JP6012587B2 - ワーク把持装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ワークを把持して固定するためのワーク把持装置に関する。
ワークを把持して固定するためのワーク把持装置に関する技術として、特許文献1に記載された装置がある。
特許文献1では、ワークを把持する方向の押圧力(把持力)によって、ワークに対し工作機械のテーブルに押し付ける押付力を作用させるワークの固定補具が開示されている。
具体的には、それら固定補具は、工作機械のテーブルの載置面に載置される板状のベース部及びベース部と一体的に形成された下向き斜面を有する案内部から成るブロック体(イ)と、ブロック体(イ)の下向き斜面に対向する上向き斜面を有しこの上向き斜面をブロック体(イ)の下向き斜面に当接させた状態で下面をベース部に対向させて配置されるブロック体(ロ)と、ブロック体(ロ)の下面に形成された溝内に設けられてブロック体(ロ)とベース部分の上面(固定補具を安定させる面)との間でブロック体(ロ)を反載置面側へ付勢してベース部から離間させる平ばねとを備えている。
そして、特許文献1に開示されたワーク把持装置では、ワーク側へ向けて押圧力を作用する押しねじ装置及び固定ブロックをテーブルの載置面上においてワークを挟んで対向配置すると共に、押しねじ装置とワークとの間、及び、固定ブロックとワークとの間のそれぞれの位置において、前記した固定補具をブロック体(イ)の下向き斜面をワーク側に向けて配置し、押しねじ装置によって固定補具を介してワークに対し把持方向の押圧力を加えることにより、固定補具のブロック体(ロ)をブロック体(イ)の下向き斜面に沿ってテーブルの載置面側へと変位させて、ワークに対して載置面側への押付力を作用させている。また、特許文献1では、各固定補具は、ブロック体(イ)の下向き斜面における幅方向の2箇所にピンを突出させるかたちで有すると共に、ブロック体(ロ)の上向き斜面において前記ピンと対応する位置で幅方向と直交する方向に延在する案内溝を有しており、案内溝にピンを挿入することで、ブロック体(イ)に対するブロック体(ロ)の変位を案内している。
実開平06−75666号公報
特許文献1の固定補具の構成の場合、案内溝に挿入したピンを案内溝内で摺動可能にするために、案内溝の幅寸法を対応するピンの径よりも大きくする必要がある。したがって、特許文献1の固定補具においては、ブロック体(ロ)の変位を案内する案内構造は、ピンと案内溝との間に隙間が存在する構成となっている。
ところで、ワーク把持装置において、固定側の口金(固定ブロック側の固定補具)と移動側の口金(押しねじ側の固定補具)との間でワークを把持する場合において、移動側の口金がワークに対し把持方向に押圧力を作用させることに伴い、ワークに偏荷重が作用する場合がある。
その場合、前記のような案内構造を有する特許文献1の固定補具においては、ワークに偏荷重が作用すると、ワークに当接した状態の各固定補具のブロック体(ロ)にも偏荷重が作用するため、その結果として、ブロック体(ロ)が前記隙間の範囲内で把持方向に平行な軸線周りに傾斜した状態となる。
そして、前記従来技術の構成では、前記傾斜に伴い、各案内溝におけるブロック体(ロ)の中央側の内側面が、その案内溝に挿入された2本のピンに対し幅方向の外側へ向けた押圧力を作用させた状態となる。この状態は、言い換えれば、上記押圧力の反力により、案内溝の前記内側面によって画定されるブロック体(ロ)の案内溝間の部分に対し、2本のピンが両側から挟み込むようなかたちで力を作用させた状態であると言える。
そのため、特許文献1の構成では、各案内溝の前記内側面とピンとの間に生じる力が、ワークの把持時におけるブロック体(ロ)の載置面側への変位の抵抗となり、ブロック体(ロ)がワークに対し作用させる載置面側への押付力が不安定となる。
その結果、押付力の不足によるワーク把持後の加工剛性が低下する。また、押付力の不足により、ワークが載置面から浮き上がった状態のままで把持されてしまう、所謂、ワークの浮き上がりが発生し、ワークの加工精度が低下する。
そこで、本発明の課題は、ワークの加工精度を低下させずに、ワークに対し、把持力及び載置面に対する押付力を作用させてワークを固定することのできるワーク把持装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明は、ワークを固定するためのワーク把持装置であって、把持側へ移動可能に設けられる口金部材、及び口金部材を把持側へ押圧する押圧手段を含む移動口金機構と、口金部材を含み前記移動口金機構と対向して配置されて前記移動口金機構と協働してワークを把持する固定口金機構と、を備えるワーク把持装置において、ワーク把持装置が以下の特徴を有するものとした。
すなわち、ワーク把持装置の前記移動口金機構及び前記固定口金機構の少なくとも一方の口金機構はワーク押付構造を有し、前記ワーク押付構造は、ワークを載置する載置面上に載置され、前記載置面と平行な支持面を有するベース部と、前記ベース部に支持される案内部であって把持側を向く斜面を有する案内部と、前記口金部材と、前記口金部材を前記載置面から離間させる方向へ付勢する付勢手段と、で構成され、前記ワーク押付構造の前記口金部材は、前記案部における斜面に対向する斜面を有し、該斜面を前記案内部における斜面に当接させると共に下面を前記ベース部の支持面に対向させて配置されて前記案内部における斜面に沿って変位可能に設けられ、前記付勢手段は、前記ベース部と前記口金部材との間に設けられ、前記案内部の斜面及び前記口金部材の斜面の一方は、該斜面の幅方向における中央で幅方向と直交する方向に延在するとともに、その延在方向と直交する方向における断面の形状がV字形である案内溝を備え、前記案内部の斜面及び前記口金部材の斜面の他方は、前記案内溝に対応する形状及び配置の突起部を備える、ことを特徴とする。
ただし、前記で言う「V字形の案内溝」とは、その案内溝は案内面として機能する内壁面を有すると共にその内壁面が溝の底側の部分(底部)へ向けて互いの間隔が接近するように形成された2つの面を有するものであるが、前記2つの面が直接的に接するように形成される、すなわち、案内溝の延在方向と直交する方向における断面の形状が文字通りのV字形を成しているものに限らず、前記断面の形状が略V字形を成すものであって、案内溝が、その内壁面として、前記2つの面に加え、底部において前記2つの面を繋ぐ底面を有するものも含む。また、この底面の形状としては、平面であってもよいし曲面であってもよい。
なお、本発明による把持装置において、前記固定口金機構が前記ワーク押付構造を有し、前記固定口金機構の前記ワーク押付構造は、前記ベース部及び前記口金部材の少なくとも一方に対し前記付勢手段と対向する位置に形成された凹部から成る収容空間であって前記付勢手段を収容する収容空間を有し、前記凹部は、前記付勢手段による付勢力の方向における前記収容空間の寸法が、把持対象のワークに応じた把持力をワークに作用させた状態で発生する前記口金部材による前記載置面への押付力に相当する力を受けたときの前記付勢手段の寸法以上となるように形成されているものとしてもよい。
また、前記固定口金機構が前記ワーク押付構造を有する本発明によるワーク把持装置において、前記移動口金機構が前記ワーク押付構造を有し、前記固定口金機構における前記案内部の斜面と前記移動口金機構における前記案内部の斜面とは、前記載置面に対し成す鋭角側の角度が、前記固定口金機構における前記案内部の斜面の方が大きくなるように形成されているものとしてもよい。
さらに、前記固定口金機構が前記ワーク押付機構を有する本発明によるワーク把持装置において、前記固定口金機構が前記付勢手段の付勢力を調節する付勢力調節機構を備えるものとしてもよい。
また、前記固定口金機構及び前記移動口金機構が前記ワーク押付構造を有する本発明によるワーク把持装置において、そのワーク把持装置が、前記移動口金機構を含む移動口金装置と、前記移動口金装置に対し独立して設けられて前記固定口金機構を含む固定口金装置とを備え、前記移動口金装置及び前記固定口金装置の各々が、各々のベース部を前記載置面に対して固定する固定手段を備えるものとしてもよい。
前記ワーク押付構造において、案内部に対する口金部材の変位を案内する案内構造を、案内部の斜面及び口金部材の斜面の一方に、その幅方向と直交する方向に延在する案内溝を備えると共に、前記他方に、前記案内溝に対応する形状及び配置の突起部を備える案内構造としたため、案内溝と突起部とを互いに接触させる構成とすることにより、口金部材を案内溝及び突起部の延在方向に沿って載置面側へと案内して変位させることができる。
特に、その案内構造を形成する案内溝及び突起部を、その延在方向と直交する方向の断面形状がV字形を成すものとしたため、口金部材の変位を案内するための案内面が把持方向と平行に延在する特許文献1の案内構造、すなわち、案内部(ブロック体(イ))に対する口金部材(ブロック体(ロ))の案内構造が隙間(遊び)を必要とする構造と比べ、本発明では、案内溝と突起部との間に隙間を設けなくても、口金部材を案内部に対し摺動変位可能とすることができる。
これにより、ワーク把持時にワークに偏荷重が作用して、ワークに当接した状態の口金部材に偏荷重が作用した場合であっても、口金部材が案内部に対し把持方向に平行な軸線周りに傾斜せず、したがって、口金部材が特許文献1のような傾斜に伴って発生する幅方向の押圧力の作用を受けないようにすることができるので、特許文献1の構成に比べて、ワーク把持時における口金部材の載置面側への変位に対する抵抗を軽減させることができ、口金部材がワークに対し作用させる載置面側への押付力を安定させることが可能となる。したがって、引用文献1の構成に比べてワーク把持時のワークの浮き上がりを発生しにくくできるとともに、ワーク把持後の加工剛性を向上でき、ワークの加工精度が向上する。
また、本発明によるワーク把持装置において、固定口金機構がワーク押付構造を有するものとし、その固定口金機構が、ベース部と口金部材との間に付勢手段を収容する収容空間を有し、且つ、その収容空間を、付勢手段による付勢方向における寸法が、ワークに応じた所望の把持力をワークに作用させた状態で発生する口金部材による載置面側への押付力に相当する力を受けたときの付勢手段の寸法以上となるように形成することにより、前記所望の把持力の作用により載置面側へ変位される口金部材の下面をベース部の支持面に当接させることが可能となる。
これにより、固定口金機構において、ワークを把持した状態における口金部材の載置面に対する位置(ワーク把持後の口金部材の位置)を、把持方向に関しベース部に対して常に一定の位置とすることができるので、ワーク把持後の固定口金機構の口金部材におけるワークとの接触面(口金部材の把持面)及びワークにおける口金部材との接触面を把持方向の加工基準として利用することが可能となる。
また、本発明によるワーク把持装置において、固定口金機構に加え、移動口金機構もワーク押付構造を有するものとし、その上で、固定口金機構における案内部の斜面と移動口金機構における案内部の下向き斜面とが載置面に対し成す鋭角側の角度を、固定口金機構における案内部の斜面の方が大きくなるように形成することにより、ワークとの間に作用する同じ把持力によって生じる載置面側への口金部材を押し下げる力を、固定口金機構の方が移動口金機構よりも小さくすることができる。そして、その結果として、押圧手段により把持力を加えた後、固定口金機構における口金部材の下面がベース部の支持面に当接する時点を可及的に遅くすることができる。これにより、固定口金機構において、口金部材とワークとの間に十分な摩擦力を発生させることができ、ワークに対する押付力の作用をより確実なものとすることができる。
さらに、固定口金機構がワーク押付構造を有する本発明によるワーク把持装置において、固定口金機構が前記付勢手段の付勢力を調節する付勢力調節機構を備えることにより、付勢手段の付勢力を調節して口金部材を載置面側へ変位させるために必要な把持力(口金部材を押し下げる力)の大きさを所望の大きさに設定することが可能となる。これにより、ワークの材質に応じた所望の把持力に達した時点で口金部材を載置面側へと変位させることができ、また、ワークの材質に応じた所望の把持力に達した時点で口金部材の下面がベース部の支持面に当接するように口金部材を変位させることが可能となる。
本発明のワーク把持装置1を示す斜視図である。 本発明のワーク把持装置1を示す側面図である。ただし、カバ39、79の図示を省略している。 本発明のワーク把持装置1を示す平面図である。 図3のA−A矢視断面図である。 図4のC−C矢視断面図である。 図3のB−B矢視断面図である。 図6のD−D矢視断面図である。 固定口金装置60のワーク押付構造62の一部断面側面図であり、(a)はワーク2に対し把持力を作用させていない状態、(b)はワーク2に対し把持力を作用させた状態を示している。 本発明のワーク把持装置1の他の実施形態を示す側面図である。 本発明のワーク把持装置1の他の実施形態を示す断面側面図である。 本発明のワーク把持装置1の他の実施形態を示す概略図である。 本発明のワーク把持装置1の他の実施形態を示す側面図である。 本発明のワーク把持装置1の他の実施形態を示す側面図である。 本発明のワーク把持装置1の他の実施形態を示す拡大側面図である。 本発明のワーク把持装置1の他の実施形態を示す拡大側面図である。 本発明のワーク把持装置1の他の実施形態を示す拡大断面側面図である。 本発明のワーク把持装置1の他の実施形態を示す側面図である。 本発明のワーク把持装置1の他の実施形態を示す拡大平面図である。
以下、本発明のワーク把持装置の一実施形態について、図1〜図8に基づいて説明する。図1に示すとおり、本実施形態のワーク把持装置1は、移動口金機構を含む移動口金装置20、及び固定口金機構を含む固定口金装置60からなり、それらは工作機械のテーブル5に対して互いに独立して取り付けられている。工作機械のテーブル5は、その上面がワーク2を載置するための水平な載置面3として形成されている。また、テーブル5は、載置面3に開口すると共に、テーブル5の長手方向に延在し、その延在方向と直交する方向における断面の形状が倒立したT字形であるT溝6を備えている。
移動口金装置20及び固定口金装置60は、固定手段としての固定ボルト8及びT溝6に挿入されたT溝ナット7により、T溝6の延在方向に離間した状態でテーブル5の載置面3上に固定されている。移動口金装置20と、固定口金装置60とは、T溝6の延在方向において離間し、間にワーク2を挟むかたちでテーブル5の載置面3上に設置される。したがって、ワーク把持装置1におけるワークを把持する方向は、T溝6の延在方向となる。
なお、以下の説明では、T溝の延在方向を「把持方向」といい、把持方向におけるワーク側を「把持側」という。また、把持方向と直交し、載置面3と平行な方向を「幅方向」という。さらに、載置面に対し垂直な方向を「上下方向」という。
また、本明細書では、「移動口金機構」と言った場合には、ワークを把持する把持側へ移動可能に設けられる口金部材と、口金部材を把持側へ押圧する押圧手段とを含む「機構」を意味する。また、「移動口金装置」と言った場合には、移動口金機構及び固定手段(固定ボルト8及びT溝ナット7)を含む構成を意味する。同様に「固定口金機構」と言った場合には、口金部材を含み前記移動口金機構と対向して配置されて前記移動口金機構と協働してワークを把持する「機構」を意味する。また、「固定口金装置」と言った場合には、固定口金機構及び固定手段(固定ボルト8及びT溝ナット7)を含む構成を意味する。
図1〜図5を参照して移動口金装置20について説明する。移動口金装置20は、主要な構成として、載置面3上に載置される移動側本体フレーム33と、斜面26を有するとともに移動側本体フレーム33に上下方向に変位可能に支持される案内部としての移動側案内部材25と、移動側案内部材25を載置面3側へ押圧する押圧手段としてのねじ機構であってクランプボルト9及びT溝ナット44からなるねじ機構と、移動側案内部材25の斜面26と面接触する斜面28を有するとともに把持方向へ変位可能な移動側口金部材27と、移動側本体フレーム33の移動側ベース部23と移動側口金部材27との間に設けられるとともに移動側口金部材27を移動側ベース部23から離間させる方向へ付勢する付勢手段としてのOリング30と、移動側本体フレーム33を載置面3に固定する固定手段としてのT溝ナット7及びT溝ナット7と螺合する固定ボルト8と、を備えている。
図4で示すとおり、移動側本体フレーム33は、ほぼ直方体状のブロック体である固定部34と、固定部34と一体に形成されるとともに固定部34から把持側へ突出する移動側ベース部23とを有している。
固定部34は、下面が平面に形成されると共に、下面と直交する方向に貫通する固定用の2つの貫通孔35、35を有する。この2つの貫通孔35、35は、固定部に対し、長手方向と直交する幅方向の同じ位置で、長手方向に並設されるかたちで形成されている。また、固定部34の把持側に面する端面である受圧面38は、前記長手方向と直交する平面に形成されている。
移動側ベース部23は、その下面を固定部34の下面と一致させ、固定部34における受圧面38側の端部から突出するかたちで形成されている。また、移動側ベース部23は、その上面が下面と平行な平面として形成されており、上下方向に関し固定部34の1/4程度の寸法で形成されている。また、前記長手方向と直交する幅方向に関しては、移動側ベース部23は、固定部34における受圧面38側の部分と同じ寸法で、固定部34と側面を一致させるかたちで形成されている。前記のように、移動側本体フレーム33(固定部34、移動側ベース部23)は、下面を載置面3に当接された状態で載置面3上に設置される。従って、その状態においては、移動側ベース部33の上面は載置面3と平行となっており、この上面が支持面24となる。
移動側本体フレーム33は、固定用の貫通孔35、35に上方から挿通された固定ボルト8を、工作機械のテーブル5のT溝6内に配置されたT溝ナット7に螺合させることにより、載置面3に載置された状態でテーブル5に固定される。従って、この固定状態においては、移動側本体フレーム33は、その長手方向をT溝6の延在方向と一致させた状態となっている。なお、図示の例では、T溝ナット7は、2本の固定ボルトに共通のナットとして設けられている。このように、移動側本体フレームは、2本の固定ボルト8及びT溝ナット7によって工作機械のテーブル5に固定されるものであり、その固定ボルト8およびT溝ナット7が固定手段となっている。
案内部としての移動側案内部材25は、移動側本体フレーム33(移動側ベース部23)と同じ幅方向の寸法を有するブロック状の部材である。図2及び図4で示すとおり、移動側案内部材25は、幅方向と直交する方向(以下、「厚さ方向」と言う。)に関し上面の寸法が下面の寸法よりも大きいくさび形状に形成されており、厚さ方向における一方の面が、幅方向で見て、他方の面に対し下向きに傾斜する斜面26となっている。すなわち、移動側案内部材25は、下向き斜面を有する。なお、図示の例では、前記の他方の面に対する一方の面の角度が30°となるように、上面及び下面の厚さ方向の寸法が設定されている。
そして、移動側案内部材25は、移動側本体フレーム33の移動側ベース部23の上方で、前記他方の面であるくさび面40を移動側本体フレーム33の固定部34における受圧面38に当接させた状態で配置される。
また、図1、3に示すとおり、移動側案内部材25には、斜面26の幅方向における中央部に、幅方向と直交する方向で斜面26に沿って延在する突起部32が形成されている。この突起部32は、その延在方向と直交する方向における断面形状がV字形、すなわち、断面形状が斜面26を底辺とする二等辺三角形となるように形成されている。したがって、その突起部32における斜面26に沿って延在方向に延びる突出面131は、斜面26に対し傾斜すると共に前記把持方向と交差する面となっている。
図2、4に示すとおり、移動側口金部材27は、移動側案内部材25と同じ幅方向の寸法を有するブロック状の部材である。また、移動側口金部材27は、前記した移動側案内部材25の構成とは逆に、前記厚さ方向における一方の面が、幅方向に見て、他方の面に対し上向きに傾斜する斜面28となっている。すなわち、移動側口金部材27は、上向き斜面を有する。
なお、図示の例では、前記他方の面に対する一方の面(斜面28)の角度が移動側案内部材35と同じ角度(30°)となるように、上面及び下面の厚さ方向の寸法が設定されている。また、下面については、幅方向に見て、前記他方の面に対し直交する平面となるように形成されている。そして、移動側口金部材27は、移動側本体フレーム33の移動側ベース部23の上方に配置され、前記斜面28を移動側案内部材25における斜面26に当接させた状態で、移動側案内部材25に対して取り付けられている。すなわち、移動側口金部材27は、その下面29を移動側ベース部23の支持面24に対向させると共に、上向き斜面としての前記斜面28を移動側案内部材25の斜面26に当接させた状態で、移動側案内部材25に対し取り付けられている。なお、移動側口金部材27のワーク2側の端面は、ワーク2と当接する移動側把持面21となる。
さらに、図1、3に示すとおり、移動側口金部材27は、前記した移動側案内部材25の突起部32に対応させるべく、斜面28の幅方向における中央部において幅方向と直交する方向に延在する案内溝31を有している。この案内溝31は、その延在方向と直交する方向における断面の形状が移動側案内部25における前記突起部72の形状に対応したV字形に形成されている。
より詳しくは、図3に示すように、案内溝31は、移動側口金部材27の斜面28と移動側案内部材25の斜面26とが当接した状態で、その前記延在方向に延びる内壁面132が、移動側案内部材25の突起部32における突出面131と当接した状態となるように形成されている。より具体的には、案内溝31は、その延在方向と直交する断面における形状が、突起部32の延在方向と直交する方向の断面形状と同じ大きさの頂角及び高さを有する二等辺三角形となるように形成されている。このような構成により、移動側口金部材27がその斜面28を移動側案内部材25の斜面26に当接させて移動側案内部材25に取り付けられた状態では、移動側案内部材25の突起部32と移動側口金部材27の案内溝31とは、前記把持方向と交差するように形成された前記の突出面131と内壁面132とが当接した状態となり、これら各面が案内面となって移動側案内部材25に対する移動側口金部材27の変位を案内する案内構造が構成される。そして、その構成の案内構造によれば、案内面として機能する移動側案内部材25における突起部32の突出面131及び移動側口金部材27における案内溝31の内壁面132各面が隙間なく当接した状態で、移動側案内部材25に対する移動側口金部材27の変位を案内することが可能となっている。
図4に示すように、移動側口金部材27の下面29には、座ぐり穴46が形成されており、この座ぐり穴46収容されるかたちで、移動側口金部材27と移動側本体フレーム33の移動側ベース部23との間(移動側口金部材27の下面29とベース部の支持面24との間)にOリング30が設けられている。座ぐり穴46は、その深さ寸法が、Oリング30の厚さ寸法よりも小さい寸法となるように形成されている。したがって、Oリング30は、座ぐり穴46に収容された状態で移動側口金部材27の下面29から突出した状態となっている。これにより、移動側口金部材27は、移動側ベース部23の支持面24上において、Oリング30を介して支持された状態となっている。なお、本実施形態では、図3、5に示すとおり、Oリング30は、幅方向に離間させて3つ設けられている。したがって、座ぐり穴46も幅方向に離間して並設されるかたちで3つ形成されている。
なお、図2に示すとおり、本実施形態では、移動側案内部材25と移動側口金部材27とは、復帰用ばね49によって連結されている。復帰用ばね49は、鋼線を折り曲げて形成された引張ばねであり、移動側案内部材25及び移動側口金部材27の両側面において、移動側本体フレーム33の長手方向(把持方向)に関し、移動側案内部材25及び移動側口金部材27に跨った状態で、その先端が移動側案内部材25及び移動側口金部材27の各々の側面に形成された取付穴50に挿入され、固定されている。
各復帰用ばね49は、その引張方向を移動側本体フレーム33の長手方向(把持方向)に沿った方向に向けた状態で、一端側を含む一部を移動側案内部材25における斜面26側から突出させた状態で、移動側案内部材25の側面に固定されている。また、各復帰用ばね49は、前記の移動側案内部材25から突出する部分において、移動側口金部材27の側面に固定されている。
この復帰用ばね49は、その引張方向の弾性力によって移動側口金部材27と移動側案内部材25との当接状態を維持し、移動側口金部材27が移動側ベース部23から脱落するのを防止するとともに、その弾性変形によって、移動側案内部材25に対する移動側口金部材27の相対的な変位を可能としている。
なお、本実施形態では、移動側案内部材25及び移動側口金部材27の両側面に復帰用ばね49を収容するためのぬすみ加工部51が形成されており、復帰用ばね49はぬすみ加工部51内に収容され、そのぬすみ加工部51がカバ39で覆われる構成となっている。
次に、移動側案内部材25の支持構造及びねじ機構について説明する。図4に示すとおり、移動側案内部材25は、上下方向に貫通する貫通孔41を有している。この貫通孔41は、幅方向に関し移動側案内部材25の中央に開口するように形成されている。また、移動側ベース部23にも、移動側本体フレーム33に対する移動側案内部材25の前記配置において、前記貫通孔41に対向する位置に、上下方向に貫通する貫通孔43が形成されている。そして、移動側案内部材25は、前記配置により貫通孔41の位置を移動側ベース部23の貫通孔43に一致させた状態で、移動側案内部材25の上面側から前記貫通孔41、43に対しクランプボルト9が挿入されることによって、移動側ベース部23に対し水平方向(把持方向及び幅方向)の変位が規制されると共に、上下方向に変位可能に支持された状態となる。
クランプボルト9は、貫通孔41の上面開口部に形成された座ぐり穴42の底にねじの頭部を係止させた状態で移動側ベース部23を貫通して移動側ベース部23から突出する長さ寸法を有し、その突出側の端部においてテーブル5のT溝6内に配置されたT溝ナット44に螺合される。移動側案内部材25が前記のようにクランプボルト9に支持された状態において、移動側案内部材25のくさび面40と、移動側本体フレーム33の受圧面38とが当接した状態となっており、移動側案内部材25は、クランプボルト9の軸回りの回動を規制された状態となっている。これらの構成により、移動側案内部材25は、移動側本体フレーム33に対し上下方向のみに変位するようになっている。
そして、上下方向における移動側案内部材25の位置については、移動側口金部材27及びOリング30で支持されている。詳しくは、移動側案内部材25自体は、移動側ベース部23(クランプボルト9)に対し上下方向に変位自在であり、自重により、移動側ベース部23側へ変位するものとなっている。なお、移動側案内部材25が移動側ベース部23側へ変位すると、斜面28で移動側案内部材25と当接する移動側口金部材27は、前記厚さ方向(移動側本体フレーム33の長手方向)において移動側本体フレーム33の固定部34から離間する方向へ変位する。
ただし、前記のように、移動側案内部材25と移動側口金部材27とは復帰用ばね49によって連結されており、また、復帰用ばね49の弾性力は、水平方向の位置が規制された移動側案内部材25に対し移動側口金部材27を引き寄せるように作用している。そして、この復帰用ばね49は、その弾性力により、移動側案内部材25の自重によって移動側口金部材27に作用する力よりも大きい引張力で移動側案内部材25と移動側口金部材27とを連結するものとなっている。
従って、移動側案内部材25の自重が作用しても、復帰用ばね49の弾性力によって移動側口金部材27は前記のように固定部34から離間する方向に変位しないため、移動側案内部材25に対し下方へ向けた力が作用しない状態においては、上下方向における移動側案内部材25の位置は、移動側口金部材27によって支持された状態となる。そして、前述のように、移動側口金部材27はOリング30を介して移動側ベース部23の支持面24上に支持されているため、移動側案内部材25は、上下方向に関し、Oリング30、移動側口金部材27及び復帰用ばね49を介して支持されている。
前述のように、移動側口金部材27はOリング30を介して移動側ベース部23の支持面24上に支持されており、また、移動側口金部材27と移動側案内部材25とは復帰用ばね49によって連結されている。言い換えれば、Oリング30は、復帰用ばね49によって連結された移動側口金部材27及び移動側案内部材25を支持している。従って、Oリング30は、移動側口金部材27及び移動側案内部材25の自重を支持しており、それによって弾性変形し、その弾性変形に応じた付勢力を移動側口金部材27に対し作用させている。よって、移動口金装置20においては、このOリング30が付勢手段に相当している。なお、Oリング30は、前記のような移動側口金部材27及び移動側案内部材25の自重が作用しても、移動側口金部材27の下面29を移動側ベース部23の支持面24から離間させることができるものとなっている。
また、本実施形態では、前述のクランプボルト9及びT溝ナット44から成るねじ機構が、載置面3側へ向けた押圧力を移動側案内部材25に対し作用するものとなっている。
詳しくは、前述したように、移動側案内部材25の支持構造においては、クランプボルト9が移動側案内部材25の上方から挿通されており、そのクランプボルト9に対し、固定手段のT溝ナット7とは別にT溝6内に配置されたT溝ナット44が螺合されている。T溝ナット44は、T溝6に対応する倒立したT字形の断面形状を有し、T溝6内において回転不能な状態で配置されている。また、そのT溝ナット44は、T溝6内において幅方向の両側へ突出する部分の高さ寸法が、T溝6の対応する部分の高さ寸法よりも低く設定されている。したがって、T溝ナット44は、クランプボルト9と螺合され、その螺合状態を変化させることにより、T溝6内において上下方向に変位するものとなっている。
そこで、クランプボルト9を締め込む方向へ回転させてT溝ナット44に対する螺合状態を変化させることで、T溝ナット44を上方へ変位させ、T溝ナット44をT溝6の上側の内壁面に当接させ、T溝ナット44の上下位置がT溝6に係止された状態とすることができる。そして、そのT溝ナット44の上下位置がT溝6に係止された状態から、さらにクランプボルト9を締め込む方向へ回転させると、今度はクランプボルト9の頭部が下方へ変位することとなり、それにより、クランプボルト9の頭部によって、移動側案内部材25に対しクランプボルト9の軸線方向における載置面3側へ向けた力が作用し、移動側案内部材25が移動側ベース部23側へ変位することとなる。そして、その移動側案内部材25のベース部24側への変位にともない、移動側案内部材25の斜面26に当接する移動側口金部材27が移動側案内部材25から力を受けて把持側(ワーク2に対し押し付けられる方向)へ変位する。したがって、クランプボルト9及びT溝ナット44は、移動側案内部材25を支持するとともに、移動側案内部材25を介して移動側口金部材27を把持側に押圧するものとなっており、押圧手段としても機能している。
なお、以上で説明した移動口金装置20は、載置面3と平行な支持面24を有する移動側ベース部23、把持側を向く斜面26を有する案内部としての移動側案内部材25、移動側案内部材25の斜面26に対向する斜面28を有する移動側口金部材27、及び、移動側ベース部23と移動側口金部材27との間に設けられて移動側口金部材27を載置面3から離間させる方向へ付勢する付勢手段としてのOリング30を含み、これらの構成の組み合わせから成るワーク押付構造22を有する構成となっている。そして、本実施形態では、そのようなワーク押付構造22を有する移動口金機構20とその移動口金機構20を工作機械のテーブル5に固定するための移動側本体フレーム33の固定部34とで、移動口金装置20が構成されている。
次に、図1〜3、6、7を参照して固定口金装置60について説明する。固定口金装置60は、主要な構成として、載置面3上に載置される固定側本体フレーム73と、斜面66を有するとともに固定側本体フレーム73に固定支持される案内部としての固定側案内部材65と、固定側案内部材65の斜面66と当接する斜面68を有するとともに上下方向に変位可能に固定側案内部材65に支持される固定側口金部材67と、固定側本体フレーム73の固定側ベース部63と固定側口金部材67との間に設けられるとともに固定側口金部材67を固定側ベース部63から離間させる方向へ付勢するボールプランジャ70と、固定側本体フレーム73を載置面3に対し固定する固定手段としてのT溝ナット7及び固定ボルト8と、を備えている。
図6で示すとおり、固定側本体フレーム73は、ほぼ直方体状のブロック体である固定部74と、固定部74と一体に形成されるとともに固定部74からワーク2側へ突出する固定側ベース部63とを有している。
固定部74は、下面が平面に形成されると共に、下面と直交する方向に貫通する固定用の2つの貫通孔75、75を有する。この2つの貫通孔75、75は、固定部74に対し長手方向と直交する幅方向の同じ位置で、長手方向に並設されるかたちで形成されている。る。また、固定部74の把持側に面する端面である取付面78には、固定側案内部材65を固定するための雌ねじ孔81が、上下方向に関し同じ位置で、幅方向に併設されるかたちで2つ形成されている。
固定側ベース部63は、その下面を固定部74の下面と一致させ、固定部74における取付面78側の端部から突出するかたちで形成されている。また、固定側ベース部63は、その上面が下面と平行な平面として形成されており、上下方向に関し固定部74の1/4程度の寸法で形成されている。また、前記長手方向と直交する幅方向に関しては、固定側ベース部63は、固定部74における取付面78側の部分と同じ寸法で、固定部74と側面を一致させるかたちで形成されている。前記のように、固定側本体フレーム73(固定部74、固定側ベース部63)は、下面を載置面3に当接された状態で載置面3上に設置される。従って、その状態においては、固定側ベース部63の上面は載置面3と平行となっており、この上面が支持面64となる。
固定側本体フレーム73は、各固定用の貫通孔75に上方から挿通された固定ボルト8を、工作機械のテーブル5のT溝6内に配置されたT溝ナット7に螺合させることにより、載置面3に載置された状態でテーブル5に固定される。従って、この固定状態においては、固定側本体フレーム73は、その長手方向をT溝6の延在方向と一致させた状態となっている。なお、図示の例では、T溝ナット7は、2本の固定ボルトに共通のナットとして設けられている。このように、固定側本体フレームは、2本の固定ボルト8及びT溝ナット6によって工作機械のテーブル5に固定されるものであり、その固定ボルト8およびT溝ナット7が固定手段となっている。
本実施形態では、案内部としての固定側案内部材65は、固定側本体フレーム73(固定側ベース部63)と同じ幅方向の寸法を有するブロック状の部材である。図2及び図6で示すとおり、固定側案内部材65は、厚さ方向に関し上面の寸法が下面の寸法よりも大きいくさび形状に形成されており、厚さ方向における一方の面が、幅方向で見て、他方の面に対し下向きに傾斜する斜面66となっている。すなわち、固定側案内部材65は、下向き斜面を有する。なお、図示の例では、前記の他方の面に対する一方の面の角度が15°となるように、上面及び下面の厚さ方向の寸法が設定されている。
そして、固定側案内部材65は、固定側本体フレーム73の固定側ベース部63の上方で、前記他方の面である固定面80を固定側本体フレーム73の固定部74における取付面78に当接させた状態で配置され、固定側本体フレーム73に対して取り付けられる。
図6に示すように、固定側案内部材65には、把持方向へ貫通する貫通孔82が2つ形成されている。この2つの貫通孔82、82は、固定側案内部材65の上面を固定側本体フレーム73(固定部74)の上面に一致させた状態において、その中心が固定部74の雌ねじ孔81、81の中心と一致するように形成されている。そして、固定側案内部材65は、取付ボルト83を貫通孔82に挿入して雌ねじ孔81に螺合させることにより、固定側本体フレーム73に対し固定されている。なお、貫通孔82の斜面66に開口する部分は座ぐり加工されており、取付ボルト83の頭が斜面66から出ないようになっている。さらに、固定側案内部材65には、固定側口金部材67を係止する係止ボルト84が螺合される雌ねじ孔85が形成されている。
また、図1、3に示すとおり、固定側案内部材65には、斜面66の幅方向における中央部に、幅方向と直交する方向で斜面66に沿って延在する突起部72が形成されている。この突起部72は、その延在方向と直交する方向における断面形状がV字形、すなわち、断面形状が斜面66を底辺とする二等辺三角形となるように形成されている。したがって、その突起部72における斜面66に沿って延在方向に延びる突出面121は、斜面66に対し傾斜すると共に前記把持方向と交差する面となっている。
図2、6に示すとおり、固定側口金部材67は、固定側案内部材65と同じ幅方向の寸法を有するブロック状の部材である。また、固定側口金部材67は、前記した固定側案内部材65の構成とは逆に、前記厚さ方向における一方の面が、幅方向に見て、他方の面に対し上向きに傾斜する斜面68となっている。すなわち、固定側口金部材67は、上向き斜面を有する。
ただし、前記他方の面に対する一方の面(斜面68)の角度が固定側案内部材65と同じ角度(15°)となるように、上面及び下面の厚さ方向の寸法が設定されている。また、下面については、幅方向に見て、前記他方の面に対し直交する平面となるように形成されている。そして、固定側口金部材67は、固定側本体フレーム73の固定側ベース部63の上方に配置され、前記斜面68を固定側案内部材65における斜面66に当接させた状態で、固定側案内部材65に対して取り付けられている。すなわち、固定側口金部材67は、その下面69を固定側ベース部63の支持面64に対向させると共に、上向き斜面としての前記斜面68を固定側案内部材65の斜面66に当接させた状態で、固定側案内部材65に対し取り付けられている。そして、固定側口金部材67の把持側の端面は、ワーク2と当接する固定側把持面61となる。
また、図6、7に示すとおり、固定側口金部材67は、幅方向の中央に厚さ方向に貫通すると共に内径寸法が上下方向に長い長孔90を有している。そして、固定側口金部材67は、把持側から長孔90に挿入された係止ボルト84を固定側案内部材65の雌ねじ孔85に螺合されると共に、その係止ボルト84の把持方向の位置が雌ねじ孔85に螺合された止めねじ86により規制されることにより、固定側案内部材65に対し、長孔90の延在範囲内で上下方向に変位可能に取り付けられている。
なお、本実施形態では、固定側口金部材67の下面69が固定側ベース部63の支持面64に当接した状態から、載置面3に対し上方向に0.05mm変位可能となるように、固定側口金部材67の長孔90及び固定側案内部材65の雌ねじの位置及び寸法が定められている。具体的には、長孔90は、延在方向の寸法が幅方向の寸法よりも0.05mm以上大きくなるように形成されている。そして、長孔90内の下縁が係止ボルト84に当接した状態で、固定側口金部材67の下面69が固定側ベース部63の支持面64に対し0.05mm離間した状態となるように、長孔90及び固定側案内部材65の雌ねじの位置及び寸法が定められている。
また、固定側把持面61には、係止ボルト84の頭部を収容するための座ぐり孔が設けられている。この座ぐり孔は、前記厚さ方向に関し、その深さ寸法を係止ボルト84の頭部よりも大きい寸法に設定されている。また、座ぐり孔は、その直径寸法を、固定側口金部材67が上下方向に変位した際に係止ボルト84の頭部と干渉の生じない大きさの直径寸法に設定されている。したがって、係止ボルト84は、その頭部をこの座ぐり孔に収容されて固定側把持面61から把持側へ突出せず、且つ、固定側口金部材67の上下方向の変位が妨げられない取付状態となっている。これにより、固定側口金部材67の固定側把持面61は、係止ボルト84とワーク2とが干渉しない状態でワーク2に対し当接可能な状態となっている。
さらに、図1、3に示すとおり、固定側口金部材67は、前記した固定側案内部材65の突起部72に対応させるべく、斜面68の幅方向における中央部において幅方向と直交する方向に延在する案内溝71を有している。この案内溝71は、その延在方向と直交する方向における断面の形状が固定側案内部65における前記突起部72の形状に対応したV字形に形成されている。
より詳しくは、案内溝71は、固定側口金部材67の斜面68と固定側案内部材65の斜面66とが当接した状態で、その前記延在方向に延びる内壁面122と、固定側案内部材65の突起部72における突出面121と当接した状態となるように形成されている。より具体的には、案内溝71は、その延在方向と直交する断面における形状が、突起部72の延在方向と直交する方向の断面形状と同じ大きさの頂角及び高さを有する二等辺三角形となるように形成されている。このような構成により、固定側口金部材67がその斜面68を固定側案内部材65の斜面66に当接させて固定側案内部材65に取り付けられた状態では、固定側案内部材65の突起部72と固定側口金部材67の案内溝71とは、前記把持方向と交差するように形成された前記の突出面121と内壁面122とが当接した状態となり、これら各面が案内面となって固定側案内部材65に対する固定側口金部材67の変位を案内する案内構造が構成される。そして、その構成の案内構造によれば、案内面として機能する固定側案内部材65における突起部72の突出面121及び固定側口金部材67における案内溝71の内壁面122が隙間なく当接した状態で、固定側案内部材65に対する固定側口金部材67の変位を案内することが可能となっている。
また、図6、7、8に示すとおり、固定側ベース部63には、固定側口金部材67を固定側ベース部63から離間させる方向へ付勢するボールプランジャ70が取り付けられている。このボールプランジャ70は、固定側ベース部63と固定側口金部材67との間に設けられるものであるが、本実施形態では、固定側ベース部63に対し下面と直交する方向に貫通する貫通孔が形成されており、ボールプランジャ70は、その貫通孔内に収容されている。なお、この貫通孔には、その内周面に雌ねじが形成されている。また、本実施形態では、ボールプランジャ70は、幅方向に離間させて2つ設けられている。したがって、前記貫通孔も、幅方向に離間して2つ形成されている。
図8に示すとおり、ボールプランジャ70は、外周面に雄ねじが形成されるとともに一方の端面に開口する収容孔93を有する雄ねじ部材87と、雄ねじ部材87の収容孔93に軸方向へ移動可能に嵌入される鋼球88と、鋼球88と収容孔93の底面との間に設けられて鋼球88を付勢するばね部材としての圧縮ばね89とからなる。そして、ボールプランジャ70は、雄ねじ部材87の前記一方の端面側を上方(支持面64側)に向けた状態で、外周面の雄ねじを固定側ベース部63の前記貫通孔の内周面に形成された雌ねじに螺合させることにより、固定側ベース部63に対し取り付けられている。ボールプランジャ70の底部(雄ねじ部材87の他方の端面側)には、六角穴が形成されている。したがって、ボールプランジャ70は、六角レンチにより回動操作されることによって、前記貫通孔内において固定側ベース部63に対する上下方向の位置が調整できるようになっている。
ボールプランジャ70の鋼球88は、固定側口金部材67の下面69に下方から当接しており、鋼球88を介し、圧縮ばね89の付勢力(弾性力)を固定側口金部材67の下面69に対し作用させ、固定側口金部材67を上方(載置面3から離間させる方向、反載置面3側)へ向けて付勢している。従って、本実施形態では、このボールプランジャ70における圧縮ばね89及び鋼球88が、付勢手段に相当している。なお、この付勢手段における圧縮ばね89は、固定側口金部材67に重力以外の外力が作用しない状態において、固定側口金部材67の下面69を固定側ベース部63の支持面64から離間させることができる付勢力を有するものが用いられている。
また、ボールプランジャ70は、前記のように固定側ベース部63に対する雄ねじ部材87の上下方向の位置が調整可能となっており、その調整により、収容孔93の底面と固定側口金部材67の下面69(固定側ベース部63の支持面64)との間の距離を変更して圧縮ばね89の付勢力を調節することができるものとなっている。したがって、ボールプランジャ70の雄ねじ部材87及び固定側ベース部63の雌ねじが付勢力調節機構に相当する。
以上のように、本実施形態の固定口金装置60は、載置面3と平行な支持面64を有する固定側ベース部63と、下向き斜面(斜面66)を有する案内部としての固定側案内部材65と、固定側案内部材65の下向き斜面(斜面66)に対向する上向き斜面(斜面68)を有する固定側口金部材67と、固定側ベース部63に設けられて固定側口金部材67を反載置面3側(載置面3から離間する方向)へと付勢する付勢手段としてのボールプランジャ70の鋼球88及び圧縮ばね89とを含み、これらの構成の組み合わせから成るワーク押付構造62を有する構成となっている。そして、本実施形態では、そのようなワーク押付構造62を有する固定口金機構60と、その固定口金機構60を工作機械のテーブル5に固定するための固定側本体フレーム73の固定部74とで、固定口金装置60が構成されている。
なお、本実施形態では、移動口金装置20及び固定口金装置60が、ワーク2を載置するための受け部材47、91、移動側本体フレーム33、固定側本体フレーム73をT溝6に対し位置決めするためのブシュ36、76、及び、移動側口金部材27と移動側ベース部23との間及び固定側口金部材67と固定側ベース部63の支持面64との間への切屑の侵入を防止するためのカバ39、79を備えている。これらの構成は、移動口金装置20と固定口金装置60とで同じであるため、以下では固定口金装置60について説明するものとする。移動口金装置については、以下の説明において、固定側本体フレーム73、固定側口金部材67、固定側ベース部63、支持面64、受け部材91(着座面92)、ブシュ76、カバ79を、それぞれ、移動側本体フレーム33、移動側口金部材27、移動側ベース部23、支持面24、受け部材47(着座面48)、ブシュ36、カバ39と読み換えたものとなる。
図6に示すように、受け部材91は、固定側本体フレーム73への取付部と、ワーク2を支持する支持部とを一体に形成した部材である。取付部は、固定側ベース部63と同じ幅方向の寸法を有し、ブロック状に構成されている。取付部は、下面が平面に形成されており、高さ寸法が、固定側ベース部63よりもやや低いものとなっている。また、取付部は、幅方向と平行に延在する両側面が、下面と直交する平面に形成されている。
支持部は、取付部と同じ幅方向の寸法を有する板状の部分であって、取付部の上面から突出するかたちで形成されている。この支持部は、その板厚方向の寸法が、取付部の前記両側面間の寸法より小さく形成されている。そして、図示の例では、支持部は、その板厚方向における一方の面を、取付部における前記両側面のうちの一方の側面に一致させるかたちで、取付部の上面から上方へ向けて延在している。また、支持部は、上面が取付部の下面と平行な平面に形成されており、この上面がワーク2の着座する着座面92となっている。さらに、支持部は、受け部材91の高さ寸法が、固定側ベース部63の高さ寸法よりも大きい寸法となる上下方向の寸法を有する。因みに、図示の例では、受け部材の高さ寸法は、固定側ベース部63の高さ寸法の約2倍となっている。
以上のように構成された受け部材91は、その取付部において固定側ベース部63に取り付けられる。より詳しくは、受け部材91は、取付部の下面を固定側ベース部63の下面に一致させると共に、取付部の前記両側面のうちの反支持部側の面を固定側ベース部63における把持側の端面に当接させた状態で、取付部に対し前記一方の側面側から挿入された取付ボルトにより、固定側ベース部63に取り付けられる。
なお、図6において、固定側ベース部63における把持側の端面には、把持方向の雌ねじ孔が幅方向に併設されるかたちで2つ形成されている。また、受け部材91には、前記のように取り付け位置において、固定側ベース部63における把持側の端面の2つの雌ねじ孔と中心が一致する位置において、把持方向へ貫通する貫通孔が形成されており、取付ボルトをこの貫通孔に把持側から挿入して固定側ベース部63の雌ねじに螺合させることにより、受け部材91が固定側ベース部63に対し固定されている。なお、前記貫通孔の把持側に開口する部分は座ぐり加工されており、取付ボルトの頭が把持側から突出しない構成になっている。
本実施形態では、固定口金装置60がこのような受け部材91を備え、その支持部の着座面92にワーク2を載置されるものとすることにより、ワーク2の高さ寸法が載置面3から固定側口金部材67の下面69までの高さよりも低い高さ寸法のものであっても、ワーク2を固定側口金部材67の下面69よりも上方に配置して、ワーク2を固定側口金部材67で把持することを可能としている。
ブシュ76は、工作機械のテーブル5のT溝6における載置面3側の開口部の幅寸法に応じた外径を有する中空円筒状の部材である。ブシュ76は、固定側本体フレーム73の下面における幅方向の中央に、ブシュ76の中空部に対し下方から挿通された取付ボルト77によって固定されている。なお、図示の例では、このブシュ76は、固定側本体フレーム73の長手方向に並設されるかたちで2つ取り付けられている。このブシュ76は、その外周面と工作機械のテーブル5におけるT溝6の開口部における内側面との当接によって、固定側本体フレーム73のT溝6に対する幅方向の位置を規制するものである。ただし、このブシュ73は、本発明における固定口金装置60において必ずしも必要ではなく、省略可能である。
カバ79は、固定側本体フレーム73の幅方向の両側面に取り付けられる板部材である。把持方向に関し固定側ベース部63よりも長い長さ寸法を有すると共に、固定側本体フレーム73の固定部74よりもやや低い高さ寸法を有している。本実施形態では、前記固定部74の幅方向の両側面にぬすみ加工部78が設けられており、カバ79は、そのぬすみ加工部78において固定側本体フレーム73に対し取り付けられている。ぬすみ加工部78は、幅方向に見て、固定側本体フレーム73における固定側ベース部63を含む把持側の領域に設けられており、カバ79は、このぬすみ加工部78に取り付けられることにより、固定側口金部材67の下面69と固定側ベース部63の支持面64との間の隙間を幅方向に塞ぐかたちとなっている。
なお、固定側本体フレーム73と同じ幅寸法に設けられる前記各部材は、このぬすみ加工部78における固定側本体フレーム73の幅寸法と同じ寸法に設けられているものとする。また、カバ79は、固定側本体フレーム73に取り付けられた状態において、固定側案内部材65及び固定側口金部材67よりも幅方向の外側の位置に配置されており、固定側口金部材67の載置面3側への変位を妨げないものとする。
図1、2を参照して、本発明のワーク把持装置1の作用を説明する。まず、図1において、移動口金装置20及び固定口金装置60は、それぞれの移動側口金部材27及び固定側口金部材67の把持面21、61を互いに対向させ、両把持面21、61の間隔を把持対象であるワーク2の把持方向寸法に合わせた状態で、工作機械におけるテーブル5の載置面3上に設置される。そして、この状態において、両装置における受け部材47、91上に載置されるかたちでワーク2がセットされる。
なお、固定口金装置60は、前述の固定ボルト8及びT溝ナット7からなる固定手段により、載置面3上における所定の位置に予め固定されているものとする。また、移動口金装置20については、ワーク2がセットされる時点においては、前記固定手段による完全固定の状態とはなっておらず、テーブル5のT溝6の延在方向に位置調整可能となっている。ワーク2をセットした後、ワーク2における把持方向の一方の面を固定口金装置60における把持面61に当接させ、次に、移動口金装置20における把持面21がワーク2における把持方向の他方の面に当接するように移動口金装置20の把持方向位置を調整し、その位置において、移動口金装置20を固定手段(固定ボルト8及びT溝ナット7)によって載置面3に固定する。
なお、この状態(以下、「初期状態」という。)においては、移動口金装置20及び固定口金装置60の移動側口金部材27及び固定側口金部材67に対し、把持方向の力は作用していない。したがって、移動口金装置20においては、Oリング30の弾性力(載置面3から離間させる方向への付勢力)により、移動口金部材27は、下面29を移動側ベース部23の支持面24から上方へ離間させた状態となっており、その斜面28と接触する移動側案内部材25の斜面26に沿って支持面24側(載置面3側)へと変位可能な状態となっている。また、固定口金装置60においても、ボールプランジャ70による載置面3から離間させる方向への付勢力により、固定側口金部材67は、下面69を固定側ベース部63の支持面64から上方へ離間させた状態となっており、その斜面68と接触する固定側案内部材65の斜面66に沿って支持面64側(載置面3側)へと変位可能な状態となっている。
そして、その状態から、移動口金装置20において、前述のように、押圧手段(ねじ機構)によって移動側案内部材25に対し押圧力を作用させ、移動側案内部材25を移動側ベース部25側へ変位させると、移動側口金部材27が移動側案内部材25から把持側への押圧力を受け、移動側口金部材27がワーク2に対し押圧力を作用させた状態となる。また、移動口金装置20の移動側口金部材27がワーク2に対し押圧力を作用させると、その押圧力がワーク2を介して固定口金装置60の固定側口金部材60に受けられる。その結果として、固定口金装置60においては、固定側口金部材67がワーク2から押圧力を受け、その反力(押圧力)をワーク2に作用させた状態となるため、ワーク2は、その両側から移動口金装置20及び固定口金装置60によって押圧力を受けた状態、すなわち把持力を受けた状態となる。
また、本実施例のワーク把持装置1においては、前述のように、移動口金装置20及び固定口金装置60においては、各口金部材は、その斜面によって案内部材の斜面に当接している。すなわち、両斜面を当接面として案内部材と口金部材とが当接している。
従って、移動口金装置20においては、移動側案内部材25が下方へ変位されることに伴って前記当接面に作用する押圧力により、その押圧力の分力である前記把持側への押圧力に加え、移動側ベース部23側への押し下げる力が移動側口金部材27に作用する。また、固定口金装置60においては、前記のように固定側口金部材67がワーク2から押圧力を受けることに伴って前記当接面に作用する押圧力により、その押圧力の分力である固定側ベース部63側への押し下げる力が固定側口金部材67に作用する。それにより、ワーク2は、前記のように両側から把持力を受けた状態で、そのワーク2を把持する両口金部材がベース部側への押し下げる力を受けることにより、各口金部材から前記押付力を作用される。これにより、ワーク把持時のワーク浮き上がりを発生させにくくすると共に、ワーク把持後の加工剛性を向上させることができるので、ワーク2の加工精度が向上する。
なお、本実施形態の場合、移動口金装置20及び固定口金装置60の両方の口金機構にワーク押付構造22、62を有する構成としたので、移動口金装置20及び固定口金装置60の両方において、ワーク2対し前記押付力を作用させることができ、ワーク2を把持した時のワーク2の浮き上がりをより発生させにくくするとともに、ワーク2を把持した後の加工剛性をより向上させることができる。
そして、本実施形態のワーク把持装置1では、ワーク押付構造22、62において、移動側案内部材25及び固定側案内部材65に対する移動側口金部材27及び固定側口金部材67の変位を案内する案内構造(案内溝31、71及び突起部32、72)を有しているため、移動側口金部材27及び固定側口金部材67の載置面3側への変位時に移動側口金部材27及び固定側口金部材67が受ける抵抗を軽減することができ、ワーク2に対し安定して押付力を作用させることができる。
すなわち、本実施形態におけるワーク把持装置においては、移動口金装置20及び固定口金装置60の両方が前記案内構造を有しており、その案内構造が、前述のように、案内部材(移動側案内部材25、固定側案内部材65)の下向き斜面(斜面26、66)に対し直交する方向に延在するように形成された断面二等辺三角形形状の突起部(突起部31、71)と、口金部材(移動側口金部材27、固定側口金部材67)の上向き斜面(斜面28、68)に対し前記突起部に対応する形状及び配置で形成された案内溝(案内溝31、71)とで構成されているため、口金部材の変位を案内する案内面である突起部の突出面(突出面121、131)と案内溝の内壁面(内壁面122、132)とを隙間なく当接させた状態とすることができる。
そして、かかる構成によれば、ワーク押付構造22、62を有する移動口金装置20及び固定口金装置60において、ワーク2に対し作用させる把持方向の把持力が偏荷重となった場合であっても、前記案内構造における前記のような各案内面の当接により、移動側口金部材27及び固定側口金部材67が把持方向に平行な軸線周りに傾斜することはないため、移動側口金部材27及び固定側口金部材67の載置面3側への変位時に移動側口金部材27及び固定側口金部材67が受ける抵抗を軽減させることができ、移動側口金部材27及び固定側口金部材67がワーク2に対し作用させる載置面3側への押付力をより安定させることができる。
ところで、前記案内構造としての突起部31、71及び案内溝32、72は、移動側案内部材25及び固定側案内部材65並びに移動側口金部材27及び固定側口金部材67の幅方向における中央に1つのみ形成されるものとなっている。その理由は、次のとおりである。
例えば、固定側案内部材65及び固定側口金部材67に前記案内構造を幅方向に複数(例えば2つ)設けた場合、固定側案内部材65と固定側口金部材67との間に押圧力を作用させた際に、隣接する2つの案内溝の間の部分に対し、突起部72と案内溝71とが当接した状態で両者間に押圧力が作用した結果として生じる幅方向の押圧力が両側から作用することになる。そして、その場合、前記間の部分に対し両側から挟み込むかたちで押圧力が作用するため、その押圧力の作用方向で当接する各案内面(突出面131、内壁面132)間で大きな摩擦力が生じ、その摩擦力が固定側案内部材65に対する固定側口金部材67の載置面側への円滑な変位を妨げる抵抗となってしまう。そして、そのような抵抗が案内面間に作用する結果、固定側口金部材67がワーク2に対し作用させる載置面3側への押付力が不安定になってしまう。
これに対し、本実施形態では、前記案内構造を、口金部材及び案内部材の幅方向の中央に1つのみ設けたので、前記のような口金部材の載置面3側への円滑な変位に対する抵抗を生じさせるような押圧力が案内面間に作用することがなくなり、口金部材がワーク2に対し作用させる載置面3側への押付力を安定させることができる。
なお、移動側口金部材27及び固定側口金部材67は、前記のような載置面3側への押し下げる力を受けることにより、それぞれに対応して設けられている付勢手段(Oリング30、ボールプランジャ70)の付勢力に抗して下方へ変位することとなる。ただし、固定口金装置60においては、その付勢手段による付勢力は、前述の付勢力調節機構により、把持対象であるワーク2の材質等に応じた把持力(以下、「設定把持力」とも言う。)
に合わせた付勢力に調節されているものとする。以下に詳述する。
図8を参照して説明すると、固定口金装置60においては、付勢手段(ボールプランジャ70)による付勢力は、付勢力調節機構により調節可能となっている。また、ボールプランジャ70によって上方へ向けて付勢される固定側口金部材67の上下方向の位置は、固定側口金部材67に外力が作用していない状態では、ボールプランジャ70の付勢力に応じたものとなる。したがって、ボールプランジャ70による付勢力を調節することにより、その付勢力の大きさに応じて固定側口金部材67の下面69と固定側ベース部63の支持面64との間の距離が変化する。
なお、本実施形態における付勢力調節機構では、その付勢力の調節は、固定側ベース部63の雌ねじ孔に対するボールプランジャ70の雄ねじ部材87の位置(ねじ込み量)を調節し、前記初期状態(図8(a)参照、固定側口金部材67に重力以外の外力が作用していない状態)での圧縮ばね89の圧縮量を変更することでなされる。すなわち、付勢力を大きくする場合には、雄ねじ部材87を上方へ変位させて圧縮ばね89の圧縮量を大きくし、付勢力を小さくする場合には、雄ねじ部材87を下方へ変位させて圧縮ばね89の圧縮量を小さくするように調節する。
一方、ワーク2に作用させる把持力は、そのワーク2の材質等に応じて変更されることが好ましいとされている。この把持力は、移動口金装置20の押圧手段(クランプボルト9及びT溝ナット44)の作用によって移動側口金部材27が移動側案内部材25から把持側へ受ける押圧力に応じたものとなる。
また、前述のように、ワーク2を把持すべくワーク2に把持力を作用させると、それにともない、固定口金装置60の固定側口金部材67は、その把持力に応じた載置面3側への押し下げる力を固定側案内部材65から受け、ボールプランジャ70による付勢力に抗して下方へ変位する。固定側口金部材67が下方へ向けて変位すると、ボールプランジャ70の圧縮ばね89が圧縮され、鋼球88は下方へ変位する。
そして、本実施形態では、固定口金装置60の付勢手段(圧縮ばね89及び鋼球88)の付勢力は、ワーク2に対し設定把持力を作用させたときに、固定側口金部材67が受ける載置面3側への押し下げる力により、前記押し下げる力を受けた付勢手段が、その全長(圧縮された圧縮ばね89の長さ+鋼球88の直径)において収容空間94内に完全に収まる(収容される)、すなわち、固定側口金部材67の下面69が固定側ベース部63の支持面64に当接するように設定されるものとする。具体的には、次の点を考慮して設定される。
本実施形態の付勢力調節機構の構成の場合、前述のように付勢力を大きくする方向へボールプランジャ70の雄ねじ部材87の位置を調節する(雄ねじ部材87を上方へ変位させる)と、それにともない、雄ねじ部材87における収容孔93の底面と固定側ベース部63の支持面64との間の距離が小さくなる。一方で、固定側口金部材67によって前記押し下げる力が作用したときの付勢手段(圧縮ばね89及び鋼球88)の全長(圧縮された圧縮ばね89の長さ+鋼球88の直径)は、そのときの前記押し下げる力と付勢手段の付勢力との関係で決まる。
したがって、例えば、ワーク2に作用させる把持力を大きく設定した場合、前記押し下げる力は大きくなるため、それに応じて付勢手段による付勢力を大きくする必要があるが、そうすると、ボールプランジャ70の雄ねじ部材87における収容孔93の底面と、固定側ベース部63の支持面64との間の距離、すなわち、付勢手段を収容する収容空間94の上下方向(圧縮ばね89の圧縮方向)の寸法が小さくなる。
そこで、付勢手段による付勢力(雄ねじ部材87の上下方向の位置)は、前記押し下げる力との関係での付勢手段の収縮量と、収容空間94の上下方向の寸法を考慮し、ワーク2に対し設定把持力を作用させたときに、固定側口金部材67の下面69が固定側ベース部63の支持面64に当接するように設定される。
このように、本実施形態の構成では、ワーク2に対し設定把持力が作用した状態において、固定側ベース部63の雌ねじ孔と雄ねじ部材87(収容孔93の底面)とで画定される収容空間94内に付勢手段(圧縮ばね89及び鋼球88)が収容される(完全に収まる)ものとなっている。したがって、本実施形態では、この収容空間94が「凹部から成る収容空間であって付勢手段を収容する収容空間」に相当する。
そして、このような本実施形態のワーク把持装置1では、固定口金装置60が前記のような収容空間94を有し、ワーク2に対し設定把持力が作用した状態において、固定口金機構側では、固定側口金部材67の下面69が固定側ベース部63の支持面64に当接した状態となるため、固定口金装置60における固定側口金部材67の把持面61の位置が、ワーク2毎に常に一定の位置となる。それにより、ワーク把持時における固定口金装置60の固定側口金部材67の把持面61の位置を加工基準として設定することができ、作業者が把持方向の加工基準を設定するための作業時間を大幅に短縮することができる。
なお、前記付勢力調節機構の調節において、付勢手段の収容空間94の上下方向の寸法(雄ねじ部材87の上下方向の位置で決まる寸法)を、そのときのワーク2に対し設定把持力が作用したときの固定側口金部材67を載置面3側へと押し下げる力との関係で決まる付勢手段の全長と同じ大きさに設定すると、例えば把持力がワーク2に対し偏荷重として作用した場合等に、固定側口金部材67に実際に作用する把持力が設定把持力よりも小さくなり、固定側口金部材67の下面69が固定側ベース部63の支持面64に当接しない把持状態となってしまう。その状態では、固定側口金部材67の把持面61は、把持方向に関し固定側本体フレーム73に対する位置がワーク2毎に異なる位置となってしまうので、把持面61を加工基準として設定することができなくなる。
一方で、固定側口金部材67の下面69を固定側ベース部63の支持面64に確実に当接させるために、収容空間94の上下方向の寸法を大きくし過ぎると、付勢手段の付勢力が不足して、ワーク2に対し設定把持力が作用する前に固定側口金部材67の下面69が固定側ベース部63の支持面64に当接して、固定側口金部材67の下方への変位が規制された状態となる。そうすると、固定口金装置60の固定側口金部材67がワーク2に対し作用させる押付力の大きさは、最終的な把持状態(ワーク2を設定把持力で把持した状態)においても、下面69が支持面64に当接した時点の把持力に応じた大きさに留まり、固定口金装置60での押付力が十分なものでなくなる。したがって、移動口金装置20及び固定口金装置60の両方にワーク押付構造22、62を有する本実施形態のワーク把持装置1が、移動口金装置20にのみワーク押付構造を有するワーク把持装置と同程度の押付力をワークに対し作用させるものとなる。
そこで、本実施形態では、付勢手段の付勢力を調節するにあたり、上記の点を考慮し、ワーク2に対し設定把持力が作用したときに固定側口金部材67を載置面3側へと押し下げる力よりも若干弱い力で固定側口金部材67の下面69が固定側ベース部63の支持面64に当接するように、ボールプランジャ70の雄ねじ部材87の上下方向の位置(ボールプランジャ70の付勢力)、すなわち、収容空間94の上下方向の寸法を設定している。言い換えれば、ワーク2に対し設定把持力が作用したときの付勢手段の上下方向の寸法よりも、収容空間94の上下方向の寸法が若干大きい寸法となるように、雄ねじ部材87の上下方向の位置が調整される。
因みに、移動口金装置20においては、ワーク2に対し設定把持力が作用した状態において、移動側口金部材27の下面29が移動側ベース部23の支持面24に当接しない構成となっている。すなわち、本実施形態では、移動口金装置20においては、付勢手段としてOリング30が用いられているが、このOリング30は、移動側口金部材27の下面29に形成された座ぐり孔46に収容され、移動側口金部材27の下面29から突出した状態で移動側ベース部23の支持面24に当接している。前述のように、移動側口金部材27が移動側案内部材25から移動側ベース部23側への力を受けると、このOリング30も厚み方向(Oリング30の半径方向と直交する方向)へ弾性変形する(潰れる)が、本実施形態では、前述の初期状態(移動側口金部材27に重力以外の外力が作用していない状態)におけるOリング30の移動側口金部材27からの突出量(移動側口金部材27の下面29と移動側ベース部23の支持面24との間の距離)が、ワーク2に対し設定把持力を作用させたときのOリング30の変形量(潰れ量)よりも大きくなるように構成されている。したがって、移動口金装置20においては、ワーク2に対し設定把持力を作用させた状態においても、下面29は移動側ベース部23の支持面24に当接せず、移動側口金部材27と移動側ベース部23とが当接していない状態で、移動側口金部材27がワーク2に対し載置面3側への押付力を作用させた状態となっている。
さらに、本実施形態では、案内部材の斜面(斜面26、66)が載置面に対し成す鋭角側の角度が、固定口金機構の方が移動口金機構のそれよりも大きくなるように構成されており、案内部材の斜面(斜面26、66)が固定口金機構と移動口金機構とで同じ場合と比べて、固定側口金部材67に作用する載置面3側(ベース部側)への押し下げる力が、移動側口金部材27に作用する前記押し下げる力よりも小さくなる構成となっている。これにより、固定口金機構において、固定側口金部材67が把持力に応じた摩擦力の不十分な状態で載置面3側へ変位してしまうことを防止できる。
また、本実施形態によるワーク把持装置1では、固定口金機構と移動口金機構とが互いに独立した装置として設けられ、それぞれの装置に載置面3への固定手段(T溝ナット7及び固定ボルト8)を備える構成としたので、T溝6の延在方向における移動口金装置20と固定口金装置60との間の距離(把持面21、61間の距離)を任意に設定することができ、種々の大きさのワーク2に対応することができる。
以上、本発明のワーク把持装置の一実施形態について説明したが、本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変更を行うことは何ら差し支えない。以下にワーク把持装置1の他の実施形態を示す。
図1〜図8に示した実施形態では、ワーク把持装置1は、載置面3が水平である工作機械等のテーブルに取り付けられているが、かかる構成に限らず、例えば、ワーク把持装置は、テーブルの載置面の傾斜角度を変更可能な工作機械に対し取り付けらるものであってもよい。これに伴い、前記実施形態では、載置面3に対し垂直な方向を便宜的に上下方向としているが、ワーク把持装置の把持方向及び上下方向と、実際のワーク把持装置の使用状況における把持方向及び上下方向とが異なっていても何ら問題はない。
また、図1〜図8に示した実施形態では、移動口金装置20及び固定口金装置60(以下、「各口金装置」とも言う。)を含むワーク把持装置1は、載置面3に開口するT溝6を備えた対象装置に設置され、各口金装置は、そのT溝6に対し挿入されるT溝ナット7及び固定ボルト8から成る固定手段を備えるとともに、固定手段によって載置面3に対し固定される構成となっているが、かかる構成に限らず、T溝6を備えない対象装置に対しても本発明によるワーク把持装置1は適用可能である。
例えば、対象装置を載置面に開口する雌ねじ孔が形成されたものとし、移動側本体フレーム33及び固定側本体フレーム73の固定部74、34に対し上方から挿入された固定ボルトを前記雌ねじ孔に螺合させて各口金装置が載置面上で固定される構成としてもよい。この場合、前記固定ボルトが固定手段に相当する。
また、永久磁石や電磁石等の磁気的な固定手段により、各口金装置を載置面上に固定する構成としてもよい。この場合、対象装置には前記T溝や前記雌ねじ孔が形成されている必要はないが、少なくとも載置面を含む部分は磁性材料で形成されている必要がある。このように、ワーク把持装置が設置される対象装置は、T溝を有する工作機械のテーブルに限らず、例えば、定盤や、ワークを測定するための測定機器とすることもできる。
また、図1〜図8に示した実施形態では、互いに独立した固定口金装置60と移動口金装置20とでワーク把持装置1を構成しているが、本発明のワーク把持装置はかかる構成に限られるものではない。
例えば、図9に示すとおり、移動口金機構20と固定口金機構60とが共通のフレーム100上に支持される構成、すなわち、図1〜図8に示した実施形態における移動口金装置20及び固定口金装置60の移動側本体フレーム33及び固定側本体フレーム73が一体化された構成としてもよい。
また、図1〜図8に示した実施形態では、固定口金装置(固定口金機構)60におけるワーク押付構造62の案内部を、固定側本体フレーム73とは別の部材である固定側案内部材65として設ける構成としているが、かかる構成に限らず、図9に示すとおり、固定側案内部65は、固定側本体フレーム73と一体に形成され、固定側本体フレーム73の一部として設けられたものであってもよい。
また、図1〜図8に示した実施形態では、ワーク押付構造22を有する移動口金機構に固定手段(T溝ナット7及び固定ボルト8)を備えた移動口金装置20と、ワーク押付構造62を有する固定口金機構に固定手段(T溝ナット7及び固定ボルト8)を備えた固定口金装置60と、によりワーク把持装置1を構成している。しかし、本発明のワーク把持装置においては、固定口金機構及び/又は移動口金機構が、固定手段を備えない、すなわち、口金装置として構成されないものであってもよい。
例えば、図10に示したワーク把持装置1の移動口金機構20及び固定口金機構60は、固定手段としてのT溝ナット7及び固定ボルト8を備えていない。この場合、固定手段を備えない固定口金機構60及び/又は移動口金機構20については、ワーク2の把持時において、少なくとも把持方向における反ワーク2側への変位を規制する必要がある。そこで、例えば、図示の例のように、載置面3に載置されたワーク把持装置1とは別設の固定ブロック101により、固定口金機構60及び/又は移動口金機構20(図示の例では両方)の変位の規制するものとすればよい。また、固定口金機構60及び移動口金機構20をともに固定手段を備えないものとし、その上で、例えば、既存のバイス装置における可動ジョーと固定ジョーの間に、ワークを挟んで各口金機構を設置する構成としてもよい。
また、図1〜図8に示した実施形態では、固定口金装置(固定口金機構)60における固定側案内部65の斜面66と載置面3とが成す鋭角側の角度(以下、「固定側傾斜角度」とも言う。)は、移動口金装置(移動口金機構)20における前記移動側案内部25の斜面26と前記載置面3とが成す鋭角側の角度(以下、「移動側傾斜角度」とも言う。)よりも大きくなるように構成しているが、かかる構成に限らず、図1〜図8に示した実施形態の構成において、固定側傾斜角度を移動側傾斜角度とを同じ角度となるように構成してもよいし、また、固定側傾斜角度を移動側傾斜角度よりも小さい角度となるように構成してもよい。
例えば、図11は、固定側傾斜角度と移動側傾斜角度とが同じ場合の構成を示している。ただし、図11に示した実施形態のワーク把持装置1の構成は、固定側傾斜角度と移動側傾斜角度とが同じ角度であること以外は、図1〜図8に示した実施形態と同じものとする。
なお、図11に示すような固定側傾斜角度と移動側傾斜角度とが同じ構成の場合や、固定側傾斜角度の方が移動側傾斜角度よりも小さい構成の場合には、図1〜図8に示した実施形態と同じ大きさの把持力をワークに対し作用させた場合において、固定口金機構における口金部材を押し下げる力が前記実施形態のそれよりも大きいものとなる。そこで、固定側傾斜角度と移動側傾斜角度とが同じ構成、及び固定側傾斜角度の方が移動側傾斜角度よりも小さい構成の場合には、ワークに対し設定把持力が作用する前に固定口金機構における口金部材の下面がベース部の支持面に当接してしまわないように、付勢手段の付勢力を調節する必要があり、その付勢力は図1〜図8に示した実施形態よりも大きいものに設定される。
また、固定側傾斜角度と移動側傾斜角度とが同じ構成、及び固定側傾斜角度の方が移動側傾斜角度よりも小さい構成において、付勢手段が図1〜図8に示した実施形態のようなばね部材を含むものである場合は、図1〜図8に示した実施形態よりもばね定数の大きいばね部材を用いるのが好ましい。
図1〜図8に示した実施形態では、ワーク把持装置1が移動口金装置20及び固定口金装置60の両方にワーク押付構造22、62を有する構成としているが、かかる構成に限らず、本願発明によるワーク把持装置は、移動口金装置(移動口金機構)及び固定口金装置(固定口金機構)の一方のみがワーク押付構造を備えるものであってもよい。
例えば、図12に示すとおり、ワーク把持装置1を構成する移動口金装置20及び固定口金装置60のうち、移動口金装置20を、ワーク押付構造22を有する構成(図1〜図8に示した移動口金装置20)とし、固定口金装置60を、移動口金装置20がワーク2に作用させる把持力を受ける固定ブロック102と、この固定ブロック102を載置面3上に固定する固定手段(T溝ナット7及び固定ボルト8)とを有する構成としてもよい。
また、図13に示すとおり、ワーク把持装置1を構成する移動口金機構20及び固定口金機構60のうち、固定口金機構60を、ワーク押付構造62を有する構成とし、移動口金機構20を、フレーム105上を摺動する口金104と、口金104を固定口金機構20側へ押圧する押圧手段としての押しねじ103と、フレーム105と一体に設けられるとともに押しねじ103が螺合される雌ねじ部118とを有する構成としてもよい。なお、図13の実施形態では、押しねじ103及び雌ねじ部118からなる押しねじ機構は、口金104を把持側(ワーク2側)へ押圧するものとなっており、押圧手段に相当する。
図12及び図13のように、移動口金装置(移動口金機構)及び固定口金装置(固定口金機構)の一方のみがワーク押付構造を備える構成であっても、一方の口金装置がワークに対し載置面側への押付力を作用させることができるので、移動口金装置及び固定口金装置の両方がワーク押付構造を備えない場合と比べて、ワーク把持時のワークの浮き上がりを防止することができる。
図1〜図8に示した実施形態では、ワーク押付構造22、62における移動側口金部材27及び固定側口金部材67の載置面3側への変位を案内する案内構造として、移動側案内部材25及び固定側案内部材65の斜面26、66に突起部32、72を設けるとともに、移動側口金部材27及び固定側口金部材67の斜面28に案内溝31、71を設けているが、その逆の構成、すなわち、移動側口金部材27及び固定側口金部材67の斜面28、68に突起部を設けるとともに、移動側案内部材25及び固定側案内部材65の斜面26、66に案内溝を設けるようにしてもよい。
また、案内部材(案内部)の斜面又は口金部材の斜面に形成される突起部は、その斜面の前記延在方向に亘って連続する一条の突起部に限らず、前記延在方向において複数に分割されたものであってもよい。例えば、図1〜図8に示した実施形態の構成において、固定口金装置60における固定側案内部材65の雌ねじ85(図6参照)を幅方向において突起部72よりも大きい径とした場合、突起部72は、雌ねじ85を挟んで上下に位置する2つに分割されたものとなる。すなわち、固定側案内部材65が2つの突起部72を有するものとなる。
また、図1〜図8に示した実施形態では、移動口金機構20及び固定口金機構60における口金部材の斜面に形成される案内溝が、案内溝の延在方向と直交する方向における断面の形状がV字形を成したものとなっており、その内壁面を形成する2つの面が溝の底側の部分(底部)へ向けて互いの間隔が接近するように形成されると共に、その2つの面が溝の底部において直接的に接触するように形成されるものとなっているが、案内溝については前記断面の形状が完全なV字形をしたものに限らず、その内壁面が前記2つの面に加え、底部において前記2つの面を繋ぐ底面を有する略V字形に形成されるものであってもよい。そのような案内溝の一例としては、図18のものが挙げられる。
図18の例は、固定口金装置(固定口金機構)60がワーク押付構造62を有する構成において、固定口金部材67の載置面3側への変位を案内する案内構造における案内溝71を、その延在方向と直交する方向における断面の形状が略V字形をなすように形成したものである。より詳しくは、この案内溝71は、その内壁面122が溝の底部へ向けて互いの間隔が接近するように形成された2つの面122a、122bと溝の底部においてその2つの面を繋ぐ底面122cとの3つの面で形成されるように設けられたものである。そして、図示の例では、この底面134が平面として形成されている。
また、固定側案内部材65の斜面66に設けた突起部72は、案内溝71の形状に対応させるかたちで、その突出面121が、案内溝71の前記2つの面122a、122bに対向する2つの面121a、121bに加え、その頂部に案内溝71の内壁面122における底面122cと対向する平面121cを有する形状に形成されている。なお、図示の例では、突起部72は、突起部72と案内溝71とを組み合わせた状態において平面121cと底面122cとが離間するように形成されている。但し、案内溝71及び突起部72は、平面121cと底面122cとが互いに当接するように形成されていてもよい。
また、図18の例では、案内溝がその内壁面に前記底面を有する構成において、突起部がその突出面の頂部に前記底面に対応する平面を形成されたものとなっているが、例えば、案内溝がその内壁面に前記底面を有さない構成(前記実施例のV字形の案内溝等)において、突起部がその突出面の頂部に把持方向を向く平面を有する形状に形成されていてもよい。すなわち、本発明においては、案内溝と突起部とは、ぞの内壁面と突出面とが必ずしも同じ形状でなくてもよい。
図1〜図8に示した実施形態では、固定口金装置(固定口金機構)60の固定側ベース部63に貫通孔を形成し、その貫通孔内にボールプランジャ70を配置することにより、ボールプランジャ70における雄ねじ部材87(収容孔93の底面)と固定側ベース部63の支持面64との間で画定される収容空間94内に圧縮ばね89及び鋼球88からなる付勢手段を配置する構成としたが、これに代えて、図14に示すように、固定側口金部材67に貫通孔及び雌ねじを形成し、この固定側口金部材67の貫通孔内にボールプランジャ70を配置してもよい。すなわち、固定側口金部材67側に形成された収容空間94内に付勢手段を配置するようにしてもよい。
なお、図14に示す構成において、ボールプランジャ70は、図1〜図8に示した実施形態と同様の構成、すなわち、雄ねじ部材87の収容孔93内に付勢手段(圧縮ばね89、鋼球88)が配置された構成である。また、図14に示す構成では、固定側口金部材67の貫通孔の内周面に雌ねじが形成されており、雄ねじ部材87を貫通孔の雌ねじに螺合させて上下位置を調節可能となっており、付勢力調節機構も固定側口金部材67側に設けられた構成となっている。このように、付勢力調節機構を固定側口金部材67側に設けることにより、固定口金装置(固定口金機構)60を載置面3から取り外すことなく作業者が固定側口金部材67の上方から付勢力調節機構を操作することが可能となるので、作業者が付勢手段の付勢力を調節する際の作業性を向上できる。
また、付勢手段の収容空間については、図1〜図8及び図14に示した実施形態のように、固定側ベース部63及び固定側口金部材67のいずれか一方に形成された凹部により構成されるものに限らず、図15に示すように、固定側ベース部63及び固定側口金部材67の両方に互いに対向するように形成された凹部により構成されるものであってもよい。すなわち、図15に示す実施形態では、固定側ベース部63に形成された凹部106と、貫通孔107及び付勢力調節機構としての調整ボルト108により画定された凹部とで付勢手段の収容空間94を形成し、収容空間94内に付勢手段としての圧縮ばね111が収容されている。
さらに、図1〜図8に示した実施形態では、固定口金装置60において、ボールプランジャ70は、付勢手段としての圧縮ばね89及び鋼球88を含むとともに、付勢力調節機構の一部としても機能しているが、このような付勢手段と付勢力調節機構とを一体化した構成に限らず、例えば、図15に示すように、付勢手段と付勢力調節機構とが独立した構成であってもよい。
具体的には、図15に示す構成では、付勢力調節機構は、固定側口金部材67に形成された貫通孔107内の一部に形成された雌ねじ部109と、その貫通孔107に上方から挿入されて雌ねじ部109に螺合される調整ボルト108の雄ねじ部110とで構成されている。ただし、この例では、雄ねじ部110は、図1〜図8に示した実施形態の雄ねじ部材87のように付勢手段を収容する収容孔を有していない。そして、図15に示す構成では、付勢手段としての圧縮ばね111は、その一端において雄ねじ部110に当接し、その一部を固定側口金部材67の貫通孔と雄ねじ部110とで画定される空間に収容された状態で配置されている。また、前記のように、この構成においては、固定側ベース部63側にも収容空間94を形成するための凹部106が形成されており、圧縮ばね111は、その他端側が固定側ベース部63側の凹部106に収容されている。
また、付勢力調節機構は、図1〜図8に示した実施形態のような付勢手段による付勢力を調節可能とする構成に限らず、付勢手段を交換可能とし、付勢手段を交換することによって付勢手段の付勢力を変更する構成としてもよい。具体的には、例えば、ばね定数の異なる複数のばね部材、或いは弾性係数の異なる複数のゴム性の弾性材(Oリングを含む)を用意しておき、把持するワークに応じて付勢手段を変更する構成とすることも可能である。
なお、図1〜図8、図15及び図16で示した実施形態では、固定口金機構が付勢力調節機構を備える構成としているが、付勢力調節機構については必ずしも必要ではない。例えば、ワークに応じた把持力が常に同じ場合(常に同じワークを把持するワーク把持装置である場合)においては、付勢力調節機構を省略することができる。その場合、付勢手段は、ワークに対し設定把持力の作用した状態で、口金部材の下面がベース部の支持面に当接するような付勢力を生じるものとする。
また、付勢力調節機構を省略した場合、固定口金機構における付勢手段は、ばね部材に限らず、移動口金機構において付勢手段として用いたOリングであってもよく、また、Oリング以外のゴム性の弾性体を採用することができる。
さらには、図1〜図8で示した実施形態では、固定口金装置60の固定側口金部材67の把持面61を加工基準とするために、ワーク2を設定把持力で把持した状態で、固定側口金部材67の下面69が固定側ベース部63の支持面64と当接するように、付勢手段の付勢力を調整する付勢力調節機構を備えているが、把持面61を加工基準としない場合には、付勢手段の付勢力はワーク2に応じたものである必要はなく、付勢力調節機構を省略可能である。また、固定側口金部材67の下面69と固定側ベース部63の支持面64とを当接させない場合、付勢手段を収容する収容空間についても省略可能である。
また、移動口金装置(移動口金機構)における付勢手段についても、図1〜図8で示した実施形態のようなOリングに限らず、Oリング以外のゴム製の弾性体やばね部材を用いた構成であってもよい。さらには、移動口金機構の付勢手段に、前記実施形態の固定口金機構と同じ付勢手段(付勢力調節機構)を用いてもよい。さらに、図1〜図8で示した実施形態では、移動口金装置20及び固定口金装置60における移動側口金部材27及び固定側口金部材67の幅方向に複数の付勢手段(Oリング30、ボールプランジャ70)を備える構成としているが、これに限らず、1つの付勢手段で所望の付勢力を得られる場合は、移動側口金部材27及び固定側口金部材67に付勢手段を1つのみ備える構成としてもよい。
また、移動口金装置(移動口金機構)の押圧手段について、図1〜図8で示した実施形態では、クランプボルト9及びT溝ナット44から成るねじ機構を押圧手段として採用しているが、押圧手段はねじ機構に限らず、アクチュエータ(流体圧アクチュエータ、電動アクチュエータ等)を用いた構成としてもよい。
例えば、図16に示す構成では、移動口金装置20における押圧手段として、図1〜図8で示した実施形態のねじ機構に代えて、出力軸を直動させる直動式のアクチュエータ112を用いた構成としている。アクチュエータ112は、その出力軸113を押圧方向と平行な方向である上方に向けた状態で、その本体部分が移動側本体フレーム33の移動側ベース部23内に収容されている。そして、アクチュエータ112の出力軸113を移動側案内部材25に形成された貫通孔114に下方から挿入するとともに、その出力軸113の先端部に設けられた係合部の下向きの端面を移動側案内部材25の上面に係合させた構成となっている。かかる構成によれば、アクチュエータ112が出力軸113を縮動方向へ駆動することにより、移動側案内部材25に対し載置面3側への押圧力が作用する。
なお、図16に示す構成では、アクチュエータ112の本体部分を移動側本体フレーム33に配置する構成としているが、これに代えて、アクチュエータ112の本体部分を移動側案内部材25に設けるとともに、下方へ向けた出力軸の先端を本体フレームに設けられた被係合部に対して係合させるようにしてもよい。
また、直動式のアクチュエータに限らず、図1〜図8で示した実施形態の移動口金機構におけるねじ機構に代えて設けられた作動軸を、回転式のアクチュエータで上下させる構成としてもよい。より詳しくは、例えば、図16に示した実施形態の出力軸113に代えて設けられた作動軸をラック&ピニオン機構のラックに固定し、ラックを回転式のアクチュエータに連結されたピニオンで変位させる構成が考えられる。
図1〜図8で示した実施形態では、移動口金装置(移動口金機構)20における押圧手段(クランプボルト9)は、移動側案内部材25に対し上下方向から押圧力を作用させているが、押圧手段が案内部材に対し把持方向から押圧力を作用させる構成としてもよい。例えば、図17に示す構成では、移動口金機構20は、移動側案内部材25に連結されるとともに把持方向に平行な軸線をもつ押圧手段としての押しねじ115と、フレーム116と一体に設けられるとともに押しねじ115が螺合される雌ねじ部116とから成る押圧手段を備えている。
なお、図17に示す構成のように、移動口金機構20がワーク押付構造22を有する構成において、押圧手段の押圧方向を把持方向とした場合、押圧手段により移動側案内部材25に対し押圧力を作用させたとしても、移動側案内部材25は、その下向き斜面で移動口金部材27の上向き斜面に当接しているため、押圧手段による押圧力を受けて移動側口金部材27を把持側へ押圧しようとしても、移動側口金部材27の斜面に沿って上方へ変位してしまい、移動側口金部材27に対し押圧力を作用させることができない場合が考えられる。したがって、押圧方向を把持方向とする構成の場合には、移動側案内部材25が移動側口金部材27に対し把持側への押圧力を作用させることができるようにするために、移動側案内部材25の上方への変位を規制する必要がある。そこで、この構成の場合には、例えば、移動側案内部材25の上面に当接する規制部材117としての平板を移動側本体フレーム33の上面に対し固定する。
さらに、本発明は、以上で説明したいずれの実施形態にも限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて適宜に変更可能である。
1 ワーク把持装置
2 ワーク
3 載置面
5 工作機械のテーブル
6 T溝
7 固定手段(T溝ナット)
8 固定手段(固定ボルト)
9 押圧手段(クランプボルト)
20 移動口金機構(移動口金装置)
21 把持面(移動側把持面)
22 ワーク押付構造
23 ベース部(移動側ベース部)
24 支持面
25 案内部(移動側案内部材)
26 斜面
27 口金部材(移動側口金部材)
28 斜面
29 下面
30 Oリング
31 案内溝
32 突起部
33 移動側本体フレーム
34 固定部
35 貫通孔
36 ブッシュ
37 取付ボルト
38 受圧面
39 カバ
40 くさび面
41 貫通孔
42 座ぐり穴
43 貫通孔
44 T溝ナット
46 座ぐり穴
47 受け部材
48 着座面
49 復帰用ばね
50 復帰用ばねの取付穴
51 ぬすみ加工部
60 固定口金機構(固定口金装置)
61 把持面(固定側把持面)
62 ワーク押付構造
63 ベース部(固定側ベース部)
64 支持面
65 案内部(固定側案内部材)
66 斜面
67 口金部材(固定側口金部材)
68 斜面
69 下面
70 ボールプランジャ
71 案内溝
72 突起部
73 固定側本体フレーム
74 固定部
75 貫通孔
76 ブシュ
77 取付ボルト
78 取付面
79 カバ
80 固定面
81 雌ねじ
82 貫通孔
83 取付ボルト
84 係止ボルト
85 雌ねじ
86 止めねじ
87 雄ねじ部材
88 鋼球
89 ばね部材(圧縮ばね)
90 長孔
91 受け部材
92 着座面
93 収容孔
94 収容空間
100 フレーム
101 固定ブロック
102 固定ブロック
103 押しねじ
104 口金
105 フレーム
106 凹部
107 貫通孔
108 調整ボルト
109 雌ねじ部
110 雄ねじ部
111 圧縮ばね
112 アクチュエータ
113 出力軸
114 貫通孔
115 押しねじ
116 雌ねじ部
117 規制部材
118 雌ねじ部
119 T溝ナット
120 固定ボルト
121 突出面
121a 面
121b 面
121c 平面
122 内壁面
122a 面
122b 面
122c 底面
131 突出面
132 内壁面

Claims (5)

  1. ワークを固定するためのワーク把持装置であって、
    把持側へ移動可能に設けられる口金部材、及び口金部材を把持側へ押圧する押圧手段を含む移動口金機構と、
    口金部材を含み前記移動口金機構と対向して配置されて前記移動口金機構と協働してワークを把持する固定口金機構と、を備えるワーク把持装置において、
    前記移動口金機構及び前記固定口金機構の少なくとも一方の口金機構はワーク押付構造を有し、
    前記ワーク押付構造は、
    ワークを載置する載置面上に載置され、前記載置面と平行な支持面を有するベース部と、
    前記ベース部に支持される案内部であって把持側を向く斜面を有する案内部と、
    前記口金部材と、
    前記口金部材を前記載置面から離間させる方向へ付勢する付勢手段と、で構成され、
    前記ワーク押付構造の前記口金部材は、前記案内部における斜面に対向する斜面を有し、
    該斜面を前記案内部における斜面に当接させると共に下面を前記ベース部の支持面に対向させて配置されて前記案内部における斜面に沿って変位可能に設けられ、
    前記付勢手段は、前記ベース部と前記口金部材との間に設けられ、
    前記案内部の斜面及び前記口金部材の斜面の一方は、該斜面の幅方向における中央で幅方向と直交する方向に延在するとともに、その延在方向と直交する方向における断面の形状がV字形である案内溝を備え、
    前記案内部の斜面及び前記口金部材の斜面の他方は、前記案内溝に対応する形状及び配置の突起部を備える、
    ことを特徴とするワーク把持装置。
  2. 前記固定口金機構が前記ワーク押付構造を有し、
    前記固定口金機構の前記ワーク押付構造は、前記ベース部及び前記口金部材の少なくとも一方に対し前記付勢手段と対向する位置に形成された凹部から成る収容空間であって前記付勢手段を収容する収容空間を有し、
    前記凹部は、前記付勢手段による付勢力の方向における前記収容空間の寸法が、把持対象のワークに応じた把持力をワークに作用させた状態で発生する前記口金部材による前記載置面への押付力に相当する力を受けたときの前記付勢手段の寸法以上となるように形成されている、
    ことを特徴とする請求項1に記載のワーク把持装置。
  3. 前記移動口金機構が前記ワーク押付構造を有し、
    前記固定口金機構における前記案内部の斜面と前記移動口金機構における前記案内部の斜面とは、前記載置面に対し成す鋭角側の角度が、前記固定口金機構における前記案内部の斜面の方が大きくなるように形成されている、
    ことを特徴とする請求項2に記載のワーク把持装置。
  4. 前記固定口金機構は、前記付勢手段の付勢力を調節する付勢力調節機構を備える、
    ことを特徴とする請求項3に記載のワーク把持装置。
  5. 前記移動口金機構を含む移動口金装置と、前記移動口金装置に対し独立して設けられ、前記固定口金機構を含む固定口金装置と、を備え、
    前記移動口金装置及び前記固定口金装置は、各ベース部を前記載置面に対して固定する固定手段を備える、
    ことを特徴とする請求項3又は請求項4に記載のワーク把持装置。
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