JPH08223934A - インバータ制御装置 - Google Patents

インバータ制御装置

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JPH08223934A
JPH08223934A JP7023256A JP2325695A JPH08223934A JP H08223934 A JPH08223934 A JP H08223934A JP 7023256 A JP7023256 A JP 7023256A JP 2325695 A JP2325695 A JP 2325695A JP H08223934 A JPH08223934 A JP H08223934A
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Masanori Ogawa
正則 小川
Arikichi Morishige
在吉 森重
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 インバータ装置の過電流制御動作を確実にす
る。 【構成】 2個の絶縁ゲートバイポーラトランジスタ
(IGBT)を順方向に直列接続したインバータアーム
を少なくとも3組備えたインバータ装置において、上ア
ームIGBT9a〜9cの各電流保護設定値をすべて、
下アームIGBT9d〜9fの各電流保護設定値のいず
れよりも大きく設定する。例えば、同一ドライブ回路1
2a〜12fを用いたときには、電流検出抵抗11a〜
11fの抵抗値を、(各電流検出抵抗11a〜11cの
抵抗値<各電流検出抵抗11d〜11fの抵抗値)とす
ることにより、(各上アームIGBT電流保護設定値≧
各下アーム電流保護設定値)とする。この設定により、
下アームの過電流遮断が常に優先し、過電流遮断の不確
実による欠相運転を防止する。なお、電流検出抵抗11
a〜11fによる電流検出を温度補償することにより、
保護動作の温度特性平坦化、モータの過電流永久磁石減
磁の改善もできる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、空気調和機の圧縮機用
モータなどを駆動するインバータの過電流保護制御に関
する。
【0002】
【従来の技術】近年、空気調和機などにはインバータが
用いられるが、過電流保護動作が課題である。
【0003】以下、従来のインバータ制御装置について
空気調和機を例に図面を参照しながら説明する。図6は
空気調和機の圧縮機を駆動するインバータの構成を示す
ブロック図である。図において、1は圧縮機を回転させ
る三相モータ、2はマイクロコンピュータ(以下、マイ
コンと称す)3の制御により三相モータ1を疑似三相電
流で駆動するモジュール、4はマイコン3からモジュー
ル2にPWM信号などの信号を伝送するフォトカップ
ラ、5は電源回路、6はモジュール2の熱を放散させる
ヒートシンク、8はモジュール2からマイコン3にアラ
ーム信号などを伝送するフォトカップラである。このよ
うなインバータは、一般的に、プリント基板7上に構成
され、空気調和機の室外機の制御装置に組み込まれて使
用される。
【0004】図1は上記モジュール2の一般的な構成を
示すブロック図である。図において、9a〜9fはそれ
ぞれモータに供給する電流を開閉する絶縁ゲートバイポ
ーラトランジスタ(以下、IGBTと称す)素子、10
a〜10fはそれぞれIGBT9a〜9fに並列に接続
されてモータからの回生電流をバイパスする逆接続ダイ
オード(以下、FRDと称す)素子、11a〜11fは
それぞれIGBT9a〜9fの電流値を検出する電流検
出抵抗、12a〜12fはそれぞれIGBT9a〜9f
を駆動するドライブ回路、13はIGBTの過電流、過
温度およびドライブ電圧不足などに対する保護動作を行
うととともに、保護動作後に保護信号17を端子F0 か
らマイコン3に出力する保護手段である。
【0005】IGBT9aとIGBT9dとは一対とな
り、それぞれドライブ回路12aとドライブ回路12d
で駆動され、端子Uoに接続された三相モータ1のコイ
ルを端子Pの+電源、または端子Nの−電源に断続して
駆動するインバータアームを構成する。IGBTF9b
と9e、IGBT9cと9fについても同様である。以
降、カレントソース側のIGBT9a〜9cを上アーム
IGBT、カレントシンク側のIGBT9d〜9fを下
アームIGBTと称す。ドライブ回路12aは、マイコ
ン3からPWM信号を端子Uiから入力してIGBT9
aを駆動するとともに、電流検出抵抗11aで検出した
電圧によりIGBT9aが過電流である場合に遮断す
る。ドライブ回路12b、12cについても同様であ
る。また、ドライブ回路12d〜12fもそれぞれIG
BT9d〜9fを駆動および電流遮断するとともに、電
流遮断したときにはアラーム信号15を保護手段13に
出力し、また保護手段13から入力したアラーム信号1
6によっても電流を遮断する。
【0006】保護手段13は下アームIGBT9d〜9
fのいづれかからアラーム信号15を入力すると所定時
間経過後にアラーム信号16を各下アームIGBT9d
〜9fに出力して、下アームIGBT9d〜9fのすべ
てを一斉に遮断するとともに、端子Foからマイコン3
にも出力してPWM信号をオフとして上アームIGBT
も遮断する。したがって、上アームIGBT9a〜9c
の電流遮断はそれぞれ個別の遮断であるが、下アームI
GBT9d〜9fは個別遮断するとともにアラーム信号
により一斉遮断する。このような、下アームIGBTの
アラーム信号で一斉遮断する構成は、アラーム信号の生
成と一斉遮断とが比較的容易であるので、システム制御
構成を簡略化するために一般的に用いられる手段であ
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】このような従来のイン
バータ制御装置では、図1に示したように、IGBTご
とに電流値検出を行うと、IGBT素子間で検出精度に
ばらつきが発生し、過電流保護の遮断電流値が素子間で
均一に設定できていない(設定したつもりでも)状態が
発生し、さらに、検出電流値に負の温度特性があるため
に、過電流保護遮断の動作点が温度により変動する。
【0008】上記のように電流検出設定が期待通りにで
きていない場合、永久磁石同期電動機(DCモータ)を
PWM信号で120度通電駆動して、上アームIGBT
および下アームIGBTを1素子ずつオンとしたとき、
上アームIGBTの電流検出設定が下アームIGBTの
電流検出設定よりも低くなっていると、必ず上アームが
保護制御を行い、下アームを含む残り5個のIGBTは
保護制御を行わないので、圧縮機は保護停止せず、欠相
運転(相間電流のアンバランス)を継続すると言う問題
があった。
【0009】また、電流検出のIGBT間の不揃いを少
なくしようとすると、IGBTごとに細かく調整設定す
る作業が必要となり、組立工数および部品点数が増加
し、コスト、歩留まり、および生産性にも問題があっ
た。
【0010】また、電流検出の温度依存性は、過電流遮
断の動作点を温度変動させ、温度上昇でモータを早停止
させるという問題があった。
【0011】本発明は上記の課題を解決するもので、過
電流保護動作を確実にして欠相運転をなくするととも
に、過電流保護動作の温度特性を改善して保護動作の早
作動をなくし、さらに展開としてモータの永久磁石の減
磁劣化を改善し、システムを簡素化できるインバータ制
御装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1に係わる発明
は、2個のIGBTを順方向に直列接続し、その相互接
続点をインバータ出力端とするインバータアームを少な
くとも3組と、前記各IGBTを個別に駆動する駆動手
段と、前記各IGBTの電流を個別に検出する電流検出
手段と、前記IGBTの過電流を保護する保護手段とを
備え、前記各インバータアームの両端を直流電源に接続
し、前記各IGBTを前記駆動手段により断続駆動して
前記インバータ出力端に接続された負荷に疑似多相電流
を供給するとき、前記インバータアームのカレントソー
ス側のIGBTである上アームIGBTとカレントシン
ク側のIGBTである下アームIGBTにおいて、前記
電流検出手段で検出したIGBTの電流値を過電流と判
断して遮断する基準である電流保護設定値を、(各上ア
ームIGBTの電流保護設定値≧各下アームIGBTの
電流保護設定値)となるように設定し、かつ下アームI
GBTのいずれかが遮断されるときは前記保護手段によ
りすべてのIGBTを一斉遮断するようにしたインバー
タ制御装置であり、また、請求項4に係わる発明は、2
個のIGBTを順方向に直列接続し、その相互接続点を
インバータ出力端とするインバータアームを少なくとも
3組と、前記各IGBTを個別に駆動する駆動手段と、
前記各IGBTの電流を個別に検出する電流検出手段
と、前記IGBTの過電流を保護する保護手段とを備
え、前記各インバータアームの両端を直流電源に接続
し、前記各IGBTを前記駆動手段により断続駆動して
前記インバータ出力端に接続した負荷に疑似多相電流を
供給するとき、前記インバータアームのカレントソース
側のIGBTである上アームIGBTとカレントシンク
側のIGBTである下アームIGBTにおいて、前記電
流検出手段で検出したIGBTの電流値を過電流と判断
して遮断する基準である電流保護設定値を、(特定1個
の下アームIGBT以外の各IGBTの電流保護設定値
≧(前記特定下アームIGBTの電流保護設定値)とな
るように設定するとともに、前記特定下アームIGBT
の電流検出値を温度補正して過電流が同期電動機の永久
磁石の減磁電流以下となるようにし、かつ前記特定下ア
ームIGBTのアラーム信号の遮断のみで前記保護手段
によりすべてのIGBTを一斉遮断するようにしたイン
バータ制御装置である。
【0013】
【作用】請求項1に係わる発明において、(上アームI
GBTにおける電流保護設定値)≧(各下アームにおけ
る電流保護設定値)なる設定が、下アームIGBTの過
電流検出が上アームIGBTの過電流検出に優先し、下
アームIGBTのアラーム信号による一斉遮断を有効に
して過電流保護制御を確実にし、欠相運転を防止する。
また、請求項4に係わる発明において、下アームIGB
Tのうちの特定1個のIGBTの電流保護設定値を他の
いずれのIGBTの電流保護設定値よりも小さくするこ
とにより、前記特定下アームIGBTが必ず過電流を検
出し、そのアラーム信号により一斉遮断する。また、そ
の過電流保護設定値の温度補償は、同期電動機の永久磁
石の減磁電流を越えないよう過電流を設定したとき、減
磁電流の温度特性を含めた保護を可能にする。また、こ
の構成は回路の簡素化、設定作業の簡素化ももたらす。
【0014】
【実施例】
(実施例1)以下、請求項1に係わる発明のインバータ
制御装置の一実施例について図面を参照しながら説明す
る。なお、本実施例の構成を図示すれば図1と同じにな
り、詳細な説明を省略する。また、実施例は空気調和機
のインバータを例に説明するが空気調和機に限定されな
いことは言うまでもない。本実施例が従来例と異なる点
は、過電流保護のための条件設定を、(上アームIGB
Tの電流保護設定値≧下アームIGBTの電流保護設定
値)とすることにある。この設定により、必ず下アーム
IGBTが上アームIGBTのどれよりも優先して過電
流検出し、保護手段13を介したアラーム信号16によ
るIGBTの一斉遮断動作を有効活用できる。なお、電
流保護設定値は、電流検出抵抗11a〜11fの両端電
圧とドライブ回路12a〜12fの電圧判定値とにより
設定できることは従来例と同様である。具体的には、本
実施例ではドライブ回路12a〜12fは同一のものと
し、電流検出抵抗11の抵抗値定数を(上アーム用の抵
抗値<下アーム用の抵抗値)とする。
【0015】図2は本実施例における電流検出値と電流
保護設定値とを示す関係図である。図において、縦軸を
IGBTの電流検出端子で検出した電流検出値とすると
き、各破線はIGBT電流保護設定値の範囲を示す。本
実施例では、前述のように、IGBTの過電流を遮断す
る基準である電流保護設定値について、(上アームIG
BTの電流保護設定値≧下アームIGBTの電流保護設
定値)とするが、IGBTごとに設定がばらつく(電流
検出抵抗11の抵抗値のばらつき、IGBT9の検出特
性のばらつきなど電流検出手段の構成要因のばらつきに
起因する)ので、図に破線で示したように、(各上アー
ムIGBTの電流保護設定値のばらつきを含めた上限と
下限の範囲≧各下アームIGBTの電流保護設定値のば
らつきを含めた上限と下限の範囲)となるようにしてい
る。したがって、図に「上アーム」と示した範囲で、上
アームIGBT9a〜9cのどれもが各自の電流検出値
により過電流と判断されて遮断され、「下アーム」につ
いても同様であって、その結果、上アームIGBTのい
ずれかが遮断されるときは、下アームIGBTのすべて
が遮断されていることになる。
【0016】上記構成においてその動作を説明すると、
上アームIGBT9a〜9cに備えた電流検出抵抗11
a〜11cの両端の電圧が所定値(すなわち、電流保護
設定値×電流検出抵抗値)を越えると、ドライブ回路1
2a〜12cは過電流状態と判断してそれぞれのIGB
T9を遮断し、また、下アームIGBT9d〜9fにお
いては、電流検出抵抗11d〜11fの両端の電圧が所
定値を越えると、ドライブ回路12d〜12fは過電流
状態と判断してそれぞれのIGBT9を遮断するととも
に、自己以外の他の2個のIGBTを保護出力回路13
を介してアラーム信号により遮断し、また保護手段13
を介して上アームIGBTも遮断する。
【0017】このとき、図2に示したように、各上アー
ムIGBTにおける電流保護設定値は、各下アームIG
BTの電流保護設定値以上に大きくなるように、ばらつ
きも含めて設定してあるので、圧縮機1(三相モータ
1)の永久磁石同期電動機(DCモータ)を120度通
電駆動する場合、必ず下アームにより保護制御されて圧
縮機の欠相運転(相間電流のアンバランス)を回避する
ことができる。
【0018】以上のように、本実施例のインバータ制御
装置によれば、(上アームIGBTの電流保護設定値≧
下アームIGBTの電流保護設定値)とする設定によ
り、過電流時には必ず下アームのアラーム信号により全
てのIGBTを遮断してモータを停止するようにしたこ
とにより、圧縮機の欠相運転(相間電流のアンバラン
ス)を回避することができる。
【0019】なお、上アーム側のアラーム信号を生成
し、(上アームIGBTの電流保護設定値≦下アームI
GBTの電流保護設定値)とする設定も、本発明の主旨
であって、上アームIGBTと下アームIGBTの過電
流制御における役割が反対になるだけであり、本実施例
と同様の動作を行い、かつ同じ効果を有することは言う
までもない。
【0020】(実施例2)以下、請求項2に係わる発明
のインバータ制御装置の一実施例について図面を参照し
ながら説明する。なお、インバータ全体の構成は第1の
実施例の場合と同じであり、詳細な説明を省略する。本
実施例が実施例1と異なる点は、下アームのIGBT電
流検出の温度特性を改善し、温度に依存しないようにし
たことにある。
【0021】図3は図1に示した6個のIGBT9、F
RD10、ドライブ回路12の中の1素子分を示す回路
図である。なお、図1と同じ構成要素には同一番号を付
与している。図において、18は温度に対して抵抗値を
変えるサーミスタであり、電流検出抵抗11と並列に接
続される。この構成において、サーミスタ18の抵抗値
温度変化により電流検出抵抗11との合成抵抗値が変化
する。一般に、種々の温度特性を備えたサーミスタが市
販されており、ほぼ任意の温度補償が可能である。
【0022】図4は本実施例における検出電流値の温度
特性を示す特性図である。図において、縦軸はIGBT
の電流検出端子で検出した電流検出値、横軸は温度であ
る。図に示したように、温度補正しない上アームの電流
検出値の温度特性は負の特性を示しているのに対し、下
アームの電流検出値は温度補償することにより温度に対
して無変化特性となる。なお、温度補正のサーミスタ1
8の選定についてはとくに説明しないが容易である。
【0023】このように、温度補償回路を付加して下ア
ームの電流値の温度特性を平坦にすることにより、過電
流保護動作点の温度変動がなくなり、高温時に電流遮断
の早作動が起こる現象をなくすることができる。
【0024】なお、実施例1と同様に、上アームの電流
保護設定値を下アームの電流保護設定値以上に設定する
ことは言うまでもない。
【0025】以上のように、本実施例のインバータ制御
装置によれば、(上アームIGBTの電流保護設定値≧
下アームIGBTの電流保護設定値)とするとともに、
下アームの電流検出値の温度特性を補正して平坦にする
ことにより、温度変化にも対応して確実に過電流保護を
実行することができる。
【0026】(実施例3)以下、請求項3に係わる発明
のインバータ制御装置の一実施例について図面を参照し
ながら説明する。なお、インバータ全体の構成は第1の
実施例と同じであり、また、図3に示した回路も実施例
1と同じであり、詳細な説明を省略する。本実施例が実
施例1と異なる点は、電流保護設定値の温度補償に空気
調和機特有の制御を加味したことにある。
【0027】図5は本実施例における電流保護設定値の
温度特性を示す特性図である。図5において、縦軸は電
流検出値、横軸は温度であり、一点鎖線は圧縮機用モー
タのロータに設けた永久磁石の減磁特性により制限され
る電流の上限値を検出電流値に換算して示す。また、二
点鎖線は空気調和機の運転性能により制限される運転電
流の下限値を検出電流値に換算して示す。一方、電流検
出抵抗によるIGBTの検出電流値は、前述のように、
通常、負の温度特性を示す。図に示したように、永久磁
石の減磁電流上限値は正の温度特性を要求するが、この
電流範囲に過電流を制限するには、IGBTの電流検出
値の負の温度特性を正に変える必要がある。本実施例に
おいては、図3に示した回路構成によりサーミスタ18
で、図5に示したように、実使用温度域の中間温度にお
いて平坦で、低温域では負、高温域では正の温度特性に
補正して減磁電流上限値以内に過電流を抑制し、かつ、
運転電流下限値以上として運転電流を確保している。な
お、上アームの電流保護設定値を下アームの電流保護設
定値以上に設定することは言うまでもない。
【0028】このように、上アームの電流保護設定値を
下アームの電流保護設定値以上に設定し、かつ永久磁石
同期電動機の永久磁石が減磁劣化しない範囲に過電流を
抑制するように電流検出値の温度特性を補償することに
より、実施例1〜2と同様に過電流制御を確実にして欠
相運転を防止できるとともに、モータの永久磁石を劣化
させないように過電流を抑制でき、モータを用いる機
器、たとえば空気調和機などの信頼性を高めることがで
きる。
【0029】なお、本実施例では中間温度域で平坦な特
性としたが、実用温度域すべてにおいて平坦になるよう
に設定してもよいことは言うまでもない。
【0030】(実施例4)以下、請求項4に係わる発明
のインバータ制御装置の一実施例について図面を参照し
ながら説明する。なお、インバータ全体の構成は第1の
実施例と同じであり、また、図1に示した回路もアラー
ム信号15以外については実施例1と同じである。本実
施例の主旨は実施例3と同じであるが、実施例3と異な
る点は、下アームの特定の1個のIGBT、たとえばI
GBT9fの電流保護設定値を他のIGBT9a〜9e
の電流保護設定値のいずれよりも小さく設定するととも
に、電流検出抵抗11fのみ温度補償を施して、過電流
が同期電動機の永久磁石の減磁電流を越えないようにし
ながら、システムの簡素化を実現していることにある。
また、アラーム信号15もこの下アームIGBT9fの
ドライブ回路12fからのみ出力し、下アームIGBT
9fの過電流検出のみで一斉遮断するようにしている。
【0031】上記構成において、その動作を説明する。
インバータの負荷が同期電動機である場合には、各アー
ムの負荷は同じと考えてよく、したがって、インバータ
の運転電流は、出力3相において、基本的にバランスが
とれており、任意の1相の電流値はつぎのタイミングで
隣の相に同じ電流値で現れる。また、同期電動機の12
0度通電駆動方式においては、上下アーム1素子ごとに
通電するため、下アームでの電流値と上アームでの電流
値は同一電流が流れている。このことから、前記下アー
ムIGBT9fの電流保護設定値を他のIGBTのいず
れの電流保護設定値よりも小さく設定すれば、他のIG
BTの過電流は別のタイミングで必ずIGBT9fで検
出される。また、下アームIGBT9fのみについて温
度補償を行うことにより、実施例3と同様に、過電流が
同期電動機の永久磁石の減磁電流を越えないようにでき
る。なお、この過電流検出だけを有効にして一斉遮断と
するために、アラーム信号15はドライブ回路12fか
らのみ出力させる。このように設定することにより、他
のIGBTの電流保護設定は自己遮断のみを対象とする
ので大まかな設定であってもよく、温度補償の必要もな
い。したがって、回路の簡素化と、設定作業の簡素化と
を可能にしながら所定の目的を達成することができる。
【0032】なお、この場合には、アラーム信号を出力
しなくなった下アームIGBTの電流保護設定値は、必
ずしも上アームIGBTの電流保護設定値より小さい必
要はないが、小さくてもよく、また、この手段は同期電
動機以外に適用できることは言うまでもない。
【0033】
【発明の効果】請求項1に係わる発明は、2個のIGB
Tを順方向に直列接続し、その相互接続点をインバータ
出力端とするインバータアームを少なくとも3組と、前
記各IGBTを個別に駆動する駆動手段と、前記各IG
BTの電流を個別に検出する電流検出手段と、前記IG
BTの過電流を保護する保護手段とを備え、前記各イン
バータアームの両端を直流電源に接続し、前記各IGB
Tを前記駆動手段により断続駆動して前記インバータ出
力端に接続された負荷に疑似多相電流を供給するとき、
前記インバータアームのカレントソース側のIGBTで
ある上アームIGBTとカレントシンク側のIGBTで
ある下アームIGBTにおいて、前記電流検出手段で検
出したIGBTの電流値を過電流と判断して遮断する基
準である電流保護設定値を、(各上アームIGBTの電
流保護設定値≧各下アームIGBTの電流保護設定値)
となるように設定し、かつ前記保護手段により下アーム
IGBTのいずれかが遮断されるときはすべてのIGB
Tを一斉遮断するようにしたことにより、過電流保護制
御を確実にして欠相運転の発生を防止し、また上記電流
検出値の温度特性を補正することにより、過電流遮断動
作点の温度変動やモータの永久磁石減磁劣化とを防止で
きる。また、1個の下アームIGBTのみの温度補償に
よりシステムの簡素化および工数低減を実現できる。ま
た、請求項4に係わる発明は、2個のIGBTを順方向
に直列接続し、その相互接続点をインバータ出力端とす
るインバータアームを少なくとも3組と、前記各IGB
Tを個別に駆動する駆動手段と、前記各IGBTの電流
を個別に検出する電流検出手段と、前記IGBTの過電
流を保護する保護手段とを備え、前記各インバータアー
ムの両端を直流電源に接続し、前記各IGBTを前記駆
動手段により断続駆動して前記インバータ出力端に接続
した負荷に疑似多相電流を供給するとき、前記インバー
タアームのカレントソース側のIGBTである上アーム
IGBTとカレントシンク側のIGBTである下アーム
IGBTにおいて、前記電流検出手段で検出したIGB
Tの電流値を過電流と判断して遮断する基準である電流
保護設定値を、(特定1個の下アームIGBT以外の各
IGBTの電流保護設定値≧(前記特定下アームIGB
Tの電流保護設定値)となるように設定するとともに、
前記特定下アームIGBTの電流検出値を温度補正して
過電流が同期電動機の永久磁石の減磁電流以下となるよ
うにし、かつ前記特定下アームIGBTのアラーム信号
のみで一斉遮断するようにしたことにより、回路を簡素
化し、電流保護設定の作業も簡素化しながら、欠相運転
を防止し、かつ同期電動機を過電流から保護できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明および従来のインバータ制御装置の要部
であるモジュールの構成を示す回路図
【図2】請求項1に係わる発明のインバータ制御装置に
おける電流検出値と電流保護設定値とを示す関係図
【図3】本発明のインバータ制御装置における電流検出
回路の構成を示す回路図
【図4】請求項2に係わる発明のインバータ制御装置に
おける電流検出値の温度特性を示す特性図
【図5】請求項3および請求項4に係わる発明のインバ
ータ制御装置における電流検出値の温度特性を示す特性
【図6】本発明および従来のインバータ制御装置の構成
を示す模式図
【符号の説明】
9a〜9c 上アームIGBT 9d〜9f 下アームIGBT 11a〜11f 電流検出抵抗(電流検出手段) 12a〜12f ドライブ回路(ドライブ手段) 13 保護出力回路および温度検出回路(保護手段) 18 サーミスタ(温度補償手段) P +電源端子 n −電源端子 Uo、Vo、Wo インバータ出力端子

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2個の絶縁ゲートバイポーラトランジス
    タを順方向に直列接続し、その相互接続点をインバータ
    出力端とするインバータアームを少なくとも3組と、前
    記各絶縁ゲートバイポーラトランジスタを個別に駆動す
    る駆動手段と、前記各絶縁ゲートバイポーラトランジス
    タの電流を個別に検出する電流検出手段と、前記絶縁ゲ
    ートバイポーラトランジスタの過電流を保護する保護手
    段とを備え、前記各インバータアームの両端を直流電源
    に接続し、前記各絶縁ゲートバイポーラトランジスタを
    前記駆動手段により断続駆動して前記インバータ出力端
    に接続した負荷に疑似多相電流を供給するとき、前記イ
    ンバータアームのカレントソース側の絶縁ゲートバイポ
    ーラトランジスタである上アーム絶縁ゲートバイポーラ
    トランジスタとカレントシンク側の絶縁ゲートバイポー
    ラトランジスタである下アーム絶縁ゲートバイポーラト
    ランジスタにおいて、前記電流検出手段で検出した絶縁
    ゲートバイポーラトランジスタの電流値を過電流と判断
    して遮断する基準である電流保護設定値を、(各上アー
    ム絶縁ゲートバイポーラトランジスタの電流保護設定値
    ≧各下アーム絶縁ゲートバイポーラトランジスタの電流
    保護設定値)となるように設定し、かつ、下アーム絶縁
    ゲートバイポーラトランジスタのいずれかが遮断される
    ときは前記保護手段によりすべての絶縁ゲートバイポー
    ラトランジスタを一斉遮断するようにしたインバータ制
    御装置。
  2. 【請求項2】 電流検出手段が検出する電流検出値の温
    度特性を温度補償して電流検出値が温度により変動しな
    いようにした請求項1記載のインバータ制御装置。
  3. 【請求項3】 電流検出手段が検出する電流検出値の温
    度特性を温度補償して、実用温度領域で絶縁ゲートバイ
    ポーラトランジスタの過電流が同期電動機の永久磁石の
    減磁電流値以下となるようにした請求項1記載のインバ
    ータ制御装置。
  4. 【請求項4】 2個の絶縁ゲートバイポーラトランジス
    タを順方向に直列接続し、その相互接続点をインバータ
    出力端とするインバータアームを少なくとも3組と、前
    記各絶縁ゲートバイポーラトランジスタを個別に駆動す
    る駆動手段と、前記各絶縁ゲートバイポーラトランジス
    タの電流を個別に検出する電流検出手段と、前記絶縁ゲ
    ートバイポーラトランジスタの過電流を保護する保護手
    段とを備え、前記各インバータアームの両端を直流電源
    に接続し、前記各絶縁ゲートバイポーラトランジスタを
    前記駆動手段により断続駆動して前記インバータ出力端
    に接続した負荷に疑似多相電流を供給するとき、前記イ
    ンバータアームのカレントソース側の絶縁ゲートバイポ
    ーラトランジスタである上アーム絶縁ゲートバイポーラ
    トランジスタとカレントシンク側の絶縁ゲートバイポー
    ラトランジスタである下アーム絶縁ゲートバイポーラト
    ランジスタにおいて、前記電流検出手段で検出した絶縁
    ゲートバイポーラトランジスタの電流値を過電流と判断
    して遮断する基準である電流保護設定値を、(特定1個
    の下アーム絶縁ゲートバイポーラトランジスタ以外の各
    絶縁ゲートバイポーラトランジスタの電流保護設定値≧
    (前記特定下アーム絶縁ゲートバイポーラトランジスタ
    の電流保護設定値)となるように設定するとともに、前
    記特定下アーム絶縁ゲートバイポーラトランジスタの電
    流検出値を温度補正して過電流が同期電動機の永久磁石
    の減磁電流以下となるようにし、かつ前記特定下アーム
    絶縁ゲートバイポーラトランジスタの遮断のみで前記保
    護手段によりすべての絶縁ゲートバイポーラトランジス
    タを一斉遮断するようにしたインバータ制御装置。
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