JPH08225855A - 異方性が小さい高強度缶用薄鋼板の製造方法 - Google Patents
異方性が小さい高強度缶用薄鋼板の製造方法Info
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Abstract
性とくにr値の面内異方性が小さい缶用薄鋼板の連続焼
鈍による製造技術を提案する。 【構成】C:0.004 wt%以下、 Si:0.02wt%以下、
Mn:0.5 〜3.0 wt%、 P:0.02wt%以下、Al:0.02
0 〜0.05wt%、 N:0.008 〜0.024 wt%を含み、上記
AlおよびNは、wt%Al/wt%N:2.0 超えの関係を満し
て含有し、残部はFeおよび不可避的不純物からなる鋼ス
ラブを、Ar3 変態点以上の終了温度で熱間圧延し、引き
続き10℃/sec 以上の速度で650 ℃以下まで冷却した
後、550 〜400℃の温度範囲で巻き取り、脱スケールを
経て、82%以上の圧下率で冷間圧延し、その後、再結晶
温度以上の温度範囲で連続焼鈍し、次いで調質圧延す
る。
Description
錫めっき)やティンフリースチールなどの表面処理を施
して使用される缶用薄鋼板の製造方法に関するものであ
る。
板においては、省資源、軽量化の観点から使用するぶり
き原板の板厚の減少、すなわち薄肉化が進んでいる。こ
れに伴い、缶強度の確保の観点から、強度が高い鋼板が
求められるようになってきた。また、2ピース缶に適用
する鋼板に対しては、特に絞り性などの加工性が優れて
いることが求められていた。
性を備えた鋼板を製造するための技術が、これまでにも
いくつか提案されている。例えば、特開平2−1180
27号公報に開示の技術は、極低炭素鋼スラブを熱延、
冷延、酸洗後、圧下率85〜90%で冷延し、続いて連
続焼鈍を施し、その後圧下率15〜45%で調質圧延を
行うことにより、鋼板を強化しようとするものである。
しかしながら、この方法では原板が軟質の極低炭素鋼で
あるために、高強度を得るためには、焼鈍後に比較的高
い2次冷延圧下率が必ず必要となり、生産効率の低下が
問題であった。
えば特開平2−118025号公報に、提案されてい
る。この技術は、Nの添加と焼鈍後の2次冷延とを組み
合わせたものであるが、この方法では、大きなゲージダ
ウンが要求される用途に対しては、強度レベルが不十分
となる場合があった。また、この方法で製造した場合に
は、2ピース缶のような加工度の大きい用途において、
加工性とくにr値の面内異方性が大きいという問題も生
じていた。
は、C≦0.015wt%の極低炭素鋼に強化元素として
Mn、Si、PのほかにP等を添加したうえ、Nの固溶強化
能を利用して焼付硬化性を付与する高強度缶用鋼板につ
いての技術が提案されている。しかし、この鋼板は、Nb
の添加を必須としているのでコストアップになるのみで
なく、固溶Nによる歪み時効強化を利用して強度上昇を
図っているため、時効性が問題となるような用途に対し
ては適用できないという問題があった。また、この鋼板
では、薄肉化の要求に対応して製造時の冷延圧下率を高
圧下とし、さらにコイル内の均質性を高めるために巻取
温度の低温化を図った場合に、2ピース缶に必要な加工
性が劣化する場合があった。
良好な加工性を確保する方法として、焼鈍中のAlNの析
出により集合組織制御を利用する方法が知られている。
しかし、この方法は焼鈍中にAlNを析出させるため比較
的遅い加熱速度が必要であり、焼鈍方法としては一般に
箱焼鈍法が採用され、連続焼鈍ではその加熱速度が速い
ためAlNによる集合組織制御を利用することは難しいと
されていた。
織制御を利用して加工性を改善するための技術が、特開
昭63−230848号公報に提案されている。この技
術は、C≦0.003wt %、Mn:0.09〜0.8wt %、sol.Al:
0.06〜0.12wt%、N:0.005〜0.011wt %とした素材を
用い、熱間圧延後 560℃以下の温度で巻取り、冷間圧延
後 400℃〜700 ℃の間の平均昇温速度1〜20℃/sec、
最高加熱温度700 ℃〜900 ℃の条件で連続焼鈍すること
により良好な加工性を確保しようとするものである。こ
の方法では、0.06wt%未満のsol.Al量では焼鈍中のAlN
の形成が遅く集合組織の制御ができないと考え、焼鈍中
の析出を促進するため0.06wt%以上の多量のAlを添加す
る必要があるとしている。
法によって製造した場合、多量のAlを添加することによ
り熱延中のAlNの析出も促進されるため、焼鈍前の固溶
N量の制御が難しくなり、集合組織制御に支障をきたす
だけでなく、材質のばらつきが大きくなり、また多量の
Al添加がコストアップにもつながるという問題があっ
た。
技術が抱えていた問題を解決した缶用高強度薄鋼板の製
造技術を提案することにある。本発明の他の目的は、高
強度を有し、そのうえ加工性とくに高r値で、r値の面
内異方性(以下、「Δr」と略記する)が小さい缶用薄
鋼板の連続焼鈍による製造技術を提案することにある。
を解決すべく鋭意研究した結果、多量のMn及びNを含有
する鋼組成の極低炭素鋼を素材とし、熱延条件を制御す
ることにより、焼鈍前の鋼中に多量の固溶Nを残存させ
ることが可能となること、この固溶Nを連続焼鈍中に微
細なAlNとして析出させれば、弊害のある多量のAlを添
加することなく、加工性に有利な再結晶の集合組織制御
が可能となることを見いだし、本発明に想到した。
である。 (1) C:0.004 wt%以下、 Si:0.02wt%以下、Mn:
0.5 〜3.0 wt%、 P:0.02wt%以下、Al:0.020 〜
0.05wt%、 N:0.008 〜0.024 wt%を含み、上記Alお
よびNは、wt%Al/wt%N:2.0 超えの関係を満して含
有し、残部はFeおよび不可避的不純物からなる鋼スラブ
を、Ar3 変態点以上の終了温度で熱間圧延し、引き続き
10℃/sec 以上の速度で650 ℃以下まで冷却した後、55
0 〜400℃の温度範囲で巻き取り、脱スケールを経て、8
2%以上の圧下率で冷間圧延し、その後、再結晶温度以
上の温度範囲で連続焼鈍し、次いで調質圧延することを
特徴とする異方性が小さい高強度缶用薄鋼板の製造方
法。
%以下、Mn:0.5 〜3.0 wt%、 P:0.02wt%以下、
Al:0.02〜0.05wt%、 N:0.008 〜0.024 wt%Nb:
0.04wt%以下を含み、上記AlおよびNは、wt%Al/wt%
N>2.0 の関係を、また、上記CおよびNbは、(wt%C
−0.0010)≦wt%Nb×12/93の関係を満して含有し、残
部はFeおよび不可避的不純物からなる鋼スラブを、Ar3
変態点以上の終了温度で熱間圧延し、引き続き10℃/se
c 以上の速度で650 ℃以下まで冷却した後、550 〜400
℃の温度範囲で巻き取り、脱スケールを経て、82%以上
の圧下率で冷間圧延し、その後、再結晶温度以上の温度
範囲で連続焼鈍し、次いで調質圧延することを特徴とす
る異方性が小さい高強度缶用薄鋼板の製造方法。
時効性に優れるとともに、加工性とくにΔrが小さく、
しかも高Alに起因する弊害を抑制した薄鋼板が連続焼鈍
で製造することができるのである。このように、連続焼
鈍でもAlNによる集合組織制御が可能となった理由は必
ずしも明らかではないが、極低炭素鋼を素材としている
ため炭化物等の再結晶の起点となる部分が少なくAlNの
再結晶に対する影響が大きくなったことが考えられる。
また、多量のAlを添加しなくてもAlNによる集合組織制
御が可能となった理由としては、成分及び熱延条件の調
整により焼鈍前に多量の固溶Nを確保できたこと、Mnの
添加及び比較的高い冷延圧下率により連続焼鈍中のAlN
の析出が促進されたこと等が考えられる。しかも、本発
明法によれば焼鈍中に微細なAlNが析出するので、析出
強化による鋼板の強度上昇も達成できる。なお、この発
明では、特にNを多量に添加することとなるが、添加し
たNは基本的にAlNとして析出させるので、N起因によ
る時効性の問題は生じない。これに加え、発明に適合す
る鋼は、非常に微細なAlNが多量に存在し、AlNが少量
しか存在しない通常の極低炭素鋼にくらべ降伏伸びの発
生量は少ないという利点も有している。この理由は、微
細なAlNが転位の起点を多く与えているためと考えられ
る。
て、まず成分組成について説明する。 C:0.004 wt%以下 Cは、連続焼鈍法で製造する際に、AlN の析出を利用し
た集合組織制御による加工性とくにr値特性の向上に対
して悪影響を及ぼす。このようなCの悪影響は、0.004
wt%を超えると顕著になるのでその上限は、0.004 wt%
とする。また、このCは、耐時効性を低下させる作用が
あるので、焼付硬化量(BH量)に換算して1kg/mm2以
下の耐時効性を確保する必要がある場合には、0.0010wt
%以下にすることが望ましい。しかし、0.0003wt%未満
では粒径の粗大化によって加工後の表面に肌荒れ、いわ
ゆるオレンジピール現象が顕在化する恐れがあるので、
下限は0.0003wt%以上とするのが好ましい。
食性の低下を招くので、極力低下させることが望まし
く、その量は、0.02wt%まで許容できる。
中のNの析出を抑え連続焼鈍前の固溶Nを確保し、連続
焼鈍中のAlNの析出促進に寄与する重要な元素である。
Mnのこのような連続焼鈍前の固溶Nに及ぼす効果の機構
の詳細については必ずしも明らかではないが、Mnが熱間
圧延時のAr3 変態点を低下させることに関係しているも
のと思われる。これらの効果を得るための、Mn添加量は
少なくとも0.5 wt%は必要であるが、Mn含有量が3.0 wt
%を超えると、熱延母板が著しく硬化し、冷延が困難に
なる。したがって、Mn添加量は、0.5 〜3.0 wt%、好ま
しくは0.5 〜2.5 wt%とする。
の低下、耐食性の低下を招くので、極力低下させること
が望ましいく、その上限を0.02wt%とする。
る。Al添加量が、0.02wt%未満では連続焼鈍中における
AlNの析出が不十分であり、一方0.05wt%を超えた場合
には、熱間圧延中のAlNの析出が多くなり、連続焼鈍時
のAlNの析出を利用した集合組織制御、強度上昇に支障
をきたすばかりでなく、熱延中のコイル内の熱履歴の差
によりAlNの析出が影響を受け、材質のばらつきの原因
となる。したがって、Al添加量は0.02〜0.05wt%、好ま
しくは0.02〜0.04wt%とする。
ために重要な元素である。すなわち、連続焼鈍中に微細
なAlNを多数析出させることにより、集合組織制御が可
能となるのである。またNは、微細なAlNによる析出強
化作用をももたらす元素である。N含有量が、0.008 wt
%未満では、AlNの析出が遅延して上記の効果が得られ
ないばかりか、固溶Nの残存のために時効性を劣化させ
ることになる。一方、0.024 wt%を超えて添加しても、
効果が飽和するのみでなく、製鋼の連続鋳造時に欠陥を
生ずる危険性が高まるので望ましくない。したがって、
Nの添加量は0.008 〜0.024 wt%、望ましくは0.008 〜
0.018 wt%の範囲とする。
連続焼鈍中にAlNとして析出させるために重要な要件で
あり、wt%Al/wt%N>2.0 とすることにより、鋼中の
Nを完全にAlNとして析出させることが可能となる。
効性の管理が必要な場合に、必要に応じて添加される。
Nb添加量が0.04wt%を超えると、再結晶温度が上昇して
連続焼鈍時の焼鈍条件が難しくなるのみならず、NbがN
を固定しAlNの析出を阻害するので、上限は0.04wt%と
する。
10)≦wt%Nb×12/93を満足する必要がある。なぜな
ら、Nb量が、上記関係式に満たない量では、時効性を完
全に防止できないからである。
製造条件の最適化された組合せによってはじめて得られ
る。次に、製造方法について説明する。
域で圧延を行うと熱延板におけるAlNの析出が促進され
るため、冷延後の連続焼鈍中のAlNによる集合組織制御
が難しくなる。したがって、圧延終了温度はAr3 変態点
以上とする。この圧延仕上げ温度がAr3 変態点以上の場
合において、特にNbを添加した場合に、Nが熱延中にNb
で固定されてしまい、焼鈍前の固溶N量が減少するばか
りでなく、Nb添加による時効量低減の効果も小さくなる
傾向にあるので、870 ℃以上で熱間圧延を終了すること
が好ましい。一方、圧延終了温度が980 ℃以上になると
熱延板の結晶粒径が粗大化し、r値を低下させる傾向に
あるため好ましくなく、980 ℃以下で熱間圧延を終了す
ることが望ましい。
℃以下まで冷却 熱延終了からAlNの析出が起こりやすい650 ℃までの温
度域では、冷却速度を極力大きくすることが、熱延板で
のAlNの析出を抑える観点から必要である。この冷却速
度が10℃/sec 未満では、本発明鋼のようにMnを添加す
ることにより、熱延板でのAlN析出をおこりにくくした
素材でも、冷却中にAlNが析出、あるいはAlNの析出核
が形成されるためと考えれるが、熱延板でのAlNの析出
が促進され、Nを添加した効果を十分発揮させることが
できない。したがって、熱延終了から650 ℃に至るまで
の温度範囲では、冷却速度を10℃/sec、好ましくは20℃
/sec以上とする。
質ばらつきが大きくなり、製品の材質均一性を確保する
ために先後端を切り捨てる量が多くなり、歩留りが低下
する。また、巻き取り温度が高いとAlNが熱延板中に粗
大に析出し、連続焼鈍時の集合組織制御、強度上昇への
AlNの寄与が小さくなる。従って、巻き取り温度の上限
は550 ℃とする。一方、巻き取り温度が400 ℃未満にな
ると通常の熱間圧延装置では鋼板形状が悪化する傾向に
あり、次工程の酸洗、冷延に支障をきたす。従って、巻
き取り温度は550 ℃〜400 ℃の温度範囲とする。
延後、再結晶温度以上で連続焼鈍される。本発明では、
熱延板を低温で巻き取るため、酸洗性は非常に良好であ
る。冷延圧下率は、良好な絞り加工性を得るために、ま
た連続焼鈍時のAlN析出を促進するため82%以上、望ま
しくは86%以上とする。
少なくとも再結晶温度以上の温度での焼鈍は必要であ
る。この焼鈍中にAlNを微細に、完全に析出させるため
には、720 ℃以上の比較的高温で焼鈍することが好まし
い。ただし、その焼鈍温度が高すぎると連続焼鈍時にヒ
ートバックルや板破断等の欠陥を生じる危険性が高くな
るため、その温度は840 ℃以下とすることが好ましい。
なお、連続焼鈍の加熱速度は1〜100 ℃/sec程度の範囲
であればその影響は小さく、安定した材質を確保でき
る。
定しないため、この鋼板に対して調質圧延を施す必要が
ある。調質圧延の効果を考慮して、その圧下率は1%以
上とすることが好ましく、5%以上の強圧下の調質圧延
を施すことによりさらなる高強度化が可能である。強圧
下で調質圧延を行うことにより、BHは低下する傾向に
あり、時効性も改善できる。一方、その圧下率が40%を
超えると鋼板が硬質化して冷延が困難になることに加え
鋼板の形状悪化が顕在化して好ましくない。従って、調
質圧延の圧下率は1〜40%が好ましく、さらに好ましく
は5〜40%にするのがよい。
の厚みが、板厚0.29mm以下の場合に有利に適用できる。
また、上記の鋼板としてはすずめっき鋼板をはじめとし
てティンフリー鋼板、複合めっき鋼板など各種の缶用鋼
板の製造において有利に適合する。
る鋼スラブ(残部はFe及び不可避的不純物)を、同じく
表1に示す条件のもとで熱間圧延、酸洗、さらに冷間圧
延し、平均加熱速度:20〜30℃/secで740 〜800 ℃の温
度域で連続焼鈍を行い、その後調質圧延を行った。その
後、ハロゲンタイプの電気すずめっきラインにて25番相
当のすずめっきを施してぶりきに仕上げた。
r値、Δr、BH性を調査した。その結果を表2に示
す。ここに、引張特性はJIS5号引張試験片を用いた
試験にて、BH(焼付硬化指数)は、鋼板に2%予歪み
を付与したのち、170℃×20min の時効処理を行
い、時効前後の変形応力の変化量で評価した。ここで、
r値、Δrは、次式によって定義される。 r=(rL +2rD +rC )/4 Δr=(rL −2rD + rC )/2 ただし、rL 、rD およびrC は、それぞれ圧延方向、
圧延方向に対して45°の方向、圧延方向に対して90°の
方向のランクフォード値を表す。なお、r値、Δrは簡
易測定法である”モジュル−r”により求めた。
に従って製造した鋼板では、Nb無添加でもΔrが小さ
く、高強度化を達成することができ、缶用薄鋼板として
望ましい結果を得ることができた。また、連続焼鈍後の
調質圧延の圧下率を大きくすることにより、さらなる高
強度化を達成することができるだけでなく、C量を低減
あるいはNbの適正量の添加により、BHを1kgf/mm2 以
下にでき、耐時効性が大きく改善されることも確かめら
れた。さらに、本実施例サンプルについてすずめっき
後、リフロー処理(溶錫化処理)を連続して施し、ぶり
きに仕上げ、続いて塗装焼付け後、溶接試験及びフラン
ジ加工を行い、溶接熱影響部(HAZ)割れの有無を評
価したが、溶接性、及び溶接後の加工性とも問題なく、
良好な結果を示し、3ピース溶接缶に用いる場合でも問
題ないことが確かめられた。
性に優れ、そのうえ加工性とくにr値の面内異方性(Δ
r)が小さい缶用薄鋼板が製造可能となる。また、本発
明によれば、上記諸特性に加えて、高Al量に起因する材
質のばらつきを抑制した缶用薄鋼板が製造可能となる。
しかも、本発明によれば、これらの特性を備えた高強度
薄鋼板が、低温巻き取りで、かつ連続焼鈍法で製造可能
となるので、歩留り、生産性の向上が可能となり、産業
の進歩への寄与は極めて大きい。
Claims (2)
- 【請求項1】C:0.004 wt%以下、 Si:0.02wt%以
下、Mn:0.5 〜3.0 wt%、 P:0.02wt%以下、Al:
0.020 〜0.05wt%、 N:0.008 〜0.024 wt%を含み、
上記AlおよびNは、wt%Al/wt%N:2.0 超えの関係を
満して含有し、残部はFeおよび不可避的不純物からなる
鋼スラブを、Ar3 変態点以上の終了温度で熱間圧延し、
引き続き10℃/sec 以上の速度で650 ℃以下まで冷却し
た後、550 〜400℃の温度範囲で巻き取り、脱スケール
を経て、82%以上の圧下率で冷間圧延し、その後、再結
晶温度以上の温度範囲で連続焼鈍し、次いで調質圧延す
ることを特徴とする異方性が小さい高強度缶用薄鋼板の
製造方法。 - 【請求項2】C:0.004 wt%以下、 Si:0.02wt%以
下、Mn:0.5 〜3.0 wt%、 P:0.02wt%以下、Al:
0.02〜0.05wt%、 N:0.008 〜0.024 wt%Nb:0.04
wt%以下を含み、上記AlおよびNは、wt%Al/wt%N>
2.0 の関係を、また、上記CおよびNbは、(wt%C−0.
0010)≦wt%Nb×12/93の関係を満して含有し、残部は
Feおよび不可避的不純物からなる鋼スラブを、Ar3 変態
点以上の終了温度で熱間圧延し、引き続き10℃/sec 以
上の速度で650 ℃以下まで冷却した後、550 〜400 ℃の
温度範囲で巻き取り、脱スケールを経て、82%以上の圧
下率で冷間圧延し、その後、再結晶温度以上の温度範囲
で連続焼鈍し、次いで調質圧延することを特徴とする異
方性が小さい高強度缶用薄鋼板の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31866094A JP3598550B2 (ja) | 1993-12-21 | 1994-12-21 | 異方性が小さい高強度缶用薄鋼板の製造方法 |
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JP5-322410 | 1993-12-21 | ||
JP6-317048 | 1994-12-20 | ||
JP31704894 | 1994-12-20 | ||
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JPH08225855A true JPH08225855A (ja) | 1996-09-03 |
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JP31866094A Expired - Fee Related JP3598550B2 (ja) | 1993-12-21 | 1994-12-21 | 異方性が小さい高強度缶用薄鋼板の製造方法 |
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- 1994-12-21 JP JP31866094A patent/JP3598550B2/ja not_active Expired - Fee Related
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