JPH08229351A - 耐久性を備えた光反応性有害物質除去材およびその製造方法 - Google Patents

耐久性を備えた光反応性有害物質除去材およびその製造方法

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JPH08229351A
JPH08229351A JP7042873A JP4287395A JPH08229351A JP H08229351 A JPH08229351 A JP H08229351A JP 7042873 A JP7042873 A JP 7042873A JP 4287395 A JP4287395 A JP 4287395A JP H08229351 A JPH08229351 A JP H08229351A
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photoreactive
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JP7042873A
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Yasuyuki Oku
恭行 奥
Kazuchiyo Takaoka
和千代 高岡
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 光反応を利用して悪臭、細菌などの有害物質
を分解、除去する耐久性を備えた光反応性有害物質除去
材およびその製造方法を提供する。 【構成】 光反応性半導体、担体、並びに紫外線吸収剤
を含有する熱可塑性樹脂からなる複合体が2層以上の通
気性シート間に封入された耐久性を備えた光反応性有害
物質除去材およびその製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光反応を利用して悪
臭、細菌などの有害物質を分解することのできる光反応
性有害物質除去材に関し、さらに詳しくは、紫外線吸収
剤を含有する熱可塑性樹脂の使用により耐久性を備えた
光反応性半導体有害物質除去材およびその製造方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】環境問題に対する関心の高まりに伴い、
悪臭などの日常生活における有害物質の除去の要求が増
えてきており、悪臭除去装置などを組み込んだ空気清浄
器の開発が盛んに行われている。
【0003】一般に、空気清浄器などでは活性炭を含ん
だフィルターが使われ、活性炭に有害物質を吸着させる
方法がとられてきた。しかしながら、活性炭は吸着作用
しか示さず、一定量の有害物質を吸収するとフィルター
全部を交換しなければならなかった。また、再生をする
にしても高温を必要とするため、フィルターを構成する
他の部品の耐熱性に問題があり、安価で再生使用可能な
フィルターはなかった。
【0004】近年、この様な問題に対処するため、活性
炭と有害物質を分解する触媒とを組み合わせた材料が開
発されだした。例えば、特開平1−234729号公報
では、ハニカム状活性炭に酸化チタンを担持させた光反
応性半導体層複合体を組み込んだ空気調和機が記載され
ている。この場合、吸着される悪臭成分の一部は、光反
応性半導体で生成したOHラジカルにより分解されるた
め、活性炭の吸着能を比較的長期間保つことができる。
【0005】しかし、この方法では、光反応性半導体を
担持し、かつ光反応効率を高めるために特殊なハニカム
状活性炭が必要であり、また、その表面およびハニカム
内部に酸化チタンを保持させるために特別な工程が必要
であり、また、その脱落を防ぐためにスポンジ状の緩衝
材を使う必要があった。
【0006】また、特開平2−253848号公報で
は、無機質繊維状担体にアナターゼ型酸化チタンを担持
させたオゾン分解触媒について記載されている。この場
合、低温におけるオゾン分解能が活性炭を使用しない場
合よりも向上していたが、単に内径20mmパイレック
スを使用してオゾン分解率を測定したにとどまり、具体
的なシートとしての加工については何等示されていなか
った。
【0007】特開平3−233100号公報では、二酸
化チタンと活性炭との混合物と、これに波長が300n
m以上の光を照射する光源とからなる換気設備に関して
記載されている。この場合、ガラス管の外周面に接着剤
を塗布し、その上にサブミクロンオーダーに粉砕した二
酸化チタン、活性炭粉および酸化鉄粉の混合粉をまぶす
ようにして付着させて構成したものである。このように
して構成された光反応性半導体は、トンネル内など固定
した場所での使用には適しているものの、ガラス管表面
に接着剤を使用して固定化しているために、光反応性半
導体の有効表面積が減少したり、また、フレキシブルな
シートではないためその取扱いが制限されていた。
【0008】さらに、特開平4−256755号公報で
は、二酸化チタンを粒状パルプに担持させることによ
り、家庭用の脱臭、消臭材として使用できることが記載
されているが、その具体的な使用形態などについては示
されていなかった。
【0009】久永らは、セラミックスペーパーに保持さ
れた二酸化チタンを利用して有機ハロゲン化合物の光分
解を行っている(電気化学協会誌、60巻、107ペー
ジ、1992年)。しかし、二酸化チタンを保持してシ
ート材として扱うには500〜800℃での熱処理が必
要であった。
【0010】また、これまでの方法では、脱臭を如何に
効果的に行うかに重点がおかれ、その配置場所に対する
配慮が示されておらず、例えば、光により基材が劣化あ
るいは変色することに対する対策がほとんど取られてお
らず、おのずとその使用範囲が限られてきたのが現状で
ある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、悪臭
や細菌などの有害物質を光で分解して除去することがで
き、かつ実用的な耐久性を備えた取り扱い易いシート状
の光反応性有害物質除去材を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意研究
の結果、光反応性半導体、担体、並びに紫外線吸収剤を
含有する熱可塑性樹脂を2枚以上の通気性シートの間に
封入することにより前記課題を達成しうることを見出し
た。また、前記の光反応性有害物質除去材は、光反応性
半導体、担体、並びに該熱可塑性樹脂を特殊な方法で複
合体とし、難燃性通気性シート間に封入して製造するこ
とができることを見いだした。本発明は以上の知見によ
り達成されたものである。
【0013】即ち、本発明の光反応性有害物質除去材
は、光反応性半導体、担体、並びに紫外線吸収剤を含有
する熱可塑性樹脂からなる複合体が2層以上の通気性シ
ート間に封入されたものであることを特徴とする。
【0014】本発明の耐久性を備えた光反応性有害物質
除去材の製造方法は、担体に光反応性半導体を吸着させ
た担持体と紫外線吸収剤を含有する熱可塑性樹脂とを混
合し、該熱可塑性樹脂の融点以上の条件で混練して複合
体を形成し、該複合体を2層以上の通気性シート間に介
在させ、さらに該熱可塑性樹脂の融点以上の条件で処理
して一体化することを特徴とするものである。
【0015】また、本発明の耐久性を備えた光反応性有
害物質除去材の製造方法は、担体に光反応性半導体を吸
着させた担持体と紫外線吸収剤を含有する熱可塑性樹脂
とを混合し、該熱可塑性樹脂の融点以上の条件で混練し
て複合体を形成し、該複合体を1層以上の通気性シート
上に積載し、該熱可塑性樹脂の融点以上の条件で処理し
て該複合体を固定化した処理シート同士、或は該処理シ
ートと通気性シートを少なくとも1層以上積層して一体
化することを特徴とするものである。
【0016】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
おける光反応性半導体とは、0.5〜5.0eV、好ま
しくは1〜3eVの禁止帯幅を有する光触媒反応を生じ
る半導体で、光反応性半導体で生成したOHラジカルに
より有害物質が分解される。光反応性半導体の形態とし
ては、粒子形状のものが好ましく、これら粒子は比表面
積が10〜500m2/gのものを適宜選択して用いられ
る。
【0017】このような光反応性半導体としては、特開
平2−273514号公報に開示しているものを挙げる
ことができ、酸化亜鉛、三酸化タングステン、酸化チタ
ン、酸化セリウムなどの金属酸化物が好ましく、その中
でも、脱臭特性が優れている点から、特に酸化チタンが
好ましい。
【0018】酸化チタンとしては、二酸化チタンのほ
か、含水酸化チタン、水和酸化チタン、メタチタン酸、
オルトチタン酸、水酸化チタンなどが含まれる。その結
晶型は、特に制限はない。酸化チタンを用いる場合は、
その比表面積は50〜400m2/gのものが好ましい。さ
らに、酸化チタンの表面に白金、金、銀、銅、パラジウ
ム、ロジウム、ルテニウムなどの金属、酸化ルテニウ
ム、酸化ニッケルなどの金属酸化物を被覆したものであ
っても良い。
【0019】本発明で用いる担体とは、光反応性半導体
を担持させるためのものである。本発明の光反応性半導
体から生じる光触媒により、接触した悪臭などの有害物
質を除外できる反面、熱可塑性樹脂などの有機成分を劣
化・変色させる。しかしながら、光反応性半導体を、担
体に担持させることで、熱可塑性樹脂や通気性シートと
の直接接触を減少させることができ、光反応性有害物質
除去材としての変色をある程度低減することができる。
【0020】さらには、担体自体が悪臭物質に対し、吸
着能を有するものも使用することができ、この場合、担
体で吸着した悪臭物質を、光反応性半導体で順次分解す
ることができるため、非常に効率的な方法であると考え
られる。また、触媒作用を有するものも、好ましい材料
の一つである。
【0021】具体的には、吸着能に優れたものとして、
活性炭、ゼオライト、触媒作用を有する三二酸化鉄など
の鉄系金属化合物、その他、酸化亜鉛、酸化マグネシウ
ム、酸化アルミニウム、シリカ、シリカ−アルミナ−酸
化亜鉛複合物、複合フィロ珪酸塩、シリカ−酸化亜鉛複
合物、あるいはこれらの混合物などが挙げられる。
【0022】このような担体の形状としては、粒子状、
ペレット状、錠剤タイプのものが挙げられるが、光反応
性半導体を多く担持する点から、粒子状のものが最も好
ましい。
【0023】これらの粒子状の担体は、比表面積が50
〜2000m2/gの担体を適宜選択して用いることができ
る。活性炭の場合は、比表面積500〜1500m2/gの
ものが好ましい。
【0024】光反応性半導体は、担体と一緒に粒子状あ
るいはペレット状、錠剤タイプなどにして使用する方
法、単なる混合などの方法で複合化しての用いる方法が
ある。後者の方法としては、光反応性半導体と担体との
単なる混合の他に、担体の表面を光反応性半導体で覆う
方法がある。
【0025】具体的には、活性炭と酸化チタンを組み合
わせて混合する方法が例示される。この方法の利点は、
活性炭の周りを酸化チタンを覆うため、酸化チタンが担
持体表面に露出し、酸化チタンに光が当たりやすいよう
な形態となっている点にある。
【0026】従来技術において、光反応性半導体と担体
は、通気性シート間への封入量が多いほど、悪臭などの
有害物質の除去に有効であるが、その封入量が多くなる
と、通気性シート間の接着だけでは、光反応性半導体や
単体をシート間に充分に保持できないという問題があ
る。
【0027】本出願人は、特願平6−247990号に
おいて、この問題を解決する方法として、光反応性半導
体と担体に、さらに熱可塑性樹脂を併用する方法を発明
し、出願している。
【0028】本発明においては、本出願人による同出願
の発明を検討したもので、熱可塑性樹脂が加熱した部位
でのみ溶融し、各通気性シート間の融着を助け、より多
量の光反応性半導体と担体を確実に通気性シート間に封
入させることを目的として、該熱可塑性樹脂を使用する
ものである。従って、熱可塑性樹脂が光反応性半導体の
有効な表面積を減少させることはない。
【0029】本発明に用いる熱可塑性樹脂としては、具
体的には、エチレン酢酸ビニル共重合樹脂またはこの変
性ポリマー、エチレンアクリレート共重合樹脂、アイオ
ノマー樹脂、ポリアミド、ナイロン樹脂、ポリエステ
ル、ポリプロピレン、酢酸ビニル共重合体系、セルロー
ス誘導体系、ポリメチルメタクリレート系、ポリビニル
エーテル系、ポリウレタン系、ポリカーボネイト系の樹
脂などが挙げられる。
【0030】好ましい樹脂の形態は、光反応性半導体と
担体から担持体を形成し、しかも、これらの比表面積を
阻害させないことから、微粒子状の形態である。この場
合、粒子径は、見かけの平均粒子径で10〜500μm
程度が好ましく、この粒子径は、微粒子が2次凝集した
状態のものであっても何等問題はない。
【0031】熱可塑性樹脂の使用量は、光反応性半導体
と担体との混合比で述べると、光反応性半導体と担体の
総重量100重量部に対し、熱可塑性樹脂は1〜30重
量部が好ましく、さらに好ましくは2〜20重量部であ
る。この範囲で用いることで、光反応性有害物質除去材
に封入された光反応性半導体、担体、並びに熱可塑性樹
脂からなる複合体の脱落を抑制することができる。
【0032】また、先にも述べたが、担体を用いること
で、光反応性有害物質除去材にある程度の耐久性を持た
せることはできるが、さらに、光反応性半導体全体では
なく、熱可塑性樹脂にのみ耐久性を付与させることで、
光反応性有害物質除去材に予想以上の耐久性が備わって
いることが見出された。
【0033】即ち、最初の劣化・変色部分は、担体に担
持された光反応性半導体である担持体部分と熱可塑性樹
脂との接点で発生し、その結果、脱落した光反応性半導
体が、その他の材料に接触することで劣化・変色が生じ
ると考えられる。全体を、紫外線吸収剤で処理すること
でも、劣化防止効果はあるものの、光反応性半導体に達
する紫外線をカットするため、光反応性半導体の性能を
充分に発現させたものとは言い難い。そこで、熱可塑性
樹脂に紫外線吸収剤を含有させることで、熱可塑性樹脂
からの光反応性半導体の脱落を防止でき、光反応性有害
物質除去材の劣化・変色を防止できることが判明した。
熱可塑性樹脂自体に紫外線吸収剤が含有されているた
め、大部分の光反応性半導体において、紫外線の到達が
阻害されることは殆どない。
【0034】本発明で用いることができる紫外線吸収剤
とは、270〜400mμの紫外線を吸収し、そのエネ
ルギーを主として無害な熱エネルギーとして再複写し、
しかも紫外線吸収剤自体は何等変質しないものである。
【0035】紫外線吸収剤としては、サリチル酸系、ベ
ンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、シアノアクリ
レート系、その他紫外線安定剤と呼ばれるものなどが挙
げられる。これら、紫外線吸収剤は熱可塑性樹脂と混錬
することで含有させることができる。
【0036】本発明における通気性シートは、有害物質
を通過させるための通気性、光反応性半導体を活性化さ
せるための光透過性を有することが必要である。このよ
うな通気性シートとしては、布帛状、不織布状あるいは
多孔性のフィルム状のものなどが挙げられるが、目付
け、通気性を制御しやすく、加工性にも優れている点か
ら不織布状のものが特に好ましい。
【0037】このような不織布に用いることのできる繊
維としては、金属繊維、ガラス繊維、アルミナ繊維、チ
ラノ繊維などの無機繊維、アラミド繊維、ポリフェニレ
ンサルファイド繊維、ポリエーテルイミド繊維、ポリパ
ラフェニレンベンゾオキサゾール繊維などの有機系エン
プラ繊維の他に、ポリエステル繊維、ポリオレフィン繊
維、アクリル繊維、ビニロン繊維の有機系繊維などがが
好適である。
【0038】これら繊維を用いた不織布の製法について
は特に制限はなく、目的・用途に応じて、乾式法、湿式
抄造法、メルトブローン法、スパンボンド法などで得ら
れたウェブをウォータージェット法、ニードルパンチ
法、ステッチボンド法などの物理的方法、サーマルボン
ド法などによる熱接着方法、レジンボンド法などによる
接着剤を用いた方法など、強度を発現させる方法を適宜
組み合わせて製造することができる。
【0039】本発明においては、光反応性半導体と担体
は、熱可塑性樹脂によって通気性シートに接着されてい
るので、広範な通気性シートが使用できる。そのため、
用いる不織布の目付けも特に制限はなく、通気性、光透
過性を阻害しない範囲において選択でき、一般的に、2
0〜200g/m2が好ましい範囲である。
【0040】次に、通気性シート間に、光反応性半導
体、担体、並びに紫外線吸収剤を含有する熱可塑性樹脂
からなる複合体を封入する方法について説明する。
【0041】上述した方法により、光反応性半導体、担
体、並びに該熱可塑性樹脂の複合体を調製する。続い
て、通気性シート間に複合体を封入するが、ここでは不
織布を例に挙げて説明する。
【0042】2層以上の、少なくともいずれかの通気性
シート間に複合体を介在させた後、加熱ロールで全面を
接着する方法、エンボスロールを用いて部分的に接着す
る方法、高温の大気中で処理する方法などがあり、これ
らを単独あるいは組み合わせて用いることができる。い
ずれも、熱可塑性樹脂の融点以上の条件で処理すること
が必要である。
【0043】あるいは、通気性シート上に複合体を積載
し、前記の方法で通気性シートに接着させて該複合体を
固定化した処理シートとした後、該処理シート同士、あ
るいは該処理シートと通気性シートを少なくとも1層以
上積層するか、いずれかの方法によって積層した後、前
記処理法により一体化する方法が挙げられる。また、積
層したものを、ニードルパンチ、ウォータージェット、
ステッチボンド、レジンボンド法などで一体化すること
も好ましい方法である。
【0044】
【作用】本発明の光反応性有害物質除去材は、悪臭や細
菌などの有害物質を光反応性半導体により太陽光などの
光で分解することができる。また、本発明の光反応性有
害物質除去材は、紫外線吸収剤が熱可塑性樹脂に含有さ
れていることから、得られた光反応性有害物質除去材も
耐久性を備え、長期間に渡って有害物質の除去効果を持
続することができ、光反応性半導体や担体の脱落がな
く、広く実用的に用いることができる。
【0045】本発明の光反応性有害物質除去材は、病院
などのベッドの仕切用カーテンやシーツ、寝たきり老人
用シーツ、ペット用のシーツやカーテン、あるいは室
内、自動車、列車などのロールカーテン、喫煙室の仕切
りなどの分野に特に好適である。
【0046】
【実施例】以下、実施例によりさらに本発明を詳細に説
明するが、無論これらに限定されるものではない。ま
た、本文中に記載される%は何れも重量%である。
【0047】実施例1 [通気性シートの製造]繊度0.15デニール(d)、
繊維長7.5mmのポリエステル繊維(旭化成社製、ビ
サイロン)40%、繊度1.5d、繊維長15mmのポ
リエステル繊維(帝人社製、テピルス)60%の比率で
ノニオン系界面活性剤3%と共に水中に投入し、パルパ
ーにて繊維の束がなくなるまで強撹拌を行った。次い
で、水を加えて希釈後、アジテーターにて緩やかに撹拌
しながら高分子ポリアクリルアミド0.1%溶液(粘
剤)を添加し、増粘させ、撹拌を継続し、均一に分散し
た繊維の懸濁液を得た。このスラリーを用い、円網抄紙
機にて抄造を行い、ウェブを製造した。
【0048】次いで、製造したウェブを100メッシュ
相当のステンレスの金網支持体上に積載し、ウェブ上よ
り水流を噴射し、繊維の交絡を行った。交絡にはノズル
を装着した5つのノズルヘッドを用い、表裏各1回の交
絡を行った。下記表1および表2に、各ヘッドのノズル
(水流)径、ノズル(水流)間隔と圧力について示す。
表面の交絡は表1のノズル配列で、裏面の交絡は表2の
ノズル配列で行った。但し、両面ともNo5のヘッドは
表面調整用として、低圧の水流を用いた。交絡終了後、
エアースルードライアーを用い、乾燥を行った。このよ
うにして、目付け60g/m2のポリエステル不織布からな
る通気性シートを得た。
【0049】
【表1】
【0050】
【表2】
【0051】[複合体の製造]担体として20〜42メ
ッシュ(平均粒子径5μm)の活性炭粉末(武田薬品工
業社製)40部に対して、光反応性半導体として二酸化
チタン粉末(日本アエロジル社製、P25S6)を10
部の割合で使用し、円筒型混合機で2時間混合した。さ
らに、紫外線吸収剤として、ベンゾフェノン系紫外線吸
収剤である2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメト
キシベンゾフェノンを熱可塑性樹脂100部当り3部の
比率で混錬した酢酸ビニル樹脂粉末15部を追加して、
さらに2時間混合し、70℃で2分間熱処理して、二酸
化チタン、担体、並びに紫外線吸収剤を含有する熱可塑
性樹脂からなる複合体を得た。
【0052】[光反応性有害物質除去材の製造]前記ポ
リエステル不織布上に、前記複合体を50g/m2となるよ
うに積載し、さらに、もう一層の前記ポリエステル不織
布を重ねて、110℃に加熱したエンボスロールとフラ
ットロール間で加圧して、実施例1の光反応性有害物除
去材を製造した。
【0053】比較例1 実施例1において、紫外線吸収剤を混錬しない酢酸ビニ
ル樹脂粉末を使用する以外は全て実施例1と同じ方法で
比較例1の光反応性有害物質除去材を製造した。
【0054】比較例2 実施例1において、光反応性半導体を用いない以外は全
て実施例1と同じ方法で比較例2の光反応性有害物質除
去材を製造した。
【0055】実施例2 担体として20〜40メッシュの複合フィロ珪酸塩(水
沢化学社製、ミズカナイトAP)80部に対して、光反
応性半導体として二酸化チタン粉末を10部の割合で使
用した以外は全て実施例1と同じ方法で実施例2の光反
応性有害物質除去材を製造した。
【0056】実施例3 実施例1のポリエステル不織布上に、実施例1の複合体
を25g/m2となるように積載し、110℃で加熱して複
合体を固定化した。このポリエステル不織布を2層、前
記複合体の固定化した面を合わせ、110℃に加熱した
エンボスロールとフラットロール間で加圧して、実施例
3の光反応性有害物除去材を製造した。
【0057】実施例4 繊度1.5d、繊維長38mmのメタ系芳香族ポリアミド
繊維(帝人社製、コーネックス)をカードにより開繊し
てウェブとした後、クロスラッパーにて積層後、ニード
ルパンチ法で繊維を交絡させ、目付け60g/m2の難燃性
通気性シートとした。これ以外は実施例3と同じ方法に
て実施例4の光反応性有害物質除去材を製造した。
【0058】[光反応性有害物質除去材の性能評価]上
記実施例1〜4および比較例1〜2で製造した光反応性
有害物質除去材について、下記性能試験に従って評価
し、その結果をまとめて下記表3に示した。
【0059】1.脱臭性 A)紫外線光照射による脱臭性 光反応性有害物質除去材を10cm×20cmの大きさ
にトリミングし、6Wのブラックランプを備えた5.6
リットルの密閉容器の底部においた。この容器中に煙草
の臭いの主成分とされている飽和−アセトアルデヒドを
4ml注入し(濃度約500ppm)、光反応性有害物
質除去材の上方約20cmから6Wのブラックランプで
光反応性有害物質除去材に紫外線光を照射した。30分
後のアセトアルデヒド濃度をガスクロマトグラフィーで
定量した。さらに、容器中に飽和−アセトアルデヒド4
mlを注入して紫外線光を照射し、30分後のアセトア
ルデヒド濃度を定量する操作を引き続き3回繰り返し
た。(単位;ppm)
【0060】B)紫外線光を照射しないときの脱臭性 前記Aの方法において、紫外線光を照射せず暗所で行っ
た以外は同様にして、アセトアルデヒド濃度を定量し
た。(単位;ppm)
【0061】2.抗菌性 光反応性有害物質除去材を10cm×10cmの大きさ
にトリミングし、これを7万個/mlの濃度の緑膿菌水
溶液に浸し、光反応性有害物質除去材の上方約20cm
から6Wブラックランプで4時間紫外線光を照射した。
照射4時間後に、緑膿菌液の生菌数を標準寒天培地を用
いた混釈平板培養法(35℃、48時間培養)により測
定し、濃度を換算した。当初の緑膿菌濃度に対する紫外
線光照射4時間後の緑膿菌濃度を、紫外線光照射による
緑膿菌濃度の減少割合として表わす。
【0062】3.剥離強度 光反応性有害物質除去材を2cm×15cmの大きさに
トリミングし、その一端に切れ込みを入れて2枚の通気
性シートとし、その端を互いに7cm剥離させ、剥離し
た各々のシート端をチャックで固定し、両チャック間の
距離(スパン)10cmでテンシロン万能試験器(オリ
エンテック社製)にて剥離強度を測定し、剥離強度の極
大値10個の平均を層間剥離強度として求めた。(単
位;g)
【0063】4.劣化促進試験 光反応性有害物質除去材を6×15cmの大きさにトリ
ミングし、光反応性有害物質除去材の上方からキセノン
アーク・ウェザオメーター(東洋製作所社製、Ci35
W)で24時間照射した。試験終了後、光反応性有害物
質除去材の変色状態を目視により、剥離強度を前記の方
法により、試料を軽く叩いた時の担体や光反応性半導体
の脱落を目視により調べた。
【0064】
【表3】
【0065】上記表3の結果から、本発明の光反応性有
害物質除去材は、複合体を構成する熱可塑性樹脂中に紫
外線吸収剤を含有させることによって、変色・劣化を防
止できることがわかる。なお、各実施例による光反応性
有害物質除去材は、層間剥離強度についても実用上充分
なものであった。
【0066】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明の光反応性有
害物質除去材は、光反応性半導体、担体、並びに紫外線
吸収剤を含有する熱可塑性樹脂からなる複合体と通気性
シートを併用することで、悪臭や細菌などの有害物質を
光で分解して除去することができ、かつ強度、耐久性な
どの実用的な諸条件を備えた取り扱い易いシート状の光
反応性有害物質除去材を提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B01J 35/02

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光反応性半導体、担体、並びに紫外線吸
    収剤を含有する熱可塑性樹脂からなる複合体が2層以上
    の通気性シート間に封入された耐久性を備えた光反応性
    有害物質除去材。
  2. 【請求項2】 担体に光反応性半導体を吸着させた担持
    体と紫外線吸収剤を含有する熱可塑性樹脂とを混合し、
    該熱可塑性樹脂の融点以上の条件で混練して複合体を形
    成し、該複合体を2層以上の通気性シート間に介在さ
    せ、さらに該熱可塑性樹脂の融点以上の条件で処理して
    一体化することを特徴とする耐久性を備えた光反応性有
    害物質除去材の製造方法。
  3. 【請求項3】 担体に光反応性半導体を吸着させた担持
    体と紫外線吸収剤を含有する熱可塑性樹脂とを混合し、
    該熱可塑性樹脂の融点以上の条件で混練して複合体を形
    成し、該複合体を1層以上の通気性シート上に積載し、
    該熱可塑性樹脂の融点以上の条件で処理して該複合体を
    固定化した処理シート同士、或は該処理シートと通気性
    シートを少なくとも1層以上積層して一体化することを
    特徴とする耐久性を備えた光反応性有害物質除去材の製
    造方法。
JP7042873A 1995-03-02 1995-03-02 耐久性を備えた光反応性有害物質除去材およびその製造方法 Pending JPH08229351A (ja)

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