JPH08220403A - 金属管被覆光ファイバケーブルの製造方法及び製造装置 - Google Patents
金属管被覆光ファイバケーブルの製造方法及び製造装置Info
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Abstract
ないで、光ファイバにクラックが発生するのを避け、光
ファイバの長寿命化を図る。 【構成】光ファイバ5に余長制御のための張力を付加す
ることなく、金属管1dの縮径による長さ調節によって
光ファイバに対する金属管の余長制御を行う金属管被覆
光ファイバケーブルの製造方法及び装置。
Description
バケーブルの製造装置に関する。
m)で約6(kg)であり、かなり大きいが、この張力を
加えたときの伸び率は3〜6%であり、従来のケーブル
の銅やアルミに比べて著しく小さい。このため光ファイ
バケーブルに抗張力体を配して強度を確保する必要があ
る。また、光ファイバは水に浸されると強度が劣化する
ことがある。したがって、光ファイバケーブルを海底や
水底に敷設する場合には、敷設張力や耐水性を確保する
ために、光ファイバを細い金属管で被覆した外被構造の
光ファイバケーブルを使用する必要がある。
金属管で被覆する場合、縦方向に隙間のある金属管に光
ファイバを挿入し、この隙間を半田付により接合する方
法が使用されていた。
の隙間を接合するときの熱が光ファイバに比較的長い時
間加えられ熱損傷が生じる恐れがあった。この光ファイ
バに熱損傷が生じることを防止するため、径を絞ったレ
ーザ光により金属管の突合せ部を溶接し、金属管被覆を
した光ファイバを連続的に製造するための装置及び方法
が、例えば特開昭64−35514号公報に開示されて
いる。
装置では、連続して送られる平らな金属ストリップを頂
部に縦方向の隙間を有する金属管に成形する。この金属
管の隙間を通して金属管内に導入チューブを挿入してお
き、導入チューブにより光ファイバを金属管内に導入す
る。この光ファイバを導入した金属管の隙間を閉じた
後、金属管をレーザ溶接装置に送る。
合せ部をガイドローラで位置決めしながら、突合せ部表
面より外側に離れた位置に焦点を有するレーザ光を照射
して突合せ部を溶接する。このように突合せ部の外側に
焦点はずしをすることにより、光ファイバを熱遮蔽材に
より保護することなしで突合せ部の溶接を実現してい
る。
大きさに絞った後、キャプスタンに巻き回して連続的に
引出している。この金属管を引くときに、導入チューブ
に不活性ガスを流し、ガスの粘性抵抗で光ファイバを運
び、金属管がキャプスタンに係合している間、金属管の
内面外側に光ファイバを吹き付けることにより、金属管
を伸ばしたときに光ファイバの長さが金属管より長くな
るようにして、光ファイバを金属管内でたるませて布設
張力等により光ファイバに歪が生じることを防いでい
る。
に、その穴から水が侵入して、光ファイバを劣化させる
ことを防ぐために、金属管内にゲル状の充填剤を注入し
ている。すなわち、キャプスタンのところで不活性ガス
により光ファイバを金属管の内面外側に吹き付けた後、
光ファイバを導入する導入チューブとは別の充填剤導入
チューブにより充填剤を注入している。
様であり、種々の温度条件のもとで使用される。そし
て、熱膨張係数は光ファイバに比べて外装の金属管の方
が遥かに大きい。このため、高温下で使用する場合に
は、金属管と光ファイバとの伸長度の相違により光ファ
イバに張力が作用して光ファイバに損傷を生じる。同様
な現象は、例えば海底敷設等でケーブルが高張力下に置
かれている場合にも起こる。
光ファイバの収縮度の相違により、収縮量の多い金属管
の内壁に光ファイバが接触し、金属管内壁からの側圧を
直接受けたり、周期の短い不規則な曲がりが加わり、い
わゆるマイクロベンド損が生じて、光ファイバを通る信
号の強度が減衰してしまう。
は、金属管がキャプスタンに係合している間、金属管の
内面外側に光ファイバを吹き付けることにより、金属管
を伸ばしたときに光ファイバの長さが金属管より長くな
るようにしている。
管の長さの差(以下、余長という)はキャプスタンの外
径及び金属管の内径と光ファイバの外径との差とにより
決まってしまい、余長を任意に制御することはできず、
使用条件によっては、やはり光ファイバに伝送損失を生
じる危険性があった。
に係合している間、光ファイバを不活性ガスにより金属
管の内面外側に吹き付けることにより、光ファイバに余
長を与えているため、金属管内に充填剤を注入する場合
には、光ファイバを金属管の内面外側に吹き付けた状態
で充填剤を注入する必要があった。すなわち、先に充填
剤を注入してから不活性ガスを送っても、充填剤が抵抗
になり光ファイバに余長を与えることができなくなるか
らである。したがって、充填剤を注入する場合には、光
ファイバと不活性ガスを送る導入チューブのほかに充填
剤導入チューブが必要になる。このため、2本の導入チ
ューブを金属管内に通さなければならず、金属管の内径
が太くなってしまう。したがって金属管を細く引き抜く
ときの絞り量が多くなり、場合によっては金属管を光フ
ァイバの径に応じて細くすることができなくなるという
短所もあった。
解消すべく特願平1−314295号、特願平2−19
0714号を提案している。この提案によれば、金属ス
トリップの張力と光ファイバの張力とそれぞれ調節して
余長制御することにより、金属管の突合部の溶接時に光
ファイバに損傷を与えず、長時間連続して操業すること
ができるとともに、余長を任意に制御することができる
装置を提案している。しかし、光ファイバは脆性のガラ
スであるため、光ファイバに張力を付加すると、光ファ
イバにクラック発生する原因を作りやすい。すなわち、
光ファイバの寿命が短くなる。
バに余長制御のための張力付与を避け、金属管の長さ調
節によって光ファイバに対する金属管の余長制御を行う
方法を研究し、本発明を完成した。
よって光ファイバに対する金属管の余長制御を行うこと
ができる金属管被覆光ファイバケーブルの製造方法及び
製造装置を提供するものである。
光ファイバケーブルの製造装置は、金属ストリップの両
側端を突合わせて金属管に成形する成形手段と、前記突
合部を溶接して密封する溶接手段と、光ファイバ又は光
ファイバ束を、密封される金属管内に導入する光ファイ
バ導入手段と、溶接手段により密封された金属管を縮径
する手段と、上記金属管を牽引する牽引手段と、前記牽
引手段の後段に配置され、主として前記成形手段及び前
記縮径手段により付与された張力が前記牽引手段により
除去された状態の金属管を縮径して光ファイバの金属管
に対する余長を制御する金属管長さ調節手段とを具備す
る。
ルの製造方法は、金属ストリップの両側端を突合わせて
金属管に成形する成形工程と、前記突合部を溶接して密
封する溶接工程と、光ファイバ又は光ファイバ束を、密
封される金属管内に導入する光ファイバ導入工程と、溶
接工程により密封された金属管を縮径する工程と、上記
金属管を牽引する牽引工程と、前記牽引工程の後工程に
て、主として前記成形工程及び前記縮径工程により付与
された張力が前記牽引手段により除去された状態の金属
管を縮径して光ファイバの金属管に対する余長を制御す
る金属管長さ調節工程とを具備する。
合、少なくとも金属管内の光ファイバ又は光ファイバ束
を溶接から保護する位置まで伸びている二重管構造の導
入チューブを配置し、光ファイバ又は光ファイバ束を、
前記導入チューブの内管内を通って金属管に導入し、充
填剤を前記導入チューブの外管から溶接位置を通って金
属管に充填するようにするのがよい。この場合、不活性
ガスを導入チューブの内管から溶接位置を通って金属管
に充填することも可能である。なお、本発明による余長
制御は、金属管の長さ調節によりおこなうが、光ファイ
バーケーブル張力付与を併用することも可能である。
である。図に示すように、金属管被覆光ファイバケーブ
ルの製造装置は、金属ストリップ1を成形し両側端を突
合せて金属管に形成する第1組立体3と第2組立体4と
からなる組立体2と、第1組立体3と第2組立体4との
間に設けられ、成形された金属管内に光ファイバ5を導
入する光ファイバ導入手段6と、組立体2の後ろ段に設
けられたレーザ溶接手段7を有する。レーザ溶接手段7
の後段には計測部8と絞り手段9が連設されている。こ
の絞り手段9とケーブル巻取機10との間に張力可変手
段11と金属管被覆光ファイバケーブル12の張力調整
手段13とからなる牽引手段を有する。この牽引手段の
後段に金属管を縮径することにより金属管の長さを調節
する金属管長さ調節手段130 を配置している。
3と、組立体2の前段に設けられた金属ストリップ1の
張力調整手段14及び光ファイバ5の張力調整手段15
と、金属管長さ調節手段130 とにより、光ファイバの金
属管に対する相対長さ、すなわち余長を調節する余長制
御手段を構成している。
して一列に並べられた複数、例えば5組の成形ローラ対
31a〜31eからなる。各成形ローラ対31a〜31
eは順次異なる成形面を有し、連続して送られる金属ス
トリップ1を、図2(a)の断面図に示すように、頂部
に縦方向の隙間16を有する略U字型の金属管1aに加
工する。
複数、例えば5組の成形ローラ対41a〜41eからな
る図3(a)〜(c)に示すように、前段の成形ローラ
対41a〜41dの上側ローラには順次幅が小さくなる
フィン17を有する。そしてフィン17に金属管1aの
隙間16を係合させて、隙間16が金属管1aの頂点に
くるように位置決めしながら、隙間16の間隔を小さく
し、最終段の成形ローラ対41eで隙間16を突合わ
せ、図2(b)に示すように突合部18でほぼ完全に閉
じられた金属管1bを形成する。
図を示す。光ファイバ導入手段6は、光ファイバ5を案
内して金属管1bに導入する導入チューブ61を備えて
いる。導入チューブ61は内管61aと外管61bとの
二重構造となっている。内管61aは光ファイバ5を案
内して金属管1bに導入するもので、チューブコネクタ
62を貫通している。内管61aにはコネクタ62内で
不活性ガス供給チューブ63aが連結されている。外管
61bはチューブコネクタ62に装着され、コネクタ6
2には充填剤供給チューブ63bに連結している。した
がって、充填剤供給チューブ63bから外管61b内に
充填剤が、不活性ガス供給チューブ63aから内管61
a内に不活性ガスが供給できるようになっている。導入
チューブを二重管構造にすることにより、光ファイバと
充填剤の導入路を内管と外管とに別けているので、充填
剤に大きな圧力をかけて充填しても光ファイバの装入口
から充填剤が洩れない。このため、充填剤の歩留まりを
向上する。さらに、光ファイバに無用な張力をかける
と、これに起因して光ファイバにクラックが発生する原
因となるが、光ファイバは充填剤の粘性の影響に起因す
る張力付加がないので、この問題を解消することができ
る。すなわち、充填剤は温度変化によって粘性が変化
し、そのためファイバの後方張力が変動して余長が変化
し、その結果、余長率にばらつきが生じるが、この問題
を解消することができる。
ウンドなどと称されるもので、鉱物油などが用いられて
いる。充填剤は、光ファイバを被覆する金属管内に必要
により充填されるもので、止水機能、光ファイバ位置決
め機能を有する。本発明では、これら充填剤を溶接時の
冷却剤としても機能させるものである。
管内に充填して、金属管内から水素ガスをパージするも
のである。また不活性ガスを流すことにより、溶接時の
冷却剤としても機能させるものである。
光ファイバ5を案内するだけでなく、少なくとも溶接位
置まで伸びて、光ファイバが溶接熱の悪影響を受けない
ようにする保護管の働きをする。従って、熱伝導の良い
金属例えば銅又は銅合金からなり、金属管1bの内径よ
り小さな外径に形成されている。この導入チューブ61
は第1組立体3と第2組立体4との間で金属管1の隙間
16から挿入され、その先端はレーザ溶接手段7を通
り、計測部8の渦流探傷機81の手前に位置している。
導入チューブ61の先端を渦流探傷機81の手前まで挿
入するのは、導入チューブ61を渦流探傷機81まで通
すと探傷精度に悪影響を与える恐れがあるから、それを
防ぐためである。
導入チューブ61を通しても探傷結果に悪影響を与えな
い場合、例えば金属管の径が大きく、導入チューブ61
が探傷位置の側とは反対側の金属管内面壁に接触してい
るような場合には、この位置を越える所まで、例えば絞
り手段9の手前まで通しても良い。
7のレーザ光照射位置前及び/又は、後において、上向
きにつけられかつ金属管1bの内壁面と弾性的に接触す
る板ばね機構611(図20参照)が付けられたり、あ
るいはレーザ光照射位置前及び/又は後で金属管1bを
図21に示すように、一定距離だけ上方位置に配置した
り、あるいは、導入チューブ61自体に下側に向かう弾
性力を与えることにより、レーザ光の照射位置とは反対
側の金属管1bの内壁に接触するように配設されてい
る。
壁との弾性的圧接は、例えば図22に示すように、導入
チューブ61自体の弾性により、本来伸直しようとする
性質に抗して、導入チューブ61を状態Iから状態II
に湾曲させ(同図(a))、状態IIで金属管1b内面
壁に接触させ、同図(b))、かつ光ファイバ導入手段
6を適当位置に固定することにより湾曲状態を維持する
ことにより、簡単に実現することができる。この時、必
要に応じて光ファイバ導入手段6にばね機構等による位
置決め機構612 を付加すると良い。
一定距離だけ上方位置に配置する場合には、後述する位
置決め部71を微調整する。一方、レーザ光照射位置後
で金属管1bを1定距離だけ上方に配置する場合には、
後述のサポートロールスタンド82を微調整する。
ように、金属管1bを位置決めする位置決め部71と、
突合わせ部の開口幅を調節する開口幅調節部100 と、レ
ーザ溶接部72とからなる。
ュー73,74と、ガイドシュー73,74間に設けら
れたCCDシームモニタ75及びガイドシュー73,7
4の位置を垂直方向と水平方向に微調整するマイクロメ
ータ76を有する。
断面図に示すように、上側シュー73a(74a)と下
側シュー73b(74b)とからなり、上側シュー73
a(74a)は金属管1bと接触する平面を有し、下側
シュー73b(74b)は金属管1bと係合する例えば
V字状態の溝を有して、上向きにバネで付勢されてい
る。
配置されたスクイズシュー102,104と、下側スクイズシ
ュー104 を金属管方向に押し付けるばね106 とその押し
付け力を調整するマイクロメータ112 を有する。上側、
下側スクイズシュー102,104は、図6(b)の断面図に
示すように、それぞれ金属管1bの内周面に沿う形状
(半円形状)を有している。マイクロメータ112 によっ
てばね106 の押し付け力を調整することにより、間隙1
6の幅が調節される。スクイズシューは、溶接箇所から
15mm以内、とくに3〜15mmの範囲に配置して間
隔16を調節することにより、レーザ溶接性を高めるこ
とができる。
調節部100 が位置決め機能を兼ね備えるようにしてもよ
い。レーザ溶接部72はレーザ照射手段77と、金属管
1bの溶接位置を不活性ガス、例えばアルゴンガスでシ
ールするガスシール手段78とを有する。
ーザ装置に接続され、レーザ光を光学系を通して案内・
集光し、金属管1bの表面に対して約90度の角度で照
射する。この照射されるレーザ光の焦点は金属管1bの
突合部18の下方、すなわち金属管1bの内側に結ぶよ
うに調節されている。
部8は、サポートロールスタンド82と、速度計83及
び渦流探傷機81とを有し、溶接状態等を調べる。絞り
手段9はローラダイスからなり、溶接されて密封された
金属管1cの外径を所定の径に絞り、光ファイバ5の外
径に対応した細い金属管1dにする。
段11は、図7(a),(b)に示すように、例えば一
対のロール11a,11bを有するキャプスタンからな
る。一方のロール11aの表面は平滑に形成され、他方
のロール11bの表面には複数の溝が形成され、金属管
1dが重なることなしに複数回巻き回されている。また
張力調整手段13も一対のロール13a,13bを有す
るダンサロールスタンドからなり、一方のロール13b
の位置を矢印方向に移動してロール13a,13b間の
距離を変えることにより、キャプスタン11の出側にお
ける金属管被覆光ファイバケーブル12の張力を調整す
る。
1の張力と、導入チューブ61の光ファイバ導入口に送
られる光ファイバ5の張力を調整する張力調整手段1
4,15はそれぞれダンサースタンドからなる。このダ
ンサースタンド14,15は金属ストリップ1と光ファ
イバ5に係合するプーリ14a,15aにかかる錘を動
かすことにより張力を可変する。
金属管長さ調節手段130 が配置されている。金属管長さ
調節手段130 は、金属管が貫通するダイス132 と、この
ダイス132 を金属管方向に押付ける押付け手段134 と、
押付け手段134 の押付け力を調節するマイクロメータ等
の押付け力調節手段136 とを備えている。この金属管長
さ調節手段130 は、金属管が巻取機10に巻き取られる
前に、張力調整手段13による張力付与が前記牽引手段
により除去された状態の金属管を縮径して所定長さ延ば
し、そのことにより、光ファイバの金属管に対する相対
長さ、すなわち余長を調節する。金属管長さ調節手段13
0 で金属管を縮径することにより、光ファイバには実質
的な張力をかけることなく、余長を調節するので、光フ
ァイバの損傷を防止し、寿命を長くすることができる。
より金属管被覆光ファイバケーブル12を製造するとき
の動作を製造工程にしたがって説明する。 (1)成形工程 金属ストリップ1をダンサースタンド14で所定張力に
調整しながら、組立体2に連続して供給する。組立体2
の第1組立体3は送られた金属ストリップ1を成形し
て、頂部に長さ方向の隙間16を有する金属管1aにす
る。この金属管1aが第2組立体4に送られ、図3に示
すように、金属管1aの隙間16が第2組立体4の成形
ローラ対41a〜41dのフィン17の幅に合わせて順
次間隔を狭め、最終段の成形ローラ対41eで隙間16
を突合わせ、突合部18で完全に閉じられた金属管1b
を成形する。最終成形ローラ14eを通過後の突合部1
8には、金属管1bのスプリングバックにより、開口す
る。開口18aの幅は、溶接速度、レーザパワー、レー
ザ光の焦点ずらし量とともに、溶接性に大きな影響を及
ぼす。従って、溶接直前にスクイズシュー102,104 を設
けて、溶接時における開口18aの幅を所望の幅に調整
している。開口18aの幅は、押し付け手段(マイクロ
メータ)112 の押し付け力と、スクイズシュー102,104
の溶接位置からの距離により決まる。溶接部の最適開口
幅は、板厚が厚い場合の方が板厚が薄い場合に比べて広
くなる。すなわち、板厚が厚い場合、マイクロメータ11
2 の押し付け力を弱くし、及び/又はスクイズシュー10
2,104 の溶接位置までの距離を遠くする。逆に、板厚が
薄い場合、溶接部の最適開口幅は狭くなる。すなわち、
マイクロメータ112 の押し付け力を強くし、及び/又は
スクイズシュー102,104 の溶接位置までの距離を近くす
る。一般に、スクイズシュー102,104 を設ける位置は、
溶接位置から15mm以内がよい。15mmを越える
と、金属管1bのスプリングバックにより溶接位置で開
口18aの幅が広がり、所望の幅に調整することが困難
となるためである。また、スクイズシュー102,104 を設
ける位置は、溶接位置から3mmまでとする。3mmよ
りも溶接位置に近くなると、レーザ光の熱影響を受ける
ためである。図25は、スクイズシュー102,104 の溶接
位置までの距離を横軸(mm)にとり、溶接速度(m/
min)を縦軸にとり、他の溶接条件を一定とした場合
に溶接性に与える影響を示したものである。この図か
ら、1.4mmφ×0.1tの金属管では、スクイズシ
ュー102,104 の溶接位置までの距離3〜7mmの範囲の
うち5mmで最大の溶接速度15m/minが得られ、
従来の溶接速度(12m/min)よりも大きくできる
ことがわかる。2.4mmφ×0.15tの金属管で
は、スクイズシュー102,104 の溶接位置までの距離4.
5〜10mmの範囲のうち7mmで最大の溶接速度9m
/minが得られ、従来の溶接速度(7m/min)よ
りも大きくできることがわかる。また、3.6mmφ×
0.2tの金属管では、スクイズシュー102,104 の溶接
位置までの距離5〜15mmの範囲のうち10mmで最
大の溶接速度6m/minが得られ、従来の溶接速度
(4m/min)よりも大きくできることがわかる。
ファイバ5は、第1組立体3と第2組立体4との間で金
属管1aの隙間16から挿入されている導入チューブ6
1を通して連続供給される。図4の例ではチューブ63
bから充填剤を外管61bに、チューブ63aからアル
ゴンガス、ヘリウムガス、窒素ガス等の不活性ガスを内
管61aに送る。
ーザ溶接手段7に送られる。このレーザ溶接手段7に送
られた金属管1bは成形ローラ対41a,41bのフィ
ン17により位置決めされているから、突合せ部18を
完全にレーザ照射手段77から照射されるレーザ光の位
置に合わせることができる。
れた金属管1bはガイドシュー73,74の溝に係合し
て案内される。従って金属管1bの横ずれ、回転更には
蛇行を防止することができる。CCDモニタ75により
突合部18の位置変動を観察したところ、ガイドローラ
を用いた場合には、突合部18は、ねじれにより±10
0μmも移動したが、ガイドシューを用いた場合には、
±15μmしか移動しないことが判明した。
1bの突合せ部18の位置を検出し、検出した結果によ
りマイクロメータ76の位置を検出し、検出した結果に
よりマイクロメータ76を自動または手動により操作し
てガイドシュー73,74を移動し、突合せ部18がレ
ーザ光の焦点に対して所定の位置になるように微調整す
る。
に説明する。まず既に述べたように、位置決め部71の
有するガイドシュー73,74は、金属管1bの回転や
蛇行を防止し、フィン付ローラ41a〜41dでレーザ
照射位置に対して正確に位置決めされた突合部18を、
金属管1bを蛇行させることなくレーザ照射位置へと導
く。また、既に述べたように、レーザ光照射位置前で金
属管1bを一定距離だけ上方に配置させることが、位置
決め部71の調節により可能となる。この結果導入チュ
ーブ61の金属管1bの内壁面への強固な弾性的接触が
可能となるので、後述のようにレーザ溶接の悪影響を極
力小さくすることができ、かつ長時間連続製造操業を行
うことができる。
ールスタンド82のサポートロール82a,82b及
び、最終成形ロール41eを両支点とし、位置決め部7
1をバスラインに対して、一定距離以上(ただし、弾性
限界の範囲内に限る)上方又は下方に金属管1bを配置
させ、金属管1bが略3角形の2辺を構成するようにす
る。
ロール41eの間にある金属管1bには、軽度の張力が
付されることになる。このことは、位置決め部71が後
述の金属ストリップの張力調整手段14同様、金属管
(特に1c,1d)の張力を調節する手段として機能す
ることを意味している。これにより、レーザ溶接位置
(図中X印)における金属管1bの振動が抑制される。
CDモニタ(図示せず)を、CCDシームモニタ75と
パスラインを中心として90°傾いた位置に設置し、金
属管1bの上下振動を観察した。その結果、位置決め部
71のガイドシュー73,74を開放した場合には、±
100〜±150μm程、金属管1bが振動したが、ガ
イドシュー73,74により金属管1bを固定した場合
には、±20〜±30μm程振動し、図中(a)又は
(b)のように位置決め部71を調整した時には、±5
μm程の振動になることを確認した。
壁面への弾性接触を考慮した場合には、図中(b)より
も(a)とするように位置決め部71を調整した方が好
ましい。
が可能になるとともに溶接の悪影響を更に減少させ、長
時間操業に資するのである。このようにして突合部18
の位置が調整された金属管1bが開口幅調節部100に送
られ、マイクロメータ112 によりスクイズシュー102,10
4 を押付けるばね106 の押付け力を調節し、もって突合
部18の開口幅(溶接のための開先)が調節される。開
口幅は、他の溶接条件にも依存するが通常0〜150μ
mの範囲内で調節される。
された金属管1bはレーザ溶接管72に送られる。レー
ザ溶接部12は金属管1bの突合せ部18にガスシール
手段78でアルゴンガスを供給しながら、レーザ照射手
段77からレーザ光を照射して突合せ部18を溶接す
る。この溶接部の内面は、導入チューブ61内に流さ
れ、その先端から吹き出して逆流したアルゴンガスによ
りシールされている。
光ファイバ5を案内している導入チューブ61がレーザ
光の照射位置と反対側の金属管1bの内壁に弾性的に接
触するように配設され、突合部18の内面と導入チュー
ブ61との間に空隙が設けられているから、この空隙と
導入チューブ61により熱遮蔽して、光ファイバ5に対
する熱の影響を小さくする。
金属管の突出部とは反対側に配置するに当たり、位置決
め部71を調節して金属管1bをパスラインよりも上方
位置に設置するようにすると、導入チューブ61の上記
配置をより弾性的に実現することができる。
填剤で導入チューブ61及び光ファイバ5を冷却するこ
とにより、光ファイバ5の温度上昇を極力抑える。この
結果、導入チューブ61の寿命を長くして、長い金属管
被覆光ファイバを製造することを可能とする。またレー
ザ熱の影響による光ファイバの品質低下を防ぐ。充填剤
は、この後、金属被覆管内に充填され、金属管被覆光フ
ァイバケーブルの止水及び位置決めの機能を持つ。図4
(b)の場合、さらに、アルゴンガス及びそこから逆流
したアルゴンガスで光ファイバ5を冷却することによ
り、光ファイバ5の温度上昇を極力抑える。アルゴンガ
スは、この後、金属被覆管内に充填され、光ファイバに
悪影響を及ぼす水素ガスを取り除く。
置で突合せ部18に接触しているときに、600℃以上
の温度になった光ファイバ5付近の温度は上記空隙を設
けることにより115〜135℃程度になり、充填剤を
流すことにより100℃程度まで低下させることができ
た。
チューブ61上に堆積するスパッタが溶接に及ぼす悪影
響を時間的に遅らせることができ、長時間安定して溶接
を行うことができる。
ーザ光は、焦点の位置を金属管1bの内側に結ぶように
調節されているから、突合部18に照射するレーザ光の
パワー密度が高くなりすぎることを防ぐことができ、安
定した溶接を行うことができる。
せることにより、一度キャビティが形成されるとキャビ
ティ壁で反射されたレーザ光がキャビティの底部に向か
って集光されるため深いキャビティが形成され、溶融幅
をほぼ一定にするとともに、裏ビード幅を狭くすること
ができる。
焦点はずし量(焦点ぼかし量)を一定範囲にして照射パ
ワー密度をコントロールし、かつ焦点はずし量すなわち
照射パワー密度に応じて溶接速度を決めることにより、
裏ビード幅を小さくしてスパッタの影響を抑えることが
できる。
未溶接部が残らないことにより定まり、裏ビード幅の最
大値bmax は長時間の操業によってもスパッタの影響が
ない限界で定まる。
イドシュー73,74で押さえられているが、レーザ溶
接部72の位置ではスプリングバッグにより、金属管1
bの突合部18には、図8に示すように開口18aが生
じる。この開口18aを生じるスプリングバッグは金属
管1bの剛性、すなわち成形された金属管1bの外径d
に影響される。例えば、縦断性率が18000(kg/
mm2 )のFe基ステンレスからなる金属管1bを完全
に固定した状態で、パワーが400(W)のレーザを開
口18aに照射して溶接を行なったときの外径dmmと裏
ビード幅bμmの関係を調べた結果を、管外径dを横軸
にとり、裏ビード幅bを縦幅にとって図9に示す。図9
において、丸印は未溶接部が発生しない場合、ばつ印は
未溶接部が発生した場合を示す。したがって、直線Aが
未溶接部が発生しない限界を示し、直線Aはb=10d
となる。
ムモニタ75の観察によると、装置の微小振動等により
レーザ光と開口18aとの間に±5μm程度の相対振れ
が生じることが判明した。
±5μmとなり、例えば金属管1bの外径が1mmの場
合、裏ビードの最小幅bmin は20μmになる。なお、
上記裏ビードの最小幅bmin =10d±5は縦弾性率が
18000(kg/mm2 )のFe基ステンレスからな
る金属管1bを使用した場合について説明したが、縦弾
性率が18000(kg/mm2 )以上のFe基ステン
レス、Ni基合金を使用した場合にも裏ビード幅を最小
幅bmin より大きくすることにより、未溶接部が発生し
ない良好な溶接を行うことができる。
影響がない限界は溶融部の形状により定まる。そこでパ
ワーが400(W)のレーザを開口18aに照射して溶
接を行なったときの管肉厚tmmと裏ビード幅bμmの関
係を調べた結果を、管肉厚tを横幅にとり、裏ビード幅
bを縦軸にとって図10に示す。図10において、丸印
はスパッタの影響がなく、長時間例えば10時間連続し
て溶接を行なうことができた場合、ばつ印はスパッタが
発生し、長時間の溶接を行なうことができなかった場合
を示す。なお、上記10時間は実操業のメンテナンスタ
イミングに相当する時間であって、特にスパッタの影響
がない限界の時間を限定するものではない。
てもスパッタの影響がない限界を示し、この直線はb=
1000(t/2)となる。そこで、管肉厚tが0.1
mmの場合には、裏ビード幅の許容最大幅bmin は50μ
mになる。
のレーザ光を使用し、金属管1bの肉厚が0.1mm、外
径が1mmの場合、裏ビードの幅bを20〜50μmに制
御して溶接することにより、長時間操業してもスパッタ
の影響を抑えて溶接不良の無い溶接を連続して行なうこ
とができる。
ためには、金属管1bの寸法に応じて突合せ部18に照
射されるレーザ光の焦点はずし(焦点ぼかし)を行なっ
て照射パワー密度をコントロールする必要がある。
ち焦点はずし量とオーバラップ比により定まる。そこで
金属管1bの寸法を変えて、上記最小値bmin ≧10d
±5μmの条件と、裏ビード幅の最大値bmin ≦100
0(t/2)の条件を満たす場合と、これらの条件を満
たさない場合について調べた結果を、横軸に溶接速度V
(m/min)をとり、縦軸に焦点はずし量Fmmをとっ
て図11、図12及び図13に示す。図11は金属管1
bの外径dが3.5mm、管肉厚tが0.2mmの場合、図
12は金属管1bの外径dが2.0mm、管肉厚tが0.
15mmの場合、図13は金属管1bの外径dが1.0m
m、管肉厚tが0.1mmの場合を示す。各図において、
丸印は上記条件を満たす場合、ばつ印は上記条件を満た
さない場合を示し、その限界は曲線A,Bで表される。
そして、曲線Aが適正裏ビード幅の最小値bmin =10
d±5μmを表わし、曲線Bが適正裏ビード幅最大値b
min =1000(t/2)を表わす。
が3.5mm、管肉厚tが0.2mmの場合には、焦点はず
し量Fの適正範囲はF=0.85mmからF=1.45mm
の範囲が最も許容量が大きい。そこでこの範囲に焦点は
ずし量を設定し、溶接速度Vを4(m/min)と設定
して溶接することにより、裏ビード幅bを40〜400
μmと所定の範囲に抑えながら、スパッタの影響を受け
ずに長時間溶接を行なうことができる。
管肉厚tが0.15mmの場合には、焦点はずし量Fを
0.8から1.3mmの範囲に設定し、溶接速度Vを6
(m/min)に設定して溶接を行ない、金属管1bの
外径d1.0mm、管肉厚tが0.1mmの場合には焦点は
ずし量Fを0.7〜1.1mmとし、溶接速度Vを10
(m/min)に設定して溶接を行なうことにより良好
な溶接を連続して行なうことができる。なお、別記の余
長制御条件や、位置決め部71の設定の仕方(図23
(a),(b))により金属管1bの突合部18の開口
18aの大きさが若干変動するはずである。たとえば図
(a)のようにすると、開口18aの大きさが増加し、
図23(b)のようにすると、その大きさが減少する傾
向を生じる。
うためには、溶接速度、レーザ光の照射パワー密度、焦
点外し量などの溶接条件を設定する必要があるが、設定
した溶接条件により最適な開口(溶接のための開先)1
8aが異なる。このため、開口調節部100 で金属管1b
の突合部18の開口を最適な幅に調節して溶接部に送り
込む。開口幅の調節の仕方はすでに述べたのでここでは
その説明を省略する。
金属管1cは計測部8に送られる。計測部8において、
金属管1cはサポートロールスタンド82で支持されな
がら速度計83で通過速度、すなわち溶接速度Vが計測
され、渦流探傷機81で溶接状態が検査される。
り手段9で、内蔵する光ファイバ5の外径に対応する所
定の径に縮径され、金属管被覆光ファイバケーブル12
になる。この絞り手段9で金属管1cを縮径するとき
に、金属管1cには渦流探傷機81の直前まで導入チュ
ーブ61が1本だけ挿入されているだけであるから、金
属管1cを細くすることができ、簡単に縮径することが
できる。
12は張力可変手段11と張力調整手段13を通り、張
力調整手段で付与された張力が除去された状態で金属管
縮径手段130 を通り、ケーブル管取機10に巻き取られ
る。
を巻き取るときに、密封・縮径された金属管1dと光フ
ァイバ5を係合させておく必要がある。そこで連続運転
に先立って、溶接されて密封された金属管1dを手動に
より張力可変手段11のキャプスタン11a,11bに
所定回数巻き付けてから牽引し、その先端を張力調整手
段13を通してケーブル巻取機10に取付ける。この状
態で光ファイバ5の先端をキャプスタン11aの手前ま
で通し、この位置で金属管1dを潰すことにより、金属
管1dの内側に光ファイバ5を係合させる。その後、キ
ャプスタン11を駆動しながら金属管1dを巻取ること
により、金属管1dと共に光ファイバ5が導入チューブ
61から引き出され、金属管被覆光ファイバケーブル1
2になって巻取られる。
11a,11bに巻き付けて引張ると、金属管被覆光フ
ァイバケーブル12の金属管1dとキャプスタン11
a,11bとの間の摩擦力により張力が働く。この摩擦
力は巻き始めで大きく、その後次第に小さくなるため、
張力も巻き始めで大きく、巻き数に応じて次第に小さく
なる。そして金属管1dの巻き付け部には、この張力に
対応した伸びが生じる。
1mmのステンレス鋼ストリップ1を使用し、外径1.3
mmの金属管1cに加工した後、外径1.0mmの金属管1
dに絞った場合、キャプスタン11aの入側における金
属管1cの張力が約20kgfになるように、張力調整
手段14で金属ストリップ1の張力を調整すると、この
張力により金属管1dには+0.30%の伸びが生じ
る。このとき、例えば外径が250μmの光ファイバ5
の張力を張力調整手段15で調整し、キャプスタン11
aの入側で約25gfの張力が作用するようにすると、
+0.03%の伸びが生じる。
1bにおける巻付回数に対する、金属管1dと光ファイ
バ5の伸びを調べた結果を、横軸にキャプスタン11
a,11bに対する巻付回数をとり、縦軸には金属管1
dの伸び率(%)とって図14に示す。図14におい
て、曲線Eは金属管1dの伸び率の変化特性、曲線Fは
光ファイバ5の伸び率の変化特性を示す。曲線Fで示す
ように、金属管1dをキャプスタン11a,11bに6
回巻き回すと、金属管1dが張力調整手段13に送られ
るときの伸びは最終的に非常に小さくなる。また、曲線
Fで示すように、光ファイバ5は1回半巻き回した状態
で伸びは殆ど零になってしまう。
の伸びが零になったときに、金属管1dには+0.19
%の伸びがある。そして、金属管1dがキャプスタン1
1a,11bに6回巻き付いた直後には、金属管1dの
張力が殆ど零になるので、金属管1dの伸びもほぼ零に
なる。すなわち、6回巻き付いた後には1回半巻き付け
たときより金属管1dは0.19%縮むことになる。一
方、光ファイバ5の張力は巻付回数が1回半の後にほと
んど零であるから、その後の伸びに変化がなく長さも変
わらない。このため、6回巻き付けたときには、光ファ
イバ5が金属管1dより0.19%長くなる。
付ける金属管1dと、金属管1dの内壁に係合する光フ
ァイバ5との間には巻付径に差がある。このため、例え
ばキャプスタン11a,11bの径が約500mmのと
きには、光ファイバ5が金属管1dに対して+0.09
%相当の伸び量を有する。この伸び量0.09%が、上
記の0.19%と相殺され、結果として光ファイバ5は
金属管1dより0.10%長くなる。
入側における張力は上記図14の場合と同じ状態とし、
張力調整手段15で光ファイバ5の張力を変えてキャプ
スタン11aの入側における張力を高めた場合の、光フ
ァイバ5の伸びの変化特性の一例を図15の曲線F1に
示す。この場合、光ファイバ5、キャプスタン11a,
11bに3回半巻き付けたときに、張力がほぼ零になっ
ている。一方、金属管1dの伸びは3回半巻き付けたと
きに0.09%である。この金属管1dの伸び0.09
%と、巻き付径差による光ファイバ5の伸び0.09%
を相殺すると、金属管1dと光ファイバ5の伸びは同じ
になり、両者の長さの差、すなわち余長は0%になる。
ャプスタン11aの入側における張力を変えずに、張力
調整手段14で金属ストリップ1の張力を加えて、金属
管1dのキャプスタン11aの入側における張力を高め
た場合の、金属管1dの伸びの変化特性を図16の曲線
E1に示す。
入側における張力は図14の場合と全く同じにして、張
力調整手段13でキャプスタン11a,11bの出側の
金属管1dの張力を高めたときの、金属管1dの伸びの
変化特性を、図16の曲線E2に示す。そして金属管1
dのキャプスタン11a,11b入側と出側の張力を高
めた場合を図16の曲線E3に示す。
a,11b入側と出側の張力のいずれか一方、あるいは
双方を所定の値も高めることにより、光ファイバ5の長
さを金属管1dの長さより所望量だけ長くすることがで
きる。例えば、曲線E3に示した場合には金属管1dを
キャプスタン11a,11bに1回半巻き付けたとき
に、金属管1dの伸びは+0.26%となり、光ファイ
バ5の巻付径による伸びの0.09%を相殺しても、キ
ャプスタン出側で光ファイバ5は金属管1dより0.1
7%長くすることができる。
のキャプスタン入側における張力をさらに高くして、光
ファイバ5の伸びの変化特性を図17の曲線F2に示す
ようにすると、光ファイバ5の長さを金属管1dの長さ
より短くすることができる。この場合には、光ファイバ
5の伸びが5回巻き回したときに零になり、このときの
金属管1dの伸びは+0.04%となる。この伸び+
0.04%が光ファイバ5の巻付差分0.09%で相殺
され、結果として光ファイバ5を金属管1dより0.0
5%短くすることができる。
ケーブル12を巻き付けたキャプスタン11a,11b
と、金属ストリップ1の張力調整手段14と、光ファイ
バ5の張力調整手段15と、場合によっては更にキャプ
スタン11a,11bの出側の張力調整手段13とを総
合的に調整することにより、金属管1dに対する光ファ
イバ5の長さを任意に調整することができる。なお、位
置決め部71を調整することにより、金属ストリップ1
の張力調整手段14と同様に、金属管1c,1dの張力
を調整すると、余長制御を更に高精度に調整できる。こ
の場合の位置決め部71の余長制御上の機能は金属スト
リップ1の張力調整手段14による余長制御機能と同一
であり、あえて言及しない。
さ0.1mm、光ファイバ5が外径250μmのときの余
長制御について説明したが、金属管1dの外径と厚さ及
び光ファイバ5の外径を変えて余長が0%になるときの
キャプスタン11入側における金属管1dの伸び(%)
と光ファイバの伸び(%)を表1に示す。
イバ5を使用しても所定の余長率で余長制御を行なうこ
とができる。
ため、光ファイバに張力を付加してその長さを延ばすこ
とは、光ファイバに生じた残留応力(歪み)から微小ク
ラックが生じ、これに起因して、光ファイバが損傷し、
寿命が短くなる恐れがある。したがって、過酷な条件下
で使用するため、製造仕様に厳密性が要求される用途、
例えば海底ケーブルに用いるような場合、光ファイバに
可能なかぎり張力を付加しないで製造する必要がある。
この場合、表1のようにファイバ伸びを生じるような余
長制御は好ましくない。そこで、この様な場合、張力の
付加が除かれた金属管1dを図1,図24に示す金属管
長さ調節手段130 により縮径して、その長さを調節し、
光ファイバには実質的な張力を付加しないようにして余
長制御を行なう。このことにより、光ファイバを延ばす
ことなく、光ファイバの金属管に対する相対長さ、すな
わち余長を調節する。このため、光ファイバの損傷を防
止し、寿命を長くすることができる。
に充填しなければならない場合、充填剤とともに導入さ
れる光ファイバは、この充填剤の粘性抵抗変化のばらつ
きにより張力を受ける。しかし、実施例のように二重管
構造として、導入チューブ61の内管61aから光ファ
イバを導き、外管61bから充填剤を導くようにすれ
ば、光ファイバは、この充填剤の粘性抵抗による張力を
受けることがない。従って、金属管長さ調節手段130 と
二重管構造の導入チューブ61との組み合わせにより、
光ファイバの損傷を確実に防止できる。
(余長制御)する例を表2に示す。この表から、製品仕
様に応じて任意の余長調整ができることがわかる。 表 2 素管(mm) 製品(mm) 余長調整 余長調整あり 余長調整量 外径/厚さ 外径/厚さ なし% 製品仕様% % 3.6 /0.2 2.8 /0.2 +0.2 0 -0.2 2.4 /0.15 1.7 /0.15 +0.3 -0.1 -0.4 1.4 /0.1 0.9 /0.1 +0.4 +0.15 -0.25 なお、上記実施例では、スクイズシューを2分割した
が、3分割以上でも良い。また、分割したスクイズシュ
ーを上下に配置したが、本発明はこれにかぎらず、例え
ば左右に配置してもよい。また、スクイズシューの内周
面に、摩擦係数の少ない層を形成してもよい。
導入手段6を組立体2の第1組立体3と第2組立体4の
間に設けた場合について説明したが、光ファイバ導入手
段6を、図18に示すように、第1組立体3の前段に設
け、導入チューブ61を初段の成形ローラ対31aの前
から挿入しても良い。
直接張力可変手段11のキャプスタン11a,11bと
張力調整手段13からなる牽引手段を設け、金属管被覆
光ファイバケーブル12を牽引しながら、キャプスタン
11a,11bの入側と出側の金属管1dの張力とキャ
プスタン入側の光ファイバ5の張力を、キャプスタン1
1a,11bと張力調整手段14,15,13で調節し
て余長を制御する場合について説明したが、牽引手段
に、図19に示すように、キャプスタン11a,11b
の前段に金属管1dを引張る手段19を設け、キャプス
タン入側の金属管1dの張力を任意に可変できるように
しても良い。
型のキャプスタンを使用し、金属管1dを挟持した状態
で引っ張ることにより、金属管1dを成形スケジュール
で必要とする張力で引っ張ることができる。そして、無
限軌道型のキャプスタンの送り速度を調整することによ
り、キャプスタン11aに送られる金属管1dの張力を
任意に制御することができる。
しなくても、金属管縮径手段により金属管の長さを調節
(余長制御)することができる。なお、光ファイバ5を
製造した後、さらに後工程で2次加工する場合に、目的
とした余長値とずれてくるおそれがあり、この場合には
余長制御の必要性が生じる。このようなときに、あらか
じめ余長値のずれを考慮して上記余長制御を行なうこと
により、2次加工後に適性な余長を有する光ファイバを
得ることができる。
金属管内に導入する場合について説明したが、複数本の
光ファイバからなる光ファイバ束も同様にして導入する
ことができる。さらに、溶接手段は、レーザ溶接に限ら
ず、他の溶接手段、例えばTIG溶接、プラズマ溶接な
どでもよいことはもちろんである。
さ調節によって光ファイバに対する金属管の余長制御を
行うため、光ファイバに余長制御のための張力を付加す
る必要がなくなる。このため、光ファイバに過大な張力
が付加されず、クラックの発生原因を避けて、光ファイ
バの長寿命化を図ることができる。
を示す断面図。
成形ローラ対を示す側面図。
シューを示す断面図。
手段を示し、(a)は上面図、(b)は正面図。
図。
図。
図。
成図。
図、(b)は導入チューブの位置決め機構を示す説明
図。
明図。
での距離と溶接速度との関係を示す図。
ほぼ完全に閉じられた金属管、1c…溶接されて密封さ
れた金属管、1d…光ファイバの外径に対応した細い金
属管、2…組立体、3…第1組立体、4…第2組立体、
5…光ファイバ、6…光ファイバ導入手段、7…レーザ
溶接手段、8…計測部、9…絞り手段、10…ケーブル
巻取機、11…張力可変手段、12…金属管被覆光ファ
イバケーブル、13…張力調整手段、14…張力調整手
段、15…張力調整手段、16…間隙、17…フィン、
18…突合部、18a…開口、31a〜31e…成形ロ
ーラ対、41a〜41e…成形ローラ対、61…導入チ
ューブ、61a…内管、61b…外管、62…チューブ
コネクタ、63…不活性ガス供給チューブコネクタ、7
1…位置決め部、72…レーザ溶接部、81…渦流探傷
機、82…サポートロールスタンド、 100…開口幅調節
部、 102, 104…スクイズシュー、106 …ばね、 112…
マイクロメータ、 130…金属管長さ調節手段、 132…ダ
イス、 134…押付け手段、 136…押付け力調節手段、61
1 …板ばね機構、 612…位置決め機構。
Claims (6)
- 【請求項1】 金属ストリップの両側端を突合わせて金
属管に成形する成形手段と、前記突合部を溶接して密封
する溶接手段と、光ファイバ又は光ファイバ束を、密封
される金属管内に導入する光ファイバ導入手段と、溶接
手段により密封された金属管を縮径する手段と、前記金
属管を牽引する牽引手段と、前記牽引手段の後段に配置
され、主として前記成形手段及び前記縮径手段により付
与された張力が前記牽引手段により除去された状態の金
属管を縮径して光ファイバの金属管に対する余長を制御
する金属管長さ調節手段とを具備する金属管被覆光ファ
イバケーブルの製造装置。 - 【請求項2】 金属ストリップの両側端を突合わせて金
属管に成形する成形手段と、前記突合部を溶接して密封
する溶接手段と、金属管内に設けられ、少なくとも光フ
ァイバ又は光ファイバ束を溶接から保護する位置まで伸
びている二重管構造の導入チューブと、光ファイバ又は
光ファイバ束を、前記導入チューブの内管内を通って密
封される金属管内に導入する光ファイバ導入手段と、充
填剤を前記導入チューブの外管から溶接位置を通って金
属管に充填する充填剤装入手段と、溶接手段により密封
された金属管を縮径する手段と、前記金属管を牽引する
牽引手段と、前記牽引手段の後段に配置され、主として
前記成形手段及び前記縮径手段により付与された張力が
前記牽引手段により除去された状態の金属管を縮径して
光ファイバの金属管に対する余長を制御する金属管長さ
調節手段とを具備する金属管被覆光ファイバケーブルの
製造装置。 - 【請求項3】 金属ストリップの両側端を突合わせて金
属管に成形する成形手段と、前記突合部を溶接して密封
する溶接手段と、金属管内に設けられ、少なくとも光フ
ァイバ又は光ファイバ束を溶接から保護する位置まで伸
びている二重管構造の導入チューブと、光ファイバ又は
光ファイバ束を、前記導入チューブの内管内を通って密
封される金属管内に導入する光ファイバ導入手段と、充
填剤を前記導入チューブの外管から溶接位置を通って金
属管に充填する充填剤装入手段と、不活性ガスを導入チ
ューブの内管から溶接位置を通って金属管に充填する不
活性ガス充填手段と、溶接手段により密封された金属管
を縮径する手段と、前記金属管を牽引する牽引手段と、
前記牽引手段の後段に配置され、主として前記成形手段
及び前記縮径手段により付与された張力が前記牽引手段
により除去された状態の金属管を縮径して光ファイバの
金属管に対する余長を制御する金属管長さ調節手段とを
具備する金属管被覆光ファイバケーブルの製造装置。 - 【請求項4】 金属ストリップの両側端を突合わせて金
属管に成形する成形工程と、前記突合部を溶接して密封
する溶接工程と、光ファイバ又は光ファイバ束を密封さ
れる金属管内に導入する光ファイバ導入工程と、溶接工
程により密封された金属管を縮径する工程と、前記金属
管を牽引する牽引工程と、前記牽引工程の後工程にて、
主として前記成形工程及び前記縮径工程により付与され
た張力が前記牽引手段により除去された状態の金属管を
縮径して光ファイバの金属管に対する余長を制御する金
属管長さ調節工程とを具備する金属管被覆光ファイバケ
ーブルの製造方法。 - 【請求項5】 金属ストリップの両側端を突合わせて金
属管に成形する成形工程と、前記突合部を溶接して密封
する溶接工程と、金属管内に設けられ、少なくとも光フ
ァイバ又は光ファイバ束を溶接から保護する位置まで伸
びている二重管構造の導入チューブと、光ファイバ又は
光ファイバ束を、前記導入チューブの内管内を通って密
封される金属管内に導入する光ファイバ導入工程と、充
填剤を前記導入チューブの外管から溶接位置を通って金
属管に充填する充填剤装入工程と、溶接工程により密封
された金属管を縮径する工程と、前記金属管を牽引する
牽引工程と、前記牽引工程の後工程にて、主として前記
成形工程及び前記縮径工程により付与された張力が前記
牽引手段により除去された状態の金属管を縮径して光フ
ァイバの金属管に対する余長を制御する金属管長さ調節
工程とを具備する金属管被覆光ファイバケーブルの製造
方法。 - 【請求項6】 金属ストリップの両側端を突合わせて金
属管に成形する成形工程と、前記突合部を溶接して密封
する溶接工程と、金属管内に設けられ、少なくとも光フ
ァイバ又は光ファイバ束を溶接から保護する位置まで伸
びている二重管構造の導入チューブと、光ファイバ又は
光ファイバ束を、前記導入チューブの内管内を通って密
封される金属管内に導入する光ファイバ導入工程と、充
填剤を前記導入チューブの外管から溶接位置を通って金
属管に充填する充填剤装入工程と、不活性ガスを導入チ
ューブの内管から溶接位置を通って金属管に充填する不
活性ガス充填工程と、溶接工程により密封された金属管
を縮径する工程と、前記金属管を牽引する牽引工程と、
前記牽引工程の後工程にて、主として前記成形工程及び
前記縮径工程により付与された張力が前記牽引手段によ
り除去された状態の金属管を縮径して光ファイバの金属
管に対する余長を制御する金属管長さ調節工程とを具備
する金属管被覆光ファイバケーブルの製造方法。
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