JPH08215965A - バイス - Google Patents

バイス

Info

Publication number
JPH08215965A
JPH08215965A JP5045195A JP5045195A JPH08215965A JP H08215965 A JPH08215965 A JP H08215965A JP 5045195 A JP5045195 A JP 5045195A JP 5045195 A JP5045195 A JP 5045195A JP H08215965 A JPH08215965 A JP H08215965A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
support portion
vise
fixed support
movable support
hydraulic pressure
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP5045195A
Other languages
English (en)
Inventor
Ichiro Kitaura
一郎 北浦
Takayuki Kawakami
孝幸 川上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Aioi Seiki Inc
Original Assignee
Aioi Seiki Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Aioi Seiki Inc filed Critical Aioi Seiki Inc
Priority to JP5045195A priority Critical patent/JPH08215965A/ja
Publication of JPH08215965A publication Critical patent/JPH08215965A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Gripping Jigs, Holding Jigs, And Positioning Jigs (AREA)
  • Jigs For Machine Tools (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 手動にて軽く固定後油圧により強固に固定で
きるようなバイスを提供することである。 【構成】 バイスVは、バイス本体1と、バイス本体1
に固定的に設けられた固定支持部5と、この固定支持部
5に対向し固定支持部5に対して接近・隔離自在の可動
支持部10と、バイス本体1に対して可動支持部10を
接近・隔離方向へのみ移動自在に案内するガイド機構1
9と、可動支持部10の左側においてバイス本体1に固
定的に設けられた油圧シリンダ20と、操作駆動用軸部
材35等で構成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ワークを固定支持する
為のバイスに関し、特に、製作コストを低減でき、操作
性を向上できるように改善したバイスに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、ワークに機械加工、その他の
加工や処理を施す為に、加工対象のワークを固定する為
のバイスが実用化されている。一般に、バイスは、バイ
ス本体と、バイス本体に固定された固定支持部と、この
固定支持部に対向状に配設され、かつ固定支持部に対し
て接近・隔離する方向へ移動自在に案内された可動支持
部と、可動支持部を移動自在に案内するガイド機構と、
可動支持部を移動駆動する駆動手段等で構成され、ワー
クを固定支持部と可動支持部間にセットし、駆動手段で
可動支持部を固定支持部に接近移動させて、ワークを固
定支持部と可動支持部間に固定するようになっている。
【0003】前記駆動手段としては、手動によりネジ機
構を介して可動支持部を駆動する手動駆動機構や、油圧
シリンダで可動支持部を移動駆動する油圧駆動機構等が
用いられる。手動駆動方機構は、スクリュー軸部を有す
る軸部材と、可動支持部に形成した雌ネジ孔等からなる
ネジ機構等で構成されたり、或いは、バイス本体に形成
した雌ネジ孔にスクリュー軸部を挿通螺合させ、軸部材
の先端部を可動支持部に連結してなる構造のもある。前
記軸部材を手動で回動させると、可動支持部が固定支持
部に対して相対的に接近又は離隔するように移動駆動さ
れる。前記油圧駆動機構は、可動支持部の移動ストロー
クと略等しいストロークの油圧シリンダのピストンロッ
ドの先端部を可動支持部に連結し、この油圧シリンダを
外部の油圧供給源に接続し、油圧シリンダにより可動支
持部を駆動するように構成してある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、手動駆動機構
を備えたバイスでは、手動により軸部材を回動してワー
ク固定するため、ワークを固定する押圧力を十分に高め
ることが難しいこと、切削加工時ワークの位置ズレが生
じて加工精度を確保しにくいこと等の問題がある。油圧
駆動機構を備えたバイスでは、油圧設定を介して所望の
押圧力でワークを固定できる反面、可動支持部の移動ス
トローク以上の長さの大型の油圧シリンダを設けるため
バイスが大型化すること、設備コストが高価になるこ
と、等の問題がある。
【0005】更に、油圧駆動機構を備えたバイスでは、
油圧シリンダで可動支持部を駆動するので、ワークを両
支持部間にセットしてから固定するまでの間、ワークを
所期の位置・姿勢に保持しておく必要があるので作業者
の作業負荷が増大すること、押圧力は油圧の設定圧で決
まるため押圧力の調節や微調節が容易でなく、押圧力を
切換える為には供給油圧を切換え可能な油圧供給源が必
要となること、油圧のリーク等で不意に固定解除される
ことがあること等の問題がある。そして、油圧供給源に
接続する為の油圧ホース等が邪魔になるため、油圧供給
源に接続することなく、油圧シリンダに油圧を供給可能
に構成することが望ましい。本発明の目的は、手動にて
軽く固定後油圧により強固に固定できるようなバイスを
提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1のバイスは、バ
イス本体と、バイス本体に固定された固定支持部と、こ
の固定支持部に対向し固定支持部に対して接近・隔離自
在の可動支持部と、バイス本体に対して可動支持部を前
記接近・隔離方向へのみ移動自在に案内するガイド機構
とを備えたバイスにおいて、前記可動支持部に対して固
定支持部と反対側においてバイス本体に固定的に設けら
れ、ピストン部材を前記接近方向へ駆動可能な油圧シリ
ンダと、前記油圧シリンダのピストン部材にその軸方向
向きに全長に亙って形成された雌ネジ孔と、前記雌ネジ
孔に挿通状に螺合されたスクリュー軸部と、外側端部に
形成された手動操作用ノブとを有し、内側端部が可動支
持部に回転自在に連結された操作駆動用軸部材とを備え
たものである。
【0007】請求項2のバイスは、バイス本体と、バイ
ス本体に固定された固定支持部と、この固定支持部に対
向し固定支持部に対して接近・隔離自在の可動支持部
と、バイス本体に対して可動支持部を前記接近・隔離方
向へのみ移動自在に案内するガイド機構とを備えたバイ
スにおいて、前記可動支持部に対して固定支持部と反対
側においてバイス本体に固定的に設けられ、ピストン部
材を前記接近方向へ駆動可能な油圧シリンダと、前記油
圧シリンダのピストン部材にその軸方向向きに全長に亙
って形成された枢支軸孔と、前記枢支軸孔と同心状に可
動支持部に形成された雌ネジ孔と、前記枢支軸孔に回転
自在に挿通され且つピストン部材に軸方向相対移動不能
に連結された枢支軸部と、この枢支軸部から一体的に伸
びて可動支持部の雌ネジ孔に螺合したスクリュー軸部
と、外側端部に形成された手動操作用ノブとを有する操
作駆動用軸部材とを備えたものである。
【0008】請求項3のバイスは、請求項2の発明にお
いて、前記油圧シリンダは、前記ガイド機構に対向状に
バイス本体の一端部に設けられ、前記操作駆動用軸部材
のスクリュー軸部は、ガイド機構のガイド溝内に配設さ
れたものである。請求項4のバイスは、請求項3の発明
において、前記操作駆動用軸部材のスクリュー軸部は、
可動支持部の雌ネジ孔を螺合挿通して固定支持部まで伸
び、スクリュー軸部の内端部が固定支持部の枢支穴に回
転自在に支持されたものである。
【0009】請求項5のバイスは、バイス本体と、バイ
ス本体に固定された固定支持部と、この固定支持部に対
向し固定支持部に対して接近・隔離自在の可動支持部
と、バイス本体に対して可動支持部を前記接近・隔離方
向へのみ移動自在に案内するガイド機構とを備えたバイ
スにおいて、前記固定支持部側において前記ガイド機構
に対向状にバイス本体又は固定支持部に固定的に設けら
れ、ピストン部材を前記接近方向へ駆動可能な油圧シリ
ンダと、前記油圧シリンダのピストン部材にその軸方向
向きに全長に亙って形成された枢支軸孔と、前記枢支軸
孔と同心状に可動支持部に全長に亙って形成された雌ネ
ジ孔と、前記枢支軸孔に回転自在に挿通され且つピスト
ン部材に軸方向相対移動不能に連結された枢支軸部と、
この枢支軸部から可動支持部側へ一体的に伸びて可動支
持部の雌ネジ孔に螺合したスクリュー軸部と、外側端部
に形成された手動操作用ノブを有する操作駆動用軸部材
とを備えものである。
【0010】請求項6のバイスは、請求項1〜請求項5
の何れか1項の発明において、前記油圧シリンダに油圧
を供給する油圧供給手段であって、前記油圧シリンダに
接続されるアクチュエータポートと、前記アクチュエー
タポートへの油圧の供給を許すチェック弁と、外部から
操作可能な開弁操作部を備え、この開弁操作部の操作を
介してチェック弁を開弁可能な開弁操作機構と、前記チ
ェック弁を介してアクチュエータポートに通ずる油室
と、この油室の容積を拡大・縮小可能なプランジャ部材
とを備えたポンプ機構と、前記ポンプ機構のプランジャ
部材を外部から油室の油圧上昇方向へ操作可能な昇圧操
作機構とを備えた油圧供給手段を設けたものである。
【0011】請求項7のバイスは、請求項6の発明にお
いて、前記油圧供給手段を各バイスに付設したものであ
る。請求項8のバイスは、請求項6の発明において、前
記油圧供給手段から複数のバイスの油圧シリンダに油圧
を供給するように構成したものである。
【0012】
【発明の作用及び効果】請求項1のバイスにおいては、
バイス本体と、固定支持部と、これに接近・離隔可能な
可動支持部と、可動支持部を接近・離隔方向へのみ移動
可能に案内するガイド機構とを備えたバイスにおいて、
可動支持部に対して固定支持部と反対側において、ピス
トン部材を前記接近方向へ駆動可能な油圧シリンダが、
バイス本体に固定的に設けられ、この油圧シリンダのピ
ストン部材には、雌ネジ孔が形成され、この雌ネジ孔に
操作駆動用軸部材のスクリュー軸部が挿通状に螺合し、
操作駆動用軸部材の内側端部が可動支持部に回転自在に
連結され、操作駆動用軸部材の外側端部には、手動操作
用ノブが形成されている。
【0013】ワークをバイスに固定する際には、可動支
持部を固定支持部に対して隔離させた状態で、可動支持
部と固定支持部との間において固定支持部に当接させ
る。次に、手動操作用ノブを回動して、操作駆動用軸部
材を回動させる。すると、ピストン部材の雌ネジ孔とス
クリュー軸部により、操作駆動用軸部材がピストン部材
に対して軸方向へ移動し、可動支持部が固定支持部に対
して接近する方向へ移動される。
【0014】可動支持部がワークに当接して、ワークは
固定支持部と可動支持部間に軽く挟持状に保持される。
ワークを所期の位置・姿勢に調節してから、油圧シリン
ダを駆動すると、ピストン部材と操作駆動用軸部材と可
動支持部が、前記接近方向へ微小ストローク移動駆動さ
れ、ワークが固定支持部と可動支持部間に所定の押圧力
で固定される。ワークの固定を解除する際には、油圧シ
リンダの油圧を解除すると、ワークの押圧力は、手動操
作による小さな押圧力まで低下するので、その後操作駆
動用軸部材を緩め方向へ回動操作して、可動支持部をワ
ークから離隔させる。
【0015】このバイスによれば、操作駆動用軸部材を
手動にて回動操作することで、ワークを固定支持部と可
動支持部間に軽く押圧保持でき、その後油圧シリンダに
より強固に固定することができるから、軽く押圧保持し
た状態でワークの位置・姿勢を調節後強固に固定でき
る。つまり、ワークを精度良く強固に固定でき、ワーク
の位置ズレを防止でき、ワークを一旦軽く押圧保持後油
圧供給までの間放置できるため作業負荷を軽減できる。
しかも、油圧シリンダは、小ストロークの小型のものに
なるので、バイスを小型、軽量化でき、油圧シリンダや
油圧供給源の小型化によりバイスの製作コストを低減で
き、油圧リークによってもワークの固定が解除されるこ
とがない。また、油圧シリンダへの供給油量も少量で済
むので、油圧ホースを細くし得る。
【0016】請求項2のバイスにおいては、バイス本体
と、固定支持部と、これに接近・離隔可能な可動支持部
と、可動支持部を接近・離隔方向へのみ移動可能に案内
するガイド機構とを備えたバイスにおいて、ピストン部
材を前記接近方向へ駆動可能な油圧シリンダが、可動支
持部に対して固定支持部と反対側においてバイス本体に
固定的に設けられ、この油圧シリンダのピストン部材
に、その軸方向向きに全長に亙って枢支軸孔が形成さ
れ、可動支持部には、雌ネジ孔が枢支軸孔と同心状に形
成されている。枢支軸孔には、操作駆動用軸部材の枢支
軸部が、回転自在に挿通され且つピストン部材に軸方向
相対移動不能に連結され、枢支軸部から一体的に伸びる
スクリュー軸部は、可動支持部の雌ネジ孔に螺合し、操
作駆動用軸部材の外側端部には、手動操作用ノブが形成
されている。つまり、このバイスでは、操作駆動用軸部
材を回動操作した場合に、操作駆動用軸部材は移動せず
に、雌ネジ孔とスクリュー軸部とを介して可動支持部が
移動する。これ以外の作用は請求項1と同様である。
【0017】このバイスにおいては、請求項1と同様の
効果が得られるが、操作駆動用軸部材がバイス本体に対
して移動せず、バイス本体の外側へ大きく突出すること
がないため、バイスの軸方向長さを小さくすることがで
き、バイスを所定のスペースに配置する上で有利であ
る。
【0018】請求項3のバイスにおいては、請求項2と
同様の作用・効果を奏するが、油圧シリンダが、ガイド
機構に対向状にバイス本体の一端部に設けられ、操作駆
動用軸部材のスクリュー軸部が、ガイド機構のガイド溝
内に配設され、ガイド機構の近傍位置において可動支持
部を駆動できるため、可動支持部を円滑に移動駆動でき
る。
【0019】請求項4のバイスにおいては、請求項3と
同様の作用・効果を奏するが、操作駆動用軸部材のスク
リュー軸部は、可動支持部の雌ネジ孔を螺合挿通して固
定支持部まで伸び、スクリュー軸部の内端部が固定支持
部の枢支穴に回転自在に支持されているので、可動支持
部を固定支持部に当接するまで移動できるから、薄いワ
ークや小型のワークを固定するのに適している。
【0020】請求項5のバイスにおいては、請求項2の
バイズとほぼ同様の構成であるが、油圧シリンダが、固
定支持部側においてガイド機構に対向状に、バイス本体
又は固定支持部に固定的に設けられている点で請求項2
と異なるだけであるので、基本的に請求項2と同様の作
用・効果を奏するうえ、固定支持部側のバイス本体又は
固定支持部のデットスペースを有効活用して油圧シリン
ダを配設できる。
【0021】請求項6のバイスにおいては、油圧シリン
ダに接続されるアクチュエータポートと、前記アクチュ
エータポートへの油圧の供給を許すチェック弁と、外部
から操作可能な開弁操作部を備え、この開弁操作部の操
作を介してチェック弁を開弁可能な開弁操作機構と、チ
ェック弁を介してアクチュエータポートに通ずる油室
と、この油室の容積を拡大・縮小可能なプランジャ部材
とを備えたポンプ機構と、ポンプ機構のプランジャ部材
を外部から油室の油圧上昇方向へ操作可能な昇圧操作機
構とを備えた油圧供給手段が設けられている。
【0022】ここで、油圧シリンダに油圧を供給する場
合には、昇圧操作機構を操作し、ポンプ機構のプランジ
ャ部材を油圧上昇方向へ操作すると油圧が発生し、その
油圧がチェック弁とアクチュエータポートを通って油圧
シリンダへ供給される。この油圧は昇圧操作機構を操作
する操作力に応じた所望の圧力となる。そして、油圧シ
リンダの油圧は、チェック弁により逆止され保持され
る。次に、油圧シリンダの油圧を解除する場合には、開
弁操作機構の開弁操作部を外部から操作してチェック弁
を開弁すると、アクチュエータポートからポンプ機構の
油室に油圧が逆流するため油圧シリンダの油圧を開放で
きる。
【0023】このように、油圧供給手段により、チェッ
ク弁により油圧シリンダの油圧を保持でき、開弁操作機
構により油圧シリンダの油圧をポンプ機構の油室へ開放
でき、昇圧操作機構によりポンプ機構を駆動して、所望
の圧力の油圧を発生させ、油圧シリンダに供給できる。
従って、油圧供給手段をバイスに付設すれば、外部の油
圧供給源に接続せずに油圧シリンダに油圧を給排するこ
とができる。油圧シリンダのストロークは小さいため、
油圧供給手段の吐出量は極く少量でよいから、油圧供給
手段を駆動する負荷は余り大きくならない。
【0024】請求項7のバイスにおいては、請求項6と
同様の作用・効果を奏するが、前記油圧供給手段を各バ
イスに付設したので、各バイスの油圧シリンダを独立に
駆動することができ、更に、前記油圧供給手段を小型に
構成できるため、油圧供給手段を各バイスに付属的に取
付けたり、バイス内に組込むこともできる。
【0025】請求項8のバイスにおいては、請求項6と
同様の作用・効果を奏するが、前記油圧供給手段から複
数のバイスの油圧シリンダに油圧を供給するように構成
したので、前記油圧供給手段により、各バイスに挟持状
に保持されている複数のワークを一度に固定することが
できる。この場合、各バイスの油圧シリンダのストロー
クは非常に小さいため、複数の油圧シリンダへの油の吐
出量も大量にならず、複数の油圧シリンダに油圧を供給
するにもかかわらず、油圧供給手段を小型に構成するこ
とができる。
【0026】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。但し、本実施例に係るバイスは、機械加工
に供するワークを固定支持する為のバイスに本発明を適
用した場合の一例である。図1〜図3に示すように、バ
イスVは、バイス本体1と、バイス本体1に固定的に設
けられた固定支持部5と、この固定支持部5に対向し固
定支持部5に対して接近・隔離自在の可動支持部10
と、バイス本体1に対して可動支持部10を接近・隔離
方向へのみ移動自在に案内するガイド機構19と、可動
支持部10の左側においてバイス本体1に固定的に設け
られた油圧シリンダ20と、操作駆動用軸部材35等で
構成されている。
【0027】先ず、バイス本体1、固定支持部5、可動
支持部10について説明する。図1〜図3に示すよう
に、バイス本体1には、下方開放状のガイド溝2が左右
方向向きに形成され、バイス本体1右端上部には、固定
支持部5が4本のボルト8により固定されている。固定
支持部5の左端部には、クランプヘッド6が複数のボル
トで固定されている。可動支持部10には、バイス本体
1の上端面に摺動自在に当接する摺動面11と脚部12
とが設けられ、この脚部12がバイス本体1のガイド溝
2に係合しており、可動支持部10は、ガイド機構19
により、固定支持部5に対して接近・隔離方向へのみ移
動自在に案内されている。
【0028】ここで、ガイド機構19は、バイス本体1
のガイド溝2と、可動支持部10の脚部12とで構成さ
れ、可動支持部10の右端部には、クランプヘッド14
が複数のボルトで固定され、可動支持部10の後部上段
部には、T溝13が前後方向向きに形成され、このT溝
13の中央部に、操作駆動用軸部材35の左端部の連結
部38が回動自在に連結されている。尚、バイス本体1
には、バイスVを外部の盤面に固定するボルトの為の4
個のボルト孔が形成されている。
【0029】油圧シリンダ20について説明する。図1
に示すように、油圧シリンダ20は、シリンダ本体21
と、ピストン部材22と、蓋部材25と、スプリング2
4等で構成され、シリンダ本体21は、バイス本体1の
左端上部に、2本のボルト30により固定されている。
尚、Oリング26,27とダストシールを兼ねる回動規
制用リング部材28も設けられている。ピストン部材2
2はスプリング24により左方向へ付勢され、ピストン
部材22には、雌ネジ孔23がその軸方向向きに全長に
亙って形成され、シリンダ本体21とピストン部材22
との間には、油室22aが設けられ、この油室22a
は、油圧供給通路によりシリンダ本体21に形成された
油圧供給ポート29に接続され、油圧供給ポート29に
は油圧供給源から伸びる油圧ホースが接続される。 前
記ピストン部材22のシリンダ本体21に対する回動を
禁止する回動規制機構は、シリンダ本体21に固定され
た回動規制用リング部材28の凸条をピストン部材22
の外周の軸方向溝に係合させて構成されている。
【0030】操作駆動用軸部材35について説明する。
操作駆動用軸部材35は、スクリュー軸部36と、その
左端部の手動操作用ノブ37と、スクリュー軸部36右
端部の連結部38であって、スクリュー軸部36より大
径の連結部38とからなり、操作駆動用軸部材35は、
バイス本体1の約1/3の長さを有し、スクリュー軸部
36がピストン部材22の雌ネジ孔23に挿通状に螺合
し、手動操作用ノブ37は円板状で、その外周部部はギ
ザギザに形成されている。
【0031】次に、前記バイスVの作用について説明す
る。ワークWをバイスVに固定する際には、図1、図2
に実線で示すように、可動支持部10を固定支持部5に
対して隔離させた状態で、固定支持部5と可動支持部1
0との間に入れ、ワークWを固定支持部5のクランプヘ
ッド6に当接させる。次に、手動操作用ノブ37を右回
りに回動させると、回動規制機構でピストン部材22の
回動が禁止されているため、雌ネジ孔23に対してスク
リュー軸部36が螺進し、可動支持部10が操作駆動用
軸部材35と一体的に、固定支持部5に接近する右方向
へ移動する。
【0032】次に、図1、図2の鎖線で示すように、可
動支持部10のクランプヘッド14がワークWに当接し
て、ワークWは両クランプヘッド6,14を介して固定
支持部5と可動支持部10に軽く挟持され、ワークWを
所期の位置・姿勢に微調節してから、油圧シリンダ20
に油圧を供給すると、ピストン部材22が微小ストロー
ク左方向へ駆動され、操作駆動用軸部材35と可動支持
部10が移動駆動されて、ワークWが固定支持部5と可
動支持部10間に強固に固定される。
【0033】ここで、このバイスVにより固定したワー
クWには、粗加工が実行され、その後仕上げ加工が実行
されるが、粗加工の際には、切削抵抗が大きいため、油
圧シリンダ20には、設定高圧力(例えば、140 kg/
cm2 )が供給され、仕上げ加工の際には、切削抵抗が小
さく、ワークWの弾性歪みを極力小さくして加工精度を
高める必要があるので、油圧シリンダ20には、設定低
油圧(例えば、50 kg/cm2 )が供給されてワークWは
小さな押圧力で固定される。次に、ワークWの固定を解
除する際には、前記とは反対に、最初に油圧シリンダ2
0の油圧を開放してから、操作駆動用軸部材35を左回
りに回動操作して、可動支持部10をワークWから左方
へ離隔させる。
【0034】上記説明したバイスVによれば、操作駆動
用軸部材35を操作して、可動支持部10を移動させ、
ワークWを固定支持部5と可動支持部10間に軽く挟持
した状態で、ワークWを所期の位置・姿勢になるように
簡単に微調節できる。その後、油圧シリンダ20によ
り、ピストン部材22及び操作駆動用軸部材35を駆動
し、正確な位置・姿勢に保持されたワークWを、予め設
定された油圧(設定高圧力、設定低油圧)により大きな
押圧力又は小さな押圧力で固定できる。ワークWを手動
操作力で軽く挟持できるため、油圧供給までワークWを
所期の位置・姿勢に手で支えておく必要がなく、作業負
荷が軽減する。更に、油圧シリンダ20のストロークは
小さいため、小型の油圧シリンダを適用できるため、バ
イスVを小型化でき、油圧供給源も小型のものでよく、
油圧ホースも細いもので済み、設備コスト的に有利であ
る。
【0035】次に、前記バイスVを活用した枡型ワーク
パレットでパレットバイスPVについて説明する。図4
に示すように、このパレットバイスPVには、ベース板
Bが設けられ、このベース板Bの中央部には、バイス本
体の一部に相当する角筒状のバイス固定体Paが立設さ
れ、バイス固定体Paの各面には、4体のバイスVがそ
のボルト孔3を介してボルトにより固定され、各面につ
き4個のワークW、計12個のワークWを固定できるよ
うに構成してある。このパレットバイスPVに12個の
ワークWを固定した状態で、パレットバイスPVを横型
マシニングセンタのテーブル上に固定し、そのテーブル
を90度ずつ回転させることで、4面のワークWを加工
することができる。
【0036】次に、前記実施例のバイスVを部分的に変
更した別実施例について説明する。但し、前記実施例と
同一のものには同一の符号を付し、その説明は省略す
る。 別実施例1・・・・・図5参照 このバイスV1は、バイス本体1と、バイス本体1に固
定された固定支持部5と、この固定支持部5に対向し固
定支持部5に対して接近・隔離自在の可動支持部10A
と、バイス本体1に対して可動支持部10Aを前記接近
・隔離方向へのみ移動自在に案内するガイド機構19
と、固定支持部5の左端部にバイス本体1に固定的に設
けられた油圧シリンダ20Aと、操作駆動用軸部材35
A等で構成されている。
【0037】油圧シリンダ20Aのピストン部材22A
には、枢支軸孔23Aが、その軸方向向き全長に亙って
形成され、可動支持部10Aには、枢支軸孔23Aと同
心状に雌ネジ孔15が貫通状に形成されている。操作駆
動用軸部材35Aは、バイス本体1の約1/3の長さを
有し、この操作駆動用軸部材35Aは、枢支軸部40と
この枢支軸部40から左方向へ一体的に伸びるスクリュ
ー軸部36Aと、枢支軸部40の左端部に形成された手
動操作用ノブ37からなり、枢支軸部40はピストン部
材22Aの枢支軸孔23Aに回動自在に挿通され、手動
操作用ノブ37と枢支軸部40の右端部に一体形成され
た止め部41により、ピストン部材22Aに軸方向相対
移動不能に連結されている。スクリュー軸部36Aは、
雌ネジ孔15に螺合されている。尚、この油圧シリンダ
20Aには、ピストン部材22の回動を禁止する回動禁
止機構は設けられていない。
【0038】前記バイスV1の作用について簡単に説明
すると、前記と同様にワークWを固定支持部5と可動支
持部10A間に配置して固定支持部5のクランプへッド
6に当接させた状態で、操作駆動用軸部材35Aを左回
りに回動操作すると、可動支持部10Aが移動駆動さ
れ、ワークWに当接するため、ワークWを軽く挟持でき
る。次に、ワークWを所期の位置・姿勢に微調節してか
ら、油圧シリンダ20Aに油圧を供給し、前記と同様に
ワークWを固定する。ワークWの固定を解除する際に
は、前記と同様に、油圧シリンダの油圧を開放してか
ら、操作駆動用軸部材35Aを右回りに回動操作して、
可動支持部10Aを左方へ移動させればよい。
【0039】このバイスV1によれば、前記バイスVと
略同様の効果が得られるが、特に、操作駆動用軸部材3
5Aが、油圧シリンダ20Aに対して軸方向に相対移動
することがないので、操作駆動用軸部材35Aがバイス
本体1の左側に大きく突出することがないので、バイス
V1の軸方向の長さを小さくしてバイスV1を小型化す
ることができるし、ピストン部材22Aの回動を禁止す
る回動規制機構を設ける必要もない。
【0040】別実施例2・・・・図6、図7参照 このバイスV2は、バイス本体1Bと、固定支持部5B
と、固定支持部5Bに対向し固定支持部5Bに対して接
近・隔離自在に設けられた可動支持部10Bと、可動支
持部10Bを固定支持部5Bと接近・隔離方向へ移動自
在に案内するガイド機構19Bと、可動支持部10Bを
移動駆動する油圧シリンダ20B等で構成されている。
固定支持部5Bは、バイス本体1Bのガイド溝2にその
脚部を係合させ、4本のボルト8によりバイス本体1B
に固定され、この固定支持部5Bには、左方開放状の枢
支穴8aが形成されている。可動支持部10Bの脚部1
2には、雌ネジ孔16がピストン部材22Bの枢支軸孔
23Bと同心状に、且つ軸方向全長に亙って形成されて
いる。
【0041】油圧シリンダ20Bは、前記油圧シリンダ
20Aと略同様の構造であり、ガイド機構19Bに対向
状にしてバイス本体1Bの左端部に複数のボルト等で固
定されている。操作駆動用軸部材35Bの枢支軸部42
は、ピストン部材22Bの枢支軸孔23Bに回動自在に
挿通し、手動操作用ノブ37と枢支軸部42の右端部に
形成された止め部41Bにより、ピストン部材22Bに
軸方向相対移動不能に連結されている。枢支軸部42か
ら右端側に伸びるスクリュー軸部36Bは、可動支持部
10Bの雌ネジ孔16を螺合挿通して固定支持部5Bま
で伸び、スクリュー軸部36Bの右端部の小径部が、固
定支持部5Bの枢支穴8aに回転自在に支持されてい
る。
【0042】このバイスV2は、前記バイスV1と略同
様の作用・効果を奏するが、油圧シリンダ20Bが、ガ
イド機構19Bに対向状にバイス本体1Bの左端部に設
けられ、操作駆動用軸部材35Bのスクリュー軸部36
Bは、ガイド機構19Bのガイド溝2内に配設されてい
るので、バイス本体1Bに、スクリュー軸部36Bの為
の軸穴等を形成する必要がないので、バイス本体1Bの
構造が簡単化し、製作コスト的に有利である。更に、操
作駆動用軸部材35Bのスクリュー軸部36Bは、可動
支持部10Bの雌ネジ孔16を螺合挿通して固定支持部
5Bまで伸び、固定支持部5Bの枢支穴8aに回転自在
に支持されているので、可動支持部10Bを固定支持部
5Bに当接するまで移動させることができるから、薄い
ワークWや小型のワークWを固定できるし、また、操作
駆動用軸部材35Bの右端部を支持することで、操作駆
動用軸部材35Bの荷重条件を緩和でき、操作駆動用軸
部材35Bの変形を抑制して、可動支持部10Bを円滑
に移動駆動できる。
【0043】別実施例3・・・・図8参照 このバイスV3においては、固定支持部5Cは、バイス
本体1Cの右端部に、その脚部をバイス本体1Cの広幅
の角溝に係合させてボルト8により固定され、固定支持
部5Cの下部に、油圧シリンダ20Cが設けられてい
る。この油圧シリンダ20Cは、シリンダ本体21と、
ピストン部材22Cと、蓋部材25とスプリング24等
で構成され、別実施例2の油圧シリンダ20Bと同様の
構造に構成されている。ピストン部材22Cには、枢支
軸孔23Cがその軸方向向きに全長に亙って形成され、
この枢支軸孔23Cに、操作駆動用軸部材35Cの枢支
軸部44が回動自在に挿通されている。枢支軸部44
は、その右端部に枢支軸部44よりやや大径に一体形成
された係止部45と、枢支軸部44の左端部に外嵌され
たストップリング46により、ピストン部材22Cに軸
方向相対移動不能に連結されている。
【0044】可動支持部10Cは、固定支持部5Cの左
端側に対向状に配設され、ガイド機構19Cにより、固
定支持部5Cに対して接近・隔離自在に案内されてい
る。可動支持部10Cには、全長に亙って雌ネジ孔17
が形成され、この雌ネジ孔17には、バイス本体1Cの
全長と略同じ長さの有す操作駆動用軸部材35Cのスク
リュー軸部36Cが螺合され、スクリュー軸部36Cの
左端部には、手動操作用ノブ37が形成されている。こ
のバイスV3においては、前記バイスV2と同様の作用
・効果が得られるが、油圧シリンダ20Cを固定支持部
5C内に組み込んだため、バイスV3の全長を短縮で
き、一層の小型化を図ることができる。
【0045】別実施例4・・・・図9〜図11参照 この実施例のバイスV4は、前記バイスVに、油圧供給
ユニットCを設けたものであり、油圧供給ユニットC以
外の構成は、前記バイスVと同様であるので説明を省略
する。図9に示すように、バイスV4の油圧供給ユニッ
トCは、油圧シリンダ20に油圧を供給する為のもの
で、油圧供給ユニットCのアクチュエータポート51a
が、油路99を介して油圧シリンダ20の油圧供給ポー
ト29に接続されている。
【0046】油圧供給ユニットCについて説明する。図
10、図11に示すように、油圧供給ユニットCは、ア
クチュエータポート51aと、このアクチュエータポー
ト51aへの油圧の供給を許すチェック弁53と、この
チェック弁53を開弁操作する為の開弁操作機構60
と、チェック弁53を介してアクチュエータポート51
aに通ずる油室72とこの油室72の容積を拡大・縮小
可能なプランジャ部材73とを有するポンプ機構70
と、このポンプ機構70のプランジャ部材73を外部か
ら油室72の油室上昇方向へ操作可能な昇圧操作機構8
0とを有するものである。
【0047】各部の構造について詳細に説明すると、ハ
ウジング本体50内の下部に、チェック弁53が組み込
まれ、ハウジング本体50の右部にポート形成体51が
螺合され、そのポート形成体51にアクチュエータポー
ト51aが形成され、ポート形成体51でフィルター5
2の外周部が固定されている。チェック弁53は、弁座
形成体54とポペット弁体55と圧縮スプリング56等
からなり、ハウジング本体50の下端部に螺合されたバ
ネ受け体57で圧縮スプリング56の下端が受け止めら
れている。弁座形成体54の下端には環状の弁座54a
が形成され、ポペット弁体55の上端部には弁座54a
に当接する合成樹脂製リング体55a装着されている。
【0048】開弁操作機構60は、開弁操作軸61と、
バネ受け体62と、圧縮スプリング63と、係止体64
等で構成されている。開弁操作軸61は、弁座形成体5
4の油路孔54bとハウジング本体50の油路孔50a
とに遊嵌し、開弁操作軸61の下端がポペット弁体55
の上面に近接状に臨んでいる。この開弁操作軸61の鍔
部61bとバネ受け体62との間において、開弁操作軸
61に圧縮スプリング63が外装され、この圧縮スプリ
ング63で開弁操作軸61が上方へ付勢され、ハウジン
グ本体50の上端部に螺合された係止体64で鍔部61
bが係止され、開弁操作軸61の上端部の操作部51a
が係止体64の外面の凹部64aに僅かに突出状に臨ん
でいる。従って、操作部61aを手動により工具等で押
圧することにより、チェック弁53を開弁させ、アクチ
ュエータポート51aの油圧を油路孔54b,50aと
油路50bとを介して油室72へ開放できるように構成
してある。
【0049】前記ポンプ機構70に関して、ハウジング
本体50の左端部には、横向き状のポンプハウジング7
1の基端部が螺合され、ポンプハウジング71には、そ
の右側約2/3部分にあるプランジャ孔71aと、それ
よりも僅かに小径でポンプハウジング71の左側約1/
3部分にあるバネ収容孔71bと、バネ収容孔71bの
左端中央部に開口されたロッド孔71cとが形成されて
いる。前記プランジャ部材73は、プランジャ孔71a
に装着されたプランジャ73a、プランジャ73aに一
体形成されバネ収容孔71bを挿通してロッド孔71c
まで延びる操作用ロッド部73bとからなり、操作用ロ
ッド部73bには、プランジャ部材73を右方へ付勢す
る圧縮スプリング74が外装され、油室72に油が少し
でも充填されると、操作用ロッド部73bの左端部の操
作部73cがポンプハウジング71の左方へ突出するよ
うに構成してある。尚、以上の油圧供給ユニットCに
は、シール用の複数のOリング90〜96が装着されて
いる。前記油圧供給ユニットCは、油圧シリンダ20の
シリンダ本体21の内部に組み込むことが望ましいが、
バイス本体1又は固定支持部5の内部に組み込んでもよ
いし、バイス本体1又は固定支持部5又はシリンダ本体
21に、油圧供給ユニットCを付属的に取付けてもよ
い。
【0050】次に、以上説明したバイスV4の作用につ
いて説明する。この油圧供給ユニットCの油室72には
予め油が充填されており、圧縮スプリング74は、所定
の極低圧(例えば、2 kg/cm2 )の油圧に相当する弱い
スプリングで構成され、油圧シリンダ20のスプリング
24は、前記所定の極低圧より高い所定圧(例えば、5
kg/cm2 )の油圧に相当するスプリングで構成されてい
るため、アクチュエータポート51a、油路99、油圧
シリンダ20は、ほぼ所定の極低圧に設定され、油圧シ
リンダ20においては、スプリング24により、ピスト
ン部材22が左方へ付勢されてシリンダ本体に係止され
ているので、油室22aには、油が充填されていない。
【0051】先ず、可動支持部10を固定支持部5に対
して隔離させた状態で、両支持部5,10間に入れ、ワ
ークWを固定支持部5のクランプヘッド6に当接させて
から、操作駆動用軸部材35の手動操作用ノブ37を回
動させると、ピストン部材22の雌ネジ孔23と、この
雌ネジ孔23に挿通状に螺合されスクリュー軸部36に
より、可動支持部10が操作駆動用軸部材35と一体的
に、固定支持部5に接近する右方向へ移動する。
【0052】図9の鎖線で示すように、可動支持部10
のクランプヘッド14がワークWに当接すると、ワーク
Wは固定支持部5と可動支持部10に軽く挟持され、ワ
ークWを正確な位置・姿勢に微調節後、ワークWに粗加
工を実行する為に、油圧供給ユニットCの操作用ロッド
部73bの操作部73cを硬質ゴム製のハンマー等を介
して手動にて打撃操作する。すると、その打撃力に応じ
た油圧(例えば、100〜140 kg/cm2 )が、チェッ
ク弁53、アクチュエータポート51aを経て油圧シリ
ンダ20の油室22aに供給されるため、ワークWは、
強固に固定される。この状態でワークWに対する粗加工
が実行される。
【0053】粗加工の終了後、ワークWを軽く固定した
状態で仕上げ加工を実行する為に、開弁操作軸61の操
作部61aを手動にて工具を介して押動操作し、チェッ
ク弁53を開弁させ、アクチュエータポート51aから
チェック弁53を経てポンプ機構72の油圧を開放す
る。すると、油圧シリンダ20によるワークWへの固定
は解除され、ワークWは固定支持部5と可動支持部10
間に軽く挟持された状態となる。次に、前記と同様に、
操作部73cを前記よりも小さな打撃力で打撃操作し
て、その打撃力に応じた油圧(例えば、40〜60 kg/
cm2 )を発生させ、その油圧を油圧シリンダ20の油室
22aに供給し、ワークWを比較的小さな押圧力で固定
し、その状態でワークWに対する仕上げ加工が実行され
る。
【0054】仕上げ加工の完了後にワークWの固定支持
を解除する際には、開弁操作機構60により、操作部6
1aを手動により工具等で押圧してチェック弁53を開
弁させ、アクチュエータポート51aの油圧を油路孔5
4b,50aと油路50bとを介して油室72へ開放し
て、油圧シリンダ20の油圧を最初に設定された所定の
極低圧にしてから、操作駆動用軸部材35を操作してワ
ークWを取外す。このバイスV4によれば、油圧供給ユ
ニットCのチェック弁53によりアクチュエータポート
51aの油圧を逆止して保持でき、開弁操作機構60を
操作してアクチュエータポート51aの油圧をポンプ機
構70の油室72へ開放でき、昇圧操作機構80を操作
することでポンプ機構70により、所望の圧力の油圧を
発生させて油圧シリンダ20へ供給することができる。
【0055】つまり、外部の油圧供給源に接続せずにバ
イスV4に油圧を供給することができ、その油圧の圧力
を打撃力の大きさ如何で自由に設定でき、また、油圧シ
リンダ20に供給した油圧を開弁操作機構60でチェッ
ク弁53を開弁してポンプ機構70の油室72へ開放す
ることができ、その油圧開放後に、必要に応じて、ポン
プ機構70を駆動操作することで、略所望の圧力の油圧
を発生させることができる。尚、前記油圧シリンダ20
のピストン部材22のストロークは非常に小さいため、
油室22aには、極く少量の油圧を供給するだけでよい
ため、油圧供給ユニットCも非常に小型のものでよい。
【0056】次に、前記バイスV,V1〜V4の変更例
について説明する。 1〕前記バイスV1〜V3において、油圧供給源とし
て、別実施例4で説明した油圧供給ユニットCを設けて
もよい。この場合、油圧供給ユニットCを、バイスV1
〜V3のバイス本体1,1B,1C又は固定支持部5,
5B,5C又はシリンダ本体21の内部に組み込んでも
よいし、それらに付属的に取付けてもよい。また、前記
パレットバイスPVに、バイスVに代えて、バイスV1
〜V3を付設してもよい。
【0057】2〕前記パレットバイスPVに1つ以上の
油圧供給ユニットCを設け、その油圧供給ユニットCか
ら12個のバイスに油圧を供給するように構成してもよ
い。例えば、バイス固定体Paの各面に油圧供給ユニッ
トCを設け、各油圧供給ユニットCから4組のバイスに
油圧を供給するように構成する。この場合、バイス固定
体Paの各面において、油圧供給ユニットCにより、各
バイスに挟持状に保持されている複数のワークを一度に
固定することができ、更に、各バイスの油圧シリンダの
ストロークは非常に小さいため、4組のバイスの油圧シ
リンダへの油の吐出量も大量にならず、4つの油圧シリ
ンダに油圧を供給するにもかかわらず、油圧供給ユニッ
トCを小型に構成することができる。
【0058】3〕前記油圧供給ユニットCの操作部73
cを操作する為に、図12に示すように、緩衝ユニット
Dを、ポンプ機構70と、別体又は一体に設け、この緩
衝ユニットDを介して操作部73cを操作するように構
成してもよい。前記緩衝ユニットDは、ケース85の内
部に圧縮スプリング86と、ピストン部材87と、ピス
トン部材87から伸びて外部に突出した操作部87aと
を有し、ケース85の出力部85aを操作部73cに当
接させた状態で操作部87aを打撃操作すると、その打
撃力が圧縮スプリング86で緩衝されつつ操作部73c
に伝達されるため、入力する打撃操作力のバラツキを少
なくし、発生させる油圧の圧力のバラツキを少なくする
ことができる。
【0059】4〕油圧供給ユニットCのアクチュエータ
ポート51aの油圧を検出する圧力計を設けたり、アク
チュエータポート51aの油圧を複数段階で検出する複
数の圧力スイッチと、それら複数の圧力スイッチに対応
する表示ランプとを設けることも望ましい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係るバイスの一部切欠き縦断
正面図である。
【図2】前記バイスの平面図である。
【図3】図1のIII −III 線断面図である。
【図4】前記複数のバイスを備えたパレットバイスの斜
視図である。
【図5】別実施例1のバイスの一部切欠き縦断正面図で
ある。
【図6】別実施例2のバイスの縦断正面図である。
【図7】図6のVII −VII 線断面図である。
【図8】別実施例3のバイスの縦断正面図である。
【図9】別実施例4の油圧供給ユニットを設けたバイス
の一部切欠き縦断正面図である。
【図10】前記油圧供給ユニットの断面図である。
【図11】前記油圧供給ユニットの平面図である。
【図12】前記油圧供給ユニットの為の緩衝ユニットの
構成図である。
【符号の説明】
V,V1,V2,V3,V4 バイス C 油圧供給ユニット 1,1B,1C バイス本体 2 ガイド溝 5,5B,5C 固定支持部 8a 枢支穴 10,10A,10B,10C 可動支持部 15,16,23 雌ネジ孔 19,19B,19C ガイド機構 20,20A,20B,20C 油圧シリンダ 22,22A,22B,22C ピストン部材 23A,23B,23C 枢支軸孔 35,35A,35B,35C 操作駆動用軸部材 36,36A,36B,36C スクリュー軸部 37 手動操作用ノブ 40,42,44 枢支軸部 51a アクチュエータポー
ト 53 チェック弁 60 開弁操作機構 61a 開弁操作部 62 油室 70 ポンプ機構 73 プランジャ部材 80 昇圧操作機構 PV パレットバイス

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 バイス本体と、バイス本体に固定された
    固定支持部と、この固定支持部に対向し固定支持部に対
    して接近・隔離自在の可動支持部と、バイス本体に対し
    て可動支持部を前記接近・隔離方向へのみ移動自在に案
    内するガイド機構とを備えたバイスにおいて、 前記可動支持部に対して固定支持部と反対側においてバ
    イス本体に固定的に設けられ、ピストン部材を前記接近
    方向へ駆動可能な油圧シリンダと、 前記油圧シリンダのピストン部材にその軸方向向きに全
    長に亙って形成された雌ネジ孔と、 前記雌ネジ孔に挿通状に螺合されたスクリュー軸部と、
    外側端部に形成された手動操作用ノブとを有し、内側端
    部が可動支持部に回転自在に連結された操作駆動用軸部
    材と、 を備えたことを特徴とするバイス。
  2. 【請求項2】 バイス本体と、バイス本体に固定された
    固定支持部と、この固定支持部に対向し固定支持部に対
    して接近・隔離自在の可動支持部と、バイス本体に対し
    て可動支持部を前記接近・隔離方向へのみ移動自在に案
    内するガイド機構とを備えたバイスにおいて、 前記可動支持部に対して固定支持部と反対側においてバ
    イス本体に固定的に設けられ、ピストン部材を前記接近
    方向へ駆動可能な油圧シリンダと、 前記油圧シリンダのピストン部材にその軸方向向きに全
    長に亙って形成された枢支軸孔と、 前記枢支軸孔と同心状に可動支持部に形成された雌ネジ
    孔と、 前記枢支軸孔に回転自在に挿通され且つピストン部材に
    軸方向相対移動不能に連結された枢支軸部と、この枢支
    軸部から一体的に伸びて可動支持部の雌ネジ孔に螺合し
    たスクリュー軸部と、外側端部に形成された手動操作用
    ノブとを有する操作駆動用軸部材と、 を備えたことを特徴とするバイス。
  3. 【請求項3】 前記油圧シリンダは、前記ガイド機構に
    対向状にバイス本体の一端部に設けられ、前記操作駆動
    用軸部材のスクリュー軸部は、ガイド機構のガイド溝内
    に配設されたことを特徴とする請求項2に記載のバイ
    ス。
  4. 【請求項4】 前記操作駆動用軸部材のスクリュー軸部
    は、可動支持部の雌ネジ孔を螺合挿通して固定支持部ま
    で伸び、スクリュー軸部の内端部が固定支持部の枢支穴
    に回転自在に支持されたことを特徴とする請求項3に記
    載のバイス。
  5. 【請求項5】 バイス本体と、バイス本体に固定された
    固定支持部と、この固定支持部に対向し固定支持部に対
    して接近・隔離自在の可動支持部と、バイス本体に対し
    て可動支持部を前記接近・隔離方向へのみ移動自在に案
    内するガイド機構とを備えたバイスにおいて、 前記固定支持部側において前記ガイド機構に対向状にバ
    イス本体又は固定支持部に固定的に設けられ、ピストン
    部材を前記接近方向へ駆動可能な油圧シリンダと、 前記油圧シリンダのピストン部材にその軸方向向きに全
    長に亙って形成された枢支軸孔と、 前記枢支軸孔と同心状に可動支持部に全長に亙って形成
    された雌ネジ孔と、 前記枢支軸孔に回転自在に挿通され且つピストン部材に
    軸方向相対移動不能に連結された枢支軸部と、この枢支
    軸部から可動支持部側へ一体的に伸びて可動支持部の雌
    ネジ孔に螺合したスクリュー軸部と、外側端部に形成さ
    れた手動操作用ノブを有する操作駆動用軸部材と、 を備えたことを特徴とするバイス。
  6. 【請求項6】 前記油圧シリンダに油圧を供給する油圧
    供給手段であって、 前記油圧シリンダに接続されるアクチュエータポート
    と、 前記アクチュエータポートへの油圧の供給を許すチェッ
    ク弁と、 外部から操作可能な開弁操作部を備え、この開弁操作部
    の操作を介してチェック弁を開弁可能な開弁操作機構
    と、 前記チェック弁を介してアクチュエータポートに通ずる
    油室と、この油室の容積を拡大・縮小可能なプランジャ
    部材とを備えたポンプ機構と、 前記ポンプ機構のプランジャ部材を外部から油室の油圧
    上昇方向へ操作可能な昇圧操作機構と、 を備えた油圧供給手段を設けたことを特徴とする請求項
    1〜請求項5の何れか1項に記載のバイス。
  7. 【請求項7】 前記油圧供給手段を各バイスに付設した
    ことを特徴とする請求項6に記載のバイス。
  8. 【請求項8】 前記油圧供給手段から複数のバイスの油
    圧シリンダに油圧を供給するように構成したことを特徴
    とする請求項6に記載のバイス。
JP5045195A 1995-02-14 1995-02-14 バイス Pending JPH08215965A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5045195A JPH08215965A (ja) 1995-02-14 1995-02-14 バイス

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5045195A JPH08215965A (ja) 1995-02-14 1995-02-14 バイス

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08215965A true JPH08215965A (ja) 1996-08-27

Family

ID=12859235

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5045195A Pending JPH08215965A (ja) 1995-02-14 1995-02-14 バイス

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08215965A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104070556A (zh) * 2014-06-20 2014-10-01 苏州创丰精密五金有限公司 快速液压打孔治具
CN104227576A (zh) * 2013-06-17 2014-12-24 苏州雅妮服务外包有限公司 一种带有照明灯的台虎钳
CN110757203A (zh) * 2019-11-23 2020-02-07 湖南森蓝皮具制造有限公司 一种型材金属双头锯切机用夹持装置
CN110919395A (zh) * 2019-10-31 2020-03-27 成都四威高科技产业园有限公司 一种镁合金加工过程腐蚀控制方法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104227576A (zh) * 2013-06-17 2014-12-24 苏州雅妮服务外包有限公司 一种带有照明灯的台虎钳
CN104070556A (zh) * 2014-06-20 2014-10-01 苏州创丰精密五金有限公司 快速液压打孔治具
CN110919395A (zh) * 2019-10-31 2020-03-27 成都四威高科技产业园有限公司 一种镁合金加工过程腐蚀控制方法
CN110757203A (zh) * 2019-11-23 2020-02-07 湖南森蓝皮具制造有限公司 一种型材金属双头锯切机用夹持装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN101287576B (zh) 可调节驱动深度的组件及紧固件驱动工具
US8573578B1 (en) Workholding apparatus
JP6012587B2 (ja) ワーク把持装置
US8905392B1 (en) Workholding apparatus having a detachable jaw plate
US6877730B2 (en) Powered clamp
TWI436842B (zh) A saw blade cutting method with a saw blade guide and a tape sawing device
JP3286791B2 (ja) 加工物を固定するための機械万力
US6409161B1 (en) Double station hydraulically operated machining vise
US4949943A (en) Multiple air cylinder clamp for vise
TWI293593B (en) Pneumatically operated power tool having mechanism for changing compressed air pressure
JPH08215965A (ja) バイス
US6896248B1 (en) Clamping device
JP2001259909A (ja) チャック装置
US2803157A (en) Holding device having screw and hydraulic pressure-applying means sequentially exerted
KR20180137737A (ko) 파워바이스 더블 클램프용 지그
JPH02100844A (ja) 工作物係合手段の作動機構
JPH11170133A (ja) クランプ装置
JP2002187037A (ja) クランプ装置
JP2000308972A (ja) 双挟み台倍力万力
US9227303B1 (en) Workholding apparatus
US7784775B1 (en) Intensified machinist vise
USRE33798E (en) Self-equalizing piercing machine
WO2010146953A1 (ja) 位置補正機能付き作業機械
KR102185161B1 (ko) 수동겸용 유압바이스
JP6539763B1 (ja) 支持具

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040614

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20041119

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20050323