JPH0821998A - 液晶表示装置 - Google Patents

液晶表示装置

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JPH0821998A
JPH0821998A JP6179416A JP17941694A JPH0821998A JP H0821998 A JPH0821998 A JP H0821998A JP 6179416 A JP6179416 A JP 6179416A JP 17941694 A JP17941694 A JP 17941694A JP H0821998 A JPH0821998 A JP H0821998A
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JP
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crystal panel
phase
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optical system
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JP6179416A
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Jun Iba
潤 伊庭
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 表示画像のコントラストおよび視野角特性を
向上させることのできる液晶表示装置を提供する。 【構成】 液晶パネル1の各色のカラーフィルタ16
R、16G、16Bに対応させて、そのパネル面内で不
均一な位相分布を有する位相差板11R、11G、11
Bを設けることにより、液晶層13から出射した光を位
相補償して液晶の複屈折性による位相変調を補正すると
ともに、各色のカラーフィルタ16R、16G、16B
の出射光に対応させて最適な位相補償を行う。この構成
によれば、表示画像のコントラストおよび視野角特性が
飛躍的に向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液晶表示装置に係り、
詳しくは、液晶表示装置の表示画像のコントラストと視
野角特性との改善、および光学系の小型化とに関する。
【0002】
【従来の技術】本発明の背景を明らかにするために、図
を参照して液晶表示装置の基本的な動作を簡潔に説明す
る。
【0003】図16は、液晶表示装置に備えられた、マ
トリクス状に配列された複数の画素を有する液晶パネル
の1画素分を切り取って模式的に示した模式図で、図1
6(a)は電圧無印加状態、図16(b)は電圧印加状
態を表している。
【0004】この例は、TN(Twisted Nematic、ツイス
トネマティック)モードによる表示方式であり、上下一
対のガラス板101、102によって挟持された液晶1
03は、電圧無印加状態で90度の捻じれ配向となって
いる。この状態で入射側の偏光板104を通過した光の
偏光面105は液晶分子103の軸方向に入射し、液晶
103の捩じれ配列に沿って旋光する。その結果、入射
光は偏光面が90度回転した状態で出射する。出射側の
偏光板106の偏光軸は、入射側の偏光板104の偏光
軸に対して直交した状態に設定されているため、光が透
過し、白表示が可能となる。この偏光板と液晶配列の構
成は、ノーマリーホワイトと呼ばれる表示形態である。
【0005】一方、図16(b)に示すように、十分な
電圧を印加した場合には、液晶103の配列が変化して
電界と平行に配列するので、上述した旋光作用が失われ
る。従って、入射光の偏光面105は回転を受けずにそ
のまま通過するため、出射側の偏光板106によって遮
断され、黒表示が可能となる。
【0006】理想的には、電圧無印加状態では、入射し
た直線偏光が90度旋光し、電圧印加状態では入射した
偏光が直線偏光のまま透過することが望ましいが、TN
モードは、複屈折性を利用した液晶配列の捩じれによる
旋光効果であり、実際には複屈折による位相変調が生じ
て出射光は楕円偏光となる。特に、配向処理によって界
面で生じたプレチルト角の影響により、プレチルトが無
い場合に比べて出射光の楕円率はより増大する。
【0007】また、画素平面に対して斜めに入射する光
についても同様に、液晶セル内の配列の異方性により入
射光が受ける旋光性、位相変調の影響により、出射光の
偏光は楕円偏光となる。
【0008】即ち、これらの位相変調によって、表示性
能が低下し、コントラストが劣化するとともに、コント
ラストの視野角依存性が生じる。そこで従来より、この
問題を解決するための方法が提案されている。
【0009】第1の従来例として、図17の模式図に示
すような“位相補償”という方法が提案されている。こ
の図17は白表示の例である。この方法は、液晶セル1
11と検光子113との間に、1軸性あるいは2軸性の
複屈折性を持つ位相差板112を挿入して、上述の位相
変調を補償し、コントラスト、視野角特性を向上させる
という方法である。
【0010】図17において、左方からの入射光は偏光
子110により直線偏光となるが、液晶セル111を通
過することで、その旋光作用と複屈折性とにより、特定
の方向を向いた楕円偏光となる。そして、その楕円偏光
に対して適当なリタデーションδ=Δnd(Δnは進相
軸と遅相軸の屈折率差、dは媒質の厚さ)を与える位相
差板112を挿入することにより、楕円偏光を、検光子
113と方向が一致した直線偏光に変換し、効率の良い
表示を可能とする。
【0011】また、第2の従来例として、図18に示す
ような、ビューファインダ等に用いられている、リレー
光学系および接眼光学系を有する液晶表示装置がある。
図18において、121は液晶パネル、122はフィー
ルドレンズ、123はリレー光学系、125は上記リレ
ー光学系123の結像面である中間結像面、126は上
記中間結像面125上の画像を観察者の瞳に導光するた
めの接眼光学系、127はアイポイントである。
【0012】この構成では、液晶パネル121に表示さ
れた画像は、フィードレンズ122とリレー光学系12
3とを通して中間結像面125に結像する。フィールド
レンズ122は、表示面側にテレセントリックな系とな
るように配置されており、主光線(図18中の軸A、軸
B)がパネル面に対してほぼ垂直なその液晶パネル12
1の面全体からの出射光束を、リレー光学系123に導
光する。そして中間結像面125上に結像した空中像
は、接眼光学系126を介して観察者の網膜に結像す
る。従って観察者は、中間結像面125上の空中像を、
前方に虚像として観察することになる。
【0013】この第2の従来例のように、従来の液晶表
示装置では、光学系は液晶の視野角の問題から、液晶パ
ネル面の中央部と周辺部とで表示コントラストが異な
り、表示にムラのある画像となってしまうので、テレセ
ントリックな光学系とすることが不可欠である。
【0014】さらに、第3の従来例として、従来の液晶
表示装置を用いた液晶プロジェクタでは、テレセントリ
ックな照明を行うことが不可欠であるため、通常、液晶
とバックライトとの間にフィールドレンズが置かれ、そ
のフィールドレンズとしては、光学系の軽量化と光路長
短縮化とのためにフレネルレンズが用いられている。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記第
1の従来例では、位相差板112が、液晶セル111の
全面にわたって同一のリタデーションδ=Δndを持っ
ているため、カラー表示の液晶表示装置においては、位
相補償が不十分であるという問題があった。
【0016】即ち、図19の特性図に示すように、補償
すべき液晶と位相差板との屈折率の波長分散特性が異な
っているために、使用する全波長帯域におけるΔndが
一致せず、よってカラー表示の液晶表示装置において
は、単一の位相差板による位相補償は、特定の波長(図
19中の交点)でのみ最適で、使用するほとんどの波長
域では不適切な補償となってしまう。
【0017】また、上記第2の従来例では、フィールド
レンズ122が不可欠なために光学系の光路長が長くな
り、装置の小型軽量化の障害となるという問題があっ
た。
【0018】さらに、上記第3の従来例のように、光学
系の小型軽量化のためにフレネルレンズを使用すると、
良好な光学性能が得られないという問題があった。
【0019】本発明は、上記各問題点を解決するために
なされたもので、表示画像のコントラストおよび視野角
特性を向上させるとともに、光学系を小型化することの
できる液晶表示装置を提供することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明に係る液晶表示装
置は、液晶パネル(1、2、31、51)が、その液晶
パネル面内で不均一な位相分布を有する位相部材(1
1、19、25、26、27、40、55)を備えたこ
とを特徴とするものである。以下に、本発明に係る液晶
表示装置の好ましい態様について列挙する。
【0021】1.上記液晶パネル(1、2、31、5
1)は、その両面にそれぞれ偏光板(10、15)を備
え、その両面の偏光板の少なくとも一方の偏光板の内側
に、上記位相部材(11、19、25、26、27、4
0、55)が配置された。
【0022】2.上記液晶パネル(1、2)は、色の異
なる複数のカラーフィルタ(16R、16G、16B)
を備え、上記位相部材(11、19、25、26、2
7)が上記各カラーフィルタに対応した位相分布を有す
る。
【0023】3.上記液晶パネル(31、51)の位相
部材(40、55)が、その中央部付近から周辺部に向
かって変化する位相分布を有する。
【0024】4.上記液晶パネル(51)上の画像を投
写パネル(53)上に結像させる投写光学系(52)を
備えるとともに、上記液晶パネル(51)の位相部材
(55)が、その液晶パネル(51)から上記投写光学
系(52)に導光される出射光束の主光線と、上記液晶
パネルの法線とのなす角度(θ)に応じて、不均一な位
相分布を有する。
【0025】5.上記液晶パネル(31)上の画像を空
中像として結像させるリレー光学系(33)と、そのリ
レー光学系(33)による空中像の虚像を作る接眼光学
系(36)とを備えるとともに、上記液晶パネル(3
1)の位相部材(40)が、その液晶パネル(31)か
ら上記リレー光学系(33)に導光される出射光束の主
光線と、上記液晶パネル(31)の法線とのなす角度
(θ)に応じて、不均一な位相分布を有する。
【0026】6.上記液晶パネル(31、51)の位相
部材(40、55)が、均一な位相分布を有する光学部
材(44〜48)を異なる面積で複数積層することによ
って、不均一な位相分布を有するように構成された。
【0027】
【作用】上記本発明に係る液晶表示装置によれば、不均
一な位相分布を有する位相部材(11、19、25、2
6、27、40、55)が、液晶パネル(1、2、3
1、51)の面内各部で最適な位相補償を与える。
【0028】また、上記態様1によれば、偏光板(1
0、15)がコントラストを向上させるとともに、位相
部材(11、19、25、26、27、40、55)が
液晶パネル(1、2、31、51)の面内各部で最適な
位相補償を与える。
【0029】上記態様2によれば、位相部材(11、1
9、25、26、27)が、各カラーフィルタ(16
R、16G、16B)に対応して最適な位相補償を与え
る。
【0030】上記態様3によれば、中央部付近から周辺
部に向かって変化する位相分布を有する位相部材(4
0、55)が、液晶パネル(31、51)の面内各部で
最適な位相補償を与える。
【0031】上記態様4によれば、投写光学系(52)
が、液晶パネル(51)上の画像を投写パネル(53)
上に結像させるとともに、液晶パネル(51)の位相部
材(55)が、その液晶パネル(51)の面内各部で最
適な位相補償を与える。
【0032】上記態様5によれば、リレー光学系(3
3)と接眼光学系(36)とが、液晶パネル(31)上
の画像を、虚像として観察者に視認させるとともに、液
晶パネル(31)の位相部材(40)が、その液晶パネ
ル(31)の面内各部で最適な位相補償を与える。
【0033】上記態様6によれば、均一な位相分布を有
する光学部材(44〜48)を異なる面積で複数積層す
ることによって、不均一な位相分布を有するように構成
した液晶パネル(31、51)の位相部材(40、5
5)が、その液晶パネル(31、51)の面内各部で最
適な位相補償を与える。
【0034】なお、上記括弧内の符号は、図面と対照す
るためのものであり、何等本発明の構成を限定するもの
ではない。
【0035】
【実施例】以下、図面に基づいて本発明の実施例を説明
する。 〈実施例1〉図1は、本発明の第1実施例における液晶
表示装置の模式的な断面図である。
【0036】図のように、この液晶表示装置は、マトリ
クス状に配列された複数の画素を有する液晶パネル1か
ら成るもので、その液晶パネル1は、入射側の偏光板1
0と、後述の各色のカラーフィルタに対応した赤色用位
相差板11R、緑色用位相差板11G、青色用位相差板
11Bと、液晶層13と、その液晶層13を保持する2
枚のガラス基板12、14と、それぞれ赤色、緑色、青
色光を透過するカラーフィルタ16R、16G、16B
と、出射側の偏光板15と、透明電極から成る画素電極
17と、画素を駆動するための駆動電極18と、から構
成されている。なお、配向膜、対向電極等は本発明の説
明には、不要であるので省略する。
【0037】上記入射側の偏光板10の内側に配置され
た各色の位相差板11R、11G、11Bは、後述のよ
うに、この液晶パネル1の面内で不均一な位相分布を有
する位相部材として設けられたものである。また、上記
液晶層13に用いられる配向モードは、代表的にはツイ
スト配向によるものであるが、この配向モードに限られ
るものではなく、スーパーツイスト配向やその他のモー
ドでも差し支えない。また、本発明の実施例では、アク
ティブマトリクス型の液晶表示パネルを示しているが、
単純マトリクス型あるいはその他の表示方式の液晶パネ
ルでも本発明の適用が可能であることはいうまでもな
い。
【0038】次に、上記構成の液晶表示装置の動作につ
いて説明する。
【0039】バックライト等の光源(図示せず)から液
晶パネル1に入射した入射光は、偏光板10により直線
偏光に変換され、ガラス基板12を透過して、赤色透過
フィルタ16R、緑色透過フィルタ16G、青色透過フ
ィルタ16Bによりそれぞれの画素で赤色、緑色、青色
に対応した光が液晶層13に入射する。各色に分けられ
た偏光は、液晶層13内の液晶分子配列による複屈折性
により、所定の偏光状態に変換される。
【0040】液晶層13を透過した各色の光は、その偏
光状態に応じて、赤色透過光は赤色用位相差板11Rに
より、緑色透過光は緑色用位相差板11Gにより、青色
透過光は青色用位相差板11Bにより、それぞれ所定の
位相補償を受ける。そして、出射側の偏光板15によっ
て出射光の偏光が直線偏光に変化され、画素に対応した
光が出射して画像が形成される。
【0041】通常、液晶表示装置に用いられる赤色透過
フィルタ16R、緑色透過フィルタ16G、青色透過フ
ィルタ16Bは、中心波長がそれぞれ約650nm、5
50nm、450nm付近に存在しているので、それぞ
れの赤色用位相差板11R、緑色用位相差板11G、青
色用位相差板11Bは、各色のカラーフィルタ16R、
16G、16Bの中心波長に最適な位相補償を行う。
【0042】このように本実施例では、液晶層13から
出射した光を位相補償することによって、液晶の複屈折
性による位相変調を補正し、しかも各色のカラーフィル
タ16R、16G、16Bの出射光に対応させて位相補
償を行っているので、各色のフィルタ透過光の中心波長
に最適な位相補償が可能となり、表示画像のコントラス
ト、視野角特性が飛躍的に向上する。
【0043】また、図2の断面図に示すように、入射側
の偏光を補償するという方法でもよい。この場合、液晶
パネル1の各色のカラーフィルタ16R、16G、16
Bに対応した赤色用位相差板19R、緑色用位相差板1
9G、青色用位相差板19Bは、入射側の偏光板10と
ガラス基板12との間に配置されている。この構成にお
ける動作については、上記図1の構成の場合と同様であ
り、よって説明を省略する。
【0044】なお、位相補償における補正手段として
は、上記実施例で述べたような、カラーフィルタの分光
感度特性に合わせた補正手段の他に、バックライト等の
光源のスペクトル分布に合わせて中心波長を決定した補
正手段であってもよい。 〈実施例2〉本発明の第2の実施例として、位相補償に
用いる位相差板を複数枚配置した例を示す。
【0045】図3は、この第2実施例における液晶表示
装置の模式的な断面図である。また図4は、この第2実
施例における液晶表示装置の他の構成例を示す断面図で
ある。
【0046】図3のように、液晶パネル2の入射側の画
素ごとに赤色、緑色、青色の各色用の位相差板25R、
25G、25Bを配置するとともに、出射側にも画素ご
とに各色用の位相差板26R、26G、26Bを配置し
たものでもよいし、あるいは図4のように、液晶パネル
2の入射側の画素ごとに各色用の位相差板27R、27
G、27Bを配置し、出射側には共通の位相差板28を
配置してもよい。
【0047】また、上記図4の構成とは逆に、入射側に
共通の位相差板を配置し、出射側の画素ごとに各色用の
位相差板を配置してもよい。さらに、入射側あるいは出
射側の画素ごとに各色用の位相差板を1枚挿入するとと
もに、画素ごとの、あるいは共通の位相差板をもう1枚
挿入するという形態でもよい。
【0048】このように、複数枚の位相差板を用いるこ
とにより、設計の自由度が広がり、より最適な位相補償
が可能となる。 〈実施例3〉図5は、本実施例の第3実施例における液
晶表示装置の光学系を示す図である。
【0049】図5において、31は液晶パネル、33は
リレー光学系、35は、そのリレー光学系33の結像面
である中間結像面、36は、その中間結像面35上の画
像を観察者の瞳に導光するための接眼光学系、37はア
イポイントである。
【0050】この光学系において、液晶パネル31に表
示された画像は、リレー光学系33により中間結像面3
5に結像する。その場合、液晶パネル31からの出射光
束の中心線である主光線(図5中の軸A、軸B)は、パ
ネル面の法線に対し、光軸側へほぼθの角度をなしてリ
レー光学系33に導光される。そして中間結像面35上
の空中像は、接眼光学系36を介して観察者の網膜に結
像する。従って観察者は、中間結像面35上の空中像
を、前方の虚像として観察することになる。また、リレ
ー光学系33および接眼光学系36の特性を適宜に設定
することにより、観察者は、液晶パネル31上の画像
を、任意の大きさに視認することが可能である。
【0051】この第3実施例における液晶パネル31
は、図6の断面図に示すように、入射側の偏光板10
と、液晶層13と、その液晶層13を保持する2枚のガ
ラス基板12、14と、出射側の偏光板15と、透明電
極から成る画素電極17と、画素を駆動するための駆動
電極18と、面内で異なる位相差分布を持つ面分布位相
差板(位相部材)40と、から構成されている。なお、
配向膜、対向電極等は本発明の説明には不要であるので
省略している。この液晶パネル31における位相差分布
は、液晶パネル31からの主光線とそのパネル31の法
線とのなす角度θに応じて光学系を補償するような2次
元的位相差分布になっている。上記面分布位相差板40
の具体的な構成については、後に詳しく説明する。
【0052】次に、上記構成の液晶表示装置の動作につ
いて説明する。
【0053】バックライト等の光源(図示せず)から液
晶パネル31に入射した入射光は、偏光板10により直
線偏光に変換され、ガラス基板12を透過して液晶層1
3に入射する。その液晶層13を透過した光は、面分布
位相差板40による位相補償を受ける。それにより、液
晶パネル31からリレー光学系33に導光される出射光
束の主光線と、液晶パネル31の法線とのなす角度θに
応じて、その方向の出射光のコントラストが最大となる
ような視野角特性が得られる。そして出射側の偏光板1
5によって出射光の偏光が直線偏光に変化されて、画素
に対応した光が出射し画像が形成される。
【0054】上記構成によれば、観察者が観察する液晶
パネル31のコントラストを、中心部から周辺部までほ
ぼ均一に、その液晶パネル31の最大コントラストとす
ることができる。その結果、光学系にフィールドレンズ
を設ける必要がなくなって、光学系の光路長が短縮され
るとともに、ムラのない良質の画像を得ることができ
る。 〈実施例4〉上記第3実施例は、リレー光学系と接眼光
学系とを設けたものであったが、本第4実施例のよう
に、プロジェクタ等に用いられる投写光学系を設けても
よい。
【0055】図7は、本発明の第4実施例における液晶
表示装置の投写光学系を示す図である。図のようにこの
液晶表示装置では、液晶パネル51上の画像を、投写光
学系52によって、投写パネル53上に拡大して結像さ
せるように構成されている。この構成においても、液晶
パネル51からの出射光束の中心線である主光線(図7
中の軸A、軸B)は、液晶パネル51の法線に対し、光
軸側へほぼθの角度をなして投写光学系52に導光され
る。そして観察者は、投写パネル53上に結像された画
像を観察することになる。
【0056】この投写光学系を用いた本実施例における
液晶パネル51の構成は、図8の断面図に示すように、
上記図6に示した第3実施例における液晶パネル31の
構成と同様で、入射側の偏光板10と、液晶層13と、
その液晶層13を保持する2枚のガラス基板12、14
と、出射側の偏光板15と、透明電極から成る画素電極
17と、画素を駆動するための駆動電極18と、面内で
異なる位相差を持つ面分布位相差板(位相部材)55
と、から構成されている。なお、配向膜、対向電極等は
本発明の説明には不要であるので省略している。その面
分布位相差板55の具体的な構成については、後に詳し
く説明する。
【0057】上記構成において、バックライト等の光源
(図示せず)から液晶パネル51に入射した入射光は、
偏光板10により直線偏光に変換され、ガラス基板12
を透過して液晶層13に入射する。その液晶層13を透
過した光は、面分布位相差板55による位相補償を受け
る。これにより、液晶パネル51からの出射光束の主光
線と、液晶パネル51の法線とのなす角度θに応じて、
その方向の出射光のコントラストが最大となるような視
野角特性が得られる。そして出射側の偏光板15によっ
て、出射光の偏光が直線偏光に変換されて、画素に対応
した光が出射し画像が形成される。
【0058】上記構成によれば、液晶パネル51の中心
部から周辺部までの画像を、そのパネル51の最大コン
トラストで投写パネル53上に投写することができる。
即ち、投写パネル53上に、高コントラストでムラのな
い良質の画像を形成することができる。また、光学系に
フィールドレンズが不要となるため、光学系の光路長、
つまり液晶パネル31と投写パネル53との間隔を短く
することができる。
【0059】次に、上記第3実施例および第4実施例に
おける面分布位相差板40、55の具体的な構成例を、
図9〜図11を用いて説明する。図9〜図11の(a)
は面分布位相差板40、55の平面図、(b)は断面図
である。
【0060】図9は、面分布位相差板40、55の中央
部付近から周辺部に向かって位相分布が同心円状に変化
するように、面内で位相差を持たせた構成例であり、図
中の曲線70〜76は等位相差曲線である。また図10
は、面分布位相差板40、55の中央部付近から周辺部
に向かって位相分布が同一中心の矩形状に変化するよう
に、面内で位相差を持たせた構成例であり、図中の曲線
77〜81は等位相差曲線である。
【0061】上記図9および図10の構成例において、
面内の位相分布は、屈折率の差Δnによって与えるか、
1軸性または2軸性の位相部材の光軸の方向を変化させ
ることによって与えることができる。また、面分布位相
差板40、55の位相分布は、連続的に変化するもので
もよいし、段階的に変化するものでもよい。
【0062】このような面分布位相差板40、55を製
造するには、例えば、ポリカーボネートなどの透明プラ
スチック部材で位相差板を製造する際に、圧縮、延伸を
制御することによって、部材中の配向複屈折を生じさ
せ、所望の位相差分布を与えるようにすればよい。
【0063】図11(a)、(b)は、面分布位相差板
40、55を、等方媒質43と、均一な位相差を有する
位相差フィルム(光学部材)44〜48とによって構成
した例を示す平面図と断面図である。この構成例のよう
に、均一な位相分布を有する位相差フィルム44〜48
を異なる面積で複数積層することによって、不均一な位
相分布を有するように構成することができる。また、こ
の構成の場合には、当方媒質43の屈折率と位相差フィ
ルム44〜48の屈折率とを、なるべく等しくすること
により、両者間のエッジ等からの散乱光の発生を防ぐこ
とができる。
【0064】ここで、図12(a)、(b)を用いて、
位相補償を行っていない、代表的な液晶表示装置の視野
角依存性について説明する。図12(a)において、液
晶パネル60からの光の出射方向62に対する角度ψ
は、パネル面上に投影された角度を表し、また角度θ
は、出射方向62の、パネル面の法線とのなす角度を表
している。そして図12(b)では、円周方向に角度
ψ、半径方向に角度θをそれぞれとり、同じコントラス
トの光線を等高線状に示している。この図12(b)中
の曲線65〜68は、等コントラスト曲線であり、曲線
の番号の順にコントラストが低くなるように分布してい
る。
【0065】図13は、上記図12(b)に示した視野
角依存性に対応して不均一な位相分布を与えた場合の面
分布位相差板40、55の構成例で、(a)は平面図、
(b)は断面図である。図13(a)中の曲線85〜8
8は等位相差曲線である。そしてこの図13(a)に示
した面分布位相差板40、55の中心線89上の点A、
点B、点Cそれぞれの位置における、位相補償された視
野角依存性を、図14(a)、(b)、(c)にそれぞ
れ示す。
【0066】このように、視野角依存性に基づき、液晶
パネル31、51からの出射光束の主光線と液晶パネル
31、51の法線とのなす角度θに応じて位相補償を行
えば、ムラのない良質の画像を得ることができる。
【0067】また、液晶パネルの特性によっては、図1
5(a)の平面図と図15(b)の断面図とに示した面
分布位相差板40、55の具体的な構成例のように、位
相差分布を上下左右非対称にしてもよい。図15(a)
中の曲線90〜93は等位相差曲線である。
【0068】なお、上述の各実施例における液晶表示装
置は、液晶パネルの面内で不均一な位相分布を有する位
相差板により最適な位相補償を行うものであり、液晶パ
ネルとしては透過型パネルに限定されるものではなく、
反射型パネルに対しても適用することができる。
【0069】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る液晶
表示装置によれば、液晶パネルの面内で不均一な位相分
布を有する位相差板を設けたことにより、液晶パネルの
面内で最適な位相補償が可能となり、その結果、表示画
像のコントラストおよび視野角特性が飛躍的に向上す
る。
【0070】また、上述した各態様により、次のような
効果が得られる。
【0071】1.偏光板を設けることで、コントラスト
がさらに向上する。
【0072】2.画素部に取り付けたカラーフィルタに
合わせて位相補償を行うことができるため、理想的な位
相補償が可能となり、コントラスト、視野角特性が飛躍
的に向上する。
【0073】3.位相補償によって液晶パネルが光学系
の特性に合わせた視野角特性を有するようになるため、
テレセントリックな光学系を用いる必要がなくなり、よ
って光学系を小型化でき、かつ良質の画像を得ることが
できる。
【0074】4.投写光学系により画像を拡大投写する
ことができると同時に、位相補償によって液晶パネルが
光学系の特性に合わせた視野角特性を有するようになる
ため、テレセントリックな光学系を用いる必要がなくな
り、よって光学系を小型化でき、かつ良質の画像を得る
ことができる。
【0075】5.リレー光学系および接眼光学系により
液晶パネル上の画像を任意の大きさに視認することがで
き、また位相補償によって液晶パネルが光学系の特性に
合わせた視野角特性を有するようになるため、テレセン
トリックな光学系を用いる必要がなくなり、よって光学
系を小型化でき、かつ良質の画像を得ることができる。
【0076】6.均一な位相分布を有する光学部材を異
なる面積で複数積層することにより、不均一な位相分布
を有する位相部材を容易に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例における液晶表示装置の模
式的な断面図である。
【図2】第1実施例における液晶表示装置の他の構成例
を示す模式的な断面図である。
【図3】本発明の第2実施例における液晶表示装置の模
式的な断面図である。
【図4】第2実施例における液晶表示装置の他の構成例
を示す模式的な断面図である。
【図5】本実施例の第3実施例における液晶表示装置の
光学系を示す図である。
【図6】第3実施例における液晶パネルの模式的な断面
図である。
【図7】本発明の第4実施例における液晶表示装置の投
写光学系を示す図である。
【図8】第4実施例における液晶パネルの模式的な断面
図である。
【図9】第3実施例および第4実施例における面分布位
相差板の具体的な構成例を示す図で、(a)は平面図、
(b)は断面図である。
【図10】第3実施例および第4実施例における面分布
位相差板の他の具体的な構成例を示す図で、(a)は平
面図、(b)は断面図である。
【図11】第3実施例および第4実施例における面分布
位相差板の他の具体的な構成例を示す図で、(a)は平
面図、(b)は断面図である。
【図12】(a)、(b)は、位相補償を行っていない
代表的な液晶表示装置の視野角依存性について説明する
図である。
【図13】図12(b)に示した視野角依存性に対応し
て不均一な位相分布を与えた場合の面分布位相差板の構
成例で、(a)は平面図、(b)は断面図である。
【図14】(a)、(b)、(c)は、図13(a)に
示した面分布位相差板の中心線上の点A、点B、点Cそ
れぞれの位置における、位相補償された視野角依存性を
示す図である。
【図15】第3実施例および第4実施例における面分布
位相差板の他の具体的な構成例を示す図で、(a)は平
面図、(b)は断面図である。
【図16】TNモード表示方式の液晶パネルの模式図
で、(a)は電圧無印加状態、(b)は電圧印加状態を
表している。
【図17】第1従来例における位相補償方法を説明する
模式図である。
【図18】第2従来例における光学系を示す図である。
【図19】従来の位相差板と液晶との屈折率の波長分散
特性を示す特性図である。
【符号の説明】
1、2、31、51、60 液晶パネル 10、15 偏光板 11R、11G、11B 位相差板(位相部材) 16R、16G、16B カラーフィルタ 19R、19G、19B 位相差板(位相部材) 25R、25G、25B 位相差板(位相部材) 26R、26G、26B 位相差板(位相部材) 27R、27G、27B 位相差板(位相部材) 33 リレー光学系 36 接眼光学系 40、55 面分布位相差板(位相部材) 44〜48 位相差フィルム(光学部材) 52 投写光学系 53 投写パネル

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マトリクス状に配列された複数の画素を
    有する液晶パネルを備えた液晶表示装置において、 前記液晶パネルは、該液晶パネルの面内で不均一な位相
    分布を有する位相部材を備えたことを特徴とする液晶表
    示装置。
  2. 【請求項2】 前記液晶パネルは、その両面にそれぞれ
    偏光板を備え、該両面の偏光板の少なくとも一方の偏光
    板の内側に、前記位相部材が配置されたことを特徴とす
    る請求項1記載の液晶表示装置。
  3. 【請求項3】 前記液晶パネルは、色の異なる複数のカ
    ラーフィルタを備え、前記位相部材が前記各カラーフィ
    ルタに対応した位相分布を有することを特徴とする請求
    項1または2記載の液晶表示装置。
  4. 【請求項4】 前記液晶パネルの位相部材が、その中央
    部付近から周辺部に向かって変化する位相分布を有する
    ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の
    液晶表示装置。
  5. 【請求項5】 前記液晶パネル上の画像を投写パネル上
    に結像させる投写光学系を備えるとともに、前記液晶パ
    ネルの位相部材が、該液晶パネルから前記投写光学系に
    導光される出射光束の主光線と、前記液晶パネルの法線
    とのなす角度に応じて、不均一な位相分布を有すること
    を特徴とする請求項1または4記載の液晶表示装置。
  6. 【請求項6】 前記液晶パネル上の画像を空中像として
    結像させるリレー光学系と、該リレー光学系による空中
    像の虚像を作る接眼光学系とを備えるとともに、前記液
    晶パネルの位相部材が、該液晶パネルから前記リレー光
    学系に導光される出射光束の主光線と、前記液晶パネル
    の法線とのなす角度に応じて、不均一な位相分布を有す
    ることを特徴とする請求項1または4記載の液晶表示装
    置。
  7. 【請求項7】 前記液晶パネルの位相部材が、均一な位
    相分布を有する光学部材を異なる面積で複数積層するこ
    とによって、不均一な位相分布を有するように構成され
    たことを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載
    の液晶表示装置。
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