JPH08217411A - オゾン発生装置 - Google Patents

オゾン発生装置

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JPH08217411A
JPH08217411A JP7050316A JP5031695A JPH08217411A JP H08217411 A JPH08217411 A JP H08217411A JP 7050316 A JP7050316 A JP 7050316A JP 5031695 A JP5031695 A JP 5031695A JP H08217411 A JPH08217411 A JP H08217411A
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JP
Japan
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corona discharge
discharge element
heater
temperature
ozone
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JP7050316A
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English (en)
Inventor
Yuji Aso
雄二 麻生
Kenichi Kato
憲一 加藤
Makoto Imuta
誠 藺牟田
Takaharu Mochizuki
孝晴 望月
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Toto Ltd
Original Assignee
Toto Ltd
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  • Disinfection, Sterilisation Or Deodorisation Of Air (AREA)
  • Oxygen, Ozone, And Oxides In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 コロナ放電素子への硝酸アンモニウムの析出
付着を防止するための加熱ヒータの付設部位と加熱温度
を最適化することにより、ヒータ消費電力を低減するこ
とができるオゾン発生装置を提供する。 【構成】 本発明のオゾン発生装置は、電極27のコロ
ナ放電域を流れる空気流中の酸素をオゾンに変化させる
ことによりオゾンを発生する。上記空気流に方向性を持
たせるとともに、上記空気流のコロナ放電域よりも下流
側の装置構成部分を硝酸アンモニウム析出付着温度以上
に加熱する加熱手段11を設けたことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、コロナ放電により空気
中の酸素をオゾンに転換するオゾン発生装置に関する。
特には、トイレの脱臭装置用のオゾン発生装置のように
アンモニアを含む空気中で使用されるオゾン発生装置に
おいて、硝酸アンモニウムの析出付着を防止するための
加熱ヒータの省電力化を図ったオゾン発生装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】オゾン脱臭装置を例にとって従来技術を
説明する。オゾン脱臭装置は、オゾン(O3 )の優れた
酸化力によって、アンモニア(NH3 )や硫化水素(H
2 S)等の悪臭成分を酸化分解して臭いの弱いNO2
2 Oに変えるものである。このような脱臭装置は、ト
イレや冷蔵庫用の脱臭装置として、近年多いに用いられ
るようになってきた。
【0003】図1(A)を参照しつつオゾン脱臭装置の
構造を説明する。オゾン脱臭装置1は、吸気口6から排
気口8に至る空気流路7を有する。吸気口6の中にはフ
ァン2が備えられている。このファン2は、空気流路7
に空気を吸引し、同空気流路7に空気流を形成する。
【0004】空気流路7中には、コロナ放電素子3が備
えられている。コロナ放電素子3の放電電極27周囲に
はコロナ放電が生じ、空気中の酸素の一部がオゾンに変
換される(O2 →2/3O3 )。このオゾンは、主に、
コロナ放電素子3の下流に配置されているオゾン分解触
媒において分解する。このとき、酸化力が極めて強い活
性酸素が生じ、この活性酸素がNH3 やH2 S等の悪臭
成分を酸化分解する。そして、オゾン分解触媒4下流の
排気口8からは、脱臭された空気が放出される。
【0005】コロナ放電素子3の構造について図2を参
照しつつ説明する。コロナ放電素子3は、セラミックス
製の基板21、絶縁層25、保護層29の3層構造を有
する。基板21上には、一対の面状電極である誘導電極
23、23´が設けられている。絶縁層25上には、放
電電極27が設けられている。放電電極27は、誘導電
極23、23´と絶縁層25をはさんで対向しており、
また、両誘導電極23、23´間を掛け渡すように設け
られている。誘導電極23、23´は、リード31、3
1´、配線33を介して高圧高周波電源5に接続されて
いる。
【0006】基板21は、絶縁性の高いセラミックス焼
結体(アルミナ、ジルコニア等)で作られている。厚さ
は、0.5〜2.0mm程度で、ドクターブレード法等
により製造される。 絶縁層25は、セラミックス等の
薄い(50〜1000μm)膜である。保護層29は、
セラミックス等の薄い(10〜20μm)膜である。保
護層29は、放電電極27を、空気中での放電に伴う化
学反応により生じるオゾンや硝酸等から保護するために
設けられる。各電極23、27は、モリブデンやタング
ステン等の金属メタライズ膜である。スクリーン印刷→
燒結により形成される。
【0007】図1及び図2の双極型のコロナ放電素子の
動作原理については、以下の通りであると考えられる。
絶縁層25の下の一対の誘導電極23、23´に高周波
高電圧を印加すると、これらの電極23、23´間に電
界が生じる。この電界中に導体あるいは半導体である放
電電極27を置くと、電界は放電電極27に集中し、こ
の放電電極27と絶縁層25との間には大きな電位差を
生じる。この電位差によって、放電電極27の周囲には
コロナ放電が生じる。
【0008】基板21の下面に付設されているのは、コ
ロナ放電素子3を加熱するチップ抵抗ヒータ13であ
る。コロナ放電素子3を加熱する目的は、コロナ放電素
子3に硝酸アンモニウム等の塩が析出付着するのを防止
するためである。なお、なおチップ抵抗ヒータ13の付
設位置が本発明のテーマであって、それについては後に
詳述する。チップ抵抗ヒータ13にはヒータ電源15が
接続されている。チップ抵抗ヒータ13とヒータ電源1
5とでコロナ放電装置加熱手段11を形成する。
【0009】硝酸アンモニウム等の塩がコロナ放電素子
に析出付着する現象について説明する。沿面放電型のコ
ロナ放電素子が用いられるようになってからしばらくし
て、コロナ放電素子の放電部周辺に白い針状の結晶が付
着したり、塩の膜のようなものが付着したりする現象が
観察された。この結晶を分析したところ、硝酸アンモニ
ウム(NH4 NO3 )を主成分とする塩であることが判
明した。硝酸アンモニウムの生成メカニズムとしては、
オゾンによって酸化された窒素酸化物と悪臭成分の一つ
のアンモニアとが反応して硝酸アンモニウムが合成され
るものと考えられている。また、空気中の水分(H2
O)とN2 とO3 とが反応して硝酸アンモニウムが合成
されるとも考えられる。
【0010】コロナ放電素子に付着した塩は、空気中の
水分を吸収して潮解し、コロナ放電素子に膜のようにへ
ばり付くことがある。放電電極周辺がこのような状態に
なると、コロナ放電が不安定(あるいは放電不能)とな
り、オゾン発生量が少なくなる。そうなると脱臭装置の
性能が落ちるため、何らかの対策が必要となる。
【0011】放電による副生成物である塩(硝酸塩、硫
酸塩など)により放電が不安定になるのを防ぐ方法とし
て、以下のような従来技術がある。 (1) 特開平5−166578(沿面コロナ放電素子
及びその放電面生成物の除去方法)に示されるように、
放電素子にヒータを設置し放電面を150℃〜300°
Cに加熱することにより塩そのものを加熱分解する事が
なされているが、現実問題として、上記温度に加熱され
た放電素子を脱臭装置等に組み込む際は、放電素子の保
持方法が耐熱面で問題(保持材のコストアップ)とな
る。
【0012】(2)同じように、特開平6−9203
(オゾナイザ及びオゾナイザを使用したオゾン脱臭機)
に示されるように、オゾナイザ(コロナ放電素子)にヒ
ータを設置してオゾナイザを好ましくは90〜120°
Cに加熱すると、塩の付着を防止できるとされている。
さらに、オゾナイザに直接風が当たることによる強制冷
却が起こらないようにフードを設置するなどの工夫がな
されているが、その反面フードそのものが圧損になり、
風量が落ちる欠点があった。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】このように、塩付着防
止対策として従来より行われてきたのはコロナ放電素子
を加熱することであった。上述の特開平5−16657
8号は、付着した硝酸アンモニウムを熱分解あるいは昇
華させようというものであり、特開平6−9203号は
「付着し、あるいは付着しようとする塩を気散させ」よ
うというものである。
【0014】たしかに、コロナ放電素子をある程度加熱
すれば、硝酸アンモニウムの付着もなく、長期間安定し
たコロナ放電及び脱臭効果が得られる。しかし、コロナ
放電素子加熱用のヒータの消費電力は、オゾン脱臭装置
全体の消費電力の50〜90%にも上り、無視できるレ
ベルではない。また、コロナ放電素子の加熱温度に対応
させてコロナ放電素子回りの部品の耐熱グレードを上げ
なければならず、コロナ放電素子の製造コスト上昇の要
因ともなっていた。
【0015】本発明は、コロナ放電素子への硝酸アンモ
ニウムの析出付着を防止するための加熱ヒータの付設部
位と加熱温度を最適化することにより、ヒータ消費電力
を低減することができ、コロナ放電素子回り部品の耐熱
グレードを下げて製造コストを低減することのできるオ
ゾン発生装置を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記問題を解決すべく、
本発明者らはオゾン発生装置動作時の塩の生成状況を観
察したところ、ファンによる風の流れに対して、オゾン
発生装置の放電部より風下の領域に塩が生成することを
確認した。また、ヒータを搭載したオゾン発生装置の
面温度には、ヒータの搭載位置および風の流れに対し分
布があることも確認した。つまり、オゾン発生装置をヒ
ータで加熱する際には、かならずしもオゾン発生装置全
体を加熱制御する必要性はなく、塩が生成する領域(放
電部から風下の領域)を加熱制御するだけで、塩を除去
することが可能である事がわかった。つまり、低消費電
力化が可能であることがわかった。
【0017】すなわち、本発明のオゾン発生装置は、一
対の電極間にコロナ放電を生じさせ、該電極のコロナ放
電域を流れる空気流中の酸素をオゾンに変化させること
によりオゾンを発生するオゾン発生装置において;上記
空気流に方向性を持たせるとともに、上記空気流のコロ
ナ放電域よりも下流側の装置構成部分を硝酸アンモニウ
ム析出付着温度以上に加熱する加熱手段を設けたことを
特徴とする。
【0018】
【作用】コロナ放電素子に当たる空気流の下流側に硝酸
アンモニウムが析出付着する可能性がある。したがっ
て、その部分を加熱すれば硝酸アンモニウムの付着を防
止できる。また、加熱温度は、従来のように、既に付着
した硝酸アンモニウムを分解したり”気散”させるまで
の温度でなくとも、硝酸アンモニウムの析出付着を防止
するのに必要な温度であればよい。そのような加熱温度
は、大気温度プラス25℃で実用上は十分である。さら
に安全を見れば大気温度プラス35℃である。省電力の
観点からは、加熱温度は、大気温度プラス70℃以下が
好ましい。さらに、大気温度プラス50℃以下がより好
ましい。
【0019】本発明の一態様のオゾン発生装置において
は、オゾン発生装置がコロナ放電面を有するコロナ放電
素子を備え、該コロナ放電素子が、上記空気流に対して
コロナ放電面が斜めになるように配置されている。ここ
でコロナ放電面が斜めとは、コロナ放電面に垂直に(真
向に)空気流が当る場合を除く意味である。もっとも好
ましいのは、コロナ放電面が空気流と平行である。
【0020】
【実施例】以下、本発明の実施例を、本発明の基礎とな
った知見を得る経緯や比較例を混じえながら説明する。
図1は、本発明の一実施例に係るオゾン発生装置を有す
るオゾン脱臭装置を示す図である。(A)は、全体を示
す模式的断面図であり、(B)は、コロナ放電素子のB
−B断面図である。
【0021】図1のオゾン発生装置については、コロナ
放電素子3のヒータ13の付設位置を除いては、従来の
技術の項で説明したとうりである。すなわち、本発明の
オゾン発生装置の特徴は、コロナ放電素子3におけるヒ
ータ13の付設位置にある。図1の実施例のオゾン発生
装置のコロナ放電素子3では、ヒータ13は基板21裏
面の空気流下流側に敷設されている。ちなみに、図1の
コロナ放電素子3の寸法は巾(図1(A)の左右)15
mm、長さ(図1(A)の上下)37mm、厚さ(図1
(B)の上下)0.7mmである。なお、保護層29の
厚さは約10μm、絶縁層25の厚さは約50μmであ
る。
【0022】以下、本発明を完成するに至った過程で行
った実験について説明する。実験その1 以下の条件で実験その1を行った。なお、この実験によ
り、「オゾン発生装置の放電部より風下の領域に塩が生
成する」との知見を得た。 (1)本実験におけるコロナ放電素子の仕様 ・コロナ放電素子のサイズ: 長さ37mm×幅15mm×厚み0.7mm ・コロナ放電素子の材質: 電極材料はタングステン、その他はアルミナセラミック
ス ・ヒータと取り付け方法: オゾン発生装置の裏面(放電面の反対面)にタングステ
ン+ニッケルメッキで端子を形成し、チップ抵抗体を半
田付けする。この実験時のヒータの位置はオゾン発生装
置電極の中央部に位置し、コロナ放電素子の表面温度
は、中央部が約55℃、風上部が約45℃、風下が約5
0℃であった。
【0023】(2)本実験におけるオゾン発生装置の仕
様 ・風の流れに対し、ファン→オゾン発生装置の順で並べ
る ・ダクトの断面積:縦60mm×横40mm ・ファンの流量 :100リットル/min (3)実験時の環境 ・温度=25℃〜30℃、相対湿度=50〜70%(実
験室内環境) ・運転条件:オゾン発生装置、ファン、ヒータともに連
続通電 ・運転時間:約500時間
【0024】(4)結果 図3は、実験その1の結果としてのコロナ放電素子表面
の塩析出状況を示す平面図である。図3から分るよう
に、塩析出部41は放電電極27の下流側に限られてい
る。
【0025】実験その2 以下の条件で実験その2を行った。なお、この実験によ
り、「オゾン発生装置の表面温度にはヒータの搭載位置
ならびに風の流れに対し分布がある」との知見を得た。 (1)本実験におけるコロナ放電素子の仕様 ・コロナ放電素子のサイズ: 長さ37mm×幅15mm×厚み0.7mm ・コロナ放電素子の材質: 電極材料はタングステン、その他はアルミナセラミック
ス ・ヒータと取り付け方法: オゾン発生装置の裏面(放電面の反対面)にタングステ
ン+ニッケルメッキで端子を形成し、チップ抵抗体を半
田付けする。ヒータ電力を可変出来るようにして実験を
行った。
【0026】(2)本実験におけるオゾン発生装置の仕
様 ・風の流れに対し、ファン→オゾン発生装置の順で並べ
る ・ダクトの断面積:縦60mm×横40mm ・ファンの流量 :100リットル/min
【0027】(3)本実験おけるコロナ放電素子表面温
度の測定方法 ・コロナ放電素子の表面で、風の流れに対し風上、中
央、風下の3点に熱電対を取り付ける。本実験の場合は
ヒータをコロナ放電素子の裏面中央部に設置した。 ・ファンならびにヒータを動作し(コロナ放電素子は放
電させない)、表面温度が安定した値(10〜20分
後)をその時の表面温度とする。 ・この測定の際コロナ放電素子を放電させない理由は、
放電することにより生じるノイズ電流が熱電対の測定値
に影響を与えるのを防ぐためである。
【0028】(4)結果 図4は、実験その2の結果としての、ヒータへの供給電
力とコロナ放電素子表面温度との関係を表すグラフであ
る。グラフに示すように、中央部が最も表面温度が高
く、風下、風上の順で表面温度は低下する。なお、本実
験時の室温は27℃であった。
【0029】実験その3 以下の条件で実験その3を行った。なお、この実験によ
り、「オゾン発生装置所定の領域の表面温度を60℃以
上にすれば塩は生成しない」との知見を得た。 (1)コロナ放電素子の仕様 実験その2と同じ。 (2)オゾン発生装置の仕様 実験その2と同じ。
【0030】(3)本実験におけるコロナ放電素子表面
温度の測定方法 ・コロナ放電素子の表面で、風の流れに対し放電部より
も風下で、かつ表面温度の最も低い位置に熱電対を取り
付ける。なお、本実験の場合はヒータをオゾン発生装置
裏面中央に設置しているので熱電対を取り付ける位置
は、中央から最も遠い風下の位置になる。 ・ファンならびにヒータを動作し(コロナ放電素子は放
電させない)、表面温度が安定した値をその時の表面温
度とする。なお、温度調整はヒータ電力を変えることに
より行った。 ・この測定の際コロナ放電素子を放電させない理由は、
放電することにより生じるノイズ電流が熱電対の測定値
に影響を与えるのを防ぐためである。
【0031】(4)実験環境 ・温度=27℃、相対湿度=50〜70%(実験室内環
境) ・運転条件:オゾン発生装置、ファン、ヒータともに連
続通電 ・運転時間:約200時間
【0032】(5)結果 図5は、実験その3の結果としての、コロナ放電素子風
下部の表面温度と塩の生成量との関係を示す図である。
グラフに示すように、風下部表面温度60℃以上すなわ
ち大気温度プラス33℃では、オゾン発生装置表面への
塩の生成は全くなかった。またこの時の中央部の温度は
66℃、風上の温度は49℃であった。
【0033】前記3つの知見をもとに、風の流れ対し、
ヒータ位置、放電部の位置を変えた場合に、塩の発生を
抑えることのできる加熱条件がどのようになるかを調べ
た。すなわち、ヒータ位置と放電電極の位置を空気流の
風上、中央、風下の3ケ所で変えて(合計組合せ9通
り)その際のコロナ放電素子の温度分布とヒータ消費電
力を測定した。
【0034】実験その4 以下の条件で実験その4を行った。 (1)コロナ放電素子の仕様 実験その2と同じ。 (2)オゾン発生装置の仕様 実験その2と同じ。
【0035】(3)本実験におけるコロナ放電素子表面
温度の測定方法 ・コロナ放電素子の表面で、風の流れに対し風上・放電
部・風下の3点に電熱対を取り付ける。 ・ファンならびにヒータを動作し(コロナ放電素子は放
電させない)、表面温度が安定した値をその時の表面温
度とする。 ・この測定の際コロナ放電素子を放電させない理由は、
放電することにより生じるノイズ電流が電熱対の測定値
に影響を与えるのを防ぐためである。
【0036】(4)実験環境 ・温度=27℃ ・運転条件:コロナ放電素子、ファン、ヒータともに連
続通電
【0037】(5)結果 図6は、実験その4の結果としての、ヒータ及び放電電
極の配置条件と塩の析出付着を防止するための加熱条件
とを示す図及びグラフである。 ヒータを風上に置いた場合(A・D・G) 塩の生成を抑える(放電部より風下の領域の表面温度を
60℃以上にする)には、放電部より風下の温度、つま
りオゾン発生装置全体を60℃以上にする必要があり、
加熱効率が悪い。ちなみに、ヒータの消費電力は、いず
れも2.0Wであった。
【0038】 放電部を風上に置いた場合(B・C) 塩の生成を抑える(放電部より風下の領域の表面温度を
60℃以上にする)には、放電部より風下の温度、つま
りオゾン発生装置全体を60℃以上にする必要があり、
加熱効率が悪い。ちなみに、ヒータの消費電力はBの場
合1.8W、Cの場合2.7Wであった。
【0039】 ヒータならびに放電部を中央もしくは
風下に置いた場合(E・F・H・I) 塩の生成を抑える(放電部より風下の領域の表面温度を
60℃以上にする)には、中央もしくは放電部より風下
の温度を60℃以上にする必要があるが、コロナ放電素
子全体を60℃以上に加熱する必要はない。つまり、
の設置方法が、省電力化に適していることになり、その
なかでも放電部ならびにヒータを風下に設置する(1)
の設計が特に優れている事になる。ちなみに、ヒータの
消費電力はE、Hの場合1.6W、Fの場合1.7W、
Iの場合1.0Wであった。
【0040】図6は、大気温度とコロナ放電素子の表面
温度との差と塩の付着量との関係を示すグラフである。
このグラフは、図5に似たグラフであるが、横軸を、コ
ロナ放電素子の表面温度そのものから、大気とコロナ放
電素子の表面温度差に変えた点が異なっている。前述の
実験の他、様々な実験を行った結果、塩の付着と真に関
連するのは上記温度差であることが判明した。その理由
は、つぎのように推定される。硝酸塩の生成量には、放
電領域近傍の相対的な水分量、すなわち相対湿度が大き
く影響していると考えられる。ヒーター加熱により放電
領域近傍が室温より高く設定されているため、ファンに
より吸引された空気中に含まれる絶対水分量が一定であ
っても、放電部近傍の相対湿度はそれ以外の部分と比較
して低い値になっているはずである。この相対湿度の違
いが、硝酸アンモニウムの生成反応の進み易さに何らか
の影響を及ぼすものと考えられる。
【0041】そして、本実験においては、温度差が25
℃以上なら実用的に許容しうる範囲であり、35℃以上
なら付着が全く起らず非常に好ましいことが判明した。
【0042】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
のオゾン発生装置は以下の効果を発揮する。 ヒータで硝酸アンモニウムの付着しやすい部位のみ
を加熱するので、ヒータ消費電力を必要最小限に設定で
きる。 コロナ放電素子を風の流れに対し角度を持って配置
するので、オゾン発生装置そのものの圧損が少ない。 風の流れに対し、放電部より風下の温度を管理すれ
ばよいので、ヒータ電力の管理(=表面温度の設定)が
容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係るオゾン発生装置を有す
るオゾン脱臭装置を示す図である。(A)は、全体を示
す模式的断面図であり、(B)は、コロナ放電素子のB
−B断面図である。
【図2】図1のオゾン脱臭装置のコロナ放電素子の構成
を示す断面模式図である。
【図3】実験その1の結果としてのコロナ放電素子表面
の塩析出状況を示す平面図である。
【図4】実験その2の結果としての、ヒータへの供給電
力とコロナ放電素子表面温度との関係を表すグラフであ
る。
【図5】実験その3の結果としての、コロナ放電素子風
下部の表面温度と塩の生成量との関係を示す図である。
【図6】実験その4の結果としての、ヒータ及び放電電
極の配置条件と塩の析出付着を防止するための加熱条件
とを示す図及びグラフである。
【図7】大気とコロナ放電素子の表面温度差と塩の付着
量との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 オゾン脱臭装置 2 ファン 3 コロナ放電素子 4 オゾン分解触
媒 5 高圧高周波電源 6 吸気口 7 空気流路 8 排気口 11 加熱手段 13 チップ抵抗
ヒータ 15 ヒータ電源 21 基板 23 誘導電極 25 絶縁層 27 放電電極 29 保護層 31 リード 33 高圧配線
フロントページの続き (72)発明者 藺牟田 誠 福岡県北九州市小倉北区中島2丁目1番1 号 東陶機器株式会社内 (72)発明者 望月 孝晴 福岡県北九州市小倉北区中島2丁目1番1 号 東陶機器株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対の電極間にコロナ放電を生じさせ、
    該電極のコロナ放電域を流れる空気流中の酸素をオゾン
    に変化させることによりオゾンを発生するオゾン発生装
    置において;上記空気流に方向性を持たせるとともに、 上記空気流のコロナ放電域よりも下流側の装置構成部分
    を硝酸アンモニウム析出付着温度以上に加熱する加熱手
    段を設けたことを特徴とするオゾン発生装置。
  2. 【請求項2】 上記オゾン発生装置がコロナ放電面を有
    するコロナ放電素子を備え、該コロナ放電素子が、上記
    空気流に対してコロナ放電面が斜めになるように配置さ
    れている請求項1記載のオゾン発生装置。
  3. 【請求項3】 上記コロナ放電素子の空気流下流側にの
    み加熱手段であるヒータが付設されている請求項2記載
    のオゾン発生装置。
  4. 【請求項4】 上記加熱手段により装置構成部分及びコ
    ロナ放電素子を加熱する温度が、大気温度プラス25〜
    70°Cである請求項1〜3いずれか1項記載のオゾン
    発生装置。
  5. 【請求項5】 上記加熱手段により装置構成部分及びコ
    ロナ放電素子を加熱する温度が、大気温度プラス35〜
    50°Cである請求項1〜3いずれか1項記載のオゾン
    発生装置。
JP7050316A 1995-02-16 1995-02-16 オゾン発生装置 Pending JPH08217411A (ja)

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JP (1) JPH08217411A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006075402A (ja) * 2004-09-10 2006-03-23 Takasago Thermal Eng Co Ltd 空調空気の処理装置
JP2007021099A (ja) * 2005-07-21 2007-02-01 Sharp Corp 空気清浄機
DE102008006256A1 (de) * 2008-01-25 2009-07-30 Innovative Sensor Technology Ist Ag Baugruppe zur Erzeugung von Ozon
WO2018012242A1 (ja) 2016-07-14 2018-01-18 株式会社村田製作所 オゾン発生装置

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