JPH08229328A - 複合フィルタおよびこれを用いた空気清浄機器 - Google Patents

複合フィルタおよびこれを用いた空気清浄機器

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JPH08229328A
JPH08229328A JP7039481A JP3948195A JPH08229328A JP H08229328 A JPH08229328 A JP H08229328A JP 7039481 A JP7039481 A JP 7039481A JP 3948195 A JP3948195 A JP 3948195A JP H08229328 A JPH08229328 A JP H08229328A
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航一 中西
Nobuyasu Ohashi
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 複合フィルタの一体的な取扱いを損なわず
に、これに用いる異種のフィルタをそれぞれの寿命に応
じて使い捨てながら使用できるようにする。 【構成】 複合フィルタAは、吸着性濾材1を収容した
フィルタ本体2と、このフィルタ本体2の吸気側と排気
側とに添わせる集塵フィルタシート3、4を表裏に有し
てフィルタ本体2の出し入れ口5が設けられた袋形状ま
たは筒形状をなす袋状フィルタ6とを組み合わせ備えて
いる。これを着脱できるように使用する空気清浄機器
は、ファンの駆動時間に基づいて少なくとも寿命の短い
側のフィルタの寿命を判定する判定手段と、この判定手
段の寿命の判定に基づいて少なくとも寿命の短い側のフ
ィルタの交換を警告する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、空気を通して集塵や脱
臭を行う複合フィルタに関し、詳しくは、異種のフィル
タを組み合わせ備える複合フィルタに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】空気を清浄化するフィルタとして、近時
活性炭等の吸着性濾材を利用した脱臭フィルタと、不織
布等を利用した集塵フィルタとを一体に組み付けたもの
が提供され、使用されている。
【0003】このものは、集塵フィルタによって空気中
の微塵を捕集して除去し、吸着性濾材によって空気中の
臭気を吸着して除去する。このため、臭いのない清浄な
空気が得られ、一般家庭で使用される空気清浄機等に利
用されている。しかも、異種のフィルタを用いながら一
体に取り扱えるので使用に便利である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】複合フィルタは上記の
ように異種のフィルタを複合して用いるため高価につく
が、洗浄や清掃によって初期状態に回復させられないの
で使い捨て使用されることが多い。
【0005】ところで、複合フィルタに用いる異種のフ
ィルタは、それぞれ寿命が異なる。
【0006】例えば吸着性濾材を用いる脱臭フィルタは
高価であるが寿命が長く、集塵フィルタは安価であるが
寿命が短い。
【0007】これを、集塵フィルタの寿命に合わせて複
合フィルタを使い捨てるのでは、寿命に達していない高
価な脱臭フィルタを無駄に廃棄することになり、ランニ
ングコストが高くつく。
【0008】また、寿命の長い脱臭フィルタの寿命に合
わせて複合フィルタを使い捨てるのでは、集塵フィルタ
が寿命の何倍も使用され続けるので、却って通過する空
気を汚してしまったり、空気の通過抵抗が増大してファ
ンの負荷を増大すると云った問題が生じる。
【0009】本発明は上記のような問題を解消すること
を課題とし、複合フィルタの一体的な取扱いを損なわず
に、これに用いる異種のフィルタをそれぞれの寿命に応
じて使い捨てながら使用できる複合フィルタを提供する
ことを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の複合フィルタ
は、上記のような目的を達成するために、吸着性濾材を
収容したフィルタ本体と、このフィルタ本体の吸気側と
排気側とに添わせる集塵フィルタシートを表裏に有して
フィルタ本体の出し入れ口が設けられた袋形状または筒
形状をなす袋状フィルタとを組み合わせ備えたことを主
たる特徴とするものである。
【0011】集塵フィルタシートは不織布であり、排気
側の集塵フィルタは吸気側の集塵フィルタシートよりも
薄くしたものとすることができる。
【0012】吸気側の集塵フィルタシートの表面に集塵
フィルタシートの交換が必要となる汚れ度に対応した色
の模様または文字を施したものとするのが好適である。
【0013】模様または文字の色は異なった種類の汚れ
に対応する複数の色で色分けされているのがより好適で
ある。
【0014】二つ折り状態にてフィルタ本体を挟み込
み、これを袋状フィルタ内に滑り込ませた後抜き取る樹
脂シートをさらに組み合わせ備えるのも好適である。
【0015】1つのフィルタ本体に、袋状フィルタに対
するフィルタ本体の寿命の倍数に相当する枚数の袋状フ
ィルタを組み合わせ備えたものとするのも好適である。
【0016】本発明の空気清浄機器は、上記いずれかの
複合フィルタが着脱できるように装着される空気清浄機
器であって、ファンの駆動時間に基づいて少なくとも寿
命の短い側のフィルタの寿命を判定する判定手段と、こ
の判定手段の寿命の判定に基づいて少なくとも寿命の短
い側のフィルタの交換を警告する警告手段とを備えたこ
とを特徴とするものである。
【0017】
【作用】本発明の複合フィルタの主たる特徴の上記構成
によれば、袋状フィルタはこれに設けられているフィル
タ本体の出し入れ口によりフィルタ本体の出し入れが自
由で、袋状フィルタにフィルタ本体を収容するとこれら
は一体物として従来のものと同様に取扱い使用すること
ができ、使用時には吸気側の集塵フィルタシートおよび
排気側の集塵フィルタシートがそれぞれに対応した配置
となるように使用機器に装着されればよい。また、異種
のフィルタであるフィルタ本体と袋状フィルタとの寿命
に差があっても、フィルタ本体を袋状フィルタから取り
出して双方を分離し、寿命に達している側だけを新しい
ものと交換して組み合わせることにより、それぞれを寿
命一杯まで使用して過剰使用や無駄な廃棄なく適正使用
することができる。
【0018】集塵フィルタシートが不織布であり、排気
側の集塵フィルタを吸気側の集塵フィルタシートよりも
薄くした構成では、コストの安い不織布素材を利用し
て、しかも排気側の集塵フィルタシートを吸気側のそれ
よりも薄くすることによりさらなるコストの低減を図り
ながら、吸気側では厚い集塵フィルタシートによって空
気中の微塵を効率よく捕集して、次のフィルタ本体での
脱臭処理に空気中の微塵が影響しないようにしながら、
排気側の薄い集塵フィルタシートによって最終的に微塵
を捕集し、臭いのない清浄な空気が得られるし、フィル
タ本体の寿命が微塵の捕集によって短くなるのを防止す
ることができる。
【0019】吸気側の集塵フィルタシートの表面に集塵
フィルタシートの交換が必要となる汚れ度に対応した色
の模様または文字を施した構成では、吸気側の集塵フィ
ルタシートの模様や文字が施されていない部分の表面
が、前記模様や文字の色にほぼ等しくなるまで汚れたか
どうかによって、袋状フィルタが寿命に達したかどうか
を判別することができるので便利であるし、吸気側の集
塵フィルタシートの表面は空気清浄機器等の前面パネル
で覆われるにしても、この前面パネルを開けることによ
り開放されるので確認しやすい利点もある。
【0020】模様または文字の色が異なった種類の汚れ
に対応する複数の色で色分けされている構成では、袋状
フィルタの寿命が異なった種類の汚れに対応して判別す
ることができ、どのような汚れにて寿命に達する場合で
も過剰使用を防止することができる。
【0021】二つ折り状態にてフィルタ本体を挟み込
み、これを袋状フィルタ内に滑り込ませた後抜き取る樹
脂シートをさらに組み合わせ備える構成では、フィルタ
本体を袋状フィルタに挿入するのに、フィルタ本体を挟
み込んでいる樹脂シートが袋状フィルタの内面に接触し
て、フィルタ本体が直接接触しないようにするので、袋
状フィルタおよびフィルタ本体どうしが引っ掛かりやす
いものであっても双方の接触による引っ掛かりなく滑り
込ませることができるし、滑り込ませた後は二つ折り状
態の樹脂シートの一端を引っ張ることによってこれを難
なく取り出せるので、樹脂シート使用による不便はな
い。
【0022】1つのフィルタ本体に、袋状フィルタに対
するフィルタ本体の寿命の倍数に相当する枚数の袋状フ
ィルタを組み合わせ備えた構成では、フィルタ本体より
も寿命の短い袋状フィルタが、フィルタ本体よりも頻繁
に交換使用されるのに、組み合わせ枚数分の袋状フィル
タを使用し終えると、フィルタ本体も丁度寿命に達する
ことになるので、フィルタ本体の寿命を難なく知ってこ
れの過剰使用を防止することができる。
【0023】本発明の空気清浄機器の上記構成では、上
記いずれかの複合フィルタを着脱できるように装着して
使用するのに、判定手段によってファンの駆動時間に基
づいて少なくとも短い側のフィルタの寿命を判定し、警
告手段が判定手段の寿命の判定に基づいて少なくとも寿
命の短い側のフィルタの交換を警告するので、使用者が
寿命の短い側のフィルタの交換時期を誤ったり逸したり
するのを回避することができるし、寿命の短い側のフィ
ルタの使用枚数によって寿命の長い側のフィルタの寿命
をも的確に判断され交換されるようにすることができ
る。
【0024】
【実施例】本発明の複合フィルタおよびこれを着脱自在
に装着して使用する空気清浄機の一実施例について図面
を参照しながら説明する。
【0025】図1〜図4に示すように本実施例の複合フ
ィルタAは、粒状や繊維状の活性炭等からなる吸着性濾
材1を収容したフィルタ本体2と、このフィルタ本体2
の吸気側と排気側とに添わせる集塵フィルタシート3、
4を表裏に有してフィルタ本体2の出し入れ口5が設け
られた袋形状または筒形状をなす袋状フィルタ6とを組
み合わせ備えている。
【0026】フィルタ本体2は四角形な偏平体で図1、
図3、図4に示すように、多数の窓11aを持った格子
状の枠体11を有し、この枠体11の窓11a内に吸着
性濾材1を収容して、これを枠体11の表裏に当てがっ
た合成樹脂製のネット12により封鎖したものとしてあ
る。しかし、ネット材よりなる袋内に吸着性濾材1を収
容し封鎖したもの等、封入した吸着性濾材1を空気が通
過できる各種の構造および形態を採れるのは勿論であ
る。フィルタ本体2の形状も用途等によって種々に設定
することができる。
【0027】枠体11は発泡樹脂等の自然な取扱いによ
って破損したりせず、かつ軽量なものが使用に便利であ
る。窓11aの形状はどのようにしてもよいが、大きく
密に設ける程フィルタ本体2の吸着性濾材1を空気が通
過する通路面積が増大して好適である。
【0028】集塵フィルタシート3、4は通過する空気
中の微塵を捕集できればどのような材料のものでもよい
が、本実施例では合成樹脂繊維よりなる不織布を採用し
ており、吸気側の集塵フィルタシート3を厚く、排気側
の集塵フィルタシート4を薄くして、吸気側での集塵効
率を高め、排気側では吸気側の集塵フィルタシートおよ
び吸着性濾材1を通過してなお残存し、また混入した微
塵をも、最終的に捕集して除去できるようにしている。
【0029】厚さの違う吸気側および排気側の集塵フィ
ルタシート3、4は、これらが合成樹脂繊維製であるの
を利用し、出し入れ口5となる一辺を残してシーム溶着
することにより方形でフィルタ本体2を出し入れ口5か
ら少しの余裕を持って出し入れできる大きさの袋体に形
成している。13はシーム溶着部を示している。
【0030】袋状フィルタ6はこれに設けられているフ
ィルタ本体2の出し入れ口5によりフィルタ本体2の出
し入れが自由であるため、袋状フィルタ6にフィルタ本
体2を図2、図3に示すように収容すると、これらフィ
ルタ本体2および袋状フィルタ6は一体物として従来の
ものと同様に取扱い使用することができる。このような
一体物としての取扱いが容易なように本実施例では袋状
フィルタ6の出し入れ口5の一縁に蓋片5aを集塵フィ
ルタシート4の側から一体に延ばして形成し、袋状フィ
ルタ6にフィルタ本体2を挿入した後蓋片5aを出し入
れ口5に折り込んでこれを閉じるようにしてある。蓋片
5aを折り込んだ状態に安定させ難い場合は、蓋片5a
の先端部と出し入れ口5の他の一縁とにマジックファス
ナーやホック等の止め具を設けておくのが好適である。
【0031】複合フィルタAの使用時には吸気側の集塵
フィルタシート3および排気側の集塵フィルタシート4
がそれぞれに対応した配置となるように、図5に示す本
実施例の空気清浄機B等の使用機器に装着されればよ
い。
【0032】また、本実施例の異種のフィルタであるフ
ィルタ本体2と袋状フィルタ6との寿命に差がある。具
体的にはフィルタ本体2の寿命は2年程であるのに対
し、袋状フィルタ6の寿命は半年程度である。このよう
にフィルタ本体2と袋状フィルタ6との寿命に差があっ
ても、フィルタ本体2を袋状フィルタ6から取り出して
双方を分離し、寿命に達している側だけを新しいものと
交換して組み合わせることにより、それぞれを寿命一杯
まで使用して過剰使用や無駄な廃棄なく適正使用するこ
とができる。
【0033】また本実施例の場合、集塵フィルタシート
3、4にコストの安い不織布素材を利用して、しかも排
気側の集塵フィルタシート4を吸気側のそれよりも薄く
することによりさらなるコストの低減を図りながら、吸
気側では厚い集塵フィルタシート3によって空気中の微
塵を効率よく捕集して、次のフィルタ本体2での脱臭処
理に空気中の微塵が影響しないようにしながら、排気側
の薄い集塵フィルタシート4によって最終的に微塵を捕
集し、臭いのない清浄な空気が得られるし、フィルタ本
体2の寿命が微塵の捕集によって短くなるのを防止する
ことができる。
【0034】本実施例ではさらに、吸気側の集塵フィル
タシート3の表面に集塵フィルタシート3、4の交換が
必要となる汚れ度に対応した色の模様14が図2に示す
ように設けられている。しかし、模様14に限らず文字
であってもよい。これらは印刷してもよいし、別体を張
りつけてもよい。また、着色繊維を部分的に沈着させて
形成するなど可能などのような方法をも採用することが
できる。
【0035】このようにすると、吸気側の集塵フィルタ
シート3の模様14が施されていない部分の表面が、前
記模様14の色にほぼ等しくなるまで汚れたかどうかに
よって、袋状フィルタ6が寿命に達したかどうかを判別
することができるので便利であるし、吸気側の集塵フィ
ルタシート3の表面は空気清浄機B等の使用機器の前面
パネル22で覆われるにしても、この前面パネル22を
開けることにより開放されるので確認しやすい利点があ
る。
【0036】しかも、模様14は色が異なった種類の汚
れに対応する複数の色で色分けされている。例えば一般
家庭の居間を想定して模様14の左部分14aは煙草の
煙による汚れに対応した茶色とし、右側部分は通常の汚
れに対応したグレーとしてある。もっとも、空気清浄機
Bが用いられる環境によって汚れの種類が異なるときは
その汚れに合わせた色付けを工夫すればよい。種々の汚
れに合わせた各種の汚れマークを作成しておき、これを
必要に応じて選択し貼り付けるようにすることができ
る。
【0037】このような色分けによると、袋状フィルタ
6の寿命が異なった種類の汚れに対応して判別すること
ができ、どのような汚れにて寿命に達する場合でも過剰
使用を防止することができる。
【0038】また本実施例は、図1に実線で示すように
二つ折り状態にてフィルタ本体2を挟み込み、これを袋
状フィルタ6内に滑り込ませた後抜き取る樹脂シート3
1をさらに組み合わせ備えている。したがって、フィル
タ本体2を袋状フィルタ6に挿入するのに、フィルタ本
体2を挟み込んでいる樹脂シート31が図1の仮想線で
示すように袋状フィルタ6の内面に接触して、フィルタ
本体2が直接接触しないようにするので、袋状フィルタ
6およびフィルタ本体2どうしが角や合成樹脂繊維によ
って引っ掛かりやすいものであっても、双方の接触によ
る引っ掛かりなく滑り込ませることができるし、滑り込
ませた後は二つ折り状態の樹脂シート31の一端31a
を手指で図1の矢印で示すように引っ張ることによって
これを難なく取り出せるので、樹脂シート31の使用に
よる不便はない。
【0039】1つのフィルタ本体2に、袋状フィルタ6
に対するフィルタ本体2の寿命の倍数に相当する枚数、
本実施例では4枚の袋状フィルタ6を組み合わせて提供
することにより、フィルタ本体2よりも寿命の短い袋状
フィルタ6が、フィルタ本体2よりも頻繁に交換使用さ
れるのに、組み合わせ枚数分の袋状フィルタ6を使用し
終えると、フィルタ本体2も丁度寿命に達することにな
るので、これによってもフィルタ本体2の寿命を難なく
知ってこれの過剰使用を防止することができる。
【0040】本実施例の空気清浄機Bは図5に示すよう
に、キャビネット21の前面に上部を残して大きく開口
する吸気開口23を有し、この吸気開口23にはこれの
上縁部に軸24により枢支した前面パネル22が設けら
れている。前面パネル22には吸気穴22aが多数形成
され吸気開口23を通じた吸気を邪魔せずに、吸気開口
23を覆ってこの部分への複合フィルタAの装着部を覆
い隠すようにした、据え置き状態や壁掛け状態で利用さ
れるものである。
【0041】キャビネット21の背面壁を厚板25で形
成し、これにファン26を直結したモータ27を取付
け、キャビネット21内にファン26による吸気室21
aと排気室21bとを形成するケーシング28が設けら
れ、吸気開口23の口縁の背面に溶接等して取付けてあ
る。ケーシング28の吸気開口23に添って形成されて
いる額縁状の枠部28aに複合フィルタAを前記の向き
で着脱できるように嵌め付け、ファン26の回転によっ
て空気清浄機Bが設置されている部屋等の空間32から
吸気開口23を通じ吸気室21aに吸気される空気が複
合フィルタAを通るようにしている。吸気室21aに入
った臭いのない清浄な空気は排気室21bに排気されキ
ャビネット21の上面に設けられた多数の排気穴21c
を通じて前記空間32に戻す。これによって空間32内
の空気を順次清浄化および脱臭することができる。壁掛
け状態では排気穴21cが下向きになるようにする。
【0042】なお、フィルタ本体2や袋状フィルタ6の
いずれか一方、あるいは双方に殺菌性やその他必要な種
々のフィルタ機能を負荷することもできる。
【0043】本実施例の空気清浄機Bは、キャビネット
21の前面の上部に操作パネル33を持ち、キャビネッ
ト21内に制御部34を有している。制御部34は図6
に示すようなマイクロコンピュータ35を利用してい
る。
【0044】このマイクロコンピュータ35にはファン
26のモータ27による駆動をスタートさせるスタート
キー36の操作によるスタート信号、複合フィルタAの
うちの寿命の短い側のフィルタである袋状フィルタ6の
汚れを検出する汚れセンサ37の出力、リセットキー3
8の操作によるリセット信号、停止キー39の操作によ
る停止信号、およびその他の信号が入力され、マイクロ
コンピュータ35からはファン26を駆動するファン駆
動信号、スタートキー36の操作に基づく電源投入の表
示信号、フィルタ交換表示信号、およびその他の出力が
出されて、空気清浄機Bの動作の各種制御とこれに対応
した各種の表示とを行うようになっている。
【0045】マイクロコンピュータ35は特に、ファン
26の駆動時間に基づいて少なくとも寿命の短い側の袋
状フィルタ6の寿命を判定する判定手段としての内部機
能と、この判定機能の寿命の判定に基づいて少なくとも
寿命の短い側の袋状フィルタ6の交換を表示等により警
告する警告手段としての内部機能とを有している。もっ
とも、これらはハード回路で構成することもでき、具体
的構成は自由に設計できる。また、警告手段はブザーや
音声によって警告を行うものとし、あるいは表示に合わ
せ行うものとすることもできる。
【0046】このような判別、および警告によって、複
合フィルタAを着脱できるように装着して使用するの
に、判定手段によってファン26の駆動時間に基づいて
少なくとも短い側のフィルタ、本実施例では袋状フィル
タ6の寿命を判定し、警告手段が判定手段の寿命の判定
に基づいて少なくとも寿命の短い側のフィルタである袋
状フィルタ6の交換を警告するので、使用者が寿命の短
い側のフィルタである袋状フィルタ6の交換時期を誤っ
たり逸したりするのを回避することができるし、寿命の
短い側のフィルタである袋状フィルタ6の使用枚数によ
って寿命の長い側のフィルタであるフィルタ本体2の寿
命を判定することもできる。
【0047】前記寿命の判定が正確なように、本実施例
では前記汚れセンサ37によって検出する袋状フィルタ
6の汚れデータYによって前記駆動時間のカウント値X
を補正し、より正確な判定ができるようにしている。
【0048】フィルタ本体2の寿命を判定し、寿命に達
したときこれの交換を警告するようにもできる。
【0049】寿命の判定は汚れセンサ37の汚れ検出だ
けでも行えるし、この汚れ検出は袋状フィルタ6等の表
面の汚れを光学的に検出することができるし、汚れを光
学的に検出パターンを貼り付け、あるいは印刷しておく
こともできる。これによればフィルタ本体2のようなも
のでも汚れ度を検出するのが容易である。
【0050】マイクロコンピュータ35による前記判定
および警告表示の具体的制御につき図7、図8を参照し
ながら説明する。
【0051】スタートキーの操作によるファンの駆動を
スタートさせるスタート信号があると、図7に示すファ
ン駆動、警告処理のプログラムを実行する。先ずファン
の駆動と駆動時間のカウント処理を行い、カウント値X
が所定の最大値以上になったかどうかを判別し、所定の
最大値以上でないと停止信号の有無を判別し、停止信号
がなければカウント処理サブルーチン以降を繰り返す
が、停止信号があるとファンの駆動を停止しリターンす
る。
【0052】前記所定の最大値以上かどうかの判別に
て、所定の最大値以上となっているとき袋状フィルタが
寿命に達したと判定して、フィルタの交換表示を行い袋
状フィルタが交換されるように警告を行う。袋状フィル
タの交換後にリセット操作されるようにするか、あるい
は空気清浄機の前面パネルが開かれたことを検出するこ
とにより発せられるリセット信号があると、カウンタお
よびフィルタ交換表示をリセットして次の袋状フィルタ
の使用に備える。また、停止キーの操作による停止信号
があるとファンの駆動を停止する。
【0053】カウント処理サブルーチンは図8に示すよ
うに、カウンタによる時間の積算を行いながら、これを
時々刻々と、あるいは一定時間ごとにカウント値Xを更
新しながら記憶しておき、ファンの駆動が停止しても保
持する。
【0054】次いで、一定時間Tごとにカウント値Xの
読み込みと汚れセンサからの汚れデータYの取り込みお
よび更新記憶とを行い、前回の汚れデータYn−1と今
回の汚れデータYnとの差から汚れ度ランクyを算出
し、汚れ度ランクyが1〜3のいずれであるかによっ
て、カウント値Xを係数0.7、1、1.3のいずれか
で乗算処理してカウント値Xの補正を行って後、補正後
のカウント値Xを更新記憶し、これが図7での寿命判定
に用いられるようにする。これによって、袋状フィルタ
の寿命をさらに正確に判定することができる。
【0055】
【発明の効果】本発明の複合フィルタの主たる特徴によ
れば、袋状フィルタはこれに設けられているフィルタ本
体の出し入れ口によりフィルタ本体の出し入れが自由
で、袋状フィルタにフィルタ本体を収容するとこれらは
一体物として従来のものと同様に取扱い使用することが
でき、使用時には吸気側の集塵フィルタシートおよび排
気側の集塵フィルタシートがそれぞれに対応した配置と
なるように使用機器に装着されればよい。また、異種の
フィルタであるフィルタ本体と袋状フィルタとの寿命に
差があっても、フィルタ本体を袋状フィルタから取り出
して双方を分離し、寿命に達している側だけを新しいも
のと交換して組み合わせることにより、それぞれを寿命
一杯まで使用して過剰使用や無駄な廃棄なく適正使用す
ることができる。
【0056】集塵フィルタシートが不織布であり、排気
側の集塵フィルタを吸気側の集塵フィルタシートよりも
薄くした構成のものによれば、コストの安い不織布素材
を利用して、しかも排気側の集塵フィルタシートを吸気
側のそれよりも薄くすることによりさらなるコストの低
減を図りながら、吸気側では厚い集塵フィルタシートに
よって空気中の微塵を効率よく捕集して、次のフィルタ
本体での脱臭処理に空気中の微塵が影響しないようにし
ながら、排気側の薄い集塵フィルタシートによって最終
的に微塵を捕集し、臭いのない清浄な空気が得られる
し、フィルタ本体の寿命が微塵の捕集によって短くなる
のを防止することができる。
【0057】吸気側の集塵フィルタシートの表面に集塵
フィルタシートの交換が必要となる汚れ度に対応した色
の模様または文字を施した構成のものによれば、吸気側
の集塵フィルタシートの模様や文字が施されていない部
分の表面が、前記模様や文字の色にほぼ等しくなるまで
汚れたかどうかによって、袋状フィルタが寿命に達した
かどうかを判別することができるので便利であるし、吸
気側の集塵フィルタシートの表面は空気清浄機器等の前
面パネルで覆われるにしても、この前面パネルを開ける
ことにより開放されるので確認しやすい利点もある。
【0058】模様または文字の色が異なった種類の汚れ
に対応する複数の色で色分けされている構成のものによ
れば、袋状フィルタの寿命が異なった種類の汚れに対応
して判別することができ、どのような汚れにて寿命に達
する場合でも過剰使用を防止することができる。
【0059】二つ折り状態にてフィルタ本体を挟み込
み、これを袋状フィルタ内に滑り込ませた後抜き取る樹
脂シートをさらに組み合わせ備える構成のものによれ
ば、フィルタ本体を袋状フィルタに挿入するのに、フィ
ルタ本体を挟み込んでいる樹脂シートが袋状フィルタの
内面に接触して、フィルタ本体が直接接触しないように
するので、袋状フィルタおよびフィルタ本体どうしが引
っ掛かりやすいものであっても双方の接触による引っ掛
かりなく滑り込ませることができるし、滑り込ませた後
は二つ折り状態の樹脂シートの一端を引っ張ることによ
ってこれを難なく取り出せるので、樹脂シート使用によ
る不便はない。
【0060】1つのフィルタ本体に、袋状フィルタに対
するフィルタ本体の寿命の倍数に相当する枚数の袋状フ
ィルタを組み合わせ備えた構成のものによれば、フィル
タ本体よりも寿命の短い袋状フィルタが、フィルタ本体
よりも頻繁に交換使用されるのに、組み合わせ枚数分の
袋状フィルタを使用し終えると、フィルタ本体も丁度寿
命に達することになるので、フィルタ本体の寿命を難な
く知ってこれの過剰使用を防止することができる。
【0061】本発明の空気清浄機器によれば、上記いず
れかの複合フィルタを着脱できるように装着して使用す
るのに、判定手段によってファンの駆動時間に基づいて
少なくとも短い側のフィルタの寿命を判定し、警告手段
が判定手段の寿命の判定に基づいて少なくとも寿命の短
い側のフィルタの交換を警告するので、使用者が寿命の
短い側のフィルタの交換時期を誤ったり逸したりするの
を回避することができるし、寿命の短い側のフィルタの
使用枚数によって寿命の長い側のフィルタの寿命をも的
確に判断され交換されるようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の複合フィルタの一実施例を示す分離状
態の断面図である。
【図2】図1の平面図である。
【図3】図1の複合フィルタの組合わせ状態を示す断面
図である。
【図4】図1の複合フィルタの分解斜視図である。
【図5】図1の複合フィルタを用いる空気清浄機の断面
図である。
【図6】図5の空気清浄機の動作制御を行うマイクロコ
ンピュータのブロック図である。
【図7】図6のマイクロコンピュータによるファンの駆
動とフィルタの寿命に関する警告の処理を行う動作制御
のフローチャートである。
【図8】図7のカウント処理サブルーチンを示すフロー
チャートである。
【符号の説明】
A 複合フィルタ B 空気清浄機 1 吸着性濾材 2 フィルタ本体 3、4 集塵フィルタシート 5 出し入れ口 6 袋状フィルタ 14 模様 31 樹脂シート 35 マイクロコンピュータ

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 吸着性濾材を収容したフィルタ本体と、
    このフィルタ本体の吸気側と排気側とに添わせる集塵フ
    ィルタシートを表裏に有してフィルタ本体の出し入れ口
    が設けられた袋形状または筒形状をなす袋状フィルタと
    を組み合わせ備えたことを特徴とする複合フィルタ。
  2. 【請求項2】 集塵フィルタシートは不織布であり、排
    気側の集塵フィルタは吸気側の集塵フィルタシートより
    も薄くした請求項1に記載のフィルタ。
  3. 【請求項3】 吸気側の集塵フィルタシートの表面に集
    塵フィルタシートの交換が必要となる汚れ度に対応した
    色の模様または文字を施した請求項1、2に記載の複合
    フィルタ。
  4. 【請求項4】 模様または文字の色は異なった種類の汚
    れに対応する複数の色で色分けされている請求項3に記
    載の複合フィルタ。
  5. 【請求項5】 二つ折り状態にてフィルタ本体を挟み込
    み、これを袋状フィルタ内に滑り込ませた後抜き取る樹
    脂シートをさらに組み合わせ備える請求項1〜4のいず
    れかに記載の複合フィルタ。
  6. 【請求項6】 1つのフィルタ本体に、袋状フィルタに
    対するフィルタ本体の寿命の倍数に相当する枚数の袋状
    フィルタを組み合わせ備えた請求項1〜5のいずれかに
    記載の複合フィルタ。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれかに記載の複合フ
    ィルタが着脱できるように装着される空気清浄機器であ
    って、ファンの駆動時間に基づいて少なくとも寿命の短
    い側のフィルタの寿命を判定する判定手段と、この判定
    手段の寿命の判定に基づいて少なくとも寿命の短い側の
    フィルタの交換を警告する警告手段とを備えたことを特
    徴とする空気清浄機器。
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