
ングステン酸アンモニウム82.2g を溶かした過酸化
水素水を含浸し、再び120℃で2時間乾燥し、500
℃で2時間焼成することによって調製した。
【0045】触媒断面を分析するため、エポキシ樹脂を
主成分とする樹脂中に触媒を固定した。触媒の断面を走
査型電子顕微鏡(SEM;Scanning Electron Microsco
py)で観察したところ、触媒粒子と樹脂との界面に白色
層が存在することが確認され、電子プローブマイクロア
ナライザーによりこの白色層はW成分であることが確認
された。白色層の厚さはおよそ105Å であった。この
触媒は、分析の結果、TiとWの原子比が8:2(mol
%)であり、S成分をTi原子に対して6.9mol%含有
していた。S成分は硫酸塩の形態で含まれていることを
確認した。
【0046】比較例触媒の調製方法は、酸化チタン10
0gに対してパラタングステン酸アンモニウム17.3
g を溶かした過酸化水素水を含浸した点を除いて、本
発明触媒の調製方法と全く同じである。比較例触媒は、
TiとWの原子比が9.5:0.5(mol%)であり、S成分
をTi原子に対して6.9mol%含有していた。S成分は
硫酸塩であった。この比較例触媒の断面を走査型電子顕
微鏡で観察したところ、白色層は確認されなかった。酸
化タングステンの量が少ないために、チタニア粒子の内
部にのみ酸化タングステンが存在し、チタニアの表面に
は酸化タングステンが現れない。
【0047】有機ハロゲン化合物CFC12の分解処理
実験は、次のようにして行った。まず反応管には内径1
6mmのインコネル製の反応管を用い、反応管の中央に触
媒層を配置し、反応管の内部に外径3mmのインコネル製
の熱電対保護管を設けた。そして分解処理中、熱電対で
触媒温度を測定した。反応管は電気炉で加熱した。水蒸
気量の調整は、所定量の純水をポンプで反応管上部に供
給し、蒸発させることで行った。
【0048】処理対象ガスの組成は下記の通りである。
【0049】 CFC12 3vol% 水蒸気 15vol% 酸素 10〜20vol% 窒素 残部 上記組成の処理対象ガスを、反応管へ供給し、触媒層を
通過した分解生成ガスをアルカリ水溶液中でバブリング
し、アルカリ水溶液を通過したガス中のCFC12濃度をF
ID(Flame Ionization Detectorの略称)ガスクロマト
グラフで分析した。ガスの空間速度は3,000 /時と
し、反応管内の触媒層温度は440℃とした。有機ハロ
ゲン化合物の分解率は次式で求めた。
【0050】
【数1】
【0051】図1に、本発明触媒と比較例触媒につい
て、500時間の連続試験を行った時の活性の変動を示
す。図1の横軸は反応時間とし、縦軸は有機ハロゲン化
合物の分解率とした。本発明の触媒は、500時間の連
続試験の間、活性の低下が見られなかったが、比較例触
媒は200時間以降から活性の低下が見られた。比較例
触媒を配置した反応管では、反応管下部の分解生成ガス
出口にTiOF2 の析出が見られた。
【0052】〔実験2〕この実験では、実験1で調製し
た本発明触媒について、処理対象ガスを炭素数2のCFC1
13に変えて触媒活性を調べた。図2に結果を示す。試験
条件は、実験1の場合と全く同様である。但し、100
時間の連続試験とした。本発明の触媒は、CFC113の分解
処理に対しても高い活性を示した。
【0053】〔実験3〕この実験では、TiとWの原子
比を変えて、CFC12の分解処理における触媒活性を
調べた。触媒の調製方法は、実験1の場合と全く同じで
ある。CFC12の濃度は6vol% と実験1の時に比べ
て高くした。その他の試験条件は実施例1の時と同じに
した。
【0054】図3は、TiとWの含有比率とCFC12
の分解率との関係を示している。分解率は、反応開始2
時間後の値である。W含有量が10〜80mol% の範囲
にある本発明触媒は、いずれも99%以上の高い分解率
を示す。国連環境計画(UNEP)では、CFC処理方法とし
て認定されるCFC分解率は99%と云われており、本
発明の触媒はその条件を満たしている。
【0055】Wの含有比率を変えることによりWO3
りなる多孔質層の厚さも変化する。そこで、図4に、W
3 多孔質層の厚さと有機ハロゲン化合物の分解率との
関係を示した。分解率は、図3と同じく反応開始2時間
後の値である。
【0056】〔実験4〕この実験では、実験1で調製し
た本発明触媒について、処理対象ガスをCFC11に変
えて触媒活性を調べた。処理対象ガスの組成は、CFC11
の濃度は3vol% である。試験条件は、20時間の連続
試験としたほかは実験1の場合と全く同様である。
【0057】結果を図5に示す。CFC11の分解率は
99.9% に達しており、また触媒活性の低下は全く見
られなかった。
【0058】〔実験5〕この実験では、実験1で調製し
た本発明触媒について、処理対象ガスの濃度を変えて実
験を行った。処理対象ガスの成分は、実験1の場合と同
じであり、CFC12の濃度を1〜10vol% の範囲で
変えた。
【0059】図6に、CFC12の濃度と分解率との関
係を示す。分解率は、反応開始1時間後の値である。C
FC12の分解率は、処理ガス中のCFC12の濃度が
高くなるにつれて低下する傾向にある。本発明の触媒
は、空間速度が3,000 /時の条件では、CFC12
の濃度が10vol% を超えない範囲において99%以上
の高い分解率を示す。
【0060】〔実験6〕この実験では、実験1で調製し
た本発明触媒について、反応温度を440℃と600℃
の二通りに変えて触媒活性を調べた。なお、実験は、C
FC11とCFC12の二種類についてそれぞれ行っ
た。CFC11とCFC12の濃度はいずれも3vol% とし
た。そのたの試験条件は実験1の場合と同様である。結
果を図7に示す。分解率は、反応開始1時間後の値であ
る。反応温度が440℃のときには100時間の連続試
験中、触媒活性の低下は見られなかったが、反応温度が
600℃のときには、反応時間の経過と共に触媒活性の
低下が見られた。
【0061】(実施例2)本実施例では、TiO2 原料
或いはタングステン原料を変え、また触媒の調製方法を
変えたときの触媒活性を調べた。分解処理は、CFC1
2について行った。
【0062】実験方法及び処理対象ガスの組成は、実験
1のときと同じである。但し、実験は10時間の連続処
理とした。
【0063】〔実験7〕この実験では、TiO2 粒を変
更したときの触媒活性を調べた。具体的には、直径0.
5〜1mm の市販の粒状酸化チタン(堺化学製、CS−3
00)を120℃で2時間乾燥し、この酸化チタン100
gに対して、パラタングステン酸アンモニウム82.2
g を溶かした過酸化水素水を含浸した。含浸後、再び
120℃で2時間乾燥し、500℃で2時間焼成して触
媒を調製した。この触媒によるCFC12の分解率を図
8に示す。実験1のときのように、粒径を小さく且つ揃
えた方が分解率は高いが、それほど大きな差はない。
【0064】〔実験8〕この実験では、造粒してなるT
iO2 粒を用いて触媒を調製した場合について、触媒活
性を調べた。
【0065】原料のチタニアは、まず直径2〜3mmの粒
状酸化チタン(堺化学製、CS−224)を用いて、こ
れを自動乳鉢で0.5mm 以下に微粉砕し、120℃で2
時間乾燥し、500℃で2時間焼成した。次に、金型に
入れて500kgf/cm2 の圧力で圧縮成型した。なお、
圧縮成型の圧力は250〜3000kgf/cm2 が好まし
い。この成型品を、粉砕,篩い分けし、0.5〜1mm の
粒径の酸化チタンを造粒した。得られたTiO2 粒10
0gに対して、パラタングステン酸アンモニウム82.
2g を溶かした過酸化水素水を含浸した。含浸後、再
び120℃で2時間乾燥し、500℃で2時間焼成し
た。この触媒の断面をSEM分析及び電子プローブマイ
クロアナライザーにより成分分析した結果、TiO2
の表面にWO3 の多孔質層が確認された。
【0066】CFC12の分解率と反応時間との関係を
図9に示す。造粒によって得られたチタニア粒子を触媒
原料に用いたものは、反応時間の経過に伴う分解率のば
らつきが比較的少なく、触媒原料として適している。
【0067】〔実験9〕この実験でも、造粒により得ら
れたTiO2 粒を用いて触媒を調製した場合の触媒活性
を調べた。実験8と造粒方法が異なる。具体的には、直
径2〜3mmの粒状酸化チタン(堺化学製、CSー22
4)を自動乳鉢で微粉砕し、120℃で2時間乾燥し
た。この乾燥酸化チタン粉末100gとパラタングステ
ン酸アンモニウム41.1g を、蒸留水を添加しなが
ら、らいかい機を用いて十分に混合した。得られたスラ
リーを150℃で2時間乾燥後、500℃で2時間焼成
した。得られた粉末を金型に入れ、500kgf/cm2
圧力で圧縮成型した。成型品を、粉砕,篩い分けして
0.5〜1mm 粒径の酸化チタンに造粒した。得られた酸
化チタン粒子100gに対して、パラタングステン酸ア
ンモニウム41.1gを溶かした過酸化水素水を含浸した。
含浸後、再び120℃で2時間乾燥し、500℃で2時
間焼成して触媒を調製した。
【0068】触媒の断面をSEM分析及び電子プローブ
マイクロアナライザーにより成分分析した結果、酸化チ
タン粒子表面にWO3 の多孔質層が確認された。CFC
12の分解率と反応時間との関係を図10に示す。ここ
でも造粒によって得られた酸化チタン粒子は触媒原料と
して適していることが確認された。
【0069】〔実験10〕この実験では、実験9におい
て、酸化チタン粒子にパラタングステン酸アンモニウム
を溶かした過酸化水素水を含浸していたのを、酸化チタ
ン乾燥粉末とパラタングステン酸アンモニウムを過酸化
水素を添加しながら混合する方法に変えた場合の触媒活
性を調べた。過酸化水素を用いることでタングステンを
さらに高分散させることができる。
【0070】この触媒によるCFC12の分解率を図1
1に示す。
【0071】〔実験11〕この実験では、実験1のとき
と含浸方法を変えて触媒活性を調べた。
【0072】パラタングステン酸アンモニウム82.2
g を溶かした過酸化水素水中に酸化チタン粒子100
gを浸し、その後、120℃で2時間乾燥し、500℃
で2時間焼成して触媒を調製した。この触媒によるCF
C12の分解率は、反応開始50h後の値で99.9%
であった。
【0073】〔実験12〕この実験では、タングステン
原料を変えた場合について触媒活性を調べた。
【0074】触媒は、実験1で用いた酸化チタン100
gに対して、リンタングステン酸75.6g を溶かした
過酸化水素水を含浸し、120℃で2時間乾燥し、50
0℃で2時間焼成することにより調製した。CFC12
の分解率は、反応開始50h後の値で99.9% であっ
た。
【0075】〔実験13〕この実験は、触媒に硫黄を含
有した場合について触媒活性を調べた。
【0076】実験1で用いた酸化チタン100gに対
し、パラタングステン酸アンモニウム82.2g を溶か
した過酸化水素水を含浸し、120℃で2時間乾燥し
た。その後、0.1% 硫酸75gを含浸し、再び120
℃で2時間乾燥し、500℃で2時間焼成した触媒を調
製した。CFC12の分解率は、反応開始50h後の値
で99.9%であった。
【0077】(実施例3)この実施例では、本発明の有
機ハロゲン化合物分解処理方法を実施すための処理装置
について、図12を用いて説明する。
【0078】廃冷蔵庫や廃自動車から回収された有機ハ
ロゲン化合物ガス(ここではCFC12とする)1は、FI
Dガスクロマトグラフ等の分析計3により濃度を測定
し、空気2でフロン濃度3vol% 程度に希釈する。希釈
されたフロンガスに、フロンモル数の5倍量の水蒸気4
を添加した後、本発明の触媒を充填した触媒層5を備え
た反応管20へ導入する。このときの空間速度は5,0
00〜100,000/時である(空間速度=ガス流量
(ml/h)/触媒量(ml))。触媒層5は外側から
電気炉6で加熱する。なお、触媒の温度を上げる方法
は、プロパンガス等を燃焼させた高温のガスを反応管に
流す方法でもよい。有機ハロゲン化合物の分解生成ガス
は、スプレーノズル7から噴霧される水酸化ナトリウム
水溶液と接触しながらアルカリ吸収槽8へバブリングさ
れる。アルカリ吸収槽8を通過したガスは活性炭等を充
填した吸着槽9を通過した後、大気に放出される。な
お、スプレーノズル7から噴霧する液は、単なる水でも
良いし、炭酸カルシウム等のスラリー液でも良い。アル
カリ吸収槽8中の廃液となったアルカリ水溶液10は定
期的に取り出して、新しいアルカリ水溶液11と入れ替
える。スプレーノズルから噴霧されるアルカリ液は、ア
ルカリ吸収槽8内の溶液をポンプ12により循環させて
用いる。
【0079】(実施例4)本実施例は、有機ハロゲン化
合物が室温で液体である場合の処理装置について、図1
3を用いて説明する。
【0080】この処理装置は、実施例3の有機ハロゲン
化合物分解装置に、更に予熱器14を設けている。有機
ハロゲン化合物がCFC113液13のように室温で液体の場
合には、予熱器14で気化させる。そして、FIDガス
クロマトグラフ等の分析計3により濃度を測定し、空気
2でフロン濃度3vol% 程度に希釈する。以後は、実施
例3で述べたのと同様にして処理する。
【0081】
【発明の効果】本発明によれば、クロロフルオロカーボ
ン類(CFC類),トリクロロエチレン,臭化メチル,
ハロン等のように、フッ素,塩素,臭素のいずれのハロ
ゲンを含む有機化合物であっても、高効率で分解し、か
つ触媒の活性を長期間維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】有機ハロゲン化合物の分解率と反応時間との関
係を示すグラフ。
【図2】有機ハロゲン化合物の分解率と反応時間との関
係を示すグラフ。
【図3】有機ハロゲン化合物の分解率とタングステン含
有量との関係を示すグラフ。
【図4】有機ハロゲン化合物の分解率とWO3 多孔質
層厚さとの関係を示すグラフ。
【図5】有機ハロゲン化合物の分解率と反応時間との関
係を示すグラフ。
【図6】CFC12の分解率とCFC12の濃度との関
係を示すグラフ。
【図7】有機ハロゲン化合物の分解率と反応時間との関
係を示すグラフ。
【図8】有機ハロゲン化合物の分解率と反応時間との関
係を示すグラフ。
【図9】有機ハロゲン化合物の分解率と反応時間との関
係を示すグラフ。
【図10】有機ハロゲン化合物の分解率と反応時間との
関係を示すグラフ。
【図11】有機ハロゲン化合物の分解率と反応時間との
関係を示すグラフ。
【図12】本発明の方法を実施する有機ハロゲン化合物
分解装置の概略構成図。
【図13】有機ハロゲン化合物分解装置の他の実施例を
示す概略構成図。
【符号の説明】
1…CFC12ガス、2…空気、4…水蒸気、5…触媒
層、6…電気炉、7…スプレーノズル、8…アルカリ吸
収槽、9…吸着槽、14…予熱器、20…反応管。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B01J 27/188 B01D 53/34 135A (72)発明者 荒戸 利昭 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 山下 寿生 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 小豆畑 茂 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 玉田 愼 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立工場内

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】有機ハロゲン化合物を含むガス流を水蒸気
    の存在下で触媒と接触させて該有機ハロゲン化合物を分
    解する方法であって、前記ガス流をチタニアと酸化タン
    グステンを含み、TiとWの原子比が、Tiが20mol
    % 以上95mol% 以下、Wが80mol% 以下5mol%
    以上であり、少なくともチタニアの表面が酸化タングス
    テンの多孔質層で覆われている触媒と200〜500℃
    の温度で接触させることを特徴とする有機ハロゲン化合
    物の処理方法。
  2. 【請求項2】有機ハロゲン化合物を30vol% を超えな
    い範囲で含有する前記ガス流を、有効量の水蒸気の存在
    下で前記触媒と接触させることを特徴とする請求項1に
    記載の有機ハロゲン化合物の処理方法。
  3. 【請求項3】前記触媒は、酸化タングステンよりなる多
    孔質層の厚さが1Å以上5mm以下であることを特徴とす
    る請求項1に記載の有機ハロゲン化合物の処理方法。
  4. 【請求項4】前記触媒は、TiとWの原子比が、Tiが
    20mol% 以上90mol% 以下、Wが80mol% 以下1
    0mol% 以上であり、TiO2 粒子表面からWを含む溶
    液を該TiO2 粒子内部に含浸し、焼成して該WをWO
    3 に転化する調製方法によって得られた触媒であること
    を特徴とする請求項1に記載の有機ハロゲン化合物の処
    理方法。
  5. 【請求項5】有機ハロゲン化合物を含むガス流を水蒸気
    の存在下で分解処理するのに使用される触媒であって、
    チタニアと酸化タングステンを含み、TiとWの原子比
    が、Tiが20mol% 以上95mol% 以下、Wが80mo
    l% 以下5mol% 以上であり、少なくともチタニアの表
    面が酸化タングステンの多孔質層で覆われていることを
    特徴とする有機ハロゲン化合物分解触媒。
  6. 【請求項6】酸化タングステンよりなる多孔質層の厚さ
    が1Å以上5mm以下であることを特徴とする請求項5に
    記載の有機ハロゲン化合物分解触媒。
  7. 【請求項7】TiとWの原子比が、Tiが20mol% 以
    上90mol% 以下、Wが80mol%以下10mol% 以上
    であり、TiO2 粒子表面からWを含む溶液を該TiO
    2 粒子内部に含浸し、焼成して該WをWO3 に転化する
    調製方法によって得られた触媒であることを特徴とする
    請求項5に記載の有機ハロゲン化合物分解触媒。
  8. 【請求項8】WO3 がTiO2 粒の内部に分散している
    ことを特徴とする請求項5に記載の有機ハロゲン化合物
    分解触媒。
  9. 【請求項9】前記TiO2 粒が造粒により得られたもの
    であることを特徴とする請求項8に記載の有機ハロゲン
    化合物分解触媒。
  10. 【請求項10】S,P,Mo,Vの少なくとも一つをT
    i原子に対して0.001〜30mol%の範囲で含み、S
    を硫酸塩、Pをリン酸塩、MoとVを酸化物の形態で含
    むことを特徴とする請求項5に記載の有機ハロゲン化合
    物分解触媒。
  11. 【請求項11】有機ハロゲン化合物の分解処理において
    使用される触媒の調製方法であって、TiとWを原子比
    で、Tiは20mol% 以上90mol% 以下、Wは80mo
    l% 以下10mol% 以上含み、TiO2 粒子表面からW
    成分を含む溶液を該TiO2 粒子内部に含浸し、焼成し
    て該WをWO3 に転化することによって調製し、チタニ
    アの少なくとも表面を酸化タングステンの多孔質層で覆
    うようにしたことを特徴とする有機ハロゲン化合物分解
    触媒の調製方法。
  12. 【請求項12】W成分を含む溶液を過酸化水素溶液とし
    たことを特徴とする請求項11に記載の有機ハロゲン化
    合物分解触媒の調製方法。
  13. 【請求項13】有機ハロゲン化合物の触媒による分解方
    法を実施するために使用される処理装置であって、触媒
    を充填した反応器と、前記反応器に導入される有機ハロ
    ゲン化合物含有ガス流に空気を添加する手段と、前記ガ
    ス流と前記触媒とを200〜500℃の温度で接触させ
    るための加熱手段と、前記有機ハロゲン化合物を分解す
    るのに有効量の水分を前記ガス流に対して添加する手段
    と、前記反応器内に充填された触媒に前記ガス流が接触
    することによって生成した有機ハロゲン化合物分解生成
    物をアルカリ水溶液で洗浄して該分解生成物中の二酸化
    炭素の一部とハロゲン水素とを中和するアルカリ洗浄槽
    とを具備し、前記触媒として、チタニアと酸化タングス
    テンを含み、TiとWの原子比が、Tiは20mol% 以
    上95mol% 以下、Wは80mol% 以下5mol% 以上で
    あり、少なくともチタニアの表面が酸化タングステンの
    多孔質層で覆われている触媒を備えたことを特徴とする
    有機ハロゲン化合物分解処理装置。
  14. 【請求項14】前記アルカリ洗浄槽の後段にアルカリ洗
    浄で中和されなかった前記分解生成物中の一酸化炭素を
    吸着する手段を具備したことを特徴とする請求項13に
    記載の有機ハロゲン化合物分解処理装置。
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