JP3241531B2 - 金属薄帯の製造方法および製造用ノズル - Google Patents

金属薄帯の製造方法および製造用ノズル

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JP3241531B2 JP09755394A JP9755394A JP3241531B2 JP 3241531 B2 JP3241531 B2 JP 3241531B2 JP 09755394 A JP09755394 A JP 09755394A JP 9755394 A JP9755394 A JP 9755394A JP 3241531 B2 JP3241531 B2 JP 3241531B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金属および合金の溶融
物(以下、「溶融金属」という)を、移動する冷却基板
の表面で急冷凝固させ、連続的に非晶質あるいは結晶金
属薄帯を製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】溶融金属から連続的に薄帯を製造する方
法(連続液体急冷法)については、従来より種々の手段
が開示されている。これらは、いずれも溶解した金属を
所定の形状の開口を有するノズルから、所定の圧力でノ
ズル開口に面した移動冷却基板の上に噴出させ、凝固さ
せて連続薄帯とするものである。このとき重要な製造因
子は、ノズル開口の形状、ノズルと冷却基板との相対的
位置、溶融金属のノズルからの噴出圧力、冷却基板の移
送速度等である。
【0003】急冷凝固金属薄帯を製造する方法として代
表的なものは、特開昭53−53525号公報に記載の
「金属ストリップの連続的鋳造法およびそれに使用する
装置」である。その概要は、矩形状の開口を持つスロッ
トノズルを冷却基板と0.03〜1mmの間隔で対向さ
せ、この矩形状の開口は冷却基板の表面の移動方向に対
してほぼ垂直に配置された状態で、100〜2000m
/分の予め定められた表面速度で移動する冷却基板上
に、スロットノズルから溶融金属を送り出し、熱的に接
触させ、急冷凝固することにより連続的なストリップを
製造するものである。
【0004】上記従来法においては、原理的には薄帯の
幅に対する制限はない。従って、矩形状開口の長さ、す
なわち、冷却基板の移動方向の直角な方向にそった開口
の長さ、を大きくすれば、薄帯の幅を広くすることがで
きる。
【0005】しかしながら、実際には矩形状開口の長さ
を大きくするに従い、鋳造中、開口の平行度を保持する
ことが難しくなる。すなわち、図9(a)、(b)に示
すように、ノズル3の熱膨脹による凸型あるいは凹型の
変形、温度の不均一による変形などにより開口2の平行
度を保持することが難しいのである。このように矩形状
開口の平行度が損なわれると、形成される薄帯の板厚
は、特に幅方向に一様ではなくなる。従って、従来は板
幅が広くなるほど幅方向に板厚の一様な薄帯を作ること
が困難であった。また、板厚の不均一な薄帯は、例えば
磁性材料として積層したり巻き加工したりする場合、占
積率が低下するので好ましくない。因みに25mm幅の
薄帯において、板厚偏差を5〜10%程度に抑えること
は上記の鋳造法で可能であるが、150mm幅になると
10%以下に抑えることは困難であった。このことか
ら、工業材料として急冷凝固薄帯を提供するための従来
法では実質的には薄帯の板幅に技術的限界があった。
【0006】本発明者らは、急冷凝固薄帯の板幅の制限
を取り除くために、例えば、特開昭63−220950
号公報において新しい鋳造方法を提案した。この従来方
法は、移動する冷却基板に、図5に示すように平行四辺
形状の開口2を複数個、冷却基板移動方向に対してほぼ
直角に配置し、この開口列の両端部に三角形状の小開口
2′を設けたノズルを用いて金属薄帯を製造する方法で
ある。これは、図6に示す単ロール急冷凝固薄帯製造装
置において、ルツボ8の下部に図5に示すようなノズル
3を設け、加熱装置7で溶解した溶融金属6を高速回転
している冷却ロール4の表面に噴出させ、金属薄帯とす
る方法である。すなわち、平行四辺形あるいは三角形か
らなる個々の開口と冷却基板間に形成する溶融金属の湯
溜り(以下、「パドル」という)を冷却基板移動方向に
直角な方向で一体化し、板厚精度の良好な薄帯を製造す
る方法である。
【0007】この方法によれば、薄帯の幅が、例えば1
50mm以上でも板厚偏差が10%以下の薄帯の製造が
可能である。また、平行四辺形の開口の個数を制御する
ことにより任意の板幅の薄帯の製造が可能となることか
ら、従来あった薄帯の板幅における制限を取り除くこと
ができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記特
開昭63−220950号公報に記載の方法を用いて安
定して金属薄帯を製造するには、以下の点をさらに改善
する必要があった。すなわち、得られる薄帯のロール面
に、冷却基板移動方向の沿った窪み状欠陥(以下、単に
「筋状欠陥」という)がときどき発生した。この筋状欠
陥は、用いるノズルの開口間に相当するところで発生す
るが、前述した個々のパドルのつなぎ目において、雰囲
気ガスを巻き込むことにより生成するものと考えられ
る。
【0009】以下に、この筋状欠陥の形成の仕方につい
て説明する。図6に示した単ロール急冷凝固製造装置を
示し、図7にこの装置におけるノズルおよびロール表面
付近での溶融金属の挙動を拡大した模式図を示す。ノズ
ル3を介して溶融金属をロール表面に噴出すると、ノズ
ル開口とロール表面間に前述のパドル9が形成される。
このパドルの直下、ロール表面上で薄帯5が形成する。
図7に示す鋳造の様子を上から透過して見た模式図を、
図8に示す。
【0010】図8中、個々のノズル開口2,2′は点線
で示しているが、これらの開口のまわりには一体化した
パドル9が形成され、このパドル9の直下で薄帯5が形
成される。一体化したパドルのロール回転方向に対する
後方での輪郭はほぼ一直線状になるが、時々ノズル開口
間で完全な直線とならず、僅かなへこみ10が形成され
る。このようなへこみ10が形成されると、ここで移動
するロールが持ち込む雰囲気ガスを優先的にパドルとロ
ール表面間に巻き込み、薄帯のロール面に筋状欠陥11
が形成される。このような筋状欠陥は、例えば積層した
り、巻加工したりする場合、占積率の低下を招くので好
ましくない。
【0011】本発明の目的は、このような金属薄帯の製
造の障害となっていた筋状欠陥の発生を抑制し、良好な
金属薄帯を製造する方法および製造用ノズルを提供する
ことにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、以下の構成を
その要旨としている。すなわち、(1)平行四辺形状開
口を複数個、冷却基板の移動方向に対しほぼ直角に配置
し、前記開口列の両端部に三角形状の小開口を設け、さ
らに、冷却基板に対向する側のみに、少なくとも前記開
口部および開口間隔部全体にわたる一定の深さの窪みを
設けたノズルを、冷却基板に対向して設け、前記ノズル
から溶融金属を冷却基板の表面に噴出させ急冷凝固させ
ることを特徴とする金属薄帯の製造方法、(2)ノズル
の冷却基板に対向する側に設けた窪みの寸法が、深さd
0 が0.05mm以上、ノズル上部の複数の開口の冷却
基板移動方向前端からの長さd1 および後端からの長さ
2 が、いずれも3mm以下、さらに、ノズル上部の複
数の開口のうち最両端の開口の外端からの長さd3 、d
4 が、いずれも1mm以下であることを特徴とする上記
(1)に記載の金属薄帯の製造方法、および、(3)高
さaが0.5〜8.0mm、底辺の長さbが0.1〜
2.0mm、隣り合う開口の配列方向の間隔cが0.2
〜3.0mm、冷却基板移動方向の直角な方向に対する
傾きが10°〜80°である平行四辺形状開口を複数
個、冷却基板の移動方向に対してほぼ直角に配置し、前
記開口列の両端部に前記平行四辺形状開口の高さのほぼ
半分の高さからなる三角形状の小開口を有し、かつ、冷
却基板と対向する側のみに、深さd0 が0.05mm以
上、ノズル上部に複数の開口の冷却基板移動方向前端か
らの長さd1 および後端からの長さd2 が、いずれも3
mm以下、さらに、ノズル上部の複数の開口のうち最両
端の開口の外端からの長さd3 、d4 が、いずれも1m
m以下である窪みを有することを特徴とする金属薄帯製
造用ノズル。
【0013】以下に、本発明を詳細に説明する。本発明
の方法によるノズルを、図1に模式的に示す。図1にお
いて(b)はノズルを横から見た図であり、実際に鋳造
に用いる際は(b)の下方に冷却基板がくるようにす
る。図1の(a)および(c)はそれぞれ、ノズルの上
方および下方から見た図である。本発明のノズルは、図
1からわかるように、ノズル3の冷却基板に面した側の
みに窪み1を有することを特徴とする。このような窪み
を有するノズルを用いて、溶融金属を移動する冷却基板
の表面に噴出させて、鋳造することにより、筋状欠陥の
ない金属薄帯の製造が可能となった。
【0014】本発明のノズルを用いることにより、金属
薄帯のロール面に筋状欠陥が生成しなくなる理由は以下
のように考えられる。すなわち、ノズル上部の複数の開
口2,2′から噴出された溶融金属は、ノズル下部に設
けた窪み1のところで、冷却基板移動方向に直角な方向
で互いにつながり合ってパドルの一体化が起こり易くな
り、一体化したパドルにはもはや雰囲気ガスを優先的に
巻き込むところは消滅してしまうために筋状欠陥は生成
しなくなる。なお、上部の複数の開口と下部の窪みはノ
ズル部材として一体に設ける必要がある。
【0015】窪み1の寸法を上記のように限定した理由
は次の通りである。窪みの深さ(図1(b)中のd0
を0.05mm以上としたが、これはd0の値が0.0
5mm未満では、筋状欠陥の生成を抑制する効果がほと
んど認められないことによる。すなわち、図2に示すよ
うに、d0 の値が0.05mm未満では筋状欠陥の発生
率が20%以上と高くなる。これは、d0 の値が0.0
5mm未満では、ノズル下部に窪みを設けてもノズル上
部の複数の開口に形成する個々のパドルは一体化する
が、これら個々のパドルの継ぎ目において優先的に雰囲
気ガスを巻き込み易いためである。さらに、図2からわ
かるように、d0 の値が0.05mm以上となると、筋
状欠陥は皆無となることから、d0 の値は0.05mm
以上とすることが好ましい。
【0016】d0 の値がノズルの厚さに達した場合は前
記特開昭53−53525号公報に記載された従来の鋳
造法に用いる矩形状の開口と同様の開口となる。このよ
うなノズル開口では前述の通り、事実上金属薄帯の板幅
に制限が生じたり、板厚偏差が不良になるので、d0
値は用いるノズルの厚さ未満とすることは言うまでもな
い。本発明において、ノズルの厚さは特に規定しない
が、ノズルの厚さがあまり大きくなると、ノズル開口の
加工や鋳造前のノズル予熱に手間がかかるので、ノズル
の厚さをあまり厚くするのは好ましくない。ノズルの厚
さは、およそ20mm以下が好ましい。一方、d0 の値
はノズル上部の複数の開口の強度を考慮して、大きくて
もノズル厚さより数mm小さい値とすることが好まし
い。
【0017】次に、窪みの冷却基板移動方向における長
さとして、ノズル上部の複数の開口の冷却基板移動方向
前端からの長さd1 および後端からの長さd2 を、いず
れも3mm以下と限定した理由は下記の通りである。ま
ず、ここで言う「ノズル上部の複数の開口の冷却基板移
動方向前端からの長さd1 および後端からの長さd2
とは、図1(c)に示すd1 およびd2 の長さである。
【0018】これらd1 、d2 の値の範囲をいずれも3
mm以下としたのは、図3に示すように、3mm超とす
ると筋状欠陥の発生率が20%以上と高くなるからであ
る。d1 、d2 の値を3mm以上とすると、もはやノズ
ル下部に窪みを設けないのと同じことになるものと考え
られる。つまり、一体化したパドルの個々のパドルの継
ぎ目において優先的に雰囲気ガスを巻き込むようになる
ため、筋状欠陥が生成するようになる。なお、d1 およ
びd2 の値は、この範囲内であれば同じ値としても、あ
るいは異なる値としても構わない。
【0019】さらに、ノズル下面の窪みの冷却基板移動
方向に直角な方向の長さとして、ノズル上部の複数の開
口のうち最両端の開口の外端からの長さd3 、d4 を、
いずれも1mm以下と限定した。ここで言う「ノズル上
部の複数の開口のうち最両端の開口の外端からの長さd
3 、d4 」とは、図1(c)に示すそれぞれd3 、d4
で示すところの長さである。これらd3 、d4 の値の範
囲をいずれも1mm以下と限定したのは、いずれも1m
m超とすると、得られる薄帯の両エッジ部で板厚が薄く
なるためである。なお、d3 およびd4 の値の範囲内で
同じ値とすることが好ましい。
【0020】窪み1の寸法は、その他の鋳造条件に伴
い、上記範囲内で最適な値を適宜選択すればよい。な
お、実際に用いるノズルの寸法に関して、最適な値の組
み合わせは実施例にて具体的に示す。
【0021】本発明のノズルは、図4に示すような複数
の開口からなる上部と矩形孔からなる下部が分離された
ものであってはならない。実際に鋳造する際、ノズルは
高温のまま維持されるが、この時、ノズルは熱膨脹によ
り変形し易い。図4に示すような、2つのノズルを重ね
合わせたノズルとすると、熱膨脹により上部は変形し難
いが、下部の矩形孔は前述の通りの平行度を保持するこ
とが難しくなる。すなわち、図9(a)、(b)に示す
ように、ノズル3の熱膨脹による凸型あるいは凹型の変
形、温度の不均一による変形等により開口2の平行度を
保持することが難しいのである。従って、図4に示すよ
うなノズル構造とすると、下部の矩形孔が長手方向中央
部で広くなったり、狭くなったりして、上部の複数の開
口との接続に支障をきたしたりする。
【0022】ノズル上部の複数の平行四辺形状開口の形
状を規定するパラメータは、図5に示す個々の開口2の
冷却基板移動方向の長さa、冷却基板移動方向に直角な
方向の長さb、個々の開口の間隔cおよび傾きαであ
る。
【0023】各パラメータの大きさの範囲について説明
すると、aは0.5〜8.0mmの範囲、bは0.1〜
2.0mmの範囲、また、cは0.2〜3.0mmの範
囲である。さらに、αは10°〜80°の範囲である。
ここで重要なことは、これら複数の開口を、隣り合う開
口の一部が冷却基板移動方向で重複するようにし、かつ
前記移動方向の開口長さの合計が前記移動方向の直角な
方向で、開口が存在する範囲にわたってほぼ同じ長さと
なるようにすることである。
【0024】上記の形状パラメータは実施態様の好まし
い範囲を示したものであり、例えば高さaは薄帯板厚に
関係するパラメータであり、0.5〜8.0mmが好ま
しい範囲で、aの値を8.0mm超とすると、薄帯の板
厚が大きくなりすぎて良好な形状の薄帯は困難となる。
さらに、bおよびcのパラメータについても、上記範囲
の上限を超えた値とすると、良好な薄帯を製造すること
が困難となる。さらに、これらのパラメータの下限はノ
ズル製作における困難さを除くために定めた値である。
【0025】また、ノズル上部の複数の開口列の両端に
は、それぞれ三角形状の小開口2′を設ける。これは、
薄帯がエッジ部で極度に薄くなることを防止するための
ものであるが、その高さは平行四辺形状開口の高さのほ
ぼ半分とするのが好ましい。
【0026】本発明の方法において採用される基本方法
は、すでに述べたように溶融金属をノズル1を介して冷
却基板3の上に噴出させ、熱的接触によって急冷凝固さ
せ、連続液体急冷法のうち、いわゆる単ロール式急冷法
である。勿論、ドラムの内壁を使う遠心急冷法やエンド
レスタイプのベルトを使用する方法や、これらの改良
型、例えば補助ロールや表面温度制御装置を付属させた
装置を使用する方法、あるいは減圧下ないし真空中また
は不活性ガス中での鋳造も含まれる。
【0027】次に、本発明の方法において採用される鋳
造条件および具体的な鋳造の作業について説明する。ま
ず、ノズル底面と冷却基板の間隔は0.05〜3mmの
範囲であり、ノズル構造に応じて、上記の範囲で最適な
値を選ぶ。溶融金属の噴出圧力は0.01〜3kg/c
2 、ロールの回転速度(表面速度)は5〜60m/秒
の範囲である。これらの条件もノズルの構造、目的とす
る薄帯の板厚、さらにはその他の製造条件に合わせて最
適な値を選択する。
【0028】鋳造作業として、溶解開始前に予め鋳造時
を想定してノズルとロールとの最適な間隔位置を設定
し、その後一旦、金属溶解用のワークコイル内にルツボ
を移動させてから金属を溶解する。そして、溶解後ロー
ル回転、噴出圧力を設定した後、再び予め設定しておい
たロールとの最適間隔位置にルツボを戻し鋳造を開始す
る。このため、ワークコイルの位置はロール表面から少
し離れた位置とするのが好ましい。
【0029】
【実施例】以下に、本発明を実施例によりさらに説明す
る。表1に示す各種のノズルを用いて、大気中単ロール
薄帯製造装置により異形断面薄帯を製造した。チャージ
No.1〜11は本発明例であり、チャージNo.12
〜15は本発明の範囲外のノズルを用いた比較例であ
る。
【0030】用いた冷却ロールは銅製で、直径が300
mm、幅が50mmであった。試料溶解方式は高周波誘
導方式であった。表1に示した以外のそのほかの鋳造条
件は、下記の通りである。 溶解成分:Fe−Si6.5 −B12−C1 (アモルファス
合金) 溶融金属の重量:100g ルツボ、ノズル材質:透明石英 ノズル上部の開口形状:開口最端間の距離(図5の
L):約26mm ノズル上部の開口個数:平行四辺形15個、両端に三角
形状小開口2個 ロール表面速度:24m/s ノズルギャップ:0.3mm 噴出圧:チャージNo.8は0.5kg/cm2 、その
他のチャージは0.2kg/cm2
【0031】いずれのチャージとも幅がおよそ26mm
の薄帯が得られた。そべての薄帯について、拡大投影機
を用いて薄帯のロール面について筋状欠陥の有無を調査
した。筋状欠陥が観察された薄帯に関しては、その長さ
を測定し、薄帯全体の長さに対する比を求め、筋状欠陥
発生率として整理した。その結果を、表1に示す。な
お、筋状欠陥が薄帯板幅方向に複数発生していた場合は
すべての筋状欠陥の総長さを発生した筋状欠陥の長さと
した。また、すべての薄帯について、薄帯の長さ、最大
板厚、平均板厚および板幅を測定し、これらのデータを
同じく表1に示した。なお、最大板厚はマイクロメータ
ーで求めた値であり、平均板厚は合金の密度(7.26
g/cm3 )、板幅および長さから算出した値である。
【0032】
【表1】
【0033】表1からわかるように、本発明例のすべて
のチャージの薄帯は、筋状欠陥の発生率が10%未満と
低く、良好な金属薄帯であった。これに対し、比較例の
ものはいずれのチャージとも筋状欠陥の発生率が20%
以上の高い値を示した。
【0034】
【発明の効果】本発明によれば、これまで薄帯に発生し
ていた筋状欠陥の抑制が可能になったことから、形状良
好な任意に広い幅の薄帯の製造が実現できる。このよう
な薄帯は、積層したり、巻き加工したりした際の占積率
が向上することから、例えば大型の積みトランスあるい
は巻きトランスへの適用が可能となる。また、Cuメッ
キ等導電性の高い金属をメッキすることにより電磁波シ
ールド材、特に電磁暗室用のブラインド材に好適であ
る。現在入手できる非晶質合金薄帯の最大幅はおよそ2
0cmなので拡幅のためにハンダ付け等の工程が必要で
あったが、このような工程を省略できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法によるノズルを説明する模式図で
ある。
【図2】本発明の方法によるノズル下部の矩形窪みの深
さ(d0 )と薄帯ロール面における筋状欠陥発生率の関
係を示す図である。
【図3】本発明の方法によるノズル下部の矩形窪みの冷
却基板移動方向長さ(d1 、d2 )と薄帯ロール面にお
ける筋状欠陥発生率の関係を示す図である。
【図4】複数の開口を有する上部ノズルと矩形状開口を
有する下部ノズルが分離された本発明範囲外の例を示す
模式図である。
【図5】従来の金属薄帯製造用多孔ノズルの模式図であ
る。
【図6】単位ロール急冷凝固薄帯製造装置を示す模式図
である。
【図7】単位ロール急冷凝固薄帯製造装置を用いての鋳
造の様子を説明する拡大模式図である。
【図8】従来の金属薄帯製造用多孔ノズルを用いた際に
筋状欠陥が生成するのを説明する模式図である。
【図9】従来の金属薄帯製造用矩形孔ノズルの熱膨脹に
よる変形の様子を示す模式図。
【符号の説明】
1 ノズル上部に設けた窪み 2 ノズル上部に設けた平行四辺形状開口 2′ ノズル上部両端に設けた三角形状小開口 3 ノズル 4 冷却ロール 5 薄帯 6 溶融金属 7 加熱装置 8 ルツボ 9 一体化したパドル 10 パドルの後方でのへこみ 11 筋状欠陥 d0 ノズルの窪み深さ d1 ノズル上部の複数の開口の冷却基板移動方向前端
からの長さ d2 ノズル上部の複数の開口の冷却基板移動方向後端
からの長さ d3 ,d4 ノズル上部の複数の開口のうち最両端の開
口の外端からの長さ a ノズル上部の開口の冷却基板移動方向の長さ(高
さ) b 冷却基板移動方向に直角な方向の長さ c 個々の開口の間隔 α 冷却基板移動方向に直角な方向に対する傾き
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−220950(JP,A) 特開 平7−303946(JP,A) 特開 平7−204801(JP,A) 特開 平3−291147(JP,A) 特開 昭53−53525(JP,A) 特開 平6−269912(JP,A) 特開 平4−28996(JP,A) 特開 平3−294050(JP,A) 特開 平3−275254(JP,A) 特開 平3−275253(JP,A) 特開 昭58−77746(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B22D 11/06 380 B22D 11/06 360

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】平行四辺形状開口を複数個、冷却基板の移
    動方向に対しほぼ直角に配置し、前記開口列の両端部に
    三角形状の小開口を設け、さらに、冷却基板に対向する
    側のみに、少なくとも前記開口部および開口間隔部全体
    にわたる一定の深さの窪みを設けたノズルを、冷却基板
    に対向して設け、前記ノズルから溶融金属を冷却基板の
    表面に噴出させ、急冷凝固させることを特徴とする金属
    薄帯の製造方法。
  2. 【請求項2】ノズルの冷却基板に対向する側に設けた窪
    みの寸法が、深さd0 が0.05mm以上、ノズル上部
    の複数の開口の冷却基板移動方向前端からの長さd1
    よび後端からの長さd2 が、いずれも3mm以下、さら
    に、ノズル上部の複数の開口のうち最両端の開口の外端
    からの長さd3 、d4 が、いずれも1mm以下であるこ
    とを特徴とする請求項1に記載の金属薄帯の製造方法。
  3. 【請求項3】高さaが0.5〜8.0mm、底辺の長さ
    bが0.1〜2.0mm、隣り合う開口の配列方向の間
    隔cが0.2〜3.0mm、冷却基板移動方向の直角な
    方向に対する傾きが10°〜80°である平行四辺形状
    開口を複数個、冷却基板の移動方向に対してほぼ直角に
    配置し、前記開口列の両端部に前記平行四辺形状開口の
    高さのほぼ半分の高さからなる三角形状の小開口を有
    し、かつ、冷却基板と対向する側のみに、深さd0
    0.05mm以上、ノズル上部に複数の開口の冷却基板
    移動方向前端からの長さd1 および後端からの長さd2
    が、いずれも3mm以下、さらに、ノズル上部の複数の
    開口のうち最両端の開口の外端からの長さd3 、d
    4 が、いずれも1mm以下である窪みを有することを特
    徴とする金属薄帯製造用ノズル。
JP09755394A 1994-05-11 1994-05-11 金属薄帯の製造方法および製造用ノズル Expired - Lifetime JP3241531B2 (ja)

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