JPH08215566A - フロンの分解処理方法 - Google Patents
フロンの分解処理方法Info
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- JPH08215566A JPH08215566A JP7026439A JP2643995A JPH08215566A JP H08215566 A JPH08215566 A JP H08215566A JP 7026439 A JP7026439 A JP 7026439A JP 2643995 A JP2643995 A JP 2643995A JP H08215566 A JPH08215566 A JP H08215566A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】フロンを、有害物を生成させることなく、効率
良く無害化する処理方法を提供する。 【構成】洗浄用フロンを分解処理する方法は、窒素ガス
1を触媒層に流しながら、触媒を電気炉により加熱す
る。次にこの窒素ガスに、処理するフロンモル数の5倍
量以上の水素2を添加して触媒層へ導入する。その後こ
のガスに、ガス化したフロン3を約3%濃度となるよう
に添加してフロンを分解し、分解生成ガス4なるメタ
ン,塩化水素,フッ化水素等をアルカリ性溶液中に吹き
込んで中和して酸成分を無害化する。
良く無害化する処理方法を提供する。 【構成】洗浄用フロンを分解処理する方法は、窒素ガス
1を触媒層に流しながら、触媒を電気炉により加熱す
る。次にこの窒素ガスに、処理するフロンモル数の5倍
量以上の水素2を添加して触媒層へ導入する。その後こ
のガスに、ガス化したフロン3を約3%濃度となるよう
に添加してフロンを分解し、分解生成ガス4なるメタ
ン,塩化水素,フッ化水素等をアルカリ性溶液中に吹き
込んで中和して酸成分を無害化する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、フロンを分解する際に
有害分解生成物の発生を抑制し、かつ装置材料の腐食を
抑制し、効率よくフロンを分解するに好適なフロンの分
解処理方法に関する。
有害分解生成物の発生を抑制し、かつ装置材料の腐食を
抑制し、効率よくフロンを分解するに好適なフロンの分
解処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】フロンによるオゾン層破壊の防止は、現
代の環境問題の中でも特に重要な課題の一つであり、そ
の対応策が早急に必要とされている。フロンは化学的に
非常に安定であり、毒性,可燃性,爆発性もなく、かつ
熱の吸収・放出に優れた性能を持つため、これまでに洗
浄剤,冷媒,発泡剤等に大量に用いられてきた。しか
し、このフロンは大気中に放出されると、約15年後に
成層圏のオゾン層に到達し、フロンの分解時にオゾンを
消費することが分かった。オゾン層は地球表面への有害
紫外線の流入を防止しているが、オゾンの減少により有
害紫外線が大量に流入すると、皮膚ガン,白内症等の人
体への影響、さらには生態系全体への影響が出てくる。
このため、世界的に、フロンの使用禁止,大気中へのフ
ロン放出抑制の方向へ向かっている。
代の環境問題の中でも特に重要な課題の一つであり、そ
の対応策が早急に必要とされている。フロンは化学的に
非常に安定であり、毒性,可燃性,爆発性もなく、かつ
熱の吸収・放出に優れた性能を持つため、これまでに洗
浄剤,冷媒,発泡剤等に大量に用いられてきた。しか
し、このフロンは大気中に放出されると、約15年後に
成層圏のオゾン層に到達し、フロンの分解時にオゾンを
消費することが分かった。オゾン層は地球表面への有害
紫外線の流入を防止しているが、オゾンの減少により有
害紫外線が大量に流入すると、皮膚ガン,白内症等の人
体への影響、さらには生態系全体への影響が出てくる。
このため、世界的に、フロンの使用禁止,大気中へのフ
ロン放出抑制の方向へ向かっている。
【0003】既に、オゾン層破壊能の高い特定フロンの
生産は禁止されており、今後フロンの量が増加すること
はないが、これまでに使用されてきた大量のフロンの処
理が必要である。フロンは、断熱材として用いられる発
泡樹脂(主に発泡ウレタン等)中の気泡に含まれており、
これらは大部分が埋立て地に廃棄されている。例えば、
冷蔵庫の断熱材として使用されている発泡ウレタンの約
15%,建材用ウレタンフォ−ムの約40%はフロンガ
スである。また、フロンは自動車のエアコンの冷媒用と
しても用いられているが、廃車時にはほとんど回収され
ず、大気中に放出されているのが現状である。
生産は禁止されており、今後フロンの量が増加すること
はないが、これまでに使用されてきた大量のフロンの処
理が必要である。フロンは、断熱材として用いられる発
泡樹脂(主に発泡ウレタン等)中の気泡に含まれており、
これらは大部分が埋立て地に廃棄されている。例えば、
冷蔵庫の断熱材として使用されている発泡ウレタンの約
15%,建材用ウレタンフォ−ムの約40%はフロンガ
スである。また、フロンは自動車のエアコンの冷媒用と
しても用いられているが、廃車時にはほとんど回収され
ず、大気中に放出されているのが現状である。
【0004】これらの不要となったフロンは、回収・分
解せずに、埋立て処理あるいは焼却処理にまわされる
と、その一部は大気に放出され、オゾン層破壊の原因と
なる。これらのフロンを分解する方法として、プラズマ
法,触媒法等の方法が提案されている。例えば、特開平
2−131116 号公報にはプラズマ放電による分解の技術が
開示されている。また、特公平6−59388号公報には触媒
法による分解の技術が開示されている。しかし、これら
の技術は、フロンとH2O とを反応させてフロンを分解
させる方法であるが、分解反応時に微量な有害生成物の
発生の恐れがある。また、フロン分解に伴い発生する腐
食性ガス成分のため、装置材料の耐久性が低下する等の
問題もある。
解せずに、埋立て処理あるいは焼却処理にまわされる
と、その一部は大気に放出され、オゾン層破壊の原因と
なる。これらのフロンを分解する方法として、プラズマ
法,触媒法等の方法が提案されている。例えば、特開平
2−131116 号公報にはプラズマ放電による分解の技術が
開示されている。また、特公平6−59388号公報には触媒
法による分解の技術が開示されている。しかし、これら
の技術は、フロンとH2O とを反応させてフロンを分解
させる方法であるが、分解反応時に微量な有害生成物の
発生の恐れがある。また、フロン分解に伴い発生する腐
食性ガス成分のため、装置材料の耐久性が低下する等の
問題もある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、フロ
ンを、水素を含む還元雰囲気下で分解することにより、
微量な有害副生成物の発生を抑制し、かつ装置材料の耐
久性を向上させるフロン分解処理方法を提供することに
ある。
ンを、水素を含む還元雰囲気下で分解することにより、
微量な有害副生成物の発生を抑制し、かつ装置材料の耐
久性を向上させるフロン分解処理方法を提供することに
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の第一のフロン分解処理方法は、触媒層に窒
素を流しながら触媒を加熱して所定の温度にした後、水
素を添加し、十分触媒層に流通させた後、不要となった
冷媒,洗浄剤,発泡剤等のフロンをガス状で触媒層へ導
入し、触媒反応させて分解し、分解生成物をアルカリで
中和無害化し、大気中に放出することを特徴とする。
に、本発明の第一のフロン分解処理方法は、触媒層に窒
素を流しながら触媒を加熱して所定の温度にした後、水
素を添加し、十分触媒層に流通させた後、不要となった
冷媒,洗浄剤,発泡剤等のフロンをガス状で触媒層へ導
入し、触媒反応させて分解し、分解生成物をアルカリで
中和無害化し、大気中に放出することを特徴とする。
【0007】また、本発明の第二のフロン分解処理方法
は、フロンを含む発泡樹脂からフロンを回収する工程で
フロンと発泡樹脂とを分別し、フロンガスはフロン分解
工程へ送り、発泡樹脂小片残渣は窒素ガス雰囲気で熱分
解し、熱分解生成ガスを0〜2℃に冷却してガス中の高
沸点成分を油として回収し、これをフロン分解工程の加
熱源として用いるとともに、油として回収されなかった
ガス成分中から発泡樹脂の分解生成物であるシアン化水
素を分離することを特徴とする。
は、フロンを含む発泡樹脂からフロンを回収する工程で
フロンと発泡樹脂とを分別し、フロンガスはフロン分解
工程へ送り、発泡樹脂小片残渣は窒素ガス雰囲気で熱分
解し、熱分解生成ガスを0〜2℃に冷却してガス中の高
沸点成分を油として回収し、これをフロン分解工程の加
熱源として用いるとともに、油として回収されなかった
ガス成分中から発泡樹脂の分解生成物であるシアン化水
素を分離することを特徴とする。
【0008】上記第一,第二のフロン分解処理方法で
は、触媒反応に用いる触媒が、TiとWとを含む触媒で
あって、TiとWとの原子比が、Ti:W=2:8〜
9.1:0.9 の範囲であることが好ましい。さらに上
記の組成のTiとWとを含む触媒に、Ag,Moのうち
少なくとも一種を含む触媒が好ましい。これらを用いる
ことで、添加している水素分子の解離が行われやすい。
は、触媒反応に用いる触媒が、TiとWとを含む触媒で
あって、TiとWとの原子比が、Ti:W=2:8〜
9.1:0.9 の範囲であることが好ましい。さらに上
記の組成のTiとWとを含む触媒に、Ag,Moのうち
少なくとも一種を含む触媒が好ましい。これらを用いる
ことで、添加している水素分子の解離が行われやすい。
【0009】ところで、従来はフロンを、通常空気中水
蒸気を添加して分解していた。しかし、フロンは塩素,
フッ素等のハロゲンを含有するため、これに加えて反応
ガス中にO2 ,酸素原子(H2O 中に存在)が存在する
と、フロン分解反応に伴って、ダイオキシン等の有害物
生成の恐れがある。また、O2 が存在する酸化雰囲気で
の分解を行うため、耐食性材料の腐食速度が大きい。少
量のフロンを処理するには空気中水蒸気を添加して分解
する方法でもよいが、処理するフロンの量が多い場合、
上記の理由から、反応ガス中にO2 が含まれないほうが
望ましい。本発明者らは、フロンは、空気中、水蒸気を
添加して分解せず、還元雰囲気中、水素を添加して分解
することで、有害物生成の危険性の低下,装置材料の腐
食速度の低下を実現できることを見出した。
蒸気を添加して分解していた。しかし、フロンは塩素,
フッ素等のハロゲンを含有するため、これに加えて反応
ガス中にO2 ,酸素原子(H2O 中に存在)が存在する
と、フロン分解反応に伴って、ダイオキシン等の有害物
生成の恐れがある。また、O2 が存在する酸化雰囲気で
の分解を行うため、耐食性材料の腐食速度が大きい。少
量のフロンを処理するには空気中水蒸気を添加して分解
する方法でもよいが、処理するフロンの量が多い場合、
上記の理由から、反応ガス中にO2 が含まれないほうが
望ましい。本発明者らは、フロンは、空気中、水蒸気を
添加して分解せず、還元雰囲気中、水素を添加して分解
することで、有害物生成の危険性の低下,装置材料の腐
食速度の低下を実現できることを見出した。
【0010】フロンを含む廃棄物の代表的なものとして
冷蔵庫がある。冷蔵庫には断熱材として発泡ウレタンを
用いており、冷蔵庫一台分の発泡ウレタン中には約80
0gのフロンを含んでいる。また冷媒として約200g
のフロンを含んでいる。本発明の処理方法によると、予
め、触媒層に窒素を流しながら、触媒を電気炉を用いて
加熱する。加熱後、水素を添加し、触媒層を通過させ
る。さらに、冷蔵庫等から回収されたフロンをガス状で
触媒層へ送り、分解処理を行う。分解生成ガス中の、腐
食性が高く、人体にも有害なフッ化水素、そして強酸性
である塩化水素等は分解生成ガスの中和工程で水酸化ナ
トリウム,水酸化カルシウム等のアルカリ溶液中を通
し、酸成分を中和無害化する。最後にフロンを触媒層へ
導入することで、触媒の劣化を抑制できる。また、フロ
ン分解処理を停止させる場合も、先ずフロン供給を停止
することにより触媒性能の低下を防ぐことができる。触
媒の温度を上げる方法として、他の高熱源との熱交換に
より窒素ガスの温度を触媒の働く温度まで上げてもよ
い。フロン分解反応を行う条件は、フロン濃度10%以
下が好ましい。また触媒層の温度は触媒が十分活性を示
す、250℃〜500℃が好ましい。また、空間速度
(=ガス流量(ml/h)/触媒量(ml))は50,000/h
以下が望ましいが、特に25,000/h以下が好ましい。
冷蔵庫がある。冷蔵庫には断熱材として発泡ウレタンを
用いており、冷蔵庫一台分の発泡ウレタン中には約80
0gのフロンを含んでいる。また冷媒として約200g
のフロンを含んでいる。本発明の処理方法によると、予
め、触媒層に窒素を流しながら、触媒を電気炉を用いて
加熱する。加熱後、水素を添加し、触媒層を通過させ
る。さらに、冷蔵庫等から回収されたフロンをガス状で
触媒層へ送り、分解処理を行う。分解生成ガス中の、腐
食性が高く、人体にも有害なフッ化水素、そして強酸性
である塩化水素等は分解生成ガスの中和工程で水酸化ナ
トリウム,水酸化カルシウム等のアルカリ溶液中を通
し、酸成分を中和無害化する。最後にフロンを触媒層へ
導入することで、触媒の劣化を抑制できる。また、フロ
ン分解処理を停止させる場合も、先ずフロン供給を停止
することにより触媒性能の低下を防ぐことができる。触
媒の温度を上げる方法として、他の高熱源との熱交換に
より窒素ガスの温度を触媒の働く温度まで上げてもよ
い。フロン分解反応を行う条件は、フロン濃度10%以
下が好ましい。また触媒層の温度は触媒が十分活性を示
す、250℃〜500℃が好ましい。また、空間速度
(=ガス流量(ml/h)/触媒量(ml))は50,000/h
以下が望ましいが、特に25,000/h以下が好ましい。
【0011】フロンを抜き取った後の発泡ウレタン残渣
も有効に利用することができる。冷蔵庫から剥離された
発泡ウレタンを微粉砕し、フロンガスを抜き出し、フロ
ンガスはフロン分解工程へ送る。微粉砕した発泡ウレタ
ン残渣は窒素雰囲気下で熱分解槽へ導入し、熱分解す
る。熱分解生成物ガスは0〜2℃の冷却槽中で冷却さ
れ、高沸点成分は凝縮し油として回収される。油として
回収されなかったガス成分中には人体に有害なシアン化
水素が含まれるため、水中をバブリングさせ、シアン化
水素を分離させた後、排ガスとして放出する。冷却槽で
回収された油はフロン分解工程で触媒の温度を上げるた
めに使用できる。
も有効に利用することができる。冷蔵庫から剥離された
発泡ウレタンを微粉砕し、フロンガスを抜き出し、フロ
ンガスはフロン分解工程へ送る。微粉砕した発泡ウレタ
ン残渣は窒素雰囲気下で熱分解槽へ導入し、熱分解す
る。熱分解生成物ガスは0〜2℃の冷却槽中で冷却さ
れ、高沸点成分は凝縮し油として回収される。油として
回収されなかったガス成分中には人体に有害なシアン化
水素が含まれるため、水中をバブリングさせ、シアン化
水素を分離させた後、排ガスとして放出する。冷却槽で
回収された油はフロン分解工程で触媒の温度を上げるた
めに使用できる。
【0012】本発明では、分解生成ガスの中和工程を通
過したガスを、その中のフロン濃度に応じて、フロンの
分解工程へリサイクルしてもよい。また、フロンの分解
反応をヘリウム雰囲気で行ってもよい。さらに、発泡用
以外の洗浄用,冷媒用フロン等をフロンの分解工程に加
えてもよい。
過したガスを、その中のフロン濃度に応じて、フロンの
分解工程へリサイクルしてもよい。また、フロンの分解
反応をヘリウム雰囲気で行ってもよい。さらに、発泡用
以外の洗浄用,冷媒用フロン等をフロンの分解工程に加
えてもよい。
【0013】フロンを含む廃棄物は、冷蔵庫,建材用ウ
レタンフォ−ム,自動車等であり、これらには発泡ウレ
タンが含まれる。また、自動車から取り外された自動車
用エアコン,発泡ポリスチレン,エアゾ−ル等にもフロ
ンが含まれる。
レタンフォ−ム,自動車等であり、これらには発泡ウレ
タンが含まれる。また、自動車から取り外された自動車
用エアコン,発泡ポリスチレン,エアゾ−ル等にもフロ
ンが含まれる。
【0014】本発明によるフロンの分解工程,分解生成
物の中和工程に用いられる具体的方法は上記に例示した
方法に限定されない。また、分解工程に用いられる方法
は、上記のように触媒を用いた接触分解法以外に、プラ
ズマ分解法等が使用でき、限定されないが、低濃度のフ
ロンを含むガスを処理する場合、触媒分解法が特に好ま
しい方法である。また、分解生成ガスの処理工程では、
上記のアルカリ溶液による中和法によらず、固体塩基性
物質による吸収や活性炭による吸着法等も使用できる。
なお、本発明で分解されるフロンは、その種類に限定さ
れないが、特にフロン−11,−12,−113,−1
14,−115が好ましく、フロン構成元素としてO
(酸素)を含まないフロンが望ましい。また、フロン以
外のトリクロロエチレン,臭化メチル等も処理可能であ
る。室温で液体のフロンでも、加熱装置でガス化させて
分解工程へ送る。
物の中和工程に用いられる具体的方法は上記に例示した
方法に限定されない。また、分解工程に用いられる方法
は、上記のように触媒を用いた接触分解法以外に、プラ
ズマ分解法等が使用でき、限定されないが、低濃度のフ
ロンを含むガスを処理する場合、触媒分解法が特に好ま
しい方法である。また、分解生成ガスの処理工程では、
上記のアルカリ溶液による中和法によらず、固体塩基性
物質による吸収や活性炭による吸着法等も使用できる。
なお、本発明で分解されるフロンは、その種類に限定さ
れないが、特にフロン−11,−12,−113,−1
14,−115が好ましく、フロン構成元素としてO
(酸素)を含まないフロンが望ましい。また、フロン以
外のトリクロロエチレン,臭化メチル等も処理可能であ
る。室温で液体のフロンでも、加熱装置でガス化させて
分解工程へ送る。
【0015】
【作用】本発明では、フロン分解工程で、還元雰囲気
下、水素を添加してフロンを分解するため、従来の空気
雰囲気下での水蒸気添加分解反応のように、O2 を供給
することがなく、有害物生成を抑制することができる。
また、O2 を含む酸化雰囲気でないため、装置材料の耐
腐食性を向上させることができる。
下、水素を添加してフロンを分解するため、従来の空気
雰囲気下での水蒸気添加分解反応のように、O2 を供給
することがなく、有害物生成を抑制することができる。
また、O2 を含む酸化雰囲気でないため、装置材料の耐
腐食性を向上させることができる。
【0016】無酸素下で分解することにより、装置材料
の耐腐食性を向上させることができるため、従来よりさ
らに高濃度のフロンを処理することができる。また、フ
ロンの添加方法として、窒素,水素,フロンの順で触媒
層に導入することで触媒の活性低下を抑制することがで
きる。逆にフロン分解反応を停止する場合には、フロン
供給をまず停止させることで、同様の効果が得られる。
の耐腐食性を向上させることができるため、従来よりさ
らに高濃度のフロンを処理することができる。また、フ
ロンの添加方法として、窒素,水素,フロンの順で触媒
層に導入することで触媒の活性低下を抑制することがで
きる。逆にフロン分解反応を停止する場合には、フロン
供給をまず停止させることで、同様の効果が得られる。
【0017】フロン分解触媒として、TiとWとを含む
触媒が高活性を示すが、これにAgもしくはMoを金属
として添加することでフロンとともに触媒層へ導入させ
ている水素の解離が行われやすく、分解活性が向上し、
有害物生成を抑制する。
触媒が高活性を示すが、これにAgもしくはMoを金属
として添加することでフロンとともに触媒層へ導入させ
ている水素の解離が行われやすく、分解活性が向上し、
有害物生成を抑制する。
【0018】フロンは発泡用として大量に使用されてお
り、発泡樹脂からフロンを抜き出した後の発泡樹脂残渣
も大量に発生する。この残渣を熱分解して油回収し、こ
の油をフロン分解工程の加熱源として使用することで、
低コスト化が可能である。
り、発泡樹脂からフロンを抜き出した後の発泡樹脂残渣
も大量に発生する。この残渣を熱分解して油回収し、こ
の油をフロン分解工程の加熱源として使用することで、
低コスト化が可能である。
【0019】
【実施例】以下本発明の実施例について図面を参照して
説明する。
説明する。
【0020】〔実施例1〕図1はフロンを分解し、中和
無害化するまでの工程を示す説明図である。
無害化するまでの工程を示す説明図である。
【0021】まず、フロン分解工程A1で、TiO2−
WO3触媒を充填させた触媒反応管に窒素ガス1を流通
させながら、電気炉により触媒を所定の温度に加熱す
る。触媒反応管は内径20mmのSUS316L 製で、内部に外
径5mmの熱電対保護管を有し、熱電対で温度を測定す
る。その後、窒素ガス流に、処理するフロンモル数の7
倍量の水素ガス2を添加し、触媒層を通過させる。十分
窒素及び水素を流した後、この窒素,水素混合ガス流
に、ガス化工程A2でガス化したフロン113(以下フ
ロンと略す)3を、濃度が約3%となるように添加し、
0.5〜1mmに整粒したTiO2−WO3触媒(Ti:W
は原子比で9:1)を充填した触媒反応管へ空間速度2
0,000毎時(空間速度=ガス流量(ml/h)/触媒量(m
l))で送り、フロンを分解した。メタン,塩化水素,
フッ化水素等の分解生成ガス4は中和工程A3に送ら
れ、ここでアルカリ性の水酸化カルシウム溶液中に吹き
込まれて、塩化水素,フッ化水素等の酸成分は中和され
て無害化される。酸成分除去した後のメタン,未反応水
素,窒素からなるガス5′は、フロン分析工程A4に送
られ、ガスクロマトグラフ(分析装置)によりフロン濃
度を測定し、排ガス5として放出した。
WO3触媒を充填させた触媒反応管に窒素ガス1を流通
させながら、電気炉により触媒を所定の温度に加熱す
る。触媒反応管は内径20mmのSUS316L 製で、内部に外
径5mmの熱電対保護管を有し、熱電対で温度を測定す
る。その後、窒素ガス流に、処理するフロンモル数の7
倍量の水素ガス2を添加し、触媒層を通過させる。十分
窒素及び水素を流した後、この窒素,水素混合ガス流
に、ガス化工程A2でガス化したフロン113(以下フ
ロンと略す)3を、濃度が約3%となるように添加し、
0.5〜1mmに整粒したTiO2−WO3触媒(Ti:W
は原子比で9:1)を充填した触媒反応管へ空間速度2
0,000毎時(空間速度=ガス流量(ml/h)/触媒量(m
l))で送り、フロンを分解した。メタン,塩化水素,
フッ化水素等の分解生成ガス4は中和工程A3に送ら
れ、ここでアルカリ性の水酸化カルシウム溶液中に吹き
込まれて、塩化水素,フッ化水素等の酸成分は中和され
て無害化される。酸成分除去した後のメタン,未反応水
素,窒素からなるガス5′は、フロン分析工程A4に送
られ、ガスクロマトグラフ(分析装置)によりフロン濃
度を測定し、排ガス5として放出した。
【0022】その結果、触媒温度430℃でフロン分解
率99.5% が得られた。触媒温度300℃では55
%、500℃では99.7% であった。また、フロン分
解生成物中のダイオキシン濃度は、毒性等価換算濃度
0.5ngTEQ/m3N以下であった。50時間分解反
応を行った後の触媒反応管内壁に腐食は見られず、空
気,水蒸気を添加してフロン分解を行った場合に比べ、
分解生成物による腐食が抑制された。
率99.5% が得られた。触媒温度300℃では55
%、500℃では99.7% であった。また、フロン分
解生成物中のダイオキシン濃度は、毒性等価換算濃度
0.5ngTEQ/m3N以下であった。50時間分解反
応を行った後の触媒反応管内壁に腐食は見られず、空
気,水蒸気を添加してフロン分解を行った場合に比べ、
分解生成物による腐食が抑制された。
【0023】なお、今回用いたTiO2−WO3の調製法
を次に示す。スラリ状のメタチタン酸(酸化チタンとし
て20重量%含有)250gとパラタングステン酸アン
モニウム18.2g を擂かい機を用いて十分に混合し、
得られたスラリを150℃で一昼夜乾燥後、400℃で
焼成する。得られた粉末を金型に入れ、500kgf/cm
2で圧縮成型する。圧縮するときの圧力は300〜30
00kgf/cm2が好ましい。この成型品を500℃で2
時間空気中で焼成する。かくして得られた触媒は金属成
分の原子比でTi:W=9:1の組成を有する。この触
媒を粉砕,篩い分けし、1〜2mmの粒径のもの2mlを
試験に供した。
を次に示す。スラリ状のメタチタン酸(酸化チタンとし
て20重量%含有)250gとパラタングステン酸アン
モニウム18.2g を擂かい機を用いて十分に混合し、
得られたスラリを150℃で一昼夜乾燥後、400℃で
焼成する。得られた粉末を金型に入れ、500kgf/cm
2で圧縮成型する。圧縮するときの圧力は300〜30
00kgf/cm2が好ましい。この成型品を500℃で2
時間空気中で焼成する。かくして得られた触媒は金属成
分の原子比でTi:W=9:1の組成を有する。この触
媒を粉砕,篩い分けし、1〜2mmの粒径のもの2mlを
試験に供した。
【0024】〔実施例2〕実施例1の酸化チタン−酸化
タングステン触媒で、チタンとタングステンの割合を変
えた触媒を調製した。調製した触媒及び性能試験結果を
表1に示す。
タングステン触媒で、チタンとタングステンの割合を変
えた触媒を調製した。調製した触媒及び性能試験結果を
表1に示す。
【0025】
【表1】
【0026】なお、比較例1〜3はチタンとタングステ
ンの割合が本発明の好ましい範囲を外れる触媒の例であ
る。
ンの割合が本発明の好ましい範囲を外れる触媒の例であ
る。
【0027】〔実施例3〕本実施例では実施例1の酸化
チタン−酸化タングステン触媒に第3成分としてAg及
びMoを添加した効果について示す。
チタン−酸化タングステン触媒に第3成分としてAg及
びMoを添加した効果について示す。
【0028】スラリ状のメタチタン酸(酸化チタンとし
て20重量%含有)250gとパラタングステン酸アン
モニウム18.2gと硝酸銀11.8gを擂かい機を用い
て十分に混合し、得られたスラリを窒素雰囲気中で15
0℃一昼夜乾燥,400℃焼成する。得られた粉末を金
型に入れ、500kgf/cm2 で圧縮成型する。圧縮する
ときの圧力は300〜3000kgf/cm2が好ましい。
この成型品を500℃で2時間窒素中で焼成する。かく
して得られた触媒は金属成分の原子比でTi:W:Ag
=9:1:1の組成を有する。この触媒を粉砕,1〜2
mmに篩い分けた(実施例3−1触媒)。硝酸銀の代わり
にモリブデン酸アンモニウム12.3gを用い上記同様
の方法で触媒を調製した(実施例3−2触媒)。これら
の触媒を実施例1と同様の条件で、温度430℃で、長
時間の連続試験に供した。結果を表2に示す。
て20重量%含有)250gとパラタングステン酸アン
モニウム18.2gと硝酸銀11.8gを擂かい機を用い
て十分に混合し、得られたスラリを窒素雰囲気中で15
0℃一昼夜乾燥,400℃焼成する。得られた粉末を金
型に入れ、500kgf/cm2 で圧縮成型する。圧縮する
ときの圧力は300〜3000kgf/cm2が好ましい。
この成型品を500℃で2時間窒素中で焼成する。かく
して得られた触媒は金属成分の原子比でTi:W:Ag
=9:1:1の組成を有する。この触媒を粉砕,1〜2
mmに篩い分けた(実施例3−1触媒)。硝酸銀の代わり
にモリブデン酸アンモニウム12.3gを用い上記同様
の方法で触媒を調製した(実施例3−2触媒)。これら
の触媒を実施例1と同様の条件で、温度430℃で、長
時間の連続試験に供した。結果を表2に示す。
【0029】
【表2】
【0030】比較のため、実施例1の触媒についても示
した。
した。
【0031】〔実施例4〕本実施例は、実施例1のフロ
ンを処理する方法で、フロン113以外のフロン(フロ
ン11,フロン12)を処理した結果である。フロン1
1及びフロン12は室温で気体のため、フロンガス化工
程A2を通さずに直接フロン分解工程A1に送った。
ンを処理する方法で、フロン113以外のフロン(フロ
ン11,フロン12)を処理した結果である。フロン1
1及びフロン12は室温で気体のため、フロンガス化工
程A2を通さずに直接フロン分解工程A1に送った。
【0032】
【表3】
【0033】〔実施例5〕本実施例は、図1に示す実施
例1のフロンを処理する方法に加えて、フロンの分析工
程A4を通過したガスをフロン分解工程A1へリサイク
ルする経路を設けたものである。ここでは実施例5で実
施例1と相違する点のみを図2により説明する。
例1のフロンを処理する方法に加えて、フロンの分析工
程A4を通過したガスをフロン分解工程A1へリサイク
ルする経路を設けたものである。ここでは実施例5で実
施例1と相違する点のみを図2により説明する。
【0034】中和工程A3で酸成分除去後のメタン,未
反応水素,窒素からなるガス5′を、フロン分析工程A
4でガスクロマトグラフによりフロン濃度を分析し、フ
ロン分解率が99%以下の場合は、配管を通してフロン
分解工程A1へリサイクルし、再度フロン処理する。そ
の結果、99%以上の分解率が得られたときにそのガス
を排ガス5として放出する。
反応水素,窒素からなるガス5′を、フロン分析工程A
4でガスクロマトグラフによりフロン濃度を分析し、フ
ロン分解率が99%以下の場合は、配管を通してフロン
分解工程A1へリサイクルし、再度フロン処理する。そ
の結果、99%以上の分解率が得られたときにそのガス
を排ガス5として放出する。
【0035】〔実施例6〕本実施例は、図1に示す実施
例1のフロンを処理する方法のフロン分解工程A1にお
ける触媒の加熱を、電気炉を用いる代わりに、窒素ガス
1を予熱工程A5で加熱して行うものである。ここでは
実施例6で実施例1と相違する点のみを図3により説明
する。
例1のフロンを処理する方法のフロン分解工程A1にお
ける触媒の加熱を、電気炉を用いる代わりに、窒素ガス
1を予熱工程A5で加熱して行うものである。ここでは
実施例6で実施例1と相違する点のみを図3により説明
する。
【0036】図3に示すように、窒素ガス1を予熱工程
A5で配管外部からバーナで加熱する。加熱された窒素
ガスを触媒層にしばらく流通させ、その後、水素2を添
加する。窒素,水素を十分触媒層へ流した後、フロン3
を添加してフロンを分解した。なお、予熱工程A5の温
度はフロン分解反応中触媒温度が430℃となるよう調
節した。その結果、実施例1と同様の結果が得られた。
A5で配管外部からバーナで加熱する。加熱された窒素
ガスを触媒層にしばらく流通させ、その後、水素2を添
加する。窒素,水素を十分触媒層へ流した後、フロン3
を添加してフロンを分解した。なお、予熱工程A5の温
度はフロン分解反応中触媒温度が430℃となるよう調
節した。その結果、実施例1と同様の結果が得られた。
【0037】〔実施例7〕本実施例は、図1に示す実施
例1のフロンを処理する方法に加えて、フロン分解生成
物中和工程A3を通過したガスを触媒燃焼工程A6に送
り、排ガス5′中のメタンを燃焼するものである。ここ
では実施例7で実施例1と相違する点のみを図4により
説明する。
例1のフロンを処理する方法に加えて、フロン分解生成
物中和工程A3を通過したガスを触媒燃焼工程A6に送
り、排ガス5′中のメタンを燃焼するものである。ここ
では実施例7で実施例1と相違する点のみを図4により
説明する。
【0038】図4に示すように、フロン分解生成物中和
工程A3を通過したガス5′を空気6を用いて約1/2
に希釈して、触媒燃焼工程A6で1重量%Pd担持Al
2O3触媒と接触させた。触媒層通過後のガス5′中のメ
タン濃度をフロン分析工程A4でガスクロマトグラフ
(分析計)で測定したところ、0.1%以下であった。 〔実施例8〕図5は発泡ウレタン中のフロンを分解し、
中和処理するまでの工程を示す図である。
工程A3を通過したガス5′を空気6を用いて約1/2
に希釈して、触媒燃焼工程A6で1重量%Pd担持Al
2O3触媒と接触させた。触媒層通過後のガス5′中のメ
タン濃度をフロン分析工程A4でガスクロマトグラフ
(分析計)で測定したところ、0.1%以下であった。 〔実施例8〕図5は発泡ウレタン中のフロンを分解し、
中和処理するまでの工程を示す図である。
【0039】まず、発泡ウレタン7は、前処理B1で破
砕機にかけられ、数十mm程度の小片に破砕される。発泡
ウレタン小片8はさらにフロンの回収工程B2で、窒素
ガスが満たされた密閉容器中で微粉砕機により気泡粒径
程度の微分に粉砕される。この際、発泡ウレタンの微粉
9は微粉砕機に備えたホッパに貯えられる一方、発泡ウ
レタン8が粉砕されて放出されるフロンガス10は、容
器中の窒素とともに吸引機により取り出される。窒素に
より希釈されたフロンガス10は配管を通してフロンの
希釈工程B3に送られ、ガスクロマトグラフ(分析計)
によりフロン濃度を測定し、3%程度の濃度となるよう
窒素1で希釈する。濃度調節されたフロンガス10は、
さらにフロンモル数の5倍量以上の水素2を添加し、加
熱フロン分解工程B4に送り、予めバーナで430℃程
度に加熱された、1〜2mmに整粒したTiO2−WO3の
層に空間速度二万毎時で導入しフロンを分解する。とこ
ろで、ホッパに貯えられた微粉ウレタン9は、コンベア
でウレタン熱分解槽に送られ、ウレタンの熱分解工程C
1で窒素雰囲気下500℃で熱分解される。ウレタン熱
分解生成ガス11は凝縮工程C2に送られ、0〜2℃に
調節された凝縮槽で油成分12とガス成分とに分けられ
る。未回収ガス13はシアン化水素分離工程C3に送ら
れ、水中をバブリングさせ、シアン化水素を除去した
後、排ガス5として放出する。微粉ウレタン9の熱分解
で得られた油成分12はフロン分解工程B4の触媒層の
加熱に用いる。フロン分解生成ガス4は配管を通じて中
和工程B5に送られ、アルカリ性の水酸化カルシウム溶
液中に吹き込まれて、塩化水素,フッ化水素等の酸成分
が中和無害化される。酸成分を除去した後のメタン,未
反応の水素,窒素を含むガス5′は、フロン分析工程B
6によりフロン濃度を分析し、排ガス5として放出し
た。
砕機にかけられ、数十mm程度の小片に破砕される。発泡
ウレタン小片8はさらにフロンの回収工程B2で、窒素
ガスが満たされた密閉容器中で微粉砕機により気泡粒径
程度の微分に粉砕される。この際、発泡ウレタンの微粉
9は微粉砕機に備えたホッパに貯えられる一方、発泡ウ
レタン8が粉砕されて放出されるフロンガス10は、容
器中の窒素とともに吸引機により取り出される。窒素に
より希釈されたフロンガス10は配管を通してフロンの
希釈工程B3に送られ、ガスクロマトグラフ(分析計)
によりフロン濃度を測定し、3%程度の濃度となるよう
窒素1で希釈する。濃度調節されたフロンガス10は、
さらにフロンモル数の5倍量以上の水素2を添加し、加
熱フロン分解工程B4に送り、予めバーナで430℃程
度に加熱された、1〜2mmに整粒したTiO2−WO3の
層に空間速度二万毎時で導入しフロンを分解する。とこ
ろで、ホッパに貯えられた微粉ウレタン9は、コンベア
でウレタン熱分解槽に送られ、ウレタンの熱分解工程C
1で窒素雰囲気下500℃で熱分解される。ウレタン熱
分解生成ガス11は凝縮工程C2に送られ、0〜2℃に
調節された凝縮槽で油成分12とガス成分とに分けられ
る。未回収ガス13はシアン化水素分離工程C3に送ら
れ、水中をバブリングさせ、シアン化水素を除去した
後、排ガス5として放出する。微粉ウレタン9の熱分解
で得られた油成分12はフロン分解工程B4の触媒層の
加熱に用いる。フロン分解生成ガス4は配管を通じて中
和工程B5に送られ、アルカリ性の水酸化カルシウム溶
液中に吹き込まれて、塩化水素,フッ化水素等の酸成分
が中和無害化される。酸成分を除去した後のメタン,未
反応の水素,窒素を含むガス5′は、フロン分析工程B
6によりフロン濃度を分析し、排ガス5として放出し
た。
【0040】その結果、触媒温度430℃ではフロン分
解率99.3% が得られた。触媒温度300℃では75
%、500℃では99.5% の分解率が得られた。な
お、ダイオキシン濃度,腐食の程度は実施例1と同様で
あった。
解率99.3% が得られた。触媒温度300℃では75
%、500℃では99.5% の分解率が得られた。な
お、ダイオキシン濃度,腐食の程度は実施例1と同様で
あった。
【0041】〔実施例9〕本実施例は、図6に示すよう
に、実施例8の発泡ウレタンを微粉砕してフロンを取り
出し、このフロンを処理する方法に、別の系で取り出し
た冷媒用のフロンをフロンの希釈工程B3に導入する経
路を設けて、発泡ウレタンから回収したフロンと冷媒用
のフロンを同時処理するものである。ここでは実施例9
で実施例8と相違する点のみを図6により説明する。
に、実施例8の発泡ウレタンを微粉砕してフロンを取り
出し、このフロンを処理する方法に、別の系で取り出し
た冷媒用のフロンをフロンの希釈工程B3に導入する経
路を設けて、発泡ウレタンから回収したフロンと冷媒用
のフロンを同時処理するものである。ここでは実施例9
で実施例8と相違する点のみを図6により説明する。
【0042】別の系で取り出された冷媒用のフロン14
を配管を通してフロンの希釈工程B3に導入し、冷媒用
フロン濃度3%,ウレタンからの発泡用フロン濃度3%
となるよう窒素1で調節した。その結果、実施例7と同
様の分解が行われた。
を配管を通してフロンの希釈工程B3に導入し、冷媒用
フロン濃度3%,ウレタンからの発泡用フロン濃度3%
となるよう窒素1で調節した。その結果、実施例7と同
様の分解が行われた。
【0043】〔実施例10〕本実施例は、図7に示すよ
うに、実施例8の発泡ウレタンを微粉砕してフロンを取
り出し、このフロンを処理する方法に、別の系で取り出
した洗浄用のフロンをフロンの希釈工程B3に導入する
経路を設けて、発泡ウレタンから回収したフロンと洗浄
用のフロンを同時処理するものである。ここでは実施例
10で実施例8と相違する点のみを図7により説明す
る。
うに、実施例8の発泡ウレタンを微粉砕してフロンを取
り出し、このフロンを処理する方法に、別の系で取り出
した洗浄用のフロンをフロンの希釈工程B3に導入する
経路を設けて、発泡ウレタンから回収したフロンと洗浄
用のフロンを同時処理するものである。ここでは実施例
10で実施例8と相違する点のみを図7により説明す
る。
【0044】別の系で取り出された洗浄用のフロン15
を配管を通してフロンのガス化工程B7に送り、ガス化
させる。ガス化したフロンを配管を通してフロンの希釈
工程B3に導入し、洗浄用フロン濃度3%,ウレタンか
らの発泡用フロン濃度3%となるよう窒素1で調節し
た。その結果、実施例7と同様の分解が行われた。本実
施例によると発泡用フロンのみならず、冷媒用,洗浄用
のフロンも処理できる。 〔実施例11〕本実施例は、図5に示す実施例8のフロ
ンを処理する方法に加えて、フロンの分析工程B6を通
過したガスをフロン分解工程B4へリサイクルする経路
を設けたものである。ここでは実施例11で実施例8と
相違する点のみを図8により説明する。
を配管を通してフロンのガス化工程B7に送り、ガス化
させる。ガス化したフロンを配管を通してフロンの希釈
工程B3に導入し、洗浄用フロン濃度3%,ウレタンか
らの発泡用フロン濃度3%となるよう窒素1で調節し
た。その結果、実施例7と同様の分解が行われた。本実
施例によると発泡用フロンのみならず、冷媒用,洗浄用
のフロンも処理できる。 〔実施例11〕本実施例は、図5に示す実施例8のフロ
ンを処理する方法に加えて、フロンの分析工程B6を通
過したガスをフロン分解工程B4へリサイクルする経路
を設けたものである。ここでは実施例11で実施例8と
相違する点のみを図8により説明する。
【0045】中和工程B5で酸成分除去後のメタン,未
反応水素,窒素からなるガス5′を、フロン分析工程B
6でガスクロマトグラフによりフロン濃度を分析し、フ
ロン分解率が99%以下の場合は、配管を通してフロン
分解工程B4へリサイクルし、再度フロン処理する。そ
の結果、99%以上の分解率が得られたときにそのガス
を排ガス5として放出する。
反応水素,窒素からなるガス5′を、フロン分析工程B
6でガスクロマトグラフによりフロン濃度を分析し、フ
ロン分解率が99%以下の場合は、配管を通してフロン
分解工程B4へリサイクルし、再度フロン処理する。そ
の結果、99%以上の分解率が得られたときにそのガス
を排ガス5として放出する。
【0046】〔実施例12〕本実施例は、図5に示す実
施例8のフロンを処理する方法に加えて、フロン分解生
成物中和工程B5を通過したガス5′を触媒燃焼工程B
8に送り、排ガス5′中のメタンを燃焼するものであ
る。ここでは実施例12で実施例8と相違する点のみを
図9により説明する。
施例8のフロンを処理する方法に加えて、フロン分解生
成物中和工程B5を通過したガス5′を触媒燃焼工程B
8に送り、排ガス5′中のメタンを燃焼するものであ
る。ここでは実施例12で実施例8と相違する点のみを
図9により説明する。
【0047】図9に示すように、フロン分解生成物中和
工程B5を通過したガス5′を空気6を用いて約1/2
に希釈して、触媒燃焼工程B8で1重量%Pd担持Al
2O3触媒と接触させた。触媒層通過後のガス5′中のメ
タン濃度をフロン分析工程B6でガスクロマトグラフ
(分析計)で測定したところ、0.1% 以下であった。
工程B5を通過したガス5′を空気6を用いて約1/2
に希釈して、触媒燃焼工程B8で1重量%Pd担持Al
2O3触媒と接触させた。触媒層通過後のガス5′中のメ
タン濃度をフロン分析工程B6でガスクロマトグラフ
(分析計)で測定したところ、0.1% 以下であった。
【0048】
【発明の効果】本発明によれば、フロンの分解処理方法
を、還元雰囲気下で水素を添加してフロンを分解するた
め、反応ガス中に酸素がほとんど存在せず、有害物であ
るダイオキシン等の生成が抑制される。さらに、分解生
成物として塩化水素,フッ化水素が生成するが、酸素の
存在する酸化雰囲気でないため、装置材料の腐食を抑制
することができる。
を、還元雰囲気下で水素を添加してフロンを分解するた
め、反応ガス中に酸素がほとんど存在せず、有害物であ
るダイオキシン等の生成が抑制される。さらに、分解生
成物として塩化水素,フッ化水素が生成するが、酸素の
存在する酸化雰囲気でないため、装置材料の腐食を抑制
することができる。
【0049】また、本発明によれば、第二の分解処理方
法を、発泡ウレタンからフロンを抜き出し、微粉ウレタ
ンを熱分解して油回収し、この油をフロン分解工程の熱
源に用いることができるため、低コスト化が図れる。ま
た、ウレタンの熱分解生成物中からシアン化水素を分離
するため、有害ガスを大気に放出しない。
法を、発泡ウレタンからフロンを抜き出し、微粉ウレタ
ンを熱分解して油回収し、この油をフロン分解工程の熱
源に用いることができるため、低コスト化が図れる。ま
た、ウレタンの熱分解生成物中からシアン化水素を分離
するため、有害ガスを大気に放出しない。
【図1】本発明の実施例1のフロンの分解処理方法を構
成する各工程を示す説明図。
成する各工程を示す説明図。
【図2】本発明の実施例5の各工程を示す説明図。
【図3】本発明の実施例6の各工程を示す説明図。
【図4】本発明の実施例7の各工程を示す説明図。
【図5】本発明の実施例8の各工程を示す説明図。
【図6】本発明の実施例9の各工程を示す説明図。
【図7】本発明の実施例10の各工程を示す説明図。
【図8】本発明の実施例11の各工程を示す説明図。
【図9】本発明の実施例12の各工程を示す説明図。
A1…フロン分解工程、A2…フロンガス化工程、A3
…フロン分解生成物中和工程、A4…フロン分析工程、
1…窒素ガス、2…水素、3…フロン、4…フロン分解
生成物、5…排ガス。
…フロン分解生成物中和工程、A4…フロン分析工程、
1…窒素ガス、2…水素、3…フロン、4…フロン分解
生成物、5…排ガス。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B01J 23/68 B01D 53/36 ZABG (72)発明者 小豆畑 茂 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 玉田 慎 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立工場内 (72)発明者 加藤 明 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内
Claims (9)
- 【請求項1】フロンを分解処理する分解工程,分解生成
物を中和無害化する中和工程の複数の工程からなるフロ
ン分解処理方法において、フロンを、水素を含む還元雰
囲気中で分解することを特徴とするフロン分解処理方
法。 - 【請求項2】請求項1に記載の分解工程が、触媒により
フロンを接触分解させる触媒分解工程であるフロンの分
解処理方法。 - 【請求項3】請求項2に記載の触媒分解工程で、触媒が
TiとWとを含む触媒であって、TiとWとの原子比
が、Ti:W=2:8〜9.1:0.9の範囲であるフロ
ンの分解処理方法。 - 【請求項4】請求項3に記載のTiとWとを含む触媒
に、Ag,Moのうち少なくとも一つを含有するフロン
の分解処理方法。 - 【請求項5】請求項1,2,3または4に記載の中和工
程で、中和に用いるアルカリが、Na,K,Ca,Mg
の水酸化物あるいは酸化物あるいはこれらのスラリであ
るフロン分解処理方法。 - 【請求項6】フロンを含む発泡樹脂からのフロンの回収
工程,回収したフロンの分解工程,分解生成物の中和工
程からなる廃発泡材中のフロンの分解処理方法で、フロ
ン回収工程で発生する発泡樹脂小片残渣を窒素ガス下で
熱分解する工程と,熱分解生成物を冷却して油を回収す
る工程と,油として回収されなかったガス成分の中から
シアン化水素を分離する工程を持ち、熱分解生成物を冷
却して回収された油を燃やしてフロン分解工程の熱源に
用いることを特徴とする廃発泡材中のフロンの分解処理
方法。 - 【請求項7】請求項6に記載の廃発泡材中のフロンの分
解処理方法で、回収したフロンの分解工程で、フロン
を、水素を含む還元雰囲気中で分解するフロン分解処理
方法。 - 【請求項8】請求項1または6に記載の廃発泡材中のフ
ロンの分解処理方法で、回収したフロンの分解工程に、
洗浄用及び冷媒用フロンを注入する装置を有するフロン
分解処理方法。 - 【請求項9】請求項6,7または8に記載の中和工程
で、中和に用いるアルカリが、Na,K,Ca,Mgの
水酸化物あるいは酸化物あるいはこれらのスラリである
フロン分解処理方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7026439A JPH08215566A (ja) | 1995-02-15 | 1995-02-15 | フロンの分解処理方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7026439A JPH08215566A (ja) | 1995-02-15 | 1995-02-15 | フロンの分解処理方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08215566A true JPH08215566A (ja) | 1996-08-27 |
Family
ID=12193549
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7026439A Pending JPH08215566A (ja) | 1995-02-15 | 1995-02-15 | フロンの分解処理方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08215566A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001096135A (ja) * | 1999-09-30 | 2001-04-10 | Air Liquide Japan Ltd | 排ガス処理装置 |
KR20190102396A (ko) * | 2018-02-26 | 2019-09-04 | 한국에너지기술연구원 | 발포 공정에서 배출되는 발포 가스 회수 장치 및 방법 |
WO2020101149A1 (ko) * | 2018-11-12 | 2020-05-22 | 한국에너지기술연구원 | 발포공정에서 배출되는 발포 가스 포집장치, 회수시스템 및 방법 |
-
1995
- 1995-02-15 JP JP7026439A patent/JPH08215566A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001096135A (ja) * | 1999-09-30 | 2001-04-10 | Air Liquide Japan Ltd | 排ガス処理装置 |
JP4545852B2 (ja) * | 1999-09-30 | 2010-09-15 | 日本エア・リキード株式会社 | 排ガス処理装置 |
KR20190102396A (ko) * | 2018-02-26 | 2019-09-04 | 한국에너지기술연구원 | 발포 공정에서 배출되는 발포 가스 회수 장치 및 방법 |
WO2020101149A1 (ko) * | 2018-11-12 | 2020-05-22 | 한국에너지기술연구원 | 발포공정에서 배출되는 발포 가스 포집장치, 회수시스템 및 방법 |
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