JP3509178B2 - 塗膜防水補強材の製造方法 - Google Patents

塗膜防水補強材の製造方法

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JP3509178B2 JP7548194A JP7548194A JP3509178B2 JP 3509178 B2 JP3509178 B2 JP 3509178B2 JP 7548194 A JP7548194 A JP 7548194A JP 7548194 A JP7548194 A JP 7548194A JP 3509178 B2 JP3509178 B2 JP 3509178B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高粘性流体を含浸して
シートとするときの補強材に関するものであり、特に、
ウレタン、アスファルト類等の高粘性の防水材を塗布、
含浸させるときに、塗膜防水材を含浸、脱泡等でトラブ
ルの発生なく作業性良く塗布、含浸して強靭な防水層を
形成せしめる塗膜防水補強材の製造方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来、高粘性流体を含浸、脱泡等におい
て、トラブルの発生なく補強材に迅速に塗布、含浸し、
高生産性にて均質、強靭ななシートを製造するために用
いる補強材、例えばアスファルトルーフィング用補強材
や塗膜防水層補強材布としては、織り組織の粗いガラス
クロスや合繊寒冷紗や構成繊維径の大きな不織布などが
用いられていた。
【0003】しかしながら、織り組織の粗いガラスクロ
スや合繊寒冷紗においては、粗い織り組織に基づく目ズ
レの発生や容易に変形し歪む欠陥のあること、バイアス
方向における物性の欠如等の欠陥があり、目ズレ及び組
織変形歪み発生の防止のためにサイジングを施した試料
においては、剛直になり過ぎ防水施工下地面へのそい
(ナジミ)を著しく損なう等の欠陥が生じる等、粗い織
り組織物に共通する欠陥に加え、ガラスクロスでは、チ
クチクする等の取り扱い上の問題点や引っ張り強さは大
きいが、破断伸度が低く防水層補強布としては大きな下
地としての挙動には追従し得ないという基本的補強性能
上の問題点を有し、合繊寒冷紗においては、加工歪みに
よる熱収縮率が高い等の問題点を有していた。
【0004】又、これ等上記の織物組織構造物の欠陥を
含まない最適の補強布といわれるスパンボンド不織布に
おいても、特別に商品に向け機能分析され商品設計され
た、太デニールの構成繊維により構成されるスパンボン
ド不織布以外は、構成繊維デニールが一般に小さく、含
浸性、脱泡性面で問題があり不適であり、スパンボンド
法不織布製造プロセスの性格上、対象商品群に最適化し
て設計したデニール対応範囲が広くないことと、スパン
ボンド不織布用の多くの稼働プラントは、商品がデニー
ルが小さいものを対象とし設計、設置されているため、
これ等のプラントを用いては目的に合致させる製品を製
造できないという問題点があった。
【0005】又、かかる商品に向け機能分析され設計さ
れた専用設備で製造されるスパンボンド不織布において
も、構成繊維デニール増大による含浸性、脱泡性の改善
も方策も、デニール増大は、不織布構成繊維の交点の減
少、即ち接着点数の減少につながるため、不織布物性面
より上限があり充分な含浸性、脱泡性確保まで必ずしも
デニール増加ができないという限界があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
観点より、不織布補強材に高粘性流体を含浸する際、ト
ラブル発生なく補強材に迅速に塗布、含浸でき、高生産
性にて均質、強靭なシートが製造可能な性能を有する塗
膜防水補強材を提供すること、及び高粘性流体含浸補強
材用として特別に設計された太デニールスパンボンド製
造専用機を用いずに、多くの汎用向けに設計、設置され
た小、中デニールスパンボンド製造装置を活用し、簡単
な製造プロセスの設計変更及び製造条件を調整して製造
する塗膜防水補強材の製造方法を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために、繊維径10μmから40μmのポリエス
テル、ポリアミド、ポリプロピレン、ポリエチレン、或
いはポリウレタンを主成分とする構成繊維により構成さ
れ、不織布構成繊維の集合密度を周期的に変化せしめる
ことにより、不織布構成組織に繊維集合沈積密度の差異
に基づく周期的組織密度の濃淡を付与せしめること、且
つ該濃淡周期を5mm以上30mm未満で付与せしめ、
且つ組織密度の低い部分の目付けの総和が、組織密度の
高い部分の目付けの総和の30%以上70%以下となる
ように構成せしめることにより、何ら特別の専用設備と
しなくても汎用の小、中デニールスパンボンド製造装置
を活用し、簡単な製造プロセスの設計変更及び製造条件
の調整を行うことにより目的を達成するものである。
【0008】即ち、本発明は、不織布補強布内への高粘
性溶液の含浸性の改善は、構成組織の粗度増大による方
法のみならず、補強材に細かい周期で、繊維集合沈積密
度の差異に基づく周期的組織密度の濃淡を付与せしめる
ことによっても達成できることを知見し、本発明を完成
するに至ったのである。つまり、常法通りの構成組織の
粗度増大による含浸性能改善法は、シートの表面からの
含浸抵抗を減じ、含浸速度を向上させる方法であるが、
補強用不織布に小周期で繊維集合沈積密度の差異に基づ
く周期的組織密度の濃淡を付与せしめることにより、シ
ート表面方向のみからでは構成組織の密度が高く含浸性
向上に不十分であっても、小周期で繰り返される繊維集
合沈積密度の差異に基づく周期的組織密度の濃淡によ
り、補強用不織布の面と平行方向からの粘性溶液の拡散
の助けをも得て、充分な含浸性能を確保することが可能
であることを見出したのである。
【0009】更に詳述すると、本発明の汎用素材、汎用
繊維デニールにて構成される不織布に、良好な高粘性流
体の含浸性付与するために必須の要件並びに手段は、以
下の本発明における特許請求の範囲の構成要件に集約さ
れる。 要件(1):一般的な繊維径10μmから40μmのポ
リエステル、ポリアミド、ポリプロピレン、ポリエチレ
ン、又はポリウレタンを主成分とする合成繊維よりなる
長繊維不織布で可能であること。即ち、本発明が汎用ポ
リマーよりなる汎用のデニール範囲の構成繊維で構成さ
れる不織布に対し、広く適用出来る融通性の広い含浸性
改善技術であることを示している。その繊維径について
は、直径10μm未満では密度の高い部分へ高粘性流体
の含浸性が悪く、40μmをこえると不織布としての強
力が小さく、補強材として機能を果たさない。
【0010】 要件(2):不織布シートの長手方向又
は幅方向或いはその両方向においてという要件は、本発
明の含浸性を改善するために、不織布シートの全方向に
適用しなくても、長手方向或いは幅方向のみへの適用で
効果が高いものであることを示しているのである。
【0011】要件(3):不織布構成繊維の集合密度を
周期的に変化せしめる事により、不織布構成組織に繊維
集合沈積密度の差異に基づく周期的組織密度の濃淡を設
ける要件は、汎用素材、汎用構成繊維デニールで構成さ
れる不織布の高粘性流体に対する含浸性改善のための基
本的要件を規定するものであり、それが不織布を形成す
るために供給される糸条帯の集合密度(収束度)を人為
的、規則的に制御条件下で変化せしめ、この周期的、規
則的な繊維集合沈積密度の差異を保ちながら不織布とし
て沈積捕集し、周期的組織密度の濃淡を有する不織布を
得ると共にこのような構成組織の不織布を得る手段の規
定も行っているのである。
【0012】要件(4):濃淡周期5mm以上30mm
未満で付与せしめ、且つ組織密度の低い部分の目付けの
総和が、組織密度の高い部分の目付けの総和の30%以
上70%以下となるように構成せしめる要件は、先に規
定した要件を満足する構成組織の不織布が高粘性流体に
対する含浸性改善する機能を充分に発現するための必要
条件を規定するものであり、面方向からのみでなく、不
織布構成組織の粗蜜を利用して面に平行な方向からの粘
性流体の浸透、拡散をも加味し、高粘性流体の含浸性を
改善するためには、組織密度の濃淡周期は、5mm以上
30mm未満の小刻みな周期で変化することが必要であ
ること、このような組織密度の濃淡の状態を与えた不織
布が必要とする含浸性を保持し、且つ必要物性を保持す
るための必要条件として、組織密度の濃淡のそれぞれの
部分の目付けの総和比が、30/70〜70/30であ
ることが、本発明の目的、効果を達成するものである。
ここで、濃淡周期5mm未満では、組織密度の濃淡のそ
れぞれの部分の目付けの総和比が70%以下を達成する
ことは困難であり、また組織密度の濃淡のそれぞれの部
分の目付けの総和比が、70%をこえると、高粘度溶液
の含浸が良好にならないという欠点を生じ、濃淡周期3
0mm以上では、高粘度溶液の均一な含浸が得られず、
部分的な気泡の発生、強力等の物性に分布が発生する。
特に、濃淡周期は5〜15mm、組織密度の濃淡のそれ
ぞれの部分の目付けの総和比が30〜70%の範囲が好
ましく、更に、濃淡周期は5〜10mm、組織密度の濃
淡のそれぞれの部分の目付けの総和比が40〜60%の
範囲が特に好適である。
【0013】更に、本発明の不織布としては、エンボス
カレンダー、基体貫通型接着機等で、繊維表面又はその
一部が熱融着された接着、又はウオータージェット交絡
法もしくはニードルパンチ交絡法により交絡された不織
布が好適であり、バインダー等の併用も可能である。接
着工程では、前記組織密度の濃淡を緩和するような接着
工程以外は適用可能である。
【0014】
【作用】本発明の規定する不織布構成繊維の集合密度を
周期的に変化せしめることにより、不織布構成組織に繊
維集合沈積密度の差異に基づく周期的組織密度の濃淡を
付与せしめ、該濃淡周期を5mm以上30mm未満で付
与せしめた不織布を製造する具体的方法としては、多く
の方法が適用可能であるが、 a.ストライプ状(幅方向に濃淡周期を発生させる)に
周期的組織密度の濃淡を付与せしめ方法の例としては、
スパンボンド不織布製造設備の幅方向に直線状に数列穿
孔、配置されたオリフィスを有する一体広幅ノズルと、
幅方向にわたる一体スリット型牽引用エアジェット装置
を用いて、走行する捕集コンベアー上に紡出糸条帯を高
速牽引、放出、沈積捕集し、スパンボンド不織布を製造
するプロセスにおいて、牽引用エアジェット装置入り口
部にスダレ状で供給される糸条帯を、任意の規則性をも
った周期と集合密度に分繊、分割するガイドを置き、分
繊、分割し、その状態を保ちながら捕集コンベアー上に
捕集することにより、ストライプ状周期的組織密度の濃
淡をもったスパンボンド不織布を得る方法が適用可能で
ある。
【0015】なお、本法においても紡出糸条帯に周期的
に集合密度差を付与する分繊、分割するガイドとして
は、櫛目ガイドや、表面に凹凸のあるガイド等、機械的
分繊、分割するガイドを用いる方法や牽引用ジェット入
口部に沿って走行糸条帯に向け垂直方向に所定の間隔、
周期ででエアを噴出する孔(スリット)を設けた気流ガ
イドを置き、このエアガイドより走行糸条帯に向けエア
を噴出させる事により、紡出糸条帯に周期的に集合密度
差を付与する方法も有効に適用できる。又、牽引用ジェ
ット入口部に沿って高さ約5〜10mmの囲いを設け、
この囲いに牽引用ジェット入口部に沿う方向に所定の間
隔、周期で穿孔或いは上下方向に縦長のスリットを穿
ち、このスリットから所定の間隔、周期で走行糸条帯に
向かって吹き付けエアージェットの吸引に基づく気流を
発生せしめることにより、紡出糸条帯に周期的に集合密
度差を付与する方法も有効に適用できる。
【0016】又、紡出糸条帯に周期的に集合密度差を付
与する分繊、分割するガイドとして静電反発力による紡
出糸条帯の収束、開繊状態に生じる差異を利用する方法
も極めて有効である。即ち、その一例としては、上記一
体広幅ノズル−一体広幅ジェット装置より構成されるス
パンボンド製造工程において、一体広幅ジェット装置の
牽引部(入口)上100mmの位置に、4本/1mm幅
を1組とした多数の針電極を全幅方向に植えた高圧イオ
ン発生電極を配置し、コンピュータープログラムに従い
所定位置、所定周期、間隔で荷電し、イオンチャージせ
しめた部分の紡出糸条帯の開繊度をあげ、紡出糸条帯に
任意の周期で任意の位置で周期的に集合密度差を付与す
る分繊、分割するガイドも極めて有効に適用できる。
【0017】b.直交配列組織スパンボンド不織布への
適用 以上の例は主としてランダムループ組織のスパンボンド
不織布を念頭に置いた周期的組織密度の濃淡付与方法と
して記述したが、この方法はそのまま、特公昭45−1
9472号公報や特公昭62−49398号公報、特公
平3−17947号公報及び特公平3−17948号公
報等に開示される一連の直交配列組織スパンボンド不織
布製造法に適用すれば、それぞれの牽引用エアジェット
入り口に前記周期的集合密度差付与用分繊、分割するガ
イドを設置すると縦配列成分、横配列成分とも本発明の
規定する、不織布構成組織に繊維集合沈積密度の差異に
基づく周期的組織密度の濃淡を付与させ、且つ該濃淡周
期を5mm以上30mm未満で付与せしめた直交配列組
織スパンボンド不織布として製造することが可能であ
る。
【0018】これに対し、ランダムループ組織のスパン
ボンド不織布の長手方向に、不織布構成組織に繊維集合
沈積密度の差異に基づく周期的組織密度の濃淡を付与
し、且つ該濃淡周期を5mm以上30mm未満で付与せ
しめるには、例えば長手方向にネットの開口率を異にす
る横じま模様のあるネットを用い、紡出糸条の沈積捕集
能を長手方向で変化させ目的とする横縞模様の周期的組
織密度の濃淡を付与された不織布を得る方法や、脈動す
る捕集用コンベアーを用いて横縞模様の周期的組織密度
の濃淡を付与された不織布を得る方法が可能であるが、
ストライプ状(幅方向に濃淡周期を発生させる)周期的
組織密度の濃淡を付与する方法に比べて難しい。
【0019】かくして得られる不織布の接着或いは交絡
方法は、汎用の方法なれば何れの適用も可能であり問題
はないが、本発明の趣旨から含浸、脱泡性の優秀な不織
布をえるには、接着により密度アップされず又接着材に
より不織布構成組織間の充填がされずに不織布構成繊維
交点間が融着される、拘束下で熱風を貫通させて熱融着
する所謂サーマルボンダー方式による接着が最も好適で
あり、この実施のために不織布構成繊維も芯/鞘型複合
繊維で構成されるか、熱融着繊維を混繊した不織布が好
適であるが、何らそれに限定するものではない。また、
ニードルパンチ法やウオータージェット法等の交絡法の
適用も可能であり、何ら限定するものではないが、一般
に交絡組織は脱泡性には良い傾向を与えないため層間剥
離性の改善等の目的を持って併用することが望ましい。
【0020】次に本発明の実施態様と効果を具体的に明
示するために実施例にて説明する。
【実施例】図1、図2に示すように、フィラメントF
は、紡糸口金1のノズルから紡出され、冷却用ダクト2
を通過して固化され、集束ローラ3によりフィラメント
束に集束され、牽引用エアジェット装置4で吸引され
る。牽引用エアジェット装置4は、入り口部に沿い所望
の設定間隔、周期で走行フィラメント帯の垂直方向に向
けエアを噴出するオリフィス41を有する気流式分繊、
分割ガイド42を設置し、分割ガイド42間にフィラメ
ントFを導入するスリット43を幅方向にわたって備え
た一体スリット型からなる。このエアガイドより走行フ
ィラメント帯に向けエアを噴出させることにより、走行
糸条帯を所望の設定間隔、周期で規則性をもった集合密
度に分繊、分割し、走行する捕集コンベア5上にノズル
から紡出されるフィラメント糸条帯を高速牽引、放出し
沈積捕集してスパンボンド不織布を製造する。これによ
り、スダレ状で供給される走行フィラメント糸条帯を任
意の所望の規則性をもった周期と集合密度に分繊、分割
せしめて、その状態を保ちながら捕集コンベアー上に捕
集しストライプ状の周期的組織密度の濃淡をもった不織
布が製造される。更にこの設備において、よこ縞模様状
の周期的組織密度の濃淡を付与するために、所望のよこ
縞パターンに適合させるようにネットの長手方向の開口
率を異にしたよこ縞模様のあるネットを用いフィラメン
ト糸条帯を捕集され、その後、フィラメントFは、エン
ボスカレンダー6で熱圧着される。このように、長手方
向に不織布構成組織に繊維集合沈積密度の差異に基づく
所定の濃淡周期を持たしめた不織布製造方法によって、
たて、よこ共に所定周期で繊維集合沈積密度差に基づく
所定の濃淡差を持った不織布を作製し、更に熱融着法に
より該不織布の構成繊維を接着し不織布を製造した。
【0021】なお、本実施例の不織布の具体的な製造条
件は次記の通りである。 ・原材料(原料ポリマー):ポリエチレンテレフタレー
ト ・同上ポリマーの極限粘度:0.63 ・紡糸温度:285℃ ・使用ノズル(寸法):0.25mmφ×0.5mmL
×900孔/m幅 ・紡出糸紡速:5,000/分 ・紡出糸デニール:3d(17.5μm) ・不織布走行速度:25m/分 ・生産不織布目付け:60g/m2 ・熱接着温度:240℃ そして気流式分繊、分割ガイドに於ける穿孔周期及び噴
出エアの風速、風量を調整することと、捕集用コンベア
ーの組織(長手方向に於ける開口率を異にしたよこ縞模
様)を選定、変更することにより実施例及び比較例2、
3を製造した。
【0022】表1に集約した実施例及び比較例1〜3の
データより明らかなように、本発明の特許請求の範囲に
規定する要件を満足するたて、よこ共に所定周期で繊維
集合沈積密度差に基づく所定の濃淡差を持った不織布で
ある実施例1は、同一構成粗材、構成繊維デニール(3
d)で構成される従来のランダムループ組織の不織布で
ある比較例1と比較し、全く同等の物性値を有しながら
著しくウレタン塗膜防水材の透過速度が改善され増大
し、該塗膜防水材含浸後の脱泡性も改善されていること
がわかる。比較例2は、実施例と同様にたて、よこ共に
所定周期で繊維集合沈積密度差に基づく所定の濃淡差を
持たしめた不織布ではあるが、本発明に規定した濃淡密
度周期を規定範囲外に逸脱せしめ必要以上に大きくした
場合の例であり、ウレタン塗膜防水材の含浸特性は良好
であるが、濃淡密度周期が大き過ぎるため、不織布物性
が低下し使用に耐えないことを示している。
【0023】比較例3も実施例と同様に、たて、よこ共
に所定周期で繊維集合沈積密度差に基づく所定の濃淡差
を持たしめた不織布ではあるが、濃淡密度比率を規定範
囲外に逸脱せしめ必要以上に小さくした場合の例であ
り、濃淡密度比率が小さ過ぎるため必要な不織布物性は
保持するものの、ウレタン塗膜防水材の含浸特性が不良
で使用に耐えないことがわかる。
【0024】なお、本発明に於ける性状、物性評価は下
記のように行なった。 (1)不織布の強力 昭和62年5月日本化学繊維協会制定の合成長繊維不織
布試験法5.4引っ張り強さ及び伸び率測定法に従い、
不織布1m幅当たりたて、よこ各3個の試料寸法5cm
×20cmを打ち抜き測定した。 (2)ウレタン塗膜防水材含浸速度 内径20mm、長さ200mmのガラスチューブ中に粘
度70poise(B型粘度計で測定)のウレタン塗膜
防水材100gを入れ、上端開放部に被試験シートを固
定し、チューブを倒立させ60秒後のウレタン塗膜防水
材流出量を評量し、単位面積、単位時間当たり透過速度
を算出する。
【0025】(3)ウレタン塗膜防水材含浸後の脱泡性 旭ガラス製サラセーヌB(ウレタン塗膜防水材)を用い
ペンキ塗りローラーを用いて、施工仕様 JASS 8
L−UF仕様に準じた施工を実施し、防水層形成(硬
化)後の防水膜を切り取り、切断断面における気泡の有
無を確認し脱泡性を評価した。 (4)密度濃淡周期評価法 光透過量測定装置を用い、被試験体不織布の長手方向及
び幅方向各試料を定速で移動させ透過光量強度を測定
し、不織布構成繊維密度の変化状態を計測し密度濃淡周
期を計測、評価する。測定は最低密度濃淡周期10点の
計測長の測定を実施し、平均値と分散値を計算し、平均
値が分散の3倍以上の場合はその平均値を周期とし評価
し、平均値が分散の3倍以上ない場合は、更に、平均値
が分散の3倍以上になる迄測定を追加実施し周期を算出
し評価する。 (5)濃淡密度比 密度濃淡周期評価における光透過強度計測結果を活用
し、「低密度部/高密度部」における光遮蔽強度総和比
より、「低密度部の目付け総和/高密度部の目付け総
和」を算出し評価した。
【0026】
【発明の効果】本発明は、上記のように、繊維径10μ
mから40μmの汎用の小、中デニールの合成繊維より
なる長繊維不織布においても、不織布の長手方向又は幅
方向或いはその両方向の、不織布構成繊維の集合密度を
周期的に変化させ、不織布構成組織に繊維集合沈積密度
の差異に基づく周期的組織密度の濃淡を濃淡周期5mm
以上30mm未満で付与せしめ、且つ組織密度の低い部
分の目付けの総和が組織密度の高い部分の目付けの総和
の30%以上70%以下となるように構成せしめること
により、何ら特別の高デニールの専用不織布となすこと
なく充分な不織布物性を保持しながら、高粘性のウレタ
ン塗膜防水材の含浸性、脱泡性を著しく改善することが
できる
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例のネット調不織布製造装置の概
略側面図である。
【図2】同不織布製造装置の一部破断斜視図である。
【符号の説明】
1 紡糸口金 2 冷却ダクト 3 集束ローラ 4 牽引用エアジェット装置 5 捕集ネットコンベア 6 エンボスカレンダー 41 オリフィス 42 分割ガイド 43 スリット
【表1】

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊維径10μmから40μmのポリエス
    テル、ポリアミド、ポリプロピレン、ポリエチレン、或
    いはポリウレタンを主成分とする合成繊維よりなる長繊
    維不織布において、入口部に沿い所望の設定間隔、周期
    で走行フィラメント帯の垂直方向に向けエアを噴出する
    オリフィスを有する気流式分繊、分割ガイドを設置し、
    該分割ガイド間にフィラメントを導入するスリットを幅
    方向にわたって備えた牽引用エアジェット装置のエアガ
    イドより走行フィラメント帯に向けエアを噴出させるこ
    とにより不織布構成組織に繊維集合沈積密度の差異に基
    づく周期的組織密度の濃淡が濃淡周期5mm以上30m
    m未満であり、且つ組織密度の低い部分の目付けの総和
    が組織密度の高い部分の目付けの総和の30%以上70
    %以下となるように構成せしめたことを特徴とする塗膜
    防水補強材の製造方法
  2. 【請求項2】 請求項1記載の塗膜防水補強材の製造方
    において、牽引用ジェット入口部に沿って囲いを設
    け、該囲いに牽引用ジェット入口部に沿う方向に所定の
    間隔、周期で上下方向に縦長のスリットを穿ち、該スリ
    ットから所定の間隔、周期で走行糸条帯に向かって吹き
    付けエアジェットの吸引に基づく気流を発生せしめるこ
    とにより、周期的組織密度に濃淡を有する長繊維不織布
    を製造することを特徴とする塗膜防水補強材の製造方法
  3. 【請求項3】 請求項1記載の塗膜防水補強材の製造方
    において、一体広幅ジェット装置の牽引部に、多数の
    針電極を全幅方向に植えた高圧イオン発生電極を配置
    し、コンピュータープログラムに従い所定位置、所定周
    期、間隔で荷電し、イオンチャージせしめた部分の紡出
    糸条帯の開繊度をあげ、紡出糸条帯に任意の周期で任意
    の位置で周期的に集合密度差を付与する分繊、分割する
    ガイドにより周期的組織密度に濃淡を有する長繊維不織
    布を製造することを特徴とする塗膜防水補強材の製造方
  4. 【請求項4】 請求項1記載の塗膜防水補強材の製造方
    において、所望のよこ縞パターンに適合させるように
    ネットの長手方向の開口率を異にしたよこ縞模様のある
    ネットを用い、よこ縞模様状の周期的組織密度の濃淡を
    付与することにより周期的組織密度に濃淡を有する長繊
    維不織布を製造することを特徴とする塗膜防水補強材の
    製造方法
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