JPH0947250A - コンニャクおよびコンニャク粉末からの異臭成分の除去方法 - Google Patents

コンニャクおよびコンニャク粉末からの異臭成分の除去方法

Info

Publication number
JPH0947250A
JPH0947250A JP7219791A JP21979195A JPH0947250A JP H0947250 A JPH0947250 A JP H0947250A JP 7219791 A JP7219791 A JP 7219791A JP 21979195 A JP21979195 A JP 21979195A JP H0947250 A JPH0947250 A JP H0947250A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
devil
tongue
konjak
carbon dioxide
powder
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP7219791A
Other languages
English (en)
Inventor
Kenji Mishima
健司 三島
Kunji Nagaoka
訓二 永岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NAGASA KAKO KK
Original Assignee
NAGASA KAKO KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NAGASA KAKO KK filed Critical NAGASA KAKO KK
Priority to JP7219791A priority Critical patent/JPH0947250A/ja
Publication of JPH0947250A publication Critical patent/JPH0947250A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Preparation Of Fruits And Vegetables (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 コンニャクおよびその乾燥粉末の主成分であ
るコンニャクマンナンを損失することなく、効率的にコ
ンニャクおよびその乾燥粉末中の異臭成分であるトリメ
チルアミンを抽出・除去できる手段を提供する。 【解決手段】 コンニャクおよびコンニャク粉末をアル
コール中に浸漬し、超臨酸化炭素抽出または減圧蒸留に
よりコンニャクおよびその乾燥粉末から異臭成分を除去
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、コンニャクおよびその
乾燥粉末からの異臭成分の除去方法に関し、より詳しく
は、超臨界二酸化炭素抽出または減圧蒸留によりコンニ
ャクおよびその乾燥粉末に含まれる異臭成分を効率的に
除去する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、健康食品や機能性食品等として、
ほとんど脂肪分を含まないコンニャクが注目されてお
り、このコンニャクは、通常コンニャク粉末を凝固させ
て得られる。
【0003】従来のコンニャク粉末の製造法は、まず、
生イモを輪切りまたは短冊型に切断した後、天日等で乾
燥する。この状態での粉を荒粉と呼び、原料の生イモに
対する歩留りは約20%である。次に、この荒粉中のデ
ンプンその他のきょう雑物を除去し、マンナン粒子を研
磨して得られたものを精粉と呼ぶ。これが一般にコンニ
ャク粉末と呼ばれるものである。コンニャク粉末に最も
多く含まれる成分は炭水化物であり、その主成分はグル
コース1分子に対してマンノース2分子が結合したコン
ニャクマンナンと呼ばれるグルコマンナンの一種であ
る。
【0004】従来のコンニャク加工品においては、コン
ニャクイモの粉末をその原料として用いているが、コン
ニャクイモおよびその乾燥粉末は異臭を有しており、そ
の加工品についても匂いが残留する等の欠点がある。
【0005】上記問題を解消するために、従来、水洗法
とアルコール精製法が検討されている。水洗法は、コン
ニャクマンナンが水溶性であるため、水分が長時間接触
するとそれ自身の機能が失われ、逆に短時間での処理を
行うと不純物の除去が完全にできない。また、アルコー
ル精製法は、水洗法と異なり、アルコールで処理を行う
ため、不純物をほぼ完全に除去することができる(月刊
フードケミカル,65,9,1988)が、その処理時
間が長いこと、また、高価なアルコールを大量に使用す
るなどの問題があり、より効率的な不純物の除去方法の
開発が望まれている。
【0006】一方、生体関連物質の分離・精製法とし
て、溶離液の代わりに溶質との分離が容易な超臨界流体
を用いる超臨界流体抽出の適用が有望視されている(特
開昭60−133849号公報)。特に、超臨界流体と
して用いる二酸化炭素は無毒で、臨界温度が304.2
Kであるため、操作を308.15K程度の低温で行う
ことができかつ安価であることから、これを用いた多く
の研究がなされている。
【0007】例えば、海洋生物からの抽出としては、温
度勾配法を併用した超臨界二酸化炭素抽出により、魚油
中からエイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサ
エン酸(DHA)等の高度不飽和脂肪酸を分離・精製す
る研究(特開平4−144655号公報)が行われてい
る。
【0008】また、植物からの生体関連物質の抽出とし
て、超臨界二酸化炭素抽出による柑橘種子からのリモノ
イドの抽出(Nippon Shokuhin Kog
yoGakkaishi Vol.39,No.8,6
84−689,1992),超臨界二酸化炭素抽出によ
るシノブヒバ、サワラ等のヒノキ科の植物からのピシフ
エリン酸またはその類縁体の抽出(特開昭62−270
547号公報),超臨界流体抽出による南米産薬用植物
の葉、茎、根からの水及びアルコール存在下でのγーリ
ノレイン酸を含有する油分の抽出(特開平2−2359
96号公報)などがある。
【0009】また、植物種子からの種子油の抽出・分離
に関する研究も種々検討されているようである(J.C
hem.Eng.Jap,Vol.27,768−77
2,1994)。
【0010】しかしながら、このような、超臨界流体抽
出または減圧蒸留を用いて、コンニャクおよびその乾燥
粉末中に含まれる異臭の原因となるトリメチルアミンを
選択的に抽出・除去する報告はなされていない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明の目的
は、コンニャクおよびその乾燥粉末の主成分であるコン
ニャクマンナンを損失することなく、効率的にコンニャ
クおよびその乾燥粉末中の異臭成分であるトリメチルア
ミンを抽出・除去できる手段を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記目的を達
成するために提案されたものであり、下記の構成からな
ることを特徴とする。
【0013】すなわち、本発明によれば、コンニャクま
たはその乾燥粉末をエタノールまたはエタノール混合溶
媒に浸漬し、超臨界二酸化炭素抽出により、上記エタノ
ールまたはエタノール混合溶媒浸漬後のコンニャクまた
はその乾燥粉末から、異臭成分であるトリメチルアミン
を効率的に除去する方法が提供される。本発明の技術的
特徴は、超臨界二酸化炭素抽出に先立って、コンニャク
またはその乾燥粉末をエタノールまたはエタノール混合
溶媒に浸漬している点にあり、これにより、超臨界抽出
時における超臨界二酸化炭素のコンニャクまたはその乾
燥粉末への浸透を良くする。また、エタノールおよびエ
タノール混合溶媒は、異臭成分であるトリメチルアミン
との親和性が強く、これが含まれることにより、超臨界
二酸化炭素に対するトリメチルアミンの溶解度が増大
し、除去が容易になる。また、酢酸を用いることによ
り、エタノールの使用量を削減でき、経済的にも効率良
くコンニャクまたはその乾燥粉末中のトリメチルアミン
を除去できるようになる。なお、本発明においては、エ
タノールまたはエタノール混合溶媒に浸漬しない場合で
もコンニャクまたはその乾燥粉末中のトリメチルアミン
を除去できる。
【0014】超臨界二酸化炭素は、圧力操作のみで溶質
(脂肪)の溶解度を104倍程度変化させることがで
き、しかも、無毒で、臨界温度が304.2Kで操作温
度が35℃程度であり、かつ安価であるという利点があ
る。また、超臨界抽出装置は、流通型を使用でき、スケ
ールアップも容易であるので、脱臭されたコンニャクお
よびその乾燥粉末の大量生産も可能となる。
【0015】本発明において、コンニャクおよびその乾
燥粉末の、エタノールまたはエタノール混合溶媒への浸
漬時間は、1時間ないし24時間、とくに8時間ないし
12時間とするのが、超臨界二酸化炭素抽出を効率的に
行う点から好ましい。
【0016】なお、本発明において、コンニャクまたは
その乾燥粉末を浸漬するとは、上記の如く、前処理とし
て所定時間浸漬することのみならず、コンニャクまたは
その乾燥粉末をエタノールまたはエタノール混合溶媒に
接触させ直ちに超臨界二酸化炭素抽出を行うものであ
る。
【0017】また、本発明において使用するエタノール
またはエタノール混合溶媒は、コンニャクまたはその乾
燥粉末1Kgに対して、0.5ないし2.0リットル、
好ましくは、0.8ないし1.5リットルとするのが良
い。混合溶媒の場合のエタノールのモル分率x1 は、x
1 =0〜1、とくにx1 =0.7〜0.9とするのが、
浸漬時間、経済効率の点で好ましい。この場合、超臨界
二酸化炭素抽出は、上記エタノールまたはエタノール混
合溶媒との混合物に対して行ってもよく、エタノールま
たはエタノール混合溶媒からコンニャクまたはその乾燥
粉末を取り出して、エタノールおよび酢酸等を含有した
コンニャクまたはその乾燥粉末に対して行ってもよい。
【0018】また、本発明において、超臨界二酸化炭素
抽出を行う場合の温度は、32ないし50℃、とくに3
5ないし40℃が、超臨界二酸化炭素抽出を効率的に行
える点において好ましい。また、超臨界二酸化炭素抽出
を行う場合の圧力は、7.2ないし30MPa、とくに
15ないし25MPaとするのが、超臨界二酸化炭素抽
出を効率的に行える点で好ましい。
【0019】以下に、本発明に使用する超臨界抽出装置
を具体的に説明する。図1に示す如く、超臨界抽出装置
は、ボンベ1からストップバルブV2までの経路が形成
された昇圧部、及びその下流に設けられ水恒温槽11内
に設けられた抽出部を備えている。
【0020】〔昇圧部〕昇圧部は、液体二酸化炭素を後
述する昇圧用ポンプ4へ供給するボンベ1を備えてい
る。本実施例では、ボンベ1として、サイフォン式の二
酸化炭素ボンベを使用している。
【0021】ボンベ1と昇圧用ポンプ4との間には、乾
燥剤が充填された乾燥管2が設けられており、この乾燥
管2にボンベ1からの液体二酸化炭素が通過することに
より、液体二酸化炭素中の水分が除去される。なお、乾
燥管2としては、材質SUS316、最高使用圧力20
MPa、内径35.5mm、長さ310mmのものを使
用している。また、乾燥剤としては、GLサイエンス
(株)製のモレキュラーシーブ5A(1/16inch
Pellet)を使用している。
【0022】また、昇圧部は、冷却ユニット8を備えて
いる。なお、本実施例では、冷却ユニット8として、ヤ
マト科学製BL−22を使用している。冷却ユニット8
内には、エチレングリコールが充填されており、このエ
チレングリコールが約−12℃に冷却されるようになっ
ている。上記乾燥剤によって、水分が除去された液体二
酸化炭素は、このエチレングリコールによって冷却さ
れ、昇圧用ポンプ4に供給される。
【0023】上記の昇圧用ポンプ4としては、GLサイ
エンス(株)製の高圧用シングルプランジャーポンプA
PS−5L(最大圧力58.8MPa、常用圧力49.
0MPa、流量0.5〜5.2ml/min)を使用し
ている。昇圧用ポンプ4のヘッド部分には、液体二酸化
炭素の気化を防ぐために冷却器(図示省略)が装着され
ている。また、乾燥管2と昇圧用ポンプ4の間には、フ
ィルター3が設けられており、このフィルター3によっ
て、ゴミなどの不純物が除去され、昇圧用ポンプ4内に
不純物が混入されるのが防止される。なお、本実施例で
は、フィルター3として、細孔平均径が約10μmのも
のを使用している(GLサイエンス(株)製FT4−1
0型)。
【0024】また、昇圧部には、圧力調節弁V1が設け
られており、この圧力調節弁V1によって、昇圧部およ
び抽出部の系内の圧力が任意の圧力に設定されるように
なっている。なお、本実施例では、圧力調節弁V1とし
て、TESCOM製の26−1721−24を使用して
いる。この圧力調節弁V1は、圧力±0.1MPaで系
内の圧力を制御でき、最大使用圧力は41.5MPaと
なっている。
【0025】また、昇圧部には、圧力計5Aが設けられ
ており、圧力計5Aによって系内の圧力が測定される。
圧力計5Aには、上限接点出力端子が付いており、指定
圧力で圧力計5Aの昇圧用ポンプ4の電源が切れるよう
に設置されている。圧力計5Aとしては、ブルドン式の
ものでGLサイエンス(株)製LCG−350(最大使
用圧力34.3MPa)を使用している。なお、圧力計
5Aは、司測研(株)製エコノミー圧力計PE−33−
A(歪ゲージ式、精度±0.3%)によって検定したも
のを使用した。
【0026】昇圧部と抽出部との間には、ストップバル
ブV2が配置されており、このストップバルブV2によ
って抽出部の圧力を制御できる。なお、本実施例では、
ストップバルブV2としてGLサイエンス(株)製の2
Way Valve 02−0120(最大使用圧力9
8.0MPa)を使用した。
【0027】また、本実施例の昇圧部と抽出部の間に
は、安全性を確保するために、安全弁6Aが設けられて
いる。本実施例では、安全弁6Aとして、Nupro
(株)製のスプリング式のものを使用しており、系内の
圧力が34.3MPaで作動するように調整・検定して
ある。なお、昇圧部における、ボンベ1からフィルター
3までの区間以外の配管には、1/16inchのステ
ンレス鋼管(SUS316、外径1.588mm、内径
0.8mm)を用い、他の部分はすべて1/8inch
のステンレス鋼管(SUS316、外径3.175m
m、内径2.17mm)を使用している。
【0028】〔抽出部〕抽出部は、槽全体の高さ調節が
可能な水恒温槽11内に設置されるものである。水恒温
槽11には、チノー製の温度制御器DB1000(図示
省略)が取り付けられており、これにより、水恒温槽1
1内の水温を±0.1℃で制御できる。また、水恒温槽
11には、温度測温部12が設けられており、温度測温
部12には、チノー製の白金抵抗測温体1TPF483
を用いた。これにより、水恒温槽11内の水温度が測定
される。なお、水恒温槽11の内容積は、80dm3
なっている。
【0029】また、抽出部には、余熱カラム9が設けら
れており、昇圧部からストップバルブV2を介して液体
二酸化炭素が供給される。余熱カラム9は溶媒(二酸化
炭素)を平衡温度まで予備加熱し超臨界流体にするため
のものであり、1/8inchステンレス鋼管(SUS
316、外径3.175mm、内径2.17mm、長さ
約4m)を直径55mm、長さ140mmのスパイラル
状に変形してなるものである。
【0030】また、抽出部には、流体の逆流を防止する
ための逆止弁7が設けられており、余熱カラム9によ
り、超臨界流体とされた二酸化炭素は、逆止弁7(NU
PRO製SS−CHS4−10:最大使用圧力41.2
MPa)を通過する。また、抽出部には、ストップバル
ブV3が設けられており、このストップバルブV3を調
節することにより、上記逆止弁7を通過した超臨界流体
が抽出試料を含む抽出セル10に導入される。この抽出
セル10内にコンニャク粉末及びエタノール−酢酸混合
溶媒が収容される。この抽出セル10は、AKICO
(株)製クイック開閉型抽出セルであり、材質SUS3
16、設計圧力39.2MPa(400Kg/c
2 )、設計温度423.15K(150℃)、内径5
5mm、高さ220mm、内容積500dm3 のものを
使用している。
【0031】抽出セル10内の圧力は、圧力計5Bによ
って測定される。この圧力計としては、山崎計器製作所
製ブルドン式圧力計E930004(最大圧力49.0
MPa)を使用している。また、この圧力計5Bとして
は、司測研(株)製エコノミー圧力計PE−33−A
(歪ゲージ式、精度±0.3%FS、FS:Kgf/c
2 )によって検定したものを使用している。
【0032】抽出部には、安全弁6Bが設けられてお
り、これにより、抽出セル15内の圧力上昇による爆発
を防止できる。安全弁6Bは、Nupro(株)製のス
プリング式のものを使用しており、系内の圧力が34.
3MPaで作動するように調整・検定してある。
【0033】また、本装置には、流量調節弁V5が設け
られており、これにより、超臨界流体の流量を調節し、
減圧操作が行える。なお、流量調節弁V5としては、日
本分光(株)製バックプレッシャーレギュレータ(88
0−81型自動圧力調節弁、使用圧力範囲0〜49.0
MPa、圧力調整精度±2%)を使用した。また、抽出
部には、ストップバルブV4が設けられており、このス
トップバルブV4及び流量調節弁V5を介して、試料が
溶解した超臨界流体(二酸化炭素)が系外へ排出され
る。
【0034】流量調節弁V5の上流側には、高圧用フィ
ルター13が設けられており、これによって、試料の凝
縮による管内の閉塞を防止できる。なお、本実施例で
は、高圧用フィルター13として、NUPRO製2TF
−7(細孔平均径約7μm)を使用している。
【0035】減圧に伴う試料の凝縮および超臨界流体
(二酸化炭素)によるドライアイスの発生を防ぐため
に、流量調節弁V5は温度制御可能なヒータ14を有し
ている。さらに、管の出口が振動式になっているため、
析出物による管の閉塞を防ぐことが出来る。
【0036】また、本装置では、氷浴16が設けられて
おり、この氷浴16中には、トラップ15が設けられて
いる。流量調節弁V5で減圧し、これにより析出した試
料は、氷浴16中に設けたトラップ15に回収される。
【0037】また、本装置には、流量計18が設けられ
ており、この流量計18によって超臨界流体の流量が測
定できる。本実施例では、流量計18として、品川精器
製の積算式湿式ガスメータW−NK−0.5B(測定精
度0.1dm3 )を使用している。なお、対象ガスが二
酸化炭素であるため、測定前において、流量計18内の
水は、二酸化炭素で飽和されている。また、流量計18
の上流側には、飽和容器17が設けられており、これに
より、対象ガス(二酸化炭素)が水蒸気で飽和される。
【0038】
【実施例】上記の如く構成された超臨界抽出装置を使用
してコンニャク及びその乾燥粉末からの異臭成分の除去
を行う場合について具体的に説明する。
【0039】助溶媒としてのエタノールには、和光純薬
工業(株)製の特級試薬(純度99.7%以上)を用い
た。超臨界流体には、福岡酸素(株)製の二酸化炭素
(純度99.5%)を用いた。操作方法は以下に示す。
なお、前処理として、コンニャク乾燥粉末20gにエタ
ノール20ml(エタノール:酢酸=9:1)を加えて
撹拌し、12時間放置した。
【0040】まず、抽出セル10の中に上記前処理を行
ったコンニャク乾燥粉末およびエタノール−酢酸混合溶
媒計40gを仕込み、抽出セル10を水恒温槽11内の
所定位置に設置した。次いで、バルブV2を閉じた状態
で、ボンベ1より、昇圧部に二酸化炭素を供給し、二酸
化炭素の上限圧力を圧力調節弁V1で19.7MPaに
調節した。さらに、水恒温槽11内の水温を上記温度制
御器によって、35±0.2℃に温度制御した。
【0041】次いで、抽出部のすべてのバルブ、すなわ
ち、ストップバルブV3、V4、流量調節弁V5が閉じ
た状態で、バルブV2を開け、抽出部へ二酸化炭素ガス
を送った。
【0042】次いで、バルブV3を開け、抽出セル10
内が操作圧力19.7MPaになるまで放置した。
【0043】次いで、ストップバルブV4を開け、抽出
セル10内に仕込んだコンニャク乾燥粉末の異臭成分
(トリメチルアミン)の抽出を開始した。このとき、流
量調節弁V5により、二酸化炭素の測定流速を0.07
〜4dm3 ・ minに調節した。
【0044】さらに、流量調節弁V5の開度を増し、抽
出セル内の圧力を下げ、トラップ15内において、溶解
力を失った二酸化炭素から析出した試料(トリメチルア
ミン、エタノール、酢酸およびその他の不純物)を回収
した。また、抽出セル10からは、コンニャク粉末を回
収することができた。このコンニャク粉末は、コンニャ
クマンナンが損失されることなく、トリメチルアミン、
タンパク質が除去されたものであった。
【0045】以上の超臨界二酸化炭素抽出操作により、
回収されたトリメチルアミンの積算と流した二酸化炭素
の流量の関係を図2に示す。
【0046】
【発明の効果】本発明によれば、コンニャクまたはその
乾燥粉末中の主成分コンニャクマンナンの損失がなく、
効率的にコンニャクまたはその乾燥粉末中の異臭成分で
あるトリメチルアミンを除去できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るコンニャク粉末の精製方法に使
用する超臨界抽出装置の概略構成図である。
【図2】 二酸化炭素の流量と回収されたトリメチルア
ミンの積算量との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 ボンベ 2 乾燥管 3 フィルター 4 昇圧用ポンプ 5A,5B 圧力計 6A,6B 安全弁 7 逆止弁 8 冷却ユニット 9 余熱カラム 10 抽出セル 11 水恒温槽 12 測温部 13 フィルター 14 ヒーター 15 トラップ 16 氷浴 17 飽和容器 18 流量計 V1 圧力調節弁 V2〜V4 ストップバルブ V5 流量調節弁

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コンニャクおよびコンニャク粉末をアル
    コール中に浸漬し、超臨界二酸化炭素抽出または減圧蒸
    留によりコンニャクおよびその乾燥粉末から異臭成分を
    除去する方法。
  2. 【請求項2】 コンニャクまたはその乾燥粉末およびア
    ルコールの使用量が、原料コンニャクまたはコンニャク
    粉末100重量部に対してアルコール1〜200重量部
    である請求項1記載のコンニャクおよびその乾燥粉末か
    らの異臭成分の除去方法。
  3. 【請求項3】 アルコールがエタノールである請求項
    1,2記載のコンニャクおよびその乾燥粉末からの異臭
    成分の除去方法。
  4. 【請求項4】 アルコールがエタノールとエタノールを
    除く低級アルコールまたは酢酸との混合物である請求項
    1,2記載のコンニャクおよびその乾燥粉末からの異臭
    成分の除去方法。
JP7219791A 1995-08-03 1995-08-03 コンニャクおよびコンニャク粉末からの異臭成分の除去方法 Pending JPH0947250A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7219791A JPH0947250A (ja) 1995-08-03 1995-08-03 コンニャクおよびコンニャク粉末からの異臭成分の除去方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7219791A JPH0947250A (ja) 1995-08-03 1995-08-03 コンニャクおよびコンニャク粉末からの異臭成分の除去方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0947250A true JPH0947250A (ja) 1997-02-18

Family

ID=16741086

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7219791A Pending JPH0947250A (ja) 1995-08-03 1995-08-03 コンニャクおよびコンニャク粉末からの異臭成分の除去方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0947250A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Stahl et al. Extraction of seed oils with liquid and supercritical carbon dioxide
Sapkale et al. Supercritical fluid extraction
Lee et al. Concentration of tocopherols from soybean sludge by supercritical carbon dioxide
CN100387698C (zh) 一种茉莉花净油的提取方法
Allawzi et al. CO2 supercritical extraction of essential oil of Jordanian rosemary
CN109705983B (zh) 一种同时萃取植物精油及纯露的超临界co2萃取装置及方法
Verma et al. Supercritical fluid extraction (SCFE) for rice aroma chemicals: Recent and advance extraction method
Buczenko et al. Extraction of tocopherols from the deodorized distillate of soybean oil with liquefied petroleum gas
EP0077745B1 (fr) Modification de la composition de boissons alcoolisées obtenus par fermentation de fruits par utilisation de CO2 liquide
JPH0947250A (ja) コンニャクおよびコンニャク粉末からの異臭成分の除去方法
Osséo et al. Continuous fractionation of used frying oil by supercritical CO2
JPH0959170A (ja) バイカリンおよびバイカレインの分離、精製方法
Lang et al. Pressurized water extraction (PWE) of terpene trilactones from Ginkgo biloba leaves
JP2005213327A (ja) 植物精油及び植物精油の製造方法、並びに、チモールの製造方法
JPH09318616A (ja) 米の鮮度評価方法
Bulley et al. Extraction/fractionation of egg yolk using supercritical CO2 and alcohol entrainers
Catchpole et al. Gas anti-solvent fractionation of natural products
Zhabayeva et al. Supercritical fluid extraction in resveratrol isolation technology
Subra et al. Retention of some components in supercritical fluid chromatography and application to bergamot peel oil fractionation
JPH08228755A (ja) 酒造原料米の精製方法
JPH0947238A (ja) 脱アレルゲン米の製造方法
DE60030903D1 (de) Verfahren zur Herstellung eines mit Öl beladenen Adsorptionsmittels
US11987544B2 (en) Device and method for extraction of pure compounds
Eller et al. Use of liquid carbon dioxide to remove hexane from soybean oil
JP3474029B2 (ja) コレステロールの分離回収方法