JPH08220752A - 画像記録材料 - Google Patents

画像記録材料

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JPH08220752A
JPH08220752A JP2977495A JP2977495A JPH08220752A JP H08220752 A JPH08220752 A JP H08220752A JP 2977495 A JP2977495 A JP 2977495A JP 2977495 A JP2977495 A JP 2977495A JP H08220752 A JPH08220752 A JP H08220752A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 露光光源の発光波長に依存せずに記録可能な
画像記録材料、特に近赤外から赤外(熱線)で記録可能
な画像記録材料を提供することにある。 【構成】 輻射線を吸収する物質、酸前駆体、分子内に
特定の構造を有するエノールエーテル基を少なくとも2
個有する化合物、およびアルカリ可溶性樹脂を含むこと
を特徴とする画像記録材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はオフセット印刷マスター
として使用できる画像記録材料に関するものであり、特
にコンピューター等のディジタル信号から直接製版でき
る、いわゆるダイレクト製版用の平版印刷版に関する。
【0002】
【従来の技術】近年におけるレーザの発展は目ざまし
く、特に近赤外から赤外に発光領域をもつ固体レーザ・
半導体レーザは高出力かつ小型の物が容易に入手できる
ようになってきている。これらのレーザはコンピュータ
等のディジタルデータから直接製版する際の露光光源と
して非常に有用である。
【0003】従来、コンピュータのディジタルデータか
ら直接描画できる平版印刷版として、電子写真方式に利
用した印刷版、アルゴンレーザやYAGレーザによる露
光、必要に応じ後加熱を組み合わせた光重合系印刷版、
感光性樹脂上に銀塩感材を積層したもの、銀塩拡散転写
式のもの、放電やレーザ光によりシリコーンゴム層を破
壊するタイプの印刷版等が知られている。
【0004】電子写真方式を用いるものは、帯電、露
光、現像処理が煩雑であり、装置が複雑で大型になる。
光重合型印刷版は本来感度に限界があり、小型レーザー
の使用が困難であり、かつ明室での取扱いが難しい。銀
塩感材を積層したもの、銀塩拡散転写式のものは、処理
が煩雑であり、コストが高くなる欠点を有する。また、
レーザーによりシリコーンゴム層を破壊するタイプのも
のは、版面に残るシリコーン滓の除去に問題点を残して
いる。
【0005】これらの光源を利用して、画像形成可能な
技術として、特開昭52−113219号公報には、光
および熱で分解する化合物(例えばジアゾニウム化合
物)と光を吸収し熱に変えることのできる物質粒子と結
着剤とからなるポジ型記録材料が開示されている。ま
た、特開昭58−148792号公報には、熱可塑性樹
脂粒子と光−熱変換物質と光架橋性物質(例えばジアゾ
ニウム化合物)を主成分とするポジ型の感光、感熱記録
材料が開示されている。
【0006】しかしながら、上記レーザを光源として利
用できる記録材料は感度が低く、更に直接製版の場合、
コンピュータ等のディジタルデータを直接、レーザビー
ムをスキャンさせて版材に書き込むので、上記ポジ型材
料はかなりの書き込み時間を必要とする。そのため、書
き込み時間が短縮できる近赤外から赤外に発光領域をも
つ固体レーザ・半導体レーザ(熱モード)可能な高感度
な材料(できればネガ型)の開発が望まれていた。
【0007】このように従来のコンピユータのデジタル
データから直接描画できる平版印刷版は、十分満足でき
るものではない。一方、一般に重合性化合物の1種とし
てビニルエーテル基含有化合物が知られている。このビ
ニルエーテル基含有化合物は、主にカチオン重合性化合
物として開発が進められている。カチオン重合はラジカ
ル重合と比較して、重合の際、酸素の重合阻害効果がな
いこと、体積収縮が小さいこと等の特徴を有する。この
ため、ビニルエーテル基含有化合物は、UV硬化型樹脂
として、光酸発生剤との組み合わせで、インクや塗料、
最近は三次元立体像の作成に利用されている。
【0008】この、光酸発生剤(光カチオン重合開始
剤)としてはジアゾニウム塩、スルホニウム塩、ヨード
ニウム塩、ピリリニウム塩、チオピリリニウム塩等が既
知である。これらカチオン重合用のモノマーと光酸開始
剤の組合せは、いづれも感度が十分でない。又 Stephe
n C. Lapin, Polymers Paint Colour Journal,179 (423
7)、321(1989) には高感度の光カチオン性重合モノマー
の記載が見られるが、この技術において用いられる実用
上有効な光酸発生剤の多くが450nm以下にしか吸収
がないため、露光光源としては450nm以下の波長の
光を発するものしか使用できなかった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、露光
光源の発光波長に依存せずに記録可能な画像記録材料を
提供することであり、特に近赤外から赤外(熱線)で記
録可能な画像記録材料を提供することにある。更に本発
明の目的は、近赤外から赤外に発光領域をもつ固体レー
ザ・半導体レーザ(熱モード)を用いて、コンピュータ
等のディジタルデータを直接記録することが可能で、か
つ従来の処理装置や印刷装置をそのまま利用できるヒー
トモード書き込み型ダイレクト製版用平版印刷版を提供
することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目標を達成するため
に種々の画像記録材料(以下、感材、感光性組成物とす
る場合もある。)の熱変化について検討した結果、酸前
駆体(光酸発生剤)とエノールエーテル基(光ビニルエ
ーテル基)を分子内に2個以上有する化合物とアルカリ
可溶性樹脂からなるカチオン重合性組成物溶液に、輻射
線を吸収する物質(例えばカーボンブラック分散溶剤)
を混合し、支持体に比較的低温で塗布乾燥して得た皮膜
が、YAGレーザー光の照射により、アルカリ水溶液に
不溶になる事実を見出した(ネガ型)。また、上記皮膜
を作成する際に高温にて乾燥した場合には、皮膜自身が
アルカリ現像液に不溶化し、逆にYAGレーザー光の照
射により可溶化すること(ポジ型)を見出し、本発明に
到達した。
【0011】本発明はすなわち、(1)輻射線を吸収す
る物質、酸前駆体、分子内に下記一般式(I)で示され
るエノールエーテル基を少なくとも2個有する化合物、
およびアルカリ可溶性樹脂を含むことを特徴とする画像
記録材料であり、この発明により、上記課題を達成でき
る。
【0012】
【化2】
【0013】式中、R1、R2及びR3は水素、アルキル
基又はアリール基を表し、同一もしくは異なっていても
よい。また、それらの内の2つが結合して飽和又はオレ
フィン性不飽和の環を形成してもよい。本発明の好まし
い実施態様として、下記(2)〜(10)のものが挙げ
られる。
【0014】(2)支持体上に、赤外光もしくは近赤外
光を吸収する物質と、酸前駆体と分子内に下記一般式
(I)で示されるエノールエーテル基を少なくとも2個
有する化合物、およびアルカリ可溶性樹脂を含むことを
特徴とするヒートモード書き込み型ダイレクト制版用平
版印刷板である画像記録材料。 (3)支持体上に、赤外光もしくは近赤外光を吸収する
物質と、酸前駆体、分子内に一般式(I)のエノールエ
ーテル基を少なくとも2個有する化合物、およびアルカ
リ可溶性樹脂を含む層と設けてなることを特徴とする画
像記録材料。
【0015】(4)赤外光もしくは近赤外光を吸収する
物質として染料を用いる上記(3)の画像記録材料。 (5)赤外光もしくは近赤外光を吸収する物質として顔
料を用いる上記(3)の画像記録材料。 (6)赤外光もしくは近赤外光を吸収する物質としてカ
ーボンブラックを用いる上記(3)の画像記録材料。
【0016】(7)支持体としてポリエステルフィルム
を用いる上記(3)の画像記録材料。 (8)支持体としてアルミ板を用いる上記(3)の画像
記録材料。 (9)支持体上に、赤外光もしくは近赤外光を吸収する
物質と、酸前駆体と、分子内に一般式(I)のエノール
エーテル基を少なくとも2個有する化合物、およびアル
カリ可溶性樹脂を含む層と設けて画像記録材料を、近赤
外もしくは赤外光を発するレーザを用いて露光し、その
後アルカリ水で現像することを特徴とする画像記録方
法。
【0017】(10)上記(3)において、感熱性平版
印刷版である画像記録材料。 本発明は、感光性皮膜の作成条件により、ネガ型または
ポジ型の感光材料となるが、ネガ型の場合、輻射線を吸
収する物質の輻射線の吸収により得た熱エネルギーによ
り、酸前駆体が分解し、酸を発生し、その結果、エノー
ルエーテル基含有の化合物のカチオン重合を進行させ、
ネガ画像を作成するものである。ポジ型の場合には、高
温による皮膜形成時にエノールエーテル基を含有する化
合物と酸基を含むバインダー(アルカリ可溶性樹脂)が
熱架橋しアルカリ水に不溶となる。この感材に輻射線を
吸収させると、その部分は酸前駆体より発生した酸によ
り、加水分解され、アルカリ水に可溶となり、ポジ画像
が作成される。
【0018】したがって、輻射線が、赤外光もしくは近
赤外光であると、熱モードでの記録を良好にすることが
でき好ましい。本発明において、赤外光もしくは近赤外
光を吸収する物質が、染料であると露光後の現像性の点
で好ましく、また顔料であると感度が良好になり好まし
い。カーボンブラックの場合は吸収波長域が広くかつ感
度が高いという点で好ましい。
【0019】本発明において、支持体としてポリエステ
ルを用いると軽量である点、透光性画像ができる点で好
ましく、アルミ板を用いると、寸度安定性、耐久性の面
で優れる。本発明の画像記録材料は、赤外光もしくは近
赤外光を発するレーザを用いて露光し、その後アルカリ
水で現像する記録方法されるのが好ましい。
【0020】また、本発明の画像記録材料が、平版印刷
版である場合、ヒートモード書き込み型ダイレクト製版
用平版印刷版であることが好ましい。ヒートモード書き
込みとは、適当な熱線源を用い、ディジタルデータを基
にこの熱線源を制御し、画像記録材料へ記録することで
ある。この際の熱線源としては、ファクシミリ、感熱複
写機等に使用されているサーマルヘッドや赤外光もしく
は近赤外光を発するレーザであるが、ダイレクト製版用
としては、赤外光もしくは近赤外光を発するレーザが好
ましい。
【0021】本発明で使用される好ましい光は、近赤外
線、赤外線であり、この内赤外線は一般に熱線とも呼ば
れており、赤外線で本発明の記録を行う場合、本発明は
感熱性とも言える。
【0022】以下本発明を詳細に説明する。本発明にお
いては、輻射線を吸収する物質は、光(輻射線)を吸収
して熱を発生する物質である。このような物質として種
々の顔料もしくは染料が用いられる。顔料としては、市
販の顔料およびカラーインデックス(C.I.)便覧、
「最新顔料便覧」(日本顔料技術協会編、1977年
刊)、「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986年
刊)、「印刷インキ技術」(CMC出版、1984年
刊)に記録されている顔料が利用できる。
【0023】顔料の種類としては、黒色顔料、黄色顔
料、オレンジ色顔料、褐色顔料、赤色顔料、紫色顔料、
青色顔料、緑色顔料、蛍光顔料、その他、ポリマー結合
色素が挙げられる。具体的には、不溶性アゾ顔料、アゾ
レーキ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料、フタロ
シアニン系顔料、アントラキノン系顔料、ペリレンおよ
びペリノン系顔料、チオインジゴ系顔料、キナクリド系
顔料、ジオキサジン系顔料、イソインドリノン系顔料、
キノフタロン系顔料、染付けレーキ顔料、アジン顔料、
ニトロソ顔料、ニトロ顔料、天然顔料、蛍光顔料、無機
顔料、カーボンブラック等が使用できる。
【0024】これらの顔料は表面処理をせずに用いても
よく、表面処理をほどこして用いてもよい。表面処理の
方法には樹脂やワックを表面コートする方法、界面活性
剤を付着させる方法、反応性物質(例えば、シランカッ
プリング剤やエポキシ化合物、ポリイソシアネート等)
を顔料表面に結合させる方法等が考えられる。上記の表
面処理方法は、「金属石鹸の性質と応用」(幸書房)、
「印刷インキ技術」(CMC出版、1984年刊)およ
び「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986年刊)
に記載されている。
【0025】顔料の粒径は、0.01μm〜10μmの
範囲にあることが好ましく、0.05μm〜1μmの範
囲にあることがさらに好ましい。顔料を分散する方法と
しては、インク製造やトナー製造等に用いられている公
知の分散技術が使用できる。分散機としては、超音波分
散器、サンドミル、アトライター、パールミル、スーパ
ーミル、ボールミル、インペラー、デスパーザー、KD
ミル、コロイドミル、ダイナトロン、3本ロールミル、
加圧ニーダー等が挙げられる。詳細は、「最新顔料応用
技術」(CMC出版、1986年刊)に記載がある。
【0026】また、染料としては、市販の染料および文
献(例えば「染料便覧」有機合成化学協会編集、昭和4
5年刊)に記載されている公知のものが利用できる。具
体的には、アゾ染料、金属鎖塩アゾ染料、ピラゾロンア
ゾ染料、アントラキノン染料、フタロシアニン染料、カ
ルボニウム染料、キノンイミン染料、メチン染料、シア
ニン染料などの染料が挙げられる。
【0027】これらの顔料、もしくは染料のうち赤外
光、もしくは近赤外光を吸収するものが特に好ましい。
赤外光、もしくは近赤外光を吸収する顔料としてはカー
ボンブラックが好適に用いられる。赤外光、もしくは近
赤外光を吸収する染料としては例えば特開昭58−12
5246号、同59−84356号、同59−2028
29号、同60−78787号等に記載されているシア
ニン染料、特開昭58−173696号、同58−18
1690号、同58−194595号等に記載されてい
るメチン染料、特開昭58−112793号、同58−
224793号、同59−48187号、同59−73
996号、同60−52940号、同60−63744
号等に記載されているナフトキノン染料、特開昭58−
112792号等に記載されているスクワリリウム色
素、英国特許434,875号記載のシアニン染料等を
あげることができる。
【0028】また、米国特許第5,156,938号記
載の近赤外吸収剤も好適に用いられる。更に、米国特許
第3,881,924号記載の置換されたアリールベン
ゾ(チオ)ピリリウム塩、特開昭57−142645号
(米国特許第4,327,169号)記載のトリメチン
チアピリリウム塩、特開昭58−181051号、同5
8−220143号、同59−41363号、同59−
84248号、同59−84249号、同59−146
063号、同59−146061号に記載されているピ
リリウム系化合物、特開昭59−216146号記載の
シアニン色素、米国特許第4,283,475号に記載
のペンタメチンチオピリリウム塩等や特公平5−135
14号、同5−19702号公報に開示されているピリ
リウム化合物は特に好ましく用いられる。
【0029】また、特に好ましい別の例として米国特許
第4,756,993号明細書中に式(I)、(II)と
して記載されている近赤外吸収染料をあげることができ
る。これらの顔料もしくは染料は、画像記録材料全固形
分に対し0.01〜50重量%、好ましくは0.1〜2
0重量%、より好ましくは0.5〜15重量%の割合で
画像記録材料中に添加することができる。添加量が0.
01重量%より少ないと画像が得られず、また、50重
量%より多いと印刷時非画像部に汚れを発生する。
【0030】次に本発明で使用される分子内に一般式
(I)で示されるエノールエーテル基を2個以上有する
化合物について説明する。ここで、エノールエーテル基
が1個であると架橋することができず、本発明の効果を
有効に得ることができない。一般式(I)のエノールエ
ーテル基において、R1、R2及びR3がアリール基の場
合、一般に4〜20個の炭素原子を有し、アルキル基、
アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル
基、アシルオキシ基、アルキルメルカプト基、アミノア
シル基、カルボアルコキシ基、ニトロ基、スルホニル
基、シアノ基又はハロゲン原子により置換されていてよ
い。
【0031】R1、R2及びR3がアリール基を表す場合
には、炭素数1〜20の飽和又は不飽和の直鎖、分岐又
は脂環のアルキル基を示し、ハロゲン原子、シアノ基、
エステル基、オキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ
基又はアリール基により置換されていてもよい。また、
1、R2及びR3のいずれか2つが結合してシクロアル
キル基又はシクロアルケニル基を形成する場合には通常
3〜8、好ましくは5又は6個の環員を表す。
【0032】本発明において、一般式(I)で示される
エノールエーテル基のうち、好ましいのは、R1、R2
びR3のうちひとつがメチル基、もしくはエチル基で、
残りが水素原子であるエノールエーテル基、更に好まし
いのはR1、R2及びR3がすべて水素であるビニルエー
テル基である。本発明では2つ以上のエノールエーテル
基を含有する種々の化合物を使用することができるが、
これらは大気圧下で60℃以上の沸点を有する化合物で
あり、ビニルエーテル基をもつ化合物の好ましい化合物
としては、下記一般式(II)又は(III)で示すビニル
エーテル化合物が挙げられる。
【0033】 A−〔−O−(R4−O)n−CH=CH2m (II) A−〔−B−R4−O−CH=CH2m (III) ここで、Aはm価のアルキル基、アリール基又はヘテロ
環基を示し、Bは-CO-O-、-NHCOO-又は-NHCONH-を示
し、R4は炭素数1〜10の直鎖又は分岐のアルキレン
基を示し、nは0又は1〜10の整数、mは2〜6の整
数を示す。
【0034】一般式(II)で示される化合物は例えば、
Stephen. C. Lapin, Polymers Paint Colour Journal,
179(4237) 、321(1988) に記載されている方法、即ち多
価アルコールもしくは多価フェノールとアセチレンとの
反応、又は多価アルコールもしくは多価フェノールとハ
ロゲン化アルキルビニルエーテルとの反応により合成す
ることができる。
【0035】具体例としてエチレングリコールジビニル
エーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、
1,3−ブタンジオールジビニルエーテル、テトラメチ
レングリコールジビニルエーテル、ネオペンチルグリコ
ールジビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビ
ニルエーテル、トリメチロールエタントリビニルエーテ
ル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、1,4−シク
ロヘキサンジオールジビニルエーテル、テトラエチレン
グリコールジビニルエーテル、ペンタエリスリトールジ
ビニルエーテル、ペンタエリスリトールトリビニルエー
テル、ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、ソ
ルビトールテトラビニルエーテル、ソルビトールペンタ
ビニルエーテル、エチレングリコールジエチレンビニル
エーテル、トリエチレングリコールジエチレンビニルエ
ーテル、エチレングリコールジプロピレンビニルエーテ
ル、トリエチレングリコールジエチレンビニルエーテ
ル、トリメチロールプロパントリエチレンビニルエーテ
ル、トリメチロールプロパンジエチレンビニルエーテ
ル、ペンタエリスリトールジエチレンビニルエーテル、
ペンタエリスリトールトリエチレンビニルエーテル、ペ
ンタエリスリトールテトラエチレンビニルエーテル、
1,2−ジ(ビニルエーテルメトキシ)ベンゼン、1,
2−ジ(ビニルエーテルエトキシ)ベンゼン、並びに以
下の一般式(II−1)〜(II−41)で示される化合物
を挙げることができるが、これに限定されるものではな
い。
【0036】
【化3】
【0037】
【化4】
【0038】
【化5】
【0039】
【化6】
【0040】
【化7】
【0041】
【化8】
【0042】
【化9】
【0043】
【化10】
【0044】
【化11】
【0045】一方、一般式(III)(B=CO−O−
の場合)で示される化合物は多価カルボン酸とハロゲン
化アルキルビニルエーテルとの反応により製造すること
ができる。具体的にはテレフタル酸ジエチレンビニルエ
ーテル、フタル酸ジエチレンビニルエーテル、イソフタ
ル酸ジエチレンビニルエーテル、フタル酸ジプロピレン
ビニルエーテル、テレフタル酸ジプロピレンビニルエー
テル、イソフタル酸ジプロピレンビニルエーテル、マレ
イン酸ジエチレンビニルエーテル、フマル酸ジエチレン
ビニルエーテル、イタコン酸ジエチレンビニルエーテル
等を挙げることができるが、これらに限定されるもので
はない。
【0046】更に本発明において好適に用いられるエノ
ールエーテル基含有化合物としては、下記一般式(I
V)、(V)または(VI)等で示される活性水素を有
するエノールエーテル化合物と、イソシアナート基を有
する化合物との反応により合成されるエノールエーテル
基含有化合物を挙げることができる。 CH2 =CH−X−R5 −OH (IV) CH2 =CH−X−R5 −COOH (V) CH2 =CH−X−R5 −NH2 (VI) ここでR5 は炭素数1〜10の直鎖または分岐のアルキ
レン基を示す。またXは酸素原子または硫黄原子を示
す。イソシアナート基を含有する化合物としては、例え
ば架橋剤ハンドブック(大成社刊、1981年発行)に
記載の化合物を用いることができる。
【0047】具体的には、トリフェニルメタントリイソ
シアナート、ジフェニルメタンジイソシアナート、トリ
レンジイソシアナート、2,4−トリレンジイソシアナ
ートの2量体、ナフタレン−1,5−ジイソシアナー
ト、O−トリレンジイソシアナート、ポリメチレンポリ
フェニルイソシアナート、ヘキサメチレンジイソシアナ
ート等のポリイソシアナート型、トリレンジイソシアナ
ートとトリメチロールプロパンの付加体、ヘキサメチレ
ンジイソシアナートと水との付加体、キシレンジイソシ
アナートとトリメチロールプロパンとの付加体等のポリ
イソシアナートアダクト型等を挙げることができる。
【0048】上記イソシアナート基含有化合物と、活性
水素含有エノールエーテル基含有化合物とを反応させる
ことにより、末端にエノールエーテル基を持つ種々の化
合物ができる。下記に本発明に使用されるエノールエー
テル基を持つ化合物の例を列挙するが、本発明の範囲は
これに限定されるものではない。
【0049】
【化12】
【0050】
【化13】
【0051】
【化14】
【0052】以上述べてきたエノールエーテル基を分子
内に少なくとも2個含有する化合物は単一で使用できる
が、数種の混合物として使用してもよい。感光性組成物
中のエノールエーテル基を含有する化合物の添加量は、
一般に感光性組成物の全固形分に対して、1〜80重量
%、好ましくは5〜50重量%、の範囲である。
【0053】この範囲であると、ネガ画像の場合、効率
よくカチオン重合が促進し、皮膜強度の高い画像膜が得
られる。また、この範囲であると、ポジ画像の場合に
も、未露光部は皮膜形成時の熱架橋により十分な皮膜強
度が得られる。
【0054】次に本発明で使用される酸前駆体について
説明する。本発明で使用できる酸前駆体としては、光カ
チオン重合の光開始剤、光ラジカル重合の光開始剤、色
素類の光消色剤、光変色剤、あるいはマイクロレジスト
等に使用されている公知の酸発生剤等、公知の熱分解し
て酸を発生する化合物、及びそれらの混合物を適宜に選
択して使用することができる。
【0055】例えば、S.I.Schlesinge
r,Photogr.Sci.Eng.,18,387
(1974)、T.S.Bal et al,Poly
mer,21,423(1980)に記載のジアゾニウ
ム塩、米国特許第4,069,055号、同4,06
9,056号、同Re27,992号、特開平4−36
5049号の明細書に記載のアンモニウム塩、D.C.
Necker et al,Macromolecul
es,17,2468(1984)、C.S.Wen
et al,Teh,Proc.Conf.Rad,C
uring ASIA,p478 Tokyo,Oct
(1988)、米国特許第4,069,055号、同
4,069,056号に記載のホスホニウム塩、J.
V.Crivello et al,Macromor
ecules,10(6),1307(1977)、C
hem.& Eng.News,Nov.28,p31
(1988)、欧州特許第104,143号、米国特許
第339,049号、同第410,201号、特開平2
−150848号、特開平2−296514号に記載の
ヨードニウム塩、J.V.Crivello et a
l,Polymer J.17,73(1985)、
J.V.Crivello et al.J.Org.
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5)、J.V.Crivello etal,Macr
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1)、J.V.Crivel.lo et al,J.
Polymer Sci.,Polymer Che
m.Ed.,17,2877(1979)、欧州特許第
370,693号、同3,902,114号、同23
3,567号、同297,443号、同297,442
号、米国特許第4,933,377号、同161,81
1号、同410,201号、同339,049号、同
4,760,013号、同4,734,444号、同
2,833,827号、独国特許第2,904,626
号、同3,604,580号、同3,604,581号
に記載のスルホニウム塩、
【0056】J.V.Crivello et al,
Macromorecules,10(6),1307
(1977)、J.V.Crivel lo et a
l,J.Polymer Sci.,Polymer
Chem.Ed.,17,1047(1979)に記載
のセレノニウム塩、C.S.Wen et al,Te
h,Proc.Conf.Rad.Curing AS
IA,p478 Tokyo,Oct(1988)に記
載のアルソニウム塩等のオニウム塩、米国特許第3,9
05,815号、特公昭46−4605号、特開昭48
−36281号、特開昭55−32070号、特開昭6
0−239736号、特開昭61−169835号、特
開昭61−169837号、特開昭62−58241
号、特開昭62−212401号、特開昭63−702
43号、特開昭63−298339号に記載の有機ハロ
ゲン化合物、K.Meier et al,J.Ra
d.Curing,13(4),26(1986),
T.P.Gill et al,Inorg.Che
m.,19,3007(1980)、D.Astru
c,Acc.Chem.Res.,19(12),37
7(1896)、特開平2−161445号に記載の有
機金属/有機ハロゲン化物、S.Hayase eta
l,J.Polymer Sci.,25,753(1
987)、E.Reichmanis et al,
J.Polymer Sci.,Polymer Ch
em.Ed.,23,1(1985)、Q.Q.Zhu
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5,39,317(1987)、B.Amit et
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2205(1973),
【0057】D.H.R.Barton et al,
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M.Collins et al,J.Chem.So
c.,Perkin I,1695(1975)、M.
Rudinstein etal,Tetrahedr
on Lett.,(17),1445(1975)、
J.W.Walker et al,J.Am.Che
m.Soc.,110,7170(1988)、S.
C.Busman et al,J.Imaging
Technol.,11(4),191(1985)、
H.M.Houlihan et al,Macrom
olecules,21,2001(1988)、P.
M.Collins et al,J.Chem.So
c.,Chem.Commun.,532(197
2)、S.Hayase et al,Macromo
lecules,18,1799(1985)、E.R
eichmanis et al,J.Electro
chem.Soc.,SolidState Sci.
Technol.,130(6)、F.M.Houli
han et al,Macromolecules,
21,2001(1988)、欧州特許第0290,7
50号、同046,083号、同156,535号、同
271,851号、同0,388,343号、米国特許
第3,901,710号、同4,181,531号、特
開昭60−198538号、特開昭53−133022
号に記載のo−ニトロベンジル型保護基を有する光酸発
生剤、M.TUNOOKA et al,Polyme
r Preprints Japan,38(8)、
G.Berner et al,J.Rad.Curi
ng,13(4)、W.J.Mijs et al,C
oating Technol.,55(697),4
5(1983)、Akzo,H.Adachi eta
l,Polymer Preprints,Japa
n,37(3)、欧州特許第0199,672号、同8
4515号、同199,672号、同044,115
号、同0101,122号、米国特許第4,618,5
64号、同4,371,605号、同4,431,77
4号、特開昭64−18143号、特開平2−2457
56号、特願平3−140109号に記載のイミノスル
フォネート等に代表される、光分解してスルホン酸を発
生する化合物、特開昭61−166544号に記載のジ
スルホン化合物を挙げることができる。
【0058】またこれらの酸を発生する基、あるいは化
合物をポリマーの主鎖又は側鎖に導入した化合物、例え
ば、M.E.Woodhouse et al,J.A
m.Chem.Soc.,104,5586(198
2)、S.P.Pappaset al,J.Imag
ing Sci.,30(5),218(1986)、
S.Kondo et al. Makromol.C
hem.,RapidCommun.,9,625(1
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mol.Chem.,152,153,163(197
2)、J.V.Crivello et al.J.P
oylmer Sci.,Polymer Chem.
Ed.,17,3845(1979)、米国特許第3,
849,137号、独国特許第3,914,407、特
開昭63−26653号、特開昭55−164824
号、特開昭62−69263号、特開昭63−1460
387、特開昭63−163452号、特開昭62−1
53853号、特開昭63−146029号に記載の化
合物を用いることができる。
【0059】更に、V. N. R. Pillai, Synthesis, (1),
1(1980)、A. Abad et al, Tetrahedr on Lett., (47)4
555(1971) 、D. H. R. Barton et al, J. Chem, Soc.,
(C),329(1970)、米国特許第3,779,778号、欧
州特許第126,712号等に記載の光により酸を発生
する化合物も使用することができる。上記酸前駆体の中
で、特に有効に用いられるものについて以下に説明す
る。
【0060】(1)トリハロメチル基が置換した下記一
般式(VIII)で表されるオキサゾール誘導体又は下記一
般式(IX)で表されるS−トリアジン誘導体。
【0061】
【化15】
【0062】
【化16】
【0063】式中、R1は置換もしくは未置換のアリー
ル基又はアルケニル基であり、R2は置換もしくは未置
換のアリール基、アルケニル基、アルキル基又は-CY3
表す。Yは塩素原子又は臭素原子を示す。上記オキサゾ
ール誘導体(VIII)及びS−トリアジン誘導体(IX)の
具体例としては、以下のVIII−1〜8及び化合物IX−1
〜10を挙げることができるが、これに限定されるもの
ではない。
【0064】
【化17】
【0065】
【化18】
【0066】
【化19】
【0067】(2)下記一般式(X)で表されるヨード
ニウム塩又は下記一般式(XI)で表されるスルホニウム
塩。
【0068】
【化20】
【0069】式中、Ar1及びAr2は各々独立に置換も
しくは未置換のアリール基を示す。好ましい置換基とし
ては、アルキル基、ハロアルキル基、シクロアルキル
基、アリール基、アルコキシ基、ニトロ基、カルボキシ
ル基、アルコキシカルボニル基、ヒドロキシ基、メルカ
プト基及びハロゲン原子が挙げられる。R3、R4及びR
5は各々独立に、置換もしくは未置換のアルキル基又は
アリール基を示す。好ましくは炭素数6〜14のアリー
ル基、炭素数1〜8のアルキル基又はそれらの置換誘導
体である。好ましい置換基は、アリール基に対しては炭
素数1〜8のアルコキシ基、炭素数1〜8のアルキル
基、ニトロ基、カルボキシル基、ヒドロキシ基又はハロ
ゲン原子であり、アルキル基に対しては炭素数1〜8の
アルコキシ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル
基である。
【0070】Z-は対アニオンを示し、例えばBF4 -、AsF
6 -、PF6 -、SbF6 -、SiF6 -、ClO4 -、CF3SO3 -、BPh4 - (pH
=フェニル)、ナフタレン−1−スルホン酸アニオン等
の縮合多核芳香族スルホン酸アニオン、アントラキノン
スルホン酸アニオン、スルホン酸基含有染料等を挙げる
ことができるが、これらに限定されるものではない。
【0071】また、R3、R4及びR5のうちの2つ並び
にAr1及びAr2はそれぞれ単結合又は置換基を介して
結合してもよい。一般式(X)及び(XI)で示されるオ
ニウム塩は公知であり、例えばJ. W. Knapczyk et al,
J. Am. Chem. Soc., 91, 145(1969) 、A. L. Maycok et
al, J.Org. Chem., 35, 2532(1970)、E. Goethas et a
l, Bull. Soc. Chem. Belg., 73, 546(1964)、H. M. Le
icester, J. Am. Chem. Soc., 51, 3587(1929) 、J. B.
Crivello et al, J. Polym. Chem. Ed., 18, 2677(198
0)、米国特許第2,807,648号及び同4,24
7,473号、特開昭53−101331号の明細書又
は公報等に記載の方法により合成することができる。
【0072】一般式(X)及び(XI)のオニウム化合物
の具体例としては、以下に示す化合物X−1〜22及び
XI−1〜34が挙げられるが、これに限定されるもので
はない。
【0073】
【化21】
【0074】
【化22】
【0075】
【化23】
【0076】
【化24】
【0077】
【化25】
【0078】
【化26】
【0079】
【化27】
【0080】
【化28】
【0081】
【化29】
【0082】
【化30】
【0083】(3)下記一般式(XII)で示されるジス
ルホン誘導体又は下記一般式(XIII)で表されるイミノ
スルホネート誘導体。
【0084】
【化31】
【0085】式中、Ar3及びAr4は各々独立に置換も
しくは未置換のアリール基を示す。R6は置換もしくは
未置換のアルキル基又はアリール基を表す。Aは置換も
しくは未置換のアルキレン基、アルケニル基又はアリー
レン基を示す。一般式(XII)及び(XIII)で示される
化合物の具体例としては、以下に示す化合物XII−1〜
12及びXIII−1〜12が挙げられるが、これに限定さ
れるものではない。
【0086】
【化32】
【0087】
【化33】
【0088】
【化34】
【0089】
【化35】
【0090】これらの輻射線の照射により分解して酸を
発生する化合物の添加量は、感光性組成物の全固形分を
基準として通常0.001〜40重量%の範囲で用いら
れ、好ましくは0.1〜20重量%の範囲で使用され
る。
【0091】本発明において用いられるアルカリ可溶性
樹脂は、線状有機高分子重合体であり、光重合可能なビ
ニルエーテル化合物と相溶性を有しているものの中より
任意に選択して使用することができる。ネガ型の画像記
録材料を作成する場合、アルカリ可溶性樹脂としては、
側鎖にカルボン酸を有する付加重合体、例えば特開昭5
9−44615号、特公昭54−34327号、特公昭
58−12577号、特公昭54−25957号、特開
昭54−92723号、特開昭59−53836号、特
開昭59−71048号に記載されているもの、すなわ
ち、メタクリル酸共重合体、アクリル酸共重合体、イタ
コン酸共重合体、クロトン酸共重合体、マレイン酸共重
合体、部分エステル化マレイン酸共重合体等がある。ま
た同様に側鎖にカルボン酸を有する酸性セルロース誘導
体がある。この外に水酸基を有する付加重合体に環状酸
無水物を付加させたものなどが有用である。特にこれら
の中で〔ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アク
リル酸/必要に応じてその他の付加重合性ビニルモノマ
ー〕共重合体及び〔アリル(メタ)アクリレート/(メ
タ)アクリル酸/必要に応じてその他の付加重合性ビニ
ルモノマー〕共重合体が好適である。この他に水溶性線
状有機高分子重合体として、ポリビニルピロリドンやポ
リエチレンオキサイド等が有用である。また硬化皮膜の
強度をあげるためにアルコール可溶性ナイロンや2,2
−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−プロパンとエピ
クロロヒドリンのポリエーテル等も有用である。これら
のネガ型画像記録材料を作成するのに用いられる線状有
機高分子重合体は感光性組成物中に任意な量を混和させ
ることができる。しかし90重量%を越える場合は形成
される画像強度等の点で好ましい結果を与えない。好ま
しくは30〜85重量%である。また光重合可能なビニ
ルエーテル化合物と線状有機高分子重合体は、重量比で
1/9〜7/3の範囲とするのが好ましい。より好まし
い範囲は3/7〜5/5である。
【0092】一方、ポジ型の画像記録材料を作成する場
合のアルカリ可溶性樹脂としては、エノールエーテル化
合物と熱的に反応し、3次元架橋樹脂を形成する酸基を
有する線状高分子を挙げることができる。以下に酸基を
有する線状高分子について説明する。本発明で使用され
る酸基を含む線状高分子は、エノールエーテル基を少な
くとも2個有する化合物と熱的に架橋し、その架橋部が
酸により効率よく分解するものであれば任意に選択して
用いることができる。
【0093】上記線状高分子は一般に線状高分子を得る
公知の方法により合成できるが、例えば、酸基、好まし
くはカルボン酸基、スルホン酸基、リン酸基、スルホン
アミド基等を有するビニルモノマーとそれらと共重合可
能な他のビニルモノマーを共重合することによって得る
ことができる。本発明において使用される酸基を含有す
るビニルモノマーとしては、例えばアクリル酸、メタク
リル酸、マレイン酸、イタコン酸、クロトン酸、イソク
ロトン酸、p−ビニル安息香酸、p−ビニルベンゼンス
ルホン酸、p−ビニル桂皮酸、マレイン酸モノメチルエ
ーテル、マレイン酸モノエチルエーテル等が挙げられる
が、これに限定されるものではない。
【0094】上記モノマーと共重合可能な他のモノマー
としては、例えばアクリロニトリル、アクリロアミド、
メタクリルアミド、メチルメタクリレート、エチルアク
リレート、プロピルアクリレート、ブチルアクリレー
ト、ベンジルアクリレート、メチルメタクリレート、エ
チルメタクリレート、プロピルメタクリレート、ブチル
メタクリレート、ベンジルメタクリレート、ビニルベン
ゾエート、塩化ビニル、ビニリデンクロライド、スチレ
ン、酢酸ビニル、N−(4−スルファモイルフェニル)
メタクリルアミド、N−フェニルホスホニルメタクリル
アミド、ブタジエン、クロロプレン、イソプレン、2−
ヒドロキシエチルスチレン、2−ヒドロキシエチルアク
リレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、p−
2−ヒドロキシエチルスチレン、p−ヒドロキシスチレ
ン、3−メルカプトエチルアクリレート、2−メルカプ
トエチルメタクリレート等を挙げることができるが、こ
れらに限定されるものではない。
【0095】酸基を含有するビニルモノマーと他の共重
合可能なモノマーとは任意の組み合わせでかつ任意の数
のモノマーを共重合させることができるが、酸基を含有
するビニルモノマーと他の共重合可能なモノマーの比率
としては重量%で、2〜80:90〜20の範囲が適当
であり、好ましい範囲としては5〜70:95〜30、
より好ましい範囲としては5〜30:95〜70であ
る。
【0096】又酸基を有する線状高分子は、酸基を有す
るジヒドロキシ化合物とジカルボン酸化合物との共縮合
等により得ることができる。例えば3,5−ジヒドロキ
シ安息香酸、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピ
オン酸、2,2−ビス(2−ヒドロキシエチル)プロピ
オン酸、2,2−ビス(3−ヒドロキシプロピル)プロ
ピオン酸、ビス(ヒドロキシメチル)酢酸、ビス(4−
ヒドロキシフェニル)酢酸、4,4−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)ペンタン酸、酒石酸等の酸基を有するジ
ヒドロキシ化合物と、2,4−トリレンジイソシアナー
ト、2,4−トリレンジイソシアナートの2量体、4,
4′−ジフェニルメタンジイソシアナート、1,5−ナ
フチレンジイソシアナート、ヘキサメチレンジイソシア
ナート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアナート、
4,4′−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアナー
ト)等のジイソシアナート化合物を等当量で反応させる
ことにより、カルボキシル基を含有する線状ポリウレタ
ン樹脂が得られる。又更にカルボキシル基を有せず、イ
ソシアナートと反応しない他の置換基を有しても良いジ
オール化合物を併用しても良い。例えば、エチレングリ
コール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコー
ル、ネオペンチルグリコール、1,3−ブチレングリコ
ール、ビスフェノールA、水添ビスフェノールA、水添
ビスフェノールF、ビスフェノールAのエチレンオキサ
イド付加体等を挙げることができるが、これらに限定さ
れるものではない。
【0097】又、線状高分子は上記酸基を有するジオー
ル、必要に応じて、上記他のジオールと、2官能のカル
ボン酸、例えばフタル酸、イソフタル酸、テレフタル
酸、フマル酸、イタコン酸、アジピン酸等とを共縮合す
ることにより得ることができる。酸基を有するジオール
と他のモノマー単位との比率としては重量%で2から8
0:98〜20の範囲が適当であり、好ましい範囲とし
ては5〜70:95〜30、より好ましい範囲としては
5〜30:95〜70である。
【0098】本発明で使用される酸基を有する線状高分
子として、フェノール性水酸基を含有する樹脂を挙げる
ことができる。具体的にはフェノールホルムアルデヒド
樹脂、m−クレゾールホルムアルデヒド樹脂、p−クレ
ゾールホルムアルデヒド樹脂、o−クレゾールホルムア
ルデヒド樹脂、m−/p−混合クレゾールホルムアルデ
ヒド樹脂、フェノール/クレゾールホルムアルデヒド樹
脂等のノボラック樹脂、レゾール型のフェノール樹脂
類、フェノール変性キシレン樹脂、ポリヒドロキシスチ
レン、ポリハロゲン化ヒドロキシスチレン、フェノール
性水酸基を有するアクリル樹脂等を挙げることができる
がこれらに限定されるものではない。
【0099】これらの線状高分子の分子量は、1,00
0〜1,000,000、好ましくは1,500〜20
0,000、より好ましくは2,000〜100,00
0である。これらの内、好適に用いられる線状高分子と
しては、酸基を含有するモノマーとヒドロキシル基を含
有するモノマーを一定の割合で含有した共重合体をあげ
ることができる。共重合体中の酸基を含むモノマーの含
有率が5〜50重量%、好ましくは5〜40重量%、よ
り好ましくは10〜30重量%、ヒドロキシル基を含む
モノマーの含有率が5〜50重量%、好ましくは5〜4
0重量%、より好ましくは10〜30重量%の線状高分
子が特に好適に用いられる。
【0100】これらのポジ型画像記録材料を作成するの
に用いられる線状高分子は単一で使用できるが、数種の
混合物として使用してもよい。感光性組成物中の線状高
分子の添加量は、一般に感光性組成物の全固形分に対
し、1〜95重量%、好ましくは20〜90重量%、よ
り好ましくは30〜80重量%の範囲である。この範囲
であると良好な画像が形成される。
【0101】本発明の画像記録材料は、上記各成分を溶
解又は分散する溶媒を用いて支持体上に塗布する。ここ
で使用する溶媒としては、メタノール、エタノール、イ
ソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、t−ブ
チルアルコール、エチレンジクロライド、シクロヘキサ
ノン、アセトン、メチルエチルケトン、エチレングリコ
ール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレ
ングリコールモノエチルエーテル、2−メトキシエチル
アセテート、1−メトキシ−2−プロパノール、1−メ
トキシ−2−プロピルアセテート、N,N−ジメチルホ
ルムアミド、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメチ
ルスルホキシド、酢酸エチル、乳酸メチル、乳酸エチ
ル、γ−ブチロラクトン等があり、これらの溶媒を単独
であるいは混合して使用する。
【0102】また、これらの溶媒や混合溶媒に少量の水
やトルエン等のジアゾ樹脂や高分子化合物を溶解させな
い溶媒を添加した混合溶媒も適当である。尚、上記成分
の溶媒中の濃度(固形分)は、1〜50重量%である。
これらの溶媒に溶解または分散させた液を塗布し乾燥さ
せて、皮膜を形成するがネガ型の画像記録材料を作る場
合は、50℃〜100℃で乾燥させることが望ましい。
一方ポジ型の画像記録材料を作る場合は、100〜15
0℃で乾燥させる方が好適である。
【0103】また、塗布性を改良するためのアルキルエ
ーテル類(例えばエチルセルロース、メチルセルロー
ス)、界面活性剤類(例えばフッ素系界面活性剤)、膜
の柔軟性、耐摩耗性を付与するための可塑剤(例えばト
リクレジルホスフェート、ジメチルフタレート、ジブチ
ルフタレート、リン酸トリオクチル、リン酸トリブチ
ル、クエン酸トリブチル、ポリエチレングリコール、ポ
リプロピレングリコール等)を添加することができる。
これらの添加剤の添加量はその使用目的によって異なる
が、一般には画像記録材料の全固形分に対して0.5〜
30重量%である。
【0104】また、輻射線吸収後直ちに可視像を得るた
めの焼出し剤として、露光による熱によって酸を放出す
る化合物と塩を形成し得る有機染料の組合せを代表とし
て挙げることができる。具体的には特開昭50−362
09号公報、特開昭53−8128号公報に記載されて
いるo−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸ハロゲ
ニドと塩形成性有機染料の組合せや特開昭53−362
23号公報、特開昭54−74728号公報に記載され
ているトリハロメチル化合物と塩形成性有機染料の組合
せを挙げることができる。画像の着色剤として前記の塩
形成性有機染料以外の他の染料も用いることができる。
塩形成性有機染料を含めて好適な染料として油溶性染料
及び塩基染料を挙げることができる。具体的には、オイ
ルイエロー#101、オイルイエロー#130、オイル
ピンク#312、オイルグリーンBG、オイルブルーB
OS、オイルブルー#603、オイルブラックBY、オ
イルブラックBS、オイルブラックT−505(以上、
オリエント化学工業株式会社製)、ビクトリアピュアブ
ルー、クリスタルバイオレット(CI42555)、メ
チルバイオレット(CI42535)、ローダミンB
(CI45170B)、マラカイトグリーン(CI42
000)、メチレンブルー(CI52015)等を挙げ
ることができる。
【0105】これらの焼出し剤及び染料は、画像記録材
料中0〜30重量%の添加量で使用される。尚、本発明
の輻射線を吸収する物質により、十分な濃度の可視画像
が得られる場合、この様な染料は添加する必要がない。
また、塗布量は用途により異なるが、例えば感光性平版
印刷版(感熱性平版印刷版)についていえば一般的に固
形分として0.5〜3.0g/m2が好ましい。塗布量が
少くなるにつれ感光性は大になるが、感光膜の物性は低
下する。更に必要に応じて、感光膜の上にマットまたは
マット層を設けても良い。
【0106】また本発明の画像記録材料が塗布される支
持体としては、例えば、紙、プラスチック(例えばポリ
エチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等)がラミネ
ートされた紙、例えばアルミニウム(アルミニウム合金
も含む)、亜鉛、銅等のような金属の板、例えば二酢酸
セルロース、三酢酸セルロース、プロピオン酸セルロー
ス、酢酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、酪酸セルロ
ース、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポ
リスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリ
ビニルアセタール等のようなプラスチックのフィルム、
上記の如き金属がラミネートもしくは蒸着された紙もし
くはプラスチックフィルム等が含まれる。これらの支持
体のうち、ポリエステルフィルムまたはアルミ板を用い
ることが好ましく、特にアルミ板は寸法的に著しく安定
であり好ましい。更に、特公昭48−18327号公報
に記載されているようなポリエチレンテレフタレートフ
ィルム上にアルミニウムシートが結合された複合体シー
トも好ましい。
【0107】また、金属、特にアルミニウムの表面を有
する支持体の場合には、適当な親水化処理をすることが
望ましい。このような親水化処理としては、例えばアル
ミニウム表面を、ワイヤブラシグレイニング、研磨粒子
のスラリーを注ぎながらナイロンブラシで粗面化するブ
ラシグレイニング、ボールグレイニング等の機械的方
法、HFやAlCl3 、HCl をエッチャントとするケミカル
グレイニング、硝酸又は塩酸を電解液とする電解グレイ
ニングやこれらの粗面化法を複合して行う複合グレイニ
ングによって表面を砂目立てした後、必要に応じて酸又
はアルカリによりエッチング処理し、引き続き硫酸、リ
ン酸、蓚酸、ホウ酸、クロム酸、スルファミン酸または
これらの混酸中で直流又は交流電源にて陽極酸化を行い
アルミニウム表面に強固な不動態皮膜を設けることが好
ましい。このような不動態皮膜自体でアルミニウム表面
は親水化されるが、更に必要に応じて米国特許第2,714,
066 号明細書や米国特許第3,181,461 号明細書に記載さ
れている珪酸塩処理(珪酸ナトリウム、珪酸カリウ
ム)、米国特許第2,946,638 号明細書に記載されている
弗化ジルコニウム酸カリウム処理、米国特許第3,201,24
7 号明細書に記載されているホスホモリブデート処理、
英国特許第1,108,559 号に記載されているアルキルチタ
ネート処理、独国特許第1,091,433 号明細書に記載され
ているポリアクリル酸処理、独国特許第1,134,093 号明
細書や英国特許第1,230,447 号明細書に記載されている
ポリビニルホスホン酸処理、特公昭44−6409号公
報に記載されているホスホン酸処理、米国特許第3,307,
951 号明細書に記載されているフィチン酸処理、特開昭
58−16893号や特開昭58−18291号の各公
報に記載されている親水性有機高分子化合物と2価の金
属よりなる複合処理、特開昭59−101651号公報
に記載されているスルホン酸基を有する水溶性重合体の
下塗によって親水化処理を行ったものは特に好ましい。
その他の親水化処理方法としては米国特許第3,658,662
号明細書に記載されているシリケート電着を挙げること
ができる。
【0108】像露光に用いられる活性光線の光源として
は、例えば、水銀灯、メタルハライドランプ、キセノン
ランプ、ケミカルランプ、カーボンアーク灯等がある。
放射線としては、電子線、X線、イオンビーム、遠赤外
線などがある。またg線、i線、Deep−UV光、高密度
エネルギービーム(レーザービーム)も使用される。レ
ーザービームとしてはヘリウム・ネオンレーザー、アル
ゴンレーザー、クリプトンレーザー、ヘリウム・カドミ
ウムレーザー、KrFエキシマレーザー等が挙げられ
る。本発明においては、近赤外から赤外領域に発光波長
を持つ光源が好ましく、固体レーザ、半導体レーザが特
に好ましい。
【0109】本発明の画像記録材料の現像液および補充
液としては従来より知られているアルカリ水溶液が使用
できる。例えば、ケイ酸ナトリウム、同カリウム、第3
リン酸ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム、第2
リン酸ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム、炭酸
ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム、炭酸水素ナ
トリウム、同カリウム、同アンモニウム、ほう酸ナトリ
ウム、同カリウム、同アンモニウム、水酸化ナトリウ
ム、同アンモニウム、同カリウムおよび同リチウムなど
の無機アルカリ塩が挙げられる。また、モノメチルアミ
ン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルア
ミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノイソプ
ロピルアミン、ジイソプロピルアミン、トリイソプロピ
ルアミン、n−ブチルアミン、モノエタノールアミン、
ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソ
プロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、エチ
レンイミン、エチレンジアミン、ピリジンなどの有機ア
ルカリ剤も用いられる。
【0110】これらのアルカリ剤は単独もしくは2種以
上を組み合わせて用いられる。
【0111】現像液および補充液には現像性の促進や抑
制、現像カスの分散および印刷版画像部の親インキ性を
高める目的で必要に応じて種々の界面活性剤や有機溶剤
を添加できる。好ましい界面活性剤としては、アニオン
系、カチオン系、ノニオン系および両性界面活性剤があ
げられる。更に現像液および補充液には必要に応じて、
ハイドロキノン、レゾルシン、亜硫酸、亜硫酸水素酸な
どの無機酸のナトリウム塩、カリウム塩等の還元剤、更
に有機カルボン酸、消泡剤、硬水軟化剤を加えることも
できる。
【0112】これらの現像液の中で特に好ましいものと
して、例えば特開昭54−62004号、特公昭57−
7427号明細書に記載されているもの、及び特開昭5
1−77401号に示されている、ベンジルアルコー
ル、アニオン性界面活性剤、アルカリ剤及び水からなる
現像液組成物、特開昭53−44202号に記載されて
いる、ベンジルアルコール、アニオン性界面活性剤、水
溶性亜硫酸塩を含む水性溶液からなる現像液組成物、特
開昭55−155355号に記載されている、水に対す
る溶解度が常温において10重量%以下である有機溶剤
とアルカリ剤と水とを含有する現像液組成物等が挙げら
れる。
【0113】本発明の画像記録材料を印刷版として用い
る場合、上記現像液および補充液を用いて現像処理した
後、水洗水、界面活性剤等を含有するリンス液、アラビ
アガムや澱粉誘導体を含む不感脂化液で後処理されるこ
とが好ましい。後処理にはこれらの処理を種々組み合わ
せて用いることができる。
【0114】近年、製版・印刷業界では製版作業の合理
化および標準化のため、印刷版用の自動現像機が広く用
いられている。この自動現像機は、一般に現像部と後処
理部からなり、印刷版を搬送する装置と各処理液槽およ
びスプレー装置からなり、露光済みの印刷版を水平に搬
送しながら、ポンプで汲み上げた各処理液をスプレーノ
ズルから吹き付けて現像処理するものである。また、最
近は処理液が満たされた処理液槽中に液中ガイドロール
などによって印刷版を浸漬搬送させて処理する方法も知
られている。このような自動処理においては、各処理液
に処理量や稼働時間等に応じて補充液を補充しながら処
理することができる。
【0115】また、実質的に未使用の処理液で処理する
いわゆる使い捨て処理方式も適用できる。
【0116】本発明の画像記録材料を用いた感光性平版
印刷版を画像露光し、現像し、水洗及び/又はリンス及
び/又はガム引きして得られた平版印刷版に不必要な画
像部(例えば原画フィルムのフィルムエッジ跡など)が
ある場合には、その不必要な画像部の消去が行なわれ
る。このような消去は、例えば特公平 2−13293 号公報
に記載されているような消去液を不必要画像部に塗布
し、そのまま所定の時間放置したのちに水洗することに
より行なう方法等がある。
【0117】以上のようにして得られた平版印刷版は所
望により不感脂化ガムを塗布したのち、印刷工程に供す
ることができる。
【0118】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳細に説明
するが、本発明はこれにより限定されるものではない。
【0119】実施例1 〔基板の作製〕特開昭56ー28893号公報に開示さ
れた方法により基板を作製した。即ち、厚さ0.24m
mのアルミニウム板を、ナイロンブラシと400メッシ
ュのパミストンの水懸濁液を用い、その表面を砂目立て
した後、よく水で洗浄した。次いで10%水酸化ナトリ
ウム水溶液に70℃で60秒間浸漬してエッチングした
後、流水で水洗後、更に20%HNO3 で中和洗浄し、
水洗した。次にこの板を陽極時電圧が12.7Vで陽極
時電気量に対する陰極時電気量の比が0.8の条件下で
正弦波の交番波形電流を用いて1%硝酸水溶液中で16
0クーロン/dm2 の陽極時電気量で電解粗面化処理を
行った。このときの表面粗さを測定したところ0.6μ
( Ra表示) であった。引き続いて30%の硫酸中に浸
漬し、55℃で2分間デスマットした後、20%硫酸
中、電流密度2A/dm2 において厚さが2.7g/m
2 になるように2分間陽極酸化処理した。その後70℃
の珪酸ソーダ2.5%水溶液に1分間浸漬後水洗乾燥し
た。
【0120】〔カーボンブラック分散液の作製〕下記重
量比による組成物をガラスビーズにより10分間分散し
カーボンブラック分散液を得た。 カーボンブラック 1 重量部 ベンジルメタクリレートとメタクリル酸の共重合体 1.6重量部 (モル比72:28,重量平均分子量7万) シクロヘキサノン 1.6重量部 メトキシプロピルアセテート 3.8重量部
【0121】〔ネガ型感光性平版印刷版の作製〕上記に
より得られたアルミニウム板に下記感光液を塗布し,8
0℃で2分間乾燥をしてネガ型感光性平版印刷版を得
た。乾燥後の重量は2.0g/m2 であった。 感光液 前記カーボンブラック分散液 10g 本文中の化合物 II−11 3g 本文中の化合物 IX−2 0.3g メチルメタクリレート/メタクリル酸の70/30 10g モル比共重合体、重量平均分子量3万 FC−430(米国3M社製フッ素系界面活性剤) 0.1g メチルエチルケトン 50g 得られたネガ型感光性平版印刷版を版面出力2Wに調節
したYAGレーザで露光した後、富士写真フィルム
(株)製現像液、DN−3C(1:1)、ガム液FN−
2(1:1)を仕込んだ自動現像機を通して処理したと
ころ、ネガ画像が得られた。この平版印刷版をハイデル
SOR−KZ機で印刷したところ、良好な印刷物が約3
万枚得られた。 比較例1 実施例1の感光液組成中、カーボンブラック分散液のか
わりに油溶性染料(ビクトリアピュアブルーBOH)
0.3gを用いた以外は実施例1と同様にして、ネガ型
感光性平版印刷版を作製した。この感光性平版印刷版
を、実施例1と同様に露光し現像処理したところ、感光
膜がすべて現像液に溶解してしまい画像が得られなかっ
た。 実施例2〜4 実施例1の感光液組成中、化合物(II−11)3gの
かわりに表1の化合物を用いた以外は、実施例1と同様
にサンプルを作成し、同様にYAGレーザで書き込み、
現像処理したところ、ネガ画像が得られた。この印刷版
を用い、実施例1と同様な条件で印刷したところ表1の
枚数、良好な印刷物が得られた。
【0122】
【表1】
【0123】実施例5〜7 実施例1の感光液組成中、化合物(IX−2)、0.3g
のかわりに表2の化合物を用いた以外は、実施例1と同
様にサンプルを作成し、同様にYAGレーザで書き込
み、現像処理したところ、ネガ画像が得られた。この印
刷版を用い、実施例1と同様な条件で印刷したところ表
2の枚数、良好な印刷物が得られた。
【0124】
【表2】
【0125】実施例8 実施例1の感光液組成中、線状高分子を下記の樹脂に変
えた以外は、全く同様にしてネガ型感光性平版印刷版を
得た。
【0126】
【化36】
【0127】得られたネガ型感光性平版印刷版を版面出
力2Wに調節したYAGレーザで露光した後、富士写真
フィルム(株)製現像液、DN−3C(1:1)、ガム
液FN−2(1:1)を仕込んだ自動現像機を通して処
理したところ、ネガ画像が得られた。この平版印刷板を
ハイデルSOR−KZ機で印刷したところ、良好な印刷
物が約5万枚得られた。 実施例9 実施例1で用いたカーボンブラック分散液のかわりに下
記染料を用い、実施例1と同様の操作によりネガ型感光
性平版印刷版を得た。
【0128】 染料 2,6−ジ−t−ブチル−4−{5−(2,6−ジ−t− 0.02g ブチル−4H−チオピラン−4−イリデン)−ペンタ− 1,3−ジエニル}チオピリリウムテトラフルオロボレート (米国特許第4,283,475号明細書記載の化合物) 得られたネガ型感光性平版印刷版を半導体レーザ(波長
825nm、スポット径:1/e2=11.9μ)を用
い、線速度8m/secで版面出力110mWに調節
し、露光した。次に実施例1と同様の現像処理を行った
ところ、線幅10μの細線が形成できた。
【0129】次に、ビーム径を6μ(1/e2)に調整
し同様にして4000dpiの書き込み解像度にて20
0lpiの網点画像露光後、同様の処理を行い網点画像
を形成した。得られた平版印刷版を用いてハイデルベル
グ社製SOR−KZ型印刷機で市販のインキを用いて上
質紙に印刷したところ実施例1と同様に、優れた印刷性
が得られた。 比較例2 実施例9の感光液組成中、染料のかわりに油溶性染料
(ビクトリアピュアブルーBOH)0.2gを用いた以
外は実施例6と同様にして、ネガ型感光性平版印刷板を
作製した。この感光性平版印刷版を、実施例6と同様に
露光し現像処理したところ、感光膜がすべて現像液に溶
解してしまい画像が得られなかった。 実施例10 〔ポジ型感光性平版印刷版の作成〕実施例1で作成した
アルミニウム板に実施例1の感光液を塗布し、120℃
で10分間乾燥をしてポジ型感光性平版印刷版を得た。
乾燥後の重量は2.0g/m2であった。
【0130】得られたポジ型感光性平版印刷版を版面出
力2Wに調節したYAGレーザで露光した後、富士写真
フィルム(株)製現像液、DN−3C(1:1)、ガム
液FN−2(1:1)を仕込んだ自動現像機を通して処
理したところ、ポジ画像が得られた。この平版印刷版を
ハイデルSOR−KZ機で印刷したところ、良好な印刷
物が約5万枚得られた。
【0131】
【発明の効果】本発明は、露光光源の発光波長に依存せ
ずに記録可能な画像記録材料をうることができ、特に近
赤外から赤外(熱線)で記録可能な画像記録材料をうる
ことができる。更に本発明は、近赤外から赤外に発光領
域を持つ固体レーザ・半導体レーザ(熱モード)を用い
て記録することにより、コンピューター等のディジタル
データから直接製版可能であり、さらに従来の処理装置
や印刷装置をそのまま利用できるヒートモード書き込み
型ダイレクト製版用平版印刷版を得ることができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 輻射線を吸収する物質、酸前駆体、分子
    内に下記一般式(I)で示されるエノールエーテル基を
    少なくとも2個有する化合物、およびアルカリ可溶性樹
    脂を含むことを特徴とする画像記録材料。 【化1】 式中、R1、R2及びR3は、それぞれ独立に水素、アル
    キル基又はアリール基を表す。また、それらの内の2つ
    が結合して飽和又はオレフィン性不飽和の環を形成して
    もよい。
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