JPH08228755A - 酒造原料米の精製方法 - Google Patents

酒造原料米の精製方法

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JPH08228755A
JPH08228755A JP7036799A JP3679995A JPH08228755A JP H08228755 A JPH08228755 A JP H08228755A JP 7036799 A JP7036799 A JP 7036799A JP 3679995 A JP3679995 A JP 3679995A JP H08228755 A JPH08228755 A JP H08228755A
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健司 三島
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 本発明に係る酒造原料米の精製方法は、酒造
原料米をエタノール−酢酸混合溶媒に浸漬し、超臨界二
酸化炭素抽出により上記エタノール−酢酸溶媒浸漬後の
酒造原料米から脂肪を除去することにより酒造原料米を
精製することを特徴としている。本発明では、上記の如
く構成されているので、酒造原料米を精白することな
く、酒造に不用な成分を除去できると共に、エタノール
が、超臨界二酸化炭素抽出が効率的になされるように作
用する。 【効果】 酒造原料米の損失を少なくすると共に、効率
的に酒造原料米中の脂肪を除去できる酒造原料米の精製
方法を提供できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、酒造原料米の精製方法
に関するものであり、より詳しくは、酒造原料米の損失
を少なくすると共に効率的に酒造原料米中の脂肪を除去
できる酒造原料米の精製方法に関する。
【0002】
【従来技術およびその課題】日本酒の製造工程におい
て、酒造原料米の精米工程は、製品の高品位性、香気性
を決定する最も重要な工程の1つである。この精米工程
では、通常、精米歩合が70ないし75%以下にまで高度に
精米され、すなわち、酒造原料米の25ないし30%程度が
取り除かれる。これにより、脂肪等が比較的少ない酒造
原料米の中心部分が残り、最終製品としての日本酒は、
淡麗、高品位で香りの高いものとなる。
【0003】しかしながら、酒造原料米の精米工程で
は、上記の如く、酒造原料米の25ないし30%程度、ある
いはそれ以上が取り除かれており、このため、酒造原料
米の損失が大きく、酒造原料米利用率の低下を招き、経
済的な方法ではなかった。上記問題点を解消するため
に、超臨界二酸化炭素抽出によって、酒造原料米から脂
肪を分離することが提案されており、米殻を超臨界状態
または液体状態の二酸化炭素で処理する方法(特開昭59
-78656号公報)、米殻を超臨界状態または液体状態の二
酸化炭素とエタノールの混合溶媒で処理する方法(特開
昭60-133849号公報)、予め米殻を水などの湿潤剤で処
理した後、加圧された二酸化炭素と接触させる方法(特
開昭59-156259 号公報)、米殻の改質方法(特開平4-14
4655号公報)等が知られている。しかしながら、これら
の方法は、米殻中の悪臭の除去は可能であるが、それと
同時に米殻特有の芳香と風味までも損失してしまった
り、芳香と風味を損なうことなく脱脂、脱臭が可能な方
法であっても、その操作の過程で水分を含ませる等の複
雑な工程を含んでいたり、多量の高価なエタノールを要
するなどの問題点があった。
【0004】
【発明の目的】そこで、本発明の目的は、酒造原料米の
損失を少なくすると共に効率的に酒造原料米中の脂肪を
除去できる酒造原料米の精製方法を提供することにあ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記目的を達
成するために提案されたものであり、下記の構成からな
ることを特徴とするものである。すなわち、本発明によ
れば、酒造原料米をエタノール−酢酸混合溶媒に浸漬
し、超臨界二酸化炭素抽出により上記エタノール−酢酸
混合溶媒浸漬後の酒造原料米から脂肪を除去することに
より酒造原料米を精製することを特徴とする酒造原料米
の精製方法が提供される。
【0006】
【発明の具体的説明】本発明の技術的特徴は、超臨界二
酸化炭素抽出に先立って、酒造原料米をエタノール−酢
酸混合溶媒に浸漬している点にあり、これにより、急速
に湿潤成分を浸透させると生じる米粒の破損、崩壊がな
く、エタノール−酢酸混合溶媒を酒造原料米中に浸透さ
せ、その後、超臨界二酸化炭素注出を行うことによっ
て、効率的に酒造原米中の脂肪を除去できるようにな
る。エタノール−酢酸混合物は、醗酵工程で妨害物質と
なる酒造原料米中の脂肪やタンパク質との親和性が強
く、これが含まれることにより、超臨界二酸化炭素に対
する脂肪等の溶解度が増大し、除去が容易になる。ま
た、酢酸を用いることにより、エタノールの使用量を削
減でき、経済的にも効率よく酒造原料中の脂肪を除去で
きるようになる。このように、本発明では、酒造原料米
を削ることなく、脂肪を除去できるので、酒造原料米の
損失が極めて少なくて済む。超臨界二酸化炭素は、圧力
操作のみで溶質(脂肪)の溶解度を104 倍程度変化させ
ることができ、しかも、無毒で、臨界温度が304.2Kで操
作温度が35℃程度であり、かつ安価であるという利点が
ある。また、超臨界抽出装置は、流通型を使用でき、ス
ケールアップも容易であるので、精製された酒造原料米
の大量生産も可能となる。
【0007】本発明において、酒造原料米のエタノール
−酢酸混合溶媒への浸漬時間は、1時間ないし24時間、
特に、8 時間ないし12時間とするのが、超臨界二酸化炭
素抽出を効率的に行える点において好ましい。なお、本
発明において、酒造原料米を浸漬するとは、上記の如
く、前処理として所定時間浸漬することのみならず、酒
造原料米をエタノール−酢酸混合溶媒に接触させ直ちに
超臨二酸化炭素抽出を行う場合をも含むものである。
【0008】また、本発明において、使用するエタノー
ル−酢酸混合溶媒は、酒造原料米1Kgに対して、0.05な
いし0.2 リットル、その混合溶媒のエタノールのモル分
率X1は、X1=0 ないし1 、特にX1=0.7 ないし0.9 とす
るのが、浸漬時間、経済効率の点で好ましい。この場
合、超臨界二酸化炭素抽出は、上記エタノール−酢酸混
合溶媒との混合物に対して行ってもよく、エタノール−
酢酸混合溶媒から酒造原料米を取り出して、エタノール
および酢酸を含有した酒造原料米に対して行ってもよ
い。また、本発明において、超臨界二酸化炭素抽出を行
う場合の温度は、32ないし50℃、特に35ないし40℃が、
超臨界二酸化炭素抽出を効率的に行える点において好ま
しい。また、超臨界二酸化炭素抽出を行う場合の圧力
は、7.2 ないし30MPa、特に15ないし25MPa とするのが、
超臨界二酸化炭素抽出を効率的に行える点で好ましい。
【0009】以下に、本発明に使用する超臨界抽出装置
を具体的に説明する。図1に示す如く、超臨界抽出装置
は、ボンベ1からストップバルブV2までの経路が形成さ
れた昇圧部、及びその下流に設けられ水恒温槽18内に設
けられた抽出部を備えている。
【0010】昇圧部 昇圧部は、液体二酸化炭素を、後述する一対の昇圧用ポ
ンプ5 へ供給するボンベ1を備えている。本実施例で
は、ボンベ1として、サイフォン式の二酸化炭素ボンベ
を使用している。
【0011】ボンベ1と圧用ポンプ5 との間には、乾燥
剤が充填された乾燥管2 が設けられており、この乾燥管
2 にボンベ1からの液体二酸化炭素が通過することによ
り液体二酸化炭素中の水分が除去される。なお、乾燥管
2 としては、材質sus316、最高使用圧力20MPa、内径35.5
mm、 長さ310mm のものを使用している。また、乾燥剤と
しては、GLサイエンス(株)社製のモレキュラーシー
ブ5A(1/16inch pellet )を使用している。
【0012】また、昇圧部は、冷却ユニット13を備えて
いる。なお、本実施例では、冷却ユニット13として、ヤ
マト科学製BL-22 を使用している。冷却ユニット13内に
は、エチレングリコールが充填されており、このエチレ
ングリコールが約−12℃に冷却されるようになってい
る。上記乾燥剤によって、水分が除去された液体二酸化
炭素は、このエチレングリコールによって冷却され、昇
圧用ポンプ5 に供給される。
【0013】上記の昇圧用ポンプ5 としては、GLサイ
エンス(株)製の高圧用シングルプランジャーポンプAP
S-5L(最大圧力58.8MPa、常用圧力49.0MPa、流量0.5 ない
し5.2ml/min )を使用している。各々の昇圧用ポンプ5
のヘッド部分には、液体二酸化炭素の気化を防ぐための
冷却器が装着されている。また、乾燥管2 と昇圧用ポン
プ5 との間には、フィルター3 が設けられており、この
フィルター3 によってゴミなどの不純物が除去され、昇
圧用ポンプ5 内に不純物が混入されるのが防止される。
なお、本実施例では、フィルター3 として、細孔平均径
が約10μm のものを使用している(GLサイエンス
(株)製FT4-10型)。
【0014】また、昇圧部には、圧力調節弁V1が設けら
れており、この圧力調節弁V1によって、昇圧部及び抽出
部の系内の圧力が任意の圧力に設定されるようになって
いる。なお、本実施例では、圧力調節弁V1として、TESC
OM製の26-1721-24を使用している。この圧力調節弁V1
は、圧力±0.1MPaで系内の圧力を制御でき、最大使用圧
力は、41.5MPa となっている。
【0015】また、昇圧部には、一対の圧力計6 が設け
られており、各々の圧力計6 によって系内の圧力が測定
されるようになっている。各々の圧力計6 には、上限接
点出力端子が付いており、指定圧力で圧力計6 の各々に
接続された各々の昇圧用ポンプ5 の電源が切れるように
設置されている。各々の圧力計6 としては、ブルドン式
のものでGLサイエンス(株)製LCG-350 (最大使用圧
力34.3MPa)を使用している。なお、各々の圧力計6 は、
司測研(株)製エコノミー圧力計PE-33A(歪みゲージ
式、精度±0.3 %)によって検定したものを使用した。
【0016】また、本実施例の昇圧部には、安全性を確
保するために、安全弁7Aが設けられている。本実施例で
は、安全弁7Aとして、AKIKO(株)製のスプリング
式のもので、系内の圧力が34.3MPa で作動するように調
整・検定されている。なお昇圧部における、ボンベ1 か
らフィルター3 までの区間以外の配管には、1/16inchの
ステンレス管(sus 316 、 外径1.588mm、内径0.8mm)を用
い、他の部分は、全て1/8 inchのステンレス管(sus31
6、外径3.175mm、内径2.175mm)を使用している。
【0017】昇圧部と抽出部との間には、ストップバル
ブV3が配置されており、このストップバルブV3によって
抽出部の圧力を制御できるようになっている。なお、本
実施例では、ストップバルブV3としてGLサイエンス社
製の2 Way Valve 02-0120(最大使用圧力98.0MPa)を使用
している。また、昇圧部には、流体の逆流を防止するた
めに逆止弁8Aが設けられている。
【0018】抽出部 抽出部は、槽全体の高さ調節が可能な水恒温槽18内に設
置されるものである。水恒温槽18には、チノー製の温
度制御器DB1000が取付けられており(図示省略)、これ
により、水恒温槽18内の水温を±0.1 ℃で制御できるよ
うになっている。また、水恒温槽18には、温度制御部17
が設けられており、これにより、水恒温槽18内の水温度
が測定されるようになっている。なお、水恒温槽18の内
容積は、80dm3 となっている。
【0019】なお、温度制御部17としては、チノー製の
白金抵抗測温体1TPF483 を使用している。また、抽出部
には、余熱カラム14が設けられており、昇圧部からスト
ップバルブV3を介して液体二酸化炭素が供給されるよう
になっている。余熱カラム14は溶媒(二酸化炭素)を平
衡温度まで余熱し超臨界流体にするためのものであり、
1/8 inchステンレス管(sus 316 、外径3.175mm、内径2.
17mm、長さ約40m)を直径55mm、 長さ140mm のスパイラル
状に変形してなるものである。
【0020】また、抽出部は、流体の逆流を防止するた
めの、逆止弁8Bが設けられており、余熱カラム14によ
り、超臨界流体とされた二酸化炭素は、逆止弁8B(AK
ICO製 SS-53F4:最大使用圧力34.3MPa)を通過するよ
うになっている。また、抽出部には、ストップバルブV4
が設けられており、このストップバルブV4を調節するこ
とにより、上記逆止弁8Bを通過した超臨界流体が被抽出
試料を含む抽出セル15に導入されるようになっている。
この抽出セル15内に酒造原料米及びエタノールが収容さ
れるようになっている。この抽出セル15は、AKIKO
製クイック開閉型抽出セルであり、材質SUS 316 、設計
圧力39.2MPa(400Kg/cm2)、設計温度423.15K(150 ℃)、
内径55mm、高さ220mm 、内容積500ml のものを使用し
ている。
【0021】また、抽出部には、変速型攪拌用モータ16
が設けられており、この変速型攪拌用モータ16は、抽出
セル15内に収容された酒造原料米およびエタノールを攪
拌シャフト16A によって、攪拌するようになっている。
この変速型攪拌用モータ16による攪拌速度は、20ないし
300rpmであり、デジタル回転表示計(図示省略)によっ
て攪拌シャフト16A の回転数を表示できるようになって
いる。変速型攪拌用モータ16としては、AKIKO
(株)製のものを使用している。
【0022】変速型攪拌用モータ16と、抽出セル15内の
攪拌翼11B は電磁式ノンシール攪拌機(材質SUS316)に
より接続されている。抽出セル15内の圧力は、圧力計24
によって測定されるようになっている。この圧力計24と
しては、山崎計器製作所製ブルドン式圧力計 E930004
(最大圧力49.0MPa)を使用している。また、この圧力計
24としては、司測研(株)製エコノミー圧力計 PE-33-A
(歪みゲージ式、精度±0.3 %FS、FS:Kgf/cm2)によっ
て検定したものを使用している。
【0023】また、抽出部には、安全弁7Bが設けられて
おり、これにより、抽出セル15内の圧力上昇による爆発
を防止できるようになっている。安全弁7Bは、AKIK
O(株)製のスプリング式のものを使用し、系内の圧力
が34.3MPa で作動するように調整・検定されている。
【0024】また、本装置には、流量調節弁V6が設けら
れており、これにより、超臨界流体の流量を調節し、減
圧操作が行えるようになっている。なお、流量調節弁V6
としては、AKIKO(株)製の高圧用流量調節弁PF3/
8-3-400K-NV を使用している。また、抽出部には、スト
ップバルブV5が設けられており、このストップバルブV5
及び流量調節弁V6を介して、試料が溶解した超臨界流体
(二酸化炭素)が系外へ排出されるようになっている。
【0025】また、流量調節弁V6の上流側には、高圧用
フィルター19が設けられており、これにより、試料の凝
縮による管内の閉塞を防止できるようになっている。な
お、本実施例では、高圧用フィルター19として、NUP
RO製 2TF-7(細孔平均径約7μm)を使用している。ま
た、水恒温槽18の出口からトラップ21までの流路および
流量調節弁V6外側に加熱ユニット(図示省略)が設けら
れている。この加熱ユニットはリボンヒータ及び流量調
節弁保温用鋳込みヒータを備え、電圧約30V で約120 ℃
に流路を保温可能となっている。これにより、減圧に伴
う試料の凝縮および超臨界流体(二酸化炭素)によるド
ライアイスの発生を防止することができる。なお、加熱
ユニットとしては、チノー(株)製温度制御器DB1000を
使用しており、最高使用温度は、150 ℃となっている。
【0026】また、本装置では、氷浴22が設けられてお
り、この氷浴22中には、トラップ21が設けられている。
流量調節弁V6で、減圧しこれにより析出した試料は、氷
浴22中に設けたトラップ21に回収されるようになってい
る。また、本装置には、流量計24が設けられており、こ
の流量計24によって超臨界流体の流量が測定できるよう
になっている。本実施例では、流量計として、品川精器
製の積算式湿式ガスメータ W-NK-0.5B(測定精度0.1d
m3) を使用している。なお、対象ガスが二酸化炭素であ
るため、測定前において、流量計24内の水は、二酸化炭
素で飽和されている。また、流量計24の上流側には、飽
和容器23が設けられており、これにより、対象ガス(二
酸化炭素)が水蒸気で飽和されるようになっている。
【0027】上記の如く構成された超臨界抽出装置を使
用して酒造原料米の精製を行う場合について具体的に説
明する。助溶媒としてのエタノールには、和光純薬工業
(株)製の特級試薬(純度99.7%以上)を用いた。超臨
界流体には、福岡酸素(株)製の二酸化炭素(純度99.5
%)を用いた。操作法を以下に示す。なお、前処理とし
て、酒造原料米200gにエタノール2gを加えて攪拌し、12
時間放置した。
【0028】まず、抽出セル15の中に前記前処理を行っ
た酒造原料米100gを仕込み抽出セル10を水恒温槽18内の
所定位置に設置した。次いで、バルブV2を閉じた状態
で、ボンベ1より、昇圧部に二酸化炭素を供給し、二酸
化炭素の上限圧力を圧力調節弁V1で19.7MPa に調節し
た。さらに、水恒温槽18内の水温を前記温度制御器によ
って、35±0.2 ℃に温度制御した。
【0029】次いで、抽出部のすべてのバルブ、すなわ
ち、ストップバルブV4、V5、流量調節弁V6が閉じた状態
で、バルブV2を開け、抽出部へCO2 ガスを送った。さら
に、バルブV4を開け、抽出セル15内が操作圧力19.7MPa
になるまで放置した。放置後に、抽出セル15内を変速攪
拌モータ16により攪拌した。この攪拌は、デジタル回転
表示計により変速型攪拌用モータ16の攪拌シャフト16A
の回転速度が100rpmとなるように調節して行った。
【0030】次いで、系全体を操作圧力(19.7MPa )ま
で、加圧調整し、圧力が一定となってから抽出セル15内
を変速型攪拌用モータ16により攪拌して30分程度放置し
た。攪拌シャフト16A の回転速度は、デジタル回転表示
計により100rpmに調整した。次いで、ストップバルブV5
を開け、抽出セル15内に仕込んだ酒造原料米中の脂肪の
抽出を開始した。このとき、流量調節弁V5により、二酸
化炭素の流速を0.07ないし4dm3・min とした。
【0031】さらに、流量調節弁V6の開度を増し、抽出
セル内の圧力を下げ、トラップ16内において、溶解力を
失った二酸化炭素から析出した試料(脂肪、エタノール
及び酢酸)を回収した。また、抽出セル10からは、酒造
原料米を回収することができた。この酒造原料米は、澱
粉が損失されることはなく、脂肪分が除去されたもので
あった。
【0032】以上の超臨界二酸化炭素抽出操作により、
回収された脂肪の積算と流した二酸化炭素の流量の関係
を図 2に示す。また、エタノールを添加しなかった場合
以外は、上記同様の条件で超臨界二酸化炭素抽出を行っ
た場合の酒造原料米から回収された脂肪の積算量と流し
た二酸化炭素の流量の関係を図 2に示す。図 2より、エ
タノールを助溶媒として添加することにより、超臨界二
酸化炭素抽出法を用いて効率的に酒造原料米から脂肪を
除去することが示された。なお、超臨界抽出操作を行っ
た後の酒造原料米は脂肪が除去されたことにより原形を
とどめてはいるが表面の光沢がなくなった。
【0033】
【発明の効果】以上のように構成したので、本発明によ
れば、酒造原料米の損失を少なくすると共に効率的に酒
造原料米中の脂肪を除去できる酒造原料米の精製方法を
提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る酒造原料米の精製方法に使用す
る超臨界抽出装置の概略構成図である。
【図2】 二酸化炭素の流量と回収された脂肪の積算量
との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 ボンベ 5 昇圧用ポンプ 15 抽出セル 18 水恒温槽 21 トラップ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酒造原料米をエタノール−酢酸混合溶媒
    に浸漬し、超臨界二酸化炭素抽出により上記エタノール
    −酢酸混合溶媒浸漬後の酒造原料米から脂肪を除去する
    ことにより酒造原料米を精製することを特徴とする酒造
    原料米の精製方法。
JP7036799A 1995-02-24 1995-02-24 酒造原料米の精製方法 Withdrawn JPH08228755A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000112534A (ja) * 1998-09-25 2000-04-21 E & E Elektron Gmbh 一定の相対湿度を発生する装置
AT408599B (de) * 1997-12-23 2002-01-25 Natex Prozesstech Gmbh Verfahren zur extraktion von pflanzenschutzmitteln und/oder reduzierung von unerwünschten begleitstoffen

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