JPH08226063A - スパンボンド不織布の製造装置 - Google Patents

スパンボンド不織布の製造装置

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JPH08226063A
JPH08226063A JP3231595A JP3231595A JPH08226063A JP H08226063 A JPH08226063 A JP H08226063A JP 3231595 A JP3231595 A JP 3231595A JP 3231595 A JP3231595 A JP 3231595A JP H08226063 A JPH08226063 A JP H08226063A
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JP
Japan
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continuous
fiber group
speed airflow
speed
long fiber
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JP3231595A
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Seiji Seguchi
誠司 瀬口
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New Oji Paper Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 目付むらが少なく、かつ目付分布の均一で良
好な地合のスパンボンド不織布を得る。 【構成】 紡糸口金より熱可塑性樹脂を簾状に溶融紡糸
した連続長繊維群を高速気流牽引装置により牽引して細
化延伸させ、これを連続長繊維群開繊用反射板に衝突さ
せた後、ネットコンベヤー上に堆積させるに際し、連続
長繊維群開繊用反射板の下方位置に一対の互いに平行な
板状物で、かつ該板状物のどちらか一方もしくは両方が
幅方向に渡っていくつかの数に分割され、板状物の間隔
がそれぞれ独立して調整可能である高速気流整流装置を
設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱可塑性樹脂よりなる
連続長繊維群により構成される長繊維不織布の製造装置
に関するものであって、さらに詳しくは目付むらが少な
く、かつ目付分布が均一で良好な地合のスパンボンド不
織布の製造装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性樹脂を紡糸した連続繊維群から
不織布を得る方法の一つにスパンボンド法がある。スパ
ンボンド法は熱可塑性樹脂を溶融紡糸して連続長繊維群
とし、これを高速気流牽引装置を用いて細化延伸し、さ
らに何らかの方法で連続長繊維群を開繊させた後、これ
をネットコンベヤー上に堆積させて不織ウエブを形成さ
せる方法で、安価に不織布が得られる方法として近年需
要が高まってきている。ここで重要なのは高速気流牽引
装置の内外で連続長繊維群を均一に分散させることであ
り、連続長繊維群の均一分散は不織布の品質向上につな
がる。
【0003】連続長繊維群を均一に分散させるための方
法は従来から種々の提案がなされているが、高速気流牽
引装置より噴出された連続長繊維群を反射板に衝突させ
て摩擦帯電させたり、連続長繊維群に向けコロナ放電を
行うなどして連続長繊維群に同極の電荷を付与し、その
反発力により分散させる方法が最も適している。
【0004】しかし、この方法では局所的に見た場合の
個々の繊維の分散は可能であるものの不織布全体で見た
場合の厚薄のむら、つまり目付むらを抑えるのは困難で
あった。目付むらの発生は以下に述べる2つの事象に起
因するものである。まず、第一に高速気流牽引装置から
噴出された連続長繊維群は様々な開繊方法によって個々
の繊維が分散されるが、噴出方向に設けられたネットコ
ンベヤー上に堆積されるまで空中を走行する際に、ネッ
トコンベヤーに近づくにつれ、高速気流の拡散幅、特に
ネットコンベヤーの進行方向と同方向への拡散幅が大き
くなり、これにつられ拡散した連続長繊維群が周りの空
気の抵抗などによって失速してしまう。このため連続長
繊維群内の速度分布、つまり圧力バランスが不均一とな
り、速度の大きい連続長繊維の方へ隣接の連続長繊維が
引き寄せられてしまうなどして連続長繊維群の中に塊状
部分が発生してしまう。さらに、高速気流の拡散による
圧力バランスの変化により連続長繊維群が拡散幅に沿っ
てネットコンベヤーの進行方向と同方向に不規則に波打
つようになり、したがって前述した繊維塊も不規則に波
打ちながらネットコンベヤー上に堆積することとなり、
これが目付むらになるのである。
【0005】第二に横断面が狭く幅広な矩型断面の高速
気流牽引装置を用いた場合、高速気流牽引装置内の高速
気流の僅かな速度変化、つまり高速気流の僅かな圧力バ
ランスの変化によって一部に連続長繊維の偏りが発生す
るため、連続長繊維群内の幅方向の繊維密度が不均一と
なり、これにより幅方向の目付むらが発生するのであ
る。
【0006】第一の事象を抑える方法としては噴射気流
の速度、すなわち高速気流牽引装置に供給する気体の圧
力を上げる方法、高速気流牽引装置の下方に弧状に湾曲
した反射分散板を配置することで連続長繊維群を再分散
させて目付むらを抑えようとする方法(特開昭61−4
7860)、高速気流牽引装置の直下に連続長繊維群飛
び出し防止用壁または衝突板を入口部に備え狭小な矩型
状スリットを有するスリット整流装置により余剰な高速
気流をスリット整流装置の入口部で分離し連続長繊維群
を再配列させる方法(特開昭57−143552)等が
ある。高速気流牽引装置に供給する気体の圧力を上げる
方法では連続長繊維群の失速を簡単に防ぐことができる
が、連続長繊維群を牽引する高速気流の速度や風量が増
加するため、ネットコンベヤー上で繊維流を繊維と気流
に分離するためにネットコンベヤー下部に設けられた吸
引装置の吸引風速を上げて対処せねばならず、このため
の設備費、動力費がかさみ安価に不織布を得ることが困
難となる。また、紡糸口金をネットコンベヤーの進行方
向に対して垂直に複数配列設置し、これを積層して不織
ウエブを得る場合は気流の速度および風量を上げると2
列目以降の連続長繊維群の堆積部で予め堆積され進行し
てきたネットコンベヤー上の不織ウエブの繊維の配列を
乱すため好ましくない。また、特開昭61−47860
に見られる方法では、この場合、反射板の弧面に深く当
たって反射する連続長繊維と浅く当たって反射する連続
長繊維とでは反射後の速度が異なるので逆に前述した繊
維塊の発生を助長する危険がある。さらに、特開昭57
−143552等に見られる方法では、高速気流部と大
気部との気圧差により大気部から高速気流部に引き寄せ
られ流れてくる、いわゆる随伴流が高速気流牽引装置と
スリット整流装置間でも発生し、このためスリット整流
装置入口部での空気量が高速気流牽引装置より噴出され
たときの空気量よりも多くなり、この量の増えた高速気
流を連続長繊維群飛び出し防止用壁または衝突板が取り
付けられた入口部分で不織ウエブの形成に影響を及ぼさ
ぬように分離し、減量するには該飛び出し防止用壁や衝
突板の角度設定が難しく、またそれらの表面平滑度や表
面形状に高い精度が要求されることとなり、これらが満
たされない場合、分離した余剰な高速気流が高速気流牽
引装置より噴出してきた高速気流と干渉するなどして本
流側の高速気流の流れを乱すこととなり、かえって連続
長繊維群の均一分散を妨げることとなる。また、高速気
流を分離し、減量させるのはそれらの持つ運動エネルギ
ーを減少させることになるため、ネットコンベヤーに連
続長繊維群が到達する前に該長繊維群が失速してしまう
危険があり好ましくない。
【0007】つぎに第二の事象を抑える方法としては噴
射口の断面形状の幅を高速気流牽引装置の幅方向に渡っ
ていくつかの数に分割し、断面形状の幅を独立して調整
可能とさせることで連続長繊維群の噴射速度を高速気流
牽引装置の幅方向に渡って変更可能とした方法(特開昭
52−59775号公報)が提案されている。しかしな
がら、この方法は高速気流牽引装置の加工、維持に依然
として手間暇を要すること、また横断面の狭い矩型の高
速気流牽引装置において装置内の気流速度を調整するに
は熟練を要するという問題があった。
【0008】さらに、上記した個々の方法は全てどちら
かの事象だけを解決しようとするものであるが、前述し
た事象は2つが同時に発生するため、これらの方法では
目付むらが少なく、目付分布の均一な長繊維不織布を得
るには不十分であった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は前述の
従来の技術の欠点を解消するために連続長繊維群開繊用
反射板の下方位置に一対の互いに平行な板状物で、かつ
該板状物のどちらか一方もしくは両方が幅方向に渡って
いくつかの数に分割され、板状物の間隔がそれぞれ独立
して調整可能である高速気流整流装置を設け、これによ
り高速気流の拡散を抑えて連続長繊維群の失速を防ぎ、
しかも連続長繊維群の幅方向の繊維密度を均一にして、
目付むらの少なく、かつ目付分布が均一で良好な地合の
スパンボンド不織布を得ようとするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は紡糸
口金より熱可塑性樹脂を簾状に溶融紡糸した連続長繊維
群を断面が矩型の高速気流牽引装置により牽引して細化
延伸させ、これを連続長繊維群開繊用反射板に衝突させ
た後、ネットコンベヤー上に堆積させて不織ウエブを得
る工程において、連続長繊維群開繊用反射板の下方位置
に一対の互いに平行な板状物で、かつ該板状物のどちら
か一方もしくは両方が幅方向に渡っていくつかの数に分
割され、板状物の間隔がそれぞれ独立して調整可能であ
る高速気流整流装置を設けることで連続長繊維群のネッ
トコンベヤー進行方向への拡散を抑えて長繊維群の失速
を防ぎ、しかも連続長繊維群の幅方向の繊維密度を均一
にしてネットコンベヤー上に導き堆積させることを特徴
とする目付むらが少なく、かつ目付分布が均一で良好な
地合のスパンボンド不織布の製造装置に関するものであ
る。
【0011】ここで本発明の高速気流整流装置を備えた
スパンボンド不織布の製造装置について図面を用いて説
明する。図1は本発明の高速気流整流装置を備えたスパ
ンボンド不織布製造装置の一例を示す図である。
【0012】図1において、紡糸口金1は紡糸孔が直線
上に配列し複数列配置された紡糸口金を示し、溶融紡糸
された連続長繊維群2は簾状となって断面が矩型の高速
気流牽引装置3に導かれ、紡糸口金1と高速気流牽引装
置3の間を走行する間に細化延伸される。高速気流牽引
装置3から高速気流と共に噴出された連続長繊維群4は
高速気流牽引装置3の下方に設けられた連続長繊維群開
繊用反射板5に衝突せしめられて帯電し開繊する。その
後連続長繊維群4は高速気流によってネットコンベヤー
6上へと導かれ不織ウエブ7を形成するが、このとき連
続長繊維群開繊用反射板5の下方位置に設けられた一対
の互いに平行な板状物で、かつ該板状物のどちらか一方
もしくは両方が幅方向に渡っていくつかの数に分割さ
れ、板状物の間隔がそれぞれ独立して調整可能である軽
量金属製の高速気流整流装置8によって高速気流が整流
されるため、連続長繊維群4は失速せず、また幅方向の
繊維密度も均一とされネットコンベヤー6上に導かれる
のである。
【0013】図2は本発明の高速気流整流装置の正面図
であり、図3は本発明の高速気流整流装置の平面図であ
る。図2および図3において、高速気流整流装置8は幅
方向に渡っていくつかの小板9に分割されている。該小
板9は幅方向に渡された支棒10に対し垂直に貫通して
くる押し引き棒11の先端に該押し引き棒11と直角に
固定されている。また、押し引き棒11の後端部分はラ
ックギヤ12になっており、これが図4のように間隔調
整用ダイヤル13下部に取り付けられたピニオンギヤ1
4と支棒10の背面に取り付けられたギヤボックス15
内で連結している。したがって、ギヤボックス15上の
間隔調整用ダイヤル13を回せば、小板9はこれに連動
してネットコンベヤーの進行方向と同方向に押し引きが
できるため高速気流整流装置8内の間隔をそれぞれ独立
して調整できる。
【0014】次に本発明の高速気流の整流原理について
図面を用いて説明する。まず、高速気流整流装置8がな
い場合の高速気流の流れを図5に示す。高速気流牽引装
置3より噴出された高速気流16は連続長繊維群開繊用
反射板5と衝突後、該反射板5に沿って流れ、該反射板
5の末端にて開放される。開放された高速気流16はネ
ットコンベヤー6に近づくにつれその拡散幅、特にネッ
トコンベヤー6の進行方向と同方向への拡散幅が大きく
なる。これにともなって高速気流16に牽引されてきた
連続長繊維群4(図1中)も拡散される。拡散された高
速気流16、つまり連続長繊維群4は周りの空気の抵抗
を受け易くなり失速してしまう。さらに、高速気流牽引
装置3内の高速気流の僅かな速度変化、つまり高速気流
の僅かな圧力バランスの変化によって一部に連続長繊維
の偏りが発生するため、目付むらの発生が助長される。
【0015】つぎに高速気流整流装置8を設置した場合
の高速気流16の流れを図6および図7に示す。ただ
し、図6は高速気流の失速防止の原理を表し、図7は幅
方向の繊維密度の調整の原理を表す。図6において、高
速気流牽引装置3より噴出された高速気流16は連続長
繊維群開繊用反射板5の末端で開放されるもののその下
方位置にある高速気流整流装置8間の狭い空間へ噴出さ
れるため拡散が抑えられ、したがって空気抵抗の影響を
受けにくくなり、失速を防ぐことができる。
【0016】次に図7において、高速気流整流装置8は
何れか一方もしくは両方がいくつかの数の小板9に分割
されており、それぞれの小板9において該装置8の間隔
を独立して自由に調整可能である。したがって、例えば
間隔を狭めてやると高速気流17はその部分から両側に
逃げようとするため連続長繊維群もそれにつられて両側
に逃げるようになる。また、間隔を広げてやればその部
分の両側より高速気流18が流れ込んでくるため連続長
繊維群もそれにつられて両側より集まるようになる。こ
のように該装置8の間隔を調整することにより連続長繊
維群の繊維密度を自由にコントロールできる。
【0017】ところで、高速気流整流装置8の運転時の
間隔は20mm〜60mmが好ましい。この間隔が20
mmより小さいと僅かな間隔の変化で高速気流の流れが
大きく変わるようになるため繊維密度の調整が大変難し
くなり好ましくない。また、間隔が60mmより大きく
なると整流効果が薄れ拡散による失速が発生するため好
ましくない。したがって、該装置8の小板9の可動範囲
はいくらでも良いが、該装置8の運転時の間隔を20m
m〜60mmの範囲で自由に調整できるものでなければ
ならない。
【0018】高速気流整流装置8の連続長繊維群の進行
方向への長さは40mm以上が好ましく、さらに好まし
くは70mm以上である。この長さが40mmより小さ
いと整流効果がほとんど現れず、拡散による失速を抑え
ることが困難である。また、長さの上限は該装置8の末
端とネットコンベヤー6との距離がネットコンベヤー6
に対して垂直方向の距離で200mm以上となるならば
いくらでも良い。ただし、該装置8の長さを300mm
より大きくしてもその効果はあまり変わらず、逆に長く
し過ぎると該装置8を支えるために補強等をせねばなら
ず、このため容易に該装置8を取り付けるのが困難とな
る。さらに該装置8の末端とネットコンベヤー6との距
離を200mmより小さくして該装置8の末端をネット
コンベヤー6面に近づけると紡糸口金1をネットコンベ
ヤー6の進行方向に対して垂直に複数配列設置し、これ
らを積層して不織ウエブ7を得る場合に2列目以降の連
続長繊維群の堆積部で予め堆積され進行してきたネット
コンベヤー6上の不織ウエブ7の繊維の配列を乱し地合
を悪化させるため好ましくない。
【0019】高速気流整流装置8の幅方向への長さは連
続長繊維群開繊用反射板5と同等でよい。これより短け
れば整流効果がなくなるのは明白であり、またこれ以上
の長さである必要はない。高速気流整流装置8の配置は
互いに平行であるのが好ましい。該装置8の配置が末端
側を広げた形である場合、高速気流が該装置8の末端に
進むにつれ拡散してしまうので整流効果がなくなり好ま
しくない。また、末端側を狭くした場合では、末端部分
で高速気流が圧縮されるため末端より噴出された際に、
かえって広く拡散してしまう危険があるため好ましくな
い。
【0020】高速気流整流装置8の幅方向への分割数は
いくらでも良いが、小板9の幅が20mm〜150mm
となるように分割するのが好ましく、さらに好ましくは
30mm〜100mmである。小板9の幅が20mmよ
り小さいと繊維密度調整の効果があまり現れなくなり、
設備的にも小さくなりすぎて作業性が悪くなるため好ま
しくない。また、小板9の幅が150mmより大きいと
小板9一枚で調整する幅が大きくなりすぎて繊維密度の
細かなコントロールが不可能となるため好ましくない。
【0021】高速気流整流装置8を構成する板状物の材
質はアルミ、ステンレスなどの軽量金属や木、プラスチ
ック、肉厚のある紙など何でも良い。ただし、強度は高
速気流の圧力に十分耐え得るもであり、さらに該装置8
の間隔設定には細かな調整が必要であるため軽量物の方
が好ましい。
【0022】
【発明の作用】以上説明してきたように、本発明は連続
長繊維よりなる長繊維不織布を製造する設備において、
紡糸口金より熱可塑性樹脂を簾状に溶融紡糸した連続長
繊維群を断面が矩型の高速気流牽引装置により牽引して
細化延伸させ、これを連続長繊維群開繊用反射板に衝突
させた後、ネットコンベヤー上に堆積させて不織ウエブ
を得るに際し、連続長繊維群開繊用反射板の下方位置に
一対の互いに平行な板状物で、かつ該板状物のどちらか
一方もしくは両方が幅方向に渡っていくつかの数に分割
され、板状物の間隔がそれぞれ独立して調整可能である
高速気流整流装置を設けることにより連続長繊維群のネ
ットコンベヤー進行方向への拡散を抑えて長繊維群の失
速を防ぎ、しかも連続長繊維群の幅方向の繊維密度を均
一にしてネットコンベヤー上に導き堆積させるため目付
むらが少なく、かつ目付分布が均一で良好な地合のスパ
ンボンド不織布を得られる作用がある。
【0023】
【実施例】
実施例 第1〜3図に示した装置を用いMFR(メルトフローレ
イト)50のポリプロピレンを溶融温度230℃で矩型
形状の紡糸口金(紡糸孔数3500個、列数10列、1
列の孔数350個、1列の長さ2000mm、孔径0.
6mm)から1孔当たり毎分1gの吐出量で溶融紡糸
し、この連続長繊維群を紡糸口金の下方に配置した高速
気流牽引装置に導入し、毎分約4000mの速度で延伸
固化させ、約3.0デニールの連続長繊維群を得た。
【0024】連続長繊維群は高速気流牽引装置から高速
気流と共に噴出され連続長繊維群開繊用反射板(銅製)
に衝突後、高速気流整流装置(対面間隔20mm、長さ
100mm、該装置の末端とネットコンベヤーとの垂直
距離300mm、角度は連続長繊維群開繊用反射板と平
行、装置上下を50mm間隔でそれぞれ44分割、装置
の間隔は20mm〜60mmの間で調整、アルミ製)を
経て毎分55mの速度で移動するネットコンベヤー上に
導かれ堆積した。これによりシート幅が2100mmで
目付が30g/m2の不織ウエブが連続的に得られた。
この後、上段が熱エンボスロールで下段が平滑ロールで
ある部分的熱圧着処理装置で圧着し、スパンボンド不織
布とした。このとき、熱エンボスロールの彫刻は丸型で
直径が0.6mm、接着面積率は7%、ロールの表面温
度は145℃であった。
【0025】比較例1 高速気流整流装置を設置しなかった以外は全て実施例と
同様の方法でスパンボンド不織布を得た。 比較例2 高速気流整流装置の幅方向の繊維密度調整機構を使用し
なかった以外は全て実施例と同様の方法でスパンボンド
不織布を得た。ただし、該装置の間隔は40mmとし
た。 比較例3 高速気流整流装置の上側の繊維密度調整機構を使用しな
かった以外は全て実施例と同様の方法でスパンボンド不
織布を得た。ただし、該装置の間隔は20mm〜60m
mの間で調整を行った。 比較例4 高速気流整流装置の下側の繊維密度調整機構を使用しな
かった以外は全て実施例と同様の方法でスパンボンド不
織布を得た。ただし、該装置の間隔は20mm〜60m
mの間で調整を行った。実施例および比較例1〜4で得
られたスパンボンド不織布を下記のテストに供し、その
品質を評価した。この結果を表1に示す。
【0026】
【表1】
【0027】なお、表1中のCV値、外観(地合)の評
価方法は以下の通りである。 (1)CV値:得られたスパンボンド不織布の耳部分を
50mmずつ取り除いた後、横方向に幅が25mm、流
れ方向に500mmの長さに切断し、これらの重量を測
定し、その平均値と標準偏差を求め、CV値(%)とし
て標準偏差/平均値×100で示した。 (2)外観(地合):モニター20人による目視評価を
行った。試料の外観(地合)を表2に示す5段階で評価
し、平均値を求めた。
【0028】
【表2】
【0029】表1から明らかなように、実施例にかかる
スパンボンド不織布は比較例1に比べCV値は格段に小
さく、つまり目付むらが格段に減少しており、その結
果、地合もたいへん優れたものとなっている。また、比
較例2では比較例1に比べれば、CV値、外観共に向上
したが、実施例ほどの効果はなかった。また、比較例
3、4は繊維密度調整機構を片側のみだが使用すること
により比較例2よりもさらに向上しており、実施例には
およばないが十分満足できるレベルであった。
【0030】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は連続長繊
維群よりなる長繊維不織布を製造する設備において、紡
糸口金より熱可塑性樹脂を簾状に溶融紡糸した連続長繊
維群を断面が矩型の高速気流牽引装置により牽引して細
化延伸させ、これを連続長繊維群開繊用反射板に衝突さ
せた後、ネットコンベヤー上に堆積させて不織ウエブを
得るに際し、連続長繊維群開繊用反射板の下方位置に一
対の互いに平行な板状物で、かつ該板状物のどちらか一
方もしくは両方が幅方向に渡っていくつかの数の小板に
分割され、板状物の間隔がそれぞれ独立して調整可能で
る高速気流整流装置を設けることにより連続長繊維群の
ネットコンベヤー進行方向への拡散を抑えて長繊維群の
失速を防ぎ、しかも連続長繊維群の幅方向の繊維密度を
均一にしてネットコンベヤー上に導き堆積させるため目
付むらが少なく、かつ目付分布が均一で良好な地合のス
パンボンド不織布を得られる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の一実施例の説明図である。
【図2】図2は本発明の高速気流整流装置の正面図であ
る。
【図3】図3は本発明の高速気流整流装置の平面図であ
る。
【図4】図4は本発明の高速気流整流装置の一部である
ギヤボックス内の拡大図である。
【図5】図5は従来の製布装置における連続長繊維群開
繊用反射板付近の高速気流の流れの説明図である。
【図6】図6は本発明における連続長繊維群開繊用反射
板および高速気流整流装置付近の高速気流の流れの説明
図である。
【図7】図7は本発明における高速気流整流装置内の高
速気流の流れの説明図である。
【符号の説明】
1:紡糸口金 2:連続長繊維群(噴出前) 3:高速気流牽引装置 4:連続長繊維群(噴出後) 5:連続長繊維群開繊用反射板 6:ネットコンベヤー 7:不織ウエブ 8:高速気流整流装置 9:小板 10:支棒 11:押し引き棒 12:ラックギヤ 13:間隔調整用ダイヤル 14:ピニオンギヤ 15:ギヤボックス 16:高速気流 17:高速気流 18:高速気流

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 連続長繊維群よりなる長繊維不織布を製
    造する設備において、紡糸口金より熱可塑性樹脂を簾状
    に溶融紡糸した連続長繊維群を断面が矩型の高速気流牽
    引装置により牽引して細化延伸させ、これを連続長繊維
    群開繊用反射板に衝突させた後、ネットコンベヤー上に
    堆積させて不織ウエブを得るに際し、連続長繊維群開繊
    用反射板の下方位置に一対の互いに平行な板状物で、か
    つ該板状物のどちらか一方もしくは両方が幅方向に渡っ
    ていくつかの数に分割され、板状物の間隔がそれぞれ独
    立して調整可能である高速気流整流装置を設けることに
    より連続長繊維群のネットコンベヤー進行方向への拡散
    を抑えて長繊維群の失速を防ぎ、ネットコンベヤー上に
    連続長繊維群を導き堆積させることを特徴とするスパン
    ボンド不織布の製造装置。
JP3231595A 1995-02-21 1995-02-21 スパンボンド不織布の製造装置 Pending JPH08226063A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015076416A (ja) * 2013-10-04 2015-04-20 旭化成せんい株式会社 不織布、及びそれを用いたセパレータ、並びに固体電解コンデンサ
WO2017038977A1 (ja) * 2015-09-03 2017-03-09 東レ株式会社 スパンボンド不織布の製造方法および製造装置

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