JPH08228591A - 植木鉢用培養土 - Google Patents

植木鉢用培養土

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JPH08228591A
JPH08228591A JP7067102A JP6710295A JPH08228591A JP H08228591 A JPH08228591 A JP H08228591A JP 7067102 A JP7067102 A JP 7067102A JP 6710295 A JP6710295 A JP 6710295A JP H08228591 A JPH08228591 A JP H08228591A
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water
culture soil
soil
pot
culture
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Takejiro Kanzaki
武二郎 神崎
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  • Cultivation Receptacles Or Flower-Pots, Or Pots For Seedlings (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】保水能力がすぐれると共に通気性も良好で、観
賞用花卉を確実かつ容易に育成することができ、比重が
小さく軽量で水受け皿も不要になるため鉢構造と材質の
自由度が増すとともに配置の自由度も高く、さらに使用
後の廃棄も焼却によって行うことができる実用性の高い
植木鉢用培養土を提供する。 【構成】椰子殻粉砕物と樹皮繊維とコーヒー抽出滓のい
ずれか2種以上の基礎用土配合に対し吸水性樹脂を約
0.2〜2vol%添加し、均一に分散混合した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は観賞植物栽培に好適な植
木鉢用培養土に関する。
【0002】
【従来の技術及びその技術的課題】植木鉢類に植物を植
えて室内に配置した観賞植物は室内の雰囲気を和らげた
り、心理的な安定感を創成するなどの効果があることか
ら広く普及している。しかし、従来では鉢植え観賞用の
培養土として、一般土壌あるいはこれにたとえば腐葉土
などの植物性土壌成分とたとえば砂などの鉱物性土壌成
分を混合したものであった。したがって、栽培培養土と
しての機能においては種々の要求に対応可能であるが、
日常の栽培管理ことに給水の頻度については慣用の一般
土壌と同じであり、このため栽培農家、流通過程などに
おいてかん水作業に手間を要したり設備が大掛りとな
り、また、消費者においては給水を忘却したりあるいは
旅行時など管理者不在によって物理的に給水不可能なこ
となどによって植物が枯れてしまっうことが多い。さら
に給水時に余剰水が生ずるため水受け皿が不可欠となっ
たり、水受け皿を併用しなければならないことから観葉
植物の室内配置に制約を受け、たとえば天井などから植
木鉢を直接吊持するというような自由度の高い使用を行
えないという問題があった。また、植物の栽培をやめて
培養土として不要になったときの廃棄も面倒であり、マ
ンションなどの共同住宅の場合に用土処理に難渋を来す
という問題があった。
【0003】本発明は前記のような問題点を解消するた
めに創案されたもので、その目的とするところは、保水
能力がすぐれると共に通気性も良好で、観賞用花卉を確
実かつ容易に育成することができ、比重が小さく軽量で
水受け皿も不要になるため鉢構造と材質の自由度が増す
とともに配置の自由度も高く、さらに使用後の廃棄も焼
却によって行うことができる実用性の高い植木鉢用培養
土を提供することにある。
【0004】上記目的を達成するため本発明は、椰子殻
粉砕物と樹皮繊維とコーヒー抽出滓のいずれか2種以上
からなる基礎用土に対し吸水性樹脂を約0.2〜2容積
%を添加し均一に分散混合した構成としたものである。
好適には、基礎用土として椰子殻粉砕物と樹皮繊維とコ
ーヒー抽出滓の配合を容積比で(37〜50):(30
〜36):(17〜30)とする。あるいは基礎用土と
して椰子殻粉砕物とコーヒー抽出滓を容積比で(45〜
55):(45〜55)とする。またはこれに代えて、
樹皮繊維とコーヒー抽出滓を容積比で(65〜75):
(25〜35)で配合し、あるいは椰子殻粉砕物と樹皮
繊維を容積比で(55〜65):(35〜45)で配合
したものとする。なお、本発明において「植木鉢類」と
は、縦長筒状の植木鉢、比較的深さの浅いパン型ないし
ボックス型のもの、プランターなどの洋風植木鉢などを
すべて含む概念とする。
【0005】
【作用】本発明の培養土は植木鉢に充填され、通常の鉢
植えと同じように所望の植物すなわち、苗木、球根、種
子などが埋められ、かん水を行う。請求項1によれば、
培養土は樹皮繊維と椰子殻粉砕物とコーヒー抽出滓の2
種以上からなる基礎用土配合に吸水性樹脂を約0.2〜
2容積%分散混合しており、この吸水性樹脂の自己吸水
能によって給水の際の余剰水が保水され、その保水分が
培養土の乾燥状態に応じて逐次発散されて、水分補給が
行われる。従って、培養土は基礎用土だけの場合に比べ
て格段にすぐれた保水能力を有し、しかもその保水能力
は、一定容量の培養土において半径方向および深さ方向
でほぼ一様である。
【0006】このことから給水間隔を長くすることがで
き、花卉栽培農家や流通過程での水管理が容易となり、
かん水の省力化やかん水のための大型貯水槽やポンプな
どの設備を簡略化することが可能になり、また、消費者
においても給水間隔を長くとることができるため、旅行
など物理的にかん水を行えない場合でも枯渇の危険がな
くなる。また、給水の際に基礎用土と吸水性樹脂が水分
を吸収するため、植木鉢底から余剰水の流出が生じな
い。このため、水受け皿が不要な植木鉢構造を採用する
ことができ、絨毯など水による汚損が不都合な室内部分
や室内装置品上に直接配置したり、天井などから簡単に
宙吊りにしたりすることができ、前記したデザインの自
由度とあいまってすぐれた装飾効果を実現することがで
きる。
【0007】さらに、基礎用土は樹皮繊維と椰子殻粉砕
物とコーヒー抽出滓の2種以上の配合からなり、繊維と
粒状のものとの混合物であるため植物の育成に適した密
度となり、しかもそれらの比重が軽く沈降による圧密化
が生じにくいことと、吸水性樹脂が吸水による体積膨脹
と放水による体積収縮を反復するため空隙が創成される
ことにより培養土は目詰り現象が生じず、良好な空隙が
長期間に渡り保持され通気性も良好である。さらに、培
養土はpHが6〜7の範囲である。これらと前記した保
水性能により植物にとって良好な成育条件を実現するこ
とができる。さらに、基礎用土は樹皮繊維と椰子殻粉砕
物とコーヒー抽出滓の2種以上の配合であり、吸水性樹
脂を添加しても比重が軽く通常の用土に比べて非常に軽
量である。このため運搬、植え込み、鉢の移動などの取
扱いが容易であり、また、植物の成育を止め培養土が不
要となったときにも、基礎用土が有機質(植物系物質)で
あるため焼却処理を行うことができ、また、土として還
元も自在である。
【0008】請求項2のように基礎用土として椰子殻粉
砕物と樹皮繊維とコーヒー抽出滓を容積比で(37〜5
0):(30〜36):(17〜30)とした場合に
は、椰子殻粉砕物が粒状物分と繊維分の混合物であるこ
とにより樹皮繊維とコーヒー抽出滓とのなじみがよく、
均一な配合状態とすることができ、また、樹皮繊維とコ
ーヒー抽出滓により保水性がよく、また殺菌性ないし無
菌性により植物の病気の発生を少なくすることができ
る。さらに、請求項6のように植木鉢類として紙質のも
のを使用したときには、栽培セットの重量が軽くなると
ともに、培養土だけでなく鉢そのものも焼却できるた
め、使用済みの際の処理が容易である。請求項7のよう
に鉢本体と底部体を紙質で構成し、底部体の底部から離
間した部位に通気孔を有する耐水性の間仕切り部材を取
り付けて培養土を支持させると共に、間仕切り部材と底
部体との間に空隙を形成し、この空隙に対応する鉢本体
の側壁部に通気孔を形成した場合には、培養土に対する
空気の流通や換気が良好となるとともに、万一、保水能
力を超えるような給水を行って余剰水が生じてしまって
も空隙部に保水されつつ逐次蒸発して通気孔から培養土
に補給されるため、より給水間隔を長くすることができ
る。
【0009】以下本発明を添付図面に基いて説明する。
図1は本発明による培養土に使用する素材を示してお
り、1は樹皮繊維、2は椰子殻粉砕物、3はコーヒー抽
出滓、4は吸水性樹脂である。樹皮繊維1は樹木の木皮
を細かく粉砕したもので、綿状繊維1aと針状繊維1b
との混合物からなっており、窒素・りん酸・カリウムを
含んでいることによって肥料分として機能すると共に、
通気性と保水性を有するため使用する。樹皮材質は広葉
樹でもよいが、杉、檜などの針葉樹のものが殺菌能力が
あるため好適である。樹皮繊維1はさらにこれに発酵剤
を混入して発酵分解して完熟させて堆肥となったものを
含む。樹皮繊維1は、また、場合によっては木皮だけで
なく木質の破砕分を含んでいてもよい。
【0010】椰子殻粉砕物2はココナツなどの椰子類の
殻を圧偏し粉壊したもので、顆粒状分2aとひげ状繊維
2bとの混合物からなっている。この椰子殻粉砕物2は
保水性は樹皮繊維1よりも劣るものの、顆粒状分2aと
ひげ状繊維2bが混在していることから一種のバインダ
ーとして機能し、樹皮繊維1およびコーヒー抽出滓3を
配合したときにそれと相性がよく、分離を起こさせずま
たボール状の塊を形成させることなく均一に混合するこ
とができる。
【0011】コーヒー抽出滓3を使用するのは、廃棄物
として処理に難渋していた本品の資源化を図りコスト低
減を実現する理由のほか、煤煎による多孔質化によって
微細なオープンポアが形成され、表面積が大きく吸水性
が良好であるためである。また煤煎によって殺菌されて
いることも利点である。このコーヒー抽出滓3は、使用
に際して水洗処理をして脂肪分と微細粉などを除去し、
無菌状態で肥料分を含まない仕様としたもの、蘇生型微
生物による発酵処理を行って肥料分を有する仕様とした
もののいずれでもよい。
【0012】本発明は基礎用土として樹皮繊維1、椰子
殻粉砕物2、コーヒー抽出滓3の少なくとも2種以上を
栽培対象の花卉の特性などに応じて選択使用する。すな
わち、本発明の基礎用土は、樹皮繊維1と椰子殻粉砕物
2およびコーヒー抽出滓3を混合したもの、樹皮繊維1
と椰子殻粉砕物2を混合したもの、樹皮繊維1とコーヒ
ー抽出滓3を混合したもの、椰子殻粉砕物2とコーヒー
抽出滓3を混合したもののいずれかである。これらのう
ち、最も好適な組合せは、樹皮繊維1と椰子殻粉砕物2
およびコーヒー抽出滓3の3種混合であり、その場合の
配合量は任意であるが、好ましくは、椰子殻粉砕物2>
樹皮繊維1≧コーヒー抽出滓3の関係とすべきである。
具体的には、容積比で椰子殻粉砕物:樹皮繊維:コーヒ
ー抽出滓が(37〜50):(30〜36):(17〜
30)が好適な配合である。椰子殻粉砕物の量が他の2
者よりも少ないと分散混合が不均一となるため不適当で
ある。次に好適な組合せは、椰子殻粉砕物2とコーヒー
抽出滓3の2種配合であり、この場合には両者を容積比
で(45〜55):(45〜55)とすべきである。ま
た、場合によっては樹皮繊維とコーヒー抽出滓の配合と
してもよく、この場合、樹皮繊維:コーヒー抽出滓は容
積比で(65〜75):(25〜35)とする。あるい
は、椰子殻粉砕物2と樹皮繊維1の配合としてもよく、
この場合、容積比で(55〜65):(35〜45)で
配合することが適当である。
【0013】本発明の特徴は前記基礎用土に吸水性樹脂
4を添加し、均一に分散させることであり、吸水性樹脂
4は高分子電解質に橋かけや不溶物を導入した高吸水性
高分子である。具体的には、でん粉にアクリル酸塩を
グラフト重合したもので代表されるでん粉系のもの、
カルボキシセルローズにアクリル酸塩をグラフト重合し
たもので代表されるセルローズ系もの、アクリル酸・
ビニルアルコール共重合体、アクリル酸ソーダ重合体、
アクリルル酸・アクリルアミド共重合体、ポリエチレン
オキサイド変成物などで代表される合成ポリマー系のも
のから適宜選択される。前記吸水性樹脂4は粉状、顆粒
状またはペレット状もしくは短繊維状のいずれかもしく
はそれら2種以上を混合した性状のものが選択使用され
る。この吸水性樹脂4の添加率は、前記基礎用土に対し
約0.2〜2容積%添加される。この理由は添加率が約
0.2容積%を下回る量では保水効果が乏しく、約2容
積%を超える量では吸水量が大すぎるため膨脹が著しく
なり、用土の堆積変化が過大になって鉢類からあふれて
しまう不具合が生ずるからである。吸水性樹脂4は基礎
用土の各構成素材と一緒にミキサーなどで撹拌混合され
てもよいが、好ましくは基礎用土を予めブレンドして作
成した後、吸水性樹脂4を添加して混合する。以上のよ
うにして得られた培養土Aは、pHが6〜7、見かけ比
重が0.2〜0.5となり、中性に近いため栽培用土と
して最適であり、また山土などの通常の培養土に比べて
軽量であるため、運搬、植え込み、移動などの取扱いが
容易である。
【0014】本発明の培養土Aは陶土、プラスチックな
どからなる汎用の植木鉢類に充填使用して使用すること
もできるし、さらには特性を生かして紙製の植木鉢類に
充填使用することができる。それらにおいて、鉢底は塞
いで通気用のストロー状部材を培養土表面から底に向か
って挿し込めばよい。図2は上記した本発明の培養土A
を使用した植木鉢セットの一例を示している。Bは紙製
の鉢本体であり、筒状の胴部体5と底部体6からなって
いる。胴部体5は板紙の内面にポリエチレンなどのプラ
スチックフィルムからなる防水被膜51をラミネートし
たシートにより作られ、外表面には図柄、模様、文字あ
るいはそれらを組み合わせた任意の装飾面が板紙に直接
印刷を施すことによりあるいは別途印刷したシートを貼
着することにより作られている。底部体6は、前記胴部
体5と同様に板紙にポリエチレンなどのプラスチックフ
ィルムで防水被膜61をラミネートした円板状のシート
からなり、前記防水被膜61が胴部体5の防水被膜51
と熱溶着法などにより接合され、これにより底部体6と
胴部体5は一体化して鉢本体Bを構成している。底部体
6は従来の植木鉢類のように排水穴を有していない。こ
の実施例では、底部体6は外縁に板厚方向に屈曲された
フランジ6aを有し、胴部体5の下端部には前記フラン
ジ6aの表裏を挟圧する反転屈曲部5aが設けられ、そ
の反転屈曲部5aの内面の防水被膜が熱融着などによっ
てフランジ6aと接合し、それにより防水性を高めてい
る。
【0015】そして、底部体6と所要の間隔をおいた上
方に面板状の間仕切り部材7が取付けられ、該間仕切り
部材7の上に前記培養土Aが装填され、また間仕切り部
材7と底部体6との間に空間部Cが画成されている。そ
して、この空間部Cを囲む胴部体部分には複数個の通気
孔53が相互に所定の間隔をおいて穿設されている。通
気孔53は高さレベルでは好ましくは底部体6と間仕切
り部材7の中間または中間よりも間仕切り部材7に近い
位置に配設することが好ましい。前記間仕切り部材7は
多孔性のシートからなっている。具体的には、廃棄処理
の面から紙質のものたとえば板紙にポリエチレンなどの
プラスチックフィルムで防水被膜をラミネートしたもの
や、パラフィン含浸紙などが好適であり、所要の大きさ
の通気孔70が所要間隔で形成されている。
【0016】間仕切り部材7は周縁を直接胴部体5の内
面に接着することで張設されていてもよが、培養土Aの
重量によって空間部Cの大きさが変化しないようにする
ため、脚部(支持部)8で支えることが好ましい。その脚
部8は間仕切り部材7の周辺に一体形成しあるいは別部
材として作ったものを接着することで得てもよい。ある
いは、紙管ないし紙筒を短尺に切断したリングを筒端面
を上下にして底部体6の上に複数個配しあるいは接着
し、リング上に間仕切り部材7を受支させあるいは接着
してもよい。リングは必要に応じて周壁に通孔が配設さ
れる。9は給水部材であり、ガーゼや不織布などからな
っていて、前記間仕切り部材7の適所たとえば中央部の
通気孔70と底部体6との間に装着され、間仕切り部材
7から滴下した余剰水分を毛細管作用により吸い揚げる
ようになっている。これにより底面給水型鉢に近い鉢構
造となってる。なお、本発明は培養土として前記配合を
基本とするが、これに窒素、りん酸、カリを含有する化
成肥料や坑菌剤を所要量添加してもよく、これも本発明
に含まれる。またいうまでもなく植木鉢としては通気と
排水を兼ねた孔を有する通常の構造のものを使用するこ
ともできる。
【0017】
【実施例】次に本発明の実施例を示す。 〔実施例1〕基礎用土として、椰子殻粉砕物:樹皮繊
維:コーヒー抽出滓を容積比で45.0:33.0:2
2.0の配合とし、これに吸水性樹脂を容積比で0%、
0.7%、1.0%、1.2%添加して簡易ミキサーに
より混合して培養土サンプル1,2,3,4を作った。吸水性
樹脂は合成ポリマー系の高吸水性高分子(商品名:荒川化
学工業株式会社製、アラソーブS-100J)、平均粒径
300μmのものを使用した。上記各培養土の保水性を
試験するため、直径12cm、高さ9cm、内容積約700
ccの耐水紙製鉢を作成し、これに前記培養土サンプル
1,2,3,4を充填し、一定温度と湿度条件で30日
間水分蒸発量を測定した。その結果を表1に示す。
【0018】
【表1】
【0019】この表1から明らかなように、吸水性樹脂
を使用しない培養土サンプル1では、水分減少率が高い
が、吸水性樹脂の添加量が適量である培養土サンプル
2,3,4では良好な保水性性能を示していることがわ
かる。なお、培養土サンプル5は吸水性樹脂の量が過剰
のため培養土の体積が異常に増し、鉢からあふれ出てし
まい、培養土としての基本機能が失われてしまった。
【0020】〔実施例2〕吸水性樹脂の添加率を0.7
容積%一定とし、基礎用土として椰子殻破砕物、樹皮繊
維及びコーヒー抽出滓から2種を選択して混合し、培養
土サンプル6,7,8を得た。これら培養土サンプル
6,7,8について実施例1と同じ条件で水分蒸発試験
を行った。その結果を表2に示す。
【0021】
【表2】
【0022】この表2から明らかなように、いずれも吸
水性樹脂が無添加の培養土サンプル1に比べて水分減少
率を抑制することができ、特に、培養土サンプル8は良
好な結果が示されている。培養土サンプル6,7は培養
土サンプル8よりも劣るものの、培養土サンプル1より
は良好な保水性能が得られることがわかる。
【0023】〔実施例3〕 1)以上の結果に基づき、培養土サンプル1,2,3,
4,6,7,8を使用し、 テスト鉢として図2に示す
構造のものを使用して栽培テストを行った。 2)仕様は直径×高さ13×9cmの紙製テスト鉢に底か
ら18mmの位置に耐水性の間仕切り部材を脚により取
付け、この上方に内容積700ccの鉢部を形成した。
間仕切り部材には、直径7mmの通気孔を円周方向に6
個等間隔で配し、中心に1個配した。また、間仕切り部
材から3mm下方の位置の鉢胴部に直径7mmの通気孔
を1個設けた。そして間仕切り部材の中心に鉢内底に達
する長さのガーゼを吊持させた。 3)上記テスト鉢に上記培養土サンプルをそれぞれ60
0cc充填し、各培養土にそれぞれチューリップと水仙
の球根を2cmの深さに植え、その上に培養土を覆って
鉢植えサンプル1,2,3,4,6,7,8を得た。球
根の個体差を考慮して各鉢植えサンプルを10鉢ずつと
した。 4)各鉢植えサンプルを温度環境−1〜23℃、湿度環
境30〜40%の温室に配し、7日に1回の割合で20
0ccの水を給水し、90日間育成して成育状態を観
察、測定した。その結果を表3に示す。
【0024】
【表3】
【0025】この表3から明らかなように、同じ給水量
と給水間隔にもかかわらず鉢植えサンプル2,3,4,
6,7,8は鉢植えサンプル1に比べて成育がよく、こ
とに、鉢植えサンプル2と8は良好な成育状態となって
いることがわかる。これは、基礎用土の保水性と吸水性
樹脂による保水性との相乗効果により水分減少が少ない
こと、椰子殻粉砕物のなじみ作用によってコーヒー抽出
滓あるいはこれと樹皮繊維との混合が均一化したこと、
コーヒー抽出滓の無菌性によって培養土の衛生状態が良
好に保たれたことなどによると考えられる。
【0026】
【発明の効果】以上説明した請求項1〜5によるときに
は、保水能力がすぐれると共に通気性も良好で、観賞用
花卉を確実かつ容易に育成することができ、比重が小さ
く軽量で水受け皿も不要になるため鉢構造と材質の自由
度が増すとともに配置の自由度も高く、さらに使用後の
廃棄も焼却によって行うことができる実用性の高い植木
鉢用培養土を提供することができるというすぐれた効果
が得られる。請求項6によれば、本発明による培養土の
特徴を生かすことができ、適切な軽量化を実現できると
ともに印刷の自由度により装飾性や美観の高いものとす
ることができ、また鉢も焼却できるため廃棄処理も容易
であるなどのすぐれた効果が得られる。請求項7によれ
ば、培養土による保水効果に加えて植木鉢がそのものに
保水機能がありかつ通気や換気性が良好なため、良好な
育成条件を実現することができ、また、鉢そのものも焼
却できるため使用済みとなった場合の処理が容易である
というすぐれた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に使用する素材を模式的に示す側面図で
ある。
【図2】本発明と組合せ使用するのに好適な鉢の一例を
示す部分切欠側面図である。
【符号の説明】
1 樹皮繊維 2 椰子殻破砕物 3 コーヒー抽出滓 4 吸水性樹脂 5 胴部体 6 底部体 7 間仕切り部材 53 通気孔 70 通気孔 A 培養土

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】椰子殻粉砕物と樹皮繊維とコーヒー抽出滓
    のいずれか2種以上の基礎用土配合に対し吸水性樹脂を
    約0.2〜2容積%を添加し均一に分散混合したことを
    特徴とする植木鉢用培養土。
  2. 【請求項2】基礎用土が椰子殻粉砕物と樹皮繊維とコー
    ヒー抽出滓を(37〜50):(30〜36):(17
    〜30)の容積比で配合している請求項1に記載の植木
    鉢用培養土。
  3. 【請求項3】基礎用土が椰子殻粉砕物とコーヒー抽出滓
    を(45〜55):(45〜55)の容積比で配合して
    いる請求項1に記載の植木鉢用培養土。
  4. 【請求項4】基礎用土が樹皮繊維とコーヒー抽出滓を容
    積比で(65〜75):(25〜35)で配合している
    請求項1に記載の植木鉢用培養土。
  5. 【請求項5】基礎用土が椰子殻粉砕物と樹皮繊維を容積
    比で(55〜65):(35〜45)で配合している請
    求項1に記載の植木鉢用培養土。
  6. 【請求項6】植木鉢として紙質のものを使用することを
    含む請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の植木鉢
    用培養土。
  7. 【請求項7】植木鉢として、鉢本体と底部体を紙質で構
    成し、底部体の底部から離間した部位に通気孔を有する
    耐水性の間仕切り部材を取り付けて培養土を支持させる
    と共に、間仕切り部材と底部体との間に空隙を形成し、
    この空隙に対応する鉢本体の側壁部に通気孔を形成した
    ものを使用することを含む請求項1ないし請求項6のい
    ずれかに記載の植木鉢用培養土。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102107719B1 (ko) * 2019-02-14 2020-05-07 김경중 식생용 천연 포트
KR20220056464A (ko) * 2020-10-28 2022-05-06 다알시스 주식회사 커피 부산물을 이용한 재식교구 제조방법

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