JP2006066229A - イオン発生装置及び空気調節装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 オゾン、NOx等の副生成物の発生を抑制し、居住空間の安全性や快適性を高めることが可能となるイオン発生装置、及びこれを備えた空気調節装置を提供する。
【解決手段】 誘電体基板13の表面に格子状の放電電極14、及び誘電体基板13を挟み放電電極14と対向する面状の対向電極15を備えるイオン発生装置において、放電電極14は、周縁部を絶縁体16で被覆する。放電電極14は、金(Au)を主成分とする材料を用いる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、イオンを発生して外気中へ送出するイオン発生装置、及び該イオン発生装置を備えた空気調節装置に関する。
近年、環境問題の顕在化、居住空間の高気密化等に伴い、人体に有害な空気中の浮遊微生物を取り除き、健康で快適な生活を送りたいという住環境に対する要望が強くなっている。斯かる要望に応えるべく、誘電体基板を挟んで対向する電極間に交流高電圧を印加することにより、誘電体基板の表面に沿面放電を発生させ、放電により生成した正イオン及び負イオンを居住空間に対して送出し、これらのイオンが引き起こす化学反応により空気中の有害な浮遊微生物を無害化する技術を搭載した空気清浄機、空気調和機等の空気調節装置が多々開発され、販売されている。
空気清浄機、空気調和機等の空気調節装置に搭載しているイオン発生装置の耐久性を向上させるために、種々の工夫が為されている。例えば、特許文献1では、放電電極全体をアルミナ被膜で覆うことにより、イオン衝突による放電電極の劣化、NOxと大気中の水分とが化学反応して生成した硝酸による放電電極の溶解等を防ぐことができ、耐久性の向上を図ったイオン発生装置が開示されている。
特開平1−154482号公報
しかし、上述した従来のイオン発生装置では、放電電極の周縁部で活発な放電が発生するため、イオン以外の副生成物としてオゾン、NOx等が発生する。オゾン、NOx等の副生成物の発生濃度が高くなった場合、ユーザの健康に有害である可能性があることから、これら副生成物の発生量は可能な限り抑制することが望ましい。
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであり、オゾン、NOx等の副生成物の発生を抑制し、居住空間の安全性や快適性を高めることが可能となるイオン発生装置、及びこれを備えた空気調節装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明に係るイオン発生装置は、誘電体基板の表面に格子状の放電電極、及び前記誘電体基板を挟み前記放電電極と対向する面状の対向電極を備えるイオン発生装置において、前記放電電極は、周縁部を絶縁体で被覆してあることを特徴とする。
本発明に係るイオン発生装置では、誘電体基板の表面に格子状の放電電極、及び誘電体基板を挟み放電電極と対向する面状の対向電極を備えており、放電電極の周縁部のみを絶縁体で被覆する。これにより、放電電極の周縁部近傍の空気中に発生する電界は弱くなることから、放電が発生しないか、又は放電プラズマ中の電子エネルギーが低下する。したがって、オゾン、NOx等の副生成物の発生を抑制することができ、居住空間の安全性や快適性を高めることが可能となる。
すなわち、従来のように放電電極全体を絶縁体で被覆する場合、放電電極の近傍に放電プラズマが発生したとき、放電電極の格子状部において、放電プラズマ領域は格子形状を形成する各微小開口の内部に閉じ込められる。
しかし、放電電極の周縁部では、放電プラズマ領域は外側に向かって開放されていることから、格子状部に比べて、周縁部では放電プラズマ中の電子が電界によって加速される距離及び時間が長くなり、放電プラズマ中の電子エネルギーが高くなる。
しかし、イオンの発生に必要な電子エネルギーは比較的低いことから、放電電極の周縁部で発生した余分な電子エネルギーは、イオンの発生より、むしろオゾン、NOx等の副生成物の発生に寄与する。
そこで、放電電極のうち周縁部のみを覆う絶縁体被膜を形成することにより、放電プラズマ中の電子エネルギーを低下させ、オゾン、NOx等の発生に寄与する余分な電子エネルギーの発生を抑制する。
また、本発明に係るイオン発生装置は、前記放電電極は、表面を第1の絶縁体で被覆し、該第1の絶縁体の周縁部を第2の絶縁体で被覆してあることを特徴とする。
本発明に係るイオン発生装置では、第1の絶縁体の周縁部、すなわち放電電極の周縁部を第2の絶縁体で被覆することにより、放電電極の周縁部近傍の空気中に発生する電界が比較的弱くなることから、放電が発生しないか、又は放電プラズマ中の電子エネルギーが低下する。したがって、オゾン、NOx等の副生成物の発生を抑制することができ、居住空間の安全性や快適性を高めることが可能となる。
また、本発明に係るイオン発生装置は、前記放電電極は、周縁部を第1の絶縁体で被覆し、表面を第2の絶縁体で被覆してあることを特徴とする。
本発明に係るイオン発生装置では、放電電極の周縁部を第1の絶縁体で被覆した後、表面を第2の絶縁体で被覆することにより、放電電極の周縁部近傍の空気中に発生する電界が比較的弱くなることから、放電が発生しないか、又は放電プラズマ中の電子エネルギーが低下する。したがって、オゾン、NOx等の副生成物の発生を抑制することができ、居住空間の安全性や快適性を高めることが可能となる。
また、本発明に係るイオン発生装置は、誘電体基板の表面に格子状の放電電極、及び前記誘電体基板を挟み前記放電電極と対向する面状の対向電極を備えるイオン発生装置において、前記放電電極の周縁長は、前記対向電極の周縁長よりも長いことを特徴とする。
本発明に係るイオン発生装置では、放電電極の周縁長を対向電極の周縁長よりも長くすることにより、放電電極の周縁部近傍の空気中に発生する電界が弱くなることから、放電が発生しないか、又は放電プラズマ中の電子エネルギーが低下する。したがって、オゾン、NOx等の副生成物の発生を抑制することができ、居住空間の安全性や快適性を高めることが可能となる。なお、放電電極は絶縁体で被覆されている必要はない。
また、本発明に係るイオン発生装置は、前記放電電極は、金(Au)を主成分とする材料を用いてなることを特徴とする。
本発明に係るイオン発生装置では、放電電極の絶縁体で被覆されていない部分については、イオン衝突による放電電極の劣化、NOxと大気中の水分とが化学反応して生成する硝酸による放電電極の溶解等の進行を抑制することが可能な電極材料として、例えば金(Au)を主成分とする導体を使用することが好ましい。
また、本発明に係る空気調節装置は、上述したいずれかのイオン発生装置を備え、正イオン及び負イオン、又はいずれか一方を空気中に送出することを特徴とする。
本発明に係る空気調節装置では、正イオンと負イオンを発生させ、空気中の浮遊微生物に対する殺菌作用を得ることができ、空気清浄機、空気調和機等に備えることができる他、除湿機、加湿器、石油ファンヒータ、ガスファンヒータ、セラミックファンヒータ、冷蔵庫等に組み込むことも可能となる。
本発明に係るイオン発生装置及びこれを備えた空気調節装置によれば、イオン発生装置の放電電極の周縁部近傍の空気中に発生する電界を弱くすることにより、放電を発生させない、又は放電プラズマ中の電子エネルギーを低下させ、オゾン、NOx等の副生成物の発生を抑制し、居住空間の安全性や快適性を高めることが可能となる。
以下、本発明の実施の形態につき図面に基づいて詳細に説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る空気調節装置の概略構造を示す模式平面図である。空気調節装置11は、送風ファン12の下流側に、平板状の誘電体基板13と、誘電体基板13を挟んで対向して配置した放電電極14及び対向電極15と、電圧印加手段17とで構成したイオン発生装置18を備えている。
放電電極14は、複数の電極子を有しており、略方形領域内で格子状に配置してある。対向電極15は、面状の電極であり、放電電極14の複数の電極子を全て包含するように、放電電極14の略方形領域より一回り大きな略方形領域を有する。
電圧印加手段17は、放電電極14と対向電極15との間に、交流高電圧等の時間変化する高電圧を印加する。これにより、放電電極14の複数の電極子の先端近傍で放電プラズマが発生する。発生した放電プラズマにより、正イオン又は負イオンが放電電極14の複数の電極子の先端近傍に発生し、送風ファン12からの風によって、発生した正イオン又は負イオンが居住空間に供給される。
図2は、本発明の実施の形態1に係る空気調節装置11に備えるイオン発生装置18の構成を示すII−II線部における断面図である。放電電極14の周縁部は、絶縁体16により被覆されている。絶縁体16により被覆されていることにより、放電電極14の周縁部近傍の空気中の電界が弱くなり、放電電極14の周縁部近傍では、放電プラズマが発生しないか、又は放電プラズマ中の電子エネルギーが低下する。したがって、オゾン、NOx等の副生成物の発生を低減することができ、居住空間の安全性や快適性を高めることが可能となる。
なお、放電電極14は、例えば金(Au)等の化学的に非常に安定した導体を主成分とする材料を用いて形成する。これにより、放電電極14の格子状部は絶縁体16により被覆されていないにもかかわらず、放電プラズマ発生時にイオン衝突による放電電極の劣化、NOxと大気中の水分とが化学反応することにより生じる硝酸による放電電極の溶解等を生じることがない。
また、放電電極14の格子状部を、薄い絶縁体被膜により覆う構成であっても良い。図3は、本発明の実施の形態1に係る空気調節装置11に備えるイオン発生装置18の他の構成を示す III−III 線部における断面図である。
図3の例では、放電電極14の表面は、薄い絶縁体被膜19で覆われている。また、放電電極14の周縁部は、絶縁体被膜19よりも厚い絶縁体16により被覆されている。絶縁体16により周縁部が被覆されていることにより、放電電極14の周縁部近傍の空気中の電界が弱くなり、放電電極14の周縁部近傍では、放電プラズマが発生しないか、又は放電プラズマ中の電子エネルギーが低下する。したがって、オゾン、NOx等の副生成物の発生を低減することができ、居住空間の安全性や快適性を高めることが可能となる。
なお、放電電極14は、周縁部を絶縁体被膜19よりも厚い絶縁体16で被覆し、次に表面を薄い絶縁体被膜19で被覆するものであっても良い。また、放電電極14の周縁部と表面とを略同時に薄い絶縁体被膜19と厚い絶縁体16の被膜で被膜しても良い。
(実施の形態2)
図4は、本発明の実施の形態2に係る空気調節装置の概略構造を示す模式平面図である。空気調節装置21は、送風ファン22の下流側に、平板状の誘電体基板23と、誘電体基板23を挟んで対向して配置した放電電極24及び対向電極25と、電圧印加手段27とで構成したイオン発生装置28を備えている。
放電電極24は、複数の電極子を有しており、略方形領域内で格子状に配置してある。対向電極25は、面状の電極であり、放電電極14の複数の電極子を全て包含するものの、放電電極24の略方形領域より一回り小さな略方形領域を有する。
電圧印加手段27は、放電電極24と対向電極25との間に、交流高電圧等の時間変化する高電圧を印加する。これにより、放電電極24の複数の電極子の先端近傍で放電プラズマが発生する。発生した放電プラズマにより、正イオン又は負イオンが放電電極24の複数の電極子の先端近傍に発生し、送風ファン22からの風によって、発生した正イオン又は負イオンが居住空間に供給される。
図5は、本発明の実施の形態2に係る空気調節装置21に備えるイオン発生装置28の構成を示すV−V線部における断面図である。対向電極25の周縁部は、絶縁体29により被覆されている。絶縁体29により被覆されていることにより、対向電極25の周縁部近傍の空気中の電界が弱くなり、対向電極25の周縁部近傍では、放電プラズマは発生しない。
なお図5では、絶縁体29は、対向電極25の周縁部のみを被覆しているが、実施の形態1と同様、対向電極25の表面を被覆しても良い。放電電極24の周縁長は、対向電極25の周縁長よりも一回り大きく、放電電極24の電極子と対向電極25の周縁部との距離は十分に大きいことから、放電電極24の周縁部近傍では、放電プラズマが発生しないか、又は放電プラズマ中の電子エネルギーが低下する。したがって、オゾン、NOx等の副生成物の発生を低減することができ、居住空間の安全性や快適性を高めることが可能となる。
また、放電電極24は、例えば金(Au)等の化学的に非常に安定した導体を主成分とする材料を用いて形成する。これにより、放電電極24は絶縁体により被覆されていないにもかかわらず、放電プラズマ発生時にイオン衝突による放電電極の劣化、NOxと大気中の水分とが化学反応することにより生じる硝酸による放電電極の溶解等を未然に防止することが可能となる。
なお、本発明の実施の形態1及び2に係るイオン発生装置に組み込まれる誘電体基板13(23)としては、セラミックス、ガラス等の通常用いられる一般的な誘電体を用いれば良く、特に限定されるものではない。
また、本発明の実施の形態1及び2に係るイオン発生装置に組み込まれる放電電極14(24)及び対向電極15(25)は、誘電体基板13(23)の表面に、例えばタングステン、金、銀、白金、パラジウム、アルミニウム、銅、ニッケル、モリブデン等の金属、若しくはこれらの金属を含む導電材料の膜を物理的に、又は化学的に形成する。ただし、特にこれに限定されるものではなく、例えば導電材料の膜を印刷するものであっても良いし、誘電体の表面にステンレス、タングステン、アルミニウム等の金属板、針金、金網等を密着させたものであっても良い。
また、本発明の実施の形態1及び2に係るイオン発生装置で用いる絶縁体被膜としては、アルミナ被膜、ガラス被膜、酸化物被膜等の一般的な絶縁体被膜を用いれば良く、特に限定されるものではない。
さらに、本発明の実施の形態1及び2に係るイオン発生装置で用いる電圧印加手段としては、交流高電圧等の時間変化する高電圧を、所望の波形で印加できさえすれば、一般的に用いられる構成のものを適宜適用することができ、特に限定されるものではない。
以下、実施例を挙げて本発明をより詳細に説明する。ただし、本発明はこれらの実施例に限定されるものではないことは言うまでもない。
図1に示すイオン発生装置18に用いる誘電体基板13は、送風ファン12からの送風方向を縦として、縦95mm×横95mm×厚み0.5mmのアルミナセラミックス基板である。
放電電極14は、デュポン社製金(Au)導体ペースト「5715」を、ライン幅0.3mm、スペース幅1.0mmの格子状とし、外形が縦30.2mm、横22.4mm、膜厚が7〜9μmとなるよう、誘電体基板13の表面に印刷して形成した。
対向電極15は、デュポン社製銀白金(Ag/Pt)ペースト「5164N」を、外形が縦50.2mm×横42.4mmの面状とし、膜厚が10〜14μmとなるよう誘電体基板13の表面に印刷して形成した。
放電電極14及び対向電極15の印刷は、それぞれの中心が誘電体基板13の中心と一致するように行った。また、日本電気硝子社製保護ガラスペースト「PLS3121」を、電極端も含めて対向電極15を覆うように印刷した。さらに、放電電極14の周縁部のみを、膜厚が数十μm程度のアルミナ被膜(絶縁体)16で被覆するよう、アルミナペーストを印刷した。
また、放電電極14及び対向電極15と電圧印加手段17とを、アルファ・ワイヤー・カンパニー製の電線「5854/7」を用いて接続した。具体的には、京都エレックス社製銀パラジウム(Ag/Pd)ペースト「DD2332H」を、放電電極14と接触又は隣接するよう印刷して、縦3.0mm、横5.0mmのハンダ付け部分を設け、該ハンダ付け部分に電線をハンダ付けする。なお、放電電極14と接触又は隣接するハンダ付け部分の周縁部は、放電電極14の周縁部と同様に膜厚が数十μm程度のアルミナ被膜16で覆っている。
また、対向電極15と電線とは、対向電極15の一端に、保護ガラスで覆わずに残しておいた、縦3.0mm、横5.0mmのハンダ付け部分を設け、該ハンダ付け部分に電線をハンダ付けする方法を用いた。
図6及び図7は、本実施例において印加された電圧の波形を示す図である。本実施例に係るイオン発生装置18の対向電極15を接地し、放電電極14に図6に示す電圧波形aを、又は図7に示す電圧波形bを、それぞれ有する電圧を印加した。
図6に示す電圧波形aを構成する単位波形は、時間をx[msec]、電圧をy[kV]とした場合、(数1)で表すことができる。
(数1)
y=3.0kV×[1+sin[π(4x − 1)/2]]
(0≦x<0.5msec)
y=6.0kV
(0.5≦x<1.0msec)
y=3.0kV×[1+sin[π(4x − 3)/2]]
(1.0≦x<1.5msec)
y=0kV
(1.5≦x<2.0msec)
同様に、図7に示す電圧波形bを構成する単位波形は、時間をx[msec]、電圧をy[kV]とした場合、(数2)で表すことができる。
(数2)
y=−3.0kV×[1+sin[π(4x − 1)/2]]
(0≦x<0.5msec)
y=−6.0kV
(0.5≦x<1.0msec)
y=−3.0kV×[1+sin[π(4x − 3)/2]]
(1.0≦x<1.5msec)
y=0kV
(1.5≦x<2.0msec)
放電電極14に電圧波形aの電圧を印加している場合、放電電極14の近傍からは正イオンが発生し、放電電極14に電圧波形bの電圧を印加している場合、放電電極14の近傍から負イオンが発生する。
送風ファン12としては、オリエンタルモーター(株)製のクロスフローファン「MF930−BC」を放電電極14から略15cm離して設置し、周波数60Hz、電圧実効値20Vの交流電圧を印加して作動させる。これにより、放電電極14の位置で風速略1.4m/secである風を放電電極14の近傍に送りこんだ。放電電極14の近傍から発生するイオンは、送風ファン12が発生する風によって空間中に送出される。
イオン発生濃度の測定には、(株)ダン科学製空気イオンカウンタ(型番83−1001B−II)を用いた。イオン発生装置18から、上述したようにイオンを発生させ、放電電極14から送風方向に50cm離れた位置で検出される移動度1cm2 /Vsec以上の小イオンの濃度を測定した。
発生オゾン濃度の測定には、荏原実業(株)製オゾンモニター(型番EG−2001F)を用い、発生NOx濃度の測定には、(株)堀場製作所製窒素酸化物濃度測定装置(型番APNA−360)を用いた。
まず、イオン発生装置18を幅11cm×高さ7cm×長さ50cmのステンレス製容器の中に入れ、上述した方法でイオンを発生させた。ステンレス製容器の長手方向の一端に外径6mm、内径4mmのテフロン(登録商標)チューブを接続し、テフロン(登録商標)チューブを通してステンレス製容器内部の空気がオゾンモニタと窒素酸化物濃度測定装置にそれぞれ毎分1.5リットル、毎分1.3リットルの速度で吸引された。ステンレス製容器の長手方向の他端の幅11cm×高さ7cmの面に直径2cmの開口を3個設け、これらの開口を通してステンレス製容器の外部の空気が内部へ毎分2.8リットルの速度で供給された。
このようにすることで、イオン発生装置18の運転により発生するオゾン及びNOxのほぼ全量が、テフロン(登録商標)チューブを通してオゾンモニタ及び窒素酸化物濃度測定装置に吸引される。したがって、発生オゾン濃度及び発生NOx濃度の測定値からオゾン発生量及びNOx発生量を知ることができる。
表1は、本実施例に係るイオン発生装置18のイオン発生濃度、オゾン発生量、及びNOx発生量を測定した結果を示す表である。
Figure 2006066229
本実施例に係るイオン発生装置18と対比すべく、従来のイオン発生装置についても同様にイオン発生濃度、オゾン発生量、NOx発生量を測定する。図8は、絶縁体16により放電電極14の周縁部を被覆しないようにすること以外、上述した実施例に係るイオン発生装置18と同様の方法で製造した、従来のイオン発生装置38を備える空気調節装置31の概略構造を示す模式平面図である。空気調節装置31は、送風ファン32の下流側に、平板状の誘電体基板33と、誘電体基板33を挟んで対向して配置した放電電極34及び対向電極35と、電圧印加手段37とで構成したイオン発生装置38を備えている。
また図9は、図8のIX−IX線部における断面図である。イオン発生装置38の対向電極35を接地し、放電電極34に図6に示す電圧波形a、又は図7に示す電圧波形bを有する電圧を印加し、上記実施例と同様の方法でイオンを発生させた。
表2は、従来のイオン発生装置において上記実施例に係るイオン発生装置と同様の方法で測定したイオン発生濃度、オゾン発生量、NOx発生量の結果を示す表である。
Figure 2006066229
表1及び表2を対比した場合に明らかなように、本実施例において放電電極14の周縁部のみを絶縁体16で被覆することにより、絶縁体16で被覆しない場合と比較してイオン発生濃度は大きく低下していないのに対し、オゾン発生量及びNOx発生量は大幅に低減することができ、本発明の効果が実証できた。
本発明によれば、オゾン、NOx等の副生成物の発生を抑制するイオン発生装置、及びこれを用いた空気調節装置を提供することができる。
本発明の実施の形態1に係る空気調節装置の概略構造を示す模式平面図である。 本発明の実施の形態1に係る空気調節装置に備えるイオン発生装置の構成を示すII−II線部における断面図である。 本発明の実施の形態1に係る空気調節装置に備えるイオン発生装置の他の構成を示すIII−III線部における断面図である。 本発明の実施の形態2に係る空気調節装置の概略構造を示す模式平面図である。 本発明の実施の形態2に係る空気調節装置に備えるイオン発生装置の構成を示すV−V線部における断面図である。 本実施例において印加された電圧の波形を示す図である。 本実施例において印加された電圧の波形を示す図である。 従来のイオン発生装置を備える空気調節装置の概略構造を示す模式平面図である。 従来のイオン発生装置のIX−IX線部における断面図である。
符号の説明
11、21、31 空気調節装置
12、22、32 送風ファン
13、23、33 誘電体基板
14、24、34 放電電極
15、25、35 対向電極
16、29 絶縁体
17、27、37 電圧印加手段
18、28、38 イオン発生装置
19 絶縁体被膜

Claims (6)

  1. 誘電体基板の表面に格子状の放電電極、及び前記誘電体基板を挟み前記放電電極と対向する面状の対向電極を備えるイオン発生装置において、
    前記放電電極は、周縁部を絶縁体で被覆してあることを特徴とするイオン発生装置。
  2. 前記放電電極は、表面を第1の絶縁体で被覆し、該第1の絶縁体の周縁部を第2の絶縁体で被覆してあることを特徴とする請求項1記載のイオン発生装置。
  3. 前記放電電極は、周縁部を第1の絶縁体で被覆し、表面を第2の絶縁体で被覆してあることを特徴とする請求項1記載のイオン発生装置。
  4. 誘電体基板の表面に格子状の放電電極、及び前記誘電体基板を挟み前記放電電極と対向する面状の対向電極を備えるイオン発生装置において、
    前記放電電極の周縁長は、前記対向電極の周縁長よりも長いことを特徴とするイオン発生装置。
  5. 前記放電電極は、金(Au)を主成分とする材料を用いてなることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のイオン発生装置。
  6. 請求項1乃至5のいずれか一項に記載のイオン発生装置を備え、正イオン及び負イオン、又はいずれか一方を空気中に送出することを特徴とする空気調節装置。
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