JPH08215800A - 異形断面非晶質金属薄帯 - Google Patents

異形断面非晶質金属薄帯

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JPH08215800A
JPH08215800A JP2851395A JP2851395A JPH08215800A JP H08215800 A JPH08215800 A JP H08215800A JP 2851395 A JP2851395 A JP 2851395A JP 2851395 A JP2851395 A JP 2851395A JP H08215800 A JPH08215800 A JP H08215800A
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Yuichi Sato
有一 佐藤
Toshio Yamada
利男 山田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明の目的は、これまであった異形断面薄
帯の用途における利用範囲の制限を取り除くために、凹
部および凸部の個数および板幅方向長さに制限のない異
形断面薄帯を提供することにある。 【構成】 片方の面が平坦で、他方の面が板幅方向で凹
凸をなし、凸部の最大板厚が150μm、凹部の最小板
厚が5μmで、かつ、凸部および凹部の板幅方向長さお
よび個数を自由に選択できることを特徴とする異形断面
非晶質金属薄帯。 【効果】 異形断面薄帯の形状における制限のため、こ
の異形断面薄帯の各種用途において、その利用範囲に限
界があったが、本発明により、任意の形状の異形断面薄
帯を提供することが可能になったことから、用途におけ
る利用限界を取り除くことができるようになった。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、溶融金属または合金
(以下、「溶融金属」と称す)を、移動する冷却基板の
表面で急冷凝固させて得られる非晶質金属薄帯のうち、
板幅方向で板厚分布が存在する、いわゆる非晶質異形断
面金属または合金薄帯(以下、単に「異形断面薄帯」と
称す)に関するものである。
【0002】
【従来の技術】非晶質金属は、これまで多くの方法によ
って製造できることが知られているが、非晶質金属薄帯
を工業的に生産するには、液体状態の溶融金属を移動す
る冷却基板表面で急冷凝固させる方法、すなわち、液体
急冷法が採用されている。液体急冷法の場合、非常に大
きな冷却速度を必要とすることから、得られる非晶質金
属薄帯の板厚には制限があり、その板厚はせいぜい15
0μm程度が上限である。また、一般的には、非晶質金
属は圧延、プレス加工などの二次加工が困難で、液体急
冷法で製造する段階で、製品の最終的な板厚とする必要
がある。
【0003】圧延やプレス加工などの二次加工が困難で
あることから、異形断面薄帯を製造する場合も液体急冷
法によって、液体状態から直接最終的な形状としなけれ
ばならない。液体急冷法やほかの製造方法により、例え
ば、粉末状の非晶質金属の製造が可能であるが、粉末状
の非晶質合金から異形断面薄帯を工業的に製造するのは
困難である。
【0004】よって、本発明者らは、異形断面薄帯の製
造方法を開発するために、液体急冷法の応用を進め、特
開昭63−149053号公報記載の異形断面薄帯の製
造方法を提案した。すなわち、この方法は、例えば図6
に示すような個々の開口2の形状が長方形である、ノズ
ル4を用いて異形断面薄帯を製造する方法であって、例
えば、図7に示す単ロール急冷凝固薄帯製造装置におい
て、ルツボ8の下部に図6に示すようなノズル4を設
け、加熱装置7で溶解した溶融金属6を、高速回転して
いる冷却ロール5の表面に噴出し、異形断面薄帯1とす
る方法である。
【0005】この方法は、長方形からなる開口を、冷却
基板の移動方向に直角な方向(以下、薄帯板幅方向と称
す)に、複数個配置したノズルを用い、個々の開口と冷
却基板間に形成する溶融金属の湯溜り(以下、「パド
ル」と称す)を、薄帯板幅方向で一体化し、ノズルの開
口の位置で、ノズルの開口間隔部の位置に比べて、板厚
を大きくすることにより異形断面薄帯を得る方法であ
る。なお、パドル9の形状については、図7の鋳造部を
拡大した図8に模式的に示す。
【0006】これまでの異形断面薄帯は、上記のような
方法で製造されるもので、片方の面が平坦で、他方の面
が板幅方向で規則的な凹凸をなし、この凹凸が長手方向
に平行に並んだ形状からなるものであった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記特
開昭63−149053号公報記載の方法を用いて得ら
れる異形断面薄帯には、その形状において下記のような
制限が存在していた。つまり、得られる異形断面薄帯の
凹部および凸部の薄帯板幅方向での長さには、それぞれ
2mm以下、5mm以下と制限があった。このような制限が
存在した理由について以下に述べる。
【0008】はじめに、図5に、異形断面薄帯1の凹部
および凸部と、ノズルの開口2および開口の間隔部3と
の位置関係を示す。この図からわかるように、異形断面
薄帯1の凹部1Xおよび凸部1Yは、それぞれノズルの
開口の間隔部3およびノズルの開口2に対応している。
【0009】ここで、前述したように、個々の開口と冷
却基板間に形成するパドルを薄帯板幅方向で一体化させ
るためには、ノズルの開口の間隔部3の薄帯板幅方向で
の長さを2mm以下としなければならなかった。よって、
得られる異形断面薄帯1の凹部1Xの薄帯板幅方向での
長さに、2mm以下との制限があった。
【0010】一方、凸部1Yの薄帯板幅方向での長さに
おける制限も、ノズルの開口2の薄帯板幅方向長さの制
限によるものである。すなわち、ノズルの長方形状開口
の長辺をあまり長くすると、良好なパドルの形成は困難
となり、その上限は20mm程度であった。長方形状開口
の長辺を20mmとした場合に長方形状開口の短辺、つま
り、ノズルの開口2の薄帯板幅方向長さも最大とするこ
とができるが、その値はせいぜい5mmであった。5mm以
上の値とすると、パドルを薄帯板幅方向で、安定して一
体化するのは困難になるからである。よって、異形断面
薄帯1の凸部1Yの薄帯板幅方向での長さにも、5mm以
下との制限があった。
【0011】以上述べたように、製造方法の制約から、
これまでの異形断面薄帯にはその凹凸の薄帯板幅方向で
の長さに制限があった。よって、異形断面数帯の用途に
おいて、その利用範囲に制限があった。
【0012】本発明の目的は、これまであった異形断面
薄帯の用途における利用範囲の制限を取り除くために、
凹部および凸部の板幅方向長さおよび個数に制限のない
異形断面薄帯を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、以下の構成を
要旨とする。すなわち、片方の面が平坦で、他方の面が
板幅方向で凹凸をなし、前記凸部の最大板厚が150μ
m、前記凹部の最小板厚が5μmで、かつ、前記凸部お
よび前記凹部の個数および板幅方向の長さを自由に選択
できることを特徴とする異形断面非晶質金属薄帯であ
る。
【0014】図1に、本発明の異形断面薄帯を示す。本
発明の異形断面薄帯1は、例えば、図1の(イ)に示す
ように、その板幅方向での断面において、片方の面(こ
こでは、下面)が平坦で、他方の面(ここでは、上面)
が板幅方向で凹凸を示すものである。図1の(イ)に
は、凸部が2個、凹部が3個の異形断面薄帯を示すが、
本発明の異形断面薄帯は、これらの凸部および凹部の個
数を自由に選択できる。さらに、本発明の異形断面薄帯
は、これらの凸部および凹部の板幅方向長さも自由に選
択できる。ここで言う「凸部の板幅方向長さ」とは、図
1の(イ)において、W2 およびW4 で示す長さを言
う。また、「凸部の板幅方向長さ」とは、図1の(イ)
において、W1 、W3 およびW5 で示す長さを言う。
【0015】また、本発明の異形断面薄帯については、
凸部および凹部の板厚を、凸部の最大板厚が150μ
m、凹部の最小板厚が5μmと、それぞれ限定した。こ
れは、液体急冷法における板厚の制限によるものであ
る。つまり、液体急冷法で得られる非晶質金属薄帯の板
厚は、厚いものでもせいぜい150μmまでで、下限は
5μm程度との制限がある。非晶質金属薄帯を液体急冷
法により得るには、大きな冷却速度が必要であることを
先に述べたが、150μm超の厚い薄帯を得るには、現
行の液体急冷法では冷却速度が不足する。冷却速度が不
足すると、非晶質化し易い金属でも非晶質金属とするの
は困難となる。一方、板厚の下限について、例えば、板
厚を5μm未満とすると、非晶質金属薄帯となるもの
の、ピンホール状の穴が多発して、良好な製品は得られ
なくなることによる。本発明の異形断面薄帯においても
同様のことが言えることから、凸部および凹部の板厚
を、凸部の最大板厚が150μm、凹部の最小板厚が5
μmと、それぞれ限定した。なお、本発明の異形断面薄
帯においては、凸部と凹部の板厚差については特に限定
しないが、少なくとも、凹凸が識別できる数μmを下限
とする。
【0016】また、本発明で言う非晶質金属とは、およ
そ50%以上が非晶質化している金属または合金をさ
す。非晶質であるかどうかは、一般的に行われているX
線回折により判定できるが、結晶質の場合、X線回折を
すると、特定の回折角度(2θ)のところで回折強度の
鋭いピークが検出されるが、非晶質の場合は、このよう
な鋭いピークが検出されず、代わりにブロードなピーク
が検出される。
【0017】次に、本発明の異形断面薄帯の製造方法に
ついて説明する。本発明の異形断面薄帯を製造する方法
はいくつかあるが、例えば、図7に示す単ロール急冷凝
固薄帯製造装置において、図4に示すようなノズルを用
いる方法がある。つまり、図4に示すように、台形状の
開口を複数、薄帯板幅方向に配列し、これら複数の開口
の隣り合う開口の一部が冷却基板の移動方向で重複する
ように配置したノズルを用いて、例えば、図7に示す単
ロール急冷凝固薄帯製造装置により異形断面薄帯を製造
する。ここで、用いるノズルの開口形状をコントロール
することにより、板幅方向での凹部および凸部の長さ、
さらには凹凸の個数を任意に選択できる異形断面薄帯の
製造が可能となる。
【0018】ここで異形断面薄帯の形状を決めるノズル
の開口のパラメータについて説明すると、ノズルの開口
のパラメータは、図4に示すa、b1 、b2 、b3
c、d1 、d2 および個数である。ここで、aとcは主
に、異形断面薄帯の板厚を決めるパラメータで、aは
0.8mm以上、8mm以下とする。
【0019】そのほかのb1 、b2 、b3 、d1 および
2 のパラメータは、異形断面薄帯凹凸の板幅方向長さ
を決定するパラメータであり、開口の個数が異形断面薄
帯凹凸の個数を決める。b1 、b2 、b3 、d1 および
2 のパラメータと異形断面薄帯の凹部および凸部の薄
帯板幅方向長さの関係を説明するために、用いるノズル
と得られる異形断面薄帯の関係を、図2に模式的に示
す。
【0020】図2の(イ)および(ロ)には、いずれも
異形断面薄帯1の断面とノズル4を上下に揃えて示す
が、例えば、(イ)を例にとって説明すると異形断面薄
帯1の凸部は、ノズルの冷却基板移動方向での前方側の
開口列(以下、単に「前方開口列」と称す)の開口の間
隔部に位置するところで形成する。具体的に述べると、
例えば、2X1 と2X2 の間、2X2 と2X3 との間に
位置するところで、凸部を形成する。そして、凸部の薄
帯板幅方向長さは、b1 とb3 のおよそ中間の長さとな
る(図4も併せて参照のこと)。一方、異形断面薄帯1
の凹部は、ノズルの冷却基板移動方向での後方側の開口
列(以下、単に「後方開口列」と称す)の開口の間隔部
に位置するところで形成する。つまり、2Y1 と2Y2
の間や2Y2 と2Y3 の間に位置するところである。凹
部の薄帯板幅方向長さはb1 とb2のおよそ中間の長さ
となる(図4も併せて参照のこと)。よって、これらの
パラメータをコントロールすることによって、凹凸の薄
帯板幅方向での長さを任意に選択することが可能とな
る。すなわち、目標の異形断面薄帯に対して、これらの
パラメータを前述のような関係に基づいて設計すればよ
い。但し、厳密には鋳造実験を事前に行うことによっ
て、目標とする異形断面薄帯の寸法になっているかを確
認することにより、ノズルの開口の形状、寸法を決める
のが好ましい。
【0021】これらのパラメータを変化させることによ
って、ほかの形状の異形断面薄帯とした例を、図2の
(ロ)に示すが、2Y1 や2Y3 のように、ノズルの開
口は三角形状としてもよい。さらに、開口の個数をコン
トロールすれば、異形断面薄帯の凹凸の個数を自由に選
択できる。
【0022】異形断面の凹部の板厚は、開口の形状パラ
メータであるcによって決まる。また、凸部の板厚は、
aやb2 さらにはb3 の組み合わせによって決まるが、
好ましいこれらの形状パラメータの組み合わせについて
は、実施例にて述べる。
【0023】また、本発明の異形断面薄帯を製造するた
めの方法として、例えば、図3に示す冷却ロール5を用
いる方法がある。つまり、表面直下に、空洞10もしく
はこの空洞にセラミックスのような熱伝導率の小さな物
質を配置した冷却ロール5を用いて、例えば、図7に示
す単ロール急冷凝固薄帯製造装置により異形断面薄帯を
製造する方法である。なお、図3中Dで示す空洞10の
冷却ロール表面からの距離は、20mm以下が好ましい。
【0024】このような冷却ロールを用いて溶融金属を
急冷凝固すると、得られる非晶質金属薄帯の板厚は、例
えば、図3の(イ)に示すように、冷却ロールの空洞部
のところで薄くなり、結果的に異形断面薄帯が得られ
る。よって、この冷却ロールの空洞部の薄帯板幅方向で
の長さや個数をコントロールすることにより、本発明の
異形断面薄帯が得られる。なお、冷却ロールの空洞部で
非晶質金属薄帯の板厚が小さくなるのは、冷却ロールに
よるこの部分での冷却が悪化するために、凝固量が少な
くなるためである。
【0025】
【実施例】
[実施例1]図7に示す大気中単ロール薄帯製造装置に
より異形断面薄帯を製造した。用いたノズルは、図2の
(イ)に示すようなもので、開口の形状寸法は以下の通
りであった。すなわち、図2の(イ)に示す2X1 およ
び2X3 の開口については、c=1.3mm(高さ)、d
1 =2.5mm(底辺)、d2 =1.5mm(上辺)の台形
状で、2Y1 および2Y2 の開口は、b1 =7mm(底
辺)、b2 =5mm(上辺)、c=1.3mm(高さ)の台
形状、さらに、2X2 の開口は、b1 =3mm(底辺)、
2 =1mm(上辺)、c=1.3mm(高さ)の台形状と
した。また、前方開口列(2X1 、2X2 および2
3 )と後方開口列(2Y1 および2Y2 )との間隔a
は0.8mmとした。さらに、個々の台形状の開口の間隔
3 は、2X1と2X2 の開口の底辺間および2X2
2X3 の開口の底辺間を6mmとし、2Y1 と2Y2 の開
口の底辺間を2mmとした。
【0026】用いた冷却ロールは銅製で、直径が300
mm、幅が50mmであった。試料溶解方式は高周波誘導方
式であった。そのほかの鋳造条件は下記の通りであっ
た。
【0027】 溶解成分:Fe−Si6.5 −B12−C1 (非晶質合金) 溶解試料の重量:200g ルツボ、ノズル材質:透明石英 ロール表面速度:28m/s ノズルギャップ:0.3mm 噴出圧:0.3kg/cm2
【0028】結果として、幅がおよそ20mmの薄帯が得
られた。得られた薄帯は、ロール側面は平らであった
が、反対側の自由表面は、板幅方向に板厚が規則的に変
化した異形断面薄帯であった。薄帯の板厚は、凸部でお
よそ60μmで、凹部はおよそ30μmであった。な
お、板厚の測定は、薄帯を樹脂に埋め込んで、研磨した
長手方向断面を、光学顕微鏡で観察することによって行
った。この薄帯からX線回折用のサンプルを切り出し、
X線回折を行った。結果として、特定の散乱角で干渉性
散乱強度の鋭いピークは一切検出されず、ブロードなピ
ークであった。この結果から、得られた薄帯は非晶質合
金であることがわかった。
【0029】次に、薄帯の凸部および凹部の薄帯板幅方
向での長さを測定した。その結果、凸部は2箇所になっ
ており、その長さはどちらもおよそ6.6mmであった。
一方、凹部は3箇所で、その長さは、端から順におよそ
2.2mm、およそ2.4mm、およそ2.2mmであった。
なお、これらの凹凸の薄帯板幅方向での長さは、目標と
した長さに等しかった。
【0030】この結果から、このようなノズルを用いる
ことにより、設計通りの異形断面薄帯が得られた。つま
り、用いるノズルの開口のパラメータを選択することに
より、凹凸の個数および板幅方向の長さを任意に選択で
きる異形断面薄帯が得られることがわかった。
【0031】[実施例2]図2の(ロ)に示すノズルを
用いて、異形断面薄帯を製造した。目標とした異形断面
薄帯の形状は、凹部および凸部の個数をそれぞれ、4個
および3個とし、凹部および凸部の板幅方向の長さを、
片方の端から2.2mm(凹部)、1.6mm(凸部)、
4.4mm(凹部)、2.6mm(凸部)、4.4mm(凹
部)、1.6mm(凸部)、2.2mm(凹部)とした。用
いたノズルは、図2の(ロ)に示すようなもので、開口
の形状寸法は以下の通りであった。すなわち、図2の
(ロ)に示す2X1 および2X4 の開口については、c
=1.5mm(高さ)、d1 =2.5mm(底辺)、d2
1.5mm(上辺)の台形状で、2Y1 および2Y3 の開
口は、b1 =2mm(底辺)、c=1.5mm(高さ)の三
角形状、2X2 および2X3の開口は、b1 =5mm(底
辺)、b2 =3mm(上辺)、c=1.5mm(高さ)の台
形状、さらに2Y2 の開口は、b1 =3mm(底辺)、b
2 =1mm(上辺)、c=1.5mm(高さ)の台形状とし
た。また、前方開口列(2X1 、2X2 、2X3 および
2X4 )と後方開口列(2Y1 、2Y2 および2Y3
との間隔aは1.0mmとした。さらに、個々の台形状の
開口の間隔b3 は、2X1 と2X2 の開口の底辺間およ
び2X3 と2X4 の開口の底辺間を1mmとし、2X2
2X3 の開口の底辺間を2mm、さらに、2Y1 と2Y2
の開口の底辺間および2Y2 と2Y3 の開口の底辺間を
4mmとした。その他の製造条件は、実施例1と同様とし
た。
【0032】結果として、幅がおよび19mmの薄帯が得
られた。得られた薄帯は、ロール側面は平らであった
が、反対側の自由表面は、板幅方向で板厚が変化する異
形断面薄帯であった。薄帯の板厚は、凸部でおよそ65
μmで、凹部はおよそ35μmであった。なお、板厚の
測定は、薄帯を樹脂に埋め込んで、研磨した長手方向断
面を、光学顕微鏡で観察することにより行った。
【0033】この薄帯からX線回折用のサンプルを切り
出し、薄帯のロール側面についてX線回折を行った。結
果として、特定の回折角度(2θ)で回折強度の鋭いピ
ークは一切検出されず、ブロードなピークであった。こ
の結果から、得られた薄帯は非晶質合金であることがわ
かった。
【0034】次に、薄帯の凹部および凸部の個数および
板幅方向での長さを測定した。その結果、凹部は4箇所
で、凸部は3箇所であった。また、これら凹凸の板幅方
向長さは、片方の端からおよそ2.2mm(凹部)、およ
そ1.6mm(凸部)、およそ4.4mm(凹部)、およそ
2.6mm(凸部)、およそ4.4mm(凹部)、およそ
1.6mm(凸部)、およそ2.2mm(凹部)であった。
なお、これらの凹凸の板幅方向での長さは、目標とした
長さに等しかった。
【0035】この結果から、このようなノズルを用いる
ことにより、設計通りの異形断面薄帯が得られた。つま
り、用いるノズルの開口のパラメータを選択することに
より、凹凸の個数および板幅方向長さを任意に選択でき
る異形断面薄帯が得られることがわかった。
【0036】
【発明の効果】以上説明したように、本発明により、片
側が平で、他方の面の凹凸の個数および板幅方向の長さ
を任意に選択できる異形断面薄帯を提供できるようにな
った。このような異形断面薄帯は、例えば、表面に凹凸
を持つ磁気材料は平坦な表面の薄帯に比べて磁気シール
ド性に優れることから、磁気シールド材として使用でき
る。また、片方が波型の非晶質薄帯は硬くて耐食性を持
たせることにより床材などに用いると物体のすべりがよ
くなり重量物の移動に便利である。さらに、パイプ状に
成形すれば表面積を広くとることができるので、熱の放
散、吸収等に有利である。また、接点部などの各種電子
部品などにも用いることができる。これまで異形断面薄
帯の形状には制限が存在し、この異形断面薄帯の上記用
途において、その利用範囲に限界があったが、本発明に
より、任意の形状の異形断面薄帯の製造が可能になった
ことから、上記用途における利用限界を取り除くことが
できるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の異形断面薄帯の例を示す断面図であ
る。
【図2】本発明において用いるノズルと得られる異形断
面薄帯の関係を示す模式図である。
【図3】本発明の異形断面薄帯を製造するための冷却ロ
ールの模式図である。
【図4】本発明の異形断面薄帯を製造するためのノズル
を説明する模式図である。
【図5】従来の異形断面薄帯製造用多孔ノズルと、得ら
れる異形断面薄帯の凹凸部の位置関係を示す模式図であ
る。
【図6】従来の異形断面薄帯製造用多孔ノズルの拡大図
である。
【図7】単ロール急冷凝固薄帯製造装置を用いての鋳造
の様子を説明する模式図である。
【図8】単ロール急冷凝固薄帯製造装置を用いての鋳造
の様子を説明する拡大模式図である。
【符号の説明】
1 異形断面薄帯 2 ノズルの開口 3 ノズルの開口間隔部 4 ノズル 5 冷却ロール 6 溶融金属 7 加熱装置 8 ルツボ 9 一体化したパドル 10 空洞
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年3月10日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正内容】
【0014】図1に、本発明の異形断面薄帯を示す。本
発明の異形断面薄帯1は、例えば、図1の(イ)に示す
ように、その板幅方向での断面において、片方の面(こ
こでは、下面)が平坦で、他方の面(ここでは、上面)
が板幅方向で凹凸を示すものである。図1の(イ)に
は、凸部が2個、凹部が3個の異形断面薄帯を示すが、
本発明の異形断面薄帯は、これらの凸部および凹部の個
数を自由に選択できる。さらに、本発明の異形断面薄帯
は、これらの凸部および凹部の板幅方向長さも自由に選
択できる。ここで言う「凸部の板幅方向長さ」とは、図
1の(イ)において、W2 およびW4 で示す長さを言
う。また、「部の板幅方向長さ」とは、図1の(イ)
において、W1 、W3 およびW5 で示す長さを言う。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 片方の面が平坦で、他方の面が板幅方向
    で凹凸をなし、前記凸部の最大板厚が150μm、前記
    凹部の最小板厚が5μmで、かつ、前記凸部および前記
    凹部の個数および板幅方向の長さを自由に選択できるこ
    とを特徴とする異形断面非晶質金属薄帯。
JP2851395A 1995-02-16 1995-02-16 異形断面非晶質金属薄帯 Withdrawn JPH08215800A (ja)

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