JPH08217124A - 脱酸素剤装着キャップ - Google Patents

脱酸素剤装着キャップ

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JPH08217124A
JPH08217124A JP7020290A JP2029095A JPH08217124A JP H08217124 A JPH08217124 A JP H08217124A JP 7020290 A JP7020290 A JP 7020290A JP 2029095 A JP2029095 A JP 2029095A JP H08217124 A JPH08217124 A JP H08217124A
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JP
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container
oxygen
oxygen scavenger
cap body
breathable
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JP7020290A
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English (en)
Inventor
Futoshi Nakatani
太 中谷
Masateru Osada
昌輝 長田
Hideyuki Takahashi
秀之 高橋
Minoru Okada
岡田  稔
Kohei Shirota
幸平 代田
Soichi Nozawa
壮一 野沢
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Kirin Brewery Co Ltd
Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
Original Assignee
Kirin Brewery Co Ltd
Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 容器内の気密性を維持するとともに、耐液性
に優れ、簡単かつ低コストで製造することが可能な脱酸
素剤装着キャップを提供する。 【構成】 容器に装着されるキャップ本体11と、キャ
ップ本体11の容器側内面11Aに配設されるシート状
脱酸素剤12と、シート状脱酸素剤12を包囲してシー
ト状脱酸素剤12を容器側内面11Aに固定する通気性
部材13と、を備えて構成し、通気性部材13の周縁部
を容器側内面11Aに融着した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、脱酸素剤が装着された
キャップに係わり、特に、液状物質を保存する容器に好
適に適用される脱酸素剤装着キャップに関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、食品や医薬品等を包装して保
存する際に、これらの物の品質や鮮度を維持する目的で
脱酸素剤が用いられる。この脱酸素剤は、通常、通気性
部材で包装された形態の脱酸素剤包装体として容器内に
食品等と一緒に同封される。
【0003】脱酸素剤は、容器内の食品等を品質劣化、
風味劣化、あるいは虫害等から保護するため、また、酸
素の存在が好まれないような場合に使用され、包装系内
の酸素を除くことにより被包装物である食品等の保存性
を向上させる。
【0004】脱酸素剤を使用する場合、密封した包装で
あることを要し、包装形態としては、例えば、プラスチ
ック製の袋や容器の開口部をヒートシールによって密封
する形態や、袋や容器の開口部に栓や蓋をすることによ
って密封する形態等が挙げられる。
【0005】この場合、包装内で脱酸素剤が固定されて
いないと、同封した脱酸素剤と保存される食品等とが混
在し、両者を一緒に直接食したり、あるいは一緒に誤っ
て調理したりするおそれがある。そこで、脱酸素剤の存
在に異物感を感じたりすることがないようにもするた
め、包装袋や容器内に脱酸素剤を固定することが行われ
ている。
【0006】脱酸素剤の固定方法としては、例えば、接
着剤、ホットメルト剤、両面テープ等によって包装袋、
容器等の内部壁面に脱酸素剤を貼着する方法や、包装
袋、容器等の内部に脱酸素剤収納部を設けて脱酸素剤を
収納する方法がある。
【0007】容器の場合には、蓋部に脱酸素剤を装着す
るのが使用上都合がよく、蓋本体に脱酸素剤を収納また
は貼着して蓋本体と脱酸素剤とを一体化する方法、脱酸
素剤収納部を設けた内蓋を設ける方法、パッキングに脱
酸素剤を収納または貼着してパッキングと脱酸素剤とを
一体化する方法等、多くの方法が提案されているが、狭
小な蓋部に脱酸素剤を装着するため様々な問題がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】瓶等の容器におけるキ
ャップに脱酸素剤を装着することも行われているが、狭
小な箇所に脱酸素剤を装着しなければならないために、
かえって容器の気密性を損なったり、構造が複雑で取扱
いも煩雑となり、かつ生産性も低く高コストになるとい
う問題がある。
【0009】さらに、水分、油分、あるいはアルコール
分等の液体、粘性個体等の液状体の食品等を収容する容
器の場合、高温の状態で容器内に充填されることも多
く、脱酸素剤を装着したキャップを使用すると、しばし
ば脱酸素剤を被覆する部材を通して液体が浸み込み脱酸
素性能を低下させたり、脱酸素剤から錆が発生する等の
問題がある。このため、液体を収容する容器に好適に適
用できる脱酸素剤装着キャップは、必ずしも存在しない
のが現状である。
【0010】本発明は、このような従来技術の問題点を
解決することを課題とするものであり、容器の気密性を
維持できると共に、耐液性に優れ、簡単かつ低コストで
製造することが可能な脱酸素剤装着キャップを提供する
ことを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、本発明に係わる脱酸素剤装着キャップは、容器用の
キャップ本体と、このキャップ本体の容器側内面に配設
される脱酸素剤と、脱酸素剤を被覆しながら容器側内面
に固定される通気性部材と、を備え、脱酸素剤の周縁外
部において、この通気性部材をキャップ本体の容器側内
面に融着固定しることを特徴とするものである。
【0012】本発明の好適な実施態様は、キャップ本体
の容器側内面に、さらに熱融着性樹脂層を備える。さら
に好適な実施態様は、通気性部材が、熱融着性の通気性
材料の層と、この層の表面に形成されるシリコーン樹脂
の層とからなり、前記脱酸素剤の周縁外部において当該
通気性材料を熱融着して固定する際、通気性材料の側端
面を非通液性になるようにする。前記脱酸素剤は、シー
ト状脱酸素剤であることが好ましい。このシート状脱酸
素剤は、熱可塑性樹脂に鉄粉系脱酸素剤を混練しシート
化して延伸することにより得られる。
【0013】
【作用】本発明によれば、通気性部材をキャップ本体に
融着しているために、通気性部材をキャップ本体に確実
かつ容易に固定できるとともに、脱酸素剤が通気性部材
によって確実に隔離でき、その結果、容器の気密性を維
持でき、耐液性に優れ、簡単かつ低コストで製造するこ
とが可能な脱酸素剤装着キャップを提供することができ
る。
【0014】キャップ本体の容器側内面に、さらに熱融
着性樹脂層を備えることにより、キャップ本体が金属に
よって構成されている様な場合であっても、通気性部材
をキャップ本体に確実に融着することができる。
【0015】さらに、通気性部材を、熱融着性の通気性
材料の層の表面にシリコーン樹脂の層を形成する構成と
することにより、通気性材料層の全面にわたって、シリ
コーン樹脂の撥水性、撥油性等を起因とする、耐液性を
付与する可能となる。
【0016】通気性部材の周縁部をキャップ本体の容器
側内面に、通気性部材の周縁部に存在する細孔や開孔等
が潰れた状態となるように、融着することによって、通
気性部材の側端面から液体や粘性個体等が浸入すること
を防止し、より通気性部材の耐水性、耐油性を向上する
ことが可能となる。
【0017】本発明に係る脱酸素剤は、キャップ本体の
容器側内面と通気性部材との間に設けられるため、粉
状、粒状、液体状等のように飛散、流出しやすい特性の
ものより、シート状、フィルム状、錠剤状等のように飛
散、流出し難い特性、構造のものが好ましい。最も好ま
しくは、脱酸素剤が熱可塑性樹脂に鉄粉系脱酸素剤を混
練しシート化し延伸してなるシート状脱酸素剤を用いる
ことが良い。
【0018】脱酸素剤をシート状脱酸素剤にすること
で、キャップ本体の容器側内面脱酸素剤を配置すること
が容易となり、その後の通気性部材の積層や、その融着
も容易になる。シート状脱酸素剤は、飛散、流出するこ
とがないため、通気性部材をキャップ本体に融着する際
に、融着部分に脱酸素剤が混入したり、通気性部材の外
に漏洩することがない。また、脱酸素剤の異物感を低減
することもできる。
【0019】脱酸素剤は、酸素を吸収する能力を有する
ものが用いられる。例えば、亜硫酸塩、亜硫酸水素塩、
チオ硫酸塩、亜ニチオン酸塩、ヒドロキノン、カテコー
ル、レゾルシン、ヒロガロール、没食子酸、ロンガリッ
ト、アスコルビン酸および/またはその塩、イソアスコ
ルビン酸および/またはその塩、ソルボース、グルコー
ス、リグニン、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒ
ドロキシアニソール、第一鉄塩、鉄粉等の金属粉等から
選ばれる1種または2種以上を含有する組成物が用いら
れる。この中で、粉状、粒状、液体状のものは、例え
ば、樹脂や紙や布等に混合、練り込み、含浸する等し
て、シート状やフィルム状にしたり、錠剤を成型して用
いられる。
【0020】本発明に係る脱酸素剤装着キャップは、容
器に主として螺着や打栓等されることにより、容器を好
適に気密にして封することができるものであればよく、
例えば、王冠、ツイストオフキャップ、スクリューキャ
ップ、ピルファープルーフキャップ、ラグキャップ、テ
ィアーオフキャップ、リングプルキャップ等の金属クロ
ージャーやプラスチックキャップ等が挙げられる。
【0021】通気性部材は、酸素透過性を有し、脱酸素
剤が食品や医薬品等の被包装物に接触しないようにこれ
を隔離するためのものである。この通気性部材を構成す
る材料としては、例えば、ポリエチレン(PE)、エチ
レンコポリマー、ポリプロピレン(PP)等の有孔フィ
ルムと紙との積層材料や、この積層材料の紙側にポリエ
チレンテレフタレート(PET)/PEの有孔フィルム
や、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)
/PEの有孔フィルム等を積層した材料、PE製、PP
製等の微多孔膜、不織布等が挙げられる。
【0022】また、保存対象製品が水分、油分、アルコ
ール分を多く含む食品や、液体、粘性個体、高温で充填
される食品の場合が多く、これらの食品に使用される場
合には、必要に応じて、さらに耐水性、耐油性等を付与
した構成が通気性部材に適用される。
【0023】有孔フィルムとしては、例えば、前述した
フィルムを針、レーザー光、ダイヤモンド挟圧ロール等
により穿孔したものが挙げられる。また、微多孔膜とし
ては、例えば、ジュラガード(商品名;米国、セラニー
ズ社製)等が挙げられる。また、不織布としては、例え
ば、タイベック(商品名;米国、デュポン社製)等が挙
げられる。また、合成紙としては、例えば、イレブン
(東海パルプ株式会社製)等が挙げられる。
【0024】この通気性部材をキャップ本体の容器側裏
面に融着する際に、その周縁部の細孔や開孔を溶融して
潰し、通気性部材の外側断面(側端面)から水分や油分
やアルコール分等が浸入することを良好に防止するため
に、その秤量が35g/m2以上あることが好ましい。
また、外観上の理由等から、包囲した脱酸素剤を隠蔽し
たい場合には、不透明または印刷等が施された通気性部
材を使用することもできる。
【0025】また、この通気性部材の耐水性および耐油
性をさらに向上する目的で、通気性部材を、熱融着性を
備えた通気性材料層の表面にシリコーン樹脂層を形成し
た構造とする。この構造を採る場合、通気性材料として
は、シリコーン樹脂層より融点の低い材料や、シリコー
ン樹脂層より融点の低い樹脂と他の樹脂との積層材料、
不織布、微多孔膜、有孔フィルム、合成紙から選ばれる
一種または二種以上の貼り合わせからなる材料から構成
されたものが挙げられる。
【0026】また、通気性部材を融着する際に、高速シ
ール化を可能にし、包装作業性を向上させることが可能
な通気性材料としては、シリコーン樹脂層を溶融させ
ず、当該通気性材料のみを溶融する材料、すなわち、シ
リコーン樹脂より融点の低い樹脂が挙げられる。具体的
には、例えば、低温で熱融着シールが可能なポリエチレ
ン、エチレン−酢酸ビニル共重合体やエチレンーアクリ
ル酸共重合体等のエチレンコポリマー、ポリプロピレン
等が挙げられる。
【0027】通気性材料層は、シリコーン樹脂層が形成
されても充分な通気性を備えることが好ましい。このた
めに、この通気性材料層を、酸素透過度が、好ましくは
50000cc/m2・24Hr・atm以上、さらに
好ましくは100000cc/m2・24Hr・atm
以上である通気性材料から構成することがよい。また、
ガーレー透気度として、好ましくは50000秒以上で
あることが望まれる。
【0028】また、シリコーン樹脂としては、例えば、
ジメチルポリシロキサン、メチルビニルポリシロキサン
等のオルガノポリシロキサンの架橋体、またはオルガノ
ポリシロキサンとポリオレフィンとの共重合体等が用い
られる。このオルガノポリシロキサンとポリオレフィン
との共重合体は、通気性材料層との接着性を向上すると
ともに、接着の強度も得られ特に良好である。また、シ
リコーン樹脂には、顔料やその他の助剤を添加してもよ
い。
【0029】通気性材料層にシリコーン樹脂層を形成す
る方法は、特に限定されるものではない。例えば、通気
性材料層にシリコーン樹脂を塗布する方法や、通気性材
料層にシリコーン樹脂層を貼り合わせる方法等が挙げら
れる。通気性材料層にシリコーン樹脂を塗布する場合に
は、通気性材料層にシリコーン樹脂が浸透して溶融シー
ル性が損なわれることを防止するために、高粘度なシリ
コーン樹脂を用いることが望ましい。具体的には、10
00cP以上の粘度、さらに好ましくは、5000cP
以上の粘度を有するシリコーン樹脂を使用することが好
適である。
【0030】また、シリコーン樹脂を通気性材料層に塗
布した後、加熱してシリコーン樹脂を架橋させることに
より、シリコーン樹脂層と通気性材料層との接着強度を
さらに向上できる。
【0031】一方、通気性材料層に、例えば、シリコー
ン樹脂層を貼り合わせる場合には、接着剤を使用するこ
となく、シリコーン樹脂層と通気性材料層を重ね合わ
せ、シリコーン樹脂を架橋させることにより両者を接着
することができる。また、接着剤を使用して両者を貼り
合わせる場合には、通気性の接着剤を使用するか、接着
剤のパターンコートを形成する等の方法により、接着剤
による酸素透過性の低下を防止すれば良い。
【0032】シリコーン樹脂層は、孔(ピンホール)の
ない膜状に形成する必要があり、その膜厚は、好ましく
は200μm以下、さらに好ましくは5〜100μm程
度にする。シリコーン樹脂層の膜厚が厚くなり過ぎる
と、酸素透過性が低くなり、脱酸素剤の酸素吸収速度が
遅くなる。一方、シリコーン樹脂層の膜厚が薄くなり過
ぎると、ピンホールが形成され易くなり、耐水性及び耐
油性が低下する。また、ピンホールが形成されなかった
としても、膜強度が低下し、取扱い時の衝撃により破断
したりピンホールが開いたりする。
【0033】通気性部材を融着する態様としては、熱融
着の他、超音波や高周波等により溶融させて融着する
等、特に限定されるものではない。
【0034】なお、通気性部材として、例えば、通気性
材料とシリコーン樹脂とを混合し、両者を一体に構成し
た構造のものを使用しても良い。
【0035】キャップ本体の容器側内面に形成される熱
融着性樹脂層を構成する材料としては、例えば、ポリエ
チレンまたはポリエチレンコポリマーを溶融または溶融
状態で酸化することにより得られる酸化ポリエチレンが
挙げられる。この酸化ポリエチレンは、酸素含有率が
0.1〜10%のものが好適に使用される。また、酸化
ポリエチレンは、単独で使用してもよく、酸化ポリエチ
レンと他の相溶性樹脂との混合物として使用してもよ
い。他の相溶性樹脂としては、例えば、容器キャップシ
ェルのラッカーのベヒクルとして通常使用されている熱
硬化性樹脂または熱可塑性樹脂を用いることができる。
さらに具体的には、例えば、フェノール樹脂、エポキシ
樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、アルキド樹脂、アクリ
ル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル
−酢酸ビニル−マレイン酸共重合体等が挙げられる。こ
れらは、単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせ
て使用してもよい。そして、この中でも、フェノール−
エポキシ樹脂、フェノール−エポキシ−ビニル樹脂が特
に好ましい。この熱融着性樹脂層は、前述した樹脂をキ
ャップ本体の容器側内面に塗布して単に乾燥しただけで
も用いることができるが、130℃以上、好ましくは1
50〜200℃程度の温度で焼き付け処理することによ
りヒートシール性を向上させることができる。
【0036】
【実施例】次に、本発明に係わる実施例について図面を
参照しながら説明する。
【0037】図1は、本発明の実施例に係る脱酸素剤装
着キャップの断面図である。
【0038】図1に示す脱酸素剤装着キャップ10は、
ガラス瓶等の市販の容器に螺着されるキャップ本体11
と、キャップ本体11の容器側内面11Aに形成された
熱融着性樹脂層14と、容器側内面11Aに熱融着性樹
脂層14を介して配設されるシート状脱酸素剤12と、
通気性部材13とを備える。この通気性部材は、シート
状脱酸素剤12を包囲して容器内容物から隔離し、しか
もこの脱酸素剤をキャップ本体11の容器側内面11A
に固定する。
【0039】キャップ本体11の容器側内面11Aの周
縁部には、容器へ嵌めた際に良好な気密性を得るための
クッションライナー15が周設されている。
【0040】キャップ本体11の容器側内面11Aに、
熱融着性樹脂として酸化ポリエチレンとフェノール−エ
ポキシ樹脂との混合物を塗布した後、185℃で乾燥
し、熱融着性樹脂層14を形成する。
【0041】次に、熱融着性樹脂層14表面の略中央部
に、ポリエチレンに鉄粉を練り込んだシート状脱酸素剤
12(直径10mm)を載置する。
【0042】次いで、通気性材料層13Aを構成する材
料としてタイベック(商品名;米国、デュポン社製)を
用い、この通気性材料層13Aの表面に、シリコーン樹
脂を塗布し、シリコーン樹脂層13Bを形成する。
【0043】次に、この通気性材料層13Aにシリコー
ン樹脂層13Bを形成した構造の通気性部材13(直径
20mm)を、シリコーン樹脂層13B側が容器側にな
るようにして、シート状脱酸素剤12を囲むように配置
する。
【0044】次に、通気性材料層13Aの周縁部30が
溶融するまで、当該層13Aをキャップ本体11に熱圧
着し(熱圧着条件;170℃、2Kg/cm2,1
秒)、キャップ本体11の容器側内面11Aに融着させ
る。この時、通気性材料層13Aの溶融により、周縁部
分30に存在している細孔や開孔を潰すことができる。
また、熱融着性樹脂層14も溶融するため、通気性材料
層13Aをさらに確実にキャップ本体11の容器側内面
11Aに固定する。
【0045】また、シリコーン樹脂層13Bによって通
気性樹脂層13Aを被覆することにより、通気性樹脂層
13Aの全面にわたって撥水性、撥油性の特性を付与で
き、容器内の水分、油分やアルコール分等が、たとえ、
容器を転倒させた場合でも通気性樹脂層13Aに浸入し
ないようにできる。この結果、通気性部材13の耐水性
および耐油性を向上することができ、脱酸素剤の脱酸素
性能が低下したり、錆が発生したりすることを防止でき
る。
【0046】また、クッションライナー15としては、
塩化ビニル製のものを使用し、公知の方法により固定し
た。なお、このクッションライナーの材質としては、塩
化ビニルの他、ポリオレフィン等を用いることができ
る。
【0047】なお、シート状脱酸素剤12及び通気性部
材13を、キャップ本体11の容器側内面11Aに、既
述の方法により設けるに当たり、キャップ本体11の容
器側内面11Aを平面状に開放された形態にすることに
より、シート状脱酸素剤12、通気性部材13の配設作
業を簡単に行うことができるとともに、通気性部材13
を確実に融着することができる。
【0048】(実施例1)次に、市販のなめ茸(ガラス
瓶詰め、塩化ビニル製クッションライナー付きスクリュ
ーキャップ使用、180g入り)のキャップに、先に説
明した方法によりシート状脱酸素剤及び通気性部材を配
設した。
【0049】次に、このシート状脱酸素剤装着キャップ
を、なめ茸が収容されているガラス瓶に被せた後、この
ガラス瓶を倒置し、90℃の温度で1時間加熱した。こ
の加熱後、ガラス瓶を正置し、25℃の温度で7日間保
存した。
【0050】7日後、ガラス瓶の上部に形成されている
空間(ヘッドスペース)の酸素濃度をガスクロマトグラ
フィーにて分析した。また、このガラス瓶に収容されて
いるなめ茸の外観、シート状脱酸素剤及び通気性部材の
外観を観察した。この結果を表1に示す。
【0051】(比較例1)次に、比較例として、実施例
1と同様のなめ茸のガラス瓶詰めを使用し、キャップに
シート状脱酸素剤及び通気性部材を装着しない以外は実
施例1と同様の方法により、当該ガラス瓶の上部に形成
されている空間(ヘッドスペース)の酸素濃度をガスク
ロマトグラフィーにて分析した。また、このガラス瓶に
収容されているなめ茸の外観を観察した。この結果を表
1に示す。
【0052】
【表1】
【0053】表1から、実施例1は比較例1と比べ、ガ
ラス瓶の上部に形成されている空間の酸素濃度が極めて
低いことが判る。これは、シート状脱酸素剤により、こ
の部分の酸素が効率よく吸収されたことを示している。
また、比較例1は、なめ茸の外観が褐色に変化している
のに対し、実施例1は、なめ茸の外観に何ら変化が発生
せず、良好な保存が行われたことが判る。
【0054】さらに、実施例1は、シート状脱酸素剤及
び通気性部材の外観にも変化が見られなかったことが判
る。これは、通気性部材の耐水性及び耐油性が向上し、
シート状脱酸素剤に水分や油分等が付着することが防止
されたためである。
【0055】なお、本実施例では、キャップ本体11の
容器側内面11Aに、熱融着性樹脂層14を形成した場
合について説明したが、これに限らず、通気性材料層1
3Aを熱融着性樹脂から構成すれば、熱融着性樹脂層1
4を必ずしも必要としない。また、通気性材料層13A
が、超音波や高周波等により溶融されて融着する特性を
備えている場合も同様である。
【0056】そしてまた、通気性材料層に、たとえ熱融
着性がなくても、熱融着性樹脂層14を溶融させること
により、キャップ本体11の容器側内面11Aに通気性
部材13の脱酸素剤の周縁外部に対応する部分を結果的
に熱融着させることができる。
【0057】
【発明の効果】 以上説明したように、本発明によれ
ば、通気性部材をキャップ本体に融着しているために、
通気性部材をキャップ本体に確実かつ容易に固定できる
とともに、脱酸素剤が通気性部材によって確実に隔離で
き、その結果、容器の気密性を維持でき、耐液性に優
れ、簡単かつ低コストで製造することが可能な脱酸素剤
装着キャップを提供することができる。
【0058】また、キャップ本体の容器側内面に熱融着
性樹脂層を形成することにより、キャップ本体が金属に
よって構成されていても、通気性部材をより確実に融着
することができる。
【0059】そしてまた、通気性部材が、通気性材料層
にシリコーン樹脂層を形成した構造を備えることによ
り、通気性部材の耐液性を通気性部材の全面にわたって
付与することができる。
【0060】さらにまた、脱酸素剤としてシート状脱酸
素剤を用いることにより、通気性部材の融着部分に脱酸
素剤が混入したり、通気性部材外に脱酸素剤が漏洩する
ことを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る脱酸素剤装着キャップの
断面図である。
【符号の説明】
10 キャップ 11 キャップ本体 12 シート状脱酸素剤 13 通気性部材 14 熱融着性樹脂層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高橋 秀之 東京都葛飾区新宿6丁目1番1号 三菱瓦 斯化学株式会社東京工場内 (72)発明者 岡田 稔 神奈川県横浜市鶴見区生麦1丁目17番1号 麒麟麦酒株式会社横浜工場内 (72)発明者 代田 幸平 神奈川県横浜市鶴見区生麦1丁目17番1号 麒麟麦酒株式会社横浜工場内 (72)発明者 野沢 壮一 長野県松本市芳川村井町223番地 株式会 社ナガノトマト内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 容器用のキャップ本体と、このキャップ
    本体の容器側内面に配設される脱酸素剤と、この脱酸素
    剤を被覆しながら前記キャップ本体の容器側内面に固定
    される通気性部材と、を備え、前記脱酸素剤の周縁外部
    において前記通気性部材を前記キャップ本体の容器側内
    面に融着固定してなる脱酸素剤装着キャップ。
  2. 【請求項2】 前記キャップ本体の容器側内面に熱融着
    性樹脂層を形成してなる請求項1記載の脱酸素剤装着キ
    ャップ。
  3. 【請求項3】 前記通気性部材が、熱融着性の通気性材
    料層と、この通気性材料層表面に形成されたシリコーン
    樹脂層とからなり、前記通気性材料層の側端面を非通液
    性となるように、当該通気性材料層を前記キャップ本体
    に熱融着する請求項1または請求項2記載の脱酸素剤装
    着キャップ。
  4. 【請求項4】 前記脱酸素剤がシート状脱酸素剤である
    請求項1乃至3のいずれか一項記載の脱酸素剤装着キャ
    ップ。
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