JPH08222134A - プラズマディスプレイパネルの製造方法および螢光体組成物 - Google Patents

プラズマディスプレイパネルの製造方法および螢光体組成物

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JPH08222134A
JPH08222134A JP7029044A JP2904495A JPH08222134A JP H08222134 A JPH08222134 A JP H08222134A JP 7029044 A JP7029044 A JP 7029044A JP 2904495 A JP2904495 A JP 2904495A JP H08222134 A JPH08222134 A JP H08222134A
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JP
Japan
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phosphor
composition
radiation
phosphor layer
layer
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Withdrawn
Application number
JP7029044A
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English (en)
Inventor
Hideaki Masuko
英明 増子
Tadahiko Udagawa
忠彦 宇田川
Hiroaki Nemoto
宏明 根本
Nobuo Bessho
信夫 別所
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JSR Corp
Original Assignee
Japan Synthetic Rubber Co Ltd
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Publication date
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  • Formation Of Various Coating Films On Cathode Ray Tubes And Lamps (AREA)
  • Gas-Filled Discharge Tubes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 螢光体層を大きい表面積を有するものとして
形成することができ、高い表示輝度が得られるプラズマ
ディスプレイパネルの製造方法およびこれに好適に用い
られる螢光体組成物を提供すること。 【構成】 製造方法は、基板の表面に隔壁によって区画
された凹所内に螢光体組成物を充填して螢光体層を形成
し、螢光体層の表面に感放射線性レジスト膜を形成し、
フォトマスクを介して露光処理および現像処理を行うこ
とにより螢光体層における表面の一部を露出させて現像
用マスクを形成し、この現像用マスクの表面側から螢光
体層の現像処理を行って基板の表面および隔壁の側面上
に螢光体組成物の薄層を残存させる現像工程と、残存し
た螢光体組成物の薄層を加熱して硬化させる工程とを有
する。螢光体組成物は、螢光体物質と、アルカリ可溶性
樹脂よりなる熱硬化性バインダーと、ビヒクルとを含有
してなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、隔壁によって区画され
た領域に表示単位となる螢光体層が設けられてなるプラ
ズマディスプレイパネルの製造方法およびこの方法によ
るプラズマディスプレイパネルの製造に好適に用いられ
る螢光体組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】プラズマディスプレイパネル(PDP)
は、大型パネルを製造するプロセスが容易であること、
視野角が広いこと、自発光タイプで表示品位が高いこと
などの理由から、フラットパネル表示技術の中で注目さ
れており、特にカラープラズマディスプレイパネルは、
20インチ以上の壁掛けハイビジョンTV(HDTV)
用の表示デバイスとして将来主流になるものと期待され
ている。カラープラズマディスプレイパネルは、ガス放
電によって紫外線を発生させ、その紫外線を螢光体に照
射することにより、カラー表示を可能にする。そして、
一般に、カラープラズマディスプレイパネルにおいて
は、基板上に、赤色発光用、緑色発光用および青色発光
用の螢光体層が形成されることにより、各色の発光表示
セルが全体に均一に混在した状態に構成されている。具
体的には、ガラス基板の表面上にバリアリブと称される
絶縁材製の隔壁が設けられており、この隔壁によって多
数の凹所が区画され、この凹所内に螢光体層が設けられ
ると共に、この螢光体層にプラズマを作用させる電極が
設けられることにより、各々の螢光体層を表示単位とす
るプラズマディスプレイパネルが構成される。
【0003】このようなプラズマディスプレイパネルの
製造方法としては、ペースト状の螢光体組成物をスクリ
ーン印刷により基板の表面の表示単位領域毎に配置して
螢光体層を形成するスクリーン印刷法と、感光性の螢光
体組成物の層を形成し、フォトマスクを介して紫外線を
照射した上で現像することにより基板の表面における表
示単位領域毎に螢光体層を残存させるフォトリソグラフ
ィー法とが知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】現在、プラズマディス
プレイパネルにおいては、作動時の表示輝度が低いとい
う問題点があり、表示輝度の高いものが強く要請されて
いる。そして、そのためには、プラズマの作用を受けて
発光する螢光体層の個々の表面積を大きくすることが有
効である。しかしながら、従来のスクリーン印刷法およ
びフォトリソグラフィー法では、表面積の大きい螢光体
層を形成することは困難である。その理由は、これらの
方法では、隔壁によって区画される凹所の個々の開口面
積によって螢光体層の表面積が事実上決定されてしまう
からである。
【0005】隔壁によって側面が包囲された螢光体層に
ついて、その表面積を大きくするための技術として、特
開平5−205636号公報にサンドブラスト法を応用
したプラズマディスプレイパネルの製造方法が開示され
ている。この方法は、隔壁によって側面が包囲された螢
光体層に対して、その表面上にサンドブラスト用マスク
を設けてそのマスク孔により螢光体層の表面の一部を露
出させ、このマスク孔を介して螢光体層の厚み方向にサ
ンドブラスト処理を行って螢光体層の中央柱部分のみを
除去することにより、隔壁の側面上にも薄層状の螢光体
層を残存させるものである。
【0006】しかしながら、この方法では、サンドブラ
スト処理のために用いられるアルミナなどの研磨材粒子
が不可避的に螢光体層に残留することとなり、その結
果、得られる螢光体層は良好な発光作用を発揮すること
のできないものとなるなどの問題点がある。
【0007】本発明の目的は、隔壁によって側面が包囲
された螢光体層により構成されるプラズマディスプレイ
パネルにおいて、プラズマの作用を受けて発光する螢光
体層を、大きい表面積を有するものとして形成すること
ができ、従って高い表示輝度が得られるプラズマディス
プレイパネルを有利に製造することのできる方法を提供
することにある。
【0008】本発明の他の目的は、上記の方法によるプ
ラズマディスプレイパネルの製造において特に好適に使
用することのできる螢光体組成物を提供することにあ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明のプラズマディス
プレイパネルの製造方法は、基板の表面に隔壁によって
区画された凹所が形成されると共に当該凹所内の基板の
表面に電極が設けられてなる基板材料を用い、基板上の
凹所内に螢光体組成物を充填して螢光体層を形成する工
程と、この螢光体層の表面に感放射線性レジスト膜を形
成し、部分的に放射線を照射する放射線照射処理および
現像処理を行うことにより、感放射線性レジスト膜の一
部を除去して前記螢光体層における表面の少なくとも一
部を露出させて現像用マスクを形成する工程と、現像用
マスクの表面側から現像液を作用させて前記螢光体層の
現像処理を行うことにより、当該凹所に係る基板の表面
および隔壁の側面上に螢光体組成物の薄層を残存させる
現像工程と、螢光体組成物の薄層を焼成して有機物質を
焼失させる工程と、を有することを特徴とする。
【0010】本発明の螢光体組成物の特徴とするところ
は、螢光体物質と、アルカリ可溶性樹脂よりなる熱硬化
性バインダーと、ビヒクルとを含有してなることを特徴
とする。
【0011】以下、図面によって本発明を具体的に説明
する。図1(イ)〜(ニ)、図2(イ)〜(ニ)並びに
図3(イ)および(ロ)は、本発明の一実施例に係るカ
ラープラズマディスプレイパネルの製造方法を、工程順
に示す説明用断面図である。この実施例のパネルにおい
ては、赤色発光領域と、緑色発光領域と、青色発光領域
とが順に隣接するよう配置されてなる構成とされてお
り、図においては、説明のために4つの発光領域A,
B,C,Dが示されている。そして、以下の説明では、
これら4つの発光領域A,B,C,Dのうち、両端の2
つAおよびDが第1色用とされ、中央の2つの発光領域
BおよびCが第2色および第3色用とされている。
【0012】〔基板材料〕図1(イ)は、本発明の製造
方法に用いられる基板材料10の説明用断面図である。
この基板材料10においては、平板状のガラス基板11
の表面に、畝状に突出して伸びる隔壁12の多数が例え
ば互いに平行に離間した状態で設けられ、これにより隣
接する隔壁12との間に凹所13が形成されており、さ
らに各凹所13の底面である基板11の表面には、当該
凹所13の幅方向(図で左右方向)の中央位置に、プラ
ズマ発生用の電極14が膜状に設けられている。ここ
で、図の隔壁12は、その断面形状が、基板11の表面
に接近するに従って僅かに外方に傾斜する側面12Aを
有する台形とされており、従って凹所13の断面形状は
逆台形となっている。このような基板材料10に対し、
下記の各工程からなる第1色用螢光体層形成操作が行わ
れる。
【0013】〔螢光体層形成工程〕上記の基板材料10
に対し、図1(ロ)に示すように、詳細は後述する、第
1色例えば赤色発光用のペースト状の螢光体組成物を、
適宜の塗布手段を利用して各凹所13内に充填し、その
後乾燥させることにより、隔壁12によって側面が包囲
された螢光体層20を形成する。これにより、電極14
は螢光体層20内に埋没した状態となる。ここに、塗布
手段としては、例えばスクリーン印刷法、ロール塗布
法、回転塗布法、流延塗布法などを挙げることができ
る。また、螢光体層20の厚さは、隔壁12の高さと同
程度となる大きさであることが好ましく、従って隔壁1
2の高さによって異なるが、通常、乾燥後の厚さが50
〜500μmとなる大きさとされる。さらに、螢光体組
成物の乾燥温度は、当該螢光体組成物に含有される熱硬
化性バインダー(詳細は後述する。)が熱硬化する最低
温度より低い温度とされることが必要であり、例えば6
0〜130℃程度である。
【0014】〔現像用マスク形成工程〕以上のようにし
て螢光体層20が形成されてなる複合材料に対し、図1
(ハ)に示すように、隔壁12および螢光体層20の上
面によって形成される表面の全面を覆うよう、感放射線
性レジスト組成物、例えば紫外線感光性レジスト組成物
の溶液を塗布して乾燥させることにより、感放射線性レ
ジスト膜21を形成する。ここに、感放射線性レジスト
組成物の塗布のためには、螢光体組成物の塗布と同様の
塗布法から選んだ手段を利用することができる。感放射
線性レジスト膜21の厚さは、乾燥後の膜厚が、通常、
0.1〜40μm、好ましくは0.5〜20μmとなる
大きさとされる。また、この感放射線性レジスト組成物
の乾燥温度も、螢光体組成物に含有される熱硬化性バイ
ンダーが熱硬化する最低温度より低い温度とされること
が必要であり、例えば60〜130℃程度である。
【0015】このようにして形成された感放射線性レジ
スト膜21上に、図1(ニ)に示すように、例えばマス
ク23を配置し、このマスク23を介して、放射線、例
えば紫外線を感放射線性レジスト膜21に照射すること
により露光処理し、その後、感放射線性レジスト膜21
に対して現像処理を施す。この現像処理により、図2
(イ)に示すように、発光領域AおよびDに係る螢光体
層20の表面における、小幅の中央部分領域20Aに対
応するレジスト除去部分26Aを形成し、この中央部分
領域20A以外の外側部分領域20B上に位置するレジ
スト部分のみを残存させ、それ以外のレジスト部分の全
部を除去して螢光体層現像用マスク26を形成する。
【0016】すなわち、感放射線性レジスト膜21を形
成する感放射線性レジスト組成物がいわゆるネガ型のも
のである場合には、マスク23として、発光領域Aおよ
びDに係る螢光体層20の表面の中央部分領域20Aに
対応する領域が放射線非透過部分23Aとされ、かつ当
該螢光体層20の外側部分領域20Bに対応する領域が
放射線透過部分23Bとされ、また他の発光領域Bおよ
びCに係る螢光体層20の表面および各隔壁12の表面
のすべてに対応する領域が放射線非透過部分23Cとさ
れたものが用いられる。
【0017】〔現像工程〕このような現像用マスク26
が形成された複合材料に対し、当該現像用マスク26の
表面側から現像液を作用させることにより、螢光体層2
0の現像処理を行う。この現像処理の方法としては、例
えば浸漬法、揺動法、シャワー法、スプレー法、パドル
法などの方法を利用することができる。この現像処理に
おいては、発光領域AおよびDに係る螢光体層20が溶
解されるが、当該螢光体層20の表面は、その外側部分
領域20Bが現像用マスク26に覆われているため、図
2(ロ)に示すように、螢光体層20は、その露出して
いる中央部分領域20Aから溶解が進行して行くと共
に、他の発光領域BおよびCに係る螢光体層20はその
表面の全領域が露出しているため、その表面全体から溶
解が進行する。
【0018】以上のように、各螢光体層20の溶解は、
その表面の露出している領域から進行して行く結果、現
像処理条件を適切に制御することにより、図2(ハ)に
示すように、発光領域AおよびDに係る螢光体層20に
おいては、基板11の表面および隔壁12の側面12A
上に螢光体組成物の薄層30が残存し、しかも当該薄層
30の表面が、隔壁12の上端から下方に伸びて全体と
して下に凸となる湾曲した曲線状の輪郭を有するものと
なり、これによりプラズマ作用空間31が区画されると
共に、このプラズマ作用空間31に電極14の表面が露
出された状態が得られる。なお、発光領域BおよびCに
係る螢光体層20はそのすべてが溶解除去され、初期の
状態とされる。
【0019】以上において、現像処理条件としては、螢
光体層20を形成する螢光体組成物の種類によっても異
なるが、例えば現像時間、現像液の種類または組成、濃
度および温度、現像手段の種類などが考慮される。
【0020】前記現像用マスク26の材質は、螢光体層
20に比較して、現像液の溶解性に対する抵抗性が大き
いもの、具体的には螢光体層20を形成する螢光体組成
物よりも現像液に対する溶解速度が小さいものであるこ
とが必要である。しかしながら、現像用マスク26は、
それが螢光体層20の現像工程における現像液に対して
完全な抵抗性を有するものである必要はなく、例えば当
該螢光体層20の現像工程における現像液によって徐々
に溶解されて現像工程が終了するまでに完全に溶解消失
するものとすることができる。あるいは、現像工程が終
了するまでに完全には溶解消失しないが残滓が螢光体組
成物の薄層30の表面上に残留する程度のもの、あるい
は全く溶解しないが、後述する焼成工程で消失されるも
のであってもよい。
【0021】〔熱硬化処理〕その後、一般的には、上記
螢光体組成物の薄層30は熱硬化処理に付され、これに
より、当該薄層30を形成する組成物中の熱硬化性成分
が硬化され、図2(ニ)に示すように、第1色用の螢光
体組成物の硬化薄層40が形成される。この熱硬化処理
の温度は、熱硬化性成分の種類により異なるが、通常、
120〜280℃であり、処理時間は、通常、10〜1
20分間である。これにより、第1色用螢光体層形成操
作が終了する。
【0022】次に、第1色用の硬化薄層40が形成され
た基板材料10を用い、第2色例えば緑色発光用のペー
スト状の螢光体組成物を用いて、上記と全く同様の工程
に従って、螢光体層の形成、感放射線性レジスト膜の形
成および現像処理、螢光体層の現像工程および得られる
薄層の熱硬化処理を行うことにより、図3(イ)に示す
ように、第2色用の硬化薄層41を形成する。さらに、
第3色例えば青色発光用のペースト状の螢光体組成物を
用いて、上記と全く同様の工程を繰り返して、第3色用
の硬化薄層42を形成する。図3(イ)は、このように
して得られる、赤色発光用の硬化薄層40、青色発光用
の硬化薄層41および緑色発光用の硬化薄層42が形成
されたパネル中間体45を示す。
【0023】〔焼成工程〕以上のパネル中間体45に対
して焼成処理が施され、これにより、各硬化薄層40,
41,42を構成する螢光体組成物に含有される有機物
質、すなわち熱硬化性バインダーなどに由来する有機物
質が焼失されて、図3(ロ)に示すように3色の発光用
螢光体薄層50(R)、51(G)、52(B)が基板
11上に形成され、以てカラープラズマディスプレイパ
ネルが製造される。この焼成処理の温度は、熱硬化処理
よりもさらに高い、各硬化薄層を構成する螢光体組成物
に含有される有機物質が焼失される温度であることが必
要であり、通常、400〜580℃であり、また焼成処
理時間は、通常、10〜60分間である。なお、上述の
熱硬化処理が省略される場合があり、この場合には、上
記現像工程によって形成された螢光体組成物の薄層が焼
成処理に付されて有機物質が焼失される。
【0024】次に上記の各工程に用いられる物および条
件、その他について説明する。 (1)基板材料 本発明において用いられる基板材料は、絶縁性材質の基
板の表面に適宜の隔壁が形成されたものである。 (1−1)基板 基板の材質としては、例えばガラス、シリコン、ポリカ
ーボネート、ポリエステル、芳香族アミド、ポリアミド
イミド、ポリイミドなどの絶縁性物質を挙げることがで
きる。この基板の表面に対しては、必要に応じて、シラ
ンカップリング剤などによる薬品処理、プラズマ処理、
またはイオンプレーティング法、スパッタリング法、気
相反応法、真空蒸着法などによる薄膜形成処理などの適
宜の前処理を施しておくことができる。
【0025】(1−2)隔壁 基板の表面に設けられる隔壁の材質としては、例えば鉛
ホウケイ酸ガラスなどの低融点ガラスよりなるものを好
ましく用いることができ、これには、必要に応じて、各
種の充填剤、顔料、染料などを添加することができる。
この隔壁は、プラズマディスプレイパネルにおいて、表
示単位となる表示セルを区画するものであり、これによ
って区画される領域の形状および寸法は、適宜選定さ
れ、例えば具体的な寸法例は、縦方向ピッチが0.20
〜1.20mm、横方向ピッチが0.20〜1.00m
mとされる。
【0026】(1−3)基板材料における寸法 基板材料において、隔壁の断面形状、幅、高さ、隣接す
る隔壁との距離すなわち凹所の幅などの寸法は、目的と
するプラズマディスプレイパネルの特性に応じて適宜選
定することができる。例えば、図4に示すように、上記
の形状による場合の寸法の例を挙げると、隔壁12の底
面の幅aが10〜300μm、高さhが10〜500μ
m、凹所13の幅(隔壁12の離間距離)bが50〜1
000μm、電極14の幅cが50〜500μmであ
る。典型的な一例においては、例えば隔壁12の底面の
幅aは100μm、高さhが200μm、凹所13の幅
bが400μm、電極14の幅cが200μmである。
【0027】(2)螢光体組成物 本発明において用いられる螢光体組成物は、螢光体物質
と、バインダーとよりなり、さらに当該組成物が容易に
塗布乃至凹所への塗り込めが遂行されるよう、適宜の有
機溶剤などよりなるビヒクルが含有されてペースト状と
された組成物である。この螢光体組成物において、螢光
体物質100重量部に対し、バインダーが1〜50重量
部であり、好ましくは1〜40重量部である。ここに、
ビヒクルの割合は、塗布に適した流動性または可塑性が
得られる割合である。
【0028】(2−1)螢光体物質 本発明において、螢光体物質としては適宜のものを選定
して用いることができる。赤色発光用の螢光体物質の代
表例としては、Y2 3 :Eu、Y2 SiO5:Eu、
3 Al5 12:Eu、YVO4 :Eu、(Y,Gd)
BO3 :Eu、Zn3 (PO4 2 :Mn、緑色発光用
の螢光体物質の代表例としては、Zn2 SiO4 :M
n、BaAl 1219:Mn、BaMgAl1423:M
n、LaPO4 :Ce,Tb、Y3 (Al,Ga)5
12:Tb、Y2 SiO5 :Tb、青色発光用の螢光体物
質の代表例としては、Y2 SiO5 :Ce、BaMgA
1423:Eu、(Ca,Sr,Ba)10(PO4 6
Cl2 :Euなどを挙げることができる。これらは、そ
の1種を単独でまたは2種以上を用いることができる。
【0029】(2−2)バインダー 本発明に用いる螢光体組成物のバインダーとしては、種
々の樹脂を用いることができるが、特にアルカリ可溶性
樹脂を用いることが好ましい。ここに、「アルカリ可溶
性」とは、後述するアルカリ現像液によって溶解し、目
的とする現像処理が遂行される程度に溶解性を有する性
質をいう。アルカリ可溶性樹脂の具体例としては、例え
ば(メタ)アクリル系樹脂、ヒドロキシスチレン樹脂、
ノボラック樹脂などを挙げることができる。このような
アルカリ可溶性樹脂のうち、特に好ましく用いられるも
のの具体例としては、下記の(a)および(b)のモノ
マー組成物による共重合体、または(a)、(b)およ
び(c)のモノマー組成物による共重合体などを挙げる
ことができる。
【0030】(a)アクリル酸、メタクリル酸、マレイ
ン酸、フマル酸、クロトン酸、イタコン酸、シトラコン
酸、メサコン酸、ケイ皮酸などのカルボキシル基含有モ
ノマー類;(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、
(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)
アクリル酸3−ヒドロキシプロピルなどの水酸基含有モ
ノマー類;o−ヒドロキシスチレン、m−ヒドロキシス
チレン、p−ヒドロキシスチレンなどのフェノール性水
酸基含有モノマー類;その他のアルカリ可溶性官能基含
有モノマーの1種またはそれ以上 (b)(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸
エチル、(メタ)アクリル酸ベンジル、グリシジル(メ
タ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリ
レートなどの、水酸基を含有しない(メタ)アクリル酸
エステル類;スチレン、α−メチルスチレンなどの芳香
族ビニル系モノマー類;ブタジエン、イソプレンなどの
共役ジエン類、その他の重合性モノマーの1種またはそ
れ以上 (c)ポリスチレン、ポリ(メタ)アクリル酸メチル、
ポリ(メタ)アクリル酸エチル、ポリ(メタ)アクリル
酸ベンジルなどのポリマー鎖の一方の末端に、例えば
(メタ)アクリロイル基などの重合性不飽和基を有する
マクロモノマーの1種またはそれ以上
【0031】(2−3)熱硬化性成分 螢光体組成物は、通常、熱硬化性であるが、前記焼成工
程において螢光体組成物の薄層が熱変形を生じないもの
であればよい。そのため、例えばバインダーとして用い
られるアルカリ可溶性樹脂がそれ自体熱硬化性でない場
合には、さらに熱硬化性成分が添加される。この熱硬化
性成分は、アルカリ可溶性樹脂がそれ自体熱硬化性であ
る場合、またはアルカリ可溶性樹脂が適宜の硬化触媒に
よって熱硬化するものである場合には、特に添加する必
要はない。このような熱硬化性成分としては、例えばエ
ポキシ樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、アニリン樹脂、
フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アクリレー
ト樹脂などを挙げることができる。これらの熱硬化性成
分は、単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いる
ことができる。この熱硬化性成分の使用割合は、螢光体
物質100重量部に対して、通常0.1〜30重量部、
好ましくは0.3〜20重量部である。
【0032】(2−4)熱硬化性成分用硬化触媒 上述の熱硬化性成分は、通常、硬化触媒と共に使用され
る。ここに硬化触媒の具体例としては、例えば、エポキ
シ樹脂に対しては、多価アミン類、酸無水物類、フッ化
アンチモン化合物類;メラミン樹脂、尿素樹脂またはア
ニリン樹脂に対しては、アンモニウム塩類、アルコール
アミン類、金属塩類、有機酸類など;不飽和ポリエステ
ル樹脂に対しては、ベンゾイルパーオキシド、メチルエ
チルケトンパーオキシドなどのパーオキシド類;アクリ
レート樹脂に対しては、アゾイソブチロニトリルなどの
アゾ化合物類、p,p’−ジメトキシベンジル、p,
p’−ジクロロベンジルなどのベンジル化合物類、2,
2−ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメチル−2
−ヒドロキシアセトフェノンなどのアセトフェノン類、
その他を挙げることができる。これらの硬化触媒のう
ち、好ましい組合せはエポキシ樹脂とフッ化アンチモン
化合物類の組合せ、メラミン樹脂と有機酸類の組合せで
ある。そして、フッ化アンチモン化合物の市販品として
は、例えばSI−L85、SI−L110、SI−L1
50(以上、三新化学工業社製)などを挙げることがで
きる。
【0033】(2−5)他の添加剤 本発明に用いる螢光体組成物には、必要に応じて、現像
促進剤、接着助剤、ハレーション防止剤、保存安定剤、
消泡剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、低融点ガラス、顔
料、染料などの他の添加剤を配合することができる。
【0034】(2−6)ビヒクル 以上の螢光体組成物を組成する各成分と、ビヒクルとが
混合されることによって、適当な流動性あるいは可塑性
を有し、従って好適な塗布性を有するペースト状の螢光
体組成物が得られる。ここに、ビヒクルとしては通常の
有機溶剤を用いることができ、例えばエーテル類、エス
テル類、エーテルエステル類、ケトン類、ケトンエステ
ル類、アミド類、アミドエステル類、ラクタム類、ラク
トン類、スルホキシド類、スルホン類、炭化水素類、ハ
ロゲン化炭化水素類、その他を挙げることができる。具
体的には、例えばテトラヒドロフラン、アニソール、ジ
オキサン、エチレングリコールモノアルキルエーテル
類、ジエチレングリコールジアルキルエーテル類、プロ
ピレングリコールモノアルキルエーテル類、プロピレン
グリコールジアルキルエーテル類、酢酸エステル類、ヒ
ドロキシ酢酸エステル類、アルコキシ酢酸エステル類、
プロピオン酸エステル類、ヒドロキシプロピオン酸エス
テル類、アルコキシプロピオン酸エステル類、乳酸エス
テル類、エチレングリコールモノアルキルエーテルアセ
テート類、プロピレングリコールモノアキルエーテルア
セテート類、アルコキシ酢酸エステル類、環式ケトン
類、非環式ケトン類、アセト酢酸エステル類、ピルビン
酸エステル類、N,N−ジアルキルホルムアミド類、
N,N−ジアルキルアセトアミド類、N−アルキルピロ
リドン類、γ−ラクトン類、ジアルキルスルホキシド
類、ジアルキルスルホン類、ターピネオールなどを挙げ
ることができる。これらの有機溶剤は単独で、あるいは
2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0035】(3)感放射線性レジスト組成物 本発明において、感放射線性レジスト膜を形成するため
の感放射線性レジスト組成物は、それにより形成される
感放射線性レジスト膜がネガ型であっても、ポジ型であ
ってもよいが、例えば、(イ)アルカリ可溶性樹脂を含
有してなり、放射線の照射により、アルカリ現像液に対
して不溶化するアルカリ現像型の感放射線性成分、
(ロ)環化ゴムなどを含有してなり、放射線の照射によ
り、ある種の有機溶剤よりなる現像液に対して不溶化す
る有機溶剤現像型の感放射線性成分、(ハ)ポリビニル
アルコールなどの水溶性高分子物質を含有してなり、放
射線の照射により、水性の現像液に対して不溶化する水
性現像型の感放射線性成分、その他の感放射線性成分を
含有するものを用いることができる。
【0036】(3−1)アルカリ現像型感放射線性レジ
スト組成物 アルカリ現像型感放射線性レジスト組成物に用いるアル
カリ可溶性樹脂としては、前記螢光体組成物の成分とし
て掲げられているアルカリ可溶性樹脂を挙げることがで
きる。アルカリ現像型の感放射線性成分としては、例え
ば多官能性(メタ)アクリレートなどの多官能性モノマ
ーと光重合開始剤との組合せ、メラミン樹脂と放射線照
射により酸を形成する光酸発生剤と組合せ、その他を好
ましいものとして挙げることができる。この感放射線性
成分の使用割合は、アルカリ可溶性樹脂100重量部当
たり、通常、1〜300重量部、好ましくは10〜20
0重量部である。
【0037】本発明における特に好ましい感放射線性成
分は、多官能性(メタ)アクリレートと光重合開始剤と
の組合せである。このような多官能性(メタ)アクリレ
ートの具体例としては、例えばエチレングリコール、プ
ロピレングリコールなどのアルキレングリコールのジ
(メタ)アクリレート類;ポリエチレングリコール、ポ
リプロピレングリコールなどのポリアルキレングリコー
ルのジ(メタ)アクリレート類;両末端ヒドロキシポリ
ブタジエン、両末端ヒドロキシポリイソプレン、両末端
ヒドロキシポリカプロラクトンなどの両末端ヒドロキシ
ル化重合体のジ(メタ)アクリレート類;グリセリン、
1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールアルカ
ン、テトラメチロールアルカン、ジペンタエリスリトー
ルなどの3価以上の多価アルコールのポリ(メタ)アク
リレート類;3価以上の多価アルコールのポリアルキレ
ングリコール付加物のポリ(メタ)アクリレート類;
1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−ベンゼンジ
オール類などの環式ポリオールのポリ(メタ)アクリレ
ート類;ポリエステル(メタ)アクリレート、エポキシ
(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレー
ト、アルキド樹脂(メタ)アクリレート、シリコーン樹
脂(メタ)アクリレート、スピラン樹脂(メタ)アクリ
レートなどのオリゴ(メタ)アクリレート類を挙げるこ
とができる。これらは単独で、あるいは2種以上を組み
合わせて用いることができる。
【0038】また、前記多官能性(メタ)アクリレート
と組合せて使用される光重合開始剤の具体例としては、
例えばベンジル、ベンゾイン、ベンゾフェノン、カンフ
ァーキノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニ
ルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシル
フェニルケトン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルア
セトフェノン、2−メチル−〔4’−(メチルチオ)フ
ェニル〕−2−モルフォリノ−1−プロパノン、2−ベ
ンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノ
フェニル)−ブタン−1−オンなどのカルボニル化合
物;アゾイソブチロニトリル、4−アジドベンズアルデ
ヒドなどのアゾ化合物あるいはアジド化合物;メルカプ
タンジスルフィドなどの有機硫黄化合物;ベンゾイルパ
ーオキシド、ジ−t−ブチルパーオキシド、t−ブチル
ハイドロパーオキシド、クメンハイドロパーオキシド、
パラメタンハイドロパーオキシドなどの有機パーオキシ
ド;1,3−ビス(トリクロロメチル)−5−(2’−
クロロフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−〔2
−(2−フラニル)エチレニル〕−4,6−ビス(トリ
クロロメチル)−1,3,5−トリアジンなどのトリハ
ロメタン類、その他を挙げることができる。これらは単
独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることがで
きる。
【0039】以上のアルカリ現像型感放射線性レジスト
組成物については、必要な塗布性を得るために、適宜の
有機溶剤が用いられる。その具体例としては、螢光体組
成物のためのビヒクルとして用いられるものとして述べ
たものと同様の有機溶剤を挙げることができる。
【0040】(3−2)有機溶剤現像型感放射線性レジ
スト組成物 有機溶剤現像型感放射線性レジスト組成物における感放
射線性成分としては、例えばアジド化合物と天然ゴム、
合成ゴム、あるいはこれらを環化させた環化ゴムなどと
の組合せを挙げることができる。ここに、好ましいアジ
ド化合物の具体例としては、例えば4,4’−ジアジド
ベンゾフェノン、4,4’−ジアジドジフェニルメタ
ン、4,4’−ジアジドスチルベン、4,4’−ジアジ
ドカルコン、4,4’−ジアジドベンザルアセトン、
2,6−ジ(4’−アジドベンザル)シクロヘキサノ
ン、2,6−ジ(4’−アジドベンザル)−4−メチル
シクロヘキサノンなどを挙げることができる。これらの
アジド化合物は、単独で、あるいは2種以上を組み合わ
せて用いることができる。
【0041】以上の有機溶剤現像型感放射線性レジスト
組成物については、必要な塗布性を得るために、適宜の
有機溶剤が用いられる。その具体例としては、螢光体組
成物のためのビヒクルとして用いられるものとして述べ
たものと同様の有機溶剤を挙げることができる。
【0042】(3−3)水性現像型感放射線性レジスト
組成物 水性現像型感放射線性レジスト組成物における感放射線
性成分としては、例えばポリビニルアルコールとジアゾ
ニウム化合物との組合せ、ポリビニルアルコールと重ク
ロム酸化合物からなる成分を挙げることができる。
【0043】(3−4)他の添加剤 本発明に用いられる感放射線性レジスト組成物の溶液に
は、必要に応じて、現像促進剤、接着助剤、ハレーショ
ン防止剤、保存安定剤、消泡剤、酸化防止剤、紫外線吸
収剤、低融点ガラス、顔料、染料などの他の添加剤を配
合することができる。
【0044】(3−5)現像用マスク 本発明において、感放射線性レジスト膜から形成される
螢光体層現像用マスク26においては、螢光体層20の
中央部分領域20Aを露出させるためのレジスト除去部
分26Aの幅d(図4参照)は、50〜500μmであ
ることが好ましく、典型的な一例においては、200μ
mである。
【0045】(4)感放射線性レジスト膜の現像処理 この現像工程における現像液としては、感放射線性レジ
スト組成物の種類に応じてアルカリ現像液、有機溶剤現
像液または水性現像液が用いられる。 (4−1)アルカリ現像液 アルカリ現像液の有効成分としては、例えば水酸化リチ
ウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、リン酸水素
ナトリウム、リン酸水素二アンモニウム、リン酸水素二
カリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素アン
モニウム、リン酸二水素カリウム、リン酸二水素ナトリ
ウム、ケイ酸リチウム、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリ
ウム、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、
ホウ酸リチウム、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウム、
アンモニアなどの無機アルカリ性化合物;テトラメチル
アンモニウムヒドロキシド、トリメチルヒドロキシエチ
ルアンモニウムヒドロキシド、モノメチルアミン、ジメ
チルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジ
エチルアミン、トリエチルアミン、モノイソプロピルア
ミン、ジイソプロピルアミン、エタノールアミンなどの
有機アルカリ性化合物を挙げることができる。
【0046】このようなアルカリ性化合物の1種または
2種以上を用い、通常、0.001〜10重量%、好ま
しくは0.01〜5重量%の濃度となるように通常は水
に溶解してアルカリ現像液が得られる。このアルカリ現
像液による処理がなされた後は、通常、水洗処理が施さ
れる。
【0047】(4−2)有機溶剤現像液 有機溶剤現像液の具体例としては、トルエン、キシレ
ン、酢酸ブチルなどの有機溶剤を挙げることができ、こ
れらは単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いる
ことができる。この有機溶剤現像液による現像処理が完
了したときは、必要に応じて水洗処理が施される。 (4−3)水性現像液 水性現像液の具体例としては、水を挙げることができ
る。
【0048】(5)螢光体層の現像処理 螢光体層の現像工程においては、当該螢光体層がアルカ
リ可溶性樹脂を含有してなるものであるときには、アル
カリ現像液が用いられる。ここに、アルカリ現像液とし
ては、感放射線性レジスト膜の現像液として掲げられて
いるアルカリ現像液と同様のものが用いられる。従っ
て、前記感放射線性レジスト膜の現像処理にアルカリ現
像液が用いられる場合には、感放射線性レジスト膜の現
像処理と、螢光体組成物の現像処理とを、分離せずに連
続的に行うことができる。このアルカリ現像液による処
理がなされた後は、通常、水洗処理が施される。
【0049】以上、本発明のプラズマディスプレイパネ
ルの製造方法を、その一実施例を中心に詳細に説明した
が、本発明においては、種々の変更を加えることができ
る。例えば、カラープラズマディスプレイパネルを製造
する場合において、上述のように、螢光体層の形成、感
放射線性レジスト膜による現像用マスクの形成、螢光体
層の現像、および螢光体組成物の薄層の熱硬化処理より
なる単一の特定色用螢光体層形成操作を各色毎に繰り返
し、全部の硬化薄層を一括して焼成処理する代わりに、
各色毎の螢光体層を適宜の方法によって形成し、これら
の螢光体層に対して、一括して、現像用マスクの形成、
螢光体層の現像、螢光体組成物の薄層の熱硬化処理およ
び焼成処理を、各色の螢光体層に共通の工程として遂行
する方法によることもできる。
【0050】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明するが、本発明
がこれらによって制約されるものではない。 実施例1 厚さ1.1mmのガラス基板の表面に隔壁を形成してな
る基板材料を用い、スクリーン印刷法により、下記の組
成による螢光体組成物を塗布して隔壁によって区画され
た凹所に螢光体組成物を充填し、80℃のクリーンオー
ブン中で10分間乾燥して、膜厚200μmの螢光体層
を形成した。
【0051】 螢光体組成物 ・螢光体物質:Y2 3 :Eu(赤色発光用) 500重量部 ・アルカリ可溶性樹脂:メタクリル酸30重量%とメタクリル酸ベンジル70重 量%とのモノマー組成物による重量平均分子量が40000の共重合体 100重量部 ・熱硬化性成分: 樹脂:エポキシ樹脂(商品名「エピコート152」油化シェルエポキシ社製) 5重量部 硬化触媒:化1で示されるフッ化アンチモン化合物(商品名「SI−L150 」(三新化学工業社製) 0.5重量部 ・ビヒクル:3−エトキシプロピオン酸エチル 150重量部
【0052】
【化1】
【0053】次いで、螢光体層および隔壁の表面上に、
回転数1000rpmのスピンコーターを用いて、下記
の組成の感放射線性レジスト組成物溶液を塗布し、80
℃のクリーンオーブン中で10分間乾燥して、膜厚15
μmの感放射線性レジスト膜を形成した。
【0054】 感放射線性レジスト組成物 ・アルカリ可溶性樹脂:メタクリル酸30重量%とメタクリル酸ベンジル70重 量%とのモノマー組成物による重量平均分子量が40000の共重合体 50重量部 ・感放射線性成分: 樹脂:多官能性モノマーであるペンタエリスリトールテトラアクリレート 40重量部 光重合開始剤:1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(商品名「イル ガキュア184」チバガイギー社製) 10重量部 ・溶剤:3−エトキシプロピオン酸エチル 150重量部
【0055】このようにして得られた感光性レジスト膜
を有する複合材料に対して、マスクを介して、超高圧水
銀灯よりのi線と称される波長365nmの紫外線を1
00mJ/cm2 の照射量で照射した。次いで、0.1
重量%の水酸化カリウム水溶液で2分間シャワー現像
し、続いて1分間超純水のシャワーを浴びせることによ
り、紫外線未照射部のレジスト膜部分を除去した上、さ
らにこのレジスト膜除去部分に続く螢光体層を溶解除去
して螢光体組成物の薄層を形成し、空気中で乾燥した。
その後、180℃のクリーンオーブン中で30分間加熱
して熱硬化処理を行って硬化薄層を得、さらに520℃
の焼成炉内で10分間焼成処理して、発光用螢光体薄層
を形成し、もってプラズマディスプレイパネルを作製し
た。
【0056】このプラズマディスプレイパネルは、隔壁
内の基板の表面および隔壁の内側面上に発光用螢光体薄
層が存在するものであり、大きな表面積を有し、作動時
に高い表示輝度が得られるものであった。
【0057】実施例2 実施例1と同様の基板材料を用い、螢光体組成物として
下記の組成物を用い、実施例1と同様にして膜厚200
μmの螢光体層を形成した。
【0058】 螢光体組成物 ・螢光体物質:Y2 SiO5 :Ce(青色発光用) 500重量部 ・アルカリ可溶性樹脂:メタクリル酸25重量%とメタクリル酸ベンジル5重量 %とポリエチレンマクロモノマー70重量%とのモノマー組成物による重量平均 分子量が30000の共重合体 120重量部 ・熱硬化性成分: 樹脂:メラミン樹脂(商品名「サイメル300」三井サイナアミッド社製) 20重量部 硬化触媒:有機酸化合物(商品名「Tris−PPA」本州化学社製) 25重量部 有機酸化合物(商品名「TFE−トリアジン」三和ケミカル社製) 30重量部 ・ビヒクル:3−エトキシプロピオン酸エチル 150重量部
【0059】次いで、螢光体層および隔壁の表面上に、
下記の組成の感放射線性レジスト組成物溶液を用いて、
実施例1と同様にして、膜厚10μmの感放射線性レジ
スト膜を形成した。
【0060】 感放射線性レジスト組成物 ・アルカリ可溶性樹脂:メタクリル酸25重量%とメタクリル酸ベンジル5重量 %とポリエチレンマクロモノマー70重量%とのモノマー組成物による重量平均 分子量が30000の共重合体 60重量部 ・感放射線性成分: 樹脂:多官能性モノマーであるペンタエリスリトールテトラアクリレート 40重量部 光重合開始剤:2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノ フェニル)−ブタン−1−オン(商品名「イルガキュア369」チバガイギー社 製) 5重量部 ・溶剤:3−エトキシプロピオン酸エチル 150重量部
【0061】このようにして得られた感光性レジスト膜
を有する複合材料に対して、マスクを介して、超高圧水
銀灯よりのi線と称される波長365nmの紫外線を1
00mJ/cm2 の照射量で照射した。次いで、0.1
重量%の水酸化カリウム水溶液で2分間シャワー現像
し、続いて1分間超純水のシャワーを浴びせることによ
り、紫外線未照射部のレジスト膜部分を除去した上、さ
らにこのレジスト膜除去部分に続く螢光体層を溶解除去
して螢光体組成物の薄層を形成し、空気中で乾燥した。
その後、180℃のクリーンオーブン中で30分間加熱
して熱硬化処理を行って硬化薄層を得、さらに520℃
の焼成炉内で10分間焼成処理して、発光用螢光体薄層
を形成し、もってプラズマディスプレイパネルを作製し
た。
【0062】このプラズマディスプレイパネルは、隔壁
内の基板の表面および隔壁の内側面上に発光用螢光体薄
層が存在するものであり、大きな表面積を有し、作動時
に高い表示輝度が得られるものであった。
【0063】実施例3 実施例1と同様の基板材料を用い、螢光体組成物として
下記の組成物を用い、実施例1と同様にして膜厚200
μmの螢光体層を形成した。
【0064】 螢光体組成物 ・螢光体物質:Zn2 SiO4 :Mn(緑色発光用) 500重量部 ・熱硬化性アルカリ可溶性樹脂:メタクリル酸20重量%とスチレン酸25重量 %とジシクロペンタニルメタクリレート15重量%とグリシジルメタクリレート 40重量%とのモノマー組成物による重量平均分子量が5000の共重合体 150重量部 ・ビヒクル:3−エトキシプロピオン酸エチル 150重量部
【0065】次いで、螢光体層および隔壁の表面上に、
下記の組成の感放射線性レジスト組成物溶液を用いて、
実施例1と同様にして、膜厚10μmの感放射線性レジ
スト膜を形成した。
【0066】 感放射線性レジスト組成物 ・アルカリ可溶性樹脂:メタクリル酸25重量%とメタクリル酸ベンジル5重量 %とポリエチレンマクロモノマー70重量%とのモノマー組成物による重量平均 分子量が30000の共重合体 60重量部 ・感放射線性成分: 樹脂:多官能性モノマーであるペンタエリスリトールテトラアクリレート 40重量部 光重合開始剤:2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノ フェニル)−ブタン−1−オン(商品名「イルガキュア369」チバガイギー社 製) 5重量部 ・溶剤:3−エトキシプロピオン酸エチル 150重量部
【0067】このようにして得られた感光性レジスト膜
を有する複合材料に対して、マスクを介して、超高圧水
銀灯よりのi線と称される波長365nmの紫外線を1
00mJ/cm2 の照射量で照射した。次いで、0.1
重量%の水酸化カリウム水溶液で2分間シャワー現像
し、続いて1分間超純水のシャワーを浴びせることによ
り、紫外線未照射部のレジスト膜部分を除去した上、さ
らにこのレジスト膜除去部分に続く螢光体層を溶解除去
して螢光体組成物の薄層を形成し、空気中で乾燥した。
その後、180℃のクリーンオーブン中で30分間加熱
して熱硬化処理を行って硬化薄層を得、さらに520℃
の焼成炉内で10分間焼成処理して、発光用螢光体薄層
を形成し、もってプラズマディスプレイパネルを作製し
た。
【0068】このプラズマディスプレイパネルは、隔壁
内の基板の表面および隔壁の内側面上に発光用螢光体薄
層が存在するものであり、大きな表面積を有し、作動時
に高い表示輝度が得られるものであった。
【0069】本発明の好ましい技術事項は、次のように
要約することができる。 (1)現像工程に供される螢光体層は、その表面の中央
部分領域が露出されている特徴とする請求項1に記載の
プラズマディスプレイパネルの製造方法。 (2)感放射線性レジスト膜の現像処理と、螢光体層の
現像処理とが連続する現像工程によって行われることを
特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイパネ
ルの製造方法。 (3)感放射線性レジスト膜および螢光体層がアルカリ
可溶性樹脂を含有してなり、感放射線性レジスト膜の現
像処理と、螢光体層の現像処理とがアルカリ現像液によ
る連続する現像工程により行われることを特徴とする請
求項1に記載のプラズマディスプレイパネルの製造方
法。 (4)現像工程において形成された螢光体組成物の薄層
を加熱して硬化させる工程をさらに含むことを特徴とす
る請求項1に記載のプラズマディスプレイパネルの製造
方法。
【0070】
【発明の効果】本発明のプラズマディスプレイパネルの
製造方法によれば、螢光体層のの現像工程において、隔
壁によって側面が包囲された螢光体層は、現像用マスク
によって露出された表面の一部から現像が進行して行く
ため、当該現像工程の条件を制御することにより、当該
螢光体層に係る基板の表面と隔壁の側面上に螢光体層を
残存形成することができる。その結果、プラズマの作用
を受けて発光する螢光体層を大きい表面積を有するもの
として形成することができ、従って高い表示輝度が得ら
れるプラズマディスプレイパネルを提供することができ
る。
【0071】そして、現像用マスクを形成する感放射線
性レジスト組成物として、螢光体層の現像に用いられる
ものと同じ現像液によって現像され得るものを用いるこ
とにより、感放射線性レジスト膜の現像処理および螢光
体層の現像処理を、別個の工程ではなく、事実上、同一
の現像工程において連続的または継続的に遂行すること
ができる。
【0072】また、本発明の螢光体組成物によれば、上
述の好適なプラズマディスプレイパネルの製造方法を有
利にかつ確実に実行することが容易であり、特に感放射
線性レジスト膜の現像処理および螢光体層の現像処理を
同一の現像工程において連続的または継続的に遂行する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係るカラープラズマディス
プレイパネルの製造方法を工程順に示す説明用断面図で
ある。
【図2】本発明の一実施例に係る製造方法の、図1の工
程に続く工程を順に示す説明用断面図である。
【図3】本発明の一実施例に係る製造方法の、図2の工
程に続く工程を順に示す説明用断面図である。
【図4】本発明の一例における要部の寸法例を示す説明
用断面図である。
【符号の説明】
A,B,C,D 発光領域 10 基板材料 11 基板 12 隔壁 13 凹所 14 電極 12A 側面 20 螢光体層 20A 中央部分領域 20B 外側部
分領域 21 感放射線性レジスト膜 23 マスク 23A 放射線非透過部分 23B 放射線
透過部分 23C 放射線非透過部分 26 現像用マ
スク 26A レジスト除去部分 30螢光体組成
物の薄層 31 プラズマ作用空間 40,41,4
2 硬化薄層 45 パネル中間体 50(R),51(G),52(B) 発光用螢光体薄
フロントページの続き (72)発明者 別所 信夫 東京都中央区築地2丁目11番24号 日本合 成ゴム株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板の表面に隔壁によって区画された凹
    所が形成されると共に当該凹所内の基板の表面に電極が
    設けられてなる基板材料を用い、 基板上の凹所内に螢光体組成物を充填して螢光体層を形
    成する工程と、 この螢光体層の表面に感放射線性レジスト膜を形成し、
    部分的に放射線を照射する放射線照射処理および現像処
    理を行うことにより、感放射線性レジスト膜の一部を除
    去して前記螢光体層における表面の少なくとも一部を露
    出させて現像用マスクを形成する工程と、 現像用マスクの表面側から現像液を作用させて前記螢光
    体層の現像処理を行うことにより、当該凹所に係る基板
    の表面および隔壁の側面上に螢光体組成物の薄層を残存
    させる現像工程と、 螢光体組成物の薄層を焼成して有機物質を焼失させる工
    程と、を有することを特徴とするプラズマディスプレイ
    パネルの製造方法。
  2. 【請求項2】 螢光体物質と、アルカリ可溶性樹脂より
    なる熱硬化性バインダーと、ビヒクルとを含有してなる
    ことを特徴とする螢光体組成物。
JP7029044A 1995-02-17 1995-02-17 プラズマディスプレイパネルの製造方法および螢光体組成物 Withdrawn JPH08222134A (ja)

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JP7029044A Withdrawn JPH08222134A (ja) 1995-02-17 1995-02-17 プラズマディスプレイパネルの製造方法および螢光体組成物

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR19990062901A (ko) * 1997-12-09 1999-07-26 와까바야시 구니히꾀 형광체 페턴의 제조방법, 형광체 페턴형성용 감광성 엘레멘트,형광체 페턴 및 플라스마 디스플레이 페널용 배면판
US6670757B2 (en) 1998-07-22 2003-12-30 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Plasma display panel, method of manufacturing the same, and display device using the same

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